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池田恒雄君 私明後日は或いは欠席するかも知れないのですが、ただ私今日はまあ政務次官と
長官だけですから、これに大臣が來ておると大変結構なんですが、大臣に
質問すると妙な講義をされるものですから(笑声)……、この肥料のことで私のカリ肥料と申しましたのは、昨年増産運動をやりましたね、一割増産運動、私はあの増産運動を見ますと、
政府の政明を聞くまでもなく、大体病害を防禦する、それで一割くらい増産するという工合に要綱や運動実績から見ているのですが、これは非常に当を得たものだ
つたと思うのです、その考えとしては……。併し実際としてこの病害の問題ですが、この病害の問題は、私はどうもいわゆる増産運動なんかで一生懸命藥品を撒布するということをや
つたのでは片付かない問題があると思うのです。これは言わばどこからか病氣が傳染するのじやなくて、作物の栄養失調というか、そういう点から病氣が湧いて來るのですね、ですからこの間の予算委員会か何かのときの説明では、「じやがいも」の輪腐病ですね、あれが取出されて話にな
つて、そうしてそのことで磯部先生が私は素人ですから後で
答弁しますとか何とかと
言つてお
つたのですがね、これは大体からい
つてカリ不足じやないか、で、輪腐病とかバイラス病とかこういうものを防禦する、病氣を駆逐するということだけ考える場合は、何だか増産とならないと思うのです。そうじやなくて、あれの病氣が発生して來ているのは
昭和二十一年頃ですから、そうしますと
昭和十七、八ですから、燐酸とカリが不足で來ているわけです。十九年、二十年ぐらいからカリは殆んど無肥料
状態に入
つておる、そうすると二十一年頃から完全に栄養失調症状が出て來まして、そういう病氣が出る筈なんです。ですから私は病氣が傳染して來たのじやなくて、湧いて來るのだと思うのです。バイラス病とか輪腐病の問題だけじやなくて、稻も毎年同じような病氣が発生しておる、殆んど誰に聞いてもです、分らんのですよ、麦でも今年は病氣が出しております、昨年も出ております。こういう病氣の出方がですね、恐らく肥料に
原因しておると私はこう思
つておる、これは私が素人的に
長官に
質問しても、今
答弁して貰
つてもしようがないことなんです。ただ私はいろいろな統計や何か見ましてね、ず
つて肥料なら肥料の統計や耕種改善
基準を見ましてね、そうしてこういう
一つの統計的結論を出して來ておるわけなんですなあ、これは私としてもそれを断定できるわけじやありませんけれどもね、ただそこに根本的な病害の問題があ
つたのじやないかということを私はここで考えたわけです。これはそうであるかないかということはですね、今政務次官や何かから
答弁して呉れた
つて仕方がないことですから、誰かもつと試驗場の人なり、
農林省の係員の人なども十分この点を研究して頂いて、そうして私は
答弁して貰いたいと思います。それから肥料の問題ですがね、肥料は硫安が年年殖えて來ておるのです。殖えて來ておりますが、戰前のいろいろの統計から見ますと、も
つて殖えておるわけなんです。硫安はいいが燐酸、殊にカリ肥料が
現状のままでは足りない、硫安はこれ以上殖やすということは作物の成育上これは危險だと思う、だから或る
地帶では硫安は沢山だ、余るというところまで或る部分は來ておると思います。全般的には硫安は不足だ欲しいと
言つておりますがね、或るところではもう沢山だ、余る、要らないというところに來ておると思う、ですから、この際硫安なら何ぼでも取れるというので硫安を作
つて見ましても、硫安を作るに
從つて減産するという、これは極端な言い方ですがね、そういうことにならないとは言えない、それでですね、私はカリと燐酸のことを言うわけなんですが、だからいろいろなものを輸入する、こういうのでしたらね、私はカリなんか
日本では取れないのですからこれの方を輸入してですね、肥料における病的症状をなくさなく
ちやいけないと思う、そうでないと一生懸命にな
つてこうや
つてみると、藥剤を盛んに
配給する計画を立てておりますが、百姓は馬鹿だから何も知らんと
言つてね、藥剤に撒布法を教えておりますが、私は根本問題はそうじやないと思う、そういう意味で私はこのことを引出しておるわけですから、お互いに素人ですから、素人同志で
質問し合
つたつてもしようがないのですからね、注文して置きますから何か專門家から責任のある研究に基いて委員会に
答弁して頂きたいこういうふうにお願いして置きたいと思います。