運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1949-05-18 第5回国会 参議院 本会議 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年五月十八日(水曜日)    午前十時四十六分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第二十八号   昭和二十四年五月十八日    午前十時開議  第一 学校教育法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院回付)(委員長報告)  第二 スポーツの振興に関する決議案小林勝馬君外十九名発議)(委員会審査省略要求事件)  第三 通信事業復興促進に関する決議案大島定吉君外十一名発議)(委員会審査省略要求事件)  第四 簡易生命保險及び郵便年金積立金運用に関する決議案大島定吉君外十一名発議)(委員会審査省略要求事件)  第五 日本國有鉄道法施行法案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第六 水先法案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第七 國家公務員のための國設宿舍に関する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第八 國家公務員共済組合法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第九 郵政事業特別会計法案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第一〇 電氣通信事業特別会計法案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第一一 國立國会図書館法の一部を改正する法律案金子洋文君外九名発議)(委員長報告)  第一二 國立國会図書館法第二十條の規定により政行各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律案衆議院提出)(委員長報告)  第一三 獸医師法案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第一四 出版法及び新聞紙法を廃止する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第一五 少年法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第一六 少年院法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第一七 檢察廳法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第一八 民法等の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第一九 公証人等法の一部を改正する法律案内閣提出)(委員長報告)  第二〇 人権擁護委員法案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第二一 水防法案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第二二 在外公館等借入金整理準備審査会法案内閣提出衆議院送付)(委員長報告)  第二三 簡易郵便局法案内閣提出)(委員長報告)  第二四 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、大阪工業試驗所國支所並びに電氣試驗所新潟支所及び金澤支所設置に関し承認を求めるの件(委員長報告)  第二五 教育映画暗幕配給に関する請願委員長報告)  第二六 坑木危機打開に関する請願委員長報告)  第二七 北海道内化学肥科製造用電力対策等に関する請願委員長報告)  第二八 日和田、平両変電所間に送電線新設請願委員長報告)  第二九 築上火力発電所建設再開に関する請願委員長報告)  第三〇 猪苗代、十和田間に送電幹線新設請願委員長報告)  第三一 岩手縣に電氣計器調整所及び電氣試驗所設置請願委員長報告)  第三二 坑木生産供出あい路打開に関する請願委員長報告)  第三三 小清水村に水力発電所築設の請願委員長報告)  第三四 中小企業廳拡充強化に関する請願委員長報告)  第三五 水害地衣料切符加配点数現物化等に関する請願委員長報告)  第三六 労需用纖維品配給に関する請願委員長報告)  第三七 中國地方電力増強五箇年計画案実施に関する請願委員長報告)  第三八 鶴岡纖維製品檢査所川俣支所本所昇格及び小高支所設置請願委員長報告)  第三九 岡山縣電力増強対策に関する請願委員長報告)  第四〇 猪苗代、八戸及び日和田、平の各変電所間に送電線新設請願委員長報告)  第四一 北海道の石灰ちつ素工業用電力対策に関する請願委員長報告)  第四二 衣料品卸賣業者登録申請に関する請願委員長報告)  第四三 商工省工業技術廳拡充整備に関する請願委員長報告)  第四四 理容師クロース、タオル及び手術衣増配に関する請願委員長報告)  第四五 関西配電会社淡路送電第三号線架設に関する請願委員長報告)  第四六 水産業協同組合法等改正に関する請願委員長報告)  第四七 水産業協同組合國連合会結成等に関する請願委員長報告)  第四八 水産業協同組合法中一部改正に関する請願委員長報告)  第四九 北海道尾札部村木直に船入ま築設の請願委員長報告)  第五〇 阿仁谷、角館両駅間に鉄道敷設請願委員長報告)  第五一 美幌、斜里両駅間に國営バス運輸開始請願(二件)(委員長報告)  第五二 御影、辺富内両駅間に鉄道敷設請願委員長報告)  第五三 三重町、日向長井両駅間に鉄道敷設請願委員長報告)  第五四 直江津、六日町両駅間鉄道敷設促進に関する請願委員長報告)  第五五 山川、枕崎両駅間に鉄道敷設請願委員長報告)  第五六 羽幌、朱鞠内間及び羽幌、遠別間に鉄道敷設促進請願委員長報告)  第五七 根北線全通促進に関する請願委員長報告)  第五八 奧津、櫻井両駅間に鉄道敷設請願委員長報告)  第五九 磐城西郷信号所を駅に昇格の請願委員長報告)  第六〇 中村、新地両駅間に駒嶺駅設置請願委員長報告)  第六一 貝田信号所を駅に昇格の請願委員長報告)  第六二 堂島停留所客車停車数増加請願委員長報告)  第六三 大越駅名呼称訂正に関する請願委員長報告)  第六四 会津若松、山都両駅間の鉄道敷設変更反対に関する請願委員長報告)  第六五 舞木駅名呼称訂正に関する請願委員長報告)  第六六 仙台鉄道局福島管理部移轉に関する請願委員長報告)  第六七 湊町、東京両駅間に直通列車運輸開始請願委員長報告)  第六八 郡山、白石両駅間鉄道電化促進に関する請願(二件)(委員長報告)  第六九 道路運送監理事務所地方移讓反対に関する請願(六十六件)(委員長報告)  第七〇 小野田港、小野田駅間鉄道電化促進に関する請願委員長報告)  第七一 肥薩線人吉、渡両駅間に西人吉設置請願委員長報告)  第七二 出石鉄道復活に関する請願委員長報告)  第七三 秋葉原駅名呼称訂正に関する請願委員長報告)  第七四 荒海、滝の原間鉄道敷設促進に関する請願委員長報告)  第七五 岐阜、名古屋両市を中心とする省線の電化に関する請願委員長報告)  第七六 常磐線電化促進に関する請願委員長報告)  第七七 浜松、米原両駅間鉄道電化促進に関する請願委員長報告)  第七八 中土、小滝両駅間鉄道敷設促進に関する請願委員長報告)  第七九 長鳥信号場を旅客駅に昇格の請願委員長報告)  第八〇 三陸沿岸鉄道敷設促進に関する請願委員長報告)  第八一 廣島鉄道局廣工機部廣分工場存置に関する請願委員長報告)  第八二 門司鉄道局小倉工機部熊本分工場存置に関する請願委員長報告)  第八三 秋田、上野両駅間に直通急行列車増発請願委員長報告)  第八四 樣似、廣尾両駅間に鉄道敷設請願委員長報告)  第八五 中小企業廳機構拡充強化に関する陳情委員長報告)  第八六 北海道電力供給源開発等に関する陳情委員長報告)  第八七 電力行政機構強化に関する陳情委員長報告)  第八八 関西配電会社淡路送電第三号線架設に関する陳情委員長報告)  第八九 中小企業振興対策に関する陳情委員長報告)  第九〇 山川、枕崎両駅間に鉄道敷設陳情委員長報告)  第九一 郡山、白石両駅間鉄道電化促進に関する陳情委員長報告)  第九二 吉松、人吉両駅間電化促進及び路線変更に関する陳情委員長報告)  第九三 道路運送監理事務所地方移讓反対に関する陳情(六件)  第九四 長崎、東京両駅間準急列車急行列車に切替の陳情委員長報告)  第九五 東海道線完全電化に関する陳情委員長報告)  第九六 日田市、守実間に鉄道敷設陳情委員長報告)  第九七 甲府、塩尻両駅間及び塩尻、長崎両駅間鉄道電化促進に関する陳情委員長報告)  第九八 中土、小滝両駅間鉄道敷設促進に関する陳情(二件)(委員長報告)  第九九 富山駅拡張改築に関する陳情委員長報告)  第一〇〇 川東、谷田川両駅間に停車場設置陳情委員長報告)  第一〇一 八幡浜駅、八幡浜港間に臨港鉄道敷設陳情委員長報告)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 諸般報告は朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。  この際お諮りいたします。橋上保君、栗栖赳夫君、西園寺公一君及び平野成子君よりそれぞれ病氣のため会期中請暇の申出がございました。許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。      ——————————
  5. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) この際、日程の順序を変更して、日程第一及び第二を後に廻し、日程第三、通信事業復興促進に関する決議案大島定吉君外十一名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。本件発議者大島定吉君外十一名より委員会審査省略要求書が提出されております。発議者要求通り委員会審査を省略し、直ちに本案審議に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明発言を許します。小林勝馬君。     —————————————    〔小林勝馬登壇拍手
  8. 小林勝馬

    小林勝馬君 私は皆様方の御賛成を得まして、通信事業復興促進に関する決議案を上程いたしたいと存じます。  如何に國家再建を叫びましても、生産増強なくては再建復興もでき得ないのでありまして、この問題解決には、運輸交通と共に、通信事業復興こそ欠くべからざる問題と存ずるのであります。逓信委員会におきましても、数次に亘り調査研究をいたし、ここに成案を得ましたので、その決議案を朗読いたします。    通信事業復興促進に関する決議   我が國の通信事業終戰以來政府がしばしば言明したにもかかわらず、戰災による復旧ははかばかしく進まず、現施設も、その機能を充分に発揮していない。ために、安全、確実、迅速をモツトーとする通信サービスは、未だ回復されていない。   國民はこの現状に対して、甚だ不満を感じている。   政府は率直に、この事実を認めて、早急に、その責務を達成するために、所要の資金資材及び要員の面において、格段措置を講ずるとともに、会計給與経費使用等運営全般にわたつて企業経営的体制を整備し、管理機構を簡素化して、現業充実強化を図る等要員配置の適正と事務能率増進を期するの要がある。また各種施設企画運営に当つては、あくまでも実情に即した方策を重点的に行い、もつて事業の急速な復旧を計り、生産経済活動及び文化生活の基盤であり、わが國復興先駆たるべき使命達成格段努力を傾注すべきである。   政府は右についての方針及び具体的施策の大綱を速かに本院に報告することを要求する。   右決議する。 以上であります。  我が國の通信事業郵便、電信、電話共に戰爭によりまして甚大なる被害を蒙むりましたが、政府当局努力により漸次回復して参つたものの、終戰後三年有半を経過した今日、その間通信料金の値上げは四回に及び、その都度、政府当局サービスの改善と事業財政の確立とを言明して参つたのでありますが、今日においてもその財政は依然として赤字続きであるのでございます。又復旧は捗々しく進んでおらず、現にありまする諸施設もその機能を十分に発揮せしめるに至つていない。ために、通信事業モツトーとするサービス、安全、確実、迅速が十分に保たれておらない現状でありまして、國民はこの現状に甚だ不満を感じておるのであります。仮に戰災復旧の一例を電話について見まするならば、戰前百八万ありました加入電話戰災によつて五〇%に感じ、今日は八二%に回復はいたしましたものの、戰災の最も甚だしく、且つ最も必要度の高く、從つて收益性の多い大都市復旧率は五二%にしかなつておらないのであります。又電話市内完了通話について見ましても、大体地方の都市では七〇%であるのに、大都市では僅かに三八%に過ぎない現状であり、市外電話の待合せ時間も、特急通話東京大阪間は戰前一時間三十三分に対しまして、現在では尚二時間三十八分を要しておる現状であります。以上のごとく電話市内市外を通じて満足にその機能を果しておらないのでありまして、その原因は、資金獲得の困難と、資材設備の不十分なことと、更に労務及び運営における惡條件等の各方面に亘り、種々至難な理由を挙げられることと思われますが、根本的には、これを打開するためのあらゆる努力通信事業本質に適應した施策運営が行われていない点があると考えられるのであります。  然らば如何なる点について最善努力を傾注すべき件があるかと言いますと、先ず一番重要なことは、事業企業的体制に切換えて整備するということであります。通信事業は御承知のように現在官営で行われておりますが、その経営形営事業公共性企業経営主義の融合の上に立脚すべきものでありまして、この点は一般監督行政官廳事務とは全然異なるばかりでなく、單なる消費経済会計とも本質上の差異があるのであります。例えば電話局設置電話増設等にありましても、これによつて國民産業経済の発達を促し、その生産性を助長するものでありまして、利用者によいサービスを與え、更に利用を普及せしめ、併せて收入を増加し、事業健全性を確保発展させるためであつて國家永遠計画に基く一つの投資なのであります。この点、先ず関係当局長の明確なる認識を促したいのでございます。  而ういたしましてこの事業運営に当つては、先ず收入獲得についても積極的な努力企業者としての一段の創意工夫を行うと共に、予算会計人事給與運営全般に亘り、徹底的に企業経営に適應する体制に整備することが根本的な要請であります。御承知のように通信事業現業中心となるのでありまして、從業員は持場々々において責任を以て最善を盡くことによつて作業能率向上に期さなければなりません。これがためには管理機構を極力簡素化し、その半面、現業強化充実を図り、從業員の再教育を強化して素質の向上を図り、又各事業場についておのおのの権限と責任とを明確にすると共に、自発的な勤労意欲をもたらし、且つ熟練要員を確保するよう、人事給與制度企業体運営に即應した思い切つた施策が必要とされるのであります。即ち事業成績向上を期するには、経営者側企画、幹部の統率のよろしきを得ることの必要なことは勿論でありますが、更に給與の点において、例えば一定の標準以上の技倆を有する者及び業務又は勤務成績の優秀なる者には特別の手当を與え、人事の面においてて適宜信賞必罰を明らかにする方法を講ずる等、他の一般官廳職員と異なる人事管理を行うことが肝要であります。又会計組織についても企業体に適應した彈力性及び機動性を與えたところの、一般官應と別個の会計制会を確立すると共に、事業予算についてはその令達をできるだけ早くし、工事認証手続迅速化等についても格段配慮努力を煩わしたいのであります。  次に各種施設計画及び運営について重点主義を採るということでありますが、即ち各地方に対する総花的、分散的方針を極力排除し、効率的、集中的施策の上に、特に必要度の高い地帶及び部分重点を置いて、実情に即した綿密な計画を立て、これを実行すべきであります。去る第二國会におきまして成立を見ました電話公債について見ましても、今日までの実績は、全國的には申込の七八%を消化したのに対し、都会地におきましては申込が殺到しておるにも拘わらずケーブル、局内施設及び交換機等基礎設備の不足のため申込を受理することができない現状でありまして、需要と充足との計画実行面において一致しない証左とも言えるのであります。又各種工事実施に当りましては、今日のごとく計画実施の間に甚だしい時間的ずれがないよう、工事計画化工程管理資材配給等の面において格別なる努力を期待したいのであります。  これを要しまするに、敍上の運営上の諸点について格段配慮を拂うことは勿論でありますが、通信事業復旧は我が國復興基礎となり先駆とならなければならないのでありまして、この事業は他の事業に魁けて復興し、他の再建に寄與しなければならない性質のものでありますから、政府としましても從來のごとき消極的態度を一掃して、資金資材の面において通信事業を最重点産業として優先的措置を講ずることが絶対必要と思うのであります。通信事業は近く郵政電氣通信の二省に分割されるのでありますが、その根本の目的は、郵便事業電氣同川事業とは同じような企業であつても、両者の間には無論性質上に差異があり、そのおのおの本質に順應した企業的整備を行い、円満なる運営を見ることによつて共々に我が國の復興に寄與し、交化國家建設貢献せんとすることにあるのであります。政府当局においてはこの両省分割の機を促えまして、その分割の意義あらしめ、事業をして所期に効果を挙げしめますよう万全を期せられんことを切望いたす次第であります。  以上を以ちまして大体決議案に対する説明を終りましたが、私はこの際、附言いたしますことは、通信從業員の心構えであるのでございます。我が國の復興再建のためには、特にこの通信事業が整備されなければならないのでありまして、このことは先程も申しました通り、この通信事業に從事する從業員諸君努力に俟つことが多いのであります。從業員諸君はその重責を深く反省して、作業能率増進サービス向上最善努力を傾け、通信事業がすべての國民に愛され親しまれるものとなるように努力されんことを希望して止まないものであります。以上が説明の大要でありますが、満場一致、諸君の御賛成あらんことを切に希望いたす次第であります。尚、この決議案が本院を通過いたしましたならば、総理大臣並びに逓信大臣の所信と決意をお伺いしたいと存ずるのでございます。(拍手
  9. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本決議案賛成諸君起立を請います。    〔総員起立
  10. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて決議案全会一致を以て可決せられました。  只今決議に対し逓信大臣より発言を求められました。小澤逓信大臣。    〔國務大臣小澤佐重喜登壇拍手
  11. 小澤佐重喜

    國務大臣小澤佐重喜君) 只今議決になりました通信事業復興促進に関する決議案興旨は十分了承いたしました。申すまでもなく政府におきましても、夙にこの事業復興復旧というものが一日も速かに行われることの必要、換言しますれば、通信事業復興が我々國民生活に及ぼす影響、なかんずく経済復興産業復興に及ぼす影響が甚大であるということを知りましたので、極力この点について努力をして参つたのであります。例えば電話事業におきましても、今年度はどうしても三百二十億の建設資金を得まして、よつて以て十五万個の電話を増設し、これによつて戰前の姿と同じような数にまでに復興しようと計画いたしましたが、いわゆる諸般客観情勢はこれを許しませんので、僅か六万七千個の増設計画しかできないような次第であります。併し更に本年度通過いたしました予算見返り資金千七百五十億のうち、幾分でもこの電話建設資金に向けることに努力いたしております。これが若し実現いたしますれば、相当の効果を挙げることが可能であると信じておるような次第であります。尚、経理方面におきましても、今提案者の御説明がありました通り從來官廳的経理方式から企業体的の経理方式に今年度より改めることを決定いたしまして、これに関する諸法律案を目下両院において御審議中でありますから、これが幸いに議決になりました場合におきましては、直ちに御指摘のような経理方式に改善いたしまして、よつて以通信事業が安全、確実、迅速の線に邁進いたすことをここでお誓いいたして置きます。  尚、総理大臣意見は大体私の意見と同一であるということを申上げて、総理大臣欠席中でありますから、この総理大臣意見を御了承願いたいと思います。(拍手)      ——————————
  12. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 日程第四、簡易生命保險及び郵便年金積立金運用に関する決議案大島定吉君外十一名発議)(委員会審議省略要求事件)を議題といたします。本件発議者大島定吉君外十一名より委員会審査省略要求書が提出されております。発議者要求通り委員会審査を省略し、直ちに本案審査に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明発言を許します。千葉信君。     —————————————    〔千葉信登壇拍手
  14. 千葉信

    千葉信君 只今議題となりました簡易生命保險及び郵便年金積立金運用に関する決議案趣旨を御説明申上げます。  先ず決議案を朗読いたします。    簡易生命保險及び郵便年金積立金運用に関する決議   簡易生命保險及び郵便年金積立金運用は、両事業創始以來、その本質に鑑み、資金地方還元加入者福利増進第一義として、事業経営主体たる逓信省によつて行われて來たのである。然るに、現在本積立金は大部分大藏省預金部資金に編入運用されているために、事業の円滑な運営に阻害し、また地方公共團体等にあつて低利資金の融通を受けるに多大の不便を感じ、地方財政運用に円滑をかいている状況であつて、本積立金事業経営主体による運用再開の要望は全國的に頗る切なるものがある。   本院では第二回國会及び第三回國会において、右の趣旨による両積立金運用再開に関する請願の願意を妥当と認めて、これを採択し、政府は速かにこれが実現努力すべきものとの意見を附して内閣に送付したのであるが、未だにその実現を見ていないことは誠に遺憾である。   政府は急速に適当の措置を講じて本積立金運用方式を本來の姿に復すべきである。   右決議する。 以上であります。  我が國簡易保險及び郵便年金事業三十余年の歴史と國民一人一件以上の契約数九千万件、保險金額千四百億の巨額に達し、非常な成功を收めておる事実は、この國営事業が如何に國民大衆の生活安定、福利増進に寄與しつつあるかを物語るものでありまして、これら両事業が今日のごとき発展を來たしましたゆえんは、全國津々浦々に亘つて存在する約一万四千の郵便局を通じて、逓信從業員國民全般協力の下に営々として契約募集、維持に努力したことによるものであり、他面この積立金運用に当つては、この事業使命本質に鑑みまして、資金地方還元公共の利益の増進第一義として、事業経営当局みずからがその運用を直接担当して参つたがためであります。然るに昭和二十年度以來、本積立金運用特殊事情によりまして停止せられ、金融主管官廳たる大藏省によつて運用されるに至つたのでありますが、御承知のように元來両事業は被保險者又年金加入者の選択と事業経営費積立金運用との三者の睨み合いの下に彼此按配して運営せられることを本則とするものでございまして、そのいずれの一を欠いても完全なる運営とは言えないのであります。  簡易保險郵便年金積立金は、國民生活の安定と地方公共團体への長期低利貸付とを特色といたし、この資金地方還元契約募集に対する地方公共團体協力を招來し、両事業今日の普及発展を見たのでございます。近時地方財政は極度に逼迫しておりまして、その立直しが現下國政上の大問題となつておりまするとき、この積立金地方還元は極めて重大な地位を占めるものであります。而してこの還元は事業経営主体の手によつてなすことにより最も適切円満に行うことができるのでございます。  又事業経営主体にとりましても、先に申上げました経営の三大要素のうちの最も妙味のある積立金運用を停止せられました結果は、事業経営当局は経営上における目主性を失い、創意工夫を凝らすべき余地は全くなく、單なる機械的働きをなすに過ぎないのでありまして、ために從業員勤労意欲も低下せられつつある状況であります。活動意欲の低下は成績の低下となり、事業経営の基礎を危くすることは火を見るよりも明らかなのであります。若しかく相成りましたならば、九千万件に上る契約者に対し、又地方團体に対し、延いては國家全体に大きな不利益を招くこととなるのでございます。  このように地方公共の利益、事業運営上の要望とは、地方公共團体逓信從業員等より、請願陳情の形を以て本院に提出せられましたものは、第二回國会以來実に五百三十六件の多きに至つておるのでございまして、本院におきましては、右の趣旨による両積立金運用再開に関する請願の願意を妥当と認めて、これを採択し、速かに政府はこれが実現努力すべきものとの意見書を附して再度内閣に送付したのでありますが、今日に至つても未だにその現実を見ていないのは誠に遺憾でございます。  飜つて、この積立金運用逓信省に移管いたしましても、國家全体の國家資金運用の一元化にさしたる影響を與えるものでないことは、両積立金の預金部への預入額は本年二月末現在において七十億円でありまして、預金部の融資額千百五十四億円の僅かに六・六%に過ぎないものであるのみならず、積立金運用は、新たに制定せられました法律に基いて設けられまする簡易生命保險郵便年金事業審議会にも金融主管廳より委員の委嘱を求めるものと予想されますし、又逓信省大藏省とが密接に連絡協調することによつて金融主管廳の方針に反する運用が行われるという虞れは毛頭ないのでございます。  以上述べました通り、両積立金大藏省による運用は変則であり、事業の健全なる運営のためにとるべきでないから、新法律の施行を機会に本來の姿に復すべきであると、逓信委員会においても全員一致の意見を見、又院内各派の御賛同を得まして、各派共同提案と相成つた次第であります。何とぞ満場の各位の御賛同を賜わらんことをお願いいたしまして、私の提案理由説明を終る次第でございます。(拍手
  15. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本決議案賛成諸君起立を請います。    〔総員起立
  16. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて決議案全会一致を以て可決せられました。  只今決議に対し政府より発言を求められました。小澤逓信大臣。    〔國務大臣小澤佐重喜登壇拍手
  17. 小澤佐重喜

    國務大臣小澤佐重喜君) 只今議決と相成りました簡易生命保險並びに郵便年金積立金運用に関する決議案趣旨は十分了承いたしました。從つて政府といたしましても、すでにこの必要を認めまして、即ちこの資金は当初より政府財政資金には使用しないと同時に、加入者の便宜を図つて、御指摘のように地方に還元するというのが本則でありますので、この本則に還元すべく極力努力をいたして参りましたが、諸般の情勢がこれを許しませんで、今日まで実施のできないことは誠に遺憾至極と存じます(「自主性がない」と呼ぶ者あり)併しながら衆議院におきましても只今と同じような議決が満場一致を以て過般通過いたし、又本日只今この議決が本院におきましても満場一致を以て議決せられました以上は、政府も勇氣百倍、(拍手)一層これが速かに実現するように努力することをお誓いいたしまして、私の発言を終ります。(拍手)    〔國務大臣池田勇人君登壇拍手
  18. 池田勇人

    國務大臣(池田勇人君) 只今決議になりましたことに対しまして、私の所懷を申述べたいと思います。  簡易生命保險在いは郵便年金積立金特別会計資金は、契約者貸付に運用いたします以外の金は大藏省預金部に預け入れまして、郵便貯金その他の資金と総合的に運用いたしておるのであります。從來は主として國債でございましたが、御承知通り今年度からは國債の引受をすることはなくなりまして、主として地方資金に向けることにいたしておるのであります。お話の点もありますので、從來から研究はいたしておりまするが、元々この点につきましては関係方面の指示によつてつておるのであります。從いまして、今の決議案によつて逓信省で、このお金だけを別に運用なさるということにつきましては、今後その線に沿つて十分研究いたしたいと考えております。(拍手)      ——————————    〔栗山良夫君発言の許可を求む〕
  19. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 栗山良夫君。
  20. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 本員はこの際、過度経済力集中力排除法に基く東京芝浦電氣株式会社の再編成に関する緊急質問の動議を提出いたします。
  21. 中村正雄

    ○中村正雄君 栗山君の動議に賛成いたします。
  22. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 栗山君の緊急質問の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。栗山良夫君。    〔栗山良夫君登壇拍手
  24. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 持株整理委員会は、過度経済力集中排除法及び同法手続規則に基きまして、昭和二十四年二月十九日、東京芝浦電氣持株式会社の再編成計画に関する決定指令案を公示せられたのであります。同指令案の要旨は、第一点、東芝は過度の経済力の集中であるということ、第二点、東芝は占領軍が必要とする設備、機械及び工器具を除いた二十八工場(從業員約七千名)を処分しなければならないということ、第三点、東芝は東芝車輌株式会社と合併する目的を以て、現在委員会の所有する東芝車輌株式会社の持株を再所得することができるということ、この三骨子であります。併し、持株整理委員会が行いましたこの行爲は、過度経済力集中排除法の目的と手続において明らかに違反行爲であるということ、又排除法の運用の失敗が我が國産業経済並びに国民の権利に重大なる惡影響を及ぼす危險が多いので、これを防止するために、総司令部五人委員会は、昭和二十三年九月十一日、持株整理委員会に対して排除法実施上の四原則を提示せられましたが、この四原則にも違反しておるということ、及びこの指令案公示後、東芝の從業員及び家族、附近の居住者、一般商工業者、工場所在地及び近傍の自治体の代表、市町村長、市町村会議員等より、嘆願並びに署名運動が一齊に展開されておりまして、その員数は概ね二十万に達しておる有樣であります。又近くは「週間朝日」の五月十五日号、又「潮流」、「労働評論」等の五月号にこの問題が採り上げられまして、漸く社会問題化せんとしておるのであります。そこで私は、この際、問題の所在を明らかにするために、本指令案が公示されるまでの経過並びに今後の措置に対しまして、首相並びに法務総裁の所信を伺いたいのであります。  右指令案の第一の要点は、東芝は過度の経済力の集中であると認定した点でありますが、排除法に基く手続規則に從つて、指令案に附記せられた事実の認定によりますると、東芝は重電機の部門においてのみ経済力が集中しておるものとされてありまするが、東芝の重電機部門の経済上、生産上に占める全國比率は、資産、設備、生産高、販高、労務者数字、いずれの点から檢討いたしましても三〇%乃至四〇%を出でないのでありまして、経済力の過度の集中はないのであります。若し東芝において業種別に過度経済力の集中が問題となるとするならば、むしろ軽電氣の部門でありまして、事実の認定に指摘したところの、「東芝は日本の重電機において、競爭を制限し、他の者が單独にこれに從事する機会を妨げる生産力を持つている」とし、更に「公共の利益のために掛除しなければならない」と断ずることは、正に不当であり、事実と相違するのであります。又五人委員会の提示されましたる四原則の第一によりますると、    〔議長退席、副議長著席〕  当該会社が競爭を制限し、又は事業の重要部分について他の者が独立して事業を行う機会を妨げた明白なる事実がない限り、集中排除による命令を出すことはできない」とし、又「かかる事実がない場合は会社に対する指令は取消さなくてはならない」と定められておるのでありまするが、委員会は、すでに述べたところによりまして、この指令案を撤回しなければならないと思うのであります。政府の所信を伺いたいのであります。  次に指令案の第二の要点は、「東芝は、東芝車輌株式会社と合併する目的で、現在委員会の所有する東芝車輌株式会社の株式を再取得することができる」と確認した点であります。御承知のごとく、東芝車輌は東芝重電機部門の子会社でありまして、從業員三千人を擁する我が國第二位の電氣機関車製造会社であります。從つて、若し持株整理委員会の言うごとく、現東芝の重電氣部門がすでに過度経済力の集中体であるといたしますならば、これに更に東芝車輌の合併を許すことは、ますます経済力を集中することであり、又反対に東芝車輌の合併を許しても尚、東芝の重電氣部門が過度の経済力の集中体とならないといたしますならば、現状は当然に経済力の集中体 ないということを立証するものであります。この東芝車輌の合併許可の確認は、理論上矛盾撞著も甚だしいものであります。この点に関する政府の所信を伺います。  指令案の第三の要点は、「東芝は、占領軍が必要とする設備、機械及び工器具を除いた二十八工場(從業員約七千名)を処分しなければならない」とした点であります。排除法の目的は、ポツダム宣言に基く日本経済の軍事的潜勢力を排除し、これを民主的、平和的に再編成するために、独占大企業を解体分割することでありまして、このように工場整理を断行するために制定されたものではないのであります。五人委員会提示の四原則の第二によりますると、「如何なる場合においても、單に関連のない一つ以上の業種を有するということだけで、この法律に言う過度の集中であると決めることはできない」と定められておるのであります。東芝の企業中に比較的関連性に乏しい乾電池、藥品、耐火物等の業種があることを口実にいたしまして本法を適用することはできないのであります。又四原則の第三によりますると、「任意的な計画として再建整備計画を提出すること自体は、持株整理委員会に対して集排法による発令をなす権限を與えるに十分でない」として、集排法を惡用して工場整理をすることを深く戒めておるのであります。  今や平和的日本経済再建のために、連合國の好意によりまして、集排法の実施の緩和、賠償撤去の中止が行われんとしておるのであります。このときに当り、今回の指令案が東芝の再建整備計画をそのまま鵜呑みとしまして、集排法の指令の形で発令したことは、明らかに持株整理委員会の職権濫用であると思うのであります。本当に集排法の精神目的等を尊重して東芝の集中排除を断行するとするならば、重電機部門と軽電機の部門とを戰爭前の姿、即ち芝浦製作所と東京電氣株式会社の両系統に分離するのが正しいのであります。若し指令案のごとく、現在稼働中の重要工場を機械的に一括処分いたしまするならば、元來、技術及び材料の有機的結合の強い東芝の経営を根本から破壞し、昨年秋以來漸く上昇を見つつあるところの生産を再び混乱に導き、危殆に瀕せしめる虞れがあるのであります。又今回の処分対象工場は大部分がそれぞれその地方の重要工場として稼働中でありまして、工場処分の場合は、東芝從業員諸君の失職は申すに及はず、下請関連産業、一般市民に與える社会的、経済影響は極めて重大であります。集排法の力を以て、独占企業分割でなく、工場の整理処分を指令したのは、これが初めてでありまして、法の適用を曲げた持株会社整理委員会の責任は当然に糾彈されねばならないのであります。政府はこの指令を撤回して、新らしい見地に立つて措置をせしめる用意があるかどうかを伺いたいのであります。  私は以上三点に対しまして、事が極めて重要でありまするので、首相並びに法務総裁の責任ある御答弁をお願いする次第であります。(拍手)    〔國務大臣林讓治君登壇拍手
  25. 林讓治

    國務大臣(林讓治君) 総理大臣は所用のために欠席いたしておりますので、代つて私がお答えいたします。  過度の経済力集中排除法は御承知通り持株会社整理委員会が責任を以てその施行に当つておるのであります。そうして持株会社整理委員会が行なつた指令について、法第十三條によつて、利害関係人は内閣総理大臣に対し不服の申立をなし得るのであります。只今お尋ねの諸点につきましては、若し不服の申立がありますならば、利害関係人はその手続をとることだろうと考えます。從いましてその前に意見を表明いたすことは差控えたいと考えるわけであります。(拍手)    〔國務大臣殖田俊吉君登壇拍手
  26. 殖田俊吉

    國務大臣(殖田俊吉君) 只今副総理よりお答えがありましたことにつきまして、多少の補充をいたしてお答えを申上げます。  過度経済力集中排除法におきましては、過度の経済力があると認められました場合には、これを排除するために必要な企業再編成計画を指令し得ることになつておるのであります。過度の経済力の集中があるかどうか、又それを排除するためにどんな措置が必要であるかということの判断は、第一次的にはすべて持株会社整理委員会に任せておるわけでありまして、持株会社整理委員会におきましては、法定の聽問会の手続を経ました上、これを決定するのであります。持株会社整理委員会につきましては、その機関の特殊性からいたしまして、内閣総理大臣といたしましては、集中排除法に基く不服の申立がありまして初めてこれにタツチし得る立場にあるのでありまして、直ちにこれに対して発動するというわけに参らないのであります。又持株会社整理委員会の決定につきまして不服のあります場合は、不服の申立ができることは、先程副総理より申上げた通りであります。この不服の申立がありまして初めて内閣総理大臣はこの内容について審査をいたすことができるのであります。不服の申立はどういうときにできるかと申しますると、過度経済力集中の事実の認定が実質的な証拠を基礎としておらぬ場合、又は持株会社整理委員会が実質的な証拠を採用しなかつた場合に、初めて不服の申立ができるのであります。この不服の申立がありまして総理大臣がこれを審査いたします場合におきましても、不服の申立があつた日から三十日以内に、総理大臣は持株整理委員会が採用しなかつた証拠が(「簡單々々」と呼ぶ者あり)実質的な性質のものであるために指令が独断的になつたと認める場合は、指令に適当な変更をさせるため整理委員会に差戻すことができるだけございます。(拍手)      ——————————
  27. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) この際、日程の順序を変更し、日程第五を後に廻して、日程第六、水先法案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長板谷順助君。     —————————————    〔板谷順助君登壇拍手
  29. 板谷順助

    ○板谷順助君 只今議題となりましたる水先法案につきまして、委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  現行の水先法は明治三十二年の制定にかかり、多くの点において現状に適しないところがありまするので、これを廃止して、新らしい水先制度を確立するために、本法律案が提出された次第であります。今その要点を申上げますると、第一に、水先業の免許制を明確に規定したこと、第二に、船舶航行の安全を期するため、一定の区域における強制水先の制度を設けたということ、第三に、水先制度に関する重要事項を調査審議するため、海上保安廰内に水先審議会を設けたということであります。  本委員会におきまして審議いたしましたるところ、お手許に配付されましたる印刷物にありまする通り、第一に、原案には海上保安廰長官は水先審議会の意見を徴し水先人の免許の取消又は停止の処分をなし得ることになつておりまするが、かかる処分は特に愼重を要する必要がありまするので、水先審議会が意見を決する場合には聽問を行い、当事者に証拠を提出し又は意見を述べる機会を與うることに修正をしたのであります。第二は、官吏が水先審議会の委員を命ぜられたる場合、その処遇について、原案においては國家公務員法の規定が本法に優先することが必ずしも明確でありませんから、これを明確にする要がありといたしまして、所要の修正を加えることにいたしたのであります。本委員会におきましては、この修正案に基きまして、更に審議を重ねましたるところ、原案は修正案の通り可決すべきものと全会一致決定した次第であります。以上御報告申上げます。(拍手
  30. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告通り修正議決することに賛成諸君起立を請います。    〔総員起立
  31. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 総員起立を認めます。よつて本案全会一致を以て委員会修正通り議決せられました。      ——————————
  32. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) この際、日程の順序を変更し、日程第七を後に廻し、日程第八、國家公務員共済組合法の一部を改正する法律案日程第九、郵政事業特別会計法案日程第十、電氣通信事業特別会計法案、(いずれも内閣提出衆議院送付)以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大藏委員長櫻内辰郎君。     —————————————    〔櫻内辰郎君登壇拍手
  34. 櫻内辰郎

    ○櫻内辰郎君 只今議題となりました國家公務員共済組合法の一部を改正する法律案の大藏委員会における審議の経過並びに結果について御報告いたします。  去る五月十一日より政府提出案について、五月十七日衆議院送付の修正案について愼重に審議いたしまして、質疑應答の後、討論に入り、採決の結果、全会一致を以て衆議院送付の修正案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。先ず本案の提案理由及び内容について申上げます。國家公務員共済組合法は第二國会において成立し、法律第六十九号を以て施行されておりますが、その後の情勢の変化と実施実情に照して、所要の改正をいたそうとするものであります。即ち一、恩給法臨時特例による恩給額の改正を伴い、共済組合の年金受給者の年金額を改定すること、二、恩給法の適用を受けない非現業雇傭人たる組合員に対して長期給付を実施すること、三、健康保險法の改正に関連して給付に関する規定を整備すること、四、公社の設立等に伴い組合の設置区分を改めること等であります。さて本案審議に当りましては、各委員より熱心な質疑があり、政府又これに対し懇切なる答弁がありましたが、その詳細は速記録により御承知を願いたいと存じます。かくて質疑を終局し、五月十七日討論に入り、採算の結果、全会一致を以て衆議院送付の修正案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。  次に只今議題となりました郵政事業特別会計法案の大藏委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。  去る五月十七日愼重に審議いたしまして、討論に入り、採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。先ず本案の提案理由及び内容について申上げます。本年六月一日に郵政省が設置せられますので、同日を期して現在の通信事業特別会計を廃止し、新たに郵政省の所管に属する事業に関し郵政事業特別会計設置して、その経理を行おうとするものでありまして、現在の通信事業特別会計法に規定してある事項の殆んど全部と、同法の施行政令たる通信事業特別会計令中に規定してある重要事項とを合せ規定して、法体系の整備を図ると共に、從來運営の実績に鑑み、二三の点について改正を加えるものであります。改正されます点は、事業設備費の財源の不足を補うための調整資金保有の規定を削除したことと、作業資産の保有等に関する規定並びに公債の発行及び借入金の借入余力繰越に関する規定を設けたことであります。さて本案審議に当りましては、各委員より熱心たる質疑があり、政府又これに対して懇切なる答弁がありましたが、その詳細は速記録により御承知を願います。かくて質疑を終局し、五月十七日討論に入り、採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。  次に電氣通信事業特別会計法案の大藏委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  去る五月十七日、愼重に審議いたしまして、質疑應答の後、討論に入り、採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。先ず本案の提案理由及び内容について申上げます。通信省が郵政省と電氣通信省とに分割されることになりましたので、電氣通信省の所管業務のみを経理するため、新たに特別会計法を制定せんとするものでありまして、その内容は殆んど從來通りでありますが、作業資産の保有に関する規定、公債及び借入金の余力を翌年度へ繰越し得る規定等、從來の実績に鑑み、事業運営上特に必要と思わるる規定の整備をなさんとするものであります。本案審議に当り、各委員より熱心なる質疑があり、政府又これに対して懇切なる答弁がありましたが、質疑を終局し、五月十七日討論に入り、採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。(拍手
  35. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  先ず國家公務員共済組合法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を請います。    〔総員起立
  36. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつて本案全会一致を以て可決せられました。      ——————————
  37. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 次に郵政事業特別会計法案及び電氣通信事業特別会計法案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を請います。    〔起立者多数〕
  38. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて両案は可決せられました。      ——————————
  39. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) この際、日程第十一、國立國会図書館法の一部を改正する法律案、(金子洋文外九名発議日程第十二、國立國会図書館法第二十條の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律案、(衆議院提出)以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。図書館運営委員長金子洋文君。     —————————————    〔金子洋文登壇拍手
  41. 金子洋文

    金子洋文君 只今議題となりました國立國会図書館法の一部を改正する法律案並びに國立國会図書館法第二十條の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律案につきまして、委員会における審議の経過並びに結果について御報告いたします。  図書館法の一部を改正する法律案の対象になりましたのは、納本制度に関する規定であります。第一に、現行法においては、出版物を納入する者は、國の諸機関及び國の諸機関のために出版物を発行するものでありますが、今回この範囲を拡げまして、地方公共團体、日本專賣公社、日本國有鉄道及び公團を含めることにいたしたのであります。第二は、現行法の納入部数については、五百部以上の発行の場合は五十部、五百部未満の場合は五十部未満となつておりますが、過去の実情に照しまして、これを三十部に減じ、且つ事態に應じて納入部数を幅を持たせたいと思うのであります。第三は、納入される出版物の種類を明らかに記載いたしたのであります。次は一般出版物についての規定でありますが、現行法には納入の義務が明文化されていない関係もありまして、過去一年間における出版物の納入は極めて不良であります。そこで納入の義務を明文化し、納入されたものに対しては適当な價格を支拂うことを規定しまして、納入しないものに対しては、軽い罰則を設けることにいたしたいのであります。図書館法にこの種の罰則を設けることは好ましいことではありませんので、民間の出版業者といろいろ懇談いたしたのでありますが、特別の良策もなく、諸外國においても殆んで罰則があるのに鑑みまして、一應、形の上のみでも罰則を設けなければ所期の目的は到底達成できないという結論を得ましたので、満場一致を以て可決すべきものと決定いたしたのであります。  次に「國立國会図書館法第二十條の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律案」は、國立國会図書館連絡調整委員会の勧告に基き、衆議院図書館運営委員長が提出したものでありますが、その趣旨は、行政、司法各部門支部図書館は、昨年八月創設以來、逐次その業務を整備して、國会並びに行政、司法各部門に対して図書館奉仕をいたしておるのでありまして、元來專任の職員がなく、すべて兼任の職員によつて業務が行われているため、図書館奉仕の根柢となる整理業務が捗らず、國立國会図書館の運営の重大な支障を來しておるのであります。これらの欠点を補うために、專任職員を各支部図書館に置きたいというのであります。委員会におきましては、右の趣旨賛成し、全会一致を以て可決すべきものと決定をしたのであります。以上御報告申上げます。(拍手
  42. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を請います。    〔総員起立
  43. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。      ——————————
  44. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 日程第十三、獸医師法案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。農林委員長楠見義男君。     —————————————    〔楠見義男君登壇拍手
  45. 楠見義男

    ○楠見義男君 只今議題となりました獸医師法案につきまして、農林委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  この法案は、大正十五年に制定せられました現行の獸医師法に根本的な改革を加え、新らしい獸医師制度の確立によりまして、獸医師の技能の最高水準と、その業務の適正とを確保し、以て畜産の発達と併せて公衆衞生の向上に寄與することを目的としたものございまして、その内容は、第一に獸医師の免許につきまして、從來の免許制度に比べて免許資格を著しく引上げたことであります。即ち新らしく獸医師國家試驗の制度を設け、その受驗資格につきましても、新制大生卒業生で獸医学の四年以上に亘る課程を修めた者、或いはこれと同等の学力技能を有すると認められた外國の獸医学校卒業生等に限りますが、この國家試驗に合格した者に対して農林大臣が免許を與えることとしておるのであります。第二の点は、新たに民主的な機構による獸医師免許審議会制度を設けまして、獸医師國家試驗の執行機関となる外、農林大臣の行う免許その他に関する諮問機関たらしめておるのであります。第三に獸医師の診療業務につきまして、從來の牛、馬、羊、豚、犬、猫に鶏を加えると共に、その業務の態樣を明らかにするため、毎年定期的に就業状況に関する報告業務を課することといたしておるのであります。第四は、他の法令と同樣に、制度の改変に際して最も重要な既存の獸医師その他に関する経過的規定でございます。即ちこの点は、後にも申述べまするように、衆議院において政府提出原案に若干の修正を加えて参つたのでありますが、政府提出の原案によりますと、現に獸医師の免許を受けておる者が引続きその業務を行うことができるのは勿論でありますが、旧法によつて免許を受ける資格のある者は、國家試驗に合格しなくとも、最長昭和二十八年十二月三十一日までは免許を受けることができることとなつておるのであります。ただ戰時中の臨時特例として、即ち学歴等において或る程度欠くるところがあつても戰時の需要充足のために認められた獸医手の制度等は、今後認めないこととなつておるのであります。法案の趣旨及びその主なる内容は以上の通りでございます。  委員会は、その審議に際しましては、家畜衞生その他畜産全般に関し種種質疑を重ねたのでありますが、本法案の内容に関する論議は主として次の二点、即ち第一に、國家試驗の受驗資格を今後新制大学卒業ということに引上げることによつて、農村の窮迫せる状況からして、將來農家の子弟の中から眞に農村のための技術者として獸医師たらんことを希望する者の途を阻むことになる虞れがあり、そうして又このことは一般的な農政問題とも通じ、農家経済の改善に対する國家の特別の対策の緊急性を意味するということ。第二には、戰時特例の獸医手は成る程学歴においては劣るけれども、技能の実力においては獸医師とは変らず、むしろ獸医師よりも優れて、地方によつては畜産指導の中心をなして活動をしているところすらある現状から、これに対する経済的救済規定は十分でなければならぬということ、以上の二点に論議が集中され、なかんずく第二の獸医手の問題が強調せられておつたのであります。この点は衆議院においても同樣でありまして、その結果、政府提出原案に対して、附則の経過規定において、從來の獸医手は一年間は從來同樣その業務を継続し得ること、又今後一年間において從來の旧法による獸医師試驗を受けて免許を受け得ること、右の趣旨の修正を加え本院に送付して参つたのであります。委員会といたしましては、右の修正は未だ十分とは言えないのではありますけれども、種々の折衝経緯に鑑み、且つは又本修正の趣旨を活かすために政府の施策よろしきを得れば相当程度の効果を挙げ得るべきものと認めまして、討論採決の結果、多数を以て本法案は衆議院送付通り可決すべきものと決定いたした次第でございます。右御報告申上げます。(拍手
  46. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を請います。    〔起立者多数〕
  47. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ——————————
  48. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) この際、日程第十四、出版法及び新聞紙法を廃止する法律案日程第十五、少年法の一部を改正する法律案日程第十六、少年院法の一部を改正する法律案日程第十七、檢察廳法の一部を改正する法律案日程第十八、民法等の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出衆議院送付日程第十九、公証人法等の一部を改正する法律案、(内閣提出)、日程第二十、人権擁護委員法案、(内閣提出衆議院送付)以上七案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。法務委員会理事宮城タマヨ君。     —————————————    〔宮城タマヨ君登壇拍手
  50. 宮城タマヨ

    ○宮城タマヨ君 只今上程されました出版法及び新聞紙法を廃止する法律案の法務委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  昭和二十年九月二十七日の新聞言論の自由に関する追加措置という覚書によりまして、新聞紙法を初め十二法令の覚書に牴触する條項の廃止が日本政府に命令せられ、政府は右のうち新聞紙法以外の十一の法名に対しましては、それぞれ概ね同年十月中又はその後に政令又は法律によつて正式に廃止の手続をとつたのでありますが、新聞紙法のみは、その規定の全部が必ずしも檢閲、発禁処分その他言論の自由を抑圧するものばかりでもありませんでしたので、当時、内務省が司令部の了解を得て、同法及びその内容からしてこれと同列に取扱われるべき出版法は、その効力を停止した状態に置いたまま、その正式の廃止の手続をとらずに今日に至つたのでございます。その間、一昨年の刑法の一部改正の際、猥藝罪の刑は相当嚴しくなり、又名誉毀損罪の規定改正せられて、從來新聞紙法出版法中に規定されておつた事項の一部が採り入れられておりますので、この際覚書の趣旨通り新聞紙法出版法を正式に廃止することにいたし、尚、予約出版法中の出版法を援用した部分を改正したのでございます。委員会におきましては各委員より熱心な質疑が出たのでございますが、その詳細については省略させて頂きます。次に討論に移りまして、松井、大野、來馬の各委員より熱心な議論が行われましたが、これも速記録に讓ることを御了解願います。そうして採決の結果、満場一致を以て可決すべきものと決定いたしたのでございます。  次に少年法の一部を改正する法律案につきまして、法務委員会における審議の経過及び結果について御報告申上げます。  本年一月一日から施行になりました新らしい少年法運用の実際等に鑑みまして、少年院法と兒童福祉法との間に調整を要する個所があり、又今國会に提出の犯罪者予防更生法案との間にも調整を要する点があり、更に少年保議事件の身柄の取扱、証拠品の処理等について法の不備を補正する必要が認められますので、これらの点を改正するために本改正法が立案せられたのでございます。改正の主な点は、先ず少年院法との関係においては、家庭裁判所の決定の執行権のある者として少年観護所又は少年院の職員である法務廰教官も加えることに改め、兒童福祉法との関係においては、家庭裁判所と都道府縣知事又は兒童相談所長との権限も明確にしまして、紛淆を防ぐために、先ず十四歳未満の者は、虞犯少年たると刑罰に触れる行爲をした少年であるとを問わず、すべて兒童福祉法の措置に委ねまして、家庭裁判所としては都道府縣知事又は兒童相談所長の送致を受けたときに限りこれを取扱うことにいたし、虞犯少年中十四歳以上の者でも、警察職員又は保護者の判断でこれを兒童福祉法の措置に任じた方が適当であると認めるときには、その少年を直接兒童相談所に通告することができるという規定も新設したのであります。又兒童福祉法を適用される少年について、たまたまその行動の自由を制限し、又はその自由を奪うような強制的な措置をとることが必要である場合も予想されますが、かかる場合、現行法では、都道府縣知事又は兒童相談所長は、親権又は親権的措置の範囲として認められる場合以外は強制力を用いることができないことになつておりますので、そうした強制力を用いなければならないという場合には、その事件を家庭裁判所に送致することができることにいたしまして、家庭裁判所が兒童福祉の措置に関與する途を開いたのでございます。この場合には家庭裁判所ではみずから保護処分の決定をすることができるのでございます。又決定を以て保護の方法その他の措置を指示して、事件を知事又は兒童相談所長に送致することもできるのでございます。更に犯罪者予防更生法案との関係では、少年観護所に身柄を收容中の少年の保護事件について家庭裁判所が処分を決定した場合、これを地方少年保護委員会の保護観察に移し、又はその他の処置を適切円滑に運用するためには、一時的に少年を引続き少年観護所に收容して置く必要のある場合もございますので、七月間以内に限り引続き收容して置くことができる旨の規定を設けたのでございます。尚、刑法では、犯罪の組成物件、供用物件等の沒收の規定があるのでございますが、家庭裁判所が少年の保護事件について処分を決定する場合に、それらのものを沒收することができる規定がないので、今までは任意に放棄させるというような方法で処理して來たのでございますが、どうもぴつたりしませんので、今度それを法律上沒收できる規定を新設いたしました。  以上が本改正法の内容でございます。委員会におきましては愼重審議いたし、各委員より熱心な質疑が出ましたが、これは速記録に讓りまして、討論は省略の上、採決の結果、満場一致可決すべきものとされたのでございます。  次に少年院法の一部を改正する法律案につきまして、法務委員会におきましての審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  現行少年院法によれば、初等少年院は十四歳未満の少年もこれを收容することができることになつておりますが、運用の実際の経過から見て、十四歳未満の少年を十四歳以上の少年と同一に取扱うのは適切でないので、このような少年はすべて兒童福祉法による施設に入れることにして、少年院には收容しないことに改め、次に現在少年観護所の施設が十分でなく、少年院の出張所や少年院の廳舍の一部を應急的に少年観護所として使用中なのでございますが、これでも尚不足なので、その拡充強化と整備の完了を予定されますところの昭和二十六年三月三十一日まで、應急的に拘置監の特に区別した場所を少年観護所に充て、犯罪少年であつて逃亡の虞れある者のみを收容することに改めたのが本改正法案の内容でございます。  衆議院におきまして修正されました点は、特別少年院、これは犯罪的傾向の進んだ十八歳以上二十三歳未満の者を收容するところでありますが、これが只今のところ全國にただ一ヶ所福島市の東北少年院だけでございますので、その特別少年院及び女子の医療少年院の施設が不十分な点に留意しまして、昭和二十六年三月三十一日まで應急的に、特別少年院の方は少年刑務所の特に区別した場所を、又女子の医療少年院として男子の医療少年院の特に区別した場所をこれに充てるよう修正されて参りました。委員会におきましては各委員より熱心な質疑があり、愼重審議いたしましたのでございますが、その詳細は速記録を御参照願います。かくて討論は省略の上、原案及び衆議院の修正点につき一括して採決の結果、満場一致を以て可決すべきものと決定いたしました。  次には檢察廳法の一部を改正する法律案の法務委員会における審議の経過並びに結果につきまして御報告申上げます。  本改正法案は先ず第一に檢察廳法國家公務員法との調整を図つたことであります。即ち本年一月八日人事院規則一の三が施行になりまして、國家公務員の任免に関する國家公務員法第五十五條、第六十一條の規定が一般の檢察官の任免に適用されることになりました結果、同法により当然法務総裁がこれを行うことになりますので、檢察廳法の方もそのように改め、ただ檢事総長、次長檢事及び檢事長は認証官でありますので、その任免を内閣がすることに改めました。又三級官吏の進退に関する権限の委任、檢察事務官等の支部勤務命令等に関する檢察廳法規定は、國家公務員法第五十五條第二項にその旨の規定がありますので、これを削り、又檢察官の職務と責任の特殊性に鑑みまして、その任免につき國家公務員法と異なつた取扱をする必要がありますので、その任免手続、任用資格等に関する從來檢察廳法規定は特例であるということを明記いたしました。次に檢察廳法第二十三條の檢察官適格審査会に予備委員を置くことは政令で定められておりましたが、この法律中に規定することが適当と認められますので、各委員に対應した資格の予備委員を置くことにいたしたのでございます。その他、弁護士たる資格を有する者で朝鮮、台湾、関東州で弁護士をしていた人々について、在職三年以上の者には檢事となる資格を與える規定を新設いたしました。以上が本法案の内容の主なる点であります。委員会におきましては愼重に審議いたし、熱心な質疑が出ましたが、これは速記録により御了承願うことにいたします。討論は省略の上、採決いたしましたところ、全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。  次に民法等の一部を改正する法律案につきまして、委員会における審議の経過及び結果について御報告いたします。  本改正法案は、先ず現行民法第三百六條、一般の先取特権の順位について、勤労者の生活権保護の建前から、葬式の費用と雇人の給料との順位を入れ換え、これに相應した條文の整理をいたし、又雇人給料の先取特権につき、現行法では雇人はその受くべき最後の六ケ月間の給料中、五十円を限度として先取特権があることになつているのですが、現今の経済情勢に適合しないこの五十円の制限を廃止したのであります。更に現行民事訴訟法中第五百七十條第一項の有体動産に対する強制執行の制限につきまして、第六号には、官吏、神職、僧侶、教師等の俸給、恩給が挙げられておりますのに拘わらず、職工、労役者、雇人がその労力役務のために受ける報酬がこれに含まれていないのは不合理なので、改めて含ませるようにされました。尚、衆議院におきましては、民事訴訟法第六百十八條第二項において、同條第一項の差押禁止債権中、第一号の法律上の養料、第五号の官吏、神職、僧侶及び教師の收入、恩給及びその遺族の扶助料、第六号の職工、労役者、雇人がその労力、役務のために受ける報酬につきまして、一ケ年に受くべき総額の四分の三を超過する部分は差押えることができることになつております点を改めまして、その支拂期に受くべき金額の四分の一に限り差押えることができると修正しまして、解釈上疑義が生じないようにいたしたのであります。委員会におきましては愼重に審議いたし、若干の質疑もありましたが、これは速記録に讓ることにいたします。かくて討論を省略し、原案及び衆議院の修正案を一括採決いたしましたところ、満場一致を以て可決すべきものと決定されました。  次に公証人法等の一部を改正する法律案につきまして、法務委員会における審議の経過並びに結果について申上げます。  今般國会に法務廳設置法等の一部を改正する法律案が提出せられ、法務廳の機構改組が予定せられておりますが、これに伴いまして公証人法の関係規定を整備する必要に迫られ、本法案の提出を見るに至つたのでございます。その内容は、先ず第一に、右関係規定の整理、次に公証認証等の手続の簡素化、即ち現行法中煩瑣な手続を公証制度の趣旨に反しない程度に是正したこと、第三に、公証人の任用資格等につきまして、現行法では所定の試驗及び実地修習を経たる者以外は判檢事及び弁護士たる資格を有する者のみが公証人となる資格を有することになつておるのでありますが、廣く適材を求める見地から改正案はこの点を拡張しまして、多年法務に携わり、公証人の職務に必要なる学識経驗を有する者にして、公証人審査会の選考を経た者も判檢事、弁護士と同樣に、又前述の試驗及び実地修習を経ないで公証人に任ぜらるることができるように改正しておるのでございます。委員会におきましてはこの第三点に関しまして大分論議が出まして、かかる改正によつて公証人の質が低下する虞れがあるのではないかとの有力な意見が出ましたが、結局、多年法務に携わり、判檢事、弁護士に準ずる学識経驗者であつて、公証人審査会の選考を経た者は、試驗及び実地修習を経ない者でも公証人に任用することができるが、このような者を任用するのは当分の間であつて、尚その上、法務局、地方法務局、又はその支局の管轄区域内に公証人のない場合、又は公証人があつてもその職務を行うことができない場合に限るものとの制限を付することに修正いたし、尚、本法第十六條の公証人罷免理由の一つとして、公証人が年齢七十歳に達したときという項目を加え、又公証手続簡素化の見地から二三の手続規定を修正いたしました。その他の質疑應答の要旨につきましては速記録によつて御了承願うことにいたします。討論は省略の上、採決いたしましたが、その結果、委員会の修正案及び原案の修正部分を除くその他の部分全部につきまして、いずれも全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。  最後に人権擁護委員法案でございますが、この法務委員会におきましての審議の経過並びに結果について御報告申上げます。  從來法務廳設置法第十六條に基きまして、昭和二十四年政令第百六十八号により全國に百五十人の人権擁護委員を設けまして、これらの委員は現在人権擁護局の事務を補助し、活動しておるのでございますが、今國会に提出されました法務廳設置法の一部を改正する法律案において右の第十三條が改正され、政令で定める根拠がなくなりましたので、本法によつて人権擁護委員に関する規定を定め、尚、政令当時よりはその規模を拡張することになつたのでございます。本法の要点について申しますならば、人権擁護委員は國民の基本的人権が侵犯されることのないように監視し、若しこれが侵犯された場合には、その救済のため速かに適切な処置をとり、常に自由人権思想の普及高揚に努めることをその使命とするもので、委員は各市町村の区域ごとに置き、その数は全國を通じて二万人以内、その選任は市町村長が社会事業家、教育者等、適当と認められる一般民間人の中から、その市町村議会の意見を聽いて定員の倍数を推薦し、法務総裁がその中から都道府縣知事、弁護士会等の意見を聽いて委嘱いたすことになつております。任期は二年で、給與は支給いたしませんけれども、実費の弁償はいたすことになつております。尚、委員は一般民間人なる関係から、國家公務員法の適用は受けませんが、刑法上は公務員として取扱を受け、法務総裁の監督を受けることになつております。その他、都道府縣内に数個の人権擁護委員協議会が設けられ、又都道府縣ごとにその連合会が置かれることになつております。委員会におきましては愼重に審議いたしましたが、幾多の質疑中特に注意すべきものとしましては、人権擁護委員がボス化し、その職権を惡用する虞れがないかとの質疑に対し、政府委員は法の運用において十分かかる点は注意するとのことでございました。その他の質疑につきましては速記録を御覽願うことにいたします。討論は省略の上、採決いたしましたところ、満場一致で可決すべきものと決定いたしました。以上を以て報告といたします。(拍手
  51. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。先ず出版法及び新聞紙法を廃止する法律案少年法の一部を改正する法律案少年院法の一部を改正する法律案檢察廳法の一部を改正する法律案民法等の一部を改正する法律案及び人権擁護委員法案、以上六案全部を問題に供します。六案に賛成諸君起立を請います。    〔総員起立
  52. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつて六案は全会一致を以て可決せられました。      ——————————
  53. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 次に公証人法等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告通り修正議決することに賛成諸君起立を請います。    〔総員起立
  54. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつて本案全会一致を以て委員会修正通り議決せられました。  議事の都合により午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時三十一分休憩      ——————————    午後一時五十七分開議
  55. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。赤松常子君より人事委員を、金子洋文君より外務委員をそれぞれ辞任いたしたい旨の申出がありました。いずれも許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。つきましては、その補欠として人事委員に金子洋文君を、外務委員に赤松常子君を指名いたします。      ——————————
  57. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 日程第一、学校教育法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院回付)を議題といたします。     —————————————
  58. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) これより本案の採決をいたします。本案の衆議院修正に同意することに賛成諸君起立を請います。    〔起立者多数〕
  59. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は衆議院の修正に同意することに決定いたしました。      ——————————
  60. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 日程第二、スポーツの振興に関する決議案小林勝馬君外十九名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題といたします。本件発議者小林勝馬君外十九名より委員会審査省略要求書が提出されております。発議者要求通り委員会審査を省略し、直ちに本案審議に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明発言を許します。安達良助君。     —————————————    〔安達良助君登壇拍手
  62. 安達良助

    ○安達良助君 只今議題となりましたスポーツ振興に関する決議案発議者を代表いたしまして、簡單に趣旨の弁明をいたします。  先ず先に決議案の朗読をいたします。    スポーツ振興に関する決議   スポーツの振興は、新日本を建設する國民の健全な氣力と体力とを養成し、且つ、國際市民としての教養と品格とを高めるために欠くことのできない緊要事である。   今般、國際オリムピツク実行委員会が、各國際競技團体に対して、日本の各競技團体の復帰を勧告し、日本のオリムピツク大会参加への端緒をひらいたことは、スポーツ振興のため誠に喜ぶべきことであつて、われらは、ここに、國民を代表して深甚な感謝の意を捧げるものである。   政府は、この機会に、スポーツの民主的運営について具体的方針を樹て、その育成振興のため適切な方途を講ずべきである。   右決議する。  我が國の再建が我が國民自身の努力によつてなし遂げられなければならないことは、今更ここに繰返して申上げるまでもございません。もとより我が國経済復興し、新日本の基礎を築き上げるために、諸外國殊に米國の援助が大きな支柱となつていることも事実であります。併しながら窮極におきましては、政治的にも、経済的にも、又社会社にも混乱状態にありまする我が國の現状を克服いたしまして、民主主義に立脚した新らしい日本を実現するのは、國民の能動的な努力であり、そのためには先ず何よりも國民の健全な氣力と体力と、更には國際平和社会に各誉ある地位を占めるにふさわしい品格を教養とが養成されなければならないのであります。スポーツの振興こそは、正に戰後の不明朗な空氣を一新して、このような要請を達成するに最も当を得たものであると信ずるものであります。殊に健全な娯樂を失つて、ともすれば、良からぬ道に踏み込みがちである青少年に、はつきりとした道を與える意味におきましても、誠に緊要なことと申さねばなりません。飜つて我が國スポーツ界を見ますると、昨年は水陸両面に世界的記録が続出いたし、その水準は漸次向上の途を辿つております。併しながらスポーツの振興のためにはスポーツの普及ということが何より必要であります。もとより技術と記録の向上がスポーツの普及の上に初めて期待し得るものと言えるでありましようが、要は單に一二の記録の問題ではなくして、國民全体が眞にスポーツに対する関心を高め、津々浦々に至るまでスポーツを普及させることであります。このような意味でスポーツの現状は必ずしも満足すべきものとは考えられないのであります。  傳えられるところによりますと、國際オリムピツク実行委員会は、過日各國際競技團体に対しまして、我が國の各競技團体の復帰を許すべきことを勧告いたしまして、來るべきオリムピツク大会に日本代表の参加する可能性が大きくなつて参りました。スポーツ振興のために最も喜ぶべきことと申さねばなりません。私共はこの実行委員会の御好意に対しまして、院議を以て感謝の意を捧げ、ますますスポーツを振興して、我が國再建に寄與することに努力すべきであると信ずるものであります。この際政府におかれても右に述べましたような趣旨を十分に了解され、施設、運動用資材、器具等の充実は勿論のこと、スポーツの運営につきましても、從來ともすればとられがちな官僚統制の弊を排して、民主的な施策を講じ、スポーツの普及振興のために万全の策をとられたいと存ずるものであります。以上がこの決議案を提出いたしました理由でありまするが、各位の御賛成を切に希望いたすものであります。(拍手
  63. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 本件に対して討論の通告がございます。内村清次君。    〔内村清次君登壇拍手
  64. 内村清次

    ○内村清次君 私は本決議案に対しまして賛成をするものであります。敗戰以後、日本民族の自信が青少年層に失われておりまする傾向がややもすれば見受けられまして、且つ又軍國主義の除去という大手術の反動といたしまして、却つて青少年層の間に文弱的文化の醜い傾向を助長さしておりますることは、その將來につきまして職者のひとしく憂慮するところであります。この現状に照しまして、この際、曾てのごとき軍國主義的なものは一切強く除去すべきことは勿論でありまするが、併し公正にして品位高き集團的公共心を養い、且つ又青少年の体位、氣力の充実向上を図るために、スポーツの振興は誠に緊急なことであると思うのであります。今般幸いにも國際オリンピツク実行委員会より日本の復帰を勧告せられましたことは、日本の國際的地位の独立向上を認められまする上に多大の成果のあることを思いまするときに、何よりも喜びとするところであります、それのみならず、近頃とみに隆盛となつて参りましたスポーツ熱に絶大の激励とその興振に拍車をかけるものであることは、試に感激に堪えないところであります。曾て戰前、或いはロスアンゼルスにおいて、或いはベルリンにおいて、水泳を初めといたしまして各種の競技に、競技場の空高く日の丸が掲げられましたあの感激につきましては、我々は尚忘れ得ぬものを感ずるものであります。この機会が再び來るということは、幾多のスポーツマンは勿論といたしまして、青少年、学童に至るまで、絶大の感激と奮起の意氣を高く高揚するものであることを固く信ずるものであります。この意味におきましても、この機会にスポーツの一大振興に挙げて努力せねばならぬと思うのであります。  私は、このよき機会に、スポーツの眞の成果を挙げるためには、是非ともスポーツの民化を主徹底しなければならぬことをここに強く主張するものであります。即ち、スポーツが徒らに一部の有産階級とか職業スポーツ家のみに独占せられたり樂しまれたりするのでありましたなれば、それは一つの享樂に過ぎないのでありまして、國民の体育、品位、氣力の向上に何ら益するところはないと思うのであります。我が國のスポーツが村より、町より、学校より、職場より、澎湃として下より正しく盛り上つてこそ、明朗健全な日本民族の本位が向上せられるものでありまして、その意味におきましても、我々はスポーツの民主化と全國民への普及、特に働く階級への普及とその向上こそがスポーツの眞の意義があり、これがあつてこそ成果は國民的に活用せられるものであることを固く確信するものであります。以上の重要なる意義を持つておりまするこのスポーツ振興決議案に対しまして、私は心から賛同をいたしましてその成果を期待するものであります。(拍手
  65. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) これにて討論通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより採決をいたします。本決議案賛成諸君起立を請います。    〔総員起立
  66. 松平恒雄

    議長松平恒雄君) 総員起立を認めます。よつて決議案全会一致を以て可決せられました。  只今決議に対し文部大臣より発言を求められました。高瀬文部大臣。    〔高瀬荘太郎君登壇拍手
  67. 高瀬荘太郎

    國務大臣(高瀬荘太郎君) 只今スポーツ振興に関しまして重要な御決議ありましたが、その趣旨につきましては政府としても全く同感の次第であります。スポーツの振興が、最近著く低下して参りました我が國民体位の回復向上のために、又健全にして明朗豁達な國民精神の振興のために、極めて重要なことでありますことは、政府としても十分に承知しておりますところであります。又先頃衆議院におきましても本日と同じ趣旨の御決議もありましたのであります。つきましては、今後政府といたしましては、スポーツの振興について本日の御決議趣旨をできるだけ早く実現いたしますために、各般の施策について一段の努力をいたして参るつもりであります。どうぞ議員各位におかれましても今後一層の御鞭撻と御支援をお願いいたしたいと思います。(拍手)    〔議長退席、副議長著席〕      ——————————    〔池田恒雄君発言の許可を求む〕
  68. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 池田恒雄君。
  69. 池田恒雄

    ○池田恒雄君 本員はこの際、纖維僞造需要者割当証明書の問題に関しまして緊急質問の動議を提出いたします。
  70. 島清

    ○島清君 只今の池田君の動議に賛成いたします。
  71. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 池田君の緊急質問の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。池田恒雄君。    〔池田恒雄君登壇拍手〕   「しつかりやれ」と呼ぶ者あり〕
  73. 池田恒雄

    ○池田恒雄君 只今私の緊急質問をお許し下さつたことを感謝いたします。  最近指定生産資材でありますところの纖維僞造需要者割当証明書が横行いたしまして、業界を非常に混乱させているということの大体の眞相と、それに対する政府責任並びに対策について質問いたしたいのであります。纖維と申しましても、特にマル公と闇の價格差の大きい綿糸、綿布等に僞造クーポンが多いというのであります。聞くところによりまするというと、今年の二月大阪市曾根崎警察署に檢挙されました商工省事務官、雇員、こういつた人々によつて構成されていた僞造團は、ダブル・クーポンというものを作りまして、これを政府ボスの力によつて正規のものを取つて來たというような工合に世間を見せかけて、これをブローカーを通じて市中に購賣した、こういうようなことであります。ところが、それがです、その確認担当係官がやはり犯人であるというようなわけで、これが又正規のものといたしまして代行店から現物化されて行つた、こういうような話でございます。併しこれらの犯罪は一應檢挙されて取調が行われておるのであります。ところが業界の情報を見ますというと、今日でも依然としてこの僞造クーポンなるものが泳いでおつて、そうして次々と現物化されて行つておる、こういうようなことなのでございます。それから又これを誰かの話では、銀座纖維局なんというものがあるとかいうような話でございまして、そうして漁網でございますとかその他莫大なる纖維品が闇に流れておる、そうしてその金額は大体十億円くらいじやないか、こういうことが言われておるのであります。これは要するに私がいろいろな人から聞いた話でございますが、ここで第一にこの僞造クーポンによつて生じた赤字が一体どれぐらいあるかということを商工当局から明らかにして貰いたい。第二には、綿糸、綿布というものは貿易國策の上にも、國民生活の上にも、或いは業界の利害の上にも、極めて重大なものであります。それで僞造クーポンによつて赤字が出ますると、こういう方面にいろいろな損害を與えて行く、或いは計画にいろいろな狂いを生じて行くということになるのでありますが、こういう関係に対する影響を商工当局はどのように始末をして行くのか。これは非常に各方面の人が心配をしておる点でありまするから、この対策をお伺いいたしたいと思うのでございます。  それからこの赤字をどのような方法で処理するかという問題であります。一体こういう赤字が出てしまつたのであります。いわば倉庫の中に穴があいておるのでありますから、そういうものをどういうふうにして処理するのか、或いはそういうものが消費者に対して影響するというような場合、これをどういうふうに処理するか、こういうことであります。  第四にお尋ねしたいのは、(一應僞造團が檢挙されておりますにも拘わらず、依然として僞造クーポンが氾濫しておる。一体これを当局は防止する方法がないのか。すでに檢挙された犯人が流したクーポンであるならば、これを檢挙したことによつて、何らかの方法でそれらの僞造クーポンを回收する方法があろうと思うのであります。ところが三月に檢挙いたされまして、すでに只今は五月の半ばになつておるのであります。だが依然としてそういうクーポンが世間に泳いでおるということになりまするというと、これは非常に不思議なことなのであります。  それから第五番目に、何が故にこのような僞造クーポンが現われて來るのかということであります。この犯罪防止の根本的な対策と申しましようか、或いは纖維行政に関する根本的な改革の問題と申しましようか、そういうことをお伺いして置きたいのであります。一本のタオルの闇値段は大体戰前の千八百倍、こういうことに言われております。これに対して食糧というものは非常にやかましいのでありますが、食糧品の闇價格というものは米で六百倍であります。これはもう比べものにならないのであります。つまり綿糸、綿布というようなものは、日本産業という方面から見ましても、國民生活という点か見ましても、タオル一本と米とを比較すれば分りまするように、極めて重要なる地位を持つておるのであります。それだけ又我々にとつて貴重なものであります。日本の國にとつても貴重なものであります。それ故に私は又、この日本の纖維というものは不思議な魔法の糸にもなるというふうに考えるのであります。不思議な魔法の糸、惡魔の糸でもあると、こういうふうに言わなければならないものだと思うのであります。こういう性格を持つて來ると思うのであります。でダブル・クーポンというものを作りましたものは、これは商工省の下級官吏がやつたと、こういう工合に新聞は一應報道しておるわけでありますが、一体こういう下級官吏を、こういう政治クーポンというような考え方を持たせて、こういう犯罪に彼らを誘つたというものは一体何かということを、私は考えなければならないと思うのであります。それは彼らを犯罪に誘つたと、こういうことは、最近日本では纖維問題を中心といたしまして、我々を驚かせるような大事件が起つておるわけであります。それは、つまり最近では前纖維局長の問題というようなものも起つておるわけであります。こういうようなわけで、私はこういう政界と申しましようか、官界と申しましようか、いわゆる纖維問題にからんでいろいろな不詳事件が起つておる、こういうことと併せまして、私は現在の商工省のこの纖維関係の行政が非常に綱紀が紊乱しておるのじやないか、こういうふうに考えるのであります。この商工省の綱紀の紊乱ということが、私は纖維につきましては、大小いろいろな犯罪を生む。そういうことがこれらの下級官吏をこういう犯罪に誘つておる。こういうふうに私は一應解釈しておるのであります。從つて私はこれは狹い考えでミミ。この問題を質問するということに申しておりましたところが、先程商工大臣は、その問題は政治次官が答弁する程度でよかろう、こういうことを言われたそうでございます。それで私の同僚藤田君がそういう性質のものではないと言つて、今商工大臣を引つ張つて來たわけであります。私は商工大臣のそういう考え方、ここに一つの問題があると考えます。私は、だから、これは、この際こういう問題は仮に商工省の纖維局の問題であろうと、纖維局の中の一纖維課の問題であろうとも、これは極めて重大であります。大臣がみずから考えなければならないところの商工省内部の網紀の問題であると考えるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)だから、私は大臣に対して、この際明らかにこの繊維の統制と商工行政の問題を、今後どのようにしてこのような問題を処理するか、このような犯罪を防止するか、そして今後間違いのない、國民も、業者も、又役人も安心して仕事のやつて行けるような方策をとるかということ、これを大臣に明らかにして貰わなければならないのであります。ただ何ぼ穴があいたかということであるならば、本会議で私は質問する必要がないのであります。それならば局長の答弁で結構であります。だが私が、ここで本会議で質問するというのは、こういう根本的の問題を大臣が明らかにしなければならないからであります。私はまじめな業者が困まつておるということを大臣に申上げたいのであります。まじめな官吏が困つておるということ、或いは又魚取りも、労働者も、農民も、家庭の婦人も、困つておるということであります。そうしてこの犯人が曾て繊維局から挙げられた関係上、今日でも尚、商工省内部にこういう犯人がおるのではないかという疑いの眼を全國民が商工大臣に集中しておる。こういうことを商工大臣がよく知つてつて、そうして商工大臣の責任ある、政治的な責任ある答弁を貰いたいのであります。一枚の爲造切符たりとも、商工省がボタ餅判を押して出した限り、この一枚の衣料切符と雖もこれは商工大臣みずから國民に対して何であるかと言うべきものであります。一枚の程度だから雇に任してもよろしいというような理窟には全然ならないということを御承知つて、そうして御答弁願います。(拍手)    〔國務大臣稻垣平太郎君登壇拍手
  74. 稻垣平太郎

    國務大臣(稻垣平太郎君) 池田君の御質問に対して御答弁申上げます。  先ずその前に、池田君に誤解であるようでありますから申上げて置きますが、私はこの質問に対して政務次官でよかろうと言つたようなお答えをした覚えはございません。そのことをはつきり申上げて置きます。ただ私は今朝司令部に用事がありまして、定例会見日でありまして、午前中はそちらに出ておつて、出席ができなかつたのであります。帰りまして、これも非常に重要な問題がありまして、或る関係の、商工省関係の事項につきまして重要な打合せをいたしておりましたので、藤田君がたまたまお見えになつたときに、政務次官がお答えすることは如何でございましようかと申上げたのであつて、商工次官で宣しいなんと、こういう失礼なことを申上げたわけではないので、この点は、はつきり申上げて置きます。(「分つた」と呼ぶ者あり)  そこで御質問でありますが、繊維に対する爲造の割当証明場が行われておつたということにつきましては、今池田さんの御指摘の通りでありまして、甚だ遺憾でありまするが、これは或る程度これによつて現物の授受が行われておることも事実であります。併しながら特にこれがために需給の混乱を來すがごとき事態は認められておらぬことを申上げて置きたいと思うのであります。これが防止のためには、更に取締当局と緊密に連絡をいたしまして、取締を嚴重にいたしますると共に、現在この証明書の用紙を特殊なものを使用することにいたしまして、又同時に証明書の発給事務の取締に対しましても、在いは池田さんが繊維局へお出向きになりますれば分ると思うのでありますが、特別の室を拵えまして、特に工夫を加えて、極力これが防止に只今では努力いたしておる次第であります。御指摘のように、省内の者がこれら僞造切符の行使に関係があるやの事態が以前に発生を見ましたことは、私といたしましても甚だ遺憾に存ずるのでありますが、勿論これについては十分官紀の粛正に努めまして、この種の事態は根絶いたしたいという覚悟を持つておることを表明いたしたいと存ずるのであります。(拍手)      ——————————
  75. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 日程第二十一、水防法案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。建設委員長石坂豊一君。     —————————————    〔石坂豊一君登壇拍手
  76. 石坂豊一

    ○石坂豊一君 只今上程されました水防法案について、建設委員会の審議の経過及び結果を御報告いたします。  我が國の國土は、海洋より來る風浪と高潮の害を受け、河川より來る供水の害が甚大であります。殊に近年相次いで起る水害の深刻なること、範囲の廣きことが、我々の眼前に現われておる事実であります。これが予防と防禦が完全でなければならぬことは論を俟つ迄もないのでありまして、この計画をすることが急務であるとして、本法案が提出されたのであります。即ち、洪水又は高潮に際し水害を警戒し、防禦し、これによる被害を軽減して、公共の安全を保持することを目的とする法案であります。  法案の大要を申しますれば、水防組織、水防活動、費用負担等について規定いたしたものであります。水防組織としては現状通り水害予防組合、市町村組合及び市町村が水防に責任を持ち、道府縣はこれらの團体が行う水防が十分行われるよう確保する責任を持つものであります。実際の作業は地元の状況に應じ現在の消防その他の組織を利用し、新たに水防團を設けて行うことといたしております。水防上公共の安全に重大な関係ありとして指定する予防組合、市町村等と都道府縣とは、水防の円滑なる実施のため、それぞれの水防計画を水防協議会に諮つて定めることといたしております。水防活動については、これを万全ならしめるため、氣象予報、水防通信等に関する措置を定めると共に、非常事態における各種の緊急なる処置を定めました。尚、都道府縣知事並びに建設大臣は、水防上特に緊急を要するときは指示を與えることができることといたしております。水防に要する費用は、原則として地元團体の負担といたしております。尚、必要なる罰則並びに附則を設けておるのであります。  本法案の審議に際しまして、本委員会を数次開催し、政府との間に熱心なる質疑應答を行い、審議の愼重を期した次第であります。その詳細は速記録に讓ることといたします。質疑を終り討論に入りましたところ、島津委員より、水防計画に関する條項でありまする第七條第一項中「建設大臣及び國家消防廳長官の承認を受けなければならない」とありますのを、「建設大臣の承認を受け且つ承認を受けた水防計画を國家消防廳長官に報告しなければならない」というふうに修正動議が提出されました。その理由は、原案によれば、水防に関する指導指示の系統が二途になります。即ち建設大臣と消防廳長官との二途になる虞れがあります。よつて行政の簡素化の趣旨に基きまして、かく修正いたしたのであります。よつてこの修正案を採決に付しましたところ、全会一致可決いたしました。次いで修正した第七條第一項に除きまして、他の全部について採決したところ、原口、岩崎、北條各委革より   第一、本法の実施に当つては河川法に基く河川管理者の権限及び責任との関係を調整して、その間齟齬を生ずることのないよう水防の万全を期すること。又災害救助法との関係に留意して水防と災害救助の円滑なる実施を図ること。   第二、水防團の設置については、既設消防團との関係を顧慮して、徒らに組織機構の重複と摩擦を起さざるよう注意し、且つ負担の増嵩を來たさしめないよう十分に留意すること。   第三、水防の経費については、今後國庫において相当の補助を與え、地元の負担を過重ならしめない方途を講ずること。  特に本項については強力な要求があつたのであります。  以上三点を條件として賛成討論があり、これに対して政府としては、その趣旨に副うよう最善努力をするとの発言がありました。よつて討論を終り、採決の結果、全会一致を以て第七條第一項の一部を修正して、その他は原案通り可決いたしました。右御報告いたします。(拍手
  77. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 本案に対し討論の通告がございます。兼岩傳一君。    〔兼岩傳一君登壇拍手
  78. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 一昨年九月一五日に利根川が栗橋の上流で決壞いたしまして、堤防の受けた損害は八億円であります。続いて昨年九月のアイオン台風の損害が二億円であります。これらに対しまして復旧費は六億を投ぜられたに過ぎません。私は先週現地を調査いたしましたが、損害個所百五十ヶ所のうち、完全に復旧いたしておりますのは五十ヶ所で、約百ヶ所は依然として破損のままなのが現状であります。又埼玉縣、これ亦私は自分で調査して参りましたが、利根川の支流、小山川、荒川、及びその支流入間川の損害は、昨年、一昨年で四億円、これに対する政府の國庫補助は僅かに千五百万円に過ぎないのであります。最も悲惨なのは群馬縣、これも私は自分で調査して参りましたが、昨年、一昨年、利根川上流渡良瀬川その他の損害が実に六十億円、このうち三十五億円は著工いたしましたが、工事のできたのは僅かに二十億円、残る四十億円につきましては、工事は勿論のこと、支拂の方針さえ持たないという悲惨なる状態に追い込まれております。このような悲惨なる状況で関東地方は水害を將に迎えようとしております。  全國的に見ましても事情は全く同様であります。例えば昨年、一昨年の河川の損害は五百十五億円、これに対して投ぜられました復旧費は、その五分の一にも足りない僅か百億円、本年度はどうか。政府は厖大五千億円の税金を国民から集める。そのうち二千億円までを一部の特権企業の独占的大産業資本家、金融資本家を保護するために支出してしまう。そうして治山治水の予算は、何と僅か六十億円、河川の災害の復旧費は僅かに百九億円、のみならず建設省関係の職員に対しても、一律に二割、三割の首切りを以て臨まんとして準備しておるのであります。  このような事態に対して吉田内閣は、只今委員長から報告になりましたような水防法案を提出しております。その本質を一言にして批評するならば、恐るべき急速なる荒廃に向つて進んで行く水害に対して、何一つ物質的な裏付けもなく、一片の法律によつてこれを防止せんとするものでありまして、その非科学的なこと、その反人民的な性格は誠に驚くべきものであり、誠に憂慮すべきものであります。日本共産党は以下の三点から、この法律に対して反対をいたすものであります。  第一は、この法案の持つております科学技術を無視した欺瞞的な性格であります。凡そ水防の根本対策は、先ず治山治水の実施であります。次に、壞れた河川を復旧して行くことであります。そうして更に科学技術に基く水防対策を実践して行くことであります。ところが政府の根本的な治山治水を殆んどすることなく、災害復旧も大部分を壞れたままに放置しておいて、そうしてかような科学的な前提を欠除してしまつた上に、更に資金も、資材も、機械設備などのような技術的な措置も、何一つ伴わないような本法案を以てするような水防をもくろんでおりますが、これは正に國民大衆を欺瞞するものでありまして、その非科学的な点は、正に東條内閣時代に竹槍とかバケツを以てB二十九に対抗しようとしたあの態度と瓜二つであります。  第二は、水防の責任政府が少しも持つていないということであります。本法の第三條によりますと、「水害予防組合は、その区域における水防を十分に果すべき責任を有する」と規定しております。この水害予防組合とは何か。それは市町村であります。市町村が水防に関する財政的その他の一切の責任を背負うのであります。政府は何も背負わないのであります。御承知通り市町村の財源は苛烈な中央集権的なこの税金の制度によつて中央に吸收され、起債の抑制、地方配付税の配付率の削減、又頻発する災害、六・三制による学校建築等で莫大な負債を背負つておるのであります。それのみか、自治警察とか、義務教育とか、その他の当然國家が負担しなければならないような、そういう費用までも負担をしております。今や市町村の疲弊はその極に達しておる。その市町村に対して、本法によつて治山治水と災害復旧、そういつた科学的な前提を欠除して正に大崩壊が迫ろうとする河川の水防の全責任を背負せようとするものであります。  第三は、この法案の反人民的な性格であります。本法の第六條によりますと、水防團員、これは結局地方人民がやるのでありますが、水防團員の給與とか、扶助とか、服務といつたようなものは市町村の條例で決めることになつております。地方民はこの法律によつて水防團員として組織されて、水防の全作業を身を以て実施しなければならない。從つてそのために仕事を休まなければならない。負傷をするかも知れない。病氣になるかも知れない。最惡の場合は殉職するかも知れない。ところが、その費用は同法の三十二條によりまして、当該水防管理團体が負担すると、こういうことになつておりますから、これは、すべて負担力の貧弱な市町村が負うということになるのであります。從つて地方財政の破綻の実情からいたしまして、正当な額を支出するということは殆んど不可能に近く、結局において犠牲を受けました地方人民それ自身がその損害の大部分を負うということになる。これは正に戰時中の國家総動員法による徴用員の制度の吉田茂版であります。  結論に入ります。以上の分折から、私は、はつきりと本法のみじめな失敗の運命を予見することができるのであります。即ち戰爭中から今日まで引続く治山治水の放棄、その結果、一昨年から激増して來た水害、これに対して何ら科学的な対策を樹立し実践する御意も能力も持たないで、一片の法律によつて水防の全責任を疲弊した市町村に、そうして更に地方人民の肩に轉嫁しようとする、誠に吉田民自党政府の反人民的な、フアツシヨ的な性格にふさわしい水防政策であります。從つてこの法律案が水防の効果を挙げることは不可能に近いことは勿論、私は科学技術的な確信を以て、來年を待つまでもなく、本年の秋の出水期において、早くもみじめな失敗を示すであろうことを予言するものであります。從つて私は政府に対して、独占資本擁護或いは警察力の増強その他の反人民的な予算を削減して、眞に科学的な水防及び根本的な治山治水、災害復旧予算を計上すると同時に、水防のために第一線に挺身する建設省関係の職員の首切りを中止すべきことを要求して、反対討論を終るものであります。(拍手
  79. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) これにて討論通告者の発言は終了いたしました。討論を終局したものと認めます。これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告通り修正議決することに賛成諸君起立を願います。    〔起立者多数〕
  80. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正の通り議決せられました。      ——————————
  81. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 日程第二十二、在外公館等借入金整理準備審査会法案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。外務委員会理事伊東隆治君。     —————————————    〔伊東隆治君登壇拍手
  82. 伊東隆治

    ○伊東隆治君 只今議題となりました在外公館等借入金整理準備審査会法案に関しまする外務委員会の審議の経過及びその結果につきまして御報告申上げます。  先ず本法案の性質について申上げます。在外公館等の借入金と申しますのは、終戰に際しまして、東亞各地における在外公館、居留民会等が外務省の訓令に基きまして、在外法人の救済、引揚げ等に要する資金を、後日返済する條件で借入れた資金でありまして、性質上当然國の債務と認むべきものと考えらるるものであります。政府側の説明によりますというと、関係債権者数は約二十八万名、借入金総額は九億円に達しておるのでありまして、この借入金の返済方につきまして、國会陳情請願を採択して政府に適当の処置を要望した次第もあり、政府は速かに本件借入金の整理を行う方針の下に本法案を國会に提出したとのことでありました。この整理準備審査会の内容の詳細につきましては、お手許の法案につきまして御承知願いたいのでありますが、主なる点を簡單に申上げますと、第一に、本法案が成立しますれば、借入金を政府債務として確認する手続を進めることができること、第二に、借入金の返済の問題、例えば返済の額、方法、換算率等につきましては、別途考究する建前で、別の法律を以て定めること、第三には、審査委員会の構成員中、外務大臣の命ずる六人の委員には、現地において借入金に関係の深かつた者から選ぶこと、第四に、本法律案実施に当つては、民間委員の手当及び約二十八万通の確認証の発給等、事務費を要するのでありますが、本年度予算には経費がありませんので、本法律案の施行期日は、來年度予算との関係も勘案いたしまして、昭和二十五年五月一日までの間に政令で定める建前であること等の点であります。  次に質疑の結果、借入金を受けた東亞各地とは、満州、関東、朝鮮、中國及びフイリツピン、佛印、シヤム、マカオ等の南方地域でありまして、その金額は、満州における六億六千九百万円を筆頭といたしまして、関東州、朝鮮、中國及び南方地域の順で、計約九億一千七百万円であること、借入金の確認の階段にありましては全額確認の建前をとるが、現実の支拂に当りましては内地居住者との均衡もあり、何らかの制限を予想されること等の諸点が明らかにされました。要するに本法案は、在外邦人が当時の困難な経済状況の下におきまして國家に必要な資金を提供したことに対し、政府がその債権を確認し、追つて借入金の返済をなずために準備機関を設置せんとするものでありますからして、本案は承認して差支ないものと認めた次第であります。次いで討論を経て採決に入りましたところ、全会一致本案は可決すべきものと決定をいたした次第であります。以上を以て報告を終ります。(拍手
  83. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を請います。    〔起立者多数〕
  84. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 過半数は認めます。よつて本案は可決せられました。      ——————————
  85. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 日程第二十三、簡單郵便局法案(内閣提出)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。逓信委員長大島定吉君。     —————————————    〔大島定吉登壇拍手
  86. 大島定吉

    大島定吉君 只今議題となりました簡易郵便局法案逓信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。  先ず本法案の提案理由といたしましては、郵政事業の第一線窓口機関は、現在普通郵便局、特定郵便局を合計しまして一万四千九局でありますが、今尚、窓口機関を持つていない町村は全國に約千八百残されており、昭和二十二年度末の人口統計で見ますと、人口五千六百五十六人に対し一局の割合で配置されておる勘定になりまして、その普及率は著しく低いのであります。從つて郵便局新設の要望は國会請願を通じましても極めて熾烈なものがあり、而も現地の実情から見て誠に当然の要望と考えられるものが少くないのであります。併しながら今日の郵政事業財政は、極力支出の抑制を図り、この経営の合理化を企図しているため、新規に増員を必要とする直轄郵便局の新設は極めて困難であつて郵政事業公共使命の遂行に甚大な支障を來しますので、現在の特定郵便局よりも更に一段と簡易にして経済力な新制度を創設して、少い経費で一局でも多くの窓口機関を普及せしめようという見地から、本法案を制定しようとするものであります。以下この法律案の内容の主な点を申上げます。  その第一は、郵便局の窓口のサービスを公衆に提供する必要がある場合におきまして、事務の量が少いため、國の直轄する郵便局によらないで、地方公共團体又は農業協同組合等に委託して行わせた方が経済的であり、且つ郵政運営上も支障がないと認められるときは、郵政大臣との契約によつて國の郵政事務の一部を行わせることができることといたしたのであります。第二はこの郵便局で取扱う事務の範囲は、郵便郵便貯金、郵便爲替、簡易生命保險及び郵便年金に関する窓口事務の中で省令で定めるものと限定いたしまして、窓口事務のうち極めて簡易なもので而も一般に利用度の多いサービスのみに限つたことであります。第三は、この事務を委託された地方公共團体等は、その役職員をして事務を行わせますと共に、必要な設備をし、又必要な経費を支弁する責任を負うのでありますが、郵政大臣はこれに対してその取扱事務量に應じた手数料を支給することとしたことでありまして、この手数料は月額二万円を以て限度としたのであります。  本委員会は、本案が付託になりまして以來愼重審議いたし、各委員から熱心な質疑がありましたが、詳細は速記録により御承知を願うこととし、ここにはその大要を申述べたいと存じます。  先ず第一に、本簡易郵便局と現在の無集配特定局との関係について、その両者設置の標準如何という質問に対しましては、この簡易郵便局に支拂う手数料最高限は二万円となつているが、これは取扱事務量が二人程度の人手で捌けることを予定してある。事務量が三人分に達したときは特定局に昇格せしめることを建前としているとの答弁がありました。更に本簡易郵便局は、郵政事業財政の状況によつては現在の特定局を次第に本郵便局に移行せしめる方針であるかとの質問に対しましては、本案郵政事業の持つ公共性の見地から簡易なる窓口機関を普及せしめたい精神に外ならないのであつて、現在の特定局をこれに切替えることは考えていないとの答弁がありました。次に簡易郵便局に委託すべき事務の範囲について、保險、年金の新契約を取扱わせることは、募集手当等のことから特定局との関係において面倒が起りはしないかとの質問に対しましては、この委託契約を結ぶ際にはできるだけ既存の特定局の事務量に影響なきよう現実の運用において考慮するとの答弁がありました。又委託すべき事務の範囲を挙げてある第六條には、印紙の賣さばきを挙げていない、郵政設置法第三條との関係から言つても印紙の賣さばきを條文に入れるべきではないかとの質問に対しましては、先日國会で成立した「郵便切手類賣さばき所及び印紙賣さばき所に関する法律」第四條との関係から、この條文で足りるとの答弁があり、又この点については本院法制局の意見を徴しましたが、同様の意見でありましたことを申添えて置きます。  次に、國の現金の取扱について犯罪又は事務上の過失により事故の生じた場合の責任如何という質問に対しましては、責任はすべて委託を受けた町村長又は組合長に負わすのであつて、現実の担務者の責任は町村長又は組合長との間に関係に過ぎないが、いずれにしても不慣れな事務担当者に種々雜多な事務を行わしめるので、これが事故防止のためには、事前に担当者の教育を施すと共に、指導監督は特に嚴重にこれを行う方針であるとの答弁がありました。  以上を以て質疑を終り、討論に入りましたところ、民主党の小林委員より、犯罪又は過失による事故の生ずる虞れがあるから、運用に当つては十分監督に力を注がれたいとの希望を付して賛成があり、次に無所属懇談会の千葉委員より、本案郵政事業の独立採算性を堅持する建前を前提とし、國が負うべき負担を公共團体に負わせようとするものであること、及び曾ての特定局制度の弊害を再現するものであるとの趣旨を以て反対意見がありました。かくて討論を終り、採決に入りましたところ、多数を以て原案の通り可決すべきものと決定いたした次第であります。以上簡單ながら御報告申上げます。(拍手
  87. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 本案に対し討論の通告がございます。千葉信君。    〔千葉信登壇拍手
  88. 千葉信

    千葉信君 私は只今議題となりました簡易郵便局法案に対し反対の意見を表明するものであります。  反対する理由の第一点は、由來独立採算制を採るべきでない、又採ることのできない、かかる公共事業に無理強いにこれを採ろうとしておるところから、この法案が生れたものでありまして、私は先ず根本方針としての独立採算制そのものに対して反対なのでございます。政府は口を開けば、独立採算制は経済九原則の要請するところであり、不可避の命題であると陳弁をいたしますが、我々の了解する限りでは、経済九原則の要請するいわゆる均衡予算なるものは、決して一事業、一特別会計の均衡予算を強調するものではなく、一般並びに特別会計全体を通じての均衡予算を指すものであるということであります。このことは現内閣によつて故意か或いは曲解かによつて歪められて、さながら個々の特別会計、國鉄、電氣通信等にも採用せられ、今又最も收益性の少い而も公共郵政事業にこれを強行しようとしておるのであります。本法案を生むに至つた原因として私は先ずこの点に賛成し難いのでございます。  理由の第二点は、終戰以來大きな労働問題として採り上げられ、前後三年有半にしてやつと実質的に改善されたところの、いわゆる請負制度である特定局制度が、この簡易郵便局制度によつて再現されようとしておるからでございます。明治初年に特定局制度が設けられました当初も又今日と同様に民間経済力に依存して事業の拡充を策したものであり、特に当時の官尊民卑の氣風を巧みに利用したものでありますが、年月を経るに從つて次第に花より團子という傾向が生じ、ここから請負制度の欠陷とする從業員に対する飽くなき搾取が行われるに至つたのでございます。給與のピン刎ねや賃金切下げのための首切り、私用への使役、労働強化が平氣で行われ、殆んど常識的にこの状態が継続して、長い暗澹とした特定局從業員の苦難の歴史が続いたのでございます。ここに終戰以來の特定局制度の廃止という大きな労働問題が胚胎したのでございます。それが今日再び本法案によつて繰返されようとしておる。成る程政府説明によれば、簡易郵便局從業員地方公共團体職員或いは協同組合の職員であり、國家公務員ではなく、その給與、労務等は政府の関するところではないという態度でございます。同じ郵政事業に從事しながら、これらの人々だけが別個の処置を受けるということに、すでに納得し得ないものがあるばかりでなく、受託者であるところの地方村落の公共團体や協同組合が、本法第十一條によつて戸数二百五十、三百を抱えた事務量では、当然特別に要員を配置しなければならないという負担を負わなければならないし、一方、採算上から給與の低下や労働強化に轉移する危險性を多分に含むものであつて、ここに請負経営の惡弊が十分に予見され、個人に対する委託が單に團体に置き換えられた昔日の特定局制度への逆轉であるという結論に我々は立たざるを得ないのでございます。以上を以て私の本法案に対する反対の討論とするものでございます。(拍手
  89. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) これにて討論通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を請います。    〔起立者多数〕
  90. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。      ——————————
  91. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 日程第二十四、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、大阪工業試驗所國支所並びに電氣試驗所新潟支所及び金澤支所設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。商工委員長小畑哲夫君。     —————————————    〔小畑哲夫君登壇拍手
  92. 小畑哲夫

    ○小畑哲夫君 只今議題となりました地方自治法第百五十六條第四項に基き、大阪工業試驗所國支所並びに電氣試驗所新潟支所及び金沢支所設置に関し承認を求めるの件について、商工委員会における審査の経過並びに結果について御報告申上げます。  本件の内容は、工業技術廳設置法施行令により、すでに件名において申上げたごとく、四國に大阪工業試驗所支所及び新潟と金沢の両市に電氣試驗所の支所を新設することであります。そこで先ず四國支所新設の理由を申上げますと、元來、四國は相当量の資源に惠まれ、特に塩化バリウム、硫化曹達の化学工業を初めとし、今後伸張すべき工業として、海水化学、耐火物、紙及びパルプ工業等の諸工業が主なるものでありますが、修上の諸工業が我が國産業界に占める割合の大なるに拘わらず、試驗研究機関としては單に地方的な研究機関のみで、総合的な工業試驗研究機関が現地に存在せず、辛うじて大阪工業試驗所の指導に頼つていたため、強力な工業指導には不便な点が多く、技術の高度化を妨げていたので、当然振興すべき工業も徒らに低迷していたのであります。かくのごとき状態に放置することは、ひとり四國という一地域の問題のみならず、我が國産業経済の消長に重大なる影響を與えるので、当面な目標である四國全般の工業水準の向上を図るためには、強力且つ総合的な工業試驗所を現地に設置せねばならぬ必要が生じて來たからであります。次に電氣試驗所の支所設置の理由でありますが、現在新潟、金沢地方の電氣計器の檢定は年六万個以上に増上しておる状態に鑑みまして、今まで当該地方の檢定を取扱つていた福島支所、名古屋支所では輸送上の不便があり、併せて檢定能力が不足するので、これらの欠陷を除去するためには、右二支所の設置が必要であるからでございます。本委員会におきましては、関係政府委員の出席を求め、本件につきまして愼重なる審議の後、討論採決に入りましたところ、全会一致を以て承認することに決定いたしました。以上御報告申上げます。(拍手
  93. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより本件の採決をいたします。委員長報告通り本件に承認を與えることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。よつて本件は承認を與えることに決定いたしました。      ——————————
  95. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) この際お諮りいたします。小野光洋君より文部委員を、深水六郎君より逓信委員をそれぞれ辞任いたしたい旨の申出がございました。いずれも許可うることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。つきましては、その補欠として文部委員に深水六郎君を、逓信委員に小野光洋君を指名いたします。  議事の都合により、本日はこれにて延会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 松嶋喜作

    ○副議長(松嶋喜作君) 民異議ないと認めます。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。    午後三時九分散会      —————————— ○本日の会議に付した事件  一、議員の請暇  一、日程第三 通信事業復興促進に関する決議案  一、日程第四 簡易生命保險及び郵便年金積立金運用に関する決議案  一、過度経済力集中排除法に基く東京芝浦電氣株式会社の再編成に関する緊急質問  一、日程第六 水先法案  一、日程第八 國家公務員共済組合法の一部を改正する法律案  一、日程第九 郵政事業特別会計法案  一、日程第十 電氣通信事業特別会計法案  一、日程第十一 國立國会図書館法の一部を改正する法律案  一、日程第十二 國立國会図書館法第二十條の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律案  一、日程第十三 獸医師法案  一、日程第十四 出版法及び新聞紙法を廃止する法律案  一、日程第十五 少年法の一部を改正する法律案  一、日程第十六 少年院法の一部を改正する法律案  一、日程第十七 檢察廳法の一部を改正する法律案  一、日程第十八 民法等の一部を改正する法律案  一、日程第十九 公証人法等の一部を改正する法律案  一、日程第二十 人権擁護委員法案  一、常任委員辞任及び補欠の件  一、日程第一 学校教育法の一部を改正する法律案  一、日程第二 スポーツの振興に関する決議案  一、纖維僞造需要者割当証明書の問題に関する緊急質問  一、日程第二十一 水防法案  一、日程第二十二 在外公館等借入金整理準備審査会法案  一、日程第二十三 簡易郵便局法案  一、日程第二十四 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、大阪工業試驗所國支所並びに電氣試驗所新潟支所及び金澤支所設置に関し承認を求めるの件  一、常任委員辞任及び補欠の件