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1949-05-20 第5回国会 参議院 農林委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年五月二十日(金曜日)    午後三時十四分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方自治法第百五十六條第四項の規  定に基き、輸出食糧品檢査所及び輸  出農林水産物檢査所支所及び出張  所の設置に関し承認を求めるの件  (内閣送付) ○地方自治法第百五十六條第四項の規  定に基き、作物報告事務所新設に  関し承認を求めるの件(内閣送付)   —————————————
  2. 藤野繁雄

    理事藤野繁雄君) 只今から農林委員会を開催いたします。本日は輸出食料品檢査所及び輸出農林水産物檢査所支所及び出張所設置承認を求める件及び地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き作物報告事務所新設に関し承認を求めるの件を議題といたします。
  3. 板野勝次

    板野勝次君 議事進行について……この農林委員会議事散会後再開されるということであつたので、そういうつもりであつたところ、先程石川さんに聞いたら陳情の問題があるのだ。これは是非早く進めて貰いたいということで、一應了承したわけでありますが、他の議案については聞かなかつたので、今後やはり一應議事散会後ということになればその心組みで各委員は活動しますから、やはり正式に休憩を宣告されたらそういうふうなやり方をとつて貰いたい。ただ陳情についてはいろいろ事情を聞いて見ると早く運ぶという必要があつたし、それから大した支障もない。そういうふうに考えて、私は再開されることに同意したのであるか、こういう提案理由がなされるということになりますと、これはやはり一應休憩に入る前にやることのできるものは……今は私必ずしも申しませんけれども、できるだけそういうふうにして頂きませんと、今後こういうつもりで行動しておつて、いない留守にいろいろな問題が進行しておるということになると困ると思います。
  4. 藤野繁雄

    理事藤野繁雄君) 以後注意します。
  5. 池田宇右衞門

    政府委員池田宇右衞門君) 御説明申上げます。  輸出品取締法に基き輸出農林水産物檢査を行うため、さきに輸出食料品檢査所及び輸出農林水産物檢査所をそれぞれ東京設置し、この三月十五日から輸出檢査を実施しているが、檢査輸出港又は生産地で行うことになつているので、檢査の都度、一々檢査官が出張することは多大の経費と時日を要するので、神戸の外六ケ所に檢査所支所及び出張所を設け常時檢査を行い得るようにする必要がありますが、檢査所支所及び出張所を設けることにつきましては、地方自治法第百五十六條の規定によつて國会承認を要する事項となつているので本件を提案します。よろしく御審議の上承認を願います。  次に地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、作物報告事務所新設に関し承認を求めるの件につきまして、提案理由の御説明をいたします。  作物報告事務所昭和二十二年四月各都道府縣設置せられ、昭和二十二年産の米及び甘藷の收穫高調査より活動を開始いたしまして、その後標本調査法による科学的調査によつて主要農作物作付面積及び收穫高等を推計し、その正確な把握に努めて参つたのでありますが、北海道につきましては從來これを一作物報告事務所の管轄の下に調査を進めて参りましたところ、その管轉区域は、他の作物報告事務所に比し、総面積においてはもとより、耕地面積作付面積及び農家人口等におきましても著るしく大きく、又各種の農業地帶が含まれておりますので、種々不便が感ぜられておつたのであります。それ故、作物報告事務所調査がますます精密を要求せられ、府縣單位から郡單位郡單位から更に市町村單位数字を要求されて参りました現在、この北海道を数支廳を單位として四地区に分ち、内地農業に最もよく似た都南地帶札幌旭用中心とする水田地帶帶廣中心とする畑作地帶北見中心とする冷濕特殊作地帶といたしまして、その各々の地帶を各一作物報告事務所をして管轄せしめますことが必要となつて参つたのであります。それ故現在の北海道作物報告事務所を廃止し、これに代えて函館札幌帶廣北見の四作物報告事務所新設することにつきまして、地方財法第百五十六條第四項の規定により御承認を得たいのであります。以上がこの案件を提出いたす理由であります。何とぞ愼重御審議上速かに御承認あらんことを切望いたすものであります。
  6. 藤野繁雄

    理事藤野繁雄君) 質問がありますか。
  7. 板野勝次

    板野勝次君 妨害するわけじやないが、聞きたいのです。簡單な問題なんですけれども、一方においては民自党は行政整理で首を切つて、一方においては作つて行く、又作つてけれども首を切る、折角廻された人が実際落着いて仕事する氣にならんと思うのですね。そういう点がね、今まででも何か暫定的に作つて置いてそして役人がそこへ行くとする。そして要らんようになると明くる日から首を切ると、こういう結果になりはしないかと思うのでうけれども、よく内容は分りませんけれども、そういう点をよく説明して貰いませんと、思いつきでぼんぼんやられて、そして首を切るときにはもう大根を切るようにぼんぼんやつてしまえば、これじや役人はかわいそうだ。
  8. 池田宇右衞門

    政府委員池田宇右衞門君) 只今板野さんの御心配の点も御尤もな点がありますが、これは御承知のごとく、日本の今後の輸出物に対して相当重きをなしておるような関係上、現在提案理由にも申上げた通り、実際は輸出物現地において檢査するにおいて、東京本省方々が、常にその都度出張するということは、極めて時間の上から申しても、無駄であり、又経費の点から申しましても、旅費その他において、多大の不足を來たして参るような虞れも、ありまして、その現地出張所を設けて直ちに帰らずにそこへ駐在して、そして輸出品に対する檢査の迅速、又輸出上に対する円滑を図るというので、御指摘のような点に対して決して新設するものでもなければ、又今後直ちにこれを剩員になつたから首切るというようなものではなくして、尚輸出物が増加すると共に増員をしなければならないような前途も控えておるような実情でありますから、御心配のような点はなかろうかと、かように思う次第でありまして、御了承を頂きたいと思うのであります。
  9. 板野勝次

    板野勝次君 これは今度の行政整理伴つて、何か配置転換的の性質を持つておるでしようか、どうでしようか。
  10. 平川守

    政府委員平川守君) 食糧品檢査所の方はまだ輸出品取締法が実施せられましたばかりでありまして、從いまして、現在では東京にあるだけなんであります。東京に創設せられました早々でありまして、現在までのところは出張所がありませんために、その都度係官が現地に出張して檢査をしておる状態であります。これは元は貿易公團等において現地でやつてつたのであります。檢査所の方につきましては、そういうわけでありまして、配置転換ということでありません。現在は先ず本省だけに設けて、そうしていずれは現地支所を設けなければならんという運命にあつた。それがたまたま今回設置をしたいと、こういうわけであります。定員の方は從來定員そのままでございます。
  11. 近藤康男

    政府委員近藤康男君) 作報の方につきましては、最初に御質問の点、殖やして首切ることになりはせんかという点につきましては、今年の一月に約一万二千人ばかり殖やしたのでありますが、そのまだ全部が充員しないうちに二割削減ということになりましたから、事業上は予定した程の殖やし方ができなかつたという形で、これは定員法に載つたわけであります。それから二番目の御質問になりました点、どういう意味があるかとおつしやいました点は、結果的にみると転換ということになつたと思います。それは農地委員会書記が大体各町村一人くらいでありましたが、それが一人減らすという問題が起りました。丁度同じ時期に作物報告事務所仕事として、町村單位数字推計をしなければならん。その要員が沢山要るということで、数は多少の喰い違いがありますけれども、ほぼ同じくらいの人を殖やしたことになります。ただ勤務地の都合などがありまして、各町村一人ずつ減らして、全部作報に移したいということになりません。約五千人ばかり希望した人は採ることになりましたので、結果的に見ましては転換というようなことになつておるかと思います。
  12. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 この輸出農林産、水産物檢査は、これは大体永久に近い必要があると思いますが、この点は異論も何もないのでありますが、実は作物報告事務所のことで、こういう地区一体作物報告事務所出張所として設ける、そういう無駄なことを考えないで、食糧事務所出張所があるので、これを置くと又相当費用が要ると思います。それで兼ねても結構と思いますので、そういうことをしなくともいいと思う。
  13. 近藤康男

    政府委員近藤康男君) 兼ねてとおつしやいますのは、何と何を兼ねるのでしようか。
  14. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 いやいや北海道ですね、函館札幌帶廣北見ちやんとそこには食糧事務所出張所がございます。これを分離すると所長が要りますよ。そういうことでなしに、これは永久のものではないと思う。今のところ反別調査もしておりますから、出張所でありますので、まさかこういうようなことにしなくても結構なんで、食糧事務所出張所ちやんとできることなんだから、今殖やすと又首切りの心配も起きますよ、僕らも遠からず止めて貰おうと思つておる。今までは土地調査のために作られておるから默認しておる、これがはつきりしたものができれば、これはそんなものを置かなくても結構なんです。食糧事務所が沢山あつて、すでに現在こうしておるから、そんなものを置かなくても、現在のものでできると思う。
  15. 近藤康男

    政府委員近藤康男君) 食糧事情その他が変つて参りますれば、別でありまするが、只今の場合では食糧を集めるということと調査をするということは、別個の責任でやりませんと、本当数字が挙らないということで沢山の事務所設置されたわけです。その点は御承認頂けると思うのです。北海道につきましては、先程の提案理由説明にもありましたように、余りに大き過ぎるので、それで一々現在の作報から参りますと、非常に金がかかり時間がかかる、そのために予定した実際の調査ができなくなる、誤差が多くなる、こういうことになりますからして、大体各府縣と同じくらいの大きさにしたいということで、調査の技術的な理由から四つに分けたというわけであります。で食糧事情が変つて参りますれば、これは又別箇の問題が起ると思います。
  16. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 そうすると、この所長を別に四人置くのですか。
  17. 近藤康男

    政府委員近藤康男君) そうでございます。この点につきましては、人は農林省で今の定員法で一本で決められているんですか、その配置をするわけです。四十六人でなくて四十九人の所長が要る。この際ちよつと附加えて置きたいことは、作物報告事務所というものの所長は、これは我々全く調査エキスパートと考えております。ただ事務を執る人というふうには考えておりません。庶務課長などは事務を執る人だと思いますけれども、調査所長の方は調査エキスパートであつて小数推算小数統計の理論などを十分に理解して実際の調査を担当する人というふうに考えておるのでありまして、これが三人殖えますということは、決して経費が非常に殖えるということにはならないと思つております。本当に地元の調査をする場合に近いところに事務所を置いて調査するということの方が、遥かに合理的であろうと思います。
  18. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 実情を御存じにならないのでしようが、北海道食糧事務所の各支所にずつとおる所長はなかななか皆エキスパートです。その人々は細かい数字でも反別のことでも食糧事情でも何でもやつておるのですから、それを無視して別に新らしいものを拵える、そういうことばかり考えるということは非常にいかんと思うのです。それで適当な人を置くことも必要なのでしようが、今の所長はどこの所長でもしつかりしておる。だから統計を集めたものも、檢査をして出て來るものも、作物状況も、土地状況も知つておらなければ所長になれない。だからそれを特に今拵えて置いて首の問題にするのは……こういうものを作るのは合理的かどうか。
  19. 近藤康男

    政府委員近藤康男君) エキスパートという意味作物のことをよく知つている、面積事情が、この縣はどういう事情だということをよく知つているということだけではなくて、我々の方で例えば面積調査などをいたしますと、今までの調査の仕方は、農家申告ということを先ず基礎にして、それで算盤を入れるということが主な仕事であつたわけでありますが、それを元にはしますけれども、どれだけの申告においては内輪申告がある、脱漏するのがどれだけあるかというようなことを、実地調査をいたしまして、ただ実地調査だけでなく、ではどれだけの実地調査をどういう方法でやつたら、どういう推計をして、どれだけの範囲の誤差推計ができるかというようなことをやれるのが統計士エキスパートであります。作物のことを知つているということだけでは、調査の方では完璧ではないのであります。そういう意味エキスパートというものが必要であります。そういうふうな人を所長に置くということが必要でございます。食糧事務所との関係は、これはやはりこういう時期でありますから、正確な調査をするという必要から考えますと、どうしても責任を任すという意味で、國の直営の機関がこれを集めるということとは別個に調査をするという必要があつて、この制度を持つ、それは御承認を頂かなければならないと思うのです。
  20. 池田恒雄

    池田恒雄君 作報のことでございますが、農地委員会書記作報の方に廻すという話でございますが、つまり農地委員会書記が余りますから、それを作報のどこかに持つて行くという配置転換は、これは非常に適切な措置だと思います。農地委員会書記配置転換するということについては、私は何も疑問がないのでありますけれども、問題は作報の人の問題であります。作報に人を入れる場合、農地委員会書記というような経歴の人は適当なんでしようか。その点は少し疑問があると思うのですが。
  21. 近藤康男

    政府委員近藤康男君) 作報調査を担当するものとして、農地委員会書記という経歴を持つものが適当と思うかどうかという御質問かと思いますが、これは人のことでありますからして、皆がいいとか皆が悪いということは無論言うことはできないと思いますが、概していい。農地委員会仕事をされた人は非常にまじめな仕事をやられておる。殊にあの仕事に著手するときに、農地調査ということを言い付かつて自分事務をする上に必要な資料を拵えられた経驗があるわけです。そういう意味で私は農地委員会から移つて來る人は概してあの仕事に適した人であろうと思つておりますし、又実際に移つた人を見ましても、我々の聞いておるよりいい人が大勢おる。地位の関係は高い人はありませんけれども、よかつたということを比較的多く聞いておりますからして、私は間違いはなかつたと実は感じております次第であります。
  22. 池田恒雄

    池田恒雄君 作報というのは新らしい役所でございますが、今までは作報というものはないから、そこには人はおらなかつたわけです。作報作つてから人を入れたわけでございますが、どこから人を持つて來て入れたのですか。
  23. 近藤康男

    政府委員近藤康男君) 丁度終戰後間もなくのことでありますからして、いろいろな方からお願いをして作報の陣容を整えたわけですが、地方所長になるような人は一番多くは試驗所関係をやつていたのです。それから縣の農地課あたり仕事をやつておられた人が若干あつたと思います。それから食糧事務所関係の方、むしろ食糧事務所の方が第二位かも知れません。そういう人が所長のような位地に來た人には多いかと存じます。それからそれ以下の人、それで五ケ町村に一ケ所くらいの割合で事務所かあります。そういう所におる人はいろんな人がおりますが、特に外の役所と比べまして若干目につきますことは、引揚の方で入つておる人が可なり多いようであります。そういう点でまあ経歴から申しますと、いろいろな人が集まつておると言わなければならんと思いますが、ただ私はどこの役所にもその家風というものがある筈だ、作報というもの嚴正な調査をするということを早く家風にしなければならんということをいろいろな機会に申しているのであります。比較的これは歴史は短かいのでありますけれども、一つの性格を持つようになりつつあるのじやないかと私は思います。
  24. 池田恒雄

    池田恒雄君 只今説明をお伺いしますと、大体作報に今まで入られている人々は、相当作報の人としては適切な経歴を持つている、こういうふうに私は考えるのでありますが、ところが作報調査と申しますか、報告と申しますか、こういうものに対して農民相当の疑問を持つているわけであります。特に私、作報というものは一体何であるか分らなかつたのですが、ずつと前に予算委員会のときに、作報というものはどういうものですかと聞いたときは、まだはつきりでき上つたわけでもありませんというようなときだつたのですが、その後いろいろ実際に作報事務所を設けて動いているわけであります。それを見ますと、まあ作報方々の言い分は、政治というものに全然禍いされない、全く技術的にやつて行くのだ、こういうことなんです。統計というものは是非共そうあらねばならないものですから、作報調査もそういう立場をとるのが当然だと思います。果して政治に禍いされていないかというと、どうもその点は疑問がある。結局作報の人が素人のためにそうなるのじやないかと考えたのですが、今の局長の説明では、作報方々は決して素人じやない、相当の玄人のように見えますが、どうしてああいうように農民の信頼がなかつたり、政治的に禍いされると見られるのでしようか。
  25. 近藤康男

    政府委員近藤康男君) 農民が、作報調査が始まつて、そのために供出が重くなつているというような感じを持つている農家相当あるということは、私も十分承知いたしているのであります。それは私は二つのことを考える必要があるかと思うのでありますがそれは今まで匆々の間でありましたし、府縣單位推計しかできない。何分算盤を入れさえすれば統計ができるという段階ならば、これは町村ができ、郡ができ、府縣ができるのであります。何分その申告だけでは済まない。実測をして推計をするということでありますから、どれを実測するかによつて、どの程度の正確さを持つた推計をするということが決まるわけであります。そこで手が足りない、金が足りないというときには、縣單位なら先ず間違いないという数字最初に出る。そういうことですと、縣の枠は決まつた、これを町村におろすのに縣の方は非常に困るということで、町村單位数字是非作らなければならんということでやかましかつたのが、今度の増員を実現したわけであります。農民いろいろ声の起ります理由は、そういう縣單位、それから今年の定員が殖えて町村單位ができましても、更に今度個人に行くときには又不公平が起るわけであります。殊に大きな枠しか決まらないときには、その中で又不公平が起るのであります。そこでこういうつまり正確度が……十分な調査ができない。殊に大きな單位推計しかできないというところに一つの声があつたと思う。ただ併し一方から、ではすべての農民がみんな困ると言つているかというと、決して私はそうでないと思います。それは一つの例を申上げれば御了解頂けると思いますが、例えば去年の麦の調査などにつきまして、申告面積だけ限つて、漸く面積申告と、それを基にして実測をして推計をいたしました各府縣の間の数字を比較して見ますと、縣によつて内輪になつてつた程度が非常にまちまちなんであります。例えば東京都であるとか、宮城縣であるとか、私の記憶では大阪府であるとか、そういうようなむしろ有力な府縣だと私は思いますが、そういう府縣は非常に内輪になつている程度が多かつた。恐らく今までの統計もそれは強く引かれているだろうと想像されます。ところがそうでない縣におきましては、その程度がずつと違う、縣によりますと、却つて申告よりも、実測した結果、もつと減らさなければならんという縣も一、二出ておつたのであります。そういうようなことで、農民の困るという声が起りましたのは、すべての農民、すべての地方で起つているのでないと思います。あの趣旨を徹底して行けば、公平という点では、すべての農民が了承して呉れるだろうと私は思います。
  26. 池田恒雄

    池田恒雄君 重ねて甚だ失礼ですが、今日のいろいろな関係では、作報調査成績というものが、農民供米と、もう一つ税金に対して非常に重大な関係があるわけであります。殊に税金なんか、結局証拠爭いになるかと思いますが、そうするとやはり第三者的な立場にある調査成績を以て爭わなければならんということになるわけであります。そうなりますと、結局どれを取るかということになりますと、結局作報のやつを取ろうということになるわけであります。ですから税金の問題なんかについては決定的なものになる。非常に重要だと思うのであります。それだけに農民の関心は作報に対して向けられている、こういうことになるわけであります。ところが私共いろいろ作報に関する事情を見て参りまするというと、必ずしも政治的に支配されておらないとは言えないのであります。というのは、第一に問題になるのは、農林省なら農林省が本年度三千万石なら三千万石供出をさせる、そうしてどの縣には何十万石割当てるということになると、作報はどうも農林省の割当てた数字に合せて作柄を作るというふうに、こういうふうに皆から言われている。これは私自分調査したこともないし、それが嘘か本当かということの証拠握りようがない。だからそうだと私は言いかねるのでありますが、皆そう言う。いろいろな関係を見ますと、そうらしく見える、そうすると作報というのは、農林省の割当を合理化するために、そういう道具として存在する、一つはこういうことになるわけであります。こういう例が一つあるわけであります。これは私が或る郡に参りまして、この郡は非常に供米が苦しくていろいろな問題を起しているのでありますが、ところがこの郡の作報所長が、技術者でないようなことを言うている。これは皆そう言うのだから、本当だと思いますが、今までは作柄というものは非常に低く見ておつたのだ。それは米價が安いから、多少農民に対して闇賣りをさせて、米價をそこで補助をするというようなことで、これは政策的に行われておつたのだ。ところが今度は九原則等もありまして、それで闇は徹底的に追放しなければならん、それで正直に今度は作柄を見ることになつた。で、今度は闇というものをなくして行くのだ、こういうようなことを言うて、そうして今年の作柄が高いというのは、そういうわけもある。まるでそういうように総理大臣みたいなことを言うて威張つている所長がいる、(笑声)こういうわけであります。これは私は技術者というのは、何も政府闇米を賣るようにして呉れるとか呉れないとかいう政策の有無に拘わらず、常に正確であらねばならないと思います。ところが政策に支配されて、或る時はこういうような見方をやる、或る時はああいうような見方をやるということは、ちつとも技術者でもなければ何でもないと思います。よくいろいろ聞いて見ると、技術者とは一体何であるかというような、そういうことを理解していない人が相当作報の中にいるように見られるのであります。私も百姓をしているから、作柄見方も分るのですが、私みたいに作柄を当てられないような人が相当いるように見られます。こういうことはおかしいと思います。  もう一つは、作報というものは政府機関として一郡に三ケ所なり四ケ所あるわけでありますが、そういうふうでありますならば、地方的に今までの統計政治的に支配されておりますからでこぼこであります。それを基調として供米をされますと、或る縣は重かつた、或る縣は軽かつた、或る村は重くて、或る村は軽かつたということになるわけであります。作報というものはまあ三年間も仕事をして來たならばこの平衡が取れるものだと思う。ところが少しも取れておりません。そうすると何のために一体地方作報という國の機関をああいうふうに末端まで流して置く必要があるか、こういうふうに私は考えられるのであります。それから災害がいつでも補正の問題になりますか、災害があつたかなかつたかということは、供米を負けるか、負けないかということについて重大な問題であります。若し災害があつたということがはつきりしておれは、この場合は政府としても縣廳としても供出を減らさなければならんわけです。その場合その災害があつたかないか、或いはその程度、こういうものを証明するには、やはり第三者的な作報であらねはならない。ところが作報はそういう重要な任務を持つておりながら、こういう爭い、いわゆる補正上の爭いを解決するような権威あることをやつておらない。併し作報があつた作報調査によつて、これはこれだけ減收だと、はつきりと減收したならば、減收しただけは供米は減らす。それから増收したことがはつきりとすれば超過供出を命ずるとか、或いは懇請するとかいう方法をお採りになつたらいいと思うのですが、作報がありながら、作報が権威があると言いながら、ちつともそんなことは行なわれない。私はこういうような点からどうも作報というものに対して非常に疑問を持つわけなんです。
  27. 池田宇右衞門

    政府委員池田宇右衞門君) 只今池田さんの御指摘のように、全く作報報告によつては非常に農民に及ぼす影響が大きいのでありまして、作報といたしましては、事務官より技術官を主として任命したのは、御指摘のような政策をそのまま取入れることを排除するためにやつたのであります。そこで技術官は御指摘の通り嚴然として地方作柄及び農耕地の実情等を、又天災地変による災害等によりまして生ずる損害に対しては、これを公平に適切に報告いたしまして、それぞれ安定の方策を取らなければなりません。御指摘のようなことが今後尚行なわれるというようなことがありましたならば、これは嚴重にそれぞれを通じまして十分にそういう政策方面に動かされるようなことのないように取締る考えでございます。さよう御了承を願いたいと思います。
  28. 池田恒雄

    池田恒雄君 重ねて恐縮でありますが、実は專門的な点を局長にお伺いしようと思つたんですが、次官から折角答弁して頂きましたから、この際今度は次官に一應申上げたいと思いますが、作報は今のような状態であれば、なくてもいいというような農民の声を率直に申上げたいのでありますが、併し折角作報はあるんですし、農林当局の言う通りこれを動かして行く、こういうものであるならば、これはあつて活用した方がいいと思いますが、供米税金と私は先程指摘しましたが、供米税金というような臨時的な問題よりも、更に農業計画というようなものを今後やつて行くには、是非とも作報のような機関があつて、これを活用されたならば、非常に農業計画というものが立つて行くのではないかと思う。併しそういうような至急農業計画に役立たしめるような作報であらしめるためには、私は作報というものはどうせいいものにするなら、もつと充実したらいいと思う。中途半端のものをぶら下げず、人に迷惑を掛けない方がよいと思う、喜ばれるような作報にする。差当つて作報の職員が方々から寄せ集められたことは事実である。これは局長も作報家風ということを先程も言われたが、政治に煩わされない純然たる技術機関であるという家風を早く作つて、そうしてそのためには技術者の教育なり設備をするとか、そういうことをどんどんやらなければならんと思うのであります。ところが作報の人達は果してみずからそういう勉強をしておるか、或いは農林当局はそういう勉強をさせておるかどうか。これはこの際政務次官からお伺いし、且つ政務次官は一つ任期中にそれだけのことをやつて喜ばれる作報を作られるかどうか。作れなければ止めた方がよいとこういうふうに思います。
  29. 池田宇右衞門

    政府委員池田宇右衞門君) 誠に御指摘の通りでありまして、定員法にこの方面についても定められまして、残つた定員に対しましては十分に修養と講習とを通じまして、農業経営に対し、又日本農業の今後、農民の安心する、又信頼できる作報事務を執らせるようにしたいと思います。その点については局長においても十分に研究いたしまして、御指摘のような作報としての任務を全うする方法を取るべくいたしたいと思います。尚私の任期は御承知のごとく議会においてどう変るか分りませんけれども、御指摘のようなことがありましたら、十分に後継者にこれを継承して貰つて、これを実現するように引継ぐ覚悟、又引継ぐことをいたしたいと、こう思うのであります。
  30. 板野勝次

    板野勝次君 私は三点程輸出食糧品の檢査所支所出張所設置についてお尋ねしたいのですが、第一の点は、神戸外六ケ所に設ける檢査所支所及び出張所はどこどこに置くのかということと、それから若し置くとするならば、予算は一体どうなつておるか、これが第二。第三は支所及び出張所を置かなければならん程の事業分量があるのかどうかという点、それは各設置予定の支所及び出張所別に輸出農林水産物檢査輸出食糧品の檢査を行なつておるものの品種とそうして輸出時期と、その事業分量、こういつたようなものが明かにされないと、この支所出張所設置承認を與えてよいのか悪いのかという根拠が明かにならないので、その三点について御説明願いたい。
  31. 平川守

    政府委員平川守君) お手許に資料がお配りしてあると思うのでありますが、場所につきましては確かここにお配してあると思いますが、輸出食糧品の檢査所の方はその書類がありますから……
  32. 板野勝次

    板野勝次君 ありました。今分りました。
  33. 平川守

    政府委員平川守君) ここにありますような場所に、その上に取扱い品目が書いてございます。静岡支所においては茶、罐詰、みかん、神戸支所においては農水産物、食料品一般、小樽支所においては水産物、「たまねぎ」というふうな主な取扱い品目が書いてございます。大体こういうような種類のものを取扱うのでありまして、取扱いの分量といたしましては、これはちよつと何と申しますか、これだけの檢査の対象となる品物といたしましては、非常に大きなものでありまして、昨年あたりのこれらの対象になります品目の輸出は、仮に價格で見て参りますると、確か五十億くらい、金額に見積りましてそのくらいになる。但し檢査の方法は抽出的な檢査でありますから、一應これだけの事業で随時拔討ち的に檢査をするということになるわけであります。取扱いの品目の全体の分量といたしましては、さように昨年度におきましても数十億の金額に上るような品物が検査されております。それから予算につきましては、はつきり覚えませんが、確か百万円現当の予算がありまして、これは先程申上げましたように、これだけの定員は予算と共に現在決まつているものであります。それを現在は全部東京に置くことになつている。これを從來公團が扱つておりましたような場所に置いて、出張等をいたしませんで檢査ができるようにするためにこういう出張所を置くことになつておるわけであります。それでよろしうございますか。
  34. 板野勝次

    板野勝次君 事業の分量から聞いてあるのです。そうして輸出の議期と関連して、果して出張して事が済むものか済まないものかということについては、輸出の時期がある。それから集荷されておる物の檢査の方法等によつて、例えば一定期間で済むものならば、そこに出張所をお置きになる必要がない。そういう時期的な問題があると思います。金額ではちよつと分らんと思う。
  35. 平川守

    政府委員平川守君) つまり檢査の方法は輸出檢査法の建前上、こういうことになつておるわけであります。輸出しようとするものはその輸出品に対して八定の規格のレツテルを貼つてしなければならん。その規格が一定の手続によつて政府の決めました規格に合致しておるかどうか。その品物の内容とその貼つた証紙とが政府の決めました規格通りにやつておるかどうかということを、抽出的に檢査する。でありますから、その取扱の分量は輸出されるものの全体を一々やるわけでありませんで、この程度の人数でできる範囲のことを抽出的に檢査して行く。こういうことになるわけであります。その從來やりました通扱件数等については、資料は差上げておりませんでしたが……。從つて、どのくらいの檢数をこの檢査所で取扱うかということは、ちよつと見通しになるわけでありますが、この昨年取扱いました、これは公團等で取扱つたわれでありますが、その檢査の数量と件数というものの資料がございますから、これを若しお配りしておりませんでしたならば、お配りしても結構でございます。それから時期的には、物によりまして季節的なものもここに挙げたようにございますが、年間を通じて概ねこれで仕事は大体、時期によつて物は変りますけれども、仕事は大体こういうふうにあるだろうというようなものを分配いたして、そういう場合に、いろいろな種類のものが年間を通じて比較的集まるような場所を選んで、そこに出張所を設けることにいたすわけであります。
  36. 板野勝次

    板野勝次君 只今説明から行きますと、七ケ所も設けるのに百万円の予算と申しましたら、これは到底……予算外に何らかのものがなければ、出張所を置き得るとは現在の状態では何としても常識的にも考えられない。幾分これは、そこに置くことによつて何らか別のことが意図されておるんじやないかというふうにも疑いたくなるのです。どうも今の予算の伴つておるかどうかという点が、僅か百万円ではここへ置くという理由には、今置かなければならないという理由が出て來んように思う。  それから今の局長の説明によりますと、規格のレツテルを貼るんだという話ですけれども、これらは檢査して行つて、集荷されたものの中から恐らく拔取檢査が嚴格に行われるかどうかということは別といたしましても、これがよいということになれば、これは他の労務者等によつてレツテル等が貼られるに違いないのだと思うのであります。それから季節的になされるものならば臨時にやればよいので、そこに常駐しておれば、勢いいろいろな弊害が起つて來る。從つていつも、毎日々々これは輸出されるのじやなくして、一定の期間を限つてなされるのに相違ない。そうするとどこには何回出張しておつたというその出張度数から見て、出張しておる人件費よりも、常駐することによつて経費がこれだけ削減できるというような、少くとも計画性を持つておられる必要があると思うのでありますが、只今のところでは、そういう便宜的なことをお考えになつておられるので、むしろ檢査の嚴正を維持するためには、東京にあつて随時必要な場合に出て行くだけで事は足りるのであります。ずつと常駐することによつて、いろいろな情実に流れ易い。而もそれが不断に檢査が行われために、往き來をするのが多く殆んで現地に行つている、こういう状態であるかどうか。そういう点がはつきりされないと、恐らく熱心に檢査のことについてお考えになられる農林委員の諸君にしても納得がつきかねるのではないか、こういうふうに思われます。若し今日いういうことが具体的にお分りにならないのならば、そういう納得できるような資料を出して貰いたいと思います。
  37. 平川守

    政府委員平川守君) この取扱いの件数につきましては、資料が若し参つておらなければ、お配りするようにいたします。それから予算の点につきましては、私非常にはつきりせずに申上げましたので、今係りを呼んでおりますから、それによつて申上げます。それから常時檢査事務があるかどうであろうかということにつきましては、これは主として大体輸出港にあるわけであります。品物は大体ここに集まつて來るわけであります。そういう関係從來ともこの地方の産物がこの辺に集まつて参りまして、その関係で公團等において、これは檢査の趣旨は國営檢査でありませんけれども、檢査をやつてつた実質上、貿易公團等において差向き檢査というようなことをやつてつた。実際上これらの場所におきまして、この程度の人がやつてつた仕事を國営に代えまして、從つて可なりそういうところから引き継いだ人もあるわけであります。從來の実績から見まして、これだけの輸出港には、大体この程度人々檢査をするに適当な程度の品物が集つて來ておつたわけであります。それを一々東京から九州までも出て行くというような方法を講じておりますのが現状なのでありまして、これは予算面からのみならず、実際の仕事の方から申しましても非常に不自由でありまして、私共は実はこの檢査を実施いたします檢査所設置しますときに、当然この程度出張所は要るであろうという想定で出発しました。取扱件数等については明確なる資料では、今全体の件数はございますが、各出張所別の細かい件数というようなことははつきりしておりませんが、大体の……只今その資料をお配りいたします。  予算の点につきまして大変大きなミスをいたしまして失礼いたしました。先程百万円程度と申しましたのは、予備金で取りましたのが百万円程度でございまして、二十四年度の本予算におきましては約二千三百万円程計上いたしております。
  38. 板野勝次

    板野勝次君 それで、例えば花莚等につきまして考えて見ましても、或いは「たまねぎ」等にしましても、或いは又罐詰等につきましても、一定の時期があるのであつて、その一定の時期に加工され、製造され、集荷されて來れば、それが例えば一ケ年を通じて、一ケ月幾らであるかは、予測はつかないにしても、これがふんだんに生産されて行くというものは、農産物の場合はその收穫の時期等があるので、どうしてもこれは季節的にある一定の限度に限られておるのじやないかということも予想されるわけです。東京から九州の方へ行くか行かないか、役人が九州へ行こうと、北海道へ行こうと、日本の領土内に旅行することを厭う役人は、それは公僕として本当の任務を果すものではないと思う。日本の領土ならばどこえでも必要があれは出て行くということは、役人としての使命だと思う。そこで具体的の資料がないのならば、他の問題もあるようですから、この問題は委員長に適当に計らつてつて明日にでも審議して、今の資料ではそういう形にして貰つた方が他の人が……
  39. 平川守

    政府委員平川守君) 只今全体の取扱いの実績等につきましては、資料をお配りいたしますが、それから地方に出掛けて行くのも、役人が出掛けて行くのがいやだという意味では決してありません。ただそういうことに時間をとられまして、無駄に行つたり來たりするということを避けたいということでございます。それから時間的な繁閑の点につきましては、ここに上げてありますものは可なり少い人数でございます。でありますが、この程度の極く僅かの数名の人数が一ケ所におるわけでありまして、この程度の者が、フルに働く程度の品物は、これらの港には常時出て來ておるわけであります。ただ特に例えば靜岡方面において、「みかん」が特に忙しいというような、こういうふうな忙がしい場合につきましては、若干の補助員を臨時に雇い入れるというようなことも、予算には一應見ておるわけであります。これは全く臨時の手助けのことになるわけであります。そういうことで非常に特に忙しい場合に補いをつける。原則としてこの程度の数名の人が常時働く程度のものは、これらの相当輸出港でありますから、品物は常に出ておる、集つておるということに考えているわけであります。
  40. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 統計局長にお伺いしたいと思うのでありますが、私は所長食糧事務所出張所でもいいのじやないかということをお話申上げましたが、これは予算が全然違うから、それにこだわつておると思うのでありますが、それは私も知つております。それで非常に重要な調査であるからエキスパートでなければ駄目だということを申されておりましたが、私は全然考えが違うのです。人のことをお聞きしますと、村で農地調整委員会の人が余つておるようだから、それを採用したいという話をされておる。私は働く者はエキスパートが非常に必要なんで、所長なんというものはそうそうエキスパートでなくても、よくものが分つて、人を使うのが上手ならそれでいいと思う。今の調整委員会の余つた職員などはエキスパートではありません。これでどうなるか、こう思うのですが、我々非常によく知つておるところでも現在ぶらぶらやつておる、ところがその報告については池田君が言つたと同じようなことが沢山あるが、それはそれでいい。あなたの期待しておるような調査ができるか、所長エキスパートならば結構だが、加賀君に聞くとこういう場所に所長に向くような人がおるそうで、お使いになるのは結構ですが、本当に働く者は役所でも同じでしようが、局長さんは余りエキスパートでなくても、下の二級官、三級官の者がちやんと働けばそれでいい。あなたのお考えは反対で、所長エキスパートであるが、下の者はなつておらん。こういうことでは折角の仕事が目的を達せられるか、どうなるでしよう。
  41. 近藤康男

    政府委員近藤康男君) 食糧事務所長が、所長を兼ねることができないかというような御意見と思いますが、これは……
  42. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 それは駄目だと言うからいいです。エキスパートが必要だというから、所長エキスパートでも、下の者が農地調整委員会の職員が余つておる、それを使うというのでは、エキスパートでない所長エキスパートでなくても結構だが、下の者がエキスパートなら仕事は満足に行く。
  43. 近藤康男

    政府委員近藤康男君) 具体的な人は、こういう新らしい仕事でありますから、そんなに願つたり、適つたりのエキスパートが沢山あるわけでありません。そこで先程もお話がありましたように、訓練してエキスパートを段々育て上げるということでなくちやならんと思います。ただその場合の考え方といたしましては、私がいつも考えておりますことは、この作柄を見るにいたしましても、或いは面積実測いたすにいたしましても、成るべく簡單な方法で、まじめにやりさえすれば間違いなくできるという方法をとられることが、統計調査事務の本筋だと思う。長い経驗があり、特別な勘がある人でなければ、本当調査ができない、昔から作柄を見ますのに経驗があつて自分が見れば一斗くらいの誤差で見当つけるという人がありますけれども、そういう非常に勘のいい人も無論ありますけれども、そういう勘に頼つた調査でなくて、まじめにやりさえすればちやんとした推計ができるという方法を確立することが必要だと思います。そういう方法を確立することは、中央の我々の任務でありますが、それを受け継いでやつて呉れる人が作報所長であります。私は末端の本当に畑へ出て、テープを張つたり、或いは坪刈をしたり、或いは予想調査のときには粒数の計算等をいたしますけれども、そういうことは最高の所長より、もつと下の人が、これはまじめな性格を持つた、そういう人ならば誰でもいいというふうに、早くなりたいと思つておるわけであります。そういう意味で私は、農地委員会の人を使つたら割合にいい仕事をやつて呉れるというふうに見ておるのであります。
  44. 藤野繁雄

    理事藤野繁雄君) これはまだ予備審査でありますから、このくらいのことで止めたいと思います。これにて散会いたします。    午後四時十九分散会  出席者は左の通り。    理事      石川 準吉君            藤野 繁雄君    委員      大畠農夫雄君            門田 定藏君            北村 一男君            柴田 政次君            星   一君            赤澤 與仁君            加賀  操君            徳川 宗敬君            板野 勝次君            池田 恒雄君            國井 淳一君            岡村文四郎君   政府委員    農林政務次官 池田宇右衞門君    農林事務官    (総務局長)  平川  守君    農林事務官    (統計調査局    長)      近藤 康男君