○栗山観光特別
委員長 お許しを得まして、観光事業特別
委員会でなしております事柄につき、報告をさせていただきたく存じます。
観光事業は各省にわかれて担当されておる面が多いものでありますから、結局衆議院において
観光事業振興方策樹立特別委員会というものが設置されまして、その
委員会におきましては、全国的
観点から観光事業を振興いたしますために、共通の
事項についてまず取上げたのでありますが、その
一つとして最初に具体的に練りましたものが、外客宿泊施般の整備改善の点であるのでございまして、これを
実施いたしますためには、法的な根拠を必要とするという
観点から、
国際観光ホテル整備法案を準備いたしましたので、まだ最終的に至
つておりませんが、近く最終的なとりまとめにしたいものであるという
希望を持
つておるのでございます。ここでお許しを得て御報告申したいことは、ただいま申しました
国際観光ホテル整備法案の趣意についてでありますが、御案内の通りホテル施設が著しく低下いたしております。外客を誘致いたします一番の基礎になるものが弱いために、これを拡充するの急務に迫られておるわけでありますが、何分にも外客の宿泊施般としてのホテルは、採算が非常にとりにくいために、民間にいたしましても外国の資本にいたしましても、もくろみは若干あ
つたように伝えられておりますけれども、いよいよ
実施をしようという者がほとんどない状態であります。さりとて
政府が国の金をも
つてこの施設をなすということは、今の財政状態上不可能に近い困難なことでありますので、奨励をして、国家
目的である、国家の今の
経済要請である外貨の獲得の足場を築こうという点に、この法案を起草するに至りました根本理由があるのでございますが、一言にして申せば、それには助成をしなければならぬ。助成をするのには補助金を與えるということが方法として
一つ、いま
一つは計算のとれるように重い税金を斟酌するという、二つの点よりないと
委員会では
考えたのであります。補助金を與えて
一つの仕事を助成いたしますことは、今まで御同様
国会議員として見て参りました経過並びに結果から申せば、好ましくない事態がたくさんありますために、
委員会としては、補助金によるということを、避けよう。そうしてその事業がペイする
程度の、税の方面で一応考慮をしてみようという趣旨で、できると思われる税目をとりまして、それについてどのくらい減税できるものか
検討して、一応のとりまとめもいたしたのであります。それによりますと、まず第一に
考え得るのは、現行の
制度から申しますと家屋税でございますが、外客を宿泊させるホテルは、例を引きますと。船には外洋を航行する大きな船から伝馬船まであります。宿泊施設にも、大きな旅館から小さな旅館までありますが、その大規模なるものは、主として外貨の獲得に役立つという両方の相似点をそこに見て、観念の基礎といたしたのでございますが、御案内の通り船には現在産業復興公団あたりから、船の建造について多額の融資がなされております。しかしホテルの方にはそういうふうな便宜がございませんし、等閑に付されておるわけてあります。そこで優秀なホテルがある地点に設計、
建設せらるるといたしました場合に、その地元は、それによ
つて雇われる人員も増して来るし、またみやげものを買い、その他のものを買うという点から、地元が潤う。そうしたならば、その地元の税
収入となる家屋税というものを、
一つ考え得るのではないか。そこで家屋税をかりに半分にいたしましても、その地元へ別の金が落ちるから、地元の繁栄策としてはプラスマイナス残るところが、あるいはプラスになるではなかろうかという
観点から、家屋税というものを
一つ拾
つたのであります。その次に拾いましたものは、これは法人税に関係のあることでありますけれども、耐用年数、償却年限でございますが、これが現行の扱いにおいては非常に長過ぎるのであります。鉄筋コンクリートのホテルの建物が、六十年ということにな
つております。これは
法律ではございませんが、国税庁の扱いであります。実際に視察をいたしてみますと、六十年はとても持たないのでありまして、かりに建物の形骸は残るとしても、それが使用
目的に沿わない
程度まで損傷されることが、幾多の事例によ
つて明らかに
なつたのであります。またアメリカ等も、これも
法律にはよ
つておりません。査定によ
つてホテルの耐用年数は三十箇年間といたしております。そうすると日本の今の六十年は長過ぎる。鉄筋コンクリートであ
つても、四十年
程度にすベきであるということで一応押えたのであります。これに準じて現在日本の国税庁で査定をいたしておりますよりも、若干短縮をいたしました。法人税を納めます場合に、税額が若干減
つて参ります。この二つだけは取入れても大きな障害はなかろうというので、この二つを取入れて、助成の実質的の事柄にしようというのが、
委員会における最終的の
考えの方向であります。またそれによ
つて採決的なことはいたす段階でありませんからいたしておりませんので、最終的な方向であると申し上げるにすぎないのであります。