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國務大臣(
小澤佐重喜君) 六月一日から発足いたしまする電氣通信省と
郵政省に、私が
郵政省に
行つて電氣通信を兼務するというような問題は正式にはまだ決ま
つておりません。正式には決ま
つておりませんが、
関係の、官房長官とか、或はい総理とか、党の幹部あたりはいろいろ
議論をしておるようであります。現に新聞にも出ましたように、一應電氣通信には山口君、或いは郵政については僕というような記事も出ましたが、あの記事
通りではございませんけれども、あれに似寄
つたような話合いなどは事実あ
つたようであります。
從つてこの問題に関する限り正式に決まりませんので、その問題を必ずそうだとは申されませんが、ただ千葉君の質問の
趣旨はそれをどうこうというよりも、この記事と同時に現われました私が電氣通信
大臣を兼務する
理由の中の
一つが、非常に重大な問題であるという御
趣旨でありますから、直ぐその問題に移りますけれども、あの新聞に出たのは内閣官房長官が記者團との会見において、記者諸君から質問されて、今度の電氣通信省と
郵政省の分離問題については、その
大臣が決ま
つたかということを質問されたのに対しまして、大体私が
郵政省が本務であ
つて、電氣通信を当分兼務することになるだろうということを答えたことが、あの記事にな
つて現われたのでありまして、その際こういう條件で兼務にさせるのだというようなことは毛頭
一つも話しておらんそうであります。なぜそういうことまで私が知
つておるかというと、今千葉君の言われたようなことが、衆議院その他あらゆる方面で私はその問題を聞かれてお
つたのであります。殊にジヤパンタイムスやなんかにも、私は見ませんけれども出たそうであります。そういう
意味で私が否應なしにその問題を、具体的に誰からそういう記事が出たかという問題について調べて見なければならん立場に今まで置かれてお
つたのであります。昨日今日……これをいろいろ調べましたが、官房長官は、ああした條項の全部は勿論のこと、
一つも触れておらないということをはつきり官房長官は申されておりますし、現に
内容としても閣議でもそういう問題は
一つも論議されてもいなければ、又議題に取上げてもいないのであります。いないのでありますけれども、ただ我々は、これは千葉君もイデオロギーの点で相違するかも知れませんが、自由主義を唱えておる我々といたしましては、
從來の官営というようなものをできるだけ民営にして、能率的な
運営にしようということの
一つのイデオロギーを持
つておることは千葉君御承知の
通りであります。
從つてこの点について党員といたしましても、或いは鉄道の民営とか、省営バスの民営とか、延いては電氣通信の民営化というようなことは党員中で主張するものも沢山ございます。ございますが、これは大体その方向に向
つておる我々の政策でありますから、これを抑えるというようなことは敢えていたしません。自由討論的なことをや
つておるということを抑えるということはいたしませんが、少くも
政府部内においては直ちに電氣通信が分離と同時に民営に移管するとか、パブリツクコーポレーシヨンにするというような
考えは
政府として持
つておりません。併しながらこれは未来永劫にそういうことはありませんというのではなくて、現段階では少くとも三月や四月の間にそういうことが具体化するということは決して私はないと思います。
從つて今まで
通り、千葉君の捉えられたその新聞記事があ
つたことによ
つて、今までの委員会における
答弁とか、本会議における私の
答弁が変
つて來たというようなことは事実上ございません。
從つて私の兼務する
理由というものはそういう
意味ではなくして、何十年間
逓信省一本建で來ておるのを、今急に二つに分けるというと、人事に面におきましても殆んど幹部級の全部が異動になるという始末で、又備品等を
考えますというと、このテーブル
一つ、或いはこの椅子
一つもどつちへ行くかという問題がありますので、ここで今直ちに專任
大臣を設けるというと、
幾ら專任の
大臣が円満に行こうとしましても、二つに分けると何でも二つの共管だということで非常に問題が起るのではないか、而もその準備が済んでおりませんから、そうした無駄な爭いをなくすということで、いわゆる
事務的の
理由で若し兼務すれば私が兼務することになると思います。併し先程申上げた
通り、この問題は正式に閣議で決ま
つたわけでもございません。総理から正式な話があ
つたわけでもないから、この
通りになるということは言われませんが、若し私が兼務するということになれば暫定的であ
つて、
事務の二省分立の
一つの過渡期の措置となるのではないかと思います。