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笹山委員 私は
民主党野党派を代表しまして、ただいま上程されました
外国為替及び
外国貿易管理法案、及び
外国為替管理委員会設置法案に対しまして
賛成をするものであります。
御
承知の
通りわが国経済の
自立の
一大支柱は
貿易の
振興でありますが、従来この
貿易振興にあたりまして、
手続の煩雑、
海外市場把握の不足、これらの
原因によりまして
相当難澁いたしておるのでございますが、いずれにいたしましても、
戰後各国の
経済の窮迫に伴いまして、
国際通商関係は
貿易憲章あるいは
国際通貨圏制度をめぐりまして、漸次国際的の
管理に移行される自然の運命にあることは当然でありまして、
わが国もこの大勢に順応する
態勢を今から
準備しなければならぬと思います。さような
意味合いにおきまして、われわれが当面しておるところの
貿易機構の
合理的改善を、すみやかに樹立する一環といたしして、ここに提案されました両
法案は
時宜を得たものと感ずるのでございますが、この
法案の内容をしさいに検討しますると、いかにも未熟な案のように思うのであります。あたかも
翻訳文を読んでおるような観があるのでございますが、私は特に
国民の
権利義務に関する重大な
事項を
政令に譲
つておるという点については、非常に遺憾にたえないのでございます。これらの
事情に
なつたいきさつにつきましては了とするものでございますが、でき得る限りこういつた重大な問題につきましては、
法律をも
つて早い
機会におきまして
はつきりきめる必要があると考えるものであります。
さらに
国民の待望するところの
手続の
簡素化につきましても、何ら具体的に
法律の上では現われておりません。これは
政令の
運用によ
つて達成されると思うのでございますが、これらの点についても
政令あるいは
省令の
制定にあたりましては、十分御勘案を願いたいと思うのであります。
かような未熟な案にもかかわらず、私どもがこの際
賛成するというのは、
国際貿易につきまして
国民がかねて待望しておりました
民間貿易が、いわゆる
ローガン構想によりまして、
輸出につきましては来月の一日から、
輸入につきましては来年の一月から許可されるという時期にあたりまして、この
準備をする、裏づけをするところの
法律なしには、私はや
つて行けないというふうに感ずるのでありまして、それらの点から考えましても、これらの
法案は、この
国民の
要望を沿うべく、きわめて不十分ではありまするが、私はかような
法案が成立したければならぬというふうに考えるものであります。ただこれらの
運用につきましては、
政府に対しまして先ほど申し上げた点より、実はいろいろ御注文をいたしたいと思うのであります。
この
法案の
運用につきましては、
貿易関係につきましては御
承知の
通り行政機関の
各般にわたりまして、いろいろ複雑な
関係にあるのでございます。従いまして、
貿易関係の
各般の
行政機関が、総合的に一体とな
つて緊密な連絡をとるにあらざれば、とうてい
運用はうまく行かないというふうに考えておるのであります。先般の
委員会におきましても、たとえば
閣僚審議会の
構成の問題につきましても、これは
政令に譲られて
はつきりしないのでありますが、
農業関係の
閣僚を入れるかにつきまして、
政府委員の
答弁にあいまいにな
つておるのでございますが、食糧の
輸入あるいは生糸の
輸出、これらは
農業関係に至大の
関係を持
つておるのでございますかから、ぜひこういつた
関係も入れられまして、そうして
日本の
経済に対するところの
影響につきまして、十分御
審議を願いたいと思うのであります。
さらに
外国為替予算の
構成でございますが、これに
日本の
経済の構造にも重大な
影響があるのでありますから、何らかの方法をもちまして、でき得られば
国会方面にも
接触を保つように御
考慮願いたいと思うのであります。
さらに
外国為替の
集中の問題でございますが、先ほど他の
委員から申されましたように、
外銀の問題あるいは
外商の
問題等いろいろあるのでございますが、
せつかく
外国為替を
集中する
建前にある以上に、これら放任されておるところの
外銀、
外商の
為替も、
為替管理委員会の万に一手に総合されまして、総合的に
運用されることを
希望するものであります。
さらに
内外資本の
貿易関係に関する
競争の問題でございますが、現在の
日本の窮迫した
資本のもとにおきましては、並たいていのことでは対抗ができないと思うのでありますからいて、これらの点につきましても、ひ
とつ関係方面に十分密な
折衝を続けていただきたいと思うのであります。
さらに
輸入許可の問題でございますが、これは
先着順という取扱いにな
つておるのでございますが、さようなことはあるいは他の国におきましては成功したかもしれません。しかし必ずしも
日本の
実情から考えると、私はそういうような
建前だけでは成功するとは考えられないと思います。広くこういつた面につきましては、
国民経済的にいかに有利な
輸入ができるかというような点も、
考慮されたところの
行政的措置をぜひ実行してもらいたいと思うのであります。
さらに
貿易金融の問題につきましては、
輸出品は
中小企業が
日本においては重点を占める。こういつた面につきましても、ひ
とつ金融制度を確立してもらいたい。
さらに
企業の
合理化によ
つてコストを下げるというような問題があるのでございますけれども、これらにつきましてもやはり設備の
改善、こういつた
方面に長期の
政府資金を積極的に投入されて、優秀なる
機会あるいは
企業の
能率化、こういつた
方面につきましても
政府の善処を
希望するものであります。
最後に、
貿易の中心の一つであるところの
関税の問題でございますが、これは先般も申し上げました
通り、
わが国の
関税は非常に現在とな
つては適切を欠いておる。これを早く国際的な観点に立
つて、合理的なものにしなければならぬと思います。しかるに来年六月ロンドンにおきまして開催されるところの
関税協定に対しまして、できるならば
日本もそれに
参加を、ひ
とつぜひ
関係方面に
折衝していただきたいと思います。ただこの際におきましては、これに応ずるためにやはり現在の
関税制度につきまして、すみやかにこれを改正する必要があると思いますので、これらの点につきましても、
政府の
努力あるいは御注意を促す次第であります。
これをもちまして私の
討論を終ります。