○木下源吾君
最初の見込は二割、三割だけれども、実際やろうとするところの実情に照し合せてこの
定員を今度出したのだ、こういうようなお話は了承できますが、どうも私は実情を愼重に調査をして、そうして出されたということをしばしば言われますが、そうではないように
考えられてしようがない。そこなんです、ですから非常に不公平ができたり、あなたはしばしば言われる、これは
國家のためだというけれども、私共はこういうやり方は
國家のためにならないと思う。私はこういうように
考えておるのです、まあ一例を申上げますというと、実は氣象
関係でありますが、この氣象
関係の中で定点というのがあります。現存定点の
関係はどうな
つておるかというと、一隻約五百トンの船が五隻あるのですが、どうしてもこれは十八名一隻に乘
つていなければいかん。現存でも十六名より乘
つておらない、
平均してもつと少いのだ。この
仕事をや
つて行くためには、陸上の
事務系統にどうしても観測データを
整理したり、或いは進駐軍に報告したり、いろいろする
人員というものは相当多数要るわけでありまして、どうしても四十五名は必要である。或いは観測に対しても十名、而もこの十名は六月頃になるというと南方の方へ行かなければならないので、これも亦
増員しなければまだ完全にできないのである。尚この
仕事をやるためにはまだまだ現在より殖やしても完全に行かないばかりではなく、今度のようなことをやられたのでは
仕事に全然ならない。こういうことは大体詳しく申上げれば
数字的なことが沢山出て参りまするが、これは恐らく
一般の人達は非常に関心が薄い問題でありまするが、この実情を私はすつかり調査をいたしましたのですが、今度の
整理の結果では到底何も実効を挙げることはできぬというまでに打ちのめされてしまうわけなんです。成る程氣象
関係のこういうことは、直ちに口に入れるものではありませんし、飲むものでもございません。生活に直ぐ必要なものではないようでありますが、併しこの氣象の
仕事のために、どのくらいのつまり
経済的には一千万円或いは何百万円という利益を蒙むり、又
一般の生産、つまり農業であろうと、漁業であろうと、生産に直接これが役立
つておる
仕事であると我々は
考えておるのでありますが、こういうようなところを一部分実際に我々が当
つて見まするというと、これは
日本の國を破壞するものだということを強く我々は
考えるのであります。
〔
委員長退席、
内閣委員会
理事中川幸平君
委員長席に著く〕
でありますから、こういう必要なものについて実際に当
つておられるならば、私は今度のような
数字は出て來ないのではないか、こう
考えるのであります。本当にあなたがおつしやるように、これは
國家のためである。実績その他を勘案して、これをおやりになるのだ、こういうことが眞実で言葉
通りに裏付けられておるならば我々にも賛成なのであります、幾度ここであなたと押問答をいたしましても、これは
政府の
方針で目途で進んでおるのだ、現実に首切るのが現業官吏である、その方でや
つたらよかろうということからである。こういうように大臣諸公に聞いておるのでありますが、聞けば聞く程、更に内容に進んで行きますると、
仕事という面に行きますると、
財政の面ではただ表向きは
財政は上から來るのでありますけれども、本当の
仕事の面に行けばこれはできないという面が多々あるのでございます。この点について
一つ私は今出されておる
定員法の
定員の数だけを決めるということに非常な不安を持つ。又
將來直せばいいじやないかと言われるけれども、現に今決めたためにあらゆる
仕事が破壞されるという面、恐るべき結果が多
方面に現われることを我々は
考えなければならないのですが、本多國務相は尚確信を持
つて実情に即して我が國のために現在與えられておるところの生産、こういうものを
維持するために、又
國民生活安定のために、これはどうしても必要だ、かように
考えておられるか。これは一應もう一遍お聞きしまして、これは本当に今までのような
お答えであるならば、私はもうそれで観念しますけれども、本当にあなたが國を思われ、そうして
日本の産業を、
日本の生産を、
経済を安定し復興せしめるという見地に立
つて、それをどうしてもおやりにならなければならない、こういう
考えについて
一つもう一遍信念を承わりたい。