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1949-11-24 第6回国会 衆議院 観光事業振興方策樹立特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十四日(木曜日)     午後三時三十一分会議  出席委員    委員長 栗山長次郎君   理事 岡村利右衞門君 理事 河野 謙三君    理事 畠山 鶴吉君 理事 淵上房太郎君    理事 久保田鶴松君 理事 柄澤登志子君    理事 山本 和壽君 理事 高倉 定助君       石原 圓吉君    岡西 明貞君       風間 啓吉君    川村善八郎君       神田  博君    高木吉之助君       藤田 義光君    増田 連也君       永井 要造君  委員外出席者         法制局参事   川島 一郎君     ————————————— 本日の会議に付した事件  連合審査会開会に関する件  国際観光ホテル整備法案に関する件     —————————————
  2. 栗山長次郎

    栗山委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたしますが、本委員会において目下起草中の国際観光ホテル整備法案に対し、通商産業委員会より、連合審査会開会の申入れがありますが、これを受諾するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 栗山長次郎

    栗山委員長 それでは御異議なきものと認めまして、通商産業委員会連合審査会を開くことにいたします。日時は、通商産業委員会と協議いたしまして、公報をもつてお知らせいたします。     —————————————
  4. 栗山長次郎

    栗山委員長 次に二十一日に開きました本委員会地方行政大蔵、厚生、運輸各委員会との連合審査会において、本法案第七条の家屋税及び家屋税附加税をそれぞれ二分の一に減額するとあるのは、地方財政法第二条と抵触するのではないかという御質問がありましたので、地方行政委員長とも話合いいたしましたが、これは抵触しないということになりました。それから大蔵委員川島金次君より、課税の公正についての質疑がありました。そのとき答弁は留保されておりましたので、文書をもつて川島金次君及び関係委員長たる地方行政委員長大蔵委員長等回答いたしたいと思いますが、ただいまよりその回答書を朗読いたします。    課税の公正に関する質疑に対する回答   十一月二十一日午後一時四十九分開会国際観光ホテル整備法案に関する連台審査会において大蔵委員川島金次君が行われた課税の公正についての質疑に対し、ここにあらためてお答えいたします。   すなわち外貨の獲得、国際親善文化交流を促進するための外客誘致上、わが国として早急に改善を要する条件が多々ありますうち、外客宿泊施設整備拡充が最も急なものでありまして、いわゆる諸観光国減税融資等助成方法により、競うてホテル整備をいたしておる現情にかんがみましても、わが国観光事業、ことにホテル業国際競争に耐え得るような措置を講せねばなりません。   しかるにこれに対する助成方策としては、資金あつせんのほかに、補助金の支給と課税軽減とがあるわけでありますが、補助金制度の弊害顕著な折柄、軽度にしてきわめて限定的な課税軽減を採択して、ここにホテル整備助成する国策を明示し、一定基準を呉備するホテルの新設もしくは改装を勧奨せんとするものでありまして、一、重要産業助成、二、国策の遂行、三、公益上の理由等による課税軽減の前例にならい、本法案においては家屋税及び同附加税の五前年間における半減をもつて助成せんとするものでありまして、左記により実例を挙げて御参考に供するとともに、本法案においても、課税軽減による助成方途をお認めいただきたく存じます。    記一、特定産業振興のため、または政府の施策を円滑ならしめるために行う税の減免例  (イ) 法人税法第六条は、命令で指定する重要物産金地金石灰窒素、硫安、過燐酸石灰その他)の製造業者等に対し、事業開始事業年度及びその翌事業年度開始の日から三年以内に終了する事業年度につき法人税を免除することになつている。  (ロ)農地調整法第十六条では、農地改革事業により農民が農地を取得する場合には、地方税を課さないこととしている。  (ハ)地方税法第六十七条では、各種協同組合に対する事業税賦課率を減じている。二、租税別措置法第十条では、行政官庁の指導もしくはあつせん により会社の設立、事業設備、もしくは事業の譲り受けの場合における不動産等の権利の取得等の場合に、その登録税軽減している。    この法律施行後に建築された登録ホテルについてのみ、家屋税を減額するため、建築の時期により減税をなし、またはなさないこととなるが、同様の例は左に掲げる通りである。  (イ) 右に述べた重要産業に対する法人税免除規定も、同規定施行前に開始したものには適用されていない。  (ロ) 法人税法における固定資産耐用年数について、たとえば、店舗、事務所、住宅用等木造建物耐用年数は原則として三十年としているが、昭和二十年以後建築のものに限り十五年としているが如きものである。  (ハ) 硫酸アンモニア増産及び配給統制法昭和十三年法律第七十号)第一条は、政府の認可を受け、本法施行後十年以内において、政府の指定する期間内に命令の定むる硫酸アンモニア製造設備の新増設をした場合、設備完成の年及びその翌年より五年間法人税及び地方税法による事業税を免除することとしている。三、右のほかいわゆる不均一課税を原則的に認めた例としては、左に掲げるものがある。  (イ) 地方税法第十四条においても「公益上その他の事由に因り必要があるときは、不均一課税をなすことができる」旨を規定しているのであつて公共目的のために一部に対して課税を減額することを認めているし、  (ロ) 同法第二十九条にては「天災その他特別の事情のある場合又は貧困により生活のため公私の救助を受け若しくは扶助を受ける者その他特別の事情ある者に限り、道府県又は市町村の議会の議決を経て、地方税減免することができる。」とあつて担税能力のない場合の税の減免を認めている。  昭和二十二年法律第七十五号(災害被害者に対する租税減免、徴収、猶予等に関する法律)の趣旨も同様である。   昭和二十四年十一月二十五日   観光事業振興方策樹立特別委員長  栗山長次郎 以上がその回答文でありますが、これを委員長よりそれぞれ回答するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 栗山長次郎

    栗山委員長 それでは御異議なしと認め、さようとりはからうことに決します。     —————————————
  6. 栗山長次郎

    栗山委員長 次に私より第七条について、その後変更を加えました点について御説明いたしますと、これは今までホテル業を営んでおる者は、この第七条の適用を受けないのでありまして、これから新たにホテル業を営む者に五年間家屋税及び、家屋税附加税を半減するというのであります。それでは法制局よりその御説明をお願いいたします。
  7. 川島一郎

    川島法制局参事 それでは私より簡単に御説明申し上げます。この修正は第七条の家屋税及び同附加税減税は、この法律施行後に、新たに建設されまする登録ホテルについてのみ行うもので、既存のホテルがこの法律によつて登録ホテルになりましても、これには適用しない趣旨を明らかにするためのものでありまして、このため同条第一項をほとんど全面的に修正し、それに伴いまして第二項第三項を一部修正しようとするものであります。第一項の修正規定は「登録ホテル業の用に供する建物であつてこの法律施行ホテル業の用に供するために建築されたものについては、当該建物によるホテル業開始の年及びその翌年から五年間は、家屋税及び家屋税附加税(以下「家屋税」と総称する。)をそれぞれ二分の一に減額する。但し、ホテル業開始の後登録を牽けた場合には、その軽減期間内において、当該登録を受けた年から減額する。」といたしまして、減税の対象は、この法律施行建築された建物であることを明らかにしました。第三項の修正は、第一項の修正趣旨に合せ、増改築した部分に対してのみ第一項の規定適用を行うことにとどめまして、原案中建物を取得してホテル施設を拡張した場合に適用する規定を削除いたしたのであります。第二項はこれらの修正に伴いまして行いました法律技術的な字句の整理であります。
  8. 栗山長次郎

    栗山委員長 御質疑はございませんか。
  9. 淵上房太郎

    淵上委員 第七条一項の但書にある「その軽減期間内において」という規定趣旨はどういうのですか、五年間全期間について軽減するのではないのですか。
  10. 川島一郎

    川島法制局参事 第七条一項但書は若干読みにくい規定でありますが、趣旨ホテル業を開始した後に登録を受けたときは、その登録を受けたとき以後の家屋税等軽減するのであつて、第一項本文に規定しておりますしホテル業開始の年及びその翌年から五年間の全軽減期間について軽減するものではない旨を規定したものであります。たとえばホテル業開始の翌年から二年たつて登録を受けましたときは、家屋税等軽減を受ける期間は三年間になるわけであります。
  11. 淵上房太郎

    淵上委員 ホテル登録を受けたときは、そのときから五年間なら五年間は全部軽減してよろしいのではないのですか。
  12. 川島一郎

    川島法制局参事 その点につきまして、この法律起草をいたします際に、助成の実体的な考え方について色々御指示を受けたわけでありまして、すなわちこの規定目的の第一は、ホテル業創業期におきまする経営上の困難な点を打開することにありますが、また第二条に、この経済的に悪い時期にできるだけ早く登録基準に合致するようなりつぱなホテルを建設していただくというこの法律全体の考え方を織り込みまして、たとえばさしあたり適当な規模のホテルを建設し、逐次拡張改善して、十年後に登録を受けるに至つたというようなときは、その最初の建物について家屋税等軽減をすることは適当ではないということでありましたので、その線に沿つてこのような規定にまとめた次第であります。     —————————————
  13. 栗山長次郎

    栗山委員長 次に国際観光事業振興促進に関する決議案についてでありますが、お互いに話し合うことがよいと思いまして取上げた次第です。連合審査会あたりでもわかるように、総論的に述べて、順次各論的にわたつて行くと云うふうにしたらよいと思います。それでは案文を読み上げます。    国際観光事業振興促進に関する決議案   わが国国際社会への復帰が近きにあることを予想されるこの際、国際収支改善に資するとともに、国際親善の増進並びに彼我の文化交流をはかるため、戦後再発足の段階にあるわが国国際観光事業の基本的諸条件をすみやかに整備しなければならない。衆議院はさきに院議をもつて観光事業振興方策樹立特別委員会を設け、鋭意調査を進めているが、第二次世界大戦の終結を契機とする英、仏、伊、瑞をはじめ欧州諸観光国における熾烈なる事業活動にかんがみ、よくこれら諸邦に伍し、わが国観光事業の着実なる発達を期するためには、外客受入れ態勢を強力に充実する必要がある。   よつて本院は、政府に対しすみやかに次の事項につき具体的方途を立て、本院に報告するよう要求する。   一、観光関係行政調整統合   一、ホテル交通機関観光道路及び衛生施設整備改善   一、基本的観光施設に対する長期金融その他の助成方策   一、観光地及び観光資源整備保存   一、外客黎遇改善   一、観光観念の普及   一、観光宣伝及び外客誘致の強化 以上であります。この決議案文について各位の御賛成を得たいと思いますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 栗山長次郎

    栗山委員長 それでは御異議なしと認め、以上のようにこの決議案案文を決定いたします。なおその提出者につきましては、後刻御協議願いまして、御賛成の方々だけをもつてその提出者とすることにいたしたいと思いますので、この点御了承願います。それでは本日はこの程度にて散会いたします。     午後四時六分散会