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1949-04-15 第5回国会 参議院 両院法規委員委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年四月十五日(金曜日)   —————————————   本日の会議に付した事件 ○衆議院及び参議院議員通常選挙期日  に関する件   —————————————    午後一時三十二分開会
  2. 藤井新一

    委員長藤井新一君) 只今より参議院両院法規委員会を開きます。本日の案件は、衆議院及び参議院議員通常選挙期日に関する件でございます。この案件について参議院法制局長より御説明を願います。
  3. 奧野健一

    法制局長奧野健一君) 御指名によりまして……。参議院議員選挙法第九條によりますと、[通常選挙は、議員任期が終る日の前三十日以内にこれを行う。]ということになつておりまして、第二項に[前項規定により通常選挙を行うべき期間参議院開会中又は参議院閉会の日から三十日以内にかかる場合においては、通常選挙は、参議院閉会の日から三十一日以後三十五日以内にこれを行う。]ということになつておるのであります。そうして現在の三年の期間参議院議員の方は、明年の五月二日に任期満了されることになつておりまして、この現実そういう方々の次の選挙のことが問題になるわけであります。そこでまあ一番法律によつてゆとりのあるような決め方をいたします場合を考えて見ますと、即ち五月二日から逆算して三十日間、即ち四月二日までの期間三十日のどの期間にるやれるような、選挙をやる得るような目途で國会召集ということを考えますと、それから更に公示期間三十日を必要としますので、その期間併せて六十日を置いて閉会が六十日前に、五月二日から逆算した六十日以前に閉会をするように國会召集を若しするといたしますれば、その通常会はやはり百五十日の期間でありますから、結局その場合には今年の十月二日に召集したとするならば、閉会後更に三十日の公示期間を置いて又更に三十日の……、結局四月二日から五月一日までのどの期間選挙を行なつてもよいということになるわけであります。結局その場合に問題になりますのは、國会法で十二月の上旬に常会召集されなければならないということになつておるので、まあ例えば十月二日なんということになりますと、國会法に違反するのではないかということも考えられます。  併しながら國会法二條但書で「議員任期が満限に達しないようにこれを召集いなければならない」という、必要の場合には十二月上旬にこれを召集するというのを動かしてもいいのではないかということが考えられます。その動かし方に十二月ということは動かさないが、上旬の間においてのみ動かすことができるだけというように窮屈に解釈いたしますと、十日間のゆとりしかありませんので、場合によつては百五十日の期間中にこの任期が終了するという場合も考えられますが、併しこの但書の方を非常に強く考えますと、常会召集を或いは十二月より前に召集してもいいのではないかというふうにも考えられるのであります。それと逆に普通に大体十二月四日に召集いたしますれば、五月開会中に期間満了するということはないと考えます。  併しながら十二月の終りくらいに召集するということになりますと、そうすると今度は開会中に三年議員の方の任期が終了する場合が考えられます。そういう場合に問題はそうなると若し尚期間が続いて行く場合に、半数だけの議員参議院が構成しなければならないということになつて、果して憲法上そういう場合でも参議院が構成することを許されるかどうかということが問題になります。併しながら参議院議員半数つづ代つて行く、場合によつては各國の例によると三分の一つづ交代して行くというようなこともあるわけでありまして、そういう場合にはやはり憲法の精神からいつて半数でもやはり参議院というものが構成されて、場合によつて緊急集会等もやり得るのだというような解釈できるのではないかというような法律問題があるわけであります。即ち開会期間方任期の満限よりも長い場合に、そういう問題があります。そういう場合にはそうなると、その期間満了が三十一日から五日まで三十五日までの間に行うというわけになるわけであります。そうしてその間において例えば國会が丁度五月二日に期間満了する場合、或いは五月一日、その前日に満了する場合、或いはそれより前に満了する場合というふうないろいろな場合が八つばかり考えられます。これは只今法制局でこの図解を出しまして、ガリ版に刷つて手許にお配りいたしたいと思うのであります。結局召集を早くいたします場合においては、勿論五月一日までの間において選挙を行うことができるわけでありまして、そういう場合には五月一日まではやはり任期がありますので、選挙運動中においては参議院議員という資格を持ちながら、選挙を行うということに、選挙運動するということになりますので、その場合に他の一般のそういう資格のない人との均衡上不公平で、むしろ議員資格を持つている人が非常に有利ではないかという、不公平ではないかという議論もあるのでありますが、これは選挙法建前からできるだけそういう空間、ギヤツプがないようにという建前からいたしますと、如何なる場合でもそういう問題が起きるのでありまして、この関係衆議院議員選挙の場合に、即ち衆議院選挙の十八條の場合でも同様の問題が起きるのでありまして、この場合は参議院議員任期中に選挙を行うということは決して憲法違反でもなく、併しといつて成るべくギヤツプを少くしようという面から言いますと、そういうことは当然予想され、そう又あるべきではないかというふうに考えるのであります。大体この程度であります。それではこのお手許に差し上げました表について菊井課長から説明をお願いいたします。
  4. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 命によりまして御説明申上げます。お手許参議院議員選挙期日國会閉会との関係一覧図というものをお配りいたしまいたが、これを御覧願いたいと思うのであります。この表には八つの例を掲げましたが、これは現在の参議院選挙法規定からいたしまして、こういう場合が考えられるという一つの型を示したものであります。從つて法規的にどう解釈するかということの問題は抜きにしまして、一應考え得る場合を例示したものであります。  一の示した図は参議院議員選挙法第九條の第一項で、「通常選挙は、議員任期が終る日の前三十日以内にこれを行う。」こういうふうに規定してありますので、任期満了の日が五月二日といたしますと、その前三十日即ち五月一日から四月二日までの期間通常選挙を行うべき期間、こういうことになるわけであります。從いまして選挙公示はそれから又三十日前、こういうことになりますので、四月二日を選挙の日といたしますれば、三月三日に選挙公示を行う必要がある。こういう問題が生ずると思われるのであります。第一の図はそういう関係を示したものであります。  第二の図は、第九條第二項で前項規定により通常選挙を行うべき期間参議院開会中の場合においては、通常選挙参議院閉会の日から三十一日以後三十五日以内にこれを行うと、こういう規定がありますので、その場合に関する図であります。即ち通常選挙を行うべき期間が四月二日から五月一日の間でありますのに、國会開会がそれより長いという場合でありまして、この場合におきましては閉会の日から三十一日以後三十五日以内ということになりますと、第二の図に示しましたような関係になりまして、選挙を行うべき期間は少くとも五月三日以後相当遅い時期に定められると、こういう関係になると思われるのであります。この場合におきましては三十日の期間と、それから選挙を行う期間の間というものは、参議院議員半数議員が曠欠するという空白の状態が生ずると思われるのであります。  それから三の図に掲げましたものは、これも第二の図の場合と同樣に通常選挙を行うべき期間が、國会開会中であるという一つの場合であります。これは任期満了の日まで國会開会して、その日に閉会があつたと、こういう場合でありまして、即ち通常選挙を行うべき期間、四月二日から五月一日より以上に一日開会の方が長いという場合でありまして、この場合には開会の日から三十一日以後三十五日以内となりますと、六月二日から六月六日までの間において選挙を行うべき期間を定めるという関係になるのであります。  その次の第四の図は、これも通常選挙を行うべき期間國会開会中という場合の一つでありまして、即ち四月二日から五月一日までの通常選挙を行うべき期間國会開会中でありまして、五月一日に閉会なつたという場合の図であります。この場合におきましては三十一日以後三十五日以内ということになりますと、六月一日から六月五日までの間において選挙を施行する期日を定めるという関係になるわけであります。  その次の五の図は、通常選挙を行うべき期間参議院閉会の日から三十日以内にかかる場合の図でありまして、その典型的なものを掲げたわけであります。即ち通常選挙を行うべき期間四月二日から五月一日の中間におきまして、國会閉会なつた、こういう場合におきましてはその閉会の日から三十一日以後三十五日以内の間におきまして、選挙を行うべき期日を定めるという関係を示したものであります。  その次の六の図はこれも通常選挙を行うべき期間が、参議院閉会の日から三十日以内にかかる場合の一つの場合でありまして、閉会が四月一日でありまして、通常選挙を行うべき期間、即ち四月二日から五月一日までの間に三十日以内にかかるという場合を掲げたものであります。この場合におきましては三十一日以後三十五日以内になりますと、五月二日から五月六日までの間の期間において選挙を行うという関係になるわけであります。  第七の図はこれも参議院通常選挙を行うべき期間が、参議院閉会の日から三十日以内にかかる場合の一つの例でありまして、四月二日から五月一日の通常選挙を行う期間というものが、閉会の日から三十日以内にかかつておるという場合であります。この場合におきましては例を三月二十七日に閉会なつたと仮定いたしますならば、三月二十八日から数えまして三十日、即ち四月二十六日が三十日目でありまして、三十日以後三十五日以内ということになりますと、四月二十七日から五月一日のこの期間内において選挙を行うという関係を示したものであります。  八の図はこれも亦通常選挙を行うべき期間参議院閉会の日から三十日以内にかかる場合の一つでありまして、四月二日から五月一日の通常選挙を行うべき期間閉会の日から三十日以内にかかつておる場合であります。図に示しましたようにこの場合におきましては、少くとも四月の初旬に選挙を行う期日を定めるという関係になると思うのであります。大体以上御説明いたしましたように、現在の参議院選挙法第九條からいたしますと八つ態樣が考えられますが、この場合におきまして法律的な解釈問題といたしましては、第八の場合は第一の図の場合の解釈で行けるのではないかという問題も出て参りますが、一應ここでは生ずる場合だけを掲げたわけであります。以上を以ちまして簡單でありますが説明といたします。
  5. 藤井新一

    委員長藤井新一君) 奧野局長菊井課長からお話がございましたが、序でに入江局長からこれについての所感を一つ伺いたいと思います。
  6. 入江俊郎

    衆議院法制局長入江俊郎君) それでは私ちよつと参考に所見を申上げますが、この参議院議員選挙法を作りましたときに、たまたま私内閣におりまして、これに関與したのであります。この半数交替という制度が認められたのに、対應して、参議院議員選挙の場合に、任期満了会期中にかかつた時に、どうするかということについて、相当当時議論をいたしたのであります。それでとに角五月二日で任期が切れてしまいますから、そうするというと、從前選挙法ですと、法律任期延長ができたのが、今度は憲法任期が決まつておる関係で、参議院議員選挙法任期延長はできないために、会期中にかかつておるとすると、その日から忽ち半分の人が欠けてしまうので困るから、やはり開会中でも選挙運動をして、一月前に選挙をすることにしたらどうかというような議論も一部にはあつたのであります。併し從前から衆議院議員選挙の場合、昔から開会中は選挙運動はしない、いろいろな関係があるからだと思いますけれども、そういう制度が成立しており、当時の選挙法にもそう書いてありましたから、やはりそれに從つてやるのがいいということであつて、今の規定ができたので、実はそれでありますから、当時としては一應考えた末、そういうことが起つてもこれはやむを得ないのではないか、憲法では三分の一の出席があれば、一應は会議が開けるから、憲法上の要件も細々ながら満たすことができる。今の國会法規定によりますというと、会期中に任期が切れるような場合には、繰り上げて召集をするようにということにもなつておりますから、そこでその方法で行えばどうやらいいのではあるまいか。そうして会期が終了してしまつてから、半数しかいなくても、その間ならば会議も開く必要もないから、よろしかろうというようなことを考えて來たわけなんであります。併しそのときはそういう考えであつたのですが、今日來年の選挙を控えて考えてみますと、今ここの表にも細かくお示しがありますように、会期延長ということも考えられる場合がありますので、それでどうしても開会中に半分減つてしまうというようなことも想像し得ることになる。從つてそれについてどういうふうにすれば一番いい方法が考えられるかという点が問題かと思うのであります。私は一應考えますのに、國会法以つて召集の時期につきまして、二條で、会期中に議員任期が満限に達しないように召集しなければならないと、こうありますから、この規定だけを考えますというと十二月の一日にでも召集をすれば、とにかく五月の一日には会期が終了するということになつて、それでそれから後三十日か三十五日の間で以て選挙をやつて行けばまあ済む、從つて今の國会法二條をそのまま適用すれば、会期延長がなければ、私がさつき申上げましたような困つたことは起らない。まあそれで一應行く。又会期延長ということは予め決めておくこともできないことで、そのときの突発事故の必要から國会会期延長を決めるのでありましようから、会期延長をするなということもちよつと言いにくいかとも思うのですけれども、成るべく参議院の機能の点から考えて、止むを得ない場合以外に会期延長をしないという扱いをするということも考えられると思います。その程度ならば運用で行くと思うのです。併し若し会期延長を一月くらいやるかも分らないということを予め見込んで置いて、そうして而もその召集を早くしようというためには、現在の國会法二條ではちよつと動かないので、國会法二條但書を少し変えて行かなければならないが、そこまでやる必要があるかということを考えますと、私はそれは少し強過ぎるので、先ず十二月一日頃に召集をして、或いは又もう少し早く召集をしても勿論よいかもしれませんけれども、まあ二條規定運用の範囲で以て後は適当にそのときの情勢に應じてやつて行く。どうしても会期延長をしなければならんという事態が起つたならば、半分で以て参議院が行くということも止むを得ないのではないかというふうに一應は考えておりますので、当時の経過並びに現在の感想と申しますか、一應の考え方を御参考に申上げたいと思います。
  7. 藤井新一

    委員長藤井新一君) 入江さんにちよつと伺いますが、会期を、十一月頃に召集するということになれば、國会法二條に違反するのですが、その場合を想定して國会法の改正をしなければいけませんか。
  8. 入江俊郎

    衆議院法制局長入江俊郎君) 私はこの二條の読み方でありますが、但書きというのは、本文の例外としてこう書いてあります以上、十二月上旬に召集をしても尚議員任期が満限に達してしまうような場合の規定だと思いますから、具体的な問題として、十二月一日に召集すればそれで満限に達しないようになつておると思うのです。だからどうも十一月に召集するとすれば、二條を変えなければならんというような感じがいたしますが、どんなものでしようか。
  9. 藤井新一

    委員長藤井新一君) もう一つ聞きますが、そうするとあなたの言うように、十二月の上旬に召集した場合には、五月二日で終るというようなことになるという話でありましたが、そのときには我々議員議員任期中に選挙をやれるわけですね。
  10. 入江俊郎

    衆議院法制局長入江俊郎君) それは今の参議院選挙法規定によりますとできないようになつておりますね。
  11. 藤井新一

    委員長藤井新一君) 併しあなたの説明にように言えば、五月二日以後の日に選挙という解釈を取れます。つまり十二月……。
  12. 入江俊郎

    衆議院法制局長入江俊郎君) ああそうですか。ちよつと誤解しました。
  13. 藤井新一

    委員長藤井新一君) そうすると議員半数議員任期中に選挙しなければならんということになります。その点はどうですか。
  14. 入江俊郎

    衆議院法制局長入江俊郎君) それは参議院議員選挙法の九條で「通常選挙を行うべき期間参議院開会中又は参議院閉会の日から三十日以内にかかる場合においては、通常選挙は、参議院閉会の日から三十一日以後三十五日以内にこれも行う。」とありますね、それですからこの規定があるために、開会中には選挙の手続ができないのじやありませんか。つまり参議院議員選挙法の九條項です。
  15. 藤井新一

    委員長藤井新一君) 外に御発言がありませんか……。よろしゆうございますか、本日はこの程度で散会いたしとうございますが……。では本日はこれで散会したします。    午後二時五分散会  出席者は左の通り。    委員長     藤井 新一君    理事            新谷寅三郎君    委員            大野 幸一君            田中耕太郎君            松村眞一郎君            羽仁 五郎君   法制局側    法 制 局 長 奧野 健一君    参     事    (第二部第一課    長)      菊井 三郎君   衆議院法制局側    法 制 局 長 入江 俊郎