○國務
大臣(小澤佐重喜君) お答えいたしますが、先ず第一に、
保險その他の年金の積立金の
逓信省還元の問題でありますが、これは昨年の立案でありまして、当初
関係方面からの注意で、資金の税制、一元化という意味で今大藏省へ行
つておるわけであります。その後特定
局長会議とか、或いは全逓その他
本省の労組というようなところからも熱烈な
希望もありまするし、この運用資金は簡易
保險の生まれた当時から、これは
原則として
逓信省で運用しながらその加入者の利益のためにその資金を使うというのが建前にな
つておりますので、その
趣旨にも反するという意味から、私は就任当初から速かにこの問題を
逓信省に還元して参りたいと
考えておるのでありますが、差当り、私も当時非常に用が多か
つたので、武藤政務次官にこの問題を担当して貰
つて、事務的な折衝、政治的な折衝を続けて参
つたのであります。その結果、結論においては、先ずこの
日本政府が一本にな
つて來なければ向うでは何とも返事ができないという結論を得ましたので、結局
政府部内において閣議でこの問題を決定した上で、先方と交渉するのでなければ実現が不可能だという見通しが付いたのであります。結論は私自身のいわゆる閣議で発言してそうして
了解を得るという
程度でありますが、これは單に大藏省と私の方だけではなかなか決まりそうがないので、他の閣僚諸君にこれに対する
意見を相当求めつつあるのでありまして、大体私の方の主張に賛成して呉れておるような
状態にな
つておりますので、そう遠くない時期に私はこれを発言して、この実現を得たいと思
つております。つまり大体各閣僚とも賛成するという見通しが付いたときにやりたいと
考えております。これは明日とか明後日とかと私は言われませんけれども、そういう
一つのコンディションを今狙いつつありますから、必ず近いうちにできるのではないかと思
つております。但し
関係方面で、
日本政府はこうでも、どうにもならんという場合は別でありますが、
日本政府としてはそういう方向に向
つておるので、実現の可能性が近いうちにあるのではないかと思
つております。
それから福利施設の問題ですが、私といたしましては、殊に現場に預
つておる主管
大臣として、せめて福利施設の面で働く職員諸君の生活の安定を幾分でも緩和したいという精神から、いろいろ
考えて参
つておるのでありまするが、例えば先だ
つても、成田かどこからか通
つておる職員が、余り過労のために死んだというような事実もありますので、これは結局住宅問題からそうしたことになるので、それに二時間も三時間もの遠くから通
つておるというような
現状も職員中には相当あります。この住宅問題等は焦眉の大きな問題であるという念慮の下に、当初
逓信省内の予算としては、相当大きいものを要求したのでありましたけれども、結論において非常に削減されております。が、まあここで申上げてはどうか知らんけれども、とにかく我々の力でできるだけの方法を講じて、余りはつきり言えませんが、方法を講じてそうした方面に廻したいと、こういうふうに
考えております。尚病院とか或いは医者の数というような問題につきましては、所轄の
局長から申上げます。
それから今度の予算の問題でありますが、御
承知のように昨年度は
電話公債三万六千円というものがありまして、約三十七億くらいだ
つたと思いましたが、それだけが建設資金に廻されてお
つたので、非常に
復旧復興事業に貢献したのでありましたが、
從つて逓信省としては、今年度もこれを継続して建設の資金にしよう、こう
考えてお
つたのでありますけれども、この公債もやはり國家の負担になる公債であるから、國家の負担になるべきものは一切完全な均衡予算の前には相成らんというようなお
考えが強くて、遂にこれを廃止せざるを得なくな
つたのであります。これを廃止するというと、昨年度架設をした人は三万六千円の公債を買い、今年度は一文も要らんというわけには行きません。千八百円の建設費は要りますけれども、今年度の人は三万六千円の公債を買わずに架設ができるということにな
つて、ここに非常に不公平ということが
考えられます。こういう点から
考えて、公債がいかんというならば、建設費を少くとも千八百円を一万五千円或いは二万円くらいで、建設費を取ることがむしろ公平の
原則から見て適当じやないかというので、この線もまだ駄目と決ま
つたわけではありませんが、ずつと前から交渉しておるのですが、まだ先方からの
了解を得ずにおるような次第であります。
從つて若しこれが不可能であるということになりますと、昨年度のいわゆる加入者に対しましては、予定の期間を繰上げて、早期にこれを返さなければならん。そうでないと、非常に不公平になると思
つて、若しそれが不可能の場合は、來年度辺から少しずつでも早く返して、公平の線に引下げて行きたいと
考えております。それでは
一般の今年度の建設資金の問題でありますが、御
承知のように一千七百五十億の見返特別勘定の中から二百七十億、即ち鉄道
関係では百五十億、
通信関係で百二十億の公債が使用を許されておるのであります。
從つて逓信省としては百二十億を基礎にいたしまして、更にこの損益勘定から四十六億、それから進駐軍費
関係から來る二十五億、これを合算しますと大体百九十億
程度の建設資金になるのであります。百九十億と申しますと、二十三年度の量と大体金額においては同じである。併し金額が同じでありましても、
事業量から見ますというと、物價の
値上り或いは
賃金の
値上り等で、大体三割
程度事業量では減少するのではないか、こう見られまするが、併し現在の資材の面におきましても、或る品物だけが多少ストツクとして残
つており、或いは利用できるようなものが多少ありますので、そういう資材を極度に活用いたしまして、そうしてこの三割減というものを大体一割減或いは一割五分減まで引上げて建設をしたいという目途を持
つておるのであります。
從つて大体今年度におきましても、六万七千と普通の共同
電話三万個、計十万円の
復旧、
復興をやろうという計画を立てておりますし、昨年度のいわゆる繰越予算も多少はありますので、大体十万個
程度の新設は行えるのではないかということを
考えておる次第であります。