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1949-07-13 第5回国会 参議院 文部委員会 閉会後第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十四年七月十三日(水曜日) 午前十一時八分開会 ————————————— 本日の会議に付した事件 ○
教育文化施設
及び
文化財保護
に関す る
調査
の件 (
入場料
その他
文化関係
の税に関す る件) —————————————
田中耕太郎
1
○
委員長
(
田中耕太郎
君) それでは今日の
委員会
を開会いたします。 本日の議題は
教育文化施設
及び
文化財保護
に関する
調査
の件でございます。この
調査
の一部分といたしまして
入場料
その他
文化関係
の税に関する件につきましてかねがね
專門員室
で材料を整えて
調査
をいたしておるわけでございます。
シヤウプ・ミッション
との
関係
上、こちらの
委員会
で以て何らかの
意見
を
司令部当局
の方に出すべきや否や、又その
内容
はどういうふうなものになすべきかというような点につきまして、御協議をお願いいたしたいと思うのでございます。如何いたしますか、初めに
專門員室
で以て
調査
いたしました結果につきまして、大体のところを御報告いたしまして、そうして御
意見
等伺うことにいたしましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
田中耕太郎
2
○
委員長
(
田中耕太郎
君) では
石丸專門員
に御報告願いたいと思います。
石丸敬次
3
○
專門員
(
石丸敬次
君)
資料
第四十三号から御
説明
いたします。これは
教育文化宗教関係
の
租税
の
実態
、現行の
租税
の
実態
を
調べ
まして、それを基にいたしまして、どういうふうに
教育
、
文化
、
宗教
を護るために、又振興するために直したらばよかろうかということの
意見
を、
專門員室
としての
意見
を挙げた
調べ
でございます。 それから四十四号は、その中で
入場料
の
関係
の
調べ
でございます。四十四号の
調べ
は
演劇
、
映画
の十五割を十割にした場合には
税收入
はどうなるかということの
調べ
でございます。 それから四十五号は
運動競技
の
入場税
の軽減に関する
調べ
でありまして、これも十五割を十割にした場合には
税收入
はどういうふうに動くかということを
調べ
たのであります。 それから四十七号でございます。四十七号は
演劇
、
映画
、
運動
、
競技
の
入場税
を十五割を六割にした場合には
税收入
はどういうふうに動くかということの
調べ
でございます。 それから四十八号は
運動競技
の十五割を七割五分に下げた場合には
税收入
の
関係
はどういうことになるかという
調べ
であります。 四十九号は
演劇
、
映画
を七割五分に下げた場合と、六割に下げた場合には
税收入
はどういうふうになるかという
調べ
でございます。この中の
入場料
の
関係
は、主として
演劇
、
映画
につきましては、
演劇
、
映画
の
連合会
の
幹部
と東宝の
幹部
、その他の人と十数回打合せをしましたものを基にいたしましたのと、第三者の若干の
意見
も加わつたのでありますが、大体の
資料
の基はさような
團体
からの
資料
を基にいたしましたのでございます。それから
運動競技
につきましては、
野球連盟
の方との連絡によりまして得た
資料
を基にしたのでございます。以上は各
調査
の各号についての主な点を申上げたのでありますが、一番初めの
教育
、
文化
、
宗教関係
の
租税
の
調査
、このうちで六枚目の「
教育
、
文化
、
宗教関係減免税一覧
」という
一覧表
、これは今の
税法
から
教育
、
文化
、
宗教関係
の
減免税
に関する
事項
を拔き上げまして、それを
一覧
にしたのでありまして、一番上の段には税目を掲げました。
所得税
、
法人税
、
相続税等
十二
項目
を掲げてあります。その下の段の横の方に
教育
という字に、
法人
たる
私立学校
、大
日本育英会
と
二つ
に分けて、その横に二重丸が附いておりますが、これは不
課税
、つまり
税金
を課けないというのであります。
從つて所得税法
の下の(三)とあるのは、
法人
たる
私立学校
は
所得税法
第三條で
免税
にな
つて
おる。その次は
法人税法
の四條で
免税
にな
つて
おる。それから
相続税法
の二十九條で
減税
にな
つて
おる。贈
與税
では
相続税法
二十八條で
減税
にな
つて
おる。小さい丸は
減税
を示しております。そういうような書き方でここに表現してあるのであります。第三段目は
学術研究其他文化
(
学校
以外の)の分であります。それにはどういうふうに
減免
或いは不
課税
の
取扱
にな
つて
おるかということを示しておるのであります。
宗教関係
については
宗派法人
と
法人
たる寺院、教会、神社と二通りありまして、おのおの違
つて
おる分もありますし、又共通の分もありますが、各
税法
で別に載せてあるのであります。かようにいたしまして、斜線の引いてありますところは、全然
免税
又は
減税
の
取扱
のないことにな
つて
おりますし、三角の印は公共的
なつ
まり
裁量
によ
つて免税
又は
減税
してもよろしいという
法律
の
取扱
にな
つて
おります。 この法文のそこを基にして作りました
一覧
、これを基にいたしまして、それでは
教育
、
学術
、
文化
、
宗教
、
社会教育関係團体
、
國宝
、史跡、
名勝つまり文化財
の
保護
という点でどういうふうに
税法
を改めたがよろしかろうかということを二枚目の二に御審議の御参考のために
專門員室
で拔き上げたのであります。二は「
教育
、
文化
、
宗教関係租税
の
減免等
の措置につき考慮すべき諸点」というのであります。これは今申上げたように
私立学校
に関してはどうしたらよいか、
宗教法人
についてはどうしたらよいか、
社会教育関係團体
について例えば
文化財
の
保護
についてはどうしたらよいか、
学術
、
研究其他文化
に関する
事項
はどうしたらよいか、
最後
に全部に共通した
研究事項
を掲げたのであります。以上は
内容
には余り触れませんでしたが、立案の
趣旨
について簡單ですが、御報告申上げた次第であります。
内容
につきましては、御命令によりまして、或いは御
質問
によりまして、
委員長
の許可を受けい御返答申上げる次第であります。
田中耕太郎
4
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 何か御
質問
ございませんか。
三島通陽
5
○
三島通陽
君 六枚目の表でございますがね、
社会教育関係團体
にも何か
免税
があるように……。私今
説明
がよく分りませんでしたから伺いますけれども、何かそういうものがあるのでしようか、贈
與税
みたいなものは○印にな
つて
いるのですが、
減税
があるのですか。
石丸敬次
6
○
專門員
(
石丸敬次
君) 今のお話は
社会教育関係團体
のことでございますか、或いは
社会事業團体
でございますか。
三島通陽
7
○
三島通陽
君
社会教育
……
石丸敬次
8
○
專門員
(
石丸敬次
君)
社会教育團体
はここに挙げておりますように、
所得税
は
所得税法
三條で
免税
、それから
法人税
は
法人税法
四條で
免税
、それから
相続税
及び贈
與税
については、一定の額だけは
減免
にな
つて
おります。それからこれに関連した問題といたしまして、例えば
私立学校
におきましては、
私立学校
の
復旧
に要する
寄附
については、
法人税
は、
法人
の税を課する場合においては、会社ではそれを損金として扱うということにな
つて
おります。ところが
社会教育事業團体
に
寄附
した場合には、こういう
取扱
にな
つて
おりません。
宗教関係團体
についても同樣、
学術研究團体
についても同樣、
育英会
についても同樣であります。ですから
改正意見
としてはそういう場合には、やはり
私立学校
に対すると同じような扱いをして貰いたいということを挙げたのであります。 それからその次に、
登録税
は適用されておりません、
免税
にな
つて
おりません。有價証券の方はこれは
免税
にな
つて
おります。
物品税
、
輸入税
は
減免
されておりません。
地租
については明瞭に
免税
又は不
課税
とな
つて
おりません。ただ
公益
上の見地から
裁量
はできる、こういうことにな
つて
おりますが、実際問題といたしましては
免税
の
取扱
をしておりますけれども、これをやはりはつきり明文で
免税
又は不
課税
ということに改めたらどうか、それから
家屋税
についても同樣、
事業税
については
免税
にな
つて
おります。
取引高税
は
免税
にな
つて
おりません。
三島通陽
9
○
三島通陽
君 今の御
説明
なんでありますけれども、
地租
とか
家屋税
とかいうものが実際問題として
免税
にな
つて
いないのです。この前の
社会教育法
が第五
國会
で上程されたときにも、そういう
質問
が大分出た。というのは、例えば、YMCA、YWCAとかいうもの、
家屋税
とか
地租
とかいうものが
免税
にならないために、わざわざ
各種学校
をや
つて
、
各種学校
の名において
免税
をしている。実際問題として同じことをや
つて
いる。或いはその
建物
の一部だけを
各種学校
にする、そうすれば
建物
の一部だけが
免税
にな
つて
、あとは
免税
にならないというようなことがあると、これは甚だ不公平ではないか、だから同じことをや
つて
いるものは全部
免税
なり、或いは
減税
なりということを考えたらどうかということと、それと
社会教育
というのはこれからは
民間團体
でやる、そういう特典を與えて行くことが、
民間團体
が
社会教育
をや
つて
行く上に必要じやないかという御
意見
をどなたかが述べられました。
証人喚問
のときにもそういう御
意見
が出まして、私もちよつとそれに触れたのであります。併し
社会教育
というものは、そういう或る
團体
、或る
團体
、沢山
團体
がありますから、その数多い
團体
の中で、
社会教育
なるが故に
免税
をするということは非常にむずかしい。だから
レジスター
ということが考えられるのじやないか、
社会教育團体
が
レジスター
をする、
レジスター
をした
團体
に対しては
各種学校
と同等に
取扱
うことも考えられるということを、前の
社会教育局長
に私申上げたことがあるのですが、何か
專門員
の方でそういうことを御
研究
になりましたか。
石丸敬次
10
○
專門員
(
石丸敬次
君) ですから今のところは
地方税
では
社会教育事業関係團体
ははつきり
免税
するということは出ておりません。おりませんから、それば第十四條で
公益
上その他の事由により
云々
という、ただ
裁量
的の規定ですから、それで今度の
改正
についてはやはり
社会教育関係團体
については、することができないというふうに改めたらどうかということの
意見
をここに挙げているわけなんであります。ですから
裁量
で行
つて
いるのですから、
裁量
のきつい縣はする。しても極く
範囲
が
狹い
。非常にそういう面に関心の深い縣ですと、
範囲
を廣くするというようなことになりますから、やはり不
課税原則
の十何條の中に入れるというふうにすればいい、私共の
意見
の中にはつきり入れるということの
項目
を謳
つて
あるのでございます。
三島通陽
11
○
三島通陽
君 併し
社会教育團体
というものは種々雜多で甚だむずかしい。実際問題としてどれを
社会教育團体
として
免税
するかというようなことは……。そこで結局そういうことにな
つて來
ると
登録
ということが問題にな
つて來
るのじやないかと思いますけれども、これは他日の
研究
に待ちたいと思います。
田中耕太郎
12
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 外に御
質問
なり御
意見
なりございませんか。
河野正夫
13
○
河野正夫
君 この表ですがね、この表に入
つて
いないのですけれども、
文化
という面から言えば非常に重要なことなんですが、
著作権
の
相続
といつたような場合、
免税処置
というか、そういうことについては
專門員
は
調査
されたのですか。
石丸敬次
14
○
專門員
(
石丸敬次
君)
著作権
の問題は
著作権
の
相続税
の問題だと思います。それはやはり
相続税
、贈
與税
の中に
学術研究
その他
文化
というところに、
法人
については
免税
させる、
法人
でないものは入
つて
おりません。
河野正夫
15
○
河野正夫
君 これは今は
質問
のときで
意見
のときじやないけれども、
問題点
は、例えば
漱石
なら
漱石
が死んだ、そうすればその
著作権
は当然遺産として
相続
されるわけですが、併し今後
出版
されるのでまだ
一つ
も
出版
されていない、ところがそのときに
税金
をうんと取られる、そこらに
減税
でなくても、
課税
の何か
改正
をするのではないか、こういつたようなことなんですか。
田中耕太郎
16
○
委員長
(
田中耕太郎
君)
質問
と御
意見
と区別しないでも、御
質問
なり御
意見
なり御自由にして頂いていいのじやないですか。
石丸敬次
17
○
專門員
(
石丸敬次
君) 今のはどういうふうに直したらいいかという
意見
の中に一
項目
謳
つて
あるのです。それは四枚目の第五、
学術研究
その他
文化
に関する
事項
の四に謳
つて
あります。
河野正夫
18
○
河野正夫
君 分りました、
田中耕太郎
19
○
委員長
(
田中耕太郎
君) これは結局なんですね、
評價
の問題にな
つて來
ますね、
出版
が
將來見込
がないような……
重版
、そういうものについては
評價
の点で非常に少くなるというような点を合理的に考慮すればいいと思われます。
山本勇造
20
○
山本勇造
君 この問題が起つたのは
菊池
の問題が口火をなしていると思います。
菊池
は生前
相当名前
があつたので、例えば
税務当局
は
最低
二百万円以上五、六百万円の
税金
を出せというのです。けれどもそれは
菊池
は生前には非常に
名前
があつたのは御承知の通りでありますけれども、追放に
なつ
たり、それから死んでしまつたら全集さへ出ない。それをただ前の
名前
だけによ
つて
、そうして何百万円出せということは非常に氣の毒だと
思つた
、実は私
達友人
の立場もあり、又
友人
ということを離れて公正にや
つて
貰わなければなりませんので、しばしば
大藏当局
と話合
つて
いるのですけれども、こういうのは僕はどうしても、
一つ
の
委員会
みたいなのができて、それで僕は公正に
評價
して貰うより
外方法
ないだろうと思うのであります。ただ税務署だけではいかんし、
出版事情
に明るい人、或いは常識のある
社会人
が集ま
つて
、この場合はどうだというように
評價
して……。出ないものに税をあれするということは、永久に出ないかも知れないのですから……
三島通陽
21
○
三島通陽
君
山本
さんに伺いますが、要するに
見込
ではしよう。
見込
で税を先取りするような形になる。だから出たものに対して
相続税
を拂うというようなことはできないものでしようか。私は税のことはよく知らないけれども……
石丸敬次
22
○
專門員
(
石丸敬次
君) 税の
專門的
なことはちよつと……
三島通陽
23
○
三島通陽
君 それはアンリーズナブルだと思います。
田中耕太郎
24
○
委員長
(
田中耕太郎
君) それは別に取られるわけです。だから余計不合理になるのです。
山本勇造
25
○
山本勇造
君 例えば今の
菊池
の場合は十年間出るものと
見込
を立
つて
いる。とにかく十年間前取りしてしまう。だから随分無理だ、十年間賣れるか賣れないな分らないのですから……
田中耕太郎
26
○
委員長
(
田中耕太郎
君)
果実
が生じた、その
果実
に対してのみ
課税
すればそれで以て目的が達するわけですね。
河野正夫
27
○
河野正夫
君 但しその
著作権
の賣買ということがありますね。だから賣買の時に課ければいい、丁度
國宝
の賣買のように……
山本勇造
28
○
山本勇造
君 今日は如何なる
方法
でするかという
結論
は得ないでいいと思いますが、ただ改めなければならんということだけを認識して貰えばいいのだろうと思います。
田中耕太郎
29
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 今の
山本
さんの言われた
委員会
、
專門的
の
税務官吏
ばかりでなく、
出版事情
に通じた人達を混えた
委員会
というものはいいお考えじやないですか。
山本勇造
30
○
山本勇造
君 これは実は
大藏当局
とも話しているのですが、向うも恐らくは同意をするだろうと思います。大体そんな線で進んで貰つたらよくはないかと思います。
田中耕太郎
31
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 或いはそういうものの必要はないかも知れないが、
相続税
というようなものは
著作権
の性質上非常に不確かなものだから、そういうものに課さないということも、
一つ
の行き方であります。実現したときに課せばいい。
山本勇造
32
○
山本勇造
君 実現したときにするというなら、納める方は一番樂でしよう。
田中耕太郎
33
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 賣買によ
つて
、或いは
重版
によ
つて利益
が生じたときに
課税
するというだけでいいのじやないかと思います。併しこれは
研究
問題であります。 それじやその問題はこの
程度
にいたしまして、外に……
河野正夫
34
○
河野正夫
君 今お
調べ
に
なつ
た中に、
学校
やなんかの、
私立
に限りませんけれども、小
学校
、中
学校
……
取引高税
があるのですが、
教科書云々
とあるようでありますが、そうでない
ノート
とか、そういうものについても、
自由販賣
のものは別ですけれども、今日のような配給でや
つて
いるような場合、
物品税
みたいなものは
免除
されるのが当然じやないかと思うのでありますが、そうな
つて
いるかどうか、
專門員
の方でお
調べ
になりましたか。
石丸敬次
35
○
專門員
(
石丸敬次
君) これは指定するものという
條項
で非常に沢山
項目
を挙げてあるのであります。
河野正夫
36
○
河野正夫
君 はあ分りました。
田中耕太郎
37
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 実は
文部省
の方でも
一般教育
、
文化
、
宗教関係租税
の
減免等
については
シヤウプ・ミッション
の方に
意見
を出してあるのだそうであります。それでこちらとしましては、その点勿論
文部省
を支持する
意味
において
意見
を出し、又その以外の
入場税
の問題は
文部省
から
意見
が出ているとすれば、
文部省案
をこちらは欲しいわけであります。併しまだ印刷にして御配付するまでには至
つて
いないのであります。その点に関して何か特に原案でも分
つて
いれば、漏れている点、この
委員会
として特に主張するというようなことでもあるかどうかというようなことを伺えば、その点についてここで御檢討願つたらいいのじやないかと思います。
山本勇造
38
○
山本勇造
君
文部当局
の方見えておりますから、
委員会
で、どういうのを出したかということを一
應御説明願
つて
おけば便宜と思います。
田中耕太郎
39
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 何か
説明
を伺う点がありますか。
森田孝
40
○
説明員
(
森田孝
君) それでは先週
シヤウプ・ミッション
に
文部大臣
から出されました
教育財政
の確立に関する
文部省
の
要望
という
書類
を出したのでありますが、極く概括的にその
内容
を御
説明
申上げておきます。この
書類
は
財政支出
についての
希望
と、それから
財政收入
についての
希望
と、
二つ
の大枠に分けて書いたのであります。それで
財政支出
についての
希望
につきましては、
義務教育
に属しますのと、つまり
新制高等学校
以下の
教育
の問題、それから
社会教育
の問題と、
大学教育
及び
学術研究
に関する問題、第四番目が
育英資金
に関する問題と、第五番目が
私立学校
の
補助金
の問題、この五つに分けて
財政支出
についての
要望
を述べたのであります。
初等中等教育面
から
高等学校
以下の
教育
につきましては、
義務教育
と然らざるものとに分けてありますが、
義務教育
に属します分につきましては、第一番が
教員
の
給與
であります。それから第二番目が
給與
以外の
経営費
、これらのもの、それから第三番目が
義務教育
の
年限延長
に伴います
施設
の
費用
と
災害復旧
に要する
経費
について、一
應義務教育
につきましては、その三点について述べてあります。
内容
は一應これらの
経費
の概括を御
説明
いたしまして、
國庫
の
負担
以外に、或いは公立の
学校
につきましては、
地方財政
で
負担
している以外の点について特に
起債
をいたしまして、
教員
の俸給は
地方財政
の
負担
の最も重要なるものであ
つて
、
地方財政
を非常に圧迫しているということが記してあります。
給與費
以外の
経営費
につきましては、特にP・T・Aとかその他いわゆる
校費
以外の
父兄
の
負担
が非常に大きいということを特に強調してありまして、それらの
校費
以外の
負担
ができるだけ少くなるように、直接
父兄
が
負担
するものが少くなるようにという旨を記載してあります。それから
最後
の
施設
の
関係
の
費用
でありますが、この点につきましては特に
地方債
との
関係
を記載いたしまして、
義務教育
の遂行上非常な支障を現在來しておるということを述べたのであります。 それから次に
新制高等学校
の分につきましては、特に
定時制
の課程につきまして詳述いたしまして、これらの点についてP・T・Aのその他の
援護團体
の
寄附
が非常に多いがということを述べたのであります。
結論
といたしまして、國及び
都道
府
縣及び市町村
の
負担区分
を適正に定めて、
最低基準
を
法律
で定めることによ
つて國
及び
都道
府
縣並びに市町村
の
財政
の調整を図ると共に、必要なる税の
増額
を、特に
地方税
の
増額
を行なわねばならんという
趣旨
が
結論
として述べてあります。
社会教育
の面につきましては、公民館の問題を第一に述べ、それから
地方
におけるところの
社会教育
の專任の係官がない所もあるくらいでありまして、非常に少いのであります。そういう点につきまして、今後
社会教育
を振興する点において、
地方公務員
たる
社会教育主事
を養成して行くような途を図らなければならない、非常に沢山置くようにしなければならんということが書いてあります。 第三は
初等
、
中等教育
に関すると同樣にこれらの
負担区分
を明瞭に定めて、その
財政的裏付
をする必要があるという
地方財政
の
財政
の体系の中に從來これらの点が等閑に附せられておるのでありますが、そういう点について將來その
負担区分
を明確に
地方財政
の上においても現われるようにしたいということが述べてあるのであります。
大学
及び
学術研究
の分につきましては、主として
國立
でありますけれども、
從つて國庫
で
原則
として
負担
すべきものが多いのであるが、それが少いために校舎とか
校地
、設備などの
充実
のために
地方
の
寄附金
に依存する点が非常に多い。然るに
地方財政法
が制定せられまして、そういう点が困難に、
財政
上の
負担
を
地方
に負うことが困難になる。
從つて新
らしい
財政制度
の下においては
國庫
において
國立
のものについては
全額負担
ができるように、
地方
の
寄附金
に頼らなくてもできるというようにし、又公正のものについては
地方
の
公共團体
において完全にこれが
負担
できるように、若し
國庫
において或る
程度
の
負担
をしなければならん場合においては、
法律
を以て定めると同時に
財政
的な
裏付
を必要とするということを述べたのであります。
育英資金
につきましては、アメリカと非常に
違つた日本
の
特殊事情
を強調いたしまして、
日本育英会
というものの存在を
説明
いたしたのであります。そうしてこれにつきましては今後
学校
の
経費そのもの
の
充実
を
図つて
、生徒の
負担
を減ずると同時に、他面において
預金部
の
資金
の優先的な利用とか或いはその他の考うべき
方法
を案出して、この
原則
を確立する必要があるということを述べたのであります。
私立学校
につきましても今の窮状を詳細に述べまして、憲法八十九條の解釈との関連も述べたのであります。そうして
國家
の
財政
的な
援助
がなければ
授業料
が
最大限度
に達したところの現在においては、
私立学校
は崩潰する以外に途がないような現状であるから、
國家
の
私立学校
に対する
財政援助
の
方法
を確立しなければならないということを述べたのであります。 以上を以て
支出面
に関する
文部省
の
希望
を終りまして、その次には
收入面
についての
希望
といたしまして、
國税関係
につきましては、先程申しました
初等
、
中等教育
、
社会教育
、
大学教育
、
学術研究
、
育英資金
及び
私立学校
の
補助
について、國の
負担
すべきものと定められたところの
教育費
を
國税
の
一般財源
のうちから優先的に確保する。
つまり教育税
という主張を取らないで
國庫
の
一般財源
のうちから優先的に確保するという
方法
を
希望
いたしたのであります。
地方税
につきましても、先程申しました各般の
財政支出
の部分においての
地方公共團体
の
負担
する
教育費
についての
地方
の
税收入
を確保することが必要であると同時に、それによ
つて教育財政
の
独立性
を保障して頂きたいということが述べてあるのであります。
地方債
につきましては、本年のいろいろの具体的な困難な実情を述べまして、現在
地方債
の
起債
に付けられましたいろいろの制限を撤廃しまして、
將來教育施設
を賄うに必要なところの
起債
の組織的な計画を樹てるべきである。 それから
最後
には
減免税
の
関係
について一欄を設けまして、
私立学校
及びその他の
教育
、
学術
、
文化
に関する
法人
の
寄附金
について
所得税
、
法人税
、
相続税
、贈
與税等
の
免除
。それから第二番目には
私立学校
を設立するところの
法人
が
営利事業
を行う場合におきましては、その
営利事業
に伴う
事業税
を
免除
するというのが第二点であります。 それから第三番目は
只今ノート
の話が出たようでありますが、それも含めました
意味
の
教育
、
学術
、
文化
に関して使用される
物品
の製造、
販賣
につきまして、
物品税
、
取引高税
を
免除
するというのが第三点に述べてあります。 第四番目は
学校
の主催する
興行
、いろいろの
映画会
だとか、或いは
演劇会
というようなものですが、
学校
の主催する
興行
その他の
教育機関
に対して
入場税
を
免除
する、これが後の方に述べてありますが、
映画館
、
演劇場
、
音樂演奏ホール
その他
美術展覧会等
の
國民文化
の振興に資する
施設
に対する
入場税
は、税率を引下げるということにいたしておりまして、この
学校
の主催する
興行
などは
入場税
を
免除
するというように区別をいたしたのであります。 第五番目が
私立学校
及び
宗教法人
に対しては
地租
、
家屋税
が
免除
されておりますけれども、その他の
教育
、
学術
、
文化
に関するところの
法人
に対しても
地租
及び
家屋税
を
免除
する必要があるということが述べてあります。 第六番目が
國宝
、
重要美術品等
に対する
役所税
、
相続税
、贈
與税
の
免除
であります。 それから第七番目が史蹟、
名勝
、
天然記念
物の指定地域に対して
地租
を
免除
するというのが述べてあります。 それから第八番目が先程申しました
映画館
、
演劇
関係
の
入場税
の引下げであります。 それから
最後
に博物館、動物園その他の
社会教育
施設
に対するところの
入場税
の
免除
を述べてあるのであります、大体以上が、それに対して必要な
資料
を附けまして、先週
シヤウプ・ミッション
に
文部大臣
名義を以て提出いたしたのであります。この案を作りますには個人的に
シヤウプ・ミッション
に対應する
委員会
とか、日本側に作られております委員の中の適当な方、及びCIEの助言も得、又
國会
の
專門員
なる或いは大藏省、
地方財政
当局などとも連絡を一應と
つて
作つたのであります。
河野正夫
41
○
河野正夫
君 六番目は何ですか。
森田孝
42
○
説明員
(
森田孝
君)
減免税
の六番目ですか、
國宝
、
重要美術品等
に対する
所得税
、
相続税
、贈
與税
の
免除
であります。
河野正夫
43
○
河野正夫
君 八番目は。
森田孝
44
○
説明員
(
森田孝
君) 八番目が
映画館
、
演劇場
、
音樂演奏ホール
、美術展覧会場等
國民文化
の振興に資する
施設
に対しての
入場税
の引下げであります。
山本勇造
45
○
山本勇造
君 ちよつとお尋ねしたいのです。引下げ額はどのくらいのことを言
つて
あるのですか。その額は。
森田孝
46
○
説明員
(
森田孝
君) こちらの方はこれについては
希望
は具体的にし出していないのであります。
山本勇造
47
○
山本勇造
君 何割下げて呉れということは言わないのですか。
森田孝
48
○
説明員
(
森田孝
君) 言わないのです。
山本勇造
49
○
山本勇造
君 それからもう
一つ
お尋ねしたいのですが、
学校
で
興行
するものに対しては
免税
して呉れということを出したのは結構でありますが、
学校
以外に
公共團体
でやるのはどういうことになりますか、それについては触れてないのですか。
森田孝
50
○
説明員
(
森田孝
君)
社会教育局長
から御
説明
して頂きます。
西崎惠
51
○
説明員
(西崎惠君) 私まだ新米でありまして、十分聞いておりませんが、今の問題は
学校
だけに限られて要求された。
社会教育
施設
の方は一應オミットされた、こういうふうに思う。
山本勇造
52
○
山本勇造
君 それはいけないですね、
学校
をやつたことは大変結構だと思います。併し
学校
に準じていろいろそういう
施設
があるし、又そういうような高い
入場税
を取られておることは何だと思うのだが、そういうものには追加して、こういつた点を考慮して呉れということは追加で言えないのですか。
西崎惠
53
○
説明員
(西崎惠君) 大体
私立
のもの以外は
地方公共團体
の主催だから課からないという建前なんです。尤も
私立
のものも併しあるのでありますが、極めてそういうことは稀な形式であります。
河野正夫
54
○
河野正夫
君 今のことで伺いますが、北海道を視察して来たのですが、根室でですね、どうにも仕樣がなくて新制中学の建築費が足りなくて競馬をやつたのです。ところがあれは地元で
公共團体
は十五割
課税
というのか……。何でも大部分が地元市町村に行く。それから
都道
府縣に残りの半分ぐらい行く。その半分、それから
興行
者が何割になるのだか、こういうふうにな
つて
おるようですが……
西崎惠
55
○
説明員
(西崎惠君) どこの主催ですか。
河野正夫
56
○
河野正夫
君 ところが一般に
入場税
はそうな
つて
おる、それが地元の根室の町で主催するというけれども、
都道
府縣で取られるのが相当多い、今の実際の地元のいろいろな
興行
をや
つて
みても、
経費
倒れにして、殆んど收入がないくらいなんですがね。
税金
を取られるなら駄目で、それでどうやつたかというと、これは公表できないのですが他の名目を以て何とかしたようです。そういうようなわけで
公共團体
それ自身が主催にな
つて
や
つて
も相当
入場税
を取られるということにな
つて
おるのです。それが而も
教育費
を捻出するためである。だからお説のように
公共團体
であ
つて
は大丈夫ということはない。
西崎惠
57
○
説明員
(西崎惠君) 大体ケースが稀だからオミットされたか知れないのですが、
調べ
まして、今おつしやるように追加ができるそうでありますから、若しそういうケースが多いとその虞れが十分あるということなら追加して行きたいと思います。
河野正夫
58
○
河野正夫
君 北海道に他に二地区程それを計画してお
つて
、それでやはりその点で引つ掛かりがあ
つて
どうかというのが原因のように……
三島通陽
59
○
三島通陽
君 序でに申上げます。
私立
團体
で、
社会教育團体
で道議会が議決すればいいというようなことをちよつと聞きましたから、一應一緒に御
研究
にな
つて
追加できたらお願いいたします。
田中耕太郎
60
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 外に何か御
質問
ありませんか。
三島通陽
61
○
三島通陽
君
質問
じやありませんが、これは
文部省
からお出しに
なつ
た。そこで参議院としてもそういうものを
シヤウプ・ミッション
に出すというお考えなんでしようか、それをお諮りにな
つて
いらつしやるようなんですけれども、それにつきまして、多少
意見
を申上げてよろしうございますか。
田中耕太郎
62
○
委員長
(
田中耕太郎
君) それをお諮りいたしましよう。今後或々が取るべき処置について、若し御
質問
がございませんければその点について御協議願いたいと思います。つまりどういうふうにして我々
シヤウプ・ミッション
に
委員会
として
意見
を述ぶべきや、若し述べるとすればどういうようなものをどういうような形において提出するかということですね。
三島通陽
63
○
三島通陽
君 まだ私も考えが纏
つて
いないのですが、ただ伺いますと、各省でも今
文部省
がお出しに
なつ
たようにものを各省が出しているように思います。それから各省のみならずいろいろな
團体
がいろいろなことをして
運動
をして、
運動
という言葉が当りますかどうですか、や
つて
おられるようであります。そうすると参議院としてはそれと一緒になりまして、
文部省
を参議院の文部
委員会
が支持するということはいいでしようけれども、併し今のを伺
つて
見とも非常に
項目
が多くて少し羅列に過ぎておるように思うので、そのうちどれを
シヤウプ・ミッション
が取上げるということは非常にむづかしいのではないかという氣がするので、若しお出しになるとするならば、その中で是非これとこれはどうしても参議院の文部
委員会
ではや
つて
貰いたいということを、重点的にいろいろなデーターを集めてお出しになるならよいのじやないか。そういうようなことはむしろ出して置いた方がいいのじやないかという氣もするのですが、これは私の考もまだ纏
つて
おりませんが、お話を伺
つて
おるのにそんな氣がいたしました。
田中耕太郎
64
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 如何でしよう、今の……
山本勇造
65
○
山本勇造
君 ちよつと法務の方はおいででしようか。ちよつと聞きたいのですが、実は
地方
行政委員は
シヤウプ・ミッション
に
税金
の問題について
意見
を出しておる筈なんです。聞くところによると、この
委員会
から直接
シヤウプ・ミッション
に多分出されるだろうと思いますが、そういう法的の根拠があるなしに拘わらずこれは出していいのか、ちよつとその辺のことを一應伺
つて
置きたいのですが。
田中耕太郎
66
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 只今人をや
つて
おります。どうか御継続を願います。
高良とみ
67
○高良とみ君 今
文部省
から出された
財政支出
の、國、
都道
府縣、
地方
町村の分担の確立ということをおつしやいましたが、どんな割合に確立したいということでお出しに
なつ
たか、ちよつとその辺をお伺いいたしたい。
森田孝
68
○
説明員
(
森田孝
君) それは
項目
によ
つて
非常に分担区分違いますから、分担区分についてはいずれ決めるには
法律
を以て決めると思いますので、そのときにパーセンテージはそれぞれ御承認得たいと思います。
希望
の中には例えば
施設
等については將來半額
國庫
補助
でやる。それから
定時制
の
高等学校
については
教員
の俸給費、
給與費
に十分の四出して置いたという現状を
説明
したに過ぎないのであります。それからつけ加えて申しますが、先程シヤウプ・ミッシヨンに
希望
を出した省の問題でありますが、私労働省か……、三省か四省しかはつきり記憶しておりませんが、数にして三省か四省しか出したところはないのであります。
河野正夫
69
○
河野正夫
君 今三島さんからお話がありましたのですけれども、
文部省
の出したような詳しいことは、却
つて
必要がなくして、我々
委員会
としては重点的に要点をはつきり述べたやはり意思表示を要請する必要があると思う。他の
委員会
でや
つて
おればや
つて
おる程必要であると思う。私今回北海道を視察して参りましても、
地方財政
が非常に窮迫しており、今お話の中央と
地方
との
教育
文化
費の
負担区分
というものは不明確である。更に
國庫
から出すのがどのくらい出し得るか、今までの慣例があ
つて
出しておるものが、ストツプされて減額されて非常に困
つて
おるという面がありますので、それと先程から問題にな
つて
おる
減免税
があるので、私は三つの点を、私の私案ですけれども、強調して要請したらどうかと思うのであります。その
一つ
は、
教育
、
文化
、
学術
の
経費
の基準を明かにして、その支出を十分に認めて貰いたい。これは法的に言うと、
学校
設置基準法とか、いろいろな法になると思いますけれども、とにかく基準を立てようとしてもシヤウプ・ミツシヨンが來るまではそういう法的措置はできないとか何とかいうので、そういうことが困難であるから、今後そういうふうにしなければ國内的に言
つて
も大藏省で又押し戻されるという傾向もあるので、併しこれは國内的な問題も含むのですけれども、とにかく廣くい
つて
文教費を相当に支出して貰いたいということであります。それから第二点は、今
文部省
の方にも入
つて
おりますけれども、中央
地方
の文教費の
負担区分
を明確にし、
地方財政
を確立して貰いたい。特に
教育
の面からその必要を力説する。それから第三は
教育
、
文化
、
宗教関係
の
減免税
を
図つて
貰いたい。
内容
は詳しく述べなくても大体この三点はやはり要請する必要があるのではないかと思うのであります。
松野喜内
70
○松野喜内君 只今三島委員なり河野委員から、重点的に我々はこの参議院議員として要請を出してやるということは、私も同感の意を表しますが、今河野委員が重点的に三つを挙げられた外に、特に私は重点の
一つ
として先程のお言葉のように、私学振興のために、私学に対する
寄附金
の
免税
は特に重点として強調しなければならんと考えておるのであります。重点主義と言えばそれを加えて頂きたいと思うのであります。
田中耕太郎
71
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 今の重点主義の点は皆さん御異議はございますまい。細目に
文部省
が向うへ出したような、或いは今日
資料
として
專門員室
の方で提出したような、余りに細目に亘るのは却て力がない。だから例えば今河野君からお話があつたように、そういう数個の
項目
について力説する。それから特にその中で松野君からお話がありました私学というような問題については、その
項目
の中で力説するというようなわけで大
原則
を書き立てて、そうしてそれを推す。
文部省
の案もつまり一般的大所高所からこちらの要求を推すというような態度で行くということも、
一つ
の考え方じやないかと思いますが、どうでしようか。
山本勇造
72
○
山本勇造
君 さつき要求して置いた委員部の人まだですか。
三島通陽
73
○
三島通陽
君 今河野さんの言われたこと、大体私もあれで盡きておると思います。で河野さんの重点主義、三つの点で私も大体御賛成申上げるのですけれども、この
教育
というようなものを、民主主義の確立ということがあ
つて
どうもはつきりしておりませんから、そういう
意味
におきまして、今の三つを根拠として指定されて、その中に松野さんのおつしやつたことも入ると思いますし、十五割ということも不合理でありますから、河野さんのおつしやる三つの中に入る……
河野正夫
74
○
河野正夫
君 私学と
入場税
ということを特に入れたらよい……
三島通陽
75
○
三島通陽
君 そういうふうに三つぐらにしてやつた方がいい。四つにしてもいい……
山本勇造
76
○
山本勇造
君 五つぐらいにしてもいい。
私立学校
だけでなしに、
文化
團体
なんかは
寄附金
がなかつたらや
つて
行けないのですから、私は
寄附
の問題と
入場税
の問題を入れて、五つにしてもいいじやないかと思いますけれども、その前にここでどういうようなあれで出せるものか。それを確かめて置きたい。
田中耕太郎
77
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 今寺光法制局第二部長が参りますから、その手続の問題は暫くお待ち願います。
三島通陽
78
○
三島通陽
君 今の
山本
さんの御
意見
御尤もで、私五つにな
つて
も差支えないと思いますけれども、こういう場合は数が少い方がいいから、三つなら三つ、四つなら四つ少いほど結構と思うのであります。
松野喜内
79
○松野喜内君 今三島君から三つの中に私学もその中に含めていいじやないか。或る程含ませれば含ませ得るのでありますけれども、特に只今強調するのは、私学法案というような法案が出ねばならんが、それも私学の方の
免税
がなくなれば
意味
をなさない。而も
教育
の或る部分の半ば以上も占めておることであ
つて
、特に重大であるからこれは特別に申す次第である。成る程
教育
の中に入るに違いないから含むと言えば含むに違いないけれども、特に出す必要があると思
つて
申上げたので三つには限らん。四つでも五つでもいいのですが、むやみに多くなるより少い方がいいと思われますが、これは是非ともお願い申上げます。
田中耕太郎
80
○
委員長
(
田中耕太郎
君) それでは法制局の第二部長の寺光君が見えました。伺いたいのは各
委員会
で以てシヤウプ・ミツシヨンに税制に関する
意見
、税制改革についての参議院の
意見
を申出る、参議院の
委員会
でそういうことが果して手続上可能であるかどうかということ、可能であるならば、
関係
方面と了解その他手続上のことで心得ておかなければならんことがいろいろあります。その点についてお伺いしたいのであります。
寺光忠
81
○法制局参事(寺光忠君) 使節團の國内における
法律
的な性格と申しますか、根拠と申しますか、そういうようなものを何も知らないのでありますけれども、恐らく何もないのではないかと思います。從いまして、そのことと、もう
一つ
は
委員会
が
委員会
の意思決定を、そういうミツシヨンというようなものに表示をするという
法律
的な権限というか、根拠というようなものもちよつとないのじやないかと思います。從いまして事実として存在しておると申していいようなミツシヨンに、
委員会
が事実行爲として
意見
の表示をせられるというようなことになるのじやないかというふうに思うのであります。從いまして今
委員長
がハウスの
意見
ではなくて、
委員会
の
意見
というふうにおつしやつたのでありますが、
委員会
の
意見
としても
法律
的には適当であるかどうか、疑問があると思うのであります。
田中耕太郎
82
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 例えば
地方
行政
委員会
で
意見
を述べたということを聞きましたが、これは
委員長
個人として、或いは有志という形であ
つて
、
委員会
としてではないということですか。
寺光忠
83
○法制局参事(寺光忠君)
法律
的にこういうふうに法制局に見解をお尋ねになりますれば、私は只今お答えしたと同じようなことをお答えすると思うのであります。從いまして恐らく
地方
行政
委員会
でなさいましたことは、
地方
行政
委員会
の一種の何と申しますか、そういうことが許されるかどうか知りませんが、政治活動を事実活動としてなさつたのではないかと思われるのでありますが、
法律
的に
委員会
がかようなミツシヨンに対して、何らかの行動をし得るということは何とも申上げかねるのであります。
山本勇造
84
○
山本勇造
君 ちよつと寺光君にお尋ねしますが、
地方
行政の方で
委員長
の資格で出されたか、
委員会
の資格で出されたか、そこまで私は確かめておらないが、とにかく出したということだけは聞いております。他の
委員会
が出したかどうか、それは知りません。あなたの方から他の
委員会
で出したかどうか
一つ
お尋ねしたい。 それからもう
一つ
は、シヤウプ・ミツシヨンが法的にどういうふうに來ておるのか分りませんが、そういうふうであるならば、民間の
團体
がどんどん出しておるならば、この
委員会
から出しても別に差支えないように思われまいが、その点如何でありますか。
寺光忠
85
○法制局参事(寺光忠君) 他の
委員会
から出したか出さないか、はつきりいたしかねますが、若し何でありましたら
調べ
まして……、それから
民間團体
等が使節團になさるのは全く事実行爲であ
つて
、何ら差支えないと思います。それから政府のなすことも
法律
的根拠の如何に拘わらず、実際問題として絶対に必要なことだろうと思います。議会としてももとより必要という点になれば、今最も必要なのだろうと思いますけれども、
委員会
がそういうふうな対外的な活動をするということは、前々から他の
委員会
のときにも、若干の問題が起きておりますが、併しこの
委員会
で今ミツシヨンに対してなさろうとしておるような問題は、実は
法律
という点から申上げれば、今までお答えしたようなことになりますけれども、実際問題としてはやはり必要ということになれば、これは止むを得んことじやなかろうかと考えております。
山本勇造
86
○
山本勇造
君 こういう問題を開くのは、委員部長に聞くべきですか、これは委員部長に聞いても同じことですか……
寺光忠
87
○法制局参事(寺光忠君) 委員部長かも分りません。
山本勇造
88
○
山本勇造
君 総長に聞けば一番問題がないかも知れない、総長か委員部長かに一應聞きますか……。この
委員会
が余りおかしなことをしたと言うので、折角こつちが一生懸命にやるのに、
委員会
がおかしなことになると
委員会
の名誉にも関することでありますから、一應そこを確かめて置きたい。
高良とみ
89
○高良とみ君 それは例えばこの
委員会
が、
教育
の
範囲
において
意見
を、國内的には言うことは自由なんですか、それとも議長を通して、
國会
を通さないとそういう
意見
は言えないのですか、この点を伺いたい。もう
一つ
は、他の対外的な
委員会
において、例えば引揚促進、そういうようなものはその
委員会
の
意見
によ
つて
何か意思表示なり、或いは公表するということは自由なんですか、この
二つ
を伺いたいと思います。
寺光忠
90
○法制局参事(寺光忠君) 現在の
國会
法及び議院規則の建前から申しますと、第一段に申された対外的意思表示、対外的行動をするということは許されておらないと、
法律
上は解釈すべきだろうと思います。
高良とみ
91
○高良とみ君 第二の場合も同じですね。
寺光忠
92
○法制局参事(寺光忠君) そうです。それは現在の法規上はというふうに御理解願います。
高良とみ
93
○高良とみ君 私初めから今日の御
調査
の目的をそういうふうに考えていたのですが、やはりこれは有志或いは
委員会
の委員個人として、何か特別に参考として
意見
なり、材料を提供するのがプロパーなんだろうと、こう考えておつたのですが、それは今御
研究
中ですが、その点においてはあらゆる
意見
を歓迎しておるということを聞いておりますから、そこは
委員会
としてでなく……、
委員会
だと今日御出席にならない委員に
意見
があるかも知れない。委員は遠慮なくいろいろな
調査
材料、或いは
意見
を提示する。ただその場合に
文部省
の
意見
や、或いは
関係
方面の
意見
と違う立場で、もう少し大局から見て行きたいと思
つて
おるので、どうぞ御
調査
願いたいと思います。
山本勇造
94
○
山本勇造
君 総長と委員部長は見えるのですか。
田中耕太郎
95
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
田中耕太郎
96
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 速記を始めて下さい。
河野義克
97
○参事(河野義克君) 今途中から参りまして、或いは皆さんが問題にされておる点にぴつたりと合うかどうかと思いますが、伺つた限りにおいて申上げます。
委員会
として決議を以て対外的に交渉し、或いは折衝するということは、
委員会
としてはできないというふうに從來考え、又そういうふうにお願いしておるわけであります。それで今実際問題として文部
委員会
等において、どうにかしたいという御
要望
が、今までもいろいろな場合においてあつたわけであります。そういう場合においてどうするかということについては今度のシヤウプ使節團に対しても、外の
委員会
においてそういう
関係
が生じておりますが、こちらでお願いしておることは
委員会
で以て
委員会
の決議として出すとか、そういうことは、そういう形式に避けて頂きまして、文部
委員長
たる個人と言うか、文部
委員長
田中耕太郎
というような恰好で書簡を出すとか、そういう際に
委員会
の決議とかということでなくて、我々はとか、それをもう少し文部
委員会
ということを強く出したいという場合には、我々文部委員はこういうふうに
思つた
というような恰好で出して頂いて、文部
委員会
としてこういうことを決議したとか、
委員会
はこうだという文句は避けて頂きたい。そういう恰好でお願いしております。
山本勇造
98
○
山本勇造
君 大体そうすると、今ので分つたと思いますがね。
田中耕太郎
99
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 事務総長は今日欠席だそうですから……
山本勇造
100
○
山本勇造
君 今の形式で行きましよう。
委員会
として活動して違法だの何だの言われたら……
田中耕太郎
101
○
委員長
(
田中耕太郎
君) ちよつと速記を止めて下さい。 〔速記中止〕
田中耕太郎
102
○
委員長
(
田中耕太郎
君) 速記を始めて。
三島通陽
103
○
三島通陽
君 今河野さんが三つ挙げられたが、その外
二つ
と、五つあるのですけれども、それ以外に重点的に必要なことがあるかも知れないということを
專門員
がちよつと耳打ちされたのですが、それですから、いろいろ檢討されることはいいと思います。ただ余り沢山出すと損だという氣がする。ですから適当に
委員長
の方におかれまして委員の一、二の者に御相談になるなり、或いは
專門員
に御相談になりまして、それはお任せいたしますから、何かこの際是非共文部委員としてはこれは必要なことだということを重点的にお挙げにな
つて
頂いたらどうでしようか、こう思います。全部総括的にや
つて
おるのは、
文部省
からも出ておりますし、それはそれでいいいうな氣がする。
田中耕太郎
104
○
委員長
(
田中耕太郎
君) それではさように取計いましてよろしゆうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
田中耕太郎
105
○
委員長
(
田中耕太郎
君) それではさような方針で以て進行いたしたいと存じます。 それから次に
文化財保護
法の法案が御承知のような経過になりまして、新たに我々は次の
國会
に対してどういう案を提出するか、或いは提出しないかというような問題につきして、前回の
委員会
で衆議院の
委員長
とそれから両院の
委員会
の理事の諸君とお打合せをして決めるということにな
つて
おります。ところが、種々な理由によりまして、それが非常に長引いて漸く昨日この会合が開かれたような次第で、それによりますと、
関係
筋とのいろいろな
関係
がございますから、更に
委員長
が適当な時期において
関係
筋を訪問いたしまして、そうして具体的の方針を決め、改めて御相談するというようなことに
なつ
たのです。その点を御報告申上げて置きます。詳しいことは又後で懇談の際に御
説明
申上げたいと存じます。若し御
意見
ございませんければ、懇談会に入りたいと思います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
田中耕太郎
106
○
委員長
(
田中耕太郎
君) それでは本日の
委員会
はこれで閉会といたします。 午後零時三十一分散会 出席者は左の通り。
委員長
田中耕太郎
君 理事 松野 喜内君 高良 とみ君 岩間 正男君 委員 河野 正夫君 若木 勝藏君 木内キヤウ君 三島 通陽君
山本
勇造君 大隈 信幸君
説明員
文部事務官 (
文部大臣
官房 総務課長) 森田 孝君 文部事務官 (
社会教育
局 長) 西崎 惠君 事務局側 (参事) 委 員 部 長 河野 義克君 法制局側 (参事) 第 二 部 長 寺光 忠君 常任
委員会
專門 員 石丸 敬次君