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中西功君 我々日本共産党はこの
暫定予算に反対いたします。その反対の理由については、すでに社会党並びに木村
議員からも述べられております。我々も同じ
考えを持
つておるわけであります。
即ち第一は、この
暫定予算を
政府が出さざるを得なかつたということは、実は
民主自由党の
政府が如何に自主的な力を持たないかということを最もこれは
はつきりした表明です。併しそれだけではない。そのような無力な
政府がさて
暫定予算を出して見ると、
審議期間を十五日に限定するような、後足で國民を蹴るような、このような
暫定予算を出して來て、ますますこれはみつともない、ますます惡い。
暫定予算を出さざるを得なくな
つて、
暫定予算を出すんならもう少し氣の利いたものを出せばよい。即ち少くとも
國会の
審議権を尊重して、一月くらいのものを組んで置けばよいのです。だけれどもみずからの自主的な力のなさを表明するだけでなくで、後足で國民を蹴飛ばすような、そんなやり方がこの
暫定予算です。これが第一点です。
第二点は、この内容を見ましても、これはもう
民主自由党の性格がよく出ておると思いますが、國家地方警察の
経費を見れば、
給與及び手当のみならず物件費や
旅費までも十分組んである。十分であるかどうか知りませんがとにかく組んである。然るに他の省の費用では、物件費やそうしたものの計上のない所、又は
旅費さえも計上していない所が多い、厚生省の保健衞生費の中、國立病院、國立療養所などには
旅費は全くない。大学、研究所、そういうふうな所では物件費の計上も何もない。農林省の所轄の農地
委員会の補助金は一文も計上してない。又文部省の教育文化費の項目を見れば、小学や中学等の補助金は一銭も計上していない。こういうふうな、内容をちよつと見ただけでも、これは非常に
はつきりしておるのであります。我々は若し
暫定予算を組まざるを得なくな
つて組むならば、もう少し氣の利いた
暫定予算を組まなければ、実際に暫くの問でもこのような、今私が列挙したようなところは困まるのです。そういう点に対する
民主自由党の
政府の
意図は、配慮は一つもないのであります。我々はそういう
意味でこれが違憲の代物、産物であるというだけでなく、又その他挙げたいろいろの理由だけでなく、このように何ら本氣にな
つて國民の問題は
考えていない、こういうことがこの
予算案に極めて
はつきり出ておるのであります。そういうふうな理由によ
つてこれは我々は反対せざるを得ないわけであります。以上であります。