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1949-11-21 第6回国会 衆議院 観光事業振興方策樹立特別委員会地方行政委員会大蔵委員会厚生委員会運輸委員会連合審査会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十四年十一月二十一日(月曜日) 午後一時四十九分
開議
出席委員
観光事業振興方策樹立特別委員会
委員長
栗山長次郎
君
理事
今村 忠助君
理事
岡村利右衞門
君
理事
河野
謙三君
理事
畠山
鶴吉
君
理事
淵上房太郎
君
理事
高橋清治郎
君
理事
柄澤登志子
君 越智 茂君 風間
啓吉
君 神田 博君
高木吉之助
君
松永
佛骨
君
藤田
義光
君 増田
連也君
永井 要造君
木下
榮君
地方行政委員会
委員長
中島 守利君
理事
川本 末治君
理事
菅家 喜六君
理事
野村專太郎
君
理事
藤田
義光
君
理事
立花 敏男君
理事
大石ヨシエ
君 生田 和平君
河原伊三郎
君
淵上房太郎
君
吉田吉太郎
君
門司
亮君 鈴木 幹雄君
大蔵委員会
理事
北澤 直吉君
理事
小山
長規
君
理事
島村
一郎
君
理事
前尾繁三郎
君
理事
川島 金次君 佐久間 徹君
苫米地英俊
君 西村 直己君 三宅
則義
君 田中織之進君 中崎 敏君
松尾トシ子
君 宮腰 喜助君 河田 賢治君 坪川 信三君 中村
寅太
君
厚生委員会
理事
青柳
一郎
君
大石
武一君
理事
松永
佛骨
君 岡 良一君
理事
苅田アサノ
君
高橋
等君
幡谷仙次郎
君 丸山 直友君 亘 四郎君 堤 ツルヨ君
運輸委員会
委員長
稻田 直道君
理事
大澤嘉平治
君
理事
岡村利右衞門
君
理事
關谷
勝利君
理事
前田 郁君
理事
大西 禎夫君
理事
木下
榮君 尾崎 末吉君 尾関 義一君
高橋
定一君
坪内
八郎君
畠山
鶴吉
君
滿尾
君亮君
柄澤登志子
君 飯田 義茂君 石野 久男君
委員外
の
出席者
法制局参事
鮫島
眞男
君
地方行政委員会
專門員 長橋 茂男君
大蔵委員会專門
員 黒田 久太君
厚生委員会專門
員 川井
章知
君
厚生委員会專門
員
引地亮太郎
君
運輸委員会專門
員 岩村 勝君 ————————————— 本日の
会議
に付した
事件
国際観光ホテル整備法案起草
に関する件 —————————————
栗山長次郎
1
○
栗山委員長
ただいまから
連合審会
を開会いたします。
協議
に基きまして、私が
委員長
の職務を行わせていただきますから、何とぞ御
了承
をお願いいたします。このたび
観光事業振興方策樹立特別委員会
におきまして、
起草
中の
国際観光ホテル整備法案
につきまして、
地方行政
、
大蔵
、
厚生
、
運輸
の各
委員会
と
連合審査会
を開くことといたしましたのは、
法案
の内容が各
委員会
とも
関連
がありますので、すでに先般来各
委員会
から、この
法案
に関する御
意見
を申入れいただいてお
つたの
でありますが、今般各
委員会
と御
協議
の結果、
法案起草
の上に
連合審査会
を開いて
検討
を
願つた方
がよかろうということで、本日この
連合審査会
を開く
運びになつた
次第であります。 それでは
審査
の
便宜
上、まず
起草
中の
国際観光ホテル整備法案
の
趣旨
につきまして、私から大略の御
説明
を申し上げ、なお法制的な点につきましては
衆議院
の
法制局
から
説明
を申し上げまして、その上で各
委員会
の
委員
の方々から、御
意見
を承ることといたします。 それではまず
法案
の概略について御
説明
をいたします。お
手元
に本
法案
がすでに
送付済み
と存じますが、その手続には違いありませんか。 〔「確かにち
よう
だいしております」と呼ぶ者あり〕
栗山長次郎
2
○
栗山委員長
それでは朗読を省略いたしまして、
立案
の
趣旨
につき簡単に御
説明
させていただきます。
外貨
の獲得、これが
日本経済
の要請の
一つ
であることは衆知の事実でございますが、
国際観光事業
によ
つて
、
外客
を
日本
に誘致いたしまして、その
外客
の落す金が、
日本
の
国際收支
の均衡をはかる上に、有力なる一要素となる点にかんがみまして、
衆議院
によ
つて
設けられました
観光事業振興方策樹立特別委員会——
そこで恐縮ですが、以後に
観光特別委員会
と略称させていただきます。
観光特別委員会
におきましては、まず
国際観光事業
をいかにして再発足せしむべきかという
観点
から、それに必要なる諸
條件
、諸要件を取入れて
調査
を進めたのでありますが、
実地
の
検討
をいたしますと、
外客
を誘致いたします上に、一番隘路とな
つて
おりますものが
宿泊施設
であるという点が明らかになりましたので、まずこの点を取上げたのであります。そこで
目下
の現状といたしましては、自由に使える
ホテル
は十ぐらいでありまして、それに收容し得る人員も、六百内外でございますために、
司令部
と折衝いたしましても、現在制限されておる
外客
の
入国
を
緩和
することはできない。
日本側
において
宿泊施設
を
整備拡充
するならば、それに並行して
外客
の
入国
を
緩和
して、さらに多数の
外客
が入る
よう
になし得るという
よう
な話もあ
つたの
でございまして、ますますも
つて
ホテル
の
整備拡充
を痛感いたしまして、それではこの問題から着手をし
よう
というので、
法案
の準備にかかつたわけでございます。ところが実際には、この
国際観光客
を
宿泊
せし
むるホテル
の採算はなかなか困難でありまして、これをあるいは
公共団体
、もしくは
私的企業
によ
つて建てよう
という向きが、ほとんど見受けられない遺憾な状態にありますので、これはある
程度
までの
助成
をしなければなるまい、そこで
助成
を主としてこの
法案
の
とりまとめ
にかか
つたの
であります。一定の形式をふみ、順序を立てなければなりません
関係
上、
外客
を
宿泊
させる
ホテル施設
としての、所要の
條件
は何であるかということの
検討
をいたしました。それがお
手元
にございます
別表
第一に掲げてあります
基準
でございます。こういう
基準
に達する
ホテル
は、
外客
を誘致して、
外貨
を獲得するのに望ましい国として要請せられるものである。それならば、この
程度
の
基準
に達するものは
登録
をなすことができることにして、
登緑
をいたして、この
程度
の
基準
によく合致しておるということがはつきりするならば、それを
助成
の基盤にいたそうではないか。しかしながら何をも
つて
助成
するかということが、実質的な問題になるのでございまして、これは
当該特別委員会
におきましても、かなり
愼重審議
をいたしたところでございます。
助成
の一方途としては、国庫、国費をも
つて
補助
をなす
補助金制度
が
一つ
考えられます。他の
一つ
は、
目下
の
実情
からいたしますと、
税金
が高過ぎて、
ホテル業
を営もうとしても
收支償
わないというのが現場の声でありますので、それでは
税金
に
手かげん
を加えたらどうか、
補助金
によるか、
税金
の
手かげん
によるかという
二つ
の
補助的方法
について、論議がかわされたわけでありますが、
当該委員会
といたしましては、
補助金制度
には種々の
弊害
がある、周知の
通り
の
弊害
がある。しからば
税金
による
助成
はどうであろうか、
税金
による
助成
であれば、一旦これをお取上げにな
つておきめ
になりました以上、あとはまつたく事務的、機械的なものであ
つて
、そこに情実が入らず、
弊害
がなく、しかも
国民監視
の間に行われるという
観点
から、
税金
の
緩和
について、
助成
の方途を具体化するがよかろうということになりまして、この
法案
に盛
つて
おります
助成方法
は、
税金
の
緩和
にな
つて
おります。
税金
の
緩和
中取上げましたものが、
現行法
による
家屋税
及びその
附加税
であります。いま
一つ
は
償却年限
の短縮、
耐用年数
に関する点でございます。
家屋税
の方は御存じの
通り
これは
地方税
にな
つて
おり、
耐用年数
の改正に伴う
税收入
の増減については、国税に響くものでございますが、
家屋税
を取上げましたゆえんのものは、
実情
に徴しますと、
地方
の
地元
によりましては、いろいろな
便宜
、利益を供與しても、
外客
を誘致するに足る
ホテル
を自分の
地元
に招致して、そこへ建ててほしいという要望のあることが現実の問題であります。そこでこの
基準
に合致するがごとき
ホテル
が建てられまして、
外客
がその地に頻繁に出入りすることになりますならば、
地元
の
繁栄策
になるということが第一でありますし、また
家屋税
をこれでは半減と
立案
いたしておりますが、
家屋税
を半減いたしましても、既存の
家屋
であ
つて
、この
登録
の
対象
にならないものには何ら
関係
がなく、わずかに今後建つ
建物
についてのことでありますから、
家屋税收入
に大きな
変化
はない。
変化
があるにいたしましても、新設のものから半分とれるのであるから、それがプラスになる。してみれば今後制定され
よう
としておる国がつかさどります
平衡資金
の
運営
に対しても、町村に特にでこぼこができることにはならぬということも研究をいたしたわけでございまして、土地の
繁栄
になることであるから、
地元
の
税收入
について若干の
かげん
をしても、
地方
として
了承
していただけるだろうということが考えられておるわけでございます。
耐用年数
につきましては、お
手元
の
法案
の
別表
第二にございますが、一例を申し上げますと、
鉄筋コンクリートづくり
の
建物
の
耐用年数
を四十年と想定しております。
現行法
によりますと八十年にな
つて
おるのでありますが、
アメリカあたり
の例を見ますと、
査定
が三十年にな
つて
おります。
実地調査
によりますと、とても八十年という長い年月、
日本
のごとく地震があり、
天災地変
のある所では持たないであろうという認識を持ち得るに
至つたの
であります。そこで
建物そのもの
はかりに長く耐用できるといたしましても、その
時代
の
時代感覚
に合わない、いわゆる
陳腐化
により
ホテル目的
に使用できないという点が、特に
ホテル
の
建物
においては取上げなければならぬ
事項
と考えましたがために、四十年と押えたのでございます。以下それぞれのものによ
つて外国
の
実例等
も参酌し、また内地における
実情
をも
検討
いたしまして、
立案
をいたしました次第でございます。 この
二つ
の
助成
のほかに
融資
のあつせんということが
法案
に盛られてあります。この
融資
のあつせんで実体的に何を考えておるか、また何がなし得るかということについて一言申させていただきますならば、結局私
ども
の
当該委員会
の意図いたしますところは、さしあた
つて
は
商業融資
であります。それが引合わない
仕事
であ
つて
、一般の銀行が
融資
の
対象
となし得ない
よう
なものであれば、おのずから遺憾ながらこれは対策にならぬでありまし
よう
。国の金をつかみ出してこれを低利で提供するということは、今の
段階
においては
日本経済
が許しませんから考えておりません。将来もし、たとえば
預金部資金等
を動かしてという
よう
な場合には、また別個の格段の措置がいるものと考えております。現
段階
においては、
検討
の結果、それはほとんど不可能であるというので、主として
商業融資
が考えられております。これに対するあつせんでありますから、そのあつせんは微力といえば微力であろうかと存じます。 いま
一つ
附加させていただきたいと思いますことは、前にも申しました
通り
、
国際競争
に勝ち得る
よう
な——勝つところまで行かなくても、たえ得る
よう
なものにしてやるということはどうしても必要でありまして、それがために諸
外国
の状況について資料を集めているのでありますが、フランス、オーストリア、スイス、この辺が
日本
として参考になる国の
よう
に存じます。そういう国全部というわけではございませんが、その中で
家屋税
を三十年間、法制的にきめて全然とらない所があります。また
耐用年数等
については、
ホテル
の場合、先ほど申し上げました
よう
に
アメリカ
の
査定
が三十年であり、
ヨーロツパ諸国
においても、この
査定年数
が現在の
日本
の
よう
に八十年というがごときものは、一国もないのであります。
競争相手国
がか
よう
に
整備
いたしますときに、
わが国
だけが、
観光事業
によ
つて外貨
を獲得せんとする際、その発足にあた
つて
ホテル
の
整備
を等閑に付しますならば、こつちの望む
よう
に、
わが国
に
外客
を招致することができないということになる懸念がありますために、重点的にこの問題を取上げて、
法案
を一応
とりまとめ
ました次第でございまして、本日
皆様方
に
連合審査
をしていただきますことは、
とりまとめ
に当りました
観光特別委員会
といたしましては、まことに光栄と存ずるところでございます。 以上をも
つて
私からの御
説明
を終らせていただきまして、次に法務局の方から補足的な御
説明
を願いたいと存じます。
鮫島衆議院法制局
第三
部長
。
鮫島眞男
3
○
鮫島法制局
第三
部長
それでは私から
国際観光ホテル整備法案
につきまして、大体の御
説明
を申し上げます。 第一條はこの
法律
の
目的
を揚げたものでございまして、この
法律
は、
ホテル
その他の
外客宿泊施設
の
整備
を図り、
外客接遇
の充実に資することを
目的
とする。 第二條は、この
法律
で用いておりますところの
ホテル
、あるいは
ホテル業
というものの定義を揚げたのでございまして、この
法律
で「
ホテル
」とは、「
外客
の
宿泊
に適する
よう
に、洋式の
構造
及び設備をも
つて
造られた
施設
をいう。」それから「この
法律
で「
ホテル
」業とは、
ホテル
により人を
宿泊
及び飲食させる営業をいう。」 第三條は……。
河野謙三
4
○
河野
(謙)
委員
逐條御説明
をいただいておりまするけれ
ども
、時間の
関係
もありますし、各
委員
から質問の都度その
條項
について御
説明
をいただけばそれで足りるのではないか、そういうことでいかがでし
よう
か。
栗山長次郎
5
○
栗山委員長
運営
についてお諮りをいたしますが、ただいまの御動議、私もそうではなかろうかと思うのでありますが、いかがでございまし
よう
か。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
栗山長次郎
6
○
栗山委員長
それではさ
よう
に運ばしていただきます。それではどうぞ
皆様
からご発言を願います。
關谷勝利
7
○
關谷委員
まずこの
質疑
に入ります先に
お尋ね
をいたしたいのでありまするが、この
法案
を
観光事業振興方策樹立特別委員会
で審議するのが妥当であるかどうかを、まず
お尋ね
をいたしたいと思います。
観光事業振興方策樹立特別委員会
はその名の示しまするごとく、
観光事業
の
振興方策
を樹立するのでありまして、
観光事業
を
振興
せしめるために、かくのごときことをやれということを、箇条書というふうな
程度
に書き立てまして、そしてこれを実現せよと議会に答申すれば、私はその
委員会
の使命は足りるのではないか、この
よう
に考えるのであります。なおまた
ホテル整備法案等
のごときものにおきましては、その
観光事業
の
振興方策
の一部として行われまして、その
所属
はと申しまするならば、この
法案
にも示しておりまする
通り
、あらゆる部面におきまして
運輸大臣
ということが明記されておりまするので、
運輸省関係
であるということが明確に示されておると私は考えております。そういたしまする場合に、この
法案
の審議にあたりましては、その
所属
の明確でありまするものに対しましては、その
所属常任委員会
において行うべきが妥当であ
つて
、この
観光事業振興方策樹立特別委員会
で審議すべきものにあらずと私は考えおるのでありますが、
委員長
の御
見解
はいかがでありまし
よう
か。
栗山長次郎
8
○
栗山委員長
御
質疑
は第一段と第二段にわかれておる
よう
に拜聽いたしておりますが、第二段の点については、本
委員会
内にもまとまつた
見解
がありますので、これを読ませていただきます。ただいま御
質疑
のありましたこの
観光事業振興方策樹立特別委員会
と他の
常任委員会
の
所管
との
関係
につきまして、一応
所見
を申し述べさせていただきます。なるほど
運輸委員会
は
運輸省
の、
厚生委員会
は
厚生省
のそれぞれ
所管事項
を
所管
いたすことにな
つて
おりますので、それぞれの省
設置法
によりまして
運輸
に
関連
する
観光
は
運輸省
が
所管
するものであり、また
国民保健
の面からされる
観光
の
事柄
は、
厚生省
が
所管
するものであり、その限りにおきましては、
観光
に関する
事項
が
運輸委員会
なり
厚生委員会
なりの
所管
であると言われますのは一応ごもつともでございます。しかるに
観光事業振興方策樹立特別委員会
は、以上のごとく
規則
上一応の
所管
のことを
承知
の上で、本
会議
の決議をも
つて
設置
せられ、そして
観光事業振興方策樹立
の件を
付託
せられたものでありまして、本
委員会
が
観光事業
の
振興
に関する
方策
を樹立するため各般の
調査
をなしますことは、この
院議
の負託にこたえるものでありまするし、また
衆議院規則
第四十二條によりまして、すべて
委員会
は
所管
について
法律案
を
提出
し得ることにな
つて
おりますので、本
委員会
が
付託
された
事件
に関して
調査
の結果、
観光事業振興方策樹立
のために
本案
を
起草
し、これを
委員会
から
提出
し
よう
といたしますことは、本
委員会
としては当然の権限であると考えております。
常任委員会
の
所管
は
院議
によ
つて
これを変更できることにな
つて
おりますが、特に
院議
による変更はなされないでも、従来
特別委員会
が
設置
されました場合に、それに
関連
した
事項
について、すベて
付託
に
なつ
た
特別委員会
に移つたものとして
取扱
つて
いるのが、第一
国会
以来の先例とな
つて
いる
よう
に
承知
いたしております。たとえば
選挙法
に関することは
地方行政委員会
の
所管
でありますが、
選挙法
の
特別委員会
が
設置
されましてから、この
特別委員会
がこれを
取扱つて法案
を
起草
いたしておりますし、
地方行政委員公
の
国政調査
も、
選挙
に関する
事項
だけは除外して
議長
が承認しておるのが実際の
取扱い
であります。この
関係
は、災害問題についての
建設委員会
と
災害地特別委員会
、
海外在留同胞
についての、
外務委員会
と
海外
同
胞引揚特別委員会
のそれぞれの間の
関係
においても、すべて同様であります。また
政府支拂促
進の問題も、本来は一応
大蔵委員会
の
所管
であるのに、
特別委員会
が
設置
され、この
付託
に基いて
政府支拂促
進の
法案
を
提出
、先
日本会議
で可決されましたことは
街承知
の
通り
であると思います。以上のごとく本
委員会
が
本案
を
起草
いたしますことは何らさしつかえないのみならず、
院議
によ
つて
付託
された当然の
仕事
であると考えるのでございます。以上私
ども
の研究しました上での
所見
を一応申し述べた次第であります。 なおこの点につきましては
疑義
が残る
よう
でございますならば、
事務総長
、
法制局長
の御
意見
をも承りまして、
取扱い
には遺憾なきを期しますことは、
もちろんけつ
こうと考えておる次第でございます。
關谷勝利
9
○
關谷委員
ただいまいろいろ御答弁がありましたが、これは
国会法
の第四十五條において「
特別委員
は、
常任委員会
の
所管
に属しない特定の
事件
を
審査
するため、
議院
において選任し、」こういうことにな
つて
おりまするので、
観光事業
という
よう
なことにつきましては、
運輸省
におきましては
運輸
に関しまする
観光
、
厚生省
におきましては旅館、
興行場
、
公衆浴場
、
理容所等
の多数集合する場所の
衞生
上の面、あるいは
国立公園
とか温泉という
よう
な面におきましては
厚生省
がやる。こういうことで、それぞれ各省にまたが
つて
おりまするので、その全般的な
方策
を樹立いたしまするには、これの
所管
が明確でない。そのためにこの
観光事業振興方策樹立特別委員会
が設けられておるのでありまして、その樹立せられました個々の
事柄
に関しまするものに対しましては、これの
所属
が明確でありまするものは、その
所属
に従
つて
審議するのが妥当である。もしこれが
所管
を定めにくいものについては、
議長
が
院議
に諮
つて
これを決定する、こういうふうにな
つて
おりまするが、この
よう
に疑議があることに関しまして、
委員長
に
議長
にその
所属
がどうであるかということをただしたことがあるかどうか、この点承りたいと思います。
栗山長次郎
10
○
栗山委員長
お答えいたします。
議長
にお問いしたことはございませんが、慣例や、ただいまここで読み上げました
よう
な振合いについては、十分に考慮をいたしました。ただいまの点につき
疑義
がまだ残る
よう
でございましたら、
事務総長
なり
法制局長
なりに
出席
を求めて
説明
をしてもらいたいと思いますが……。
關谷勝利
11
○
關谷委員
私ここに
疑義
ありと認めまして、
法制局長
の
出席
を要求いたします。
栗山長次郎
12
○
栗山委員長
事務総長
はよろしゆうございますか。
關谷勝利
13
○
關谷委員
これは
議長
が
議院
に諮
つて
決定する。もつともそういうことを
事務総長
よく御
承知
であろうと存じますので、
事務総長
でけつこうです。
柄澤登志子
14
○
柄澤委員
ただいま
委員長
からの御報告によりますと、この
法案
は
観光委員会
の
提出
ということでございますが、これは
観光委員会
におきましては反対がございまして、
議員提出
になるということであつたと思うのでございます。ですから今日の
合同審査会
におきましては、御
提出
になります
委員
から、当然御
説明
があ
つて
しかるべきだと思いますのに、なぜ
法制局
の方から御
説明
があつたかというのでございます。 それからもう
一つ
、この
特別委員会
の
設置
は、
運営委員会
でも相当論議されたと承
つて
おります。また、ただいま
關谷委員
よりお話のありました
よう
に、各
委員会
に
関連
を持
つて
いるこの
事業
につきまして、当
委員会
が調整するという立場から、この
委員会
が設けられたということも承
つて
おりました。ですから、今日の
合同審査会
の議事は、そういう方向に向
つて
お進め願いたい、か
よう
に考える次第でございます。これにつきまして
委員長
の御
見解
を承りたいと思います。
栗山長次郎
15
○
栗山委員長
お答えいたします。今日のは
合同
ではありません。これは用意されました
国際観光ホテル整備法案
についての
連合協議会
でございます。
門司亮
16
○
門司委員
ただいま承
つて
おりますと、いろいろ
疑義
がある
よう
でございます。私今参りましたので、
法案
の
説明
をどなたがなさつたか存じませんが、およそ
法案
を出されます場合、
政府
が出す場合は
政府
がこれを
説明
をし、
議員提出
の場合はその
代表者
から
説明
を受けませんと、私
ども
は審議するのに困るのであります。どこから、たれが出したかわからぬ
よう
なものを、
連合会
で審議するのはどうかと思います。その点
提案者
を明確にしていただきたいと思います。
栗山長次郎
17
○
栗山委員長
委員長
が
説明
いたしました。
門司亮
18
○
門司委員
そうすると、これは
委員長
の
提案
と解釈してよろしゆうございますか。
栗山長次郎
19
○
栗山委員長
それではもう少し掘り下げて申し上げます。
当該特別委員会
におきましては、
採決
に至
つて
おりません。と申すのは、
特別委員会
で
採決
をいたしますと、それが最終的なものになるおそれがあるのです。そこで
皆さん大
多数の御意向によ
つて
、案をまとめるという方式をと
つて
参りました。これは
速記録
にも残
つて
おります。この
法律案
ができたらば、
委員会
としての
提出
にし
よう
、それを
委員会提出
とするか、せぬかの正式な決定は、最終的な
採決
の場合にきめ
よう
ということで、
委員長
としては、
当該特別委員会
がこれを持ち出すという便法をと
つて
よろしいという、一応の御
了承
を多数の
委員
から得ております。
採決
ではございません。
門司亮
20
○
門司委員
そうしますと、この
法案
は、
提案者
によるものでなく、発案という範囲のものと解釈してさしつかえありませんか。
栗山長次郎
21
○
栗山委員長
その
通り
であろうと存じます。
坪内八郎
22
○
坪内委員
ただいまこの
法案
の
所管
はどこにあるかということが論議されておりまするが、私はそれとは別個に、簡単なことをちよつと
お尋ね
したいと思います。この
法案
に基く
業務基準
は、
別表
の第一に
東京
都、
京都
、
大阪
、
横浜
、神戸及び名古屋という
都市
をあげられ、三十室以上で、かつ
客室総数
の二分の一以上という規定がありますが、私はこういう
よう
に
東京
、
京都
、
大阪
、
横浜
と
都市
の名前をあげる必要はなく、一律に十五室以上で
客室総数
の三分の一以上というふうにきめた方がよいのではないかと思います。この点のいきさつを
委員長
にお伺いいたします。
栗山長次郎
23
○
栗山委員長
お答えいたします。
外客宿泊施設
を全国的に考えます場合に、いわゆる
基地ホテル
と、それを培養する他の
宿泊施設
という
構造
が成立つのであります。そこで、
外国
の船の着くところであるとか、もしくは
観光地帶
としての
中心的役割
をなす個所の
ホテル
は相当規模の大きなものであ
つて
、そこへ
外客
が一応おちついて、計画を立てて他の
地方
に出て行く。ここから出て行くときには
外客
は各地に分散されますので、集中すると想定せられます所は、その規模を大きく考えた次第でございます。
坪内八郎
24
○
坪内委員
委員長
の今の御
説明
はどうも了解しがたいのであります。
東京
とか
大阪
の
よう
なところは、客観的な情勢からこれを認めるにやぶさかでありませんが、ここにあげてある
東京
、
大阪
等のみに、必ずしも
外客
誘致あるいは
観光
の諸
條件
が備わ
つて
おるとは断定できないと思うのであります。それでここにあげた
東京
、
京都
、
大阪
という
よう
な名前は抹殺して、全国一律に十五室以上なら十五室以上、あるいは
客室総数
三分の一以上という
よう
な規定を設けられるのが妥当であると思いますので、他の議員の御賛同を得るために、
委員長
からお諮りを願う動議を
提出
いたします。
栗山長次郎
25
○
栗山委員長
御
意見
承
つて
おきまして、
当該委員会
にお諮りをいたします。
高橋等
26
○
高橋
(等)
委員
ただいま
關谷
さんの御質問に対して、公衆
衞生
の見地について特に力を入れてお述べに
なつ
た
よう
に聞きましたので、その点は一応御研究を願いたいと思います。 それから速記をとめていただきたいと思いますが……。
栗山長次郎
27
○
栗山委員長
今日の
連合審査会
は速記をとめずにいたしたいと思います。
高橋等
28
○
高橋
(等)
委員
それでは特に
委員長
にお伺いいたしたい。
特別委員会
の
運営
につきまして、いずれ
事務総長
がおいでになればわかることと考えておりますが、先般
観光特別委員会
を傍聽させていただきましたときに、そのときの議題は、
厚生委員会
から
特別委員会
の方へ、ある申入れをいたしましたことを御相談願
つて
おりました。そのときの
委員長
のお言葉の中に、これが回答を與えるが、結局
特別委員会
は、先ほど
委員長
の述べられた
よう
に、各
委員会
とは
関係
なしに、
特別委員会
でこの問題が決定し得るのだから、相談はするが、ともかくわれわれはこの筋で行くことを考えておるという
よう
な、御発言をなさ
つて
おりましたのを聞きまして、今せつかく
連合審査会
がこうや
つて
開催の運びになりましたけれ
ども
、やはり
委員長
の腹の中はその辺にあるかどうかを、お答えいただきたいと思うのであります。
栗山長次郎
29
○
栗山委員長
お答え申します。先ほどの御
質疑
に対してお答えいたしました
よう
な
趣旨
のことを考えておりますので、本日の
連合審査会
では、
質疑
応答並びに御
意見
をよく承りまして、
当該特別委員会
においてその御
意見
に基き、いか
よう
にいたしますかということを審議いたすつもりでございます。
關谷勝利
30
○
關谷委員
これを
観光特別委員会
で
審査
ができる、できぬということについては、やがて
法制局長
が出て来て
説明
するであろうと思いますが、この
法案
をよく読んでみておりますと、いずれの場合においても、
運輸大臣
ということがすべて明記をいたしてあるのであります。それで
観光
委員長
は、この
法案
の
所属
というか、この
ホテル
の
所属
というものが、
運輸省
の
所属
であると考えておられると解してさしつかえないかどうか。この御
意見
を承りたいと思います。
藤田義光
31
○
藤田
委員
關谷委員
の発言に
関連
して申し上げますが、先ほど来
運輸委員会
の
關谷委員
からいろいろ御発言がございました。この際
法制局長
あるいは
事務総長
が見えます間に、
厚生委員会
の方の御
意見
を拜聽いたしたいと思います。
關谷委員
の御
意見
によりますと、大体においてこれに
運輸委員会
の
所管事項
であるというふうな前提のもとに、論議を進められておる
よう
でございますから、
厚生委員会
の
委員
の方の御
意見
を事前にお聞きしておきたいと思います。
關谷勝利
32
○
關谷委員
ただいまお話がありましたが、私はこれは
運輸委員会
の
所管
であると前提して言うておるのではなくて、
委員長
がそのつもりでおられるのかどうか、
委員長
の
所見
を承
つて
おるのです。
藤田義光
33
○
藤田
委員
私としましては、
委員長
の
運輸委員会
の
委員
に対する御答弁の前に、一応この
法案
に関しまして、表現がまずいですが、対立的な立場にある
厚生委員会
の御
意見
を拜聽してみたいと思います。
栗山長次郎
34
○
栗山委員長
藤田
委員
は、当該
特別委員
であられまして、私と同様にこの発案の責任者であります。その方からの御発言でありますから、
厚生
委員
の方が、ひとつ
藤田
さんの御希望に沿
つて
いただくことを望みます。
青柳一郎
35
○青柳
委員
厚生委員会
といたしまして、全部的にはつきりきまつたというわけではございませんが、
厚生委員会
の一般の空気を私から
とりまとめ
て御報告をいたします。
厚生委員会
は
厚生
行政の面ばかりではなく、この
法案
を全般的ににらみ合せましての結論も一応つけかけておりますので、はなはだ恐縮でございますが、その点にも触れたいと存じます。 まず第一に、本
法案
の骨子は、資金、資材のあつせんと税の減額との
二つ
であると存ずるのであります。しかしてそのうちの資金、資材のあつせんは、事実上の行為として実施でき、また現にいたしておるのであります。別に立法を必要とするとは認められないのであります。税の減額につきましては
家屋
を新しくつくる、いわゆる
登録
ホテル
は半分減ずるという
よう
に最終案には相な
つて
おる
よう
に思います。また今
委員長
の御
説明
によりますと、この
法案
ができると、そういう
登録
ホテル
ができるのだから、半分の
税金
をと
つて
もプラスになるという
よう
なお話を承
つたの
であります。しかるにこの資金、資材のあつせんをいたしますれば、りつぱに
ホテル
が一応建つのでありまして、建ちますれば——現在町村は非常に財政に困
つて
おる
よう
に思うのであります。ことにシヤウプ勧告によりますと、
家屋税
は今後三倍もとり得るので、町村の財力の大きい根源をなすものでありますから、これの二分の一を引くということは、将来の町村の財政に與える影響また大きいと存ずるのであります。 次に、
厚生
行政の面からの、われわれの
委員会
で考えました
意見
について御報告を申し上げます。従来旅館業に対する行政事務は、
ホテル
を含みまして、すべて旅館業法によ
つて
許可を必要とするのであります。かつこの
法律
施行事務の円滑を期するために、全国に一千六百名の
観光
衞生
観察員というものが置いてあるのであります。これらによりまして、本
法案
の第一條にございます
よう
な面につきまして、あらゆる施策を講じて、
衞生
行政の方面を担当しておるのでございまして、ここに
提案
されております
よう
な
法案
の実施に際しましては、やはりかかる者の
意見
を徴せられるとともに、
衞生
面の
施設
基地につきましては、
厚生
行政部面の
意見
によるほかはないと存ぜられるのであります。また
ホテル
審議会などにつきましても、この審議会の性格は、單に適正な運用をはかるための
運輸大臣
の諮問機関にすぎないのでありまして、行政簡素化が強く叫ばれて来ておる今日、ほんとうにやむを得ないもの以外は、かかる機関を
設置
せざることが必要であるというのが大多数の
意見
であります。さらに
国立公園
、温泉地内の旅館
整備
につきましては、
国立公園
計画に基く
国立公園
事業
の一環として実施すべきものであ
つて
、多元的になる
よう
なことは、できるだけ廃せられるべきであると存ぜられるのであります。しかしながらただいま申し上げました点が、役所のなわ張り根性、なわ張り争いという
よう
なことにとらわれましては、非常に心外であります。結局この
法案
によりまして、
運輸大臣
に国民の健全なる身体を保持すべき
厚生
行政面をやらせるということにつきまして、非常な危惧を持
つて
おるという点を御報告いたしておきます。
栗山長次郎
36
○
栗山委員長
藤田
さん、ただいまの御回答で御満足でございますか。
藤田義光
37
○
藤田
委員
ただいま
厚生委員会
の青柳
委員
から、明快なる御答弁を拜聽いたしました。
關谷委員
の御発言といい、青柳
委員
の御発言といい、われわれにとりましては、一応もつともでございます。かかる両
常任委員会
の
意見
なるがゆえに、
特別委員会
の必要がなおさら痛感されるのでありまして、この点につきましては、
委員長
とまつたく同
意見
でございますが、いずれ
法制局長
あるいは
事務総長
が見えると思いますので、その
意見
に従
つて
議事を進行させていただきたいと思います。
關谷勝利
38
○
關谷委員
そのゆえに
特別委員会
が必要であるということになりますと、その場合は
議長
が
議院
に諮
つて
、これを決定するというのでありまして、その手続が抜けているのではないかと私は考えるのであります。私は別にこれを
運輸委員会
で審議しなければならぬと固執するものではないのでありますが、しかし以前に通訳案内業法を
運輸委員会
で審議したことがあるのであります。そうすると案内する者は
運輸省
の
所属
であるが、案内される者はよその
所属
であるという、まことにふつり合いなことに相な
つて
来るのであります。こういうふうなことから考えて参りますと、今国民の健康という
よう
なお話がありましたが、これは国民の健康ではなしに、
外客
に対する待遇設備の改善ということでありますので、私は当然これは
運輸大臣
の
所管
であるというふうに考えております。私は
所管
争いをし、あるいはこの審議を引延ばすという意味ではないのでありまして、一応これを
議長
に諮
つて
、
議長
から
院議
に諮
つて
決定すべきが至当ではないかと考えておりますが、
委員長
の
所見
を伺いたいと思います。
青柳一郎
39
○青柳
委員
ただいまの
關谷委員
の発言でありますが、私もまたこの
法案
が
外客
を
目的
とするものであるということは知
つて
おります。しかしながら現在の
ホテル
は、
外客
をとめるだけでは経済的に立ち行かない面がたくさんございまして、現にこの
法案
においても、相当数の
日本
人を收容するということにな
つて
いると思うのでありまして、そういう点を考えながら申し上げたのですから、その点御
了承
願いたいと思います。
門司亮
40
○
門司委員
はなはだ恐縮でございますが、だんだん話を聞いておりますと、私非常に深い
疑義
が出て来るのであります。今日の
よう
に、はつきりした
法案
にな
つて
いないものについても連合の
審査
はできるとは思いますが、しかしまた
提案者
もきま
つて
おりませんし、はつきりした
法案
にな
つて
おりませんので、この
所管
をどこにするかというところから、きめるべきだと思うのであります。本日のこの
会議
は発案者の発案による予備
審査
の
よう
な形で
連合審査
が行われている
よう
に解釈するのでありまして、いずれよく相談をして、
法案
に
なつ
たときに、その
所管
の問題について議論していただきたいと考えております。
滿尾君亮
41
○
滿尾
委員
内容に入る前に
取扱い
方についていろいろ議論が出ておりますが、国際
観光
というのが、
わが国
の国民経済上いかなる意味を持つかということをお互いによく考えまして、国策としてこれをどの
程度
に推進するかという腹のきめ方、腰の入れ方で私はきまるのじやないかと思う。従
つて
皆さんが、
観光事業
をどう考えるかという本質的な立場に立
つて
御判断いただけばよいのであ
つて
、あまりつけたり的のことで時間を空費するのはどうかと思う。それで私の思いますのに、結局これは
便宜
の問題だと思う。どうすれば
観光
国策が最もわれわれのねら
つて
いる
よう
なかつこうで遂行されるかについて、ほんとうに本質的な見地に立
つて
考えれば、現在の各省
設置法
にどう書いてあろうと、もしそれが都合が悪ければ直せばよい。
観光
国策が最も完全に遂行されるのにはどうすればよいかという見地に立
つて
、本質的に考えて
現行法
の悪いところを直せばよいと考えます。それで私は決して形式的な論議でなしに、本質論として申し上げるのでありますが、
国際観光事業
というものは、單なるこれは架空の概念ではない、現実に動いている事実でありますから、この事実に活を入れるためにはどうすればよいかということであります。これにつきましては、やはりスイスであるとか、イタリーであるとか、つまりツーリスト・インダストリーというものを相当国策として取上げておりますところの先進国——先進国と言
つて
は語弊がありますが、これらのよその国を見て研究いたしまして、
日本
の特殊性をこれに勘案して、この
事業
の遂行を考えなければならないと思う。
法律
的な観念論のなわ張り争いなどはも
つて
のほかであ
つて
、やはりこの
事業
の特質と過去の経験をよく考えて、実際にこれを動かしますところの推進力がどこにあるかということを、よくお考えにならなければならぬと思うのであります。もちろん
ホテル
の
事業
でありますから、不
衞生
なものを食わしたり、病人が出たりする
よう
なことは言語道断だ。あたかも
ホテル
にどろぼうが出れば警官が飛んで行くという
よう
に、保健
衞生
の
施設
の取締りということは、すベての
事業
に対して、空気のごとく、水のごとき前提に立
つて
いるものである。これをとりたてて言うがごときに至
つて
は、私はどうかと思うのであります。従
つて
国立公園
の中に
ホテル
が介在することが、
国立公園
の
目的
に背馳するおそれが多分にあるものならば、
国立公園
地帶といたしまして、その
ホテル
の建設を許すか許さぬかについて、十分御審議にならなければならぬと思いますけれ
ども
、
わが国
が国策として
観光事業
を遂行するときに、いかなる
国立公園
地帶においても、国際
観光
ホテル
を
設置
することが、
国立公園
を
設置
した
目的
に背馳する
よう
なおそれは万々ないと思うのであります。か
よう
に申し上げて参りますと、具体的に結論を申し上げませんでも、
わが国
民経済の現状にかんがみて、この
国際観光事業
というものが、いかに圧倒的な重要性を
わが国
民経済に持
つて
いるかということがわかります。そこを考えていただいて、御相談を進めていただきたい。あまり末梢的な論議に集中することはつまらぬことであると思う。
藤田義光
42
○
藤田
委員
ただいまは
運輸委員会
の
滿尾
委員
から、きわめて該博なる
観光
に対する御指導を仰ぎまして、われわれ
観光
特別委員
といたしまして、まことに汗顔の至りに存じておりまするが、この
整備
法案
の
提案者
、あるいは
所管
のいかんは第二にいたされまして、また議事を進捗させる意味におきまして、この
法案
が予備案か、あるいはほんとうの
法案
であるかいなかの本質論は一時保留願いまして、ただちにこの
法案
に対する四
常任委員会
の
意見
を聞くというふうに、議事を進めていただきたいと思います。大分会期も迫
つて
おりますし、今日の
連合審査
の
趣旨
もその辺にあるかと想像いたしております。
關谷勝利
43
○
關谷委員
私がいろいろ妙な発言をしたために、議事を引延ばした
よう
なことに相なりまして、まことに恐縮いたしております。
提案者
がだれかわからぬ、
所属
がどこかわからぬという
よう
なことも、あとで明確にしていただくことにいたしまして、先ほど
滿尾
委員
から発言のありました
観光事業
の重要性ということから考えまして、この
整備
法案
の審議を進めていただきたいと思います。
栗山長次郎
44
○
栗山委員長
ただいま御動議がございましたが、逐條的に御審議を願いまし
よう
か。それともお気づきの点についての御
意見
を御開陳していただきまし
よう
か、どちらにいたしまし
よう
か。
淵上房太郎
45
○淵上
委員
先ほどから御
提案
がありました
よう
に、各
委員
御列席でございまするが、
地方行政委員会
、
大蔵委員会
の御
意見
はまだ出ておらぬ
よう
であります。それをお聞きにな
つて
、しかる後に今ご
提案
の
整備
法案
の審議を進めていただきたいと思います。
栗山長次郎
46
○
栗山委員長
ただいま
藤田
さんから御動議がありまして御諮りいたしておるのでありますが、御
意見
を拜聽するにいたしましても、各
委員会
に關係の深い点について拾
つて
御
意見
を拜聽するか、それとも
法案
を一体的に見てやや逐條的に行きますか、この
二つ
の方法があると思いますが、どちらにいたしまし
よう
か。
尾崎末吉
47
○尾崎(末)
委員
ただいまの二、三のご
意見
、まことにけつこうだと思いますが、ただ私は先ほどから問題にな
つて
おりました根本的な問題でありますけれ
ども
、これを見ますと、
国際観光ホテル整備法案
(最終案)とありますから、この点予備案であるか、最終案であるか、そういうのをはつきりしてかか
つて
行かないと、いい
かげん
に逐條審議なり、その他の審議をや
つて
しま
つて
おいて、そしてここにプリントしてあります
よう
に最終案だ、こういう
よう
に逸脱するおそれもありますので、今申しました点を簡明にはつきりしておいて、それからかかるべきだと思います。
栗山長次郎
48
○
栗山委員長
わかりました。
藤田義光
49
○
藤田
委員
ただいま
運輸
委員
から御発言がありましたが、この最終案という意味は最近案という意味であり、しかも
連合審査
にかける最終案、そういうふうに解釈いたしております。
特別委員会
では最終案と見ていない
よう
に了解しておりますが、
委員長
の御
意見
を……。
栗山長次郎
50
○
栗山委員長
私から
皆様
の
疑義
に対して、まことに手遅れでありますが、
説明
をさしていただきます。御案内の
通り
連合審査会
では決議をすることはできないのであります。ここでは御
意見
を拜聽して、
当該特別委員会
においてその御
意見
に基き、よく練りました上に最終的決定をなすのでございます。
特別委員会
が最終的決定をなしますと、それは再び
委員会
にかからずして本
会議
に報告となり、それがただちに本
会議
でも
つて
認められて通過することになるのでございます。そこで私
ども
としては、これは皆さんに御審議願う上に、担当の
委員会
の者としては、これが最終的な
とりまとめ
である。ですから、ここに最終案としてあるのは、最終的な
とりまとめ
というふうに御解釈していただけばよいかと思います。
青柳一郎
51
○青柳
委員
ただいま
委員長
から言われました、ほかの
委員会
の御
意見
も聞けということに私は賛成です。
厚生委員会
の
意見
を聞いて、ほかの
委員会
のを聞かないというのは不公平だ、
観光事業
の重要なことは、
滿尾
委員
のおつしやつた
通り
認めておるのであります。そして私は結論的に申し上げます。ただ役所の事務的な争奪戦に終るのではいけない、もつと深く考えておるのだということを申し上げたのでありますから、どうぞほかの
委員会
の御意向も聞く
よう
にお願いいたします。
滿尾君亮
52
○
滿尾
委員
ホテル
案にいろいろ議論が出ておりますが、実は
観光特別委員会
の方々に申し上げます。この
程度
の
法律案
をつく
つて
、一体
わが国
の
観光
国策が遂行できるか、私はその観念を疑うのであります。なぜ
観光
法といつた
よう
な、もつと総合的な法
立案
を御
立案
にならぬか。これはその
観光
法の中の主要なる面には違いない、しかしながらお考えは單なる
ホテル
の
整備
法案
、これでは私はまだまだ残念だと思う。従
つて
ホテル
という設備にあまりに跼蹐して、
皆様
が目をつけられるために、今の
よう
な
取扱い
技術的な議論が非常に集中すると思うのでありまして、むしろもう一ぺん出直されたらどうか、もつとスケールを大きくして、本質的に
観光
法案
をお出しになるお考えはないかどうか、
委員長
の御
見解
を伺いたいと思います。
栗山長次郎
53
○
栗山委員長
御
見解
、私
ども
さ
よう
に考えておる次第でございます。しかし実際の
段階
になりますと、重要なる案件、
條件
、要素について逐次構想を練り、
立案
して固めて行くよりほかによい方法がないという結論に達しましたために、か
よう
な重点的な扱い方に
なつ
たわけでございますことを御
了承
願います。従
つて
あとからいろいろな方面につき、いろいろな要素につき、
條件
について、案がまとまりましたならば、また
皆様
の御審議を煩わしたく存じます。
滿尾君亮
54
○
滿尾
委員
それでは根本的なお考えはこの次にお考えいただくことで了解いたします。この
法案
の
取扱い
でございますが、ただ最終案という
よう
なことで非常にもんだんでありますけれ
ども
、これはやはり
特別委員会
の方で相当御相談ができました上で、各
関係
委員会
から小
委員
でもお求めにな
つて
、そこで第一番の連絡をせられる方がよか
つたの
じやないかと思います。本日の
よう
な形態でいきなり
連合審査
ということになりますと、これはなかなか收拾がつかない。私はもつと早く本質論に入りたいのでありますけれ
ども
、皆さんがなかなか堂々めぐりをせられて非常にむずかしいのであります。そういうことはいかがでございますか。
栗山長次郎
55
○
栗山委員長
幸いにして本質論にお入りくださ
つて
おられますので、皆さんの御
意見
は
当該特別委員会
としては非常に参考になることとして傾聽いたしておる次第でございますが、重ねてお諮りいたしますが、各
関係
委員会
として全面的にやらなくとも、この点についてこの
委員会
はこう考えるのだという
よう
な御出案がございますれば、議事進行上たいへん好都合だと思います。
淵上房太郎
56
○淵上
委員
私は
地方行政委員会
の
委員
でございますが、先ほど青柳
委員
から御発言がありました市町村財政の問題、シヤウプ勧告によ
つて
、来年度は
家屋税
が大体三倍
程度
になるだろうという
よう
なことであります。この
ホテル
整備
法によ
つて
、徴收し得べき
家屋税
が徴收できなくな
つて
、財政を圧迫するがごとき御
意見
があ
つたの
であります。私はこの点に対しましては、まつたく反対の観察をいたしておるのであります。そこで
償却年限
の短縮、
耐用年数
の点、及び資金あつせんによりまして、
ホテル
の建築を容易ならしめるということによりまして、もしこういう修正方法がなかつたならば建たなかつた
ホテル
が、各地に建
つて
いるということによ
つて
、
地方
財政は大体課税物件がふえて来る。こういう意味におきまして、
地方
財政の上からい
つて
非常にいい効果をもたらす、か
よう
に考えておるのであります。
地方行政委員会
としてはまだ研究はな
つて
おらぬのでありますが、一
委員
としましてそういう
見解
を持
つて
おるということをこの際申し添えておきたいと思います。
川本末治
57
○川本
委員
先ほどから青柳
委員
からも、また今私
ども
の淵上
委員
からも御質問がありましたが、この第七條に
家屋税
を減額するということをお設けにな
つて
おります。これはどういう理由か。私
ども
の現在の立場からいたしますと、すでに青柳氏や淵上氏が言われたがごとく、
地方
財源がこれ以上枯渇されてはまつたく困るというときにあた
つて
、さらにまたここに半減する
よう
な案が出て来たのでございますが、これはどういう理由でお設けに
なつ
たか、それを一応伺いたい。
栗山長次郎
58
○
栗山委員長
お答えいたします。冒頭に申し上げました
よう
に、修正をするといたしますれば、
補助金
を與えるか、比較的過重な
税金
に若干の
手かげん
を加えるかという
二つ
を考えたのでありますが、この場合
家屋税
におちつきましたおもなる理由は、これによ
つて
地方
の財政を圧迫することはないという一応の目安がついたからであります。と申しますのは、この法の適用を受け得る——必ず受けるのではありません。受け得る
対象
として想像されます
家屋税
に関する
ホテル
のみを見通しますと、その数は来年度においてまずせいぜい——これは想像でありますから、間違うことがあるかもしれませんが、五つぐらいであろう。それから最終的に考えましても、この
別表
に
基準
を示している
よう
な
ホテル
は、そうたくさんはでき得ないのでございます。でありますから十内外、これも推定ですから間違う場合があるかもしれませんが、か
よう
に考えます理由の
一つ
は、先ほ
ども
申しましたけれ
ども
、
基地ホテル
的な役目をなすところでなければ、大きな
ホテル
を建てましても、とうてい引合わないのであります。そういう点は業に当る者がきわめて敏感でありまして、全然損になる所には、
よう
企画をいたさぬという
観点
もありますし、現在として見通し得る諸材料を集めてみて、今の
よう
なことが申し得るのでございます。しかも、それは新設でありますから、在来徴收しておつた
家屋
の
家屋税
には何ら
変化
がございません。しかして新設されたものから、かりに半分とるにいたしましても、それだけ
家屋税收入
にプラスであることが、おわかりいただけると思います。同時に
地方
の財源として遊興飲食税がございますが、そこに
ホテル
ができれば、それだけ遊興飲食税を余分に徴收することができると思います。従
つて
、その
地元
の財政收入をこれによ
つて
圧迫するということは考えにくいのであります。さらにそれと並んで考えたいことは、
地方
では有利な
條件
を提供しても、またある場合には寄付をしても、そこに
ホテル
設備をし
よう
という御意向のところが、私
ども
調べまして二、三承
つて
おります。それで
地元
の
繁栄
をお考えになるからであると思いますが、
地元
の
繁栄
、
地元
に落ちる他の金とか收入とかいうものから考えますと、その
地元
としてはプラスになる面が多い
よう
に思います。それこれ勘案いたしますと、
地方
財政の圧迫でもなく、また
地方
の
繁栄
に資することこそあれ、その
地方
の迷惑とは考えられないというふうに推論いたしたわけでございます。
川本末治
59
○川本
委員
提案者
の方面の御
意見
は大体わかりましたが、私
ども
の
委員会
としては、早急にこれを御賛成申し上げるということは、ちよつと申し上げかねる
よう
な現状にありますので、一応賛否は保留さしていただきまして、
委員会
に諮
つて
またどうなりますか。今のところ私
ども
はあまり賛成ができないということだけを申し上げます。
岡良一
60
○岡(良)
委員
厚生
委員
の岡でございますが、ただいま
委員長
のお話で
家屋税
の半減は新しく新設されたものだけというお話でございましたが、第七條第三項によりますと、改築もしくは増築あるいは取得の土地という
よう
な項目がありますので、これは改築をいたしましたときにも、やはり
家屋税
は半減になるのでございまし
よう
ね。
栗山長次郎
61
○
栗山委員長
申し落しましたが、それもむろん入るのでありまして、今は原則的な
説明
をいたしますために、特にその部分だけを取上げたのでございます。準ずるものはございます。
岡良一
62
○岡(良)
委員
その点に関しまして、今ほど
地方行政
委員
の方から御
意見
がございましたが、たとえば実例を申し上げたいと思います。石川県におきましては山中、山代等現在八つの温泉がありますが、これらの町ないし村は、ほとんど温泉旅館よりの諸
税收入
によ
つて
町村の財政をまかな
つて
おります。そこでオン・リミツトにな
つて
いる旅館が十五軒あります。これは現在も
外客
が
宿泊
に利用しているのでありますが、この十五軒のものに対して、現在シヤウプ・ミツシヨンの勧告によりまして、不動産税あるいは固定資産税なる名目のもとに、昭和二十五年度よりかかる固定資産税総額が、この八つの町におきまして約七百三万円であります。これが現在は旅館でありますが、すべてオン・リミツトとして
外客
の利用に供せられておりますので、私
ども
もその現地を知
つて
おりますが、おそらくこの
法案
によ
つて
ただちに
ホテル
の
登録
をすることは必至と考えております。その結果、
家屋税
が減ぜられます場合に、約二百十万円の收入減がこの町にあるのであります。なおかつこれが
ホテル
登録
をいたしますことをきつかけといたしまして、これは現在は主として個人の経営にな
つて
おりますが、法人化されるという
よう
なことになりますと、また住民税において約二百六十六万円ばかりの
税收入
において減額が予定されているのであります。そうしますと、これらの町村財政におきまして、明年度後における約千二百万円の收入の中で、約四百万円がそういう姿において收入が期待できないという結果になるのでありまして、決して今
委員長
の申された
よう
な、わずか十ぐらいが
家屋税
減免の
対象
になるというふうなことには考えられないのであります。こういうふうな事情をとくとお調べにな
つて
、この
法案
を出されたものかどうか。国破れて山河ありと申しまするが、われわれは
観光
産業を大いに推進をして、
外貨
獲得に資するこのために、
観光
資源を活用し、ひいてはその弱体性をうたわれている
宿泊施設
の充実をはかるということについては、毛頭異議がございませんけれ
ども
、そういう
よう
な事態が町村に起りまして、町村財政においても、平衡交付金がはたして補いをつけてくれるものやらどうやら見込みもつかないうちに、こういうことができ、しかもわずか十五軒の旅館が大仕掛な
ホテル
となれば、あらゆる優先的な
取扱い
を受けながら、他の千有余の小さい、国民の療養のための旅館が差別待遇を受けるということから起ります、その地帶ないしはその府県の輿論の動向等を考えますときに、今しばらくそういう面においても、しさいな具体的な御
検討
を加える必要があるのではないかということを、この機会に申し上げておきたいと存じます。
栗山長次郎
63
○
栗山委員長
御注意ありがとうございますが、今あげました地域の現に旅館業をや
つて
おります
建物
、
整備
、これはここにあげております
別表
の
基準
に適合するものという御前提でのお話の
よう
に思いますが、私
ども
が間接に資料を取寄せておりますところによると、この
基準
に合うものはその地域にはないのではないか、さ
よう
に
了承
いたしております。また今の御発言中にありました改装によ
つて
受益者になるという場合でありますが、
日本
旅館の改装、そしてそれが
外客宿泊施設
に適合する
よう
になりますためには、
別表
第三が用意してございます。こういう
よう
な改装もしくは増築をいたしました部分は、今まであるものにプラスとなるものでありまして、そのプラスとなるものについてだけ扱うのでありまして、それがために
地方
の
税收入
を圧迫するというふうには考えておりませんが、なお、せつかくの御
質疑
でありますから、さ
よう
な
実情
調査
はいたしたく存じます。
岡良一
64
○岡(良)
委員
私が申し上げたのは千二百の旅館の中の、わずかに十五の大規模の旅館で、現在オン・リミツトにな
つて
いる旅館を指摘しているのでありますが、これはそう大した手を入れなくても、一室ないし二室を添加すれば、ただちにこの
登録
に合う
よう
な旅館を申し上げているのであります。
川島金次
65
○川島
委員
大蔵委員会
の川島であります。この
法案
の中で、今問題にな
つて
おります税
関係
について、
大蔵
委員
の個人として——もとより
委員会
の意思ではありませんから、これを御
了承
願
つて
私の
意見
を申し上げたい。一体、税というものは、いうまでもなく合理的な基礎に立
つて
、しかもその内容が公正であるべきはずである。従
つて
その所得の内容というものは多く区別すべき性質のものでないのが、税の建前である。この
法案
によりますと、従来
ホテル
を業とするものは除かれて、新たに
ホテル
室として
登録
をされる
ホテル
にのみ、
家屋税
及び
附加税
の減税をはかろうという考え方の
よう
であります。なるほど
外客
誘致、
観光事業
の
振興
は、
日本経済
全体の上から見て、原則的にはきわめて重要であるには違いないことでございますが、まず第一に、従来の
ホテル業
には適用せずして、これから新たに
ホテル業
を開始するものに対してこれを適用し
よう
という、その精神においてきわめて疑問がわれわれには起るのであります。租税というものは公平であるべきであるにもかかわらず、従来の業者にはこれを適用しなくて、新しいものには適用する。そこには租税公平の原則に背馳することはなはだしいものがあるとわれわれは考える。 第二には、なるほど租税を減免することによ
つて
、新しい
ホテル業
者の
登録
がふえて来るであろうということは、一応うなずける
事柄
であります。一体
外客
の誘致によ
つて外貨
を獲得するという
目的
のものであるから、租税の面において一応の
便宜
的な措置をと
つて
やるという考え方は、もとより悪いとは思いません。しかしながら租税というものの、しばしば繰返しますが、公正の原則から見れば、しからば輸出せんとする自転車、あるいはまたセルロイドのおもちや、こういつたものの業者で、
建物
等をこれから新たに
設置
するものに対しては、どうするのだという問題もあわせて起る問題にな
つて
来る。そういう租税公正の原則に著しく背馳するがごとき
法律
をこの議会がつくるということは、国民の租税感に與える影響はきわめて甚大であると私は思う。そういう意味合いにおきまして、この第七條に揚げました減税の措置というものは、今の
日本
の租税の実況からいたしましても、きわめて妥当を欠いた措置ではないかと私は思うのであります。それからまたここに
附加税
などと書いてありまするが、明年度——まだ
法案
は出ておりませんが、
家屋税
は市町村の独立自主的の財源になる。
附加税
というものはおそらくなくなるでありまし
よう
。そのなくなることが眼前にわか
つて
お
つて
、
附加税
ということをもここに加えてあることは、
現行法
がそうであるというので、書かれたのであろうと思いますが、
地方
における唯一の独立財源になる、しかも先ほどから各
委員
が申された
よう
に、今後の市町村の税收の骨格をなすものが、この不動産の
税金
であります。これによ
つて
今後の
地方
自治というものは、経済的にまかなわなければならないという
一つ
の生命線である。この生命線の税に対して、これだけの意味で減税の措置をとるということも、これまたわれわれとしては納得できない点であります。 それからさらにまた問題として考える性質のものは、ご
承知
の
よう
従来
現行法
では、不動産の取得税というものがある。もし
附加税
をここにうたうということならば、不動産の取得税というものはどういうことになるであろうか。もしこの精神が正しいという前提で言いますれば、不動産の取得税も考えなければならなかつたということになる。しかしながら不動産の取得税というものは、これまた明年の四月一日から廃止になるから、これに書いてないのだということに了解すれば、了解できないこともないわけでありますが、この七條の精神を貫くとすれば、不動産の取得税もここに書かなければならないと思う。もし書くとすれば、租税公正の原則から著しく背馳している
法案
であるということになるわけであります。 それから第四番目には、法人税の問題であります。法人の
税金
に対する耐用年限の短縮をいたしておる
よう
であります。法人税にこれまた言うまでもなく、今度のシヤウプ勧告によりまして、著しく軽減されて来ることが事実とな
つて
、間近かに実施され
よう
としておる。その法人税に対し、なおかつその上に、
ホテル業
であるからという單なる理由のもとにおいて、法人税の二重的な再軽減をはかるということは、これまた私は租税の公正な原則の見地からいたして、国民に與える影響もまたきわめて甚大であろうと推測いたします。そういう
事柄
について、
委員長
はどういう
よう
に考えられて、この第七條及び法人税の第八條に対する規定を設けたのか、その点を承
つて
おきたいと思います。
大澤嘉平治
66
○大澤
委員
ただいま川島
委員
からも、租税の面に対して詳細なるところの御
意見
があつた
よう
ですが、私は
わが国
の現状に対しては、このたびの国際
観光
ホテル
は最も当を得たものであ
つて
、しかも租税の減免をはかるというふうなことは、租税の根本理念から申しましても、当然のことであると考えるものであります。なぜならば、租税は産業の育成の最も大きなポイントであるという点から考えましても、
わが国
の
外貨
獲得に最も必要なるところの手段方法として、すなわち国際
観光
ホテル
をつくる、これを建設するがために、租税の減免を法的に論ずるということに、産業の育成の面からいたしましても当然のものであり、しかもそれでなければ、とうてい国家の産業の発展はなし得ないと考えます。かかる租税の減免の処置をとることは、租税の根本理念の上から申しましても、当然の処置である、か
よう
に私は考えるのであります。か
よう
な面からいたしまして、
本案
の国際
観光
ホテル
に対しましては、
わが国
の
外貨
獲得という面からして、産業の発展等からにらみ合わせまして、当然なすべき処置である。租税の面に対しても当然なすべき措置であるということを深く痛感いたしまして、この点を強く主張したいと思います。
大石ヨシエ
67
○
大石
(ヨ)
委員
私は
地方行政委員会
の一員として、ひとつお聞きしたいことがございます。この
ホテル
営業と警察方面とは、切
つて
も切れぬ
関係
がございます。そこで外人をとめるのであるから、
日本
の警察とは全然
関係
がないということをおつしやるかもしれませんが、やはりこれには
日本
人もこの中に使用人としておるでし
よう
。またいろいろな問題で、警察と
ホテル
とは密接な
関係
があると私は思う次第でございます。そこで
地方
におきましては、自治体警察にな
つて
おります。ところがその自治体警察が
目下
赤字で非常に困
つて
いる
よう
な現状でございます。それでただいま川島
委員
のおつしやいました
通り
、
税金
はすべて平等でございます。自治体が赤字で、この費用を捻出するために非常に困
つて
いるのに、ことに
地方税
を軽減されることは、われわれ
地方行政
委員
の見地から考えますと、自治体警察を自治体が維持する意味におきましても、この警察と
ホテル
とは密接な
関係
があるから、私たちは絶対に反対するものでありますが、あなたの御
意見
はいかがでありますか、お聞きしたいのでございます。
關谷勝利
68
○
關谷委員
今税という面からお話がありましたが、大体税によ
つて
まかなうということになりますと、先ほど
委員長
からお話がありました
よう
に、
補助
政策をやらなければならない。全国でわずか十五箇所という
よう
なことで、これをやるということになりますれば、自治体といたしましても、相当強力な自治体であろうと存じます。国民の税によ
つて
得ました金を
補助
いたしますことは、国民全般が同じ
よう
に公平に恩惠に浴する場合に、この
補助
政策が成立つのでありまして、もしこれがわずか十五箇所ということになりますと、恩惠を受くるところは非常に狭隘な区域に限られることにな
つて
参りますので、その方面の
地方税
を減免してこれに充てる、
地方
にも負担せしめる、なおかつそれができたあかつきにおいては、それを補填し得るという意味から考えまして、私はこの原案が妥当であると考えております。
門司亮
69
○
門司委員
いろいろ御
意見
が出ておりますが、川本君、
大石
さんのお話にありました
よう
に、
地方行政委員会
といたしましては、税の問題についてはまだ研究の余地があると考えております。この機会に聞いておきたいことは、
地方
財政法の第二條の二項に「国は、
地方
財政の自主的な且つ健全な
運営
を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は
地方
公共団体
に負担を転嫁する
よう
な施策を行
つて
はならない。」とある。この
関係
を一体どういうふうにお考えにな
つて
おるか。国がそういう施策を行
つて
はならない、少くとも
地方
財政の上に多少でも影響を及ぼす
よう
な施策を行
つて
はならないというふうに、はつきり書いてありますが、この点はどうお考えになりますか。
尾崎末吉
70
○尾崎(末)
委員
どうも審議をやらない先に討論会みたいに
なつ
た観がありますが、ただ私が申し上げたいのは、こういうことではないでし
よう
か。
委員長
が御
説明
に
なつ
たところによ
つて
了承
いたしますと、結局今まであつた
建物
については減税しない、新しくふえる部分に対してのみ減税するのだ。そこに多少の修正する点もありまし
よう
が、大体そういうことで、しかもそれが五箇年間という期限つきでありますから、五箇年の間にたくさん建築をさしておいて、五箇年後には、
地方行政委員会
の方で御心配の
よう
にたくさん
税金
がとれるのだ、こういうことにな
つて
来る。この
二つ
のわけ方の点をよくお考えを願えれば、この討論は大体終るものではなかろうかと思うのです。
苅田アサノ
71
○苅田
委員
先ほど
厚生委員会
としての概括的な御
意見
があ
つたの
ですが、私は
厚生
委員
の一人としての自分の
意見
を申し述べたいと思います。しかしその前に、やはり
大蔵
委員
の御質問になりました税の公正という点についての
委員長
の
説明
を一応聞いておきたいと思いますので、その質問の返答が済みましたあとで、私は別個の点から質問をさしていただきたいと思います。
青柳一郎
72
○青柳
委員
今の
税金
の問題ですが、これは
家屋税
の減税なんですか。
家屋税
は市町村税なんです。
委員長
の言われる遊興飲食税は府県税です。そうすると町村の負担において府県が得をすることになる。こちらの
運輸
委員
のおつしや
つたの
は、租税全般に関する問題で、
税金
の観念について非常に問題がある。私が申し上げたのは、資材、資金を流せば
ホテル
はできるのです。そのときに半分引かなくてもいい、市町村は困
つて
いる。そういうことを申し上げたい。
栗山長次郎
73
○
栗山委員長
税金
の点は、私はこの
法案
中の重点だと思
つて
おります。
便宜
的な入れ方をしたという御
意見
は、これは当然浴びせられるものと一応考えておりました。と申すのに、
補助金
によるか、
税金
で
かげん
するかということの
二つ
きりしかなかつたものですから、その
二つ
の
税金
をとつた場合に、いかなる支障が起るかという実質的な面を主として考えたのであります。
大石
さんの御指摘になりました
よう
に、また青柳さんのおつしやつた
よう
な、
家屋税
が名目がかわ
つて
、市町村の財源になるということも、十分
検討
してかか
つたの
でありますが、現在市町村がこの方面からあげておる税收には狂いはない。そうして新築もしくは増築されたものであるから、それだけその町村にプラスになる、プラスになる面を助長するために、期限を限
つて
便宜
的に半減してやり、その後は一ぱいにとるのでありますから、その町村の財政收入の面から考えますとプラスになりましても、マイナスにはならない、そういう実質論から考えたわけであります。そこで
ホテル
ができますことによ
つて
、先ほど私が申しました、遊興飲食税は都道府県の收入であることもよく
承知
しておりますが、その
地元
としては、一面軽減する分があ
つて
も、多面増徴になる分がある、これは総体的な考え方でありますが、それ以外に考えますことは、
地元
も
繁栄
してそこの雇用量も増しますし、またみやげ品等の販売もできるという
観点
で、通俗の言葉で言えば、
地元
を潤すことになる。それによ
つて
損得差引いても、
地元
としてはプラスであろう、か
よう
な
観点
を主として考えましたので、川島さんのおつしやいます
税金
の公正の原則という
よう
な点から申しますと、私
ども
自体にも、公正の原則に反しないと言い切るだけの自信はございませんございませんが、公共の福祉という大きな
観点
から言
つて
、一方に失われるところがありましても、他方に得るところがあれば、大局的見地から公正ということは考え得るのではないか、か
よう
に押えたわけでございます。
苅田アサノ
74
○苅田
委員
ただいまの御答弁に対しましては、
大蔵
委員
の方から重ねて御質問があるだろうと思いますから、私は別個の点から御質問申したいと思います。それは先ほどから問題にな
つて
おります
よう
に、ごく十とか十五とかいう
よう
な、
外客
を誘致することができる特定な旅館だけがいろいろ恩惠をこうむる、各種の援助を受けるということになりますと、
外客
の誘致ができ得ざる旅館に対しましては、相当大きなものも含めまして、特に中小のたくさんの旅館というものは、現在でさえ一般の不景気のために非常な営業の成立
つて
行かない状態もあり、かつ警察等の監督なんかも非常にきびしかつたり、あるいは
事業
税が多かつたりする
よう
な点から、非常な不況に立ち至
つて
おるのが、さらにこういう面からの影響は、一般の業者に対する圧迫として必ず残ると思うのです。そういう点につきまして、
委員長
のお考えをひとつ聞きたい。 それから次にお聞きしたいことは、国際
観光
ホテル
というふうなものをつくるということが、
外貨
の獲得とか、あるいは
外客
の誘致の
目的
でされるということなんでありますけれ
ども
、現在
日本
には、そういつた
観光
局がなかつたり、それによ
つて外貨
の獲得がないということは、決して
家屋
の
整備
がないということだけじやないと思うのです。これは実際の例として、
京都
の洛陽
ホテル
なんかは、相当十分な設備を持
つて
おりましても、現在数百万円とか数千万円とかの赤字で苦しんでおる、こういう状態です。ただ設備さえできれば、どんどん
外国
人が入
つて
来て、その方面から
外貨
が
日本
に流れるという
よう
な簡單なものじやなくして、何もいまさら、戰火を受けた
日本
に好んで遊びに来る
外国
人もいまいと思います。その
外国
人の落す金を目当にし
よう
とか、あるいはそのために
日本
の
国際收支
をどういうふうにし
よう
とかいうふうなことは、とうてい私は考えられないと思うのです。もしそれだけの保護がとられて、またそのために
融資
の点が考えられるならば、もつと根本的に
日本
の
国際收支
を回復するための
施設
は、ほかにいくらでもする方法があると思うのです。そういう点から考えましても、この
法案
のそもそもできるということに対しても、非常にこれはつまらないことだというふうに考えます。こういう点、
委員長
の御
意見
を承りたいと思います。
栗山長次郎
75
○
栗山委員長
お答えいたしまし
よう
か。 〔「答弁の必要なし」と呼ぶ者あり〕
石野久男
76
○石野
委員
質問が重複する
よう
でございますが、先ほど川島さんから
お尋ね
にな
つて
おりました
よう
な、租税の公平の原則というふうな点においての問題はしばらくおきましても、新しくできる
ホテル
法案
によりましても、来年度においては十か十五だということになるわけであります。この場合に、ただいま苅田さんから御質問のありました、従来の
ホテル
営業者との
関係
性については、先ほど大分お笑いにな
つて
おる方もあつた
よう
に思いますけれ
ども
、しかしこの
法案
による保護を受けて、こうした新しい大きな設備ができることになりますと、当然その地区における従来の営業者というものには、相当大きな打撃があるものだというふうに思わざるを得ないのであります。この点について、
委員長
なり、あるいは
観光特別委員会
の方では、どの
よう
な御配慮をなさ
つて
おるかということについて、特にこの際鮮明な御
説明
を承
つて
おきたいと思うのであります。この点は、ひとり
ホテル
営業者だけじやございませんので、中小企業の諸君が、相当に大企業の圧迫を受けて倒れておるという事実をお互いが見ておるのでありますが、この
法案
ができたときにおける前の営業者の受ける打撃についての
委員会
の考え方がどうであるかこの点を承
つて
おきたいと思います。
栗山長次郎
77
○
栗山委員長
外客
の入
つて
来る員数が新しく増すことを予想しておりますが、その根拠はどこにあるかと申しますと、今は
外客
の
入国
に対して非常な制限、制約がございます。こちらの設備ができるに並行して、占領下におきましても、その員数は逐次増して行くということによ
つて
、需要供給の
関係
が保たれるものと考えておりますが、先ほど、いま
一つ
出ました、大きなものに対する
助成
であ
つて
、中小のものの圧迫になるという御
観点
でございますけれ
ども
、私
ども
は、これは船舶に関して類似的に考えた問題でございます。外海を航行して
外貨
の獲得に奇與し得る
よう
な船舶に対しては、私
ども
がその数字を拾
つて
、びつくりするほどの
助成
を国家がいたしております。陸上における
ホテル
は、ち
よう
ど外海を航行する大船舶に匹敵するものだと、この場合考えたのであります。それに対して船舶同様の
補助金
を與えますことは、いろいろな
弊害
があることを認めまして、若干のむりはありますけれ
ども
、
国民監視
のうちに置くこの
家屋税
によつたわけでございまして、大きな
ホテル
で、
外貨
を獲得する
目的
に沿うものを
助成
いたします具体的な類似例としては、船舶が私
ども
は考えられると思
つて
おります。船舶にも、大きな船舶から、伝馬船に至るまであり、天馬船まで
助成
するかというと、これは国内消費の問題、需要の問題になる点もありまして、
助成
はいたされておりません。
宿泊施設
にも大きなものと小さなものとございます。しかし主として内地人が使うものに対して、特にこういう措置を国が講ずることは考え得ないのでありまして、
外貨
獲得の
目的
に沿うものという
観点
から、か
よう
な構想を立てたのでございます。
石野久男
78
○石野
委員
この
法案
の
趣旨
は、特に船舶に関しての
政府
の
補助
が、外海を航行する船に対して相当の大きな
補助
を與えておる、だから
観光
に関することについても、大きな
ホテル
については、そういう
よう
な道をと
つて
しかるべきだという
よう
な
趣旨
の
よう
であります。私は、この際考えていただきたいことは、外海を航行する船舶と申しますものは、おのずからその顧客になる層があります。そしてまた小さな船舶は近海を航行し、それに対する物資の動き等もまたおのずから一定されておると私は思うのであります。ところがこの
ホテル
を利用する諸君というのは、主として現在まで営業しておられる諸君が、ほとんどこれを自分たちの顧客として持
つて
来たものだと私は考えるのであります。新しい需要の面がふえる、いわゆる敗戰の占領下におきましても、
外客
がふえるだろうということは、一応私もうなずくのでありますけれ
ども
、しかしこの
法案
によ
つて
、特に
別表
第三の
構造
によるところの旅館というものは、必ずしも
外客
を吸收するということにな
つて
いないと思うのであります。やはり国内の旅客も相当この
ホテル
に吸收するのです。そうしてその吸收は、この
よう
に片寄つた援助を受けるということになりますれば、非常に経営は楽にな
つて
参るのであります。従
つて
従来の営業者に対して與える打撃というものは、実に大きいものと私は考えるのでありまして、ただいま
観光
の
特別委員
長として、また
委員会
としても考えられたというその考え方は、ちよつと
便宜
的な考え方であり、また我田引水的な考え方であろうと私は思います。決して中小の
ホテル
営業者に対して打撃のないという立論にはならないだろうし、また大きな業者に対して
補助
を與えなければならないという立論にもならない、こういうふうに私は思いますので、この点はひとつお考え直しを願いたい。
栗山長次郎
79
○
栗山委員長
よく勘案いたします。
畠山鶴吉
80
○
畠山
委員
私は
観光
特別委員
といたしまして、ひそかに考えて、ここに一言申し上げたいと思うことは、今年の第五
国会
が始まつた当時、
観光
という言葉を言うと、至るところで、君、今
観光
どころじやない、き
よう
のことができないのだから、そんなことどころじやないとい
つて
、あざ笑いされましたが、ただいま各
委員
のお話を拜聽いたしまして、
観光
問題が重要であるということがここに裏づけられたことは、私心の中で、こんなに急に
観光事業
が発達したかということを、非常にうれしく考えるものであります。しかし重要であるということを唱えておるかたわらには、この
外貨
獲得をする場合に、その
助成
問題につきまして
疑義
がある
よう
であります。しかし実際面に、立場によ
つて
そういう
疑義
が起ることも当然と思いますが、これから新たに
ホテル
をつくるという場合に、このくらいのことをしてやらなかつたら、とうてい
ホテル
はできないのであります。同時に在来の旅館業者に対しまして、待遇が悪いじやないかという
お尋ね
もあつた
よう
でありますが、私は在来から旅館営業をしておるものであります。もちろんこれからできる業者に対して特点を與え、在来のものをかまわないじやないかという点に対しては同感でありますが、今の場合あらゆる
観点
から考えまして、とうていそれは不可能な問題であると考えるものであります。そういう点からいたしまして、
皆様方
がここまで御協力をされ、また重要であることをお考え願えるならば、ぜひこの際ある
程度
の訂正をしていただきましても、この
目的
を完成していただきたいことを、
委員
の一員といたしましてお願い申し上げる次第であります。
栗山長次郎
81
○
栗山委員長
お諮りをいたしますが先ほど来、
所管
の問題についていろいろの御
意見
がありますけれ
ども
、法制上から調べてもらつた
一つ
の根拠がございますので、
法制局
に御発言をお許し願いたいのですが、よろしゆうございますか。——それでは
法制局
から御
説明
願います。
鮫島眞男
82
○
鮫島法制局
第三
部長
この
国際観光ホテル整備法案
につきましては、
観光特別委員会
の審議の結果に基きまして、
法制局
におきまして起案をいたしたのでございますが、その際にその
所管
をどこに持
つて
行くかという点は、
法制局
においても研究いたしたのでございます。この
法律案
は先ほど来お話ございました
よう
に、
観光事業
に関するものと、
観光
行政に関する
法律
であるということは、第一條その他全般の條文から見まして、明らかであろうかと思
つて
おります。そこで各省の権限を規定いたしております
設置法
によりまして、この
観光事業
を
設置法
でうた
つて
おるのを見ますと、まず
運輸省
設置法
、それから
厚生省
設置法
の中にも、
観光
という言葉があるわけであります。ただ
運輸省
設置法
と
厚生省
設置法
の両者を比較して参りますと、
運輸省
設置法
におきましては、第三條に
運輸省
の任務という規定がございまして、ここに
運輸省
の任務は左に揚げる
事項
とするとございまして、
事項
が掲げてございます。その
運輸省
の任務というところに、
運輸
に
関連
する
観光
というのが掲げてあります。それからそれを受けましてこの大臣官房、ことに
観光
部におきましてこれを所掌事務といたしまして、「
運輸
に関して、
観光事業
の発達、改善及び調整を図ること。」あるいは「
運輸
に関して
観光
地及び
観光
施設
を
調査
し、及び改善すること。」「
観光
宣伝に関すること。」こういうことが大臣官房、ことに大臣官房に置かれます
観光
部の所掌事務として規定してあるのでございます。また
厚生省
設置法
を見ますと、大臣官房の所掌事務として第八條に「
国立公園
及び温泉に関する
観光事業
を指導育成し、これらに関する利用
施設
の設備改善を図ること」という規定があるのでございます。それから
厚生省
の任務の規定が第四條にあるのでございますが、ここには、そのどこにも
観光
という言葉は見えないのでございます。各省の
設置法
を見ますと、すべて最初に各省の任務というのが書いてあるのでございます。それからそれを受けまして、任務を達成するにつきまして各部局においてそれを所掌する、すなわち各部局の所掌事務というのが掲げてあるのでございます。そしてこの任務と申しまするのは、各省の
設置
の
目的
とでも申してよいこと、すなわち各省がしなければならない
仕事
、あるいはなし得る
仕事
が、この各省の任務ということであるのでありまして、そこで
運輸省
の方は、先ほど申しました
よう
に任務ということに
観光
が入
つて
おります。ところが
厚生省
の方には、その任務という中に書いてありませんで「国民の保健」というのが任務
事項
に書いてございますが、この国民の保健という任務を達成するために、大臣官房におきまして、先ほど申し上げました
国立公園
なり、あるいは温泉地における
観光事業
を指導育成するということにな
つて
おる、こういうふうに解したのでございます。この各省の任務といいますのは、先ほど申しました
よう
に、各省の設備
目的
という
よう
なことでございまして、これはたとえば法人でございますと、法人の
目的
というのと同じ
よう
なことであろうかと思います。従
つて
厚生省
の方におきましては、国民の保健という任務を達成するため、すなわち
国民保健
の立場から
国立公園
なり、あるいは温泉
関係
の
観光事業
をやる、そういうふうに解したのでございます。ところが今回のこの
法律案
におきましては、先ほどから話がございます
よう
に、これはもつぱら
外貨
獲得のために、
外客
を誘致するという
観光事業
そのものでございまして、従いまして
国民保健
の立場から見るというのとは見方が違う、そういう
よう
な考えでございまして、私
ども
でこれを起案いたしますにつきましても、
運輸省
設置法
におきます
運輸
に
関連
する
観光
、それから
運輸大臣
というのでよろしいのではないか、そういう
よう
な結論に達したのでございます。
大石武一
83
○
大石
(武)
委員
ちよつと
法制局
の方に
お尋ね
いたしますが、
観光事業
というのは一体保健
事業
のことなんでございますか。
鮫島眞男
84
○
鮫島法制局
第三
部長
厚生省
設置法
に、
厚生省
の大臣官房において、この「
国立公園
及び温泉に関する
観光事業
を指導育成し」という規定があるのでございます。これは
厚生省
の任務に揚げてある
事項
から出ていなければならないはずでございますので、この
厚生省
の任務のどれに該当するかということを考えますと、国民の保健という言葉以外に、そういう今の大臣官房でや
つて
おります所掌事務の出て来る根源がございませんので、これはこの国民の保健から出ていることだと逆に推測せざるを得ないという意味で申し上げたのでございます。
大石武一
85
○
大石
(武)
委員
運輸省
の方の
仕事
の
目的
は、
運輸
に関しての
観光事業
でございまし
よう
。そうするとお互いに任務があれば、
国立公園
の
観光事業
というのは、結局
厚生省
にまかせなければならぬという結論に達しはしませんか。あなたの御解釈によれば……。
鮫島眞男
86
○
鮫島法制局
第三
部長
国民保健
の立場に立つた
観光事業
でございますと、これにただいま仰せの
通り
厚生省
の
所管
になろうかと思います。ところが今回の
法案
は、
国民保健
という立場からの
法律
ではございませんで、
外客
を誘致する、
観光
のために
日本
に参りました
観光
客を誘致するため、
外客
が
日本
に参りまして
宿泊
する場合に、通俗的に申し上げますと、
外客
をコンフフタブルによるという
よう
な意味合いのもので、もつぱら
観光事業
という面から見ておりますので、この
法律案
に関しては、
関係
が直接はないのではないかという
よう
に考えたのでございます。
關谷勝利
87
○
關谷委員
先ほど
大石
さんの方から、
運輸
に関する
観光
という言葉がありましたので、補足をしておきたいと思います。それは
運輸省
設置法
の第三條の六でありますが、そのほかに大臣官房の所掌事務の第二十四というのに、
観光
宣伝に関することがありまして、これは
運輸
に関するだけではないのでありまして、全般の
観光
宣伝に関することも含まれておりますので、
観光
というものを
運輸省
において最も多く取上げておる。こういうふうに私は考えております。
滿尾君亮
88
○
滿尾
委員
所管
の議論は大体盡きておると思いますから、私はやめます。ただこの
法案
につきまして、二、三の質問をしたい。大体これを見ますと、
法律
を制定して
助成
し
よう
という、非常な意気込みでスタートするわけですが、国家として業者との
関連
というものは、第三條の
登録
によ
つて
発足する。しかるにこの案の内容を見ますと、ある場合は大臣の認可がなければならない、ある場合には罰則がある、罰金を食つたり刑罰なんかがある。こう考えてみますと、大体発足の当初において
法律
行為と申しますか、官庁が
登録
といつた
よう
なきわめて
程度
の低いもので発足してお
つて
、先の方へ行くと、認可がいり、罰則までついておる。ここに立法技術上のバランスという点から見て、すこぶるおかしいのではないかという
よう
な感じを私は持
つて
おりますが、これはぜひ法制当局の御
説明
を煩わしたい。これは
法律
的な疑念でありますが、さらにこれを実体的に考えてみましたときに、この
立案
においてなぜ
ホテル
事業
を免許制にしなかつたか。これを免許にいたしますと、今の
よう
なアンバランスがなくなる。ただこの問題は、現にある少数のものを免許にするから、第四條第一項のいわゆる
別表
の
基準
というものをどこに置くかということにかか
つて
来る。この
基準
のとり方に
つて
は、免許
事業
にすべきであ
つて
、そして初めてバランスがとれる。ほかの
委員
の方からも御質問に
なつ
た
税金
のアンバランス等、いろいろな問題がありますが、要するに
基準
をよほど高くして——国家が特別の
法律
をつく
つて
助成
するのでありますから、ぜひ免許の
基準
までこれを高めるべきではなかつたかという感じがします。これが二の質問であります。 その次にお伺いしたいのは、全体をこの草案で見まして、経済上のいろいろな改善の勧告をすることができるということが第十條に書いてありますが、会計監督の規定はほとんどない
よう
に思うのであります。これだけの監督をし、
助成
をするのであれば、すぐ反面において会計上の監督が必要ではないかと思うのであります。別に配当を制限しろとまでは申しませんけれ
ども
、少くとも会計報告を認可
事項
にするとかいうことが入
つて
来るべきではなかろうかと思います。それからさらに料金でありますが、第六條に料金を公示する義務を課してある。料金は一般公定価格の例にならうつもりであるか。私は特別の
ホテル
の性格にかんがみて、特別料金の必要があると思う。従
つて
こういう角度から、
外客
用料金ということで、一般宿屋の公定価格から離れた別途の許可制をとる必要があると私は思うのであります。 さらに私
一つ
疑惑を持ちますことは、第十四條であります。十四條によりますと、たとえばこの指定
登録
を受けました業者が、黙
つて
合併してしまうか、あるいは売り飛ばしてしまうか、賃貸してしまうかしたときには、大臣は当然その
登録
を取消す。そうすると、過去の
税金
が追徴されるという條文にな
つて
いる。これは正当な
基準
により、正当な方法によ
つて
、正当に
登緑
を受けて、正当に
税金
を免除されておつた人が、何年かた
つて
、あるいは相当時間がたつた後に、たまたま最後に
運輸大臣
の許可を得ないでそういう行為をしてしまうと、過去にさかのぼ
つて
税金
をとられるのであるが、そういたしますと、最初に
税金
を免除されたときには、正当の
法律
状態において免除された、しかし最後の
一つ
の行為によ
つて
、過去におけるものまで遡及されることは、私の常識では、どうもこれは納得しない
よう
に思う。これは罰する必要があれば、罰の方法は別にあるじやないか。正当な状態において恩典に浴して経過しておつたものまでも、遡及して毎年
税金
を拂えという規定でありますか、その点を教えていただきたいと思う。
栗山長次郎
89
○
栗山委員長
私からお答え申し上げて、
法制局
で補足さしていただきます。許可という
事項
が現われますのは十三條でありますが、この認可は、
登録
ホテル
の経営主体がかわります場合に、その授受が完了いたしません期間、当事者の不安を除くために設けられた許可でありまして、拘束するという点よりも、むしろこれを円滑に
運営
するというための許可でございまして、普通のいわゆる許可のごとく、押しつけるきついものではなくて、むしろ助長面に現われる許可でございます。それから免許の点につきましては、現に
厚生省
がその任務権限におきまして、旅館営業をしてよろしいということ、これは
厚生省
のつかさどるところでありまして営業をしてよいか悪いかということには、この
法律
では触れておりません。これは
厚生省
のつかさどる一般的な
事項
でありますので、ここに特別法として取立てなか
つたの
であります。 それからまた会計の点でありますが、もし損失があれば、
補助金
をも
つて
補償をするという法の建前でありますれば、会計の検査もぜひしなくてはならぬと存じますけれ
ども
、経営困難で、收支の見込みが立たないというがために、それに対する若干の
助成
をし
よう
というのが本旨でございまして、與える
條件
はきわめて特定的であります。その與える
條件
によ
つて
、企業をなさんとするものが、よくそろばんをと
つて
おやりになることでありまして、それ以上は損をされ
よう
が、得をされ
よう
が、この
法律
では関知しない建前をと
つて
おりますために、会計規定は設けません。 料金の点につきましては、これが成立いたしますと、
ホテル
審議会が設けられるということになりますが、そういうところで、標準となるものの
検討
が当然行われることと予想いたしております。ただいまでは公定料金がありますけれ
ども
、これは逐次はずされるものと予想するのみならず、またそういう点において、自由裁量の余地が広がることを私
ども
は望んでおりますが、不当なことをいたしますと、国が不利益であります。次のお客が、ぼられると来ませんから。そこでそういうのを公示してもらうことによ
つて
、そこにおのずから、管理の
対象
とするものが律せられるという点を見出し得るという、ゆとりを持つた考え方でございます。 第十四條につきましては、若干の特点を與えます以上、その特点を悪用する者のあることを防止せねばならぬと存じます。その悪用を防止するための規定であるわけでございます。
鮫島眞男
90
○
鮫島法制局
第三
部長
大体ただいま
委員長
がお述べに
なつ
た
通り
でございますが、最後の税の追徴の点につきまして補足的に申し上げますと、これは要するに今おつしやいました
よう
に、この
法律
の適用を受けまして、ただちにじやありませんが、一年か二年ぐらいですぐにこの
ホテル業
をやめるという
よう
なことがございますと、せつかく正しい
ホテル業
者を
助成
し
よう
とする本法の
趣旨
に合いませんので、その濫用を防止するために、この税の追徴の規定を置いたのでございます。そしてまたこの税の追徴の処分をするにつきましては、よく事情を勘案いたしまして、税の追徴をすべきかどうか——これは必ず税の追徴をするというのではございませんで、そういう処分をすることができるわけで、特に宥恕すべき事情があるときには、さしつかえないというふうにな
つて
おります。またこの処分をするにつきましては、
ホテル
審議会にかけまして、
ホテル
審議会の
意見
を聞くということにな
つて
おりますので、正しい業者については決してむりな適用はせぬ、ただ悪用する者があることをおそれて、こういう規定を置いたのでございます。
滿尾君亮
91
○
滿尾
委員
今の
法制局
第三
部長
の御答弁は、私のお聞きしたい要点からはずれておるのです。私は十四條の規定そのものにちつとも不賛成じやない、けつこうだと思いますが、ただその過去の
税金
の追徴の仕方で、一体こういうことがあり得るだろうかということをお伺いしたのです。つまり、
ホテル
の届出をして正当に営業してお
つて
、その間当然恩典を享受しておつたが、二年か三年た
つて
、
運輸大臣
の認可を得ないで無断で
ホテル
を休んでしまうと、
登録
の取消しと見なされる。そうすると、過去にさかのぼ
つて
税金
をとられるのか。過去はちつともとがめられることはなく、当然恩典を受けたが、一番最後にただ一度だけ認可を得ないでか
つて
なことをしたからとい
つて
、過去にさかのぼ
つて
みな
税金
をとられるという罰の仕方があるかどうか、その罰の仕方について私は聞いておるのです。
鮫島眞男
92
○
鮫島法制局
第三
部長
ただいま御質問の
よう
な場合には、
運輸大臣
としても、また
ホテル
審議会としても、決してそういう
よう
な追徴処分はやらないだろうと思うのであります。ただ
家屋税
の減額あるいは
耐用年数
の短縮、こういう
よう
な恩典のあるのを奇貨として家を建てる——初めからまじめな意味でこの
ホテル業
を開業するのではございませんで、悪意をも
つて
ホテル業
を開始しまして、一応その恩典を受けた上で、ただちにこの
ホテル業
を休止するという
よう
なことがあるのも予想されます。先ほどからお話がございます
よう
に、税の軽減という
よう
なことはなかなか重大問題でございますので、やはりそういつた悪用を防止するという規定も置いておく必要があろうかと思いまして、置いたのであります。これがたびたび適用される
よう
なことはそう考えられないのでございますが、一応その防止規定として置いたのでございます。
滿尾君亮
93
○
滿尾
委員
どうもほかの
委員
の方に御迷惑でまことに申訳ないが、まだ私は納得できない。私はこういう罰をやることは毛頭異存がないが、こういう罰のやり方が可能であるかどうかということを伺
つて
おるのであ
つて
、十四條の精神はもう私は了としておるのです。ただ正当に二年なり三年なりたつたあとで、たまたま売り飛ばしたとか、あるいはたまたま休んだとかいうときに、過去にさかのぼ
つて
そういう罰を科するという概念が
法律
的観念として適当であるかどうか。つまり政治上の
運営
としましては、当然常識的にはかられるものと思いますけれ
ども
、
法律
上の字句がそういう解釈のできる
よう
な体裁のものではおかしいのじやないかと思うのです。この点を御
説明
願います。
鮫島眞男
94
○
鮫島法制局
第三
部長
これは、あるいは通俗的な意味で罰とおつしや
つたの
かもしれませんが、いわゆる刑罰的な罰を加えるということは、これはよろしくないと思うのでございます。ここは一旦得た利益をはき出させるというだけの意味でございます。それから、たとえば関税法などを見ますと、ある特殊な用途の物品につきましては関税を免除いたしますが、それが最初の用途
通り
に使用されませんでした場合には、前に免除した関税を追徴するという規定もございますので、そういつた
よう
な立法制を参酌いたしまして、こういう規定を置いたのでございます。
岡良一
95
○岡(良)
委員
ただいまの
法制局
第三
部長
の御
説明
に
関連
して二、三点
お尋ね
したいと思います。まず第一に、この
法律
に盛られている
施設
及び経営改善の勧告でありますが、この勧告の指令は、だれがどういう方法によ
つて
やるとお考えでございまし
よう
か。
鮫島眞男
96
○
鮫島法制局
第三
部長
この勧告は、一ぺん
運輸大臣
の方へ
登録
いたしましたものに対してやるのでありまして、
運輸大臣
は
登録
ホテル
のリストを持
つて
おるわけでございます。それから第十九條に「
運輸大臣
は、
登録
ホテル業
の用に供されている
施設
の状況に変更があつたとき、その他必要があると認めるときは、当該
登録
ホテル業
を営む者その他の
関係
者から、報告を求めることができる。」という規定がございますので、その辺の運用から行きまして、
お尋ね
の点はまかなえるのではないかと思
つて
おります。
岡良一
97
○岡(良)
委員
大体勧告の
基準
となるものは
別表
第一ないし第四に示されておるものだと
承知
しておるのでありますが、この
基準
を拜見いたしますと、主たるものは
衞生
的な設備と防火的な設備の
よう
であります。その他の点についてに、呼鈴をすえつけるとか、あるいは卓上電話をすえつけるとか、その他便所の
構造
等で、これに
外客
を誘致する設備としては何人も常識で考えられることであります。特に防火と
衞生
面が強調されておりますが、その中でも防火の面は、一旦
整備
をいたしましたならば、相当期間これの修正ないし補修ということの必要はないと思います。ところが
衞生
面というものは、いわばきわめて動的な性質のものであります。先ほど
法制局
第三
部長
の方では、
国民保健
に関する
観光
というふうな表現を用いられておりましたが、特に外人客を誘致する場合には、
衞生
というものが最も重要なものだと思います。従いまして、国際
観光
ホテル
の所在する地域あるいはその水源地帶、あるいはそこに食糧を運び込む近在の農村におきまして、伝染病が発生をするという
よう
なことは、それこそその国際
観光
ホテル
の経営に大きな影響を與えるものであります。そういう
よう
な事態に即応いたしまして、一体この
法案
、いろいろな
施設
の勧告あるいは
登録
の取消しその他のことが
運輸大臣
の
所管
に属するということでは、国際
観光
ホテル
としての機能を営む上において、最も大切なる公衆
衞生
面についての指導監督について、きわめて遺憾な面が起りはしないかということを考えるのでありますが、そういう点についてのお考えを承
つて
おきたいのであります。
鮫島眞男
98
○
鮫島法制局
第三
部長
公衆
衞生
面は
厚生省
の方の
所管
でございまして、この
法案
で取上げておりますのは、むしろ物理的な
施設
という点を主として考えておるのでございます。
岡良一
99
○岡(良)
委員
私がこういうふうに申しますのは、決して官庁のセクシヨナリズムから申すのではなく、むしろ民自党の唱えられる行政事務の簡素化、能率化という
観点
から申し上げるのであります。この
衞生
事務のことにつきましては、特にそれを中心といたしまして、昨年の旅館業法によりまして、環境監視員が国庫
補助
によ
つて
すでに一千六百名全国に配置されております。なおそれに
補助
監視員を加えますならば、一万七千の者が配置されておるのであります。従いましてこうした
施設
の経営及び改善という実質的な面、特に公衆
衞生
は最も実質的なものであろうと思いますが、そういつたものは旅館業法を一部改正することによ
つて
この
目的
は十二分に達成できることだと、私
ども
はか
よう
に考えておるのであります。なおかつ旅館業法及びこの
ホテル
法などの、そうしたダブル点は、いろいろ
運輸大臣
等に対しまして、われわれの申し入れを伝えて善処したいと考えておりますがこういうふうな法規が
二つ
対立して存在する。その間それぞれの
所管
の大臣その他の官庁において、申入れ等によ
つて
何らか
運営
の便をはかろうという
よう
なことに、これまでの行政実績から見ても、決してその
運営
が全からぬことは、われわれのすでに常識とな
つて
おるのであります。こういう
よう
な点を考えましても、私
ども
としては、行政の能率化、統一化、特にまた
観光
ホテル
としての最も実質的に必要な公衆
衞生
面を、できるだけ力強く推進して行きたい。国際
観光
ホテル
たるの名に応じない
よう
な
運営
をするためには、旅館法の一部を改正し、あるいは現在の環境監視員を強化拡充することによ
つて
十二分に
目的
が達せられると思うのでありますが、その点について
委員長
の御
見解
を承りたいと思います。
栗山長次郎
100
○
栗山委員長
私への
お尋ね
でありますからお答え申し上げますが、私
ども
の考えといたしましては、現在
厚生省
が今お述べになりました
よう
な
観点
に立
つて
や
つて
おられること、これはそのまま継続しておやりを願う建前でございまして、一般的な
事柄
以外に、ここに
外客
の誘致
目的
を達するがごとき
ホテル
を、この火急の場合奨励をしてどうして需要を満たす
程度
にまでするかという、
助成
面だけについて主として考えておりますので、
厚生
当局におかれて、今の公衆
衞生
的な
観点
に立
つて
の御監督、御指導は十分にしていただくことを期待しつつ、
立案
をいたしておる次第でございます。
尾崎末吉
101
○尾崎(末)
委員
近来の
委員会
としましては、まことに例のない潤達な御
意見
を伺
つて
おるので、
運輸
委員
の一人として非常に参考になりました。これらのことをひとつもとといたしまして、
観光委員会
の方でさらにひとつ積極的に案を練
つて
いただく。こういうものが必要であるということにつきましては、さつき伺つた御
意見
の中で、お一人だけがどうか知らぬと思いますが、ほとんど大多数の方が御賛成の
よう
に考えるのであります。これらの
事柄
を取上げて、もう一ぺん
観光委員会
の方でよく取捨選択していただく
よう
にして、本日は大体このくらいのところで散会をお願いしたいと思います。
立花敏男
102
○立花
委員
最後に、
地方行政委員会
としては本質的な問題の御答弁がなくて残
つて
おりますので、御答弁願いたいと思います。
栗山長次郎
103
○
栗山委員長
今日は御
意見
を拜聽しまして、さらに
当該特別委員会
としてよく御
意見
を参酌しつつ練ることにいたしまして、御
了承
を願いとう存じます。
立花敏男
104
○立花
委員
委員会
として態度をきめます場合に、
委員長
の御
見解
を伺
つて
おきませんと、ちよつと態度がきめにくいかと思います。行政
委員会
としては切実な問題でございまして、第七條の
地方税
の問題は、これは
地方行政委員会
としては
地方
自治権の侵害になるのではないかと考えております。シヤウプ勧告によりましては、
地方
自治を目途といたしまして、財政権、課税権あるいは行政権の自主的な確立が勧告されておるのですが、その際に、いたずらに国が
地方
に責任を転嫁する
よう
な施策を行うことは、実は
地方
自治への方向に対する根本的な問題ではないかと考えておりますので、そういう本質的な問題で、
委員長
の御
意見
を参考に承らしていただけば、
地方行政委員会
として態度をきめられると思います。
栗山長次郎
105
○
栗山委員長
ただいまの御説でありますが、
地方行政委員会
の
委員長
とお打合せ申しまして、もし必要があれば、
観光委員会
と
地方行政委員会
との懇談なり、正式の
協議
会なりを聞くことがよかろうと存じます。従いましてその善後処置につきましては、
地方行政
委員長
と打合せる余裕を
一つ
お與えいただきたいと存じます。
柄澤登志子
106
○
柄澤委員
この
法案
の中にございます
ホテル
審議会の問題でございます。これは
運輸省
設置法
案に
関係
を持つと考えられるのでありまして、これは予備案であり、決定的なものではもちろんないと私
ども
は確信を持
つて
おるのでございますが、
法制局
第三
部長
としての御
意見
を伺いたいのでございます。最後の附則のところに、この
法律
は公布の日から施行するとして、
運輸省
設置法
の一部を次の
よう
に改正するという
よう
な、その権限をこの
法案
が持
つて
いる
よう
に規定されております。これは特別法としてのお
取扱い
で、
運輸省
設置法
にもまさるものという
よう
な御
見解
だと思いますが、
法制局
の第三
部長
はこれを特別法として見なさ
つたの
でございますか。その点を伺
つて
おきたいと思います。
鮫島眞男
107
○
鮫島法制局
第三
部長
ただいま御説の
通り
この
法案
の附則におきまして、
運輸省
設置法
の改正規定が置いてあるのでございまして、これは
法律案
において審議会を設けたのに伴いまして、
運輸省
設置法
を改正する必要が生じたために置かれた規定でございますが、こういう場合におきまして、
運輸省
の
設置法
の改正を單独の
法律
として出すか、あるいはその
関連
の
法律
の附則で出すかと言いますと、いずれでもよろしいのでございますけれ
ども
、こういう
関連
のある場合の改正は、その本来の
法律案
の附則で改正するのが普通でございますので、その普通のやり方に従つたまででございます。しかし実質は、
運輸省
設置法
の改正の單独
法案
を出したのと同じでございますが、今申しました
よう
に、
ホテル
法案
に
関連
しての改正でございますので、従来の例にならいまして、附則で規定した、ただそれだけの技術的な
観点
からでございます。
柄澤登志子
108
○
柄澤委員
設置法
はいろいろな問題をはらみましたあれだけ大きな
法案
でございまして、相当重視されたものだと思いますが、その一部を改正することの権限を持てる
法案
というのは、やはり特別法としてお
取扱い
になると思いますが、これは私
ども
の
見解
から申しますと、つまりこういうことを言いたいわけでございます。
観光委員会
としてこの
法案
は
提案
にならないとわれわれは考えておるわけであります。それは反対の議員がございますから。そういたしますと、
委員会
全体としてまとまつたものでなければ、特別法にならないと思うのでございますが、その辺の御
見解
はいかがでございまし
よう
か。つまり
委員
提出
に
なつ
た場合に、特別法の権限をも
つて
前にきめた
運輸省
設置法
までも改正する権限を持
つて
おるかどうかということでございます。
鮫島眞男
109
○
鮫島法制局
第三
部長
ただいま御質問の特別法ということの
趣旨
がよくわからないのでございますが……。
柄澤登志子
110
○
柄澤委員
それは前の
観光委員会
におきまして私、
委員長
に御質問申し上げましたのでございます。それはこの
法案
の中に、
運輸省
の中に
ホテル
審議会をつくるということがございまして、このことは各省
設置法
に
関係
して来ると私
ども
考えましたので、そういう権限をこの
法案
は持ち得るのかどうか。あれほど行政機構の簡素化とい
つて
、いろいろな点でや
つて
おられました民主自由党の政策にも反するのじやないかと思う点で申し上げましたところが、これに特別法から、すべての
法律
にまさ
つて
いるという
よう
な御意味であつたと思いますが、あなたはその御相談をお受けにな
つて
この
法案
をおつくりにな
つて
、御答弁にな
つて
いらつしやると思うのでありますが、その
観点
がどこにあつたかということを承りたいのでございます。
鮫島眞男
111
○
鮫島法制局
第三
部長
この
法律
は、先ほどから申します
よう
に、
運輸省
設置法
の第一條に基きます
運輸
に
関連
する
観光
という任務規定から出た
法案
であるということから申しまして、別にこれは特別法というふうには解しておりません。それから
運輸省
設置法
の改正でございますが、これは先ほど申しました
よう
に、單独法で出すもよし、あるいはその元の
法案
といいますか、正常
法案
の中で
運輸
審議会を置くという、それに
関連
しての改正でございまして、付随的な改正でございますので、ただここで
取扱
つたというだけでございまして、その特別法とか何とかいう
関係
は何もないかと思うのでございます。
柄澤登志子
112
○
柄澤委員
了承
いたしました。
栗山長次郎
113
○
栗山委員長
どうもありがとう存じました。それでは
当該特別委員会
におきまして、皆さんの御意向の存するところをくみましてよく練ります。 本日はこれで散会させていただきます。 午後四時二十四分散会