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國務大臣(
森幸太郎君) 門田さんにお答えいたしますが、肥料の情勢はお説の
通り非常に加里成分の少い
日本の事情でありまして、而も雨量の多い國柄といたしましては、特に加里の何と申しますか、流出が甚だしいのでありまして、加里肥料の量は、三要素といたしましては、分量においては大したものではないのでありまするが、是非とも必要な要素なんでありますのに、
日本にその原料がありませんので、戰爭中は全く加里というものは
考えても駄目でありまして、もう家庭における藁灰、木灰を使うよりなか
つたのでありまするが、その後連合軍も
日本のこの土質等をよく理解いたして呉れまして、漸次原料の輸入が許容されて來ておるのであります。本年の
配給量はお手許に渡しております
通り、十一万三千トンの予定をいたしておるのでありまして、昨年よりは十万五千トンばかり増額いたしておるのであります。明年度は天然資源局等の了解を求めまして、少くとも十八万トン、二十万トン近くの量を
配給いたしたい、かように懇請をいたしておるのであります。
日本の
食糧事情について、先方も非常に氣を痛めておりますので、こういう増産に対しましては格別な考慮を
拂つて呉れることと思います。又
政府といたしましてもの現状を訴えまして、できるだけこの加里原料の輸入に一層
努力をいたして御
趣旨に副いたい、かように
考えております。
次の田舎における電力の供給状況でありますが、これは実に同感いたします。お説の
通り農村の薄暮と申しますか、六時、七時頃の忙しい時分に、外から帰
つて來て家庭の
仕事をしなければならん。足を洗
つて御飯の仕度をしなければならん時に大概停電するのであります。大概六時から七時に停電するのでありますので、
農村に我々もおりまして、ニュースの聽きたい時間にニュースが聞えず、誠に情ないことを非常に痛感いたしておるのであります。
お話のように寢ている間に、十一時から翌朝の四時や五時までは、ともつた
つて消えた
つて文句はないのでありまするから、せめてその時に停電して、
農家の必要な時に送電して貰いたいという
希望を持つのでありますが、御
承知のように、情ないことは
日本の電燈会社の配電状況が、今公團にな
つておりますけれども、この動力線と、いわゆる夜間線と晝間線という二本の線を引く会社がない、
一つの線で送電いたしておるのであります。この結果工場に送らなければならんというようなとき、或いは晝間と夜間との電力の切換等、或いは発電裝置の掃除をしなければならんというようなことができた場合において、需要者に迷惑を來すような現状でありますので、これは今日の
日本の資材の状況から申しまして、誠に遺憾に存じますが、何とかしてお説のように夜中でも
一つ消して、晝はせめて必要な時間だけはとぼして貰いたいという氣持がありますが、
農村の工業状況は徹夜の工業が非常に少いのでありまして、三交代というような工場がないのであります。
從つて送電の上におきましても、今申しました深夜に停電して必要な時期にやるというような切換えが困難ではないかと思うのであります。私は專門外でありまして分りませんけれども、併しこの増産を阻害するということは非常に夥しいのでありまして、こういう点につきましても、この事情を彼ら責債者が知らんのではないと思いますが、御
意見等もありますし、この実情につきましてできるだけ配電会社で善処するように、
農林省といたしましては善処いたしたいと、かように
考えております。