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中西功君 私は日本共産党を代表いたしまして、この
法案に反対いたします。反対の
理由については、ここで詳しく述べませんが、この
法案で出されたいろいろのいきさつ、更に第四條六項七項が一應幸にして削るということになりましたけれども、衆議院が附帶決議として出されておるものは、全くこれを削
つた意味を喪失しておると思うのであります。実際に
貿易資金特別会計が存在してお
つた時代に、私達は実はこの援助
物資を特別な会計において会計すべきであるということを申しておりました。併しそれは決してこのような形において、それを会計すべきではなくして、飼くまでも日本
政府が、この
アメリカから持
つて來るところの物を正確に記録し、而もその資金については、日本
政府の責任において正しいところに使うべきである、單に
貿易会計の中だけぐるぐる廻りをしておるようなこと、又そのことによ
つて莫大な輸出補助金を與えておるようなやり方はよろしくないという
意味で、特別会計の設置を要求してお
つたわけでありますが、併し今日出て來たものは全くそれと内容が違
つておると思うのであります。こういうように行くならば、これは極めて日本
経済におきまして、大きな惡い影響を及ぼすと我々は
考えます。その点については、今後の運用が大いに問題になるわけでありましようけれども、ただ会計の面
一つだけ見ましても、
貿易会計との
関係で見れば千七百五十億というものは、これは想定されたものでありますが、少くとも
向うから持
つて來るイロア及びガリオア
物資を、そのまま日本の
爲替レートで換算した額、その額を全部無條件に
貿易会計から、この会計に繰入れるということには、非常に無理があるのであります。我々はその額を一應この会計の上に示して置くということについては、会計
技術上から見れば別に
異議はないのであります。併し
貿易会計の実情を何ら考慮せずに、そのまま無條件に一定の額だけ、見返会計に繰入れる。資金的に繰入れるというやり方は、これは
貿易会計を非常に犠牲にいたします。その結果
一般会計から
貿易会計に莫大な國民の血税を入れなければならなくなる。このことに関しては私達の勝手な
見解でなく、この
委員会の席上で
政府委員もはつきりそういうふうに言えばそういうことになります、ということを認めた問題であります。だからそういう点に関しては少くとも、この会計上のこの問題を直さなければ、このまま行われて行くならば、國民の税金の負担はますます多くなる。いわば非常に奇して
関係でありますが、輸出が進めば進む程、日本
政府が必死にな
つて輸出
貿易を振興すればする程、今のこの会計と
貿易会計の関連から言えば、
一般会計からの繰入金が多くな
つて、即ちそれだけ税金が多くなるということを極めて明白に示しておる。この点は
政府側もはつきり認めておるところであります。こういうような
部分的の点においても大きな欠陷があります。根本的な問題については、もつと沢山なものがありますが、我々はそういう
意味において、これはやはり作るとしても相当根本的に内容を変えなければならん。何より大切なことはこの会計は日本
経済を動かして行くような資金を包擁しておるために、飽くまでも日本
経済の本当の復興のために使われなければならないわけですけれども、今の状態で行くならば、それができない状態に來ておるということを
考えますので、この資金の根本点についても私達は反対せざるを得ない、大体そういうふうな
理由によ
つて、我々共産党はこれに反対いたします。