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國務大臣(
池田勇人君) この事業税と申しまするか、價値増加税と申しまするか、実は
シヤウプ、ミッションのあれにはヴァリユー・アデット・タックスとな
つておるのであります。何と名前を付けていいか
檢討を加えておりまするが、これは
シヤウプ博士の言によりますと、世界でや
つた國はございません。
自分もこの問題につきまして一二回議論いたしましたが、その
内容につきましてははつきりいたしていないのであります。從いまして
シヤウプの全体の
勧告案を見て
檢討を加えなきやならんと思います。今
お話の点で私がここで御説明できるのは、今までの営業純益とか営業税
というのでや
つておりますると、賣上金から仕入金を引いた差額からいわゆる荒利益から店員の俸給給料その他の必要経費を引いております。今度のは必要経費を引かん
ということははつきりしておるようであります。そこで又賣上から仕入金を引くのみならずそのときの國定
資産等の増加分も仕入金として引く
ということもはつきりいたしております。從いましてそこにそういうふうに載
つておるのであります。今
お話のごとく賣
つた場合はどうか
ということは、
シヤウプ博士から私聞いたところ載
つておりませんので、今ここで申上げることは如何かと思います。併し何と申しましても
シヤウプ博士の租税学にはこのヴァリュー・アデッド・タックス
というものは詳しく載
つております。それを
檢討し又
日本でこれを地方税、府縣税としてやるわけでございますから、地方財政
委員会の方で十分に御
檢討を願いたいと思います。今のところその
程度じか申上げかねるのであります。
次に今度の
税法におきましては
法人税の
税率が非常に安くな
つておる、これでは
個人から
法人に組織変更するのが非常に多いだろう、御説の
通りでございまして、昨年から昨年本年に掛けましてこの
税法が出るまでもなく非常に
法人のあれが多うございます。從いまして
法人につきましては二百七十億円の
租税收入でございますが、申告が非常によくな
つて來たのと、
法人のあれが非常に多いので、今度の
法人税の
收入は予想以上に激増いたしております。今度の
関係で
個人より
法人になる場合が多いと思いまするが、見方の問題でございまして、
法人にな
つてそうして留保したものが留保
所得に
課税に
なつたり、或いは配当した場合或いは俸給を出した場合には
個人として
課税するのですから、今までの
課税の方がきつ過ぎた
ということも言えるのであります。その問題は私は余り心配ないのだ、概ね
個人から
法人になるのは、
法人になりますと
調査が粗放であ
つたり、或いは今までのように権衡とか何とかい
つてぱつと決められんから
法人の方がいい
というので、つまり
課税の
調査の仕方を見越してやる。
税法自体、
税法のために
個人より
法人がいい
という場合は少いのじやないか、こういうふうに
考えておる次第でございます。
第三点の平衡資金につきましては、これにもはつきりは載
つておりません。載
つておりませんが、思うに從來の配付税配付金或いは全額補助金或いはいろいろな國からの補助金等を入れまして
一つの財政平衡資金
というものができることになると思うのであります。この点も全体の報告が出てからはつきりすることと
考えております。