○樋詰
説明員
公団の貯炭につきましては私
どもも今永井先生の御
質問のように、危惧を持つておつたわけでございますが、九月十五日に配炭
公団が廃止になりましたあと、十月一ぱいをほとんどかけまして、今までの監督官庁でございました通産省、新しく
公団を引継ぎました大蔵省、それに
経済調査庁、会計検査院、この四者が立合いまして全国的にわたつて貯炭の査定、たなおろしをやつたわけでございます。その結果は意外に欠斤が少うございまして、目下最終的な
資料を集計いたしておりますので、二、三日中にははつきり出ると思いますが、大体今集まりました
数字から申し上げますと、
帳簿では総数約四百七十七万トン、そういう
数字があつたのでありますが、それに対しまして欠斤が十三万九千トンで、約三%
程度でございます。従つてたなおろしをいたしました結果、一応減損すると設定されました
数字が四百六十三万一千トンでございます。この四百六十三万一千トンの
数字のうち、規格が
相当下つておると
考えられるものが百二十万トン
程度でございます。これは
公団が買い上げるべき、たとえばこの前申し上げた通り、一般的には四千カロリー、宇部が三千五百カロリー、常磐が三千二百カロリー、それが
公団の格内炭に
なつております。この規格が下つても格内でとどまるものが七十五万トン、長い間置いたために風化その他によつて品質が悪化して、格外に落ちざるを得ないものが四十五万トン、合計いたしまして大体百二十万トン
程度は格下げしなければならないと
考えておりますが、はつきりした
数字は先ほど申しましたように二、三日中に集計されることに
なつております。大体東京と大阪と九州の分が今非常に貯炭場所が多うございまして、全部つき合わせておりまして、それ以外の地区は最後の
数字まではつきり出ておりますが、三つの大きなところは若干集計に手間取つております。
公団が結局清算が結了した場合に、どれくらいの
赤字が残るかという
お話でございますが、これは非常にむずかしい問題でございまして、もしも今あります炭が格下げしたものは、それぞれの規格によつたにいたしましても、従来
公団が売つておりました値段で売れば、いろいろ巷間伝えられております
数字にならぬで済むとは思いますが、今のところ石炭の自由
販売に
なつてからのほんとうの時価というものが、
政府においてつかめておらない
状況であります。というのは、大口の消費者はほとんど全部概算契約をやつております。概算契約の傾向から申しますと、配炭
公団廃止後優良炭においては必ずしも値が下つておらない。むしろ六千カロリー以上の優秀炭については若干の上りぎみであります。すそものにありましてはこれは
相当下つておるようであります。すそものがあまり動いておらないということから、はつきりした
数字がつかめないわけでありますが、一応
相当の損失が出るのではないかということで、清算を引継ぎました大蔵省の方で、来
年度予算に
公団に対する繰入れということで、
赤字の補填のために要求しておりますものは四十三億五千七百万円、これだけ明
年度公団が債務を完済したりするために、必要ではないかということでやつております。しかしこの内訳を申しますと、欠斤が風化その他を合せまして大体二五%、欠斤あるいは商品はあるけれ
ども全然商品価値がない、売れないだろうといつたものを二五%
程度見て、そうして残りの七五%を、石炭につきましては八百円くらい今の
帳簿価格より安いと申しますと、大体ボタの平均が三千円
程度でございますから、三千円のものを二千二百円くらいに売る。コークスは現在四千四百円の平均ボタに
なつておりますが、これは千五百円
程度を引いて二千九百円くらいで処分するということで計算しまして、このほかいろいろ進駐軍にどうしても納めなければならないという
事業運営のために、はるばる九州から大阪の方に、一部の特殊の炭については荷を動かさなければいかぬといういろいろの
状況がございますが、そういうものを全部ひつくるめまして、一応百二十一億四千五百万円——もう一応各項目にわたつて申しますと、欠斤四十億
程度、残りの炭を値下げして売るということで三十三億
程度、
事業運営費で十四億
程度、その他こまかくなりますが、取引高税、これは
販売高の一割、
公団が解散後売つたものについて納めなければなりません。これが八千百万円、銀行の支拂い利息七千五百万円、三月までの
経費が八億五千万円ばかり、
売掛金が九月十五日で百七十六億ございましたが、このうち十六億
程度は
回収不能ではないかというふうに見まして、百二十一億ばかりの一応
赤字が出るというかつこうになるわけでございます。今まで出ました剰余金その他で
政府に納むべきものが七十五億八千万円ばかり残つておりますので、新たに
政府の方から繰入れていただくというのが四十三億五千万円、こういうことで一応予算的措置だけは講じたわけでございますが、先ほど冒頭に申し上げましたように、二五%
程度欠斤があると見ておりましたものが、今のたなおろしの結果によりますと、欠斤としてはわずかに三%しかない。廃棄すべき
数量も十四万トンくらいでございまして、ほぼ三%、両方合せまして六%
程度ということになります。このほか自然発火その他による損害というものが、順調に
行つてあまり起らないということであれば、欠斤から出る四十億というものは
相当減ることが当然
考えられる。ただ残りました炭は八百円あるいは千五百円なりの
価格で済むかどうかということは、十二月八日に第一回入札をしまして、そのふたを開けた結果でなければ大体時価の見当がつきませんので、入札をやつてどの
程度で入れるかということを見た上で、これはもう一回損失の
見込みというようなものの計算がかわつて来るのではないかと思います。