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1949-04-18 第5回国会 参議院 内閣委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十四年四月十八日(月曜日)
—————————————
本日の
会議
に付した事件 ○
日本國憲法
第
八條
の
規定
による
議決
案(
内閣送付
) ○
皇室経済法施行法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣送付
) ○
行政機構改革等
に関する
調査
の件
—————————————
午後一時三十八分開会
河井彌八
1
○
委員長
(
河井
彌八君) これより
内閣委員会
を開会いたします。
日本
は先ず以て
日本國憲法
第
八條
の
規定
による
議決案
と
皇室経済法施行法
の一部を
改正
する
法律案
と、この二件を問題といたします。
政府委員宮内
府
次長
の
林敬三
君の御
説明
を煩します。
林敬三
2
○
政府委員
(
林敬三
君)
宮内
府
次長
の林でございます。
只今
から
日本國憲法
第
八條
の
規定
によります
議決案
の提案の
理由
を御
説明
申上げ
ます。
皇室経済法
第二條によりますと、天皇その他
内廷
にある
皇族
が一年内になされる
賜與
又は
讓受け
の
財産
の
價額
が百二十万円に達しましたあとは、その後の期間においてなされるものはすべて
國会
の
議決
を要することと
なつ
ております。併しながらこれらの方々が特に
災害
の場合の
罹災者
に対する
お見舞
、或いは
各種
の御
奬励等
のためになされる
賜與
の
價額
は、一ヶ年間に二百五十万円近くに上ると見込まれるのでありまして、これらは例えば
災害
に対する
御見舞等
のごとく、その都度実際の必要に当面して、
國会
の
議決
を経ることが事実上困難である場合も多く、又その目的も定ま
つて
おりますので、此の際例年のごとく予め
價額
を限り、一括御
議決
を頂きたいと存ずるのであります。 昨
年度
におきましても、
本案
と全く同樣の趣旨を以て百八十万円の御
議決
を
願つて
おるのでありますが、
本案
においてもその後の
物價
情勢に照應して、
限度
を二百五十万円といたした外、その
内容
において全く昨年と同一のものでございます。 以上が御
議決
を願う大要でございます。何とぞよろしく御
審議
あらんことを御願いたします。 次に併せて御
審議
をお願いいたします
皇室経済法施行法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして御
説明
申上げ
ます。
皇室諸般
の御
費用
は、
憲法
第八十
八條
の
規定
に基いて、
予算
に計上して
國庫
からこれを
支出
することと
なつ
ており、これを受けた
皇室経済法
の
規定
によりまして、
皇室
の
費用
のうち、
内廷費
及び
皇室費
は、
法律
に定める
定額
により、毎年
國庫
から
支出
することに
なつ
ておるのであります。
皇室経済法施行法
第七條及び第
八條
は、これらの
定額
に関する
規定
でありますが、
現行法
による
定額
は、昨
年度
当初において
決定
せられたものでありまして、
内廷費
は二千万円、
皇室費年額
の
基準額
は三十六万円と
なつ
ておるのであります。 本
年度
におきましては、その後の
経済事勢並び
に現在における
物價水準等
を勘案いたしまして、この際それぞれ二千八百万円及び六十五万円に
増額
することを必要と認められる次第であります。 本
改正法案
は以上の
理由
によりまして、これら
二つ
の
定額
について、所要の
改正
を行わんとするものであります。 以上概略の
説明
を
申上げ
ました。何とぞよろしく御
審議
あらんことを御願いいたします。
河井彌八
3
○
委員長
(
河井
彌八君) この際
委員諸君
の御
質疑
がありまするならば御
質疑
を願います。先ず以て
憲法
第
八條
の
規定
により
議決案
、そちらについて御
質問
がありますればそれを願いたいと思います。
藤森眞治
4
○
藤森眞治
君
ちよ
つとお伺いいたしますが、この一年間二百五十万円近くとありましたが、大体二十三
年度
におきましてはどういう
方面
に御
賜與
に
なつ
ておりましようか、分りましたら……。
塚越虎男
5
○
政府委員
(
塚越虎男
君)
只今
の御
質問
は、この
賜與
の
関係
におきまして、昨二十三
年度
においては、どの
方面
に御
賜與
に
なつ
たかというお尋ねでございます。例として
申上げ
ますると御
救恤
の、
お見舞
といたしましては、例えば
福井
、
石川
両
縣下
の過般の
地震
の際に
賜與
せられましたもの、又
宮城
、
岩手
、長崎その他の各縣の
暴風雨
に際しまして御
賜與
になりましたもの、その他例えば
秋田縣
の能代の火災に対して御
賜與
になりましたもの、そういうようなものが御
救恤
としての、
御身舞
としての御
賜與
でございます。次に御
奬励
の
関係
の
賜與
といたしましては、例えば
学術関係
におきましては、
財團法人
の
発明協会
或は
日本学士院等
への御
奬励
のための
賜與
がございます。又
社会事業関係
におきまして、
中央
の
共同募金委員会
或は先般行われました愛の
運動
の
資金
というようなもの、或はヘレン・ケラー・
キヤムペイン委員会
への御
賜與
というようなものがございます。その他
厚生省
、
法務廳所管
の
各種
の
社会事業團体
或は
優良施設事業團体
、
結核予防協会等
への御
賜與
もございます。
藤森眞治
6
○
藤森眞治
君 若しお
差支
なければこの
金額
を……。
塚越虎男
7
○
政府委員
(
塚越虎男
君) 例えば
福井
、
石川
両
縣下
への
地震
に際しての御
救恤
としての御
賜與
は二十八万円でございました。それから
宮城
、
岩手
その他の
暴風雨
の
水害
の対する
お見舞
としては八万五千円、それから
学術関係
の
賜與
としての、
日本
学士院へ一万二千円、
発明協会
へ一万円、それから
社会事業関係
といたしましては、
中央共同募金委員会
への十万円、或は愛の
運動
の
資金
としての十万円、
結核予防協会
へは五万円というようなふうに御
賜與
に
なつ
ております。
三好始
8
○
三好始
君
只今
いろいろ御
説明
になりました
賜與
の
決定
とか
金額
は、どういうふうになされておるのか、お
差支
ない
範囲
において御
説明
を伺いたいと思います。
塚越虎男
9
○
政府委員
(
塚越虎男
君) この
金額
、
範囲
とか或は
金額
の
決定
につきましては、例えば
福井
、
石川
両
縣下
の
地震
の際の御
救恤
というような場合におきましては、
政府
の方から大体この両
縣下
における
地震
というものはこの
程度
のものであ
つて
、これに対して
全壊
の
家屋
がどのくらいある、それから半壊の
家屋
がどのくらいある、或は
死亡者
が何人あ
つて
、傷ついた者が何人あるというような報告を受けまして、その
程度
によりまして
決定
をいたすわけでありますが、それには大体の内規的なものによりまして、例えば死者一人
当り
どのくらい、それから
家屋
の
全壊
ならばどの
程度
というようなことによりまして、
金額
を勘案いたしまして、
宮内
府が思召を受けてこれを
決定
いたしまして御
賜與
になるということに相成ります。
河井彌八
10
○
委員長
(
河井
彌八君) 何か御
質疑
がありますか。私から
一つ伺
つて
おきますが、
災害
の場合を考えますと、
水害等
も可なり大規模なものがあるんですが、それから次々にいろんなものが起り得るのであります。そうすると、
年度
の初めにおいて御
賜與
が早く出てしま
つて
、後から困ることがありはしないでしようか、そういう場合に対して、どういうように取扱上なさるのであろうか、その点について
ちよ
つと……。
塚越虎男
11
○
政府委員
(
塚越虎男
君) この
お見舞
なり御
奬励
のための
費用
は、
内廷費
のうちからお出し願うことに相成
つて
おるのであります。即ち
内廷費
といたしまして、
國庫
から
支出
を受けまする額の
範囲
内におきまして、いろいろお差繰りを頂きまして、そのうちからお出しを願うということに相成
つて
おるわけであります。從いまして
年度
の初めにおいて、殊にこの
災害関係等
につきましては、
只今委員長
のお話のように、どの
程度
の
災害
が超るかということが、予め予見できないわけであります。從いまして非常に
災害
の数が多く、且つこれに
関係
する人の数が多いということになりますると、或いは当初予定しておりました
金額
を非常に超えるというようなこともあり得るわけであります。そういうような場合におきましては、やはり
内廷費
の中をいろいろお差繰りを
願つて
、その方にお向け頂くということに相成るかと存ずるのであります。尚
只今
御
審議
を
願つて
おりまする
議決案
といたしましては、大体二百五十万円というものを予定いたしておるのでありますが、これも
災害等
が非常に頻繁に出る、不幸にもそういうようなことに相成りました場合においては、この
議決
の
範囲
内では済みませんで、或いは更に追加をお願いするというようなことに相成ることであろうとか存じております。
河井彌八
12
○
委員長
(
河井
彌八君) も
一つ
、百八十万円を二百五十万円にするにはどういう何か計算上の根拠がありますか、その点。
塚越虎男
13
○
政府委員
(
塚越虎男
君) 大体この例えば
災害
の
お見舞
のようなものにいたしましても、一人
当り
の
金額
ということになりますると、非常に小さな
金額
になるのでございまして、でありまするが、やはりこれにも或る
程度
の何と申しますか、
限度
がございますので、やはり勿論
物價
の騰貴というようなものに、そのまま照應して上げるという性質のものではないかと思いますけれども、或る
程度
それをも勘案いたす必要があろうかと思うのであります。今回百八十万円を二百五十万円にいたしましたのは、
内廷費
におきましてこれは後刻御
審議
を頂きますが、二千万円を二千八百万円に御
増額
願う、御
審議
をお願いしておるわけでありますが、その割合と申しますと四割
程度
になりますが、大体その四割
程度引上げ
たものを以て、二百五十万円として
議決
をお願いする次第でございます。
河井彌八
14
○
委員長
(
河井
彌八君) 次の
法律案
に
移つて
よろしうございますか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
河井彌八
15
○
委員長
(
河井
彌八君) 御
異議
ないと認めます。
—————
・
—————
河井彌八
16
○
委員長
(
河井
彌八君) それでは
皇室経済法施行法
の一部を
改正
する
法律案
、これについて御
質疑
がありますればこの際願います。
中川幸平
17
○
中川幸平
君 この
皇室経済法施行法
は、
内廷費
だけが
國庫
に掛かるのであ
つて
、
宮廷費
というものは掛らんことになるのですか。
宮廷費
もやはり一緒に
掛つて
、
宮廷費
は
増額
に
なつ
ておらんから掛らんという
意味
なんですか、
ちよ
つとお伺いいたします。
塚越虎男
18
○
政府委員
(
塚越虎男
君)
只今
の御
質問
に対してお答いたします。
皇室費
につきましては
憲法
の八十
八條
によりまして、その内訳は
内廷費
、
宮廷費
、
皇族費
とこの
三つ
に相成
つて
おるわけでございますが、それは
皇室経済法
の中に
規定
がございます。そのうちのこの
皇室税
の、
内廷費
なり、
宮廷費
なり
皇族費
は、勿論
國庫
から
支出
を頂くわけでございますので、
予算
の中には計上いたしまして、
國会
の御
審議
を願うことに相成
つて
おるわけでございます。ただそのうち
内廷費
と
皇族費
につきましては、これ亦
皇室経済法
の中に
規定
がございまして、
内廷費
については
法律
の定
むる定額
を
支出
する、それから
皇室費
につきましても、お一方
当り
の
定額
というものを
法律
で決めて、それに例えば
親王
でありますればその
全額
、
親王妃
でありますればその二分の一という
規定
が
皇室経済法
の中にあるので、
從つて皇室費
のうちで
内廷費
と
皇族費
については、
法律
を以てその
金額
を決めなければならない、その
半面宮廷費
につきましてはそういう
規定
がございませんので、これは
予算
の上で御
審議
を願うということに相成
つて
おるわけであります。
中川幸平
19
○
中川幸平
君 はい、分りました。
城義臣
20
○
城義臣
君
本法施行
の結果要する
費用
はそうすると幾らになりますか。
塚越虎男
21
○
政府委員
(
塚越虎男
君)
内廷費
の二千八百万円と
皇族費
の三百四十一万三千円が、これは
全額
でございますから、
從つて
今度の
増額
によりましての
金額
というものが、結局
本法
の
施行
に伴
つて
要する経費ということになろうかと存じまするが、それは九百五十二万三千円ということに相成ります。
中川幸平
22
○
中川幸平
君
皇族費
ですか。
塚越虎男
23
○
政府委員
(
塚越虎男
君)
内廷費
が
從來
二千万円でございましたものが二千八百万円になりますので八百万円の増、それから
皇族費
は
從來
が百八十九万円でございましたものが三百四十一万三千円になりますので百五十二万三千円の増、その
内廷費
と
皇族費
の
從來
の
定額
に対する
増加部分
を
申上げ
ますと、九百五十二万三千円ということに相成るのでございます。
河井彌八
24
○
委員長
(
河井
彌八君)
質疑
はございませんか……。それでは両案につきましてはこの
程度
に止めておきます。
—————
・
—————
河井彌八
25
○
委員長
(
河井
彌八君) 次に丁度
行政機構
の
改革
につきまして、これまで
政府
にいろいろ
説明
を
願つて
おきましたが、尚丁度
本多國務大臣
お見えでありまするから、すでに余程
政府
において御用意が進行したと思いますから、この際よく、少くとも
各省
の
機構改革
の
構想等
につきまして
説明
を伺いたいと思います。その
意味
においてこれから進行いたします。
本多市郎
26
○
國務大臣
(
本多市郎
君) 各省の機構におきまして、三割縮少するという
根本方針
に基きまして、政府においても調査を進めたのでございますが、今朝を以ちまして各省廳の
設置法
の案がすべて内定をいたしました。これは
最後的決定
は御承知の
通り関係方面
の了解を得た上でやることになりますけれども、大体閣議で内定いたしましたところを全部一通り御報告申上げます。 第一は從來の
総理廳
でありまするが、この
総理廳
が今度は総理府となります。総理府となりましてその
内部機構
は
総理官房
、その官房の中に從來の賞勲局を外局であつたものを官房の一つの賞勲部にいたしました。それからその次、
恩給局
、
統計局
、
統計局
の中には人口部、
経済部
、製表部という三部がございます。更に内局として、
新聞出版用紙割当局
、これは從來は外局であつたわけでありますけれども、一つの内局にいたしました。
附属機関
として
俘虜情報局
、更に今度、
総理廳
の外局としての從來の宮内府が
宮内廳
となりました。この
宮内廳
の機構についてはすでに大縮減が実施されておりましたので、今回はこの機構についてはそのままといたしました。 それから
総理廳
の外局であつた
経済安定本部
の機構でありますが、これを今度は総理府から独立させまして、独立の
経済安定本部
といたしました。その
経済安定本部
の内容は、
総裁官房
に
連絡部
というものを置きまして、外六局であります。その局は
生産局
、
建設交通局
、
貿易局
、
動力局
、
財政金融局生活物資局
、更に
経済安定本部
の外局に物價廳と
経済調査廳
、これが
経済安定本部
であります。物價廳の内部の機構は從來五部ありましたものを、一部縮小しまして四部にいたしました。 それから
行政管理廳
でありますが、これはやはり
総理廳
の外局として從來通りの二部の機構であります。 それから
特別調達廳
、これも
総理廳
の外局でありますが、これが從來は七局十三部ありましたのを、今度は
調達廳長官
、次長の下、官房の外五つの部にいたしました。
経理部
、契約部、
技術部
、
監督部
、
事業部
という五つの部にいたしました。
新聞出版用紙割当廳
については、これは最前申上げました通りに、総理府の内局として局にな
つたの
であります。 その次は
賠償廳
でありますが、
賠償廳
は
長官官房
の外に
賠償部
、
特殊財産部
この二つであります。 その次に
総理廳
の外局にありました
連絡調整中央事務局
というのがありましたが、今回はこれを外務省の内局にすることにいたしまして、外務省の
連絡局
として入ることになりましたから、それは無くなつてしまいます。
公正取引委員会
というのがありまして、そこに
事務局
があるのでありますが、從來五部ありましたものを五部にして変りありません。 全
國選挙管理委員会
、
地方財政委員会
、この
地方財政委員会
については、現在
総理廳
の官房に
自治課
というのがありますが、この
自治課
と合して
地方自治廳
というものを設置する。そうしてその
地方自治廳
の中に
連絡行政部
、
財政部
の二部を置く、そうしてこの
財政委員会
を廃しまして、
地方自治委員会議
というものをこれに附置するということになつております。
國家公安委員会
はこれは現在の通りでありまして、その下に
國家地方警察本部國家消防廳
、
皇宮警察本部
というのがあるのでありますが、これは変りありません。 次に外務省になります。外務省は現在官房の外に六局、正確には五局二部あるわけであります。五局二部ありましたものを五局一部にいたしました。これは
大変整理率
から減らないようですが、実はさつきの
中央連絡局
が結局中に入つて來た関係で五局にな
つたの
でありまして、從來の五局二部が四局に減つておるわけであります。 その次は
大藏省
でありますが、
大藏省
は内局が七つありまして、それを五局にいたしましたが、残るのは官房の外に
主計局
、主税局、
理財局
、管財管、銀行局、これだけが残ることになります。外局でありました
印刷局
、造幣局はいずれも印刷廳、造幣廳となります。 それから
法務廳
であります。
法務廳
は特に機構が厖大になつてお
つたの
でありますが、長官が五
長官制度
になつておりましたものを三
長官制度
にし、局の数も十六ありましたものを十一に整理いたしました。そこで残る機構は
官房長
、
法制意見長官
、
刑政長官
、
民事長官
、三長官になりまして、そうして
法制意見長官
の下には
法制意見局
というのが第一から四まで
法制意見
第一局、第二局、第三局、第四局とこうなりました。
刑政長官
の下には檢務局、
特別審査局
、
矯正局
、更に暫定的に
保護局
というのが一ヶ月間だけ残ることになりますが、これは一ヶ月で廃止されるように
設置法
で規定することになつております。
民事長官
の下には
民事訟務局
、
行政訟務局
、民事局、
人権擁護局
があります。 次は文部省でありますが、文部省は官房の外に七局でありましたのを、これは官房の外五局になります。その
残ります局
は
初等中学教育局
、
大学学術局
、
社会教育局
、
調査普及局
、それから
管理局
、この
管理局
の下に
教育施設部
というのが部として残ることになつております。 次は厚生省を御説申上げます。厚生省は
從來七局
あ
つたの
でありますが、今回五局に縮小することになりました。残りましたのは、官房の
外公衆衞生局
、
医務局
、
社人局
、兒童局、保險局、この中に官房に
統計調査部
という部を残します。ただ
公衆衞生局
の中に
環境衞生部
、
國立公園部
、この三つの部が設けられることになつております。外局の
引揚援護廳
はもう長いことではありませんので、そのままにいたしました。 次に農林省の機構でありますが、農林省は八局ありましたのを、五局に縮小いたしました。残りますのは、
大臣官房
の
外農政局
、
農地局
、
畜産局
、
蚕糸局
、
農業改良局
、このうち
畜産局
に競馬部、
農業改良局
に
調査統計部
、
研究部
、
普及部
、この三つの部が設けられます。農林省の外局に
食糧廳
、
水産廳
、
林野廳
というものがありますが、
食糧廳
において三部、
水産廳
においても三部、
林野廳
においても三部が設けられます。その部は
食糧廳
は
総務部
、
食糧部
、食品部、
水産廳
は漁政部、
生産部
、
調査研究部
、
林野廳
は林政部、
指導部
、
業務部
であります。 次に
商工省
の機構でありますが、御承知のように貿易を振興するという観点から
商工省
の機構には相当大きな改革が行われたのでありますが、今までありました貿益廳、石炭廳、これを廃しまして改めて
通商産業省
という名の下に八局、外局が四つということに内定いたしたのであります。設けられる局は内局といたしまして
大臣官房
の
外通商局
、
通商振興局
、それから
企業局
、
通商繊維局
、
通商雜貨局
、
通商機械局
、
通商化学局
、
通商鉄鋼局
、この内局の中に部の設けられますところは、
大臣官房
に
調査統計部
、
通商振興局
に
経理部
、
企業局
に
賠償特別資材部
、
機械局
に車輛部、
電氣通信機械部
、
化学局
に
化学肥料部
、これだけが内局の機構であります。外局には
資源院
、
特許廳
、
工業技術廳
、
中小企業廳
と四つありますが、
資源院
の機構は、
長官官房外
五局ありまして、
石炭管理局
、
石炭生生局
、
鉱山局
、
鉱山保安局
、
電力局
であります。このうち
石炭生産局
には
施設部
という部が設けられることになつております。 次に
特許廳
につきましては
長官官房
の外四部でありまして、
総務部
、特許第一部、特許第二部、
審判部
であります。
工業技術廳
におきましては
從來調整部
、標準部という二部あ
つたの
でありますが、これはそのままであります。
中小企業廳
におきましても、官房の
外振興部
、
指導部
という二部であります。以上が
通商産業省
の機構であります。 次は運輸省でありますが、御承知のように
國有鉄道
が分離いたしますのでここも
相当変更
がございまして、
鉄道総局
、
海運総局
、
陸運管理局
というこの機構が全部廃止されまして、
大臣直轄
の局にな
つたの
でありますが、これは整理いたしました結果は八局であつたものが五局になつております。先ず
大臣官房
の外に
海運局
、
船舶局
、
船員局
、
港湾局
、それから
鉄道監督局
、
自動車局
、これだけが内局でありまして、この内局の下に設けられる部は
大臣官長房
に観光部、
海運局
に
海運調整部
、
鉄道監督局
に
國有鉄道部
、
民営鉄道部
、
自動車局
には
業務部
、
整理部
、以上であります。次に外局に
海上保安廳
がありますが、この
海上保安廳
におきましては
長官官房
の外四つの部が設けられます。その名称は
警備救難部
、檢査部、水路部、燈台部、それに
海難審判所
が附いております。これが運輸省の
中央機構
であります。 それから次は郵政省でありますが、郵政省は昨年御承知のように
設置法案
が通過いたしてお
つたの
でありますけれども、この機構も再檢討を加えまして、主として部を廃して簡素化することにいたしたのであります。從來は八局ありましたのを、これを五局に縮減いたしまして、
大臣官房
の
外経理局
、
簡易保險局
、
貯金局
、
郵務局
、
監察局
という五局になりました。そうして
大臣官房
の下に人事部、
資材部
、建材部の三部を置くことにいたしております。 次は
電氣通信省
でありますが、これもすでに
設置法
は通過して実施されてお
つたの
でありますが、これにつきましてもいろいろ檢討を加えて見たのでありますが、実はこの
氣氣通信省
の機構につきましては、
関係方面
の專門家が多年に亘つて研究されて整備された機構でありましたので、でき得る限り簡素化いたしたいと思いましたけれども、非常に行届いた調査の結果であるということが尊重されまして、
大分削減
はされましたけれども、
骨子そのもの
は
設置法案
の骨子を生かしたものになつております。從來の
設置法案
におきましては
総務長官
というのを置いて、
総務長官
の官房の外に
業務部門
というものを業務、施設という二つの部門に分けてその下に沢山の局を置くことになつておりました。これを今度は
総務長官
を止めて
大臣官房
の外、大体において三局にいたしたのでありますが、この三局の上の所へ
電氣通信官
という一人の、この三局を監督する役を設けるという
関係方面
の方の研究されたところが採り入れられまして、これが残ることになりました。
從つて大臣官房
の外、
業務局
、
施設局
、
経理局
、それに
電氣通信研究所
とこれだけの機構であります。その
業務局
と
施設局
にはそれぞれ部が設けられておりますが、いずれも五部ずつでありまして、
業務局
の下の部は
國際通信部
、運用部、営業部、計画部、
周知調査部
こういうような部であります。
経理局
の方は建築部、
資材部
、保全部、建設部、
施設部
という五部であります。 この
電氣通信省
には外局として
電波廳
があります。この
電波廳
は三部からなつておりまして、法規、
経済部
、
施設部
、
監督部
、
電波部
と、この五つの部を
電波廳
に設けることになりました。 それから
航空保安廳
は從來通りであります。 次に労働省の機構でありますが、労働省は官房の外、五局ありましたのを官房の外、四局一部に僅かながら縮小されております。
大臣官房
、
労政局
、
労働基準局
、
職業安定局
、
婦人少年局
、
労働統計調査局
とありましたのを、これを
大臣官房
の部として残ることになつております。 それから建設省でありますが、六局が五局にな
つたの
であります。
総務局
というのがなくなりました程度であります。
残ります局
は
管理局
、
河川局
、
道路局
、
都市局
、
住宅局
。 以上が今朝までかかりまして政府で内定いたしました機構でありますが、この中で特に労働省で只今御説明いたしましたように、
統計調査部
という從來の局が部になつたところが多いのでありますが、多いと言いましても、これは三つくらいだと思いますが、これはどういうわけで
統計調査
の重要なものを部にしたかということをしばしば質問もありますので、御説明申上げて置きたいと思いますが、実は統計の仕事は、各省の業務から離れた立場では研究して行かなければならんという建前で、内閣に
統計委員会
というものが設けられまして
統計局
というのができ、一千数百名の人がおりまして統計をやつておるのでありまして、それが設けられた際には、統計はむしろ各省と連絡を取るけれども、統計それ自体は内閣の
統計局
で一括してやることにするのが理想であるというようなことで発足いたしたそうでありますが、なかなか各省におきましてもその
政策樹立
の上から
統計事務
のようなものを持つて行かなければならないということで、各省にも設けられてお
つたの
であります。併しどうしても
統計事務
の性質上、
統計委員会
の指導方針或は又その
統計局
の仕事と十分連絡を取つて行くということが必要でありますから、やはり連絡を取つて貰い、更に内閣の
統計局
が中心になるというような意味におきまして、局という機構は内閣の
統計局
一つにして、各省の
統計事務
は一つという形でやつて行くということにいたしたいということで、いずれも各省の分は部ということになつておるような次第でございます。今朝までかかりましたので、最初の三割減という方針に結果が合致しておるかどうかということは、今まだ計算ができておりませんけれども、大体近いものに行つておるだろうと思います。更に又
機構改革
の理想から言いますと、共管事項の整理であるとか、或はまちまちになつておるものを総合して技術等の総合的運営をやらしたならば、今少しく能率的ではないかという点も多々感じられるのでありますが、こういう面については結論を得るのに相当時間を要しますので、この際一挙にそこまで研究を遂げて実現することはできなかつた点もありますので、これは更に行政審議会等を設けて、問題を一つ一つ徹底的に調査いたしまして、それで結論に基いて更に
行政機構
の整理に向つて努力を続けたいと考えております。以上が今日までの機構の而の経過でございます。
河井彌八
27
○
委員長
(
河井
彌八君) この際いろいろ御
質疑
もあると思いますが、総理大臣は今日出席を要求しておきましたが、御都合でお見えがないそうであります。幸い本多
長官
がおられますから、本多
長官
に対して、
只今
の御
説明
に
なつ
たこと及びもつと根本的のこと等につきまして、
質疑
があればお願いします。
三好始
28
○
三好始
君 先程大臣は
政府
の原案は決まつたが、その筋との折衝が残
つて
おるということを申されたように思うのですが、
政府
原案が
決定
する過程において折衝は随時行われたものと我々は了解するのでありますが、そういう
意味
においてのその筋との折衝が残
つて
おるということは、全く最後的の確認を得るという問題ではないかというふうに我々は了解するのですが、その点間違いないかどうかをお伺いいたしたいのであります。もう
一つ
は、出先機関の問題は現在
政府
案がどの
程度
の段階に進んでおるのか、これを関連してお伺いいたしたいのであります。それからこれは
質問
でなくして希望でありますが、一應
決定
いたしました
政府
原案を、旧
機構
と対照して分りやすいような印刷物の形で、できるだけ早急に我々の方まで配布せられるように進めて頂きたい。これだけ
質問
なり希望なり
申上げ
ます。
本多市郎
29
○
國務大臣
(
本多市郎
君) これを纏め上げます過程において司令部と
連絡
を
通り
、又向うの了解も得つつ進めた、こういう点につきましてでありますが、これは
行政管理廳
としては全く
日本
政府
の見解として進めましたので、一々こちらの意見が
機構
を変更するというような場合にこれをこうしては如何でしようというよなことは、一切
一つ
一つ
について
連絡
はいたしておりません。併し私共が
各省
と折衝いたします場合に、
各省
においてはそれぞれ
関係
当局と
連絡
を取つた上で態度を決せられたところが多いようでありますから、そういう
意味
においては大体その
関係
当局と了解を得られたものが多いのではないかと思
つて
おります。そういうわけでありまして、今回は実はどこまでも私共の立場としては
日本
政府
の独自の見解で
機構
の
改革
に当るということで進んでおりますが、やはり
各省
においては省の意見として、どうしても我々と折衝するについて態度を決するためには
関係
当局と
連絡
して置かなきやならんというようなことで、そういうことは非常に行われた上のことのように私も思
つて
おりますが、これは
行政管理廳
としてやつたことじやないのでございます。 それから出先機関の問題でありますが、この前御報告
申上げ
ました
通り
、府縣單位以下の区域を管轄区域とする出先機関は原則として廃止し、その事務を府縣に委讓するというような方針で進んだのでありますが、そのうちで最も出先機関の大宗をなすものは
商工省
の商工局出張所、
農林省
の資材調整事務所、
運輸省
の道路運送監理事務所、この
三つ
が一番中心に
なつ
ていると思います。そこでこの
三つ
について何回も
審議
を進めました結果、この
三つ
は九月一日を以て廃止する。そうしてその事務は原則としてそのまま府縣知事に委任する。
從つて
出先機関の職員も、
政府
の方針による整理を済ました後これを移管して、そうしてその人達の勤続等については適宜な処置を講じてやるということに決ま
つたの
であります。但しこの三出張所はいずれも資材割当が主な事務でありまして、その指定資材の中に非常に量において大きいもの、或いはその資材の性質そのもので非常に重要度の高いものがあ
つて
、どうしても移管し難いものが残りはしないか。若し残るとすれば地方の出張所を悉く廃止した結果、又地方民に非常な不便を生ずるような場合を生ずるかも知れない、それは何とか方法を考えなきやなるまいということで、いろいろ
審議
いたしました結果、これは例えばそういう割当が委任されてもいいというような情勢になるか、そうでなければ統制が段々外されて行くかという
意味
を含めまして、当分の間是非必要な場所には分室を作るということを認める。更に資材調整事務所の方はその上のブロック機関がありませんから、どうしても委讓し難いものについては、現在ありますところの食糧事務所の一部にその事務をやる。それでどういうものが委讓し難いものであるかということについては、例えば油類、ゴム類とか、そういうものが移管することが困難になるのではなかろうか。又道路運送監理事務所などにおきましては、二縣以上に跨がるような事務、そういうようなのは勿論道監でいいと思いますけれども、そういうものにしても、余り九州などで一ケ所あるのでは檢査に行くにも不便ではなかろうか。そういう所にはもう一ケ所分室ぐらい設けたらどうかという話から研究いたしました結果、どうしても止むを得ない場合は分室で以て行くということに決ま
つて
おるわけであります。
設置法
にはこの出先機関の
規定
全部削除されて参りますが、事務は九月一日までに引継ぐということで、これから今の仕事を如何なるものを残すというようなことや、人員なども整理するという準備にかかるわけであります。その外の出先機関についてはいろいろ考えられたものでは、
大藏省
の地方部、或いは
農林省
の木炭事務所、又現に縣監督の下に実行はしておりますけれども、
労働省
の公共職業安定所というようなものについて研究いたしましたが、地方部については、今各縣に
大藏省
の役人が地方部ということで財務局から出張しておるのですけれども、これを何とかして整理をする、数を減らしてやるというような話まで來ておるのでありますが、まだ全廃するという結論には到達しておりません。木炭事務所については、今木炭の統制はすでに撤廃の時期である、それにも拘わらずこれが残るということは非常に矛盾じやないかという意見が強か
つたの
でありますけれども、この際これを廃止するという方向に行くよりも、むしろ、もう木炭の統制を撤廃して事務そのものをなくすという方向へ努力すべきではないか、この際特別会計に
なつ
ておる、いろいろな複雜困難な委讓ということに行くよりも撤廃の方でこれをなくすことに行こうというようなことで、これもこの際はこのままに
なつ
ております。まだ併しこれから私は研究を進め、閣議にも諮
つて
行くつもりですから、これからどういう変化をするか分りませんが、今の段階では、さように
なつ
ております。それから
労働省
の公共職業安定所につきましては、現在知事の監督の下に
労働省
の官吏が職業紹介の仕事をや
つて
おる。その官吏の身分を府縣の公吏に切替えてしま
つて
、全く府縣の仕事として、やらせることにしたらどうかというのが問題なんですが、これについてもまだ結論に到達しておりません。これは今度の議会に間に合うように結論が出るかどうか努力中でございます。なぜそれがむずかしく
なつ
ておるかと言いますと、職業紹介の仕事はどこまでも國家組織の、
政府
の管下の役所でやらなければならんというようなことが條約に入
つて
おるというようなことですが、この辺も併し研究してみると、民間の周旋屋みたいなことでやらしてはいかんというような趣旨のようにも思えますので、府縣において
政府
の監督の下にやるなら、その條約の趣旨にも違反するものではないじやないかと考えておりますが、いろいろな説が出まして、今研究中でございます。出先機関についてはそういうふうな状態で、その他の細かい駐在員というようなものは大抵皆整理ができましたので今度の整理法案から落してありますが、更に今度の
設置法案
に載らないものについても閣議の了解で廃止するということで、大体向
つて
おるというような状態であります。
藤森眞治
30
○
藤森眞治
君 そうして、この
設置法
はいつ頃
國会
に御提案になるお見込みでございますか。
本多市郎
31
○
國務大臣
(
本多市郎
君) これは
通商産業省
と調達廳の
設置法
が今朝最後に決ま
つたの
で今日のうちには法制局も通
つて
、
関係方面
へ提出させるのではないかと思う。そうしますと、全部が司令部の方に審査を廻るわけでありまして、今後は会期の
関係
もありますから、
各省
においても亦私の方においても極力向うの査定を済ますことにこれから急いで貰うつもりでおります。大体これは
機構
の全部について一回閣議で内定しましたものを、予め向うに提出もしておりますし、更に
各省
でも亦いろいろここまで纏め上げるについては了解を得た点もあるようでありますから、急いだならば提出済に
なつ
てから一週間ぐらいのうちにはOKが來るじやなかろうかと考えております。
カニエ邦彦
32
○カニエ邦彦君 都道府縣の地方
機構
の行政整理について新聞に出た点で見ますと、極めて抽象的に出ておるのですが、
政府
としてこれに対する具体的な案について少しお聞きしたいと思います。
本多市郎
33
○
國務大臣
(
本多市郎
君) これは市以上の地方の
機構
につきましては、自治法の中に盛り込まれておるのでありまして、これを今回府縣、五大都市は三割、その他の都市は二割ぐらい
程度
機構
を縮小したいという方針を閣議で
決定
いたしたのでありますが、その方針に基いて自治法の中に或る
程度
機構
の
改革
がこれから
法律案
として組立てられて出て來るわけであります。それを担当して今その方針に
從つて
自治法の
改正
案に作
つて
おるのは
総理廳
の
自治課
だろうと思います。その方も亦
一つ
説明
に出すことにいたします。適当な時に
委員長
から
一つ
お願いいたします。
カニエ邦彦
34
○カニエ邦彦君 それから行政整理の方は今日までどういう状態に進んでおるか、それについて伺いたいと思います。
本多市郎
35
○
國務大臣
(
本多市郎
君) 御
承知
の
通り
一般三割、特別企業会計二割というのが目標として決ま
つて
おりますが、この目標を以て大体定員の査定について
調査
を始めてみますと、部局、職種等について一々当
つて
みますと、止むを得ざる例外的なものが相当沢山出て参ります。なかなか方針
通り
にやり難いもの、而もその方針も全然除外しなければならないもの、緩和しなければならないもの等が出て参りまして、これは実施本部におきまして、
各省
関係
の人たちを構成員として本部を設けておりますが、その本部でそれらのことについて今ずつと
調査
を進めておるところでございます。その
調査
も大体において完了に近いところまで來ております。來ておりますがまだ
最後的決定
に至
つて
いない面も相当ありますので、これを仕上げて成るべく早く
一つ
はつきりした数字が分るようにいたしたいと思います。
カニエ邦彦
36
○カニエ邦彦君 大体今のそのお見込は何日ぐらいに纏まりましようか。
本多市郎
37
○
國務大臣
(
本多市郎
君) もう何といいましようか、
関係方面
の又期間も見込まなければなりませんから、遅くともここ三日ぐらいのうちには結論を得なければならんと思
つて
おります。
カニエ邦彦
38
○カニエ邦彦君 御
承知
のように現在の
機構
がかように多岐多樣に多く
なつ
た、或いはそういう人が殖えたということは、統制の実施強化ということにおいてかように殖えたんだろうと思うのでありますが、この統制を今
政府
から御
説明
に一部なりましたが、木炭とか或いは何とかいうような個々の具体的な、然らば何の統制を止めるかということにおいて相当数が削減せられるのじやないか。その点現在までに具体的に
政府
として考えられて
決定
されておるもの並びに今後統制を撤廃しようと考えておるもの、これについて一應御
説明
を願いたいと思います。
本多市郎
39
○
國務大臣
(
本多市郎
君) この顯著なものは野菜の統制などは撤廃になります。更に又指定資材の中でも数十品目がその割当配給制から除外される、而もこの数十品目の半分くらいはすでにOKが取れておる。或いはそれ以上取れておると言われておりますが、まだいろいろ折衝中の物があります。そういうふうなことで相当物資調整事務などもまあ今までより馴れても來ましたし、品目も減つたし、事務量も緩和されて來るんじやないかと思
つて
おります。更にこの経済統制の撤廃につきましても、なかなか一挙にできないものですから、今後はこの統制の撤廃のできるごとに、
機構
においても、人員においても整理は続けて行くことになるのでありまして、経済統制のために非常に膨脹した今の
機構
や人員を縮小して、更にそういう仕事も並行して徹底さして行きたい、今統制の撤廃も一挙にしてできないので、徹底的な
行政機構
の簡素化、人員の整理ということはやはり一挙にはできないわけですから、今は殖え過ぎておるものをこの
程度
整理し、尚続けて行くという考え方でおります。
河井彌八
40
○
委員長
(
河井
彌八君) この際私から一、二お伺いいたします。地方出先機関の
改革
の問題は、
只今
お話によりますと、可なり研究中のものが多いと思うのであります。併し私共が素人ながら研究した
方面
におきましても、まだ相当残
つて
おるんじやないかと思うのであります。例えば地方経済安定局なんというものがございます。それから或いは地方
連絡
調整
事務局
及び出張所、或いは地方建設局及びそれの出張所などは、まだ相当考慮せらるべきではないかというような考え方があります。もう
一つ
特別調達廳
なども、過日も我々は実際に行
つて
事務を
調査
したのでありますが、占領軍との
関係
がありましようけれども、余程縮小せらるべきものではないかといつたような考え方をしておるのであります。それらの点についてももつと十分に
調査
せられたいということをお願いしておきます。今すぐ御意見があるならそれも伺いたいと思います。
本多市郎
41
○
國務大臣
(
本多市郎
君)
只今
お話になりました地方経済安定局も廃止するという、大体の
政府
の意見を内定いたしまして進めておるところでございますが、まだその
決定
に至らないでおります。それからその外にも今お話のありました地方
連絡
調整
事務局
も廃止することにいたしました。それから建設省の地方建設局は廣域の六ケ所はまだそのままに
なつ
ております。これも御意見もございますので、十分研究いたしたいと思います。
特別調達廳
は
只今委員長
のお話になりました
通り
の方針を以て進んでおります。今まで総裁、副総裁があり、
長官官房
の外、一室、十三部、大変な
機構
でしたが今度は非常に縮小されましたし、人員も相当今までは
長官官房
の外に総裁、副総裁の下七局、一室、十三部、これを今度は総裁、副総裁という制度を止めて普通の
外局
にいたしまして五部ということになりますから、
機構
においては非常に縮小が行われておる。七局十三部が五部になる。それで人員は実は地方から移管された定員が非常に多いらしいのです。新規の定員が一万近く入ることになるんじやないかと思
つて
おります。そういうものについては今
中央
の
機構
について十分やりましたから、これから地方をやりたいと思
つて
おります。それで人員についても十分査定を考えております。
河井彌八
42
○
委員長
(
河井
彌八君) それから尚続いて……これは地方廳でありませんが、
宮内
府の徹底的の整理、これは私は非常に結構だと思いますが、併しそこに一部には、私などにはどうしても了解のできないような整理があるように見えます。例えばこれまでの図書寮です、これは確かに國宝的の尊い世界にないものが相当あります。漢籍にしましても中國にないえらいものを持
つて
おります。それから図書寮と諸陵の両方を一緒にしまして、図書の書の字と諸陵の陵の字と一緒にして書陵部を設けるというがごとく聞いておりますが、これは我々には余程妙なもので、如何に何でも御陵
関係
のものと昔からの典籍のものと
一つ
の部にしてしま
つて
やるというようなことは、随分不合理なように考えられます。少くとも私などは旧式な人間だからですが、國民的感情とい
つて
は惡いかも知れませんが、諸陵というようなものは、やはり
一つ
の部とか何とか言わなくても、もつと近代的のそういう役所の名前でなくて、少しは昔からの仕來りの名前をくつつけて、やはり独立させて置くべきものではないかと思うのです。無闇に減らしてしまうことがいいのか惡いのか、方針は正にそうであ
つて
も、非常に不合理なものはこの際私は改むべきもの質やないかと、こう考えます。私素人だから分らん、この諸陵というのをどう変えたらいいか、規模は縮小していいですから、陵の字の代りに司の字にしたらどうか、私は古典学者ではありませんが、多少沿革を調べて見てそんなことを考えるのであります。それから図書寮、寮の字を置くのが何故惡いかということは私には分らないんですが、何でも彼でもこの頃の名前をくつつけてしまわなければならんということまでは考えなくた
つて
いいんじやないかというように考えます。これもやはりこういう際には國民的感情も考えて、それらの点についても無理のないような制度を立てられることがいいではないか。要するに私は人員だけ所定の
通り
に減らして行きますれば、事務の
内容
の違つたものまで無理やりにその職制を変えてしまうということは、間違いではないかというように感ずるのです。これらの点につきましてはまだ案が確定しておらないのですからして、是非
一つ
考えて頂いてはということを……。
本多市郎
43
○
國務大臣
(
本多市郎
君) 実はですね、この
宮内
府につきましては、昨年までの間に大体においてその
機構
、人員において、十五%ぐらいしか残らないまでに徹底してや
つて
しまつた。そこで今回は人員においては多少の削減をして貰うことにしましたが、
機構
においては私のところでは今回は触れておらないのですが、
只今
のようなお話は今後の
機構
の問題についても十分研究して行きたいと思
つて
おります。
河井彌八
44
○
委員長
(
河井
彌八君) それからもう
一つ伺
いますのは、
政府
が今度
行政機構
を
改革
するというのは、在來の
各省
で申しますと
各省
をできるだけ圧縮するというのに止めるように見る。もつと根本的にこの國の政治を如何にすべきかという考えからですね、それに適應するようにです。
各省
を一應ばらばらにしてしま
つて
、新らしい、いい組織にするというような構想の下に出発ができないものかと思つたんですが、原案のことを伺うとそうでなさそうです。それらの点について何かお考えはないのでしようか。
本多市郎
45
○
國務大臣
(
本多市郎
君) これは最前も
申上げ
ました
通り
に、そういう観点に立
つて
やることが必要でもあろうと思いますが、やるとすれば相当の時間も置いて研究をしないと結論に行かんだろうと思います。それで一應これで殖え過ぎのものをまあ少し抑えつけるという
程度
のことをや
つて來
まして、根本的な
調査
に
移つて
今の本当の
日本
の
行政機構
はどうあるべきかという立場に立つたものを編み出すべきところにまで行きたいと思います。これは行政制度
審議
会などができたようでありますから、そういう所で十分研究して貰う……。
河井彌八
46
○
委員長
(
河井
彌八君) もう
一つ伺
います。
只今
も根本的の
機構
改正
は他日に讓るというお考えですが、すでに一應ここで行政整理をや
つて
しまいますと、もう一遍やるということは非常に無理なことになりはせんかと思うのですね。これはおやりになるか、やらにやならんとおつしやるのですからそれを信頼する外ないと思います。随分これは面倒なことと思います。現に例えば
外務省
のごときは殆んど
日本
の外交はないのだからしてこの際止めてしま
つて
もいいと私、素人考えですが考える。併し
外務省
の官吏をどつかに温存するという方法は、或る
程度
やらにやならんでしよう。それが例えば
通商産業省
などもあるでしようと、
外務省
の形も残
つて
あるのですから、これらのこともこの際やはりお考えに
なつ
たらいいのじやないかという心持がいたします。 それからもう
一つ
言えば、
只今
行政機構
改革
審議
会ですか、これはもうできておるのですか、できてないのですか。
本多市郎
47
○
國務大臣
(
本多市郎
君) まだできてないのです。今丁度委員を選考中でしよう。
河井彌八
48
○
委員長
(
河井
彌八君) それはできるとすれば、やはり強力なるものとして
法律
を以て
規定
するようなものにでもするのか、單に
内閣
だけのところの機関にするのですか、どういうお考えでしようか。
本多市郎
49
○
國務大臣
(
本多市郎
君)
只今
内閣
の
附属機関
としてや
つて
行きたい。
河井彌八
50
○
委員長
(
河井
彌八君) そうすると
國会
議員はそういうものに参加するということはないということになるのですか。
本多市郎
51
○
國務大臣
(
本多市郎
君) いや両院の方々にも
なつ
て頂く建前で進行中であります。
河井彌八
52
○
委員長
(
河井
彌八君) その場合においてはやはり
國会
の承認を得るということになる……。
本多市郎
53
○
國務大臣
(
本多市郎
君) そうなると思います。
河井彌八
54
○
委員長
(
河井
彌八君) そうなる……。
本多市郎
55
○
國務大臣
(
本多市郎
君) ええ。
河井彌八
56
○
委員長
(
河井
彌八君) 私は私見を述べて恐縮でありますが、そういうものをお作りになるならば、本当の
法律
の根拠を持つ
一つ
強い組織をお作りになる方が正しいのだ、さつき
申上げ
ましたように根本的の
機構
改正
を更にやるのだということを決意するのならば、國家の意思の最高の
決定
のでき得るようにですね、
政府
のこの組織を決められたらどうかという考え方をするのですが、如何でしようか。
本多市郎
57
○
國務大臣
(
本多市郎
君) これは強力に、
審議
会ででき上つたものを、実行に移すというのは非常に御尤もな意見だと思います。御趣旨を
一つ
更に
政府
で以て皆に諮りまして、研究してみたいと思います。
河井彌八
58
○
委員長
(
河井
彌八君) 如何でしようか何か……。(「もう
質問
はないだろう」と呼ぶ者あり)
本多市郎
59
○
國務大臣
(
本多市郎
君) 近く
設置法
と定員法を、具体的なものを提案いたしまして、
一つ
又御
審議
をお願いいたします。
河井彌八
60
○
委員長
(
河井
彌八君) 最後にもう
一つ
お願いして置きます。どうぞ総理大臣が見えましてね、やはり根本的の考え方ですね、
政府
の決意のあること等を、今度
各種
の
法律案
が出ましようが、その際に先ずそういうことを
一つ
よく徹底するような
説明
を願いたい。大臣からお傳えを願います。
本多市郎
61
○
國務大臣
(
本多市郎
君)
官房長
官にそれを傳えて置きます。
河井彌八
62
○
委員長
(
河井
彌八君) では本日はこれで散会いたします。 午後三時八分散会 出席者は左の
通り
。
委員長
河井
彌八君 理事 カニエ邦彦君 中川 幸平君 藤森 眞治君 委員 荒井 八郎君 城 義臣君 下條 康麿君 町村 敬貴君 三好 始君
國務大臣
國 務 大 臣 本多 市郎君
政府委員
宮内
府
次長
林 敬三君
宮内
府事務官 (
皇室
経済主 管) 塚越 虎男君
総理廳
事務官 (
行政管理廳
次 長) 大野木克彦君