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1949-11-25 第6回国会 衆議院 議院運営委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十五日(金曜日)     午前十一時四十八分開議  出席委員    委員長 大村 清一君    理事 石田 博英君 理事 佐々木秀世君    理事 福永 健司君 理事 山本 猛夫君    理事 土井 直作君 理事 椎熊 三郎君    理事 神山 茂夫君 理事 坪川 信三君    理事 河口 陽一君       江崎 真澄君    大石 武一君       大橋 武夫君    岡延右エ門君       岡西 明貞君    倉石 忠雄君       田中  元君    田渕 光一君       塚原 俊郎君    福永 一臣君       淺沼稻次郎君    園田  直君       長谷川四郎君    土橋 一吉君       島田 末信君    竹山祐太郎君       玉井 祐吉君    中野 四郎君  委員外出席者         議     長 幣原喜重郎君         副  議  長 岩本 信行君         議     員 天野  久君         議     員 岡田 春夫君         議     員 黒田 春男君         議     員 中原 健次君         議     員 佐竹 晴記君         議     員 浦口 鉄男君         事 務 総 長 大池  眞君 十一月二十五日  委員大橋武夫君、寺本齋君及び中垣國男君辞任  につき、その補欠として尾崎末吉君、中垣國男  君及び島田末信君が議長の指名で委員に選任さ  れた。     ————————————— 本日の会議に付した事件  森農林大臣不信任決議案に関する件  決議案取扱いに関する件  緊急質問取扱いに関する件     —————————————
  2. 大村清一

    大村委員長 これより会議を開きます。  まず、懸案になつております外務委員増員の件を本会議においていかに取扱うか、御協議願いたいと思います。
  3. 神山茂夫

    神山委員 私の方は反対討論します。
  4. 大村清一

    大村委員長 議事日程のきめ方はまたあとで御相談するとしまして、上程することを御決定願います。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  次に緊急質問取扱いの日を議題といたします。すなわち日英通商協定に関する緊急質問取扱いをご協議願います。
  5. 石田博英

    石田(博)委員 これは昨日も議論になつたのですが、私は実は一昨二十三日に、通算委員会予算委員会もともに傍聴して、通算委員会では川上貫一君、予算委員会では風果八十二君が、それぞれ長時間にわたつてこの問題について質問をされて、答弁があつたのを聞いておつた。もうすでに論議を全部盡されたものを、もう一ぺんまた本会議でやられるという意図が、はつきりしない。すでに委員会において論議を盡された二番煎じ、三番煎じを本会議へ持つて来るということは、ただすベきものをただすというよりも、むしろ本会議でもつて芝居をやつてみるというよりしか思えないのであります。私どもはこれをお考えいただく方がよいのじやないかということで、先般は保留することになつてつたのであります。提出者の方で保留をするというお申出もあつたのですが、なお主張せられるやいなや、主張せられるとすればどういう論拠からせられるか、承つておきたい。
  6. 神山茂夫

    神山委員 この問題については、石田君は誤解をしておる。保留するというのは、緊急質問を私どもが引込めるとか、引込めないとかいう意味保留するのじやなくて、きのう一時に本会議を開きたい、これは與党諸君の御要望もあつたので、きのうは論議することを保留するというわけで保留したのであります。これは小さな誤解ですからどうでもよいが、私たちとしては、石田君が言われましたように、委員会で一部論議されておるということは私たち承知しておる。しかし問題のほんとうの重要性をあらためて確認しておく必要がたくさんあるわけです。と言うのは日英協定だけでなくして、日独協定その他とも関連するし、これから問題になつて来ます外国為替管理法ども関連し、非常に重要な問題をこの日英協定の中に含んでおるわけで、私たちとしてはあくまでもこれをやつてもらいたいと思う。ただこの点石田たちがどうしてもさせたくないとおつしやるのでしたならば、どうぞ否決でも何でもされたらよいと思う。
  7. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 これは私はこう考えるのです。これは通産委員会、それから予算委員会でも論議されて本会議論議するということはどうかと思われますけれども、いろいろ聞いてみると、やはり最高権威は本会議だから、それを拒否することにいけないと思う。お芝居ということはひど過ぎると思う。やはりそういうことではなくして、足らないところがあれば本会議で聞くのは、やむを得ぬと思います。ただ本日の議題にするのがよいか悪いかということは、論議余地はあると思いますが、頭から緊急質問をやつてはいかぬと言つて押えつけることはいかぬと思います。そういう意味で今否決というお話もありましたけれども否決してもきようつてはならぬということだけのことを、ここでもつて採決する程度にして、あすはまたやつてもよいということにする。そういう意味から話合いをつけることはけつこうです。他にも重要な問題もありますし、農林大臣に対する不信任決議案上程するはずになつておるのですから、この提案されておることを、事務総長の方から御報告願いまして、それをどう扱うかということをきめて、その上で通商協定の問題をきめていただきたいと思います。
  8. 石田博英

    石田(博)委員 私の方は委員会でやつたからやらぬでも上いという議論ではなくして、やはり本会議緊急質問というものは愼重に取扱いたいと思う。そこで幸か不幸か、私は二十三日の両委員会とも、初めから終りまで傍聴しておつた。片方の委員会では、川上君が約一時間にわたつて詳細に議論された。それから風早君が三次官ぐらいにわたつて詳細にほとんど一人でやつた。それこそゴムや鉄鉱の個々の問題にまで議論されておる。そういう両方で盡されたものを——さらに問題が残つて保留でもされておるなら別ですが、両方どつちもそういうことはない。残されたものなら浅沼氏の言われたよう余地もあると思うが、風早君、川上君は保留されたよう意思は表明されなかつた風早君は他の問題については、質疑を留保すると言われたけれども、この問題については打切つておられる。そういう状態でまた本会議に持つて来るというやり方は、緊急質問性質に合致するものかどうか。これは検討を加えなければならねと思います。
  9. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 どうでしよう。きようはあなたの方からも農林大臣不信任案が出ることを承つておるし、この取扱いを先に議論してその上でやつたらどうでしよう。今やつて多数できめてしまうよりも、少し余裕を残した方がいい。
  10. 神山茂夫

    神山委員 浅沼君のあつせんの気持はよくわかる。十分私たちも尊重したいのです。石田君の腹もよくわかるけれども、今私が補足しましたように、これは單に日英協定だけの問題ではなくして、日本の全運命に関する問題に関連があるので、特に重要に取扱わなければならぬ。私たちとしてはへびの生殺しみたいなことをしないで、切るならさつぱり切れ言つておるわけだ。きよう農林大臣不信任案の問題もありますが、今まで懸案になつておる決議案をどう処理するか先にきめてもらいたい、私たちの方は腹がきまつておる。
  11. 土井直作

    土井委員 日英通商問題は最近締結された問題で、これは相当緊急性があるし非常に重要だと思う。さつき石田君が言うよう委員会で詳細を究めて質議応答があつたということだから、緊急質問は必要でないということは、これは一応考うべき点があるのじやないか。やはり本会議で正当な形でやつた方が、対外的に見ても非常に効果的だ。こういうような問題については事理を明白にしておいた方がよいという観点から行けば、委員会でそれぞれ質疑応答があつても、政治的な含みを持ちながら、本会議上程して、緊急質問をすることは悪いことではない。そういう意味から考えるならば、一応これをわれわれがどれくらいの価値判断をするかという問題になる。ことに日英通商だけではなくして、その他の問題も相当含まれておるということなのだから、その他の問題についても一応やはり聞かしてもらつて、それで緊急質問をした方がよいか悪いかという、判断材科にした方がよいのじやないかと思う。
  12. 神山茂夫

    神山委員 それでは議事進行もありますし、土井君からそういう意見もあつたので、もし必要なら川上君を呼ぶなり、彼の質問の要点を取上げて、あとでこれを論議してもらうということに私たち話合つてもよいのです。何でしたならばすぐでも、彼の準備ができておりますから、それを読み上げてもよろしい。あるいは川上君自身来てもらつて話してもらつてもよい。そうしてあと問題にしてもよいのです。
  13. 土井直作

    土井委員 一ぺん呼んでもらおうじやないか。その間ほかの議事を進めてもらおう。
  14. 大村清一

    大村委員長 ちよつと速記をやめてください。     〔速記中止
  15. 大村清一

    大村委員長 速記を始めてください。それでは浅沼君の御発言もありまししたが、緊急質問あとに讓りまして、次に決議案取扱いに関する件を議題といたします。
  16. 大池眞

    大池事務総長 決議案は、この前の委員会で一応保留になつております人事院給與ベース改訂勧告に関する決議案黒田提出。それから農業生産確保に関する決議案井上提出。三番目が引揚促進並びに日本政府責任ある未引揚者数発表を促すの決議案、砂間君外三十五名。それから沿岸漁業保護育成に関する決議案共産党。この四つがこの前の運営委員会保留になつております。その後本日OKが参りまして正式に提案なつ決議案が五件ございます。それは森農林大臣不信任決議案、これは共産党から出ております。それから同じく森農林大臣不信任決議案井上良二君外百二十一名野党連合提出。それから東北振興に関する決議案小笠原八十美君外六名。それから石炭鉱業損失補償審査会設置に関する決議案高橋清治郎君外七名。それから国際観光事業振興促進に関する決議案、栗田君外二十六名提出。もう一つ共産党田島ひで君外二名提出予防接種に関する決議案、この六件か本日OKになりました。あわせまして十件の決議案でございます。
  17. 石田博英

    石田(博)委員 この中で農林大臣に対する不信任案は切り離して議題にしたいと思います。
  18. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 一番先にやつていただきたい。
  19. 大村清一

    大村委員長 それではただいまの決議案のうち農林大臣不信任案は、他のものと切り離しまして御協議を願いたいと思ます。
  20. 石田博英

    石田(博)委員 まず先に農林大臣決議案をおやりになるか、ほかのものを先にやるかということをきめなければならぬと思うのだが……。
  21. 神山茂夫

    神山委員 今の石田君の出されたように切り離すということはけつこうですが、どちらを先にやるかということについては、決議案がここに八つあるわけです。会期も迫つておりますし、これの処理についてはどういうふうになるかは別としまして、会期関係もありますから、事務的に先にきめてもらつて、そうして森農相不信任問題について本格的に話合つてもよいと思う。
  22. 大村清一

    大村委員長 神山君の御異議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 大村清一

    大村委員長 それでにさようにいたします。
  24. 石田博英

    石田(博)委員 農林大臣に対する不信任決議案を除いた他の全体の決議案ですが、もとより議員一人でも案の提出はできるわけで、それは法規的には何らさしつかえないことでありますけれども、大体現在の決議案というものは、できるならば各派の間の連絡をとつてやる。そうしてどうしても連絡がつかないという段階になつて来た場合には、單独で出されるということが多かつたわけです。できればやはり共同で出せるものは出すという手続をとられたわけです。どうしても納得が行かない場合には、これは採決でやつて行くということになるわけであります。決議案の内容について議論のあるものは、やはり委員会審査を省略するということを保留して、委員会に付託することが適当だという議論で、今までの決議案委員会にまわされたような次第であります。そこで非常に今回は決議案がたくさん出ておるように思われるのですが、議会として国政に参與する形というものは、もとよりこういう決議案の形で政府態度を拘束する、あるいは要求するということもあり得るわけであります。それも一つの使命とは思いますけれども、同時に必要な事項に対しては、法制的措置をとることによつてその目的を達成せしむる。独自の立場において意思を現実化する方法があろうと私は思うのであります。この決議案取扱いについては、そういう考え方で私どもは行きたいというふうに考えておるわけであります。ここに出ております決議案の中で、まず各派共同で出されておるもの、あるいはすでに手続上そういう措置をとつておるもの、またとり得られるものは、なるべくそれ以上の議論をしないで、共同立場でそれが取入れられるものならば、あえて委員会に付託する必要はないと考えますが、その他のもので各派共同態度はどうしてもとり得ない。あるいはとるために委員会あたりに付託した方がとりやすいという性質のものについては、委員会に付託することがよいと思います。
  25. 椎熊三郎

    椎熊委員 委員会に付託した方がよいのもあるようです。それはそうした方がいい。ただ不信任決議案のごときは……。
  26. 石田博英

    石田(博)委員 それは切り離しておる。
  27. 神山茂夫

    神山委員 石田君の、各派の間でいろいろ交渉しなくても、あるいは交渉してまとまるものならば、できるだけ委員会を省略してということはけつこうですが、それならばなぜこの前、六三制の問題について私たち決議案として出した場合、初めから私は皆さん共同提案にしてお願いしたいということをしきりに言つてつたのに、委員会に付託したかということが言えると思る。しかしそういう行きがかりも何も捨てて、むしろざつくばらんにこれはこうしよう、これはこうしようときめて行く方が楽だ。一般論をやつてちやちや言つてもしようがない。君がりくつを言えばいくらだつて言うことがある。
  28. 石田博英

    石田(博)委員 私は別にりくつを言うわけではない。それから六三制その他の決議案各派共同提案にしてまとめる。委員会に行けばまとまりやすいのだ。だからそういうことで委員会にまわした次第であります。そこで各派共同提案の形になつておるものがありましたならば、事務局の方からお示しを願いたい。そうすればそれは委員会にやらないでもよいじやないか。
  29. 西澤哲四郎

    西澤事務次長 石炭鉱業損失補償審査会、こては各派一致しております。それから国際観光事業は、ただ共産党だけが抜けております。それから東北振興は民自党だけです。
  30. 石田博英

    石田(博)委員 それは私の方の提案だけれども、やはり共同提案にするよう努力いたします。できなかつたならば適当な委員会に付託することにしたいと思います。石炭国際観光共同提案です。
  31. 大池眞

    大池事務総長 今井上さんから農業生産確保決議案は、各派共同提案努力中であるから、きようあげるのは待つてくれという申出でがありました。
  32. 石田博英

    石田(博)委員 モれで問題は解決したものもあると思います。石炭鉱業損失補償審査会設置に関する決議案、これは各派共同提案であるので時期の問題は別として上程される。それから国際観光事業振興促進に関する決議案、これは共産党反対であるそうでありますが、それは観光委員会からのそういう結論でもあるので、あらためて委員会にやる必要はないものだ、従つてこれは賛成です。それから東北振興、これは私ども提案であるが、各派共同提案にならなければならぬものと考えますので、これは提案者に申し入れまして、そういうことにいたします。それから農業生産確保に関する決議案は、提出者から各派共同提案にするよう努力中であるということの申出がありましたから、本日の議題にはしないで延期するものであります。他の分につきましてはそういう点でなお各派共同提案努力するものもありましようし、あるいはまた議論もあると思います。従つて他のものについては努力をしてみようという形で、井上良二君の農業生産確保に関するものと同様におとりはからいをされるか、それでなければすべて委員会に付託するか、大体提出者共産党でありますので、共産党諸君意図伺つた上できめたい。
  33. 神山茂夫

    神山委員 そうしますと、一番最後の予防接種に関する決議案、これは各派に交渉して、多分同意を得られるのじやないかと思います。また沿岸漁業の問題は、これは皆さん御承知のように沖取漁業が発達したために、沿岸漁業が全滅しつつあるという現状にありますので、この点についても党派を超越して……。
  34. 椎熊三郎

    椎熊委員 わが党は反対です。
  35. 神山茂夫

    神山委員 あなたの方が反対ならばけつこうです。それから引揚げ決議案、これは引揚げの真実の姿を知りたい。また引揚げ促進したいという人は考える余地があると思います。その必要がなければ委員会付託でも何でもしてもらつてけつこうです。私どもは誠心誠意努力します。
  36. 石田博英

    石田(博)委員 そうすると神山君にお伺いいたしますが、沿岸漁業保護育成と、引揚促進並びに予防接種、この三つについては、各派協同提案にするよう、あなたの方で努力されるわけですね。従つてよう決定することは延ばしたいという御希望ですね。
  37. 神山茂夫

    神山委員 これはこの前の石田たち決議案に対する態度から、当然これは一から八まで一括してということになるのじやないかと考えておりましたが、きようは話が非常にわかつた。あなたの方で努力されるなら私の方でも努力したいと思いますから、それでけつこうです。
  38. 大村清一

    大村委員長 それでは残るところに人事院給與ベース改訂勧告に関する決議案ですが、これは中原さんの方ですか。
  39. 中原健次

    中原健次君 これは願わくはきようの本会議で取上げていただきたいのであります。もちろん各派の協力を願うために、いろいろ努力する必要もあるかと思つておりますけれども、時間的にも迫つておりますから、できればここでやつていただきたい。
  40. 石田博英

    石田(博)委員 この決議案はどうですか、もう少しおまとめになるよう努力されて見たらいかがですか。
  41. 中原健次

    中原健次君 それはまとまるだろうと思いますが、ただ時間が非常に迫つております。
  42. 石田博英

    石田(博)委員 これはまとまるよう努力をされているということなら、ほかのものと同じよう取扱い次会に延ばす方がよいと思う。
  43. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 まとめてなるべく本会議でやるようにしたならばよい。
  44. 石田博英

    石田(博)委員 ただこれとほとんど同じ趣旨のものが今人事委員会にまわつておるわけだ。向うは給與ベースを改訂しろ、これは促進に関する決議案だけれども、とにかく人事委員会にまわつております。従つて大体趣旨とするところは同じと思うので、人事委員会でおそらく審議中であるから、そちらに一緒にしてまわした方が早くできはしないかと思います。早くするなら人事委員会におまわしになつた方がよいと思います。
  45. 中原健次

    中原健次君 いずれにしましても重要性がありますから、私どもの方でも一生懸命に運びましよう
  46. 大村清一

    大村委員長 それでは不信任案を除きましては、大体取扱いが一応お話合いがついたようであります。     —————————————
  47. 大村清一

    大村委員長 次に不信任案について御協議を願います。
  48. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 不信任案については、共産党を除いた野党側の連盟で出しておるのですが、これを本日の議題に供していただきたい。
  49. 石田博英

    石田(博)委員 本日の議題に供するか供しないかということとはまた別に、ちよつと私の方で伺つておきたいことは、これは取扱いとしては、こんなことは答弁の限りでないとおつしやるかもしれないが、同じ性質のものが二つにわかれて出ております。その場合は片方出して片方引込めるというわけにも行かないだろうと思うので、扱うならみな同じに扱うことになると思う。同じ趣旨共産党決議案には他の野党諸君反対されるわけですか。
  50. 椎熊三郎

    椎熊委員 私は反対です。
  51. 石田博英

    石田(博)委員 社会党の反対というのはどういうわけですか。
  52. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 それは青票か、白票かということになれば、おのずからそのときに態度を決定しなければならぬと思います。趣旨弁明を聞いた上でなければわからない。
  53. 椎熊三郎

    椎熊委員 私の方は趣旨弁明を聞かないでも、共産党というものを大体知つておりますから……。
  54. 石田博英

    石田(博)委員 主文は同じものだろうと思います。衆議院は、森農林大臣を信任せず。右決議する。理由書はいまだ連絡していないが、理由書が違うと思う。
  55. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 それはそうむづかしい問題ではないと思います。二つ議案が出ておりまするが、これは二つ一緒議題にしていただいて、趣旨弁明をそれぞれやつていただきます。それから討論はそれぞれやる。長後に採決をとるときには信任か不信任かというときだけをやればよい。
  56. 大村清一

    大村委員長 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止
  57. 大村清一

    大村委員長 速記を始めてください。
  58. 石田博英

    石田(博)委員 この案にすでに提出された問題でありますし、上程をするかしないかということは議論の対象にならないと考えます。そこで問題は次に移つて上程の時期の問題です。そこで現在本院に上程されておりまする他の重要法案、その審議を先にする。そうして重要法案審議影響を及ぼさないようにして行かなければならないという私ども考え方と、それをするためにはこちらを先議すべきであるという提出者側考え方と、二つ立場にわかれると思います。そこでいろいろ議論がございましたが、私どもの方の立場といたしましては、現材予算案上程中であり、予算案をできるだけすみやかに審議するということは、他のいろいろな施政万般影響の及ぶところの多い事柄であります。しかも日にちが、長く待たなければならぬということではありませんで、私どもの方としましては、あした一日あれば予算の解決がつくという、予算委員会理事申合せ等もありますので、本日中に質疑打切つて、できればあした本会議でやるというように申し合せたそうであります。そうしますとそれを本会議上程しておる間、採決その他の関係もあつて予算審議を休まなければならぬということは、予算を通過さすということが現在の段階において最も必要でありますので、しかも長い間日にちをかけようというようなことではないので、私どもとしましては、やはり予算案を一応あすのうちに片をつけてしまつてあとで本案を本会議上程される方が、全般として私は適当であると考えるわけであります。
  59. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 これに予算案その他委員会審議と、不信任案の問題というものは、関連性がある案であつて従つてこの予算案に対する各党の態度を決定する場合においても、農林大臣がどういうぐあいになるかということが、非常に大きな課題になると思うのであります。従つて内閣の構成に関する問題である。今のお話を伺つておりますと、いつもなら準備万端整つておるにもかかわらず、きよう準備ができておらぬということですが、時間をさいて御相談願うことはけつこうと思いますので、きよう中に御決定になるように願いたいと思います。
  60. 石田博英

    石田(博)委員 私どもの方は何しろきようこちらへ来て突然見たばかりで、党の方の連欄もいたしておりません。従つてこれは党の方へ連絡いたしたいと思います。ただ先ほど予算案についても申し上げましたが、今経済安定委員会にかかつております外国為替及び外国貿易管理法案などは十一月中にやりたい。それらの関係から本日はなるべくすみやかにこちらの重要法案を解決いたしまして、参議院に送付しなければならないという責任もあります。その重要な法律案審議責任というものは、これはあなた方からおつしやれば、その前提となるという御議論もありましようけれども、私どもの方としましては、法律案先議という立場にありますので、党に帰つて相談するということと両々相まつて、本日は延期されんことを望みます。
  61. 竹山祐太郎

    竹山委員 事務総長に伺つておきたいのは、先例はどうなつておりますか。不信任案というものは審議された問題に対して不信任が出たと思うのですが、その場合それを審議してから不信任案を出すということはありますか。
  62. 大池眞

    大池事務総長 不信任案の先例は、延ばしたこともございます。
  63. 竹山祐太郎

    竹山委員 今のような理由ですか。
  64. 大池眞

    大池事務総長 理由にそれぞれ違います。たとえば議長不信任が出ましても、相当長い間各派でやつて、それならば延ばそうという協定がつきまして、やつてつたこともあります。必ずしも出てすぐということはありません。それからまた不信任案ようなものですから、正式の手続を省略して進めておるようなこともあります。
  65. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 案が出たからには、案全体について一応党議に諮つたということがあつてしかるべきだと思いますが、どうもあなたのお話を聞いておると、片方は相談しないが、片方はきよう上程しないというようにまとめて来られたところもあるようですし、そうでないというところもあるので、それならば一応暫時休憩を願つて党の態度を決定していただきたい。
  66. 石田博英

    石田(博)委員 私ども浅沼さんほどの人物ではありませんので、一々本国の訓令を請わなければ、何にもできないという立場にありますから、御了承を願いたいと思います。ただ上程を延ばしてもらいたいということになつております。延ばす期間というものは、結局案に対する党の態度を相談する時間もここに必要なわでであります。それからやはり重要法律案の審議という意味もあります。そこで今浅沼さんから御提案がありましたが、若干休憩してというお話もおりましたけれども、本会議の開会が遅くなる。そこで一旦本会議を閉会しまして、出ておるものだけを片づけて休憩なら休憩にして、この案の取扱いをその間に私どもは相談します。
  67. 椎熊三郎

    椎熊委員 こういう問題は慣例上から言つても劈頭やらなければならぬ問題だ。
  68. 石田博英

    石田(博)委員 劈頭とおつしやいましても、私どもの方としての態度を決定しなければならぬ。討論もいたさなければならね。それでやはり日程に上すべきものは簡單にあげてしまつてからやる。休憩してもわずかです。
  69. 椎熊三郎

    椎熊委員 ゆつくりやらせるということを公約してくれればよい。
  70. 石田博英

    石田(博)委員 それを相談します。
  71. 神山茂夫

    神山委員 先ほどからいろいろ御説を聞いておつたわけですが、これを同時上程というふうな形にするか、あるいはどちらを先議するか。こういうふうな問題はあとに残るとしまして、私たちとしてはこれをできるだけ早く上程して、一刻も早くこの問題について一定の決定をする必要があると思う。そういう意味で今石田君の言われた暫時休憩に私たちも同意してよい。本日中にかたをつけてもらいたいと思います。
  72. 大村清一

    大村委員長 それでは本会議の開会時刻は追つて御相談することにして、暫時休憩いたします。     午後零時五十七分休憩      ————◇—————     午後二時三十分開議
  73. 大村清一

    大村委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  森農林大臣不信任決議案議題といたします。
  74. 石田博英

    石田(博)委員 この不信任決議案につきましては何しろ本日突然出されて、寝耳に水のことでありますので、さつそく、党に持ち帰りいろいろ協議を、いたした結果、内閣構成に関することでもありますので、本日本会議上程していただきたいということに決定いたしました。この旨御報告申し上げます。
  75. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 民自党側においてわれわれの提案を入れることに感謝いたします。ただちに案の取扱いについて御協議願いたい。
  76. 大村清一

    大村委員長 それではこの決議案上程については御異議がないようでありますから、その取扱いについて協議を進めていただきたいと思います。
  77. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 これは先ほど協議の際に申し上げたのですが、共産党を除く野党各派のものと、共産党のものと、二つ出て来るわけであります。従つてこれを同時審議の形で議題に供していただいて、数か多いといつては語弊がありますが、不信任意思が強力に現われておるものの趣旨弁明を願い、それから共産党のもの、次に反対討論ということにして、最後の決をとつていただくことにお願いしたいと思います。
  78. 神山茂夫

    神山委員 私たちとしては、浅沼君の強い方という御意見もありますけれども、先に出た方から先にやつていただきたいということも言えるのでないかと思います。しかも内容の点になると、どちらが強いかということになれば別個の問題であります。従つてこの点について話し合う用意もありますけれども、私たちとしては、われわれの先に出したものを先に審議すべきじやないか、こういうことを申し上げたいと思います。
  79. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 これはどつちが先かということになると、案の提案は一応内承の形で提出しておいて、関係方面と折衝して、関係方面からいわゆるOKが来た場合に、初めてその効力を発するということが、今までの議案の扱い方であります。従つてOKの来たのは同時的でありますから、同時にどつちが先だ、あとだと言われることにならぬと思うのであります。従つてこれは議論することもいかがかと思いまして、この際共産党の方に折入つてお願いしたいが、御讓歩願いまして、問題の処理を円滑に行くように願いたいと思います。
  80. 神山茂夫

    神山委員 この点については、私たちとしては讓れないという強い意思もあるわけです。しかし浅沼君もそうおつしやいますからひとつ御相談してみたいと思うのです。
  81. 大村清一

    大村委員長 ちよつと休憩いたします。その間に御協議願います。     午後二時三十四分休憩      ————◇—————     午後二時五十四分開議
  82. 大村清一

    大村委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
  83. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 休憩中に相談したのですが、共産党の了解を得まして、今出ておりますものを同時提案にしていただいて、数の多い方のものを先に趣旨弁明を願い、次に共産党趣旨弁明、それから賛成、反対の討論を願つて、最後に数の多い方から決をとつていただけば、自然にあとのものは立消えになると思います。
  84. 神山茂夫

    神山委員 この際、一言妥協について申し上げておきます。それは私たちとしては、森君に対する不信任は、今に始まつたことでありません。單にこれは森君の失政ばかりでなくして、吉田政策の破綻を意味するので、野党各派として同調した不信任案を私たち出したかつたわけであります。それで昨日まで椎熊君の党まで含めまして数回足を運び、七重の膝を八重に折つて御交渉したのですが、どうしても共産党だけは入れられないという意見もあつたのであります。従つてたちは、目的は同じだが、公党としてこうした独自の態度に出ざるを得なくなつたのであります。この際野党各派諸君と同調して、国民大衆の気持を一つにまとめ、森農林行政に対する不満をはつきりさせる必要がありますので、私の方としては潔く讓歩して、先ほど淺沼君のおつしやつた方法で運営していただくように特に希望しておきます。
  85. 石田博英

    石田(博)委員 私の方では今の方法について、どうおやりになろうとけつこうでありますが、趣旨弁明について二人出ることになつております。そこで討論の取扱いについてお話合いをしていただかなければならぬ、それは趣旨弁明をする党派は共産党はもちろん一党ですから、自噴の方でおやりになることにきまつておるが、あと野党各派趣旨弁明はどなたがやりますか。
  86. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 まだきまつておらない。
  87. 石田博英

    石田(博)委員 それをはつきり聞いておかなければ困る。趣旨弁明をされる党派からは賛成討論者を出さないということにならなければならぬ。
  88. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 この点だけは御了承願つておきたいですが、われわれの方はそれでよろしいが、共産党関係は、これは共産党提案しておるので、ほかにないのだから、共産党の一名は考慮していただけないものか。
  89. 神山茂夫

    神山委員 今の浅沼君の言われたことに関連して、趣旨弁明については、ほんとうからいえば時間の制限はあるべきことではない。極端な表現をすれば、白髪三千丈式にできるかもしれない。しかし私たちはその点自粛して、できるだけ短い時間にし、同時に討論の場合にも自粛するから、一人出すように御考慮願いたい。
  90. 石田博英

    石田(博)委員 私の方としては、議案が二つ出ておる以上、一括上程することにして、それぞれ趣旨弁明をすることには賛成いたしますが、趣旨弁明は賛成討論と同じであるから、趣旨弁明をされた党は賛成討論をしないという建前で行きたい。そうでないと、同時提案ということには私どもとして必ずしも賛成申し上げるわけには行きません。
  91. 土井直作

    土井委員 要するに同時提案に対して一応は賛成するが、万一趣旨弁明以外に提案しておる共産党の方で討論をするということになれば、同時提案には必ずしも賛成できない。こういうことだね。
  92. 石田博英

    石田(博)委員 そういうことです。
  93. 神山茂夫

    神山委員 念を押しておきますが、その点さえわれわれがもし讓るとなれば、あなたの方は浅沼君の言われた点でよろしいですか。
  94. 石田博英

    石田(博)委員 趣旨弁明をした党派から賛成討論をしないことが一つと、もう一つは、先般かかる種類の議案の討論の発言については、二十名を單位として発言をするということで、交渉団体制の復活について本委員会で申合せをいたしました。これはよほど前の申合せであるが死んではおりません。総理大臣の施政方針、大蔵大臣の財政演説には、第五国会で特例をもつてどもは承認をいたして参りましたが、この約損は死んでおりませんから、この申合せは破る意思のないことを申し上げておきます。
  95. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 そうことは特例で破つたことになつておる。交渉団体の復活の問題を私が提唱申し上げたのが復活になつておらないのであつて、自然総理大臣に対する質問、さらには財政経済の演説に対する質問という場合に、各派に発言を許したわけですから、二十名を單位に発言を許すということでなくて、最近行われておる実際の運営に照らして、各派でお互い時間の問題については相談をして、そうして賛成反対の討論をさせていただくように願いたい。
  96. 石田博英

    石田(博)委員 最近行われておる慣例とおつしやられますから、私どもは最近行われておるのは、重要な問題だから特に発言をどうだこうだというお話があつて、特例として原則的に認めておつたのです。それで二十名を單位に発言を許すというこの委員会の申合せをしたことは、はつきり速記録に残つておるのでありますから、皆様も御記憶だろうと思います。
  97. 中野四郎

    ○中野(四)委員 その速記録は持つて来て見せてもらわなければならぬ。
  98. 神山茂夫

    神山委員 今石田君の言つておる二十名を單位とする云々は、すぐ速記録をお調べ願つて、その上で問題にしたい。さらにわれわれ野党各派では、先ほど一応話し合つて、私の方は趣旨弁明もすると同時に、賛成討論をするという前提のもとに立つてつたが、一応讓歩しておるわけです。しかしこれは野党各派でもう一ぺん話合いをしなければならぬ。その場合小会派の発言は、あなたの言葉では二十名以下のものは発言させないという趣旨であるか。
  99. 石田博英

    石田(博)委員 二十名にまとめれば一人はできます。
  100. 神山茂夫

    神山委員 それで時間の点をはつきり聞いておかないと、君たちあとになつて何を言いだすかわからないが、時間の点はどう考えておるのか。
  101. 石田博英

    石田(博)委員 私どもの方の申し上げる時間は、現実に出て参りました場合に制限を加えて行くのは当然で、まさか鶏の鳴くまではやれないから時間は決めていただく。
  102. 土井直作

    土井委員 問題を具体的にして行こうじやないか。抽象的に話をしておつてもまとまらない。そこで結局趣旨弁明をやると討論をやれぬという会派があるわけだ、しかし討論を何人やるかがわかつていない。時間の問題も一時間とか一時間半、一時間と限定することは必要ないと思う。何人やるかということと、その所要時間をどれだけとるかを見て、それならば長いとかどうとかいう問題があつたときに、時間の制限の必要がありましたならば、それは協定してよいのでないか。
  103. 大村清一

    大村委員長 速記をとめてください。     〔速記中止
  104. 大村清一

    大村委員長 速記を始めてください。   暫時休憩いたします。     午後三時二十七分休憩      ————◇—————     午後三時二十九分開議
  105. 大村清一

    大村委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
  106. 淺沼稻次郎

    淺沼委員 時間の問題は、趣旨弁明については制限をしないで、申合せの時間を厳守することとし、あと討論の時間は三時間として、各党に割振つた時間の間だけでやる。そうして野党側野党側で調整することを認めていただきたい。
  107. 神山茂夫

    神山委員 共産党としては、石田君がいつも言いますように、これこそは先例にされることはよろしくないと思う。また決議案に対する趣旨弁明、これに対する賛成、反対の討論を、初めからわくをきめてやられることには賛成できない。この点さえ御確認願えれば、今回の場合は私たち全体の野党の結束を乱さないために、進んで讓指して、私たちの持時間は社会革新党及び労農党、農民党に讓りたいと思います。
  108. 石田博英

    石田(博)委員 趣旨弁明をしたところが討論をしないということには賛成です。これは規約があるわけでも何でもないので、運営の関係です。この点については基本的な態度として今議会はきまつております。運営全体として、そういう発言の基本的方法については、考えなければならね点があると思うが、これを先例にするとかしないという問題でなく、今日先例をあらためてつくるという意味でないということで了承いたします。
  109. 神山茂夫

    神山委員 石田君の言われる通りでけつこう。私どもこれは先例にしない。きようは大きな観点から讓歩しておるので、あえて争わず、時間の点は今申し上げたようにしたい。
  110. 大村清一

    大村委員長 ただいまの時間の点は浅沼君、神山君の言われる通りに決定してよろしいですか。     〔「了承」と呼ぶ者あり〕
  111. 大村清一

    大村委員長 そのように決しました。なお一般討論者はおとりきめの上、事務当局にお申出願います。
  112. 佐竹晴記

    ○佐竹晴記君 そこで共産党の十四分を労農、社革にお讓り願うと、小会派の六分と合せて二十分になる。これを二人やることになると十分ずつ、そういうことですね。
  113. 大村清一

    大村委員長 その点はあんばいして事務局にお申出願います。
  114. 幣原喜重郎

    ○幣原議長 ちよつとこの際皆さんにお願いいたしておきたいと思う。きようの問題は感情を刺激するような問題が起つて来るだろうと思います。不謹愼な発言によつて喧噪をきわめることになると、はなはだ世間に対してみつともないと思いますから、どうか各党派において御注意なさつて、あまり不謹愼な発言をなさらないように、特にお願いをいたしておきたいと思います。
  115. 大村清一

    大村委員長 それではこれで散会いたします。     午後三時三十九分散会