○
板野勝次君(続) その
通りにいたしております。(「
一身上の
弁明を逸脱している」と呼ぶ者あり、其の他発言する者多し)そこは逸脱しておりません。「
板野君の
動議が出ている。それを矢野君の
動議を……」(議場騒然)
議長、整理をして下さい。私は
一身上の
弁明をしているのだから……。そこで……(議場騒然)
議長整理を願います。
中村正雄君が「私は
採決に疑義があると申しましたのは、矢野君の
動議を採り上げる前に
板野君の
動議が出ておる。矢野君の
動議を採り上げて
採決した点が委員長の間違
つている点ではないか」、こう申しておる。これは私はしばしば委員長の発言の許可を求めておりました。門屋氏も
議事進行について発言を求められ、いろいろこの当夜におきましては、議院
運営の上におきましては横暴が極められまして、私
たち野党派に対しまして、なかなか委員長は参議院の規則を無視いたしまして、発言を許して呉れなか
つた。やつとあらゆる
努力を拂いまして、遂に発言の機会を再び得ることができたのであります。そこで私は重ねて総理大臣の問題について質したのであります。若し
議院運営委員会におきまして、総理大臣が今どこにおり、どういう
状態にあるのだということが、事務当局若しくは政府当局によ
つて誠意ある答弁がなされたならば、あのような紛乱、
混乱は断じて巻き起すことはなか
つたのであります。(
拍手)私は二度目にやつと発言を得ましたときに、このようなことを速記録の中で申しました。「過去の慣例からいたしましても、総理大臣が
國会をサボ
つておられる。
國会の上に君臨しておるというふうな
考えを若し総理大臣が持
つておる。ところが我々は内閣総理大臣と雖も、これは人民の公僕であると思う。我々
國会議員は
國政の重要な諸立法を
審議するための人民の代表である。総理大臣は公僕なんだ。公僕であるなら少々の風邪くらいは押して無理をしても出て來る。この
國政のために斃れてこそ
政治家としての本壞ではないか」。(
拍手)「僅かの風邪引でこのような重要な時に出て來ないというのは全く
國政の怠慢でありますから」、(「その
通りだ」と呼ぶ者あり)「これに対して我々が納得の行くように、あの総理大臣が來るまでは是非とも休憩して欲しいということに対して委員長に
報告して貰いたい」、こういうことを再び申したのであります。(「
一身上の
弁明じやないよ」「
一身上の
弁明をするものじやないか」「それが
弁明であるか」「これを聞くのが恐ろしいのか」と呼ぶ者あり、
笑声)我々がこのときに附け加えて申しました。(「
運営委員会における自己の発言を紹介するのじやないか」と呼ぶ者あり)
一身上の極めて重要なる
弁明であります。(「
混乱するな」「
議長」「余計なことを言うな」「謹聽謹聽」と呼ぶ者あり)
議長、整理して下さい。(「騒々しいのは共産党だ」「疚しいところがなか
つたら默
つて聽け」と呼ぶ者あり、議場騒然)私はその後から……
議長、議場を整理して下さい。私は決して
議事を妨害していない。
議事が円滑に進行して参りますために、数日前までは議場におきまして定足数をやかましく申しました。併しながら昨日以來今日までしばしば定足数を欠けておりましたけれども、我々はその定足数について特に
採決上必要ある以外におきましては、この欠けておる点を默過して参りました。委員の方々が決して
議事を妨害するのではなくして、
議事を円満に
運営さして行きたい。こういうために特に我々は取計ら
つて参つたのだ。こういうことまで議院
運営上について申しました。そもそも新
憲法を蹂躪して参りましたものは、参議院の
運営におきましても定足数を欠いて來た。これは参議院の規則を無視しておるばかりじやなくして、
憲法の中にちやんと書かれておる定足数の問題を、すでに参議院は今日まで蹂躪して來ておるのであります。併しながら私
たちは、当夜は極めて重要な問題であるし、規則に則
つて我々が飽くまで合理的に会期延長と取組む必要がありました。そのために二十三日前の数日間も全く
憲法を無視してこの
会議が進められておりますのにも拘わらず、
議事を妨害されたと世間で言われてはならないので、我々は定足数についてやかましくは言わなか
つたということは、
議長並びに事務当局がよくその定足数の
状態を調査された過程において明らかであ
つたと思うのであります。続いて更に政府当局から、総理大臣は今少々の風邪引きだと言われるが、熱は一体何度であるのか、どういう
状態にあり、今どこにおるのかということは少しもその時に明らかにされなか
つた。そこで重要な段階が來たと認められました。門屋委員はこの
國会法上につきます
國会法の第十
一條、十二條、十三條の問題につきまして重要な発言をされたのでありました。これは門屋委員としましても、十
一條、十二條、十三條の解釈如何を明らかにせられたのは、十三條によりまして、参議院が議決しなか
つた場合でも参議院が優先するのだという解釈が成り立つならば、決してこの紛乱の必要はないというふうに、非常に円満なる
議院運営委員会の進行を図らんとされての質疑應答が重ねられてお
つたものだと私は確信するのであります。そこで私の更に
議事進行上についての発言は、門屋委員のこの
國会法第十
一條、十二條、十三條をめぐりましていろいろと質疑が交わされて参りました。そこで暫らく経ちまして、段々と時計は進んで参りまして、そのときに初めて梅原委員長が「
板野君の発言がありましたが、総理の病状に関して副総理から発言をして頂きます。」と、やつと……相当な時間を経過してや
つて言われた。その時の林副総理の答弁は、「総理の状況につきましては、先程延長をお願いいたしましたときに申上げましたように、少々風邪の氣味であるものですから、夜分は靜養して頂く方がいいと
考えまして、私共靜養して頂いているわけであります。さよう御了承願います。」こういう納得の行くことのできない答弁しか得ることのできなか
つたことは、私
たち参議院の
議院運営委員といたしまして実に憤慨せざるを得なか
つたばかりでなく、この國の極めて重要なときに、而も二十三日は重要な法案が出積しております場合に、副総理のこのような「少々風邪の氣味であるものですから夜分は靜養をして頂いた方がいいと
考えまして」、(「
議長、
議事進行」と呼ぶ者あり)靜養をして貰
つているというふうな答弁であ
つたのでありまして、八千万の
國民がどうして納得するでありましたよう。私は総理大臣が若し四十度の熱がある、そうして大磯へ帰
つて靜養をしておられるというのでありましたならば、何を苦しんで総理の出席を追求いたしましよう。(「その
通りだ」と呼ぶ者あり)このような事態が若し平然として見送ることができるのは、恐らく今野次
つておられる民自党の
議員諸君以外には、このような不遜を答弁を見逃すことはできなか
つたと思います。(
拍手)民自党と緑風会の一部
議員の
諸君以外は、この総理大臣の
國会を軽視した態度に対して憤激しておられた。ところが、これに対して、この副総理の答弁に対して、私が重ねて質問を重ねようとしたときには、民自党の小林英三君が「この際……」と
言つて速記録の中に書かれておる。私は「この関連している」というので、更に答弁を重ねようとした。併し小林君は「委員長が発言を許した。委員長が発言を許したじやないか。」こう
言つておる。私は「関連している。林副総理が……。」こう
言つております。民自党の小林君は「默れつ。
動議を
提出いたします。」と
言つて、私が関連しておるものを引
つたくるようにしてやられた。これがあの大きな紛糾の原因をなして來た。そうして委員長は民自党の小林君の意見を採り上げられた。私が重ねて副総理に対して質問しようとするのを中断されてしま
つた。全く事の
眞相を明らかにされていないのであります。そのために議場が騒然とな
つてしまいました。まあ極めて短い時間でありまして、これは
日本の
國民全体に
知つて頂きたい。我が参議院における第一回
國会以來今日までにおける
議院運営委員会の醜態は、このようにして
最後の段階に突入して参ろうとしたのであります。(「その
通りだ」「ヒヤヒヤ」と呼ぶ者あり)そこで私は速記録を見ました。そこには小林君の
動議は、
会期も頗る切迫しているのでありまするから、会期の延長の問題を提議いたします。(「発言中だ」と呼ぶ者あり)我々は会期の延長をするかしないかということを討論を省略いたしまして、(発言する者多し)するとかしないかということ、その次に会期の延長を何日間とする、そういうことに対しましての
採決をお願いいたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)、(発言する者多し)、
これで「
議長騒然」としております。
○委員長(梅原眞隆君)
採決に御
異議ございませんか。
〔「
異議なし」と呼ぶ者あり〕
○
板野勝次君 再質問をしているのだ。副総理の答弁に対して更に質問がある。(「徹底しない」「何の
採決だ」と呼ぶ者あり)
○
板野勝次君 委員長何をしている。
○委員長(梅原眞隆君) 今の
動議に賛成者は……
〔発言する者多し〕
〔「委員長不信任だ」「休憩々々」と呼ぶ者あり〕
〔議場騒然〕
○委員長(梅原眞隆君) 休憩いたします。
このときに午後十一時三十二分であります。午後十一時四十七分に再開されました。この事態は極めて重要であります。私はお終いは簡單でありますから、その速記録のままを読みます。
○委員長(梅原眞隆君) 委員以外の方の御退場を願います。(「そんな権限はない」「開会を諮
つていないじやないか」「そんな馬鹿なことがあるか」と呼ぶあり、その他発言する者多く、議場騒然)委員外の方の御退場を願います。これより開会いたします。(議場騒然、発言する者多し、聽取不能)……。(「まだ質問が残
つておる」と呼ぶ者あり、議場騒然)委員外の方の御退場を求めます。(「
議員の退場を求めるとは何だ、俺は
議員だ」「速記はそんなところで書いてはいけない」「委員長そんなところでかけ引するのはよせ」「まだ開会は
言つておらんぞ」「
議事進行」「まだ開会はしていないぞ」と呼ぶ者あり、議場騒然)
○
矢野酉雄君 私は次の
動議を
提出いたします。(「まだ開会しておらんのに
動議があるか」と呼ぶ者あり、議場騒然)会期二日間の延長の
動議を
提出いたします。
〔「賛成」「反対」と呼ぶ者あり、議場騒然〕
○委員長(梅原眞隆君) 委員外の方の御退場を願います。只今の
動議に賛成の方の御
起立を願います。
〔賛成者
起立〕
○委員長(梅原眞隆君) 多数であります。よ
つてこの
動議は成立いたしました。……、散会……。
〔議場騒然、「まだ散会していない」「散会をしろ」「本会が始ま
つた、本会が始ま
つた」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し、議場騒然〕
午後十一時四十九分散会
とな
つております。この議場騒然のうちに本
会議開会のベルが鳴
つたのであります。私はこの
議院運営委員会の進行が、如何に委員長がその議院
運営の才を持
つていなか
つたか、私は委員長のあの人格者に対しまして、この壇上から私は責めようとは思いません。併しながら
議院運営委員会が若し良心的な
審議を続けて参りまして、政府は吉田総理が明らかに
國政をサボタージユしておることを
議院運営委員会に、
自分が出なくても、副総理若しくは官房長官を通して謝罪いたしましたならば、
議院運営委員の多くは必ずこの謝罪に対しまして納得いたしたでありましよう。然るに何ら懇切丁寧なることをすることなく、紛乱に導いて参りました者こそは、政府がこのように
議院運営委員会を
混乱させ、そのどさくさ紛れに会期延長を図り、重要法案を通そうとする一方的な企らみであり、民自党の
諸君がこの紛擾を機として紛乱を更に重ねるがごとき陰謀をとられたことは、(「ノーノー」と呼ぶ者あり)この速記録によりましても、又参議院の
議院運営委員会におけるあの立錐の余地なきまでに
傍聽者の詰めかけておりました多数の
傍聽者諸君の、恐らく証言せられるところであることを私は確信するものであります。(
拍手、「これが暴行だというんだ」「これから
一身上の
弁明だ」と呼ぶ者あり)このような
状態が、我々はいつも吉田内閣が
國会を無視し、この第五
國会に当りましても、僅か八日間程度しか來ていない。こういうことが繰返されて参りましたならば、
國会はいつも政府の
國会軽視のために紛糾は絶えないのであります。(「その
通り」と呼ぶ者あり)私は本
会議のベルが鳴りましたので本
会議場に急いだのでありまして、その間の細かい問題につきまして、私は今これ以上申そうとは思いません。議場に入りますると、我が党の
中西功君が議院
運営小委員会の予備員でありますために、
議事部長席の方へ向
つて上つて行
つておる。私はその後を追
つたのであります。このときにはすでに
議長は多数の
守衞に囲まれて(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)入
つて來ておりました。淺岡君の大きな
身体が何か少し傾いて、何か力をこめてや
つておる姿が見えたのであります。これは私が見た姿であります。(「詭弁だよ」「捏造は止せ」と呼ぶ者あり)私は
議長にも、
議事部長にも近付くことができなか
つた。私は小委員会を開いて欲しいと叫んだのでありまして、私が
議長を阻止したか、
議長と話したかどうかは、
議長御
自身がよく
知つておられる筈である。私は淺岡君に言いますが、
草葉隆圓君のごとき(「捏造するな」と呼ぶ者あり)捏造はしない。(「捏造しておるじやないか」と呼ぶ者あり)断じてしていない。(「
自分のことは
自分で分るじやないか」と呼ぶ者あり)
自分の
趣旨弁明は
自分でやられたらよろしい。私は小委員会を開けと何回申しました。ところが丁度総理がいつも掛けるあのところで、私は
議長に対して、委員会を開いて欲しい、その方向に向
つて言つたのであります。ところがその向うに、丁度
議事部長のおる附近であ
つたか、今少し向うであ
つたかと思いますけれども、ここで一分間でもよいから小委員会を開いて欲しい、こういうことを重ねて
言つておる
議員の声を聽いたのであります。この一分間開いて欲しいということは、
草葉隆圓君は、我々が計画的にや
つたと申しますけれども、第一この壇を五六人の者が
スクラムを組んで上るような
状態にあるかどうかということは、(
拍手)この壇
自身がよく示しておるものでありましよう。(「でたらめ言うな」と呼ぶ者あり)決してここは
スクラムを組んで上り得るものでもなければ、又申合せて小委員が寄
つて、どうして貰おうかということを互いに相談し合う時間は断じてなか
つた。各小委員、各
議員とも急いで本
会議場に入りましたので、小委員としてその打合せをする暇がなか
つた。
中西功君は
会議の進行について、小委員の予備員として、当然
議事部長若しくは
議長に対して、この
運営について諮
つて参りますことは、議院
運営の予備員として当然な
行爲をした、私はその後に続いたのでありまして、なぜそれでは……そうして小委員会を開いて欲しいと、
議長と
守衞を隔てて何回となく、一分間開いて欲しいということが聞えました。私は恐らく今あの声は社会党の
原虎一君であ
つたかと思うのであります。私は誠に正々堂々と、一分間でもいい、開いて欲しいということは、この原君が
議長を阻止する意思がないばかりでなく、一分間開くことによ
つて会議が円満に進められて行く、(「詭弁は止せ」と呼ぶ者あり)この立派な交渉は私は称讃に値すると思う。(
拍手、「そうだ」と呼ぶ者あり)私は人垣が作られておるので、近付くことができないので、事務総長の席の前へ行
つたのであります。このところへ行
つたのであります。ちやんとこれは
写眞に載
つております。(「写真眞は後だ」と呼ぶ者あり)
從つてこの人垣を向うに行くことができないので、私は事務総長のところへ参りまして、
議長席のところを見ますと、
中西君が副
議長に、
懲罰動議が先だ、どうして
議長がおるのに副
議長が勝手に
議長席に着くのかと話をしておるのが聞えたのであります。そうしておるうちに本
会議が散会とな
つてしま
つたのであります。私は弁解を申しません。私は決して
スクラムを組まなか
つた。覚えはないし、繰返して申します。誰も
スクラムを組んでいた者はなか
つた。これは虚僞も甚だしいのであります。
議院運営委員会の小委員や予備員が、
議長や、事務総長、
議事部長と
議事に関してこの上に登
つて相談し交渉しますることは当然の
権利であります。
國会法第五十五條の二には「
議長は、
議事の順序その他必要と認める事項につき、
議院運営委員会が選任する小委員と協議することができる。但し、
議長は、小委員の意見が一致しないときは、これに拘束されない、」(「その
通りだ」と呼ぶ者あり)と
規定してあります。
國会法第五十五條の二の小委員に関する参議院
議院運営委員会の決定の中にも、「
議長が協
議事項を決定して招集する。
議長の諮問機関とする。
運営に当
つては多数決の
原則を適用しない。委員会通則による二分の一の定足数の適用はないものとし、各派より一名以上の出席を以て
会議を開く」と決定され、慣例といたしまして、本
会議前に
議長より招集され、小委員会で本
会議の
議事日程を定めて、本
会議が開かれるのが慣例とされてお
つたのであります。そのときに限
つて議長の職権で本
会議の振鈴を鳴らし、小委員会が開かれなか
つたのであります。社会党、無所属の小委員と私とは何も相談しなか
つたけれども、慣例に慣れておりますので、各小委員に、会期延長と板谷順助君の
懲罰動議について
議長が当然小委員に諮らなければならない順序でありました。それならばこそ
議長に小委員会を開くことが思い思いに
要求されたのであります。これは明らかに
議長が慣例を無視したものと言わなければならないのであります。
從つて各小委員が本
会議内におきまして小委員会開催の
要求は、
参議院規則に照しまして明らかに合法的な態度であり、合法的な
要求であります。参議院の規則を見ますると、二百十三條には、「何人も、
議長の許可がなければ、
演壇に登
つてはならない」という
規定があります。(「その
通り」と呼ぶ者あり)もう一度繰返して申します。
参議院規則二百十三條には、「何人も、
議長の許可がなければ、
演壇に登
つてはならない」という
規定があります。即ち
議長の許可なくして、この
演壇に誰も入ることはできないという
規定がなされてありますが、
演壇以外の場所に行
つてはならないという
規定は、ここから先は
規定されてないのであります。(「理窟だ」と呼ぶ者あり)
議員が議場内のどこへ行
つてはならないという
規定は少しもないばかりでなく、貴族院時代からも慣例はないのであります。
演壇以外はどこへ行
つてもよいことにな
つておる。
議長席のところへ行
つて話をしましても、一向
國会法違反でも規則違反でもないのであります。(「
議長を阻止したのが惡いのだ」と呼ぶ者あり)衆議院におきましてもしばしば
議長の席のところに近付きますけれども、誰も
懲罰に付せられた者がいない。又
議事交渉のために登りましたからと
言つて懲罰には付せられていない。
懲罰にできないのが当り前でありまして、何人も
議長の許可がなければ、この
演壇にだけは登れないことにな
つておりますが、この
演壇に登
つてやりました者は規則違反でありましよう。併しその以外の場所において如何なる会と交渉いたしましようとも、何も断じて
國会法の違反にも規則の違反にもならないのであります。以上二つの理由から
草葉委員から
提出されておる
懲罰動議の出ておる
議員は、全部この
参議院規則二百十三條には、いずれも該当していません。勿論私も何の規則違反でもなければ、
議長を阻止して
議長席に着かしめないようなことを決してしていない。
議長に話をさえもしていない。この
混乱をなしました
議院運営委員会におきましては、先程申した
通りでありますが、これを規則の上について檢討して見ますると、委員長は規則第四十
八條に「委員は、質疑終局の
動議及び討論終局の
動議を
提出することができる」。第四十九條、「討論が終局したときは、委員長は、問題を宣告して表決に付する」と
規定されておるのに、全くこの規則を無視し、徒らに
会議を
混乱に陷れておるのであります。又規則四十二條、「委員は、
議題について、自由に質疑し、及び意見を述べることができる。委員から発言を求めたときは、その
要求の順序によ
つて、委員長がこれを許可する」ことにな
つておるのに、委員長はこの規則を守らず、発言が総理出席の
要求に対しても、委員会に諮ることなく、次の発言者に発言を許したり、先に発言をしておるのにも拘わらず他の委員を先に発言さしたりして
混乱させて、委員会進行の能力を欠いていたのであります。総理につきましては先程申した
通りであります。而も民自党、緑風会の委員が政治力を欠いて、多数によ
つて遮二無二
混乱の
状態を現出さしたのであります。又
議長について申しますならば、
憲法第五十六條には「総
議員の三分の一以上の出席がなければ、
議事を開き議決することができない」と
規定してあります。これは
憲法であります。私が先程來
憲法について長々と申しましたのも、我々は
憲法を
守つて來た。併し
國会自身が
憲法を
守つて來ていない。規則にも第八十四條には「定足数に充たないときは、
議長は、延会を宣告する。
会議中に退席者があ
つて定足数を欠くに至
つたときは、
議長は、休憩又は延会を宣告することができる。」こういうことにな
つておるにも拘わりませず、
運営委員会におきましても、過去においてしばしば定足数が欠いてお
つた場合におきましても、委員会が開かれております。又本議場におきましても定足数がいつも議場においてやかましく言われましても、しばしば定足数につきましては等閑に付せられて來ておるのであります。これは定足数をやかましく言わない多くの
議員諸君が知らず識らずのうちに
憲法を蹂躙しておることになり、
議長初め多数の
議員諸君がこの
憲法の明文を明らかに無視しておると断ぜざるを得ないのであります。(「
弁明と何の関係があるか」と呼ぶ者あり)
参議院規則には第二百十四條に「
議長が振鈴を鳴らしたときは、何人も沈默しなければならない。」という
規定があります。(「簡單にしろ、簡單に」「簡單に済ませ」と呼ぶ者あり)ところが参議院の規則によりまして、私は昨日、「
議長が振鈴を鳴らしたときは、何人も沈默しなければならない」というので、私は衆議院の議場におけるあの
議長の前に置かれている鐘を思い出したのであります。この規則によりますと、議場内における
混乱がありましたときに、あの鐘を鳴らしたときに
議員は沈默しなければならないということが明記されております。これは衆議院自体におきましても何回か知りませんが、使われなか
つたという説も聞いておりますし、一回は使
つたという説も聞いております。今私は
議長の席を見ますると、何も振鈴らしいものが置いてない。或いは鳴るようにな
つているのかも知れない。若しこの
参議院規則第二百十四條の
議長ガ振鈴を鳴らしたときに、沈默しなければならないというこの方法がとられておりましたならば、あのような
混乱、誰が巻き起したか分らない、あのような
混乱は起らなか
つたに相違ないと思う。私は参議院における
議長がこのような権限を行使されるべきであ
つたと思う。又
國会法二十
一條によりますと、「
議長に事故があるとき又は
議長が欠けたときは、副
議長が、
議長の職務を行う」ということにな
つている。二十三日夜、
議長に事故があ
つたわけではない。それなのに独断で副
議長が
議長の職務を執行したことも
混乱の大きな原因をなしているのであります。(「その
通り」と呼ぶ者あり)又現在
懲罰動議が出て採り上げられておりますが、十
一條、十二條、十三條によ
つても、二十三日参議院で議決されていないのだから、参議院は議決しなか
つたわけでありますから、十三條の「衆議院の議決したところによる」ということは言えないので、
國会はすでに閉会にな
つている筈であります。これは
議院運営委員会におきましても、社会党の
中村君、無所属の藤田君、それに私が無効を主張したのであります。
議院運営委員会は私
たちの
動議を多数で否決いたしましたが、これを本
会議には諮ろうとはしなか
つた。速記録によりましても明らかに
参議院規則は無視されている。副
議長が着席したことを一歩讓
つてこれが合法であるといたしましても、
参議院規則第百三十六條「
議長は、表決を採ろうとするときは、表決に付する問題を宣告しなければならない」ということにな
つている。それなのに問題を宣告していないのであります。又規則第百三十七條「
議長は、表決を採ろうとするときは、問題を可とする者を
起立させ、その
起立者の多小を認定して、その可否の結果を宣告する。」これをや
つていない。又
起立採決を採らなか
つたとしても、第百四十三條「
議長は、問題について、
異議の有無を議院に諮ることができる。
異議がないと認めたときは、
議長は、可決の旨を宣告する。」然るにこの宣告も、速記録によるとなされていないのであります。
從つて議事にはな
つていないので無効であります。私はこの不法なる本
会議の
議事について思い起すのは、第一回
國会末の一昨年十二月九日、公
國法関係のときのことが思い出されるのであります。(「簡單にやれ」と呼ぶ者あり)あの第一回
國会におきまして、衆議院を通過し、それが農林委員会に付託され、更に本
会議に付託されてお
つたのであります。私はこのとき以來、
國会が
会議法として採られておるところの速記法につきまして疑義を持つに至
つたのであります。このことは今度の場合の無効であるということを立証いたします上にも極めて重要なものであります。これは、このときにおきまして未だ我が國憲政史上ないところの時計が止められて來た一大
事件でありまして、この時計を発見し、時計の止
つておる事実につき最初に追究いたした者はこの私であります。これは一昨年の十二月の九日、衆議院におきまして午後十一時五十三分(「それが何の関係があるか」と呼ぶ者あり)衆議院は散会いたしております。(「先例はやめろ」と呼ぶ者あり)