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説明員(荻田保君) 荻田でございますが、役所の方が六月一日から変りまして、
地方自治廳ということになりまして、そこの
財政部長をしております。
地方財政及び殊に
税制につきまして簡単に現状を申上げ、今度のシャウプ・ミッションを機会に、これをどう変えたらいいかというようなことを考えておりますので、その点につきましても附加えたいと考えております。まあ御
承知と思いますが、
地方團体の行
なつております
仕事は非常に多いのでございまして、大体いわゆるこの行政、第一線的な行政事務はもう殆んど
地方團体がや
つておるわけでございます。学校も、小学校、中学校、高等学校、それから土木におきましても、道路、河川、港湾等、警察、消防、警察につきましては、田舎の
地方につきまして國家
地方警察というものがあるだけでございます。その他は全部自治体警察であります。それから経済
関係に関しましても、農地、森林、漁港というような公共施設的なものから、いろいろ助長的な行政、或いは統制的な行政というようなもの。それから衛生問題につきましても、殆んど全部、社会事業につきましてもまあ殆んど全部、いわゆる恐らく行政という、一般
國民に
関係いたします行政はすべて
地方團体がや
つております。これは昔からそうではありましたが、新憲法施行前におきましては官廳たる
地方廳の府縣知事がございまして、これが施行しておる部分が相当あ
つたのでありまするが、新憲法施行後は
地方自治ということが強く憲法を以て強調せられ、これにあらゆる事務が移されて來たのであります。それでこのような事務を
地方が施行いたしますのにつきまして、
地方團体は独自の
財政を持ちましてや
つております。それは決して國の特別会計ではございません。自治團体國有の
財政であ
つて、それぞれの
歳入を持ち、それぞれ
歳出を支出しております。それは一に
地方自治体の意思によ
つて決定しておるのでございます。法律を以ちまして行政的に命令されておるところは、これは大体法律
通り施行しなければなりませんが、その範囲内におきまして如何なる
歳入を取り、如何なる
歳出を出すかということは、すべて
地方團体の自治なのでございます。從いまして
地方團体の行
なつております
仕事が大きいので、その
歳出も相当の額を占めておるのであります。本
年度は大体三千五百億という数字を一應
地方財政の枠として考えておりまするが、この数字は國の七千億というものに対しまして相当低いようではございまするが、國の
歳出の中には
價格調整費であるとか、出資金的なものであるとか、或いは更に終戰処理費的なものというような本当の行政費以外のものを含んでおりまするが、行政費の比較においては恐らく
地方團体の方が大きい、それに從いましてその税
收入も相当なければならないのでありまするが、後に申上げますような理由によりまして税
收入は或る
程度少くて、國の
予算が殆んど一般会計に関しまする限り蔵入は税、専賣益金を含めまして税を以て賄われておりまするに拘わらず、
地方は半分くらいより税
收入を得ないのであります。このような数字は、今では二十四
年度ではそのような
程度でありまするが、過去に遡りますると、昭和の初めから戰爭、日華事変の始まります前くらいまではむしろ
地方の
歳出の方が大きか
つたのであります。又税におきましても大体
國税の七十%くらいの割合を持
つてお
つたのであります。それは当時でも國防費は、いわゆる陸海軍の費用を含んだ國の
予算に対しましてその
程度であ
つたのでありまするから、これが今後國防費がなくなり、それから
地方自治強化という面からいたしまして
地方国体の
仕事が殖えて來るというような
傾向を今後考えますときは、必ず
地方の
財政の方が國の
財政をオーバーすることは明瞭であろうと思うのであります。目下その過渡期にあるのだろうと思います。このような
財政の規模を持
つているのでありまするが、この
財政の経理が國家
財政と同様に非常に最近困窮を極めているのであります。それが何故困
つているかと言いますと、これは大体国家
財政に対する理由と同じでありますから諄く申しませんが、ただ特別の
事情として考えられることは、この
地方團体の
仕事が非常に殖えているということであります。
一つにはいわゆる
地方自治拡充というようなことから國の事務が
地方團体にどんどん移管されて來る。それから第二にこの新らしいいわゆる民主主義の線に沿つたと申しますか、この
仕事が殖えて來ます。その顕著な例は六・三制とか、自治体警察の創設とかそういう新らしい
仕事が行われて來ます。
それから第三番目に災害が非常に最近多いのでありまして、これは恐らく戰時中に濫伐いたしました山林或いは河川の改修等を怠
つておつた結果だろうと思いますが、現在非常に多い。こういうことからしまして
地方の
歳出は余程窮屈に
なつて來ているのであります。ところがこれに対しまして
歳入の方は、過去の税が大体まあ何と言いまして
國税本位でありまして、
國税においては少数の科目を以ちまして多額の税
收入を上げるというような大きな力強い税で大体集中されておりますが、
地方の税は細かい微力な税を主体としておりますために、その税におきまする伸びが足りないということからしまして、
歳入が不足しているのであます。それから又
地方におきましては、そのように税
收入が足りませんために大体臨時的な事業というのは
地方債を発行することによ
つて処理して來たのが、今までのやり方であ
つたのであります。ところが
地方債を発行することは
財政健全化のためにも、
インフレ防止のためにも適当でないというような思想からしまして、この
地方債の発行額をどんどん縮減しているのでありまそれに見合う一般
財源が十分與えられればよろしいのでありますが、單に
地方債を縮減するというだけでありますので、そこにも
歳入を減少するということになるのであります。
それから第四番に國庫補助金等の減少であります。
地方團体の行
なつている
仕事に対しましては、國の方が相当國庫補助金が出ておりました。ところが國家
財政を圧迫するというような趣旨からしましてこの國庫補助金が縮減されているのであります。で縮減されただけ事業そのものも止めて差支ない、或いは補助金は縮減するけれども一般の
地方税は増加するというような
状態であれば、
財政上は差支ないのであります。ところが国庫補助金は縮減するけれども事業そのものは捨て置くわけには行かない、又国庫補助金が減つただけ一般
財源を殖やすということもこれに伴
つていない、こういうようなことからいたしまして、この面からも相当
地方團体の
財政が圧迫されて來ているのであります。まあそのような結果
地方財政の運営というものは極めて困難な
状態に当面しているのであります。然らばその困難な
状態はどういうところに現わているかと言いますと、先ず税の面において強く現われていると思うのであります。税につきましては、
地方團体で取ります税につきましては、大体いわゆる法定の科目というものが決めてありまして、住民税、
地租、
家屋税、
事業税というようなものを主眼にいたしまして、その外入場税、遊興飲食税その他沢山の税があるのでありますが、その科目の外にいわゆる法定外独立税として税科目を起して取ることができるように
なつております。これはつまり法定税目では
財源に不足するような場合にそれ以上の税目を取るということができるように
なつているのでありますが、そのような
方法を探らなければならん場合が相当沢山あるのでありまして、百数十目の科目が法定外独立税としてできているのであります。それから又法定科目につきましても、住民税、
地租、
家屋税、
事業税等はいわゆるこの標準率いうものを決めておるのであります。例えば市町村民税にいたしますると、一世帶当り四百五十円というのが漂準率でありますが、それで
財政が足りませんと、この四百五十円を平均五百円とか六百円とか七百円とかに上げることは
地方團体でできるのであります。そのように標準率の超過
課税をしなければならない場合が多分にあるのであります。昭和二十三
年度におきましても、都道府縣におきましては大体七割
程度の都道府縣が標準率ではおさまりませず、それ以上の
課税をしておる。市町村におきましてもやはり七割
程度、八割近くも標準率超過
課税を行
なつております。その超過割合も甚だ、しいうは十倍というような税が取られているのであります。市民税につきまして今申上げましたように四百五十円が標準率でありますが、それを十倍近い一戸当り五千円というような
課税をしているところが相当あるのであります。税におきましてそのように
納税者側から見れば、いわゆる滅茶苦茶な
課税が行われているというような
状態に
なつております。これは何も
地方團体が好んでそのような税を
課税しているのではありませず、
財政がや
つて行けませんので止むを得ず
課税しておると考えられるのであります。殊にその税を取るのにつきましては、
地方團体でも市長なり府縣知事なりが勝手にできるものではなくて、それぞれの議会の同意を得なければなりません。その場合に鋭くその点に関しまして批判が行われまするので、苟くも無駄なような経費があれば恐らくそのような高い
税率は認められないのでありまするが、
地方團体側も住民の代表者たる
地方團体の議会も、これを是認して止むを得ずそのような高い税を取らなければならないというような
状態に
なつておるのであります。それから税でそうような高いのみならず、とてもその税の範囲内においては、それでも
歳出が賄い切れないということになりますると、結局寄附金のようなものを募
つておる場合が多いのであります。自発的の本当の篤志家の寄附であればこれは喜んで受けても差支ないと思いますが、一種の強制割当のような寄附金はこれは避けることを
政府としても考えておりますし、
地方團体側にも申しておりますけれども、なかなかそれでは追附けませんので、止むを得ず強制的な寄附が行われておる。殊に町村等におきましては甚だしいのでありまして、或る縣ではその年の住民税の額よりも寄附金の額の方が多かつたというような例もあるのであります。尚直接の寄附金だけでなくて外部團体、例えばPTAであるとか、警察後援会というようなものに対しまして、市町村が自分でしなければならない
仕事を押附けて、PTAなり警察後援会なりがそれを会費とか或いは寄附金というような恰好で住民から取
つておる、こういうような
状態も多いのであります。そのような
状態で
歳入につきまして重い
負担を
課税しておりますが、それでも必要な経費に十分な
歳入を得られず、どうしても行わなければならない
仕事が次々と残されて行
つておるのであります。勿論
財政緊縮の見地から不用な経費は削減すべきことは当然のことでありまするが、
地方團体におきましては冒頭に申上げましたように第一線の行政機関として責任を持
つておりまするために、ただ金がないからもうこの
仕事はできないのだというような言訳は或る
程度通用しない場合があるわけでございます。例えば災害復旧のごとき、
政府の方におきましては本
年度の公共事業費はこれだけだということを言いましても、
地方團体におきましては、壊れております堤防をそのまま放
つて置けば今年、來年の出水のとき必ず又何百戸が水につかる、何百町歩の田が水につかるというような場合に、幾ら
政府が國庫補助金を出しませんでも、
地方團体は何とか
方法を講じてこの
仕事はしなければならない。又例えば六・三制のごとき、
政府は六・三制の法律を作
つてこれを出して置けばそれで一應責任は済む、補助金がななれば、
財政上出せないと言えば、まあ一應それで済んでいるようなものでありまするが、
地方團体におきましては、本当に入
つて來まする子供を校舎に入れて教育するという責任を持
つているのでありまするから、如何に補助金がなくても子供を入れる校舎は建てなければならないというようなことから、本
年度、二十四
年度のこの義務制教育がもうすでに三ケ年の完了をいたしておりますに対しまして、
地方團体としましては、二十三
年度中から相当の手配をしているのであります。それは無論内輪では、二十四
年度以降におきまして
政府の補助金なり或いは
地方債なりが認められるものだという予定の下に相当遣り繰りをいたしまして、そういう建築をしている、然るに本
年度國庫補助金は一文も出ない、
地方債も認められないということになりますと、すでに実行しております経費をどう処置したらいいかという問題が出て來まして、目下市町村におきましては、一番の問題に
なつているのであります。それも何も好んでそのようなことをや
つているのでなく、教育の本当の責任者とされておりまする町村としましては、如何なることがあ
つても入
つて來る兒童を收容するということは、どうしてもやらなければならないという面があるからであります。このように
政府等の
予算とは違いまして、どうしても切詰めることのできない
歳出が相当あるわけでありまして、その
意味におきまして、如何に
歳入がなくても何とかしてこれを行わなければならないとうことからいたしまして、先程のような高い
税率、寄附金というようなものが出て來ます。それでもそのような経費を或る
程度放置して置くより仕方がない、そうして無理にそれを執行いたしますると、結局
歳入蔵出が合いませず、決算が出來ないという恰好になりまして、
地方財政におきましては繰上げ流用と申しまして、翌年の経費を繰上げて使うという途が開かれておりますが、恐らく二十三
年度よりはこの繰上げ流用の
方法を採るところが相当出るのではなかろうかと考えられます。又そうでなくても、一時借入金というような
方法によりまして、或る
程度金融的にこれを繋いで行くというような
方法も講じているわけであります。大体
地方財政の概要はそのようなのであります。
このように困
つておりまする
地方財政をとにかく何とかして建直しませんと、
一つにはいわゆる経済九原則の要請である
財政の健全化ということもできませず、又
一つには、新憲法の精神であります
地方自治の拡充とうことが本当に実行できるための裏付をなしまする
財政的基礎も確立いたしません。そういう
意味におきまして、
地方財政を確立するということは、経済九原則の実行につきましても、我が
國民主化のためにも必ず行わなければならない事柄であると我々は考えているあであります。然らばこれをどのような
方向において
改正すべきかという点でございまするが、いろいろ
歳出の面、これは外の
歳入の面もござもまするけれども、本日は省略さして頂きまして、税に関しまする限り考えて見ますると、何と申しましても
地方税の分量が少いわけであります。どういう税がどうのこうのということは第二段にいたしまして、税の分量が少いわけでございます。現在大体
地方税として
課税し得る額は、現在の法律を以ていたしますと、二千五百億円
程度なのであります。そのうち千百五億円は
地方配付税なのであります。ところがこの千百億の既定の率を本
年度限り改めまして半分
程度にいたしたのであります。つまり六百億
程度これを減らしました。從いまして本
年度の
地方税收入は二千億に
なつたという、ここに非常な問題があります。殊に本
年度に関しまする限り基準の
税額は六百億から減つた、ここにまあ大きな問題があると思うのであります。この分量を殖やすことは、とにかく既定の二千五百億まで殖やすことは勿論、この二千五百億を更に殖やす必要があるだろうと考えるのであります。ただそれを行いますにつきましては、こふは大藏省
関係からお話があつたと思いまするが、
國民負担というものがすでに限界に達してると考えまするならば、これ以上
地方税において増税する
余地はないであろう、むしろ
地方税中には減税しなければならない分が沢山あるのでありますから、これ以上の増税は到底期待し得られないと考えるのであります。從いまして現在取
つておる國の税を分けて貰うことしか考えられないのであります。然らば國のおいて国税を
地方税に分けてやるだけのゆとりがあるかという点になりますると、これはむずかしい問題になると思いまするが、
地方税から見た考えといたしましては、
國税を
地方税に分けて貰うより
方法はないのじやないかと考えておるのであります。次に然らばその内容におきましてどのような税の組織であつたらいいかという点であります。
地方税の中には、我々
配付税ということを
一つ考えておるのであります。この
配付税はいわゆる
地方財政調整の作用をしておるのであります。
地方團体がそれぞれの区域において区域内の
課税客体から税を取るということにいたしますのは、
地方團体の
財政の自主化を図ることは勿論好ましいのであります。ところが
生産力と申しますか、
所得と申しますか、そういうものの分布が日本の現状におきましては必ずしも全国均一に行
つていないのでありまして、從いましてそのような
状態の下におきまして自己の区域内からだけ税を取りますると、どうしてもその税
收入に多い少いが起
つて、極めて不
均衡なことに
なつて來る。更に一方
歳出の方は、六三制にしろ、自治体警察にしろ、或る
程度全國的に強制されておる、全く自由にそれが
なつておるものなら税を取り得る範囲内において実行して行けばよろしいのでありますが、
歳出の方はなかなかそのような費用は少くて、國からはつきりと標準を示されておる費用が多いのであります。これは大体
地方の
歳出中の七割くらいは、いわゆる必要経費と申しまするか、
地方團体みずからがどうにもならない一定の金額を示して支出を強制されておるような経費なのであります。從いましてそういう経費はどうしても出さなければならん。ところが一方
独立財源だけでは税
收入は十分に得られないところが出て來る、こういうようなところからいたしまして、
地方財政を
調整する必要があるのでありまして、このために
配付税制度というのを以ちまして昭和十五年から実施して來ておるのであります。現行の
制度によりますると、その額は
所得税、
法人税の百分の三三・一四と
なつておりまして、この数字が本
年度の国税、
所得税、
法人税の見積りから行きますると、先程申上げましたように、千百四十五億
程度になるのであります。この
程度のものは
地方財政調整のために大体必要であると考えておるのであります。ただこれはそのような
意味でありまするから成るべく少くして、
調整的な税は少くして、
地方独自で
徴收できるような……成るべくこの
配付税を少くいたしますることが
地方財政を自主化するという点からは望ましいのでありまするが、ところが現在のように團体間の
財政力の強さが戰後いろいろな
事情から凸凹が甚だしく
なつて参りましたので、相当程のものは要るのであります。ただ千百四十五億その額が必ずなければならないかという点になりますると、多少疑問がございまするが、まあその
程度であ
つても別に差支ない、強い障害はないと考えておるのであります。そこでそのような
配付税をひつくるめまして
地方税をどのように持
つて來るかという点でありまするが、そのように大きな額でありまするから、國との分け方におきましても大きな点で分けなければ到底成り立たないのであります。つまり税を
所得税、
收益税、
消費税、流通税というように分けますと、現在日本におきましてどうしても
所得税、
消費税というものが大きな割合を占めております。流通税はまあこの前
取引高税ができましたが、これはとやかくの批判がありまして適当でないように考えます。それから
收益税につきましては、いわゆる
地租、
家屋税、
事業税等でありますが、現在におきましてはむしろ余り價値がないのではないかと思います。どうしても
所得税と
消費税を適当に國と
地方において分けなければならんという問題に帰着するのじやないかと思います。そこで
所得税につきましては先程申上げましたように、いわゆる
所得税、
法人税の三三・一四%というものが
地方の
配付税に
なつております。それから
地方におきまして住民税というものがございますが、これは大体
所得税と目すべきものでありまするが、先ず
所得税につきましては半々ぐらいの國と
地方の分け方であ
つてこれ以上望むことはできないのでありまして、若しこれ以上
所得税を
地方税に移すことになりますと、
國税、
所得税、
法人税の方が
却つて少くなりまして、まあそれは余り好ましい結果ではないと考えるのであります。
消費税につきましては殆んど國の方が独占しております。殊に今大きなパーセンテージをなしております
煙草、酒に対する
消費税というものは國に独占されております。一部去年酒につきまして酒
消費税が百分の五の課率を以ちまして認められておりますが、これは僅かなものであります。大部分が國に独占されております。これをどうしても対等と申しますか、今後
地方税を殖やすべき額はこの面において殖やして貰うより外仕方がないのじやないかと思います。そのように大きな方針を以て今後の税の改革を行いたい。つまり繰返しますと、
地方税の
総額を増加する、その増加するのは大体
消費税を以て増加する、これが大体現在
地方財政側としまして考えておる点であります。細かい点に至りますると、その外に
税率或いは税目等において、好ましくない税を成るべく軽減したい。高い税といたしましては、
事業税が十五%、不動産取得税が二十%、入場税が十五%、遊興飲食税が百五十%、このような高い
税率であります。このように高い税ではとても
負担の上から見ましても、或いは
徴税の面から見ましても好ましくありませんので、これを引下げたい。ただこれを引下げるにつきましては、ぞれに代る
財源を求めなければいけないという
状況であります。それから税目におきましても、いわゆる法定外独立税の百幾つかの項目、或いは法定税目にあります税でも好ましくないものがあまして、成るべくなら廃止したいと考えております。よく何々税を作るのは……。こんなものは止めるべきだという議論が出ますけれども、これは何も
地方團体としまして、好んでそのようなことはしておりません。全体の
財政の力がないために、止むを得ずそのようにいたしておるのでありますから、その先々を掴まえてあれを止めろ、これを止めろというようなことで、到底問題は
解決するものではありません。元を殖やしさえすればそのような税に自然に止めるものだと思
つております。まあそのような細かい税におきまして相当廃止すべきものが考えられます。つまりもつとよい税源を與えまして、そのような税は廃止した方がいいと考えられるものが相当あるのでございます。大体そのような考えを以ちまして、現在
國税が國庫
予算等々の調節から、いわゆる
政府案といううなものをまとめるべく努力をしておるのでありますが、未だそこまでは全然行
つておりません。我々
地方財政側の主張しておる
程度でございます。そのようなことは大体この間
シャウプ博士に対しまして、うちの元の委員会の委員会から申達してあります。今資料を持
つて参りますが、出した全文を印刷したのがありますから差上げたいと思います。甚だ雑駁でありましたが、大体
地方税財政の現状及びこのうち
地方税に対しまする改革の
方向等について簡単に申上げた次第であります。