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1949-09-20 第5回国会 参議院 選挙法改正に関する特別委員会参議院議員選挙法改正要綱立案に関する小委員会 閉会後第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年九月二十日(火曜日)   —————————————   本日の会議に付した事件 ○参議院議員選挙法改正要綱仮案に関  する件   —————————————    午前十時五十九分開会
  2. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それではこれから引続いて開会をいたします。昨日の続きの第二十八より御審議を願います。
  3. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 第二十八、國庫負担経費は、次のものとすること。  左の各号に掲げる経費は、國庫負担とする。 一、地方選出議員候補者立会演説会開催に要する経費 二、放送に要する経費 三、新聞廣告に要する経費 四、無料葉書に要する経費 五、特殊乘車券交付に要する経費  この問題は國庫負担経費について、選挙運動中の如何なるものについて國庫経費について負担をするか、こういう問題であります。この点につきましては、すでに臨時特例法の二十八條におきまして、これと同樣の趣旨規定があるのでありますが、ただ二十八條の場合におきましては、立会演説会というものがあるのでありますが、この全國選出の場合に立会演説会がないということから、全國選出議員立会演説会経費を取つております。尚個人演説会のための告知及び施設に関する経費というのが臨時特例の方には入つておりますが、この案によれば個人演説会が場合によりましては自由になるというような点から、これは一應削つてございます。その他につきましては大体同じでありますが、尚この運動につきまして、用紙なりその他の事項につきまして、公営をとつて行くということになりますれば、第二十八の一から五までの範囲は場合によれば拡がつて行くという関係になります。この問題はそういつたような問題であります。
  4. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 ここに列挙されておるものの中で、先ず第一に問題になるのか、今もちよつと説明の中にありました個人演説会開催に要する経費の問題ですが、今御説明のように、個人演説会というものが自由になる、從つてそういう意味でこれに入つていないということなんですが、個人演説会が自由であるけれども、併しやはり個人演説会に対して選挙が十分な知識を以て自由に行われるために、公営が目的としておるような趣旨の、つまり学校或いは地方公共團体管理に属する公会堂及び議事堂、在いは市町村選挙管理委員会指定した施設、そういうような施設の便宜が提供されることがやはり望ましいと思う。そうでありませんと、個人演説会開催が自由になつたということは、半面において非常に不自由なことになつてしまう。学校公会堂や、そういうところで個人演説会をやるということが非常にむずかしくなるということがあると、これは我々の立法の精神に反することである。從つて個人演説会が自由になつても、個人演説会に対して今申したような、学校公会堂議事堂や、その他選挙管理委員会指定する施設というものが公営によつて使用されるように、そういう規定を是非置いて頂きたいというふうに考えます。
  5. 鈴木直人

    鈴木直人君 私も実はそういう考え方を持つてつたのです。從つてこの前ビラを貼る場合にもそういうものには無料ビラを貼つて貰う、勿論公共團体がここにビラを貼つてよろしいのだと言う範囲内においては、絶対禁止しない方がよろしいと、こう考えて主張したところが、皆さんは、そういうことになるとむしろ不公平になるというような話で一蹴されてしまつたわけですが、今公共團体なり國の施設を、例えばこの学校、この学校は自由に個人演説会使つてよろしいと言つて提供された場合に、候補者間において会場の日にちとか時間とかが競合したりいろいろなことがあつて、そうして公共團体が或いは公平だつたとか或いは不公平だつたとかということになつて、非常に煩わしいというようなことができて來はせんですか。若しそれが許されるならば、僕はこの前公共團体施設にもビラを貼らしてよろしいと、こういう主張をするものなんです。
  6. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 今鈴木君の言われた点は、私も賛成なんですが、これはこの前のビラの場合もこの問題に関連しておるわけですが、選挙管理委員会がその間に立つて公平に許可する。或る候補者には許し或る候補者には許さないというようなことがないように、公平に許可するという処置を取ることがおできになるのじやないかと思うのですが、どうですか。議論の要点は、つまり昨日問題になつたのは、民間のものに貼ることを認めて公共財産に貼ることを認めないというのは不公平ではないか、民間のものに貼ることを認めるくらいだつたら、公共團体は進んで認めるべきであるという鈴木さんの御議論です。私もそれに賛成です。ところがそうなると、公共團体財産管理しておる責任者が、或る候補者には許し、或る候補者には許さないということが起つて、非常に不公平である。從つて公共團体公平性を保つために、その上に超然と立つた方がいいんじやないか。これは昔の超然主義の考えがあるかも知れませんけれども、選挙管理委員会というものがあるのだから、その選挙管理委員会がおやりになれば非常にいいのです。
  7. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 二十八について今のような御意見が出たのですが、そうすると、個人演説の場合においても、管理委員会が小学校その他の公会堂等指定する場合には使つてもいい、その費用は國で持つ、こういうことにしたいという御意見ですが、どうですか皆さん。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  8. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それではそういうふうに文章を直して見ましよう。
  9. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 今の御議論は、個人演説会の場合において、全部じやありませんけれども、一部の施設だけの公営をする、こういうわけですね。賛成です。
  10. 小串清一

    委員長代理小串清一君) そうしてその割と振りは管理委員会に任せる。そういう意味文章に、事務当局に任せましよう。
  11. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 個人演説会は、その場所使つてもいいし、自分で勝手に場所を拵えてもいいのでしよう。
  12. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 個人演説会公営建物を使用する場合に経費です。
  13. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それではその一箇條をこれに加えることにします。その他の二十八についてはよろしうございますか。今一つは先日問題になりましたこのポスターの紙の問題で、北條君が数字を挙げておられたように、又紙の質を一定することによつて、或いは檢印を要しないので檢印では不十分だという御意見も滿足させることができるかもしれない。そういう意味で私は公営による。ポスターの紙をですね、供給する費用というのを入れて頂きたい。
  14. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 昨日のお話は紙が非常に下つているから大したものじやないから、そいつはもうよろしいという御意見があつたが。(「そうじやない」と呼ぶ者あり)それじやそれを入れたらいいでしよう。皆さん異議がなければ。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 鈴木直人

    鈴木直人君 この文章ですけれども、一、二、三などは経費ですけれども、四、五、六というものが私は、無料葉書ですよ、経費じやなくて無料葉書負担して、それから自然費用負担して貰う。それから選挙のために使用する張り札用紙負担して貰う。その用紙を決めて、そうしてそれを配付して貰う。それから今の建物のそういう建物を決めて指定して貰う。まあこういうような意味であるということをはつきりして貰つて置きたいと思うのです。
  16. 小串清一

    委員長代理小串清一君) そういう紙は交付する、紙はお互いが買つてその費用を出すというのではなくて、紙としてポスターとして配付して貰う。この経費というのは、無料葉書に要する経費というのは、無料葉書という一つの友情なのだから、その無料葉書に使う金は公営だから負担させないのだと……。
  17. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 金だけ呉れてそれを買えという意味じやない。
  18. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それでいいでしよう。
  19. 鈴木直人

    鈴木直人君 それに関して蒸し返すことになるけれども、こういうことが行われるならば、張り札を貼る場合にも僕は差支えないじやないか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  20. 吉岡惠一

    説明員吉岡惠一君) 張り札お話は何ですか、いつでしたか、昭和十年頃そういうことをやつたことがありますね。いろいろな場所指定して、その頃は選挙管理委員会というものがない。そのころは公共團体に直接交渉する。今度はそれでなくて中に立つ。選挙管理委員会任事をやるところがあつたのですが、当時貼る場所を決めたことがあつた。あの考え方ですか、つまり公共建物についてああいうことをやる。
  21. 鈴木直人

    鈴木直人君 それは公共用建物でビらを貼るのは非常に都合のよいところが沢山ある。ところが法律によつて公共用建物はそれに対していけないということに規定されているために、もう個人の方に、個人のところに貼つて呉れ貼つて呉れというので塀あたりにべたべた貼つたり、非常に迷惑するのです。それよりも公共用建物が随分あつて、そうしてそこに貼れば非常にもう今日市町長なり國がですね、まあ迷惑するだけだ。そういうような場所には選挙管理委員会の………。
  22. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 今のお話経費の面でなくてポスター場所だ。貼る経費を出すということになると、貼り方によつて大変に違うのですが、それで今のようなお話で或る場所指定してポスターを貼つた例はあります。私も経験しております。それは方々の町の都合によつて。わざわざその貼る場所を作つたものもある。或いは丁度よい塀とか得、それを指定してその指定場所本人が貼らせる。こういうことをやつた例はありますが、貼る経費を持つというようなことは、これは貼る場所によつて本人達も非常に違いがあつて自分がいいと思うときに貼りたい。それを経費を持つという考え方は私は実行上どうかと思う。
  23. 鈴木直人

    鈴木直人君 私の話しているのは全然委員長の話とは見当違いの二十八條の話ですけれども、関連して二十條の第一項の第一号の話をしておる。公共用建物を提供する以上は二十條の第一項の第一号のこういう記述は入れないということをむし返して、費用を出すとか出さんとか。
  24. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 済んでおりますから、あと帰つてそれをやるということになれば幾日経つても決らんことになります。これは貼る場所指定は今もやつておると思いますが、貼る場所が適当でない場所が多いのであります。現在指定して何のところに貼れとかいうことに指定しておりますが、場所指定が少いということであります。更には鈴木さんが公共建物を除いておるということを言つておられますが、指定場所以外に貼つていけないというならば、管理委員会の方に貼る場所をもつと殖すということ、そうして公共建物も含めて行く。これは公共團体としてこれはあのときに議論があつて、あれで置こうというふうに決めたならば………、修正になることは結構ですから、けれどもこれはなかなか今日は決りませんので………。
  25. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 鈴木さんがこのような訂正をされておるのでありますけれども、それが皆さんの御賛成を得たのかどうかはつきりしたい、それは公営費の中に昨日も議論が出ましたように、選挙のために使用する貼札の用紙交付公営として貰いたい。
  26. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それはさつき決定しました。
  27. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 それはそれで結構です。
  28. 大畠農夫雄

    大畠農夫雄君 その張り札公営として管理委員会が出す、而もその通り用紙でなければ使わないということになれば、果して管理委員会選挙に間に合うような交付ができるかどうか、できないものを作つたつてしようがない、そういうような問題がある。
  29. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それはそういうことはあるかも知れませんね。
  30. 大畠農夫雄

    大畠農夫雄君 だけれども、供託金を納めたものでなければ………供託金を納めてから交付する、それでは印刷物が間に合わない、貰つたものが間に合わない。
  31. 小串清一

    委員長代理小串清一君) そういう心配はあると思います。
  32. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 今大畠さんもおつしやるように、間に合わないとおつしやるのだか、間に合わなければ、今から來年に間に合わせるように委員会で決定して置けばいいのです。
  33. 大畠農夫雄

    大畠農夫雄君 紙を交付することは間に合つて貰つた候補印刷して選挙期間中に役立つように間に合うかどうか問題だ。
  34. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 それは法律が、この前の参議院選挙の場合には選挙管理委員会行つて紙貰つて、金は拂うのだから貰つて來印刷になるわけですから、それでやつたのですから、これはできると思います。
  35. 伊東隆治

    伊東隆治君 ただ実際上印刷のためやなんかで多少のずれはありけれども、間に合わせるという方針でどうです。若しその紙の質が違つておると、例えば質のいい紙でやつたがいいということになると、この公営ということになれば、どうしても同じ質の紙のものを使わなければ意味通りません。僅かに千五百円や二千円のものであるならばこういうふうにしなくても、いいのじやないかと思ます。これは大畠さんのいうのは御尤もだと思います。
  36. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 それはちよつと違うのですよ。今まで紙の制限を受け、又檢印貰つて、おりますけれども、それが非常に見にくいのですよ。だから自分で紙を勝手にやつて枚数をうんと出したという例もあるらしい。だからはつきりした紙を貰つて、それでなければ使えないようにする。それが一つの狙いなんです。
  37. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 今の伊東さんのお話はさつき私御注意したのです。紙の代も下つたりするから、それで紙を統一の紙といつたところで、その紙は市中で買えばあるのだから、結局このポスター檢印を受けなけりや駄目です。檢印をするということはこれを僞造すれば明かに文書僞造の罰があるのだから、併し代金が幾らでもないものなら本人が立候補しようと思うときにポスターを刷つてしまう。それから保証金を届けるということがあつて、私は必ずしも、僅かなものならばその金を貰うために遅れるということは、そうして又そういうことにすれば自分で紙を買うことはならんことになるから、これは考えものじやないかということを一番初めに御注意したのですけれども、皆さんがそうおつしやつたから………。
  38. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 今までの実際からいうと、大体立候補の意思あるものは届出前にそういうポスターを予定して置いて規格に沿うたものを作つて置けばいいのだから、それは從來の選挙法においても選挙運動を開始はれば、封筒でも書いて置いていいことになつておるのだから、それを予算して置いて、そうして檢印を貰うことはできるのですから、それを貼りまくる。そうしてあとから紙を貰つて印刷屋へ又それを持つて行くということが実際行われていたのは、それでいいでしよう。だから紙を貰うことを規定して置いてもいいじやないですか。
  39. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 貰つた紙を使わなくてもいいというわけですか。それはいけません。
  40. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 いや全くそのために使うのだから……。
  41. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 すでに決定したものですから、技術的なものは又本委員会で更に討議されることにして、議事進行を希望します。
  42. 伊東隆治

    伊東隆治君 これは決定したと思えんですよ。
  43. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 いやさつき決定していたのでしよう。
  44. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 曖昧だつたから議題をもう一つ出したので………。
  45. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 実際論はそれは困難と思います。私の体驗では。
  46. 鈴木直人

    鈴木直人君 僕が主張したのは、今まで脱法的なことが行われていたのをせんようという考え方………。
  47. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それは脱法じやないです。
  48. 鈴木直人

    鈴木直人君 選挙管理委員会のやつを貰つて、そこを裂いて、恰かも判があるかのごとく裝つてつたのが可なりあつたのです。それが防ぎ得るのならいいわけです。だから四ッ角ぐらいに委員会の判を押せば、四つを裂いてやるということはないと思いますし、今の大畠さんのお話は尤もだと思われる点もある。例えば今から刷つて置いて、届け出て直ぐそれをやるというようなこともある。ところがそれを貰つてから刷らしたということになると、なかなか印刷が間に合わないということもあるだろうと思いますけれども、ですからこの前も僕は話したのですが、檢印をするという場合に、その檢印というものが小さくて分らないというような檢印でなく、何かそういうことができないような、必ずこれは公のものであるということが分るような方式に檢印して貰えば………。
  49. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それでは二十八はいろいろの御意見が出て際限なくなりますから………。
  50. 佐々木鹿藏

    佐々木鹿藏君 私は成るべく複雜に思うような問題は公営を止めて個人でやつた方がいいと思う。僅かな金の問題でどれもこれも公営公営と持つて來るよりも、やはりどこかに疑点の残るようなものは公営を止めた方がいい。だから今の紙の問題も実際にえらくややこしくなりますから、こういう疑義が起るような問題は成るべく公営に持つて行かない、こういう原則で御進行願いたい。
  51. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 最初に我々が決めた四大原則の中に公営を拡張、充実するということにあつたので、それはやはりその原則はすでに決定されておりますから、今のような御趣旨でこれをお取止めになるということには承服できないのです。それは我々が決めた原則をやはり我々が守るべきですから、今の問題は、そのポスター公営にすることに要する経費にしておいて、そうして本委員会で現物でやるか、経費をやるかということを少し討議されればいいと思うので、今日はこの程度でパスしていいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それじやそういう意味で二十八は決りました。それから今度は二十九を議題に供します。これはもう説明しなくても候補者公営費用の一部を負担させること、こういうことですが、これはどうですか。
  53. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 僕はよく分らないのですが………。
  54. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 二十九の問題は公営費用負担候補者がするかしないかという問題であります。現在の衆議院臨時特例法におきましては、公営費用立候補者に一部負担させておるのでありますが、この点につきまして、公営費用というものは、選挙運動公営が非常に範囲が広くなればなる程費用が大きくなつて参るのでありますが、又この点は立候補者供託金と多少関連する問題でありまして、供託金が非常に安い。然るに拘らず公営費用は厖大な数字になるというような場合は國庫財政の面から多少考える余地があるのではないかどうか、こういつたような問題があるのでありますが、第二十九におきましては衆議院臨時特例に倣いまして、一つ考え方として負担するという行き方はどうかと、こういうように考えたわけであります。尚この経費を若し負担するといたしましても、どの程度負担するかどうか、こういうことにつきましてはまだ確信を持つておらないのであります。從つてただ一部を負担するということで、一つ考え方として出したものであります。
  55. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 私はそういう考え方に甚だ奇怪な感じを受けるのですが、選挙公営主義とするところは、選挙は即ち國家が行うべきものであるという建前から、公営趣旨添つてそういうやり方をとつておるのだろうと思いますが、そうすると、候補者が一部負担するということはその考え方公営の基本的な観念から脱却したものと思うのですが、同時にこの間行われた衆議院選挙に対する臨時特例法においてこのような規定があるということですが、規定でなくして具体的にどういうような選挙運動費用候補者負担することになつたかということをちよつと御説明を願いたいと思います。原則的にはこれはむしろ抹消すべきものである。
  56. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 衆議院臨時特別法によれば、二十七條では、「議員候補者届出又は推薦届出をしようとする者は、選挙公営に要する経費の分担として、議員候補者一人につき、二万円又はこれに相当する額面の國債証書を、あらかじめ國庫に納付しなければならない。」こういうように規定しておるだけであります。その公営費用のどの分についてというようなことではないのです。
  57. 大野幸一

    大野幸一君 そこで選挙管理委員会にお伺いしたいのですが、一体この前公営費用というものは、その割合は、立候補者一人について平均どのくらい要したか。
  58. 吉岡惠一

    説明員吉岡惠一君) 一月の衆議院議員選挙では、大体一人について二十万円前後でございます。
  59. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 これは大野委員から言われた通り、現在の民主主義国家では、國会議員一人は、旧の軍國主義時代の軍艦一隻に当る。で費用を節約すれば粗末な議員が出るので、國家百年に大害がある。そういう意味から公営を拡張し、これを充実するという根本原則を立てたい。この根本原則を、これを裏切るものは、今吉川委員が言わけたように、是非削除して貰いたい。公営にして置きながらその費用を分担させるということになると、やつといて取つてしまう。部分的にですが……。これは意味をなさない。そういう意味で二十九條は削除して頂きたい。「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり)
  60. 小串清一

    委員長代理小串清一君) これでは皆さんがそういう意向ですから、この委員会としては第二十九を削除します。    〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それから、「第三十補則を設けること。」これについて御説明を願います。
  62. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 第三十の問題は、選挙に関する法律体系ができました際に、いろいろな技術的な面、その他の面から各種の規定を必要とするのでありますが、ここに掲げました一、二、三というような事項につきましても、当然こういう問題が生じて参りますので、規定する必要があると、こういうように考えておるのであります。これは現在衆議院臨時特例法の第二十九條に規定しておりますのは、一、の問題であります。二、の問題は臨時特例法の第三十條に規定しております。三、の問題は、臨時特例法三十一條でこれを規定しておるのでありますが、この一、二、三の事項につきまして、一は「この法律の適用については、特別区、及び地方自治法第百五十五條第二項の規定による区は、これを市とみなし、町村の全部事務組合は、これを一町村とみなす。」ということでありまして、特別区及び町村の全部事務組合につきまして、この法律中に区、市、或いは町村規定しておる事項がこれに適用するということであります。二、の問題は、「交通至難の島にその他の地においてこの法律規定を適用しがたい事項については、政令で特別の規定を設けることができる。」こういうことでありまして、交通至難島興その他の場所におきまして、この法律を一律に適用するというようなことは、本來予想しておるところでありますが、事実上止むを得ない場合も生ずるものと思われますので、政令特別規定を設けるというような措置をしたらどうであろうか。こういうことであります。三、の問題は、この要綱法律になりました際に、その実施に関する詳細な規定までこの法律の中に盛込むということは、立法技術の方面からも困難ではなかろうかと考えるのでありますが、そういつた面から、施行に関する必要な細則は政令で定めたらどうか。こういつたような問題であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)。
  63. 小串清一

    委員長代理小串清一君) これはもう今までもさんざん論議して御異議なかろうと思いますので、これで如何でしようか。
  64. 大野幸一

    大野幸一君 これは私ちよつと常識的のことで、この三ですが、「この法律施行に関し必要な規定は、政令で定める。」というのは、これは選挙管理委員会において定めるのじやないですか。それではないと、選挙管理委員会で、選挙というものを政府から独立さしたゆえんのものが没却されるのであつて、或いは政令で定めるのがよいとしても、政令選挙管理委員会の答申に基いてやるとか何とか、そこを選挙管理委員会に権限を持たして置かなければならんと思うのですが、この点について……。
  65. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 今の大野君のお話は当然そうでしよう。管理委員会意見を聞かずに政令を決めはせんでしよう。
  66. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) これは法律事項に関しましては政令で定める、その点選挙管理委員会の規則では直ぐ定められないと思うのでありますが、この第一項、第二項、それから第一部の第十六に、選挙に関する政令は、全國選挙管理委員会の立案するところにより定めるものとする旨を設けるということで、その点歩調を合せようかというような案になつております。
  67. 大野幸一

    大野幸一君 了解いたしました。
  68. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それじやこれは御異議ないものと決定いたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それから第三十一條の「罰則、時効及び当然無効等に関する規定を設けること。」これは現在罰則、時効、当選無効等があるのでありまするが、大体これは苦しあの罰則が重いとか軽いとかいうような問題、当選無効の問題、時効の問題等が今までの規定とそう変化はないと思うが、あればこの本委員会でやるとして、大体規定を設けるという三十一條は、御同意願えますか。    〔「了承」、「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 それで了承するのでありますが、その罰則、当選無効に関する規定を本委員会の場合にはもう少し列挙して、その際に是非願いたいことは、たびたび申して恐縮ですが、我々が入手する筈のオーストラリヤ選挙法のあれなんかの行われておるようなものも非常に重要だと思いますので、そういう点も……。
  71. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 羽仁君の御希望の通りやるように努力いたします。
  72. 大野幸一

    大野幸一君 三十一條のことについて当選無効の訴訟に関してですが、選挙長が費用のこと、当選無効のことですが、東京高等裁判所でやるか……。
  73. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それはこれから問題になつて來ます。留保になつていますから、これからやるんです。それじや大体留保以外のものは御努力で以て決定いたしました。これから留保になつているものを一つずつ御意見を纒めて頂きたいと思います。第一部という方には一つだと思いますが。    〔「三つです」と呼ぶ者あり〕
  74. 北條秀一

    ○北條秀一君 第六、第七、第十と……。
  75. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 第六は決定したんでしよう。私は罰則と書いて消して、決定になつたと書いてございます。つまり第七とそれから第十、それでは第七條を議題に供します。
  76. 北條秀一

    ○北條秀一君 第六は決定したように委員長は言われましたが、緑風会におきましては、我々申し合せによつて、緑風会によつてこれを愼重に審議もしました結果、これは現行の届出主議は非常に煩瑣であつて、なかなか実行できないと、そこで職権主議を採つた方がいいという緑風会におきましては、意見が決定いたしましたので、改めてこの問題について各党の御意見を聽取して頂いて、職権主義に改めるようにしたらどうか……。
  77. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それでは本委員会にさように報告をいたします。大体多数そういう説もあり、又これでいいという説もあつたということで本委員会で決めましよう。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  78. 小串清一

    委員長代理小串清一君) そういうことに願います。それから第七は供託物の金額を三万円に改め云々というのがありますが、この五分の一が問題になつた、これを一つ……、これはどうです。やはり五分の一で濫立を防ぐために、それから供託会の三万円を滞納の説があるが……。
  79. 北條秀一

    ○北條秀一君 供託物の金額につきましては、先の小委員会において私が主張を明らかにいたしまして、可なりの委員の御賛成を得たと考えるのであります。從つて私はその意見通りに進めれば非常に結構であると考えます。  尚供託物の没收率は五分の一に改めるということはいろいろ意見がありまして、これは現行法通り十分の一にした方がよいという意見が多数であつたと私は考えておりますので、これからその二つの点をはつきりして頂きたいと思います。
  80. 小串清一

    委員長代理小串清一君) これは五分の一説の方が多かつたんですよ。ただ金の問題はいろいろ議論がありまして、これを今日決めて頂いたらよいでしよう。何か大変よく纒つた意見があつたようですから、それを提供して頂いて……。
  81. 伊東隆治

    伊東隆治君 私は先程供託物負担の一部負担という点では默つてつたのですが、これは恐らく衆議院議員選挙法においては、衆議院は二万円の負担をしたような聞いております。こういうこともさつきの二十九を決めた氣持もやはり濫立を防止する趣旨からだと思うのですが、その点に私默つておりましたのは、やはり供託金の額の問題についてこれはどうしても常識的にもつと上げなければいけないということを、一般の人に聞きましても、私そういうふうに信念を強くするのであります。先般なんでも十万円という説があつたようですが、これは左程お金のない人でまじめに今度一つつて見たいと思う人の意見として、昨日たまたま或る会合に集つた時にその問題を出して見たら、三十万円くらいなければいかん。一匁の金が五円しておつたのが今では四百倍の二千円、四百倍というとこれも四百倍しなければならん。こういうのは余りに常識がない話でありまして、当時衆議院議員選挙に二千円が五千円あれば当選しておつた時代に二千円の供託金であつた。今公営費用が八十万円とか七十万円とするならば、五十万円くらいの供託金がなければ濫立を到底防止し得ない。若し三万円くらいならは一層のこと供託金は止した方がよい。却つて邪魔になる。本当に濫立を防止しようとするならば三十万円程度なければいかんだろう。これは如何にも三万円というのとかけ離れて突飛のように思われますが、元來の趣旨を考えますと、五千円、三千円で当選しておつた時二千円というのが供託金つたのです。その点を考慮して三十万円という説が出ておりましたが、少くとも十万円、三十万円くらいが適当ではないか。極くお金のない人で今度の選挙で眞面目に戰つて見たいという人が二、三人おる会合でそういう説があつた。勿論当選すれば返つて來る。一應名前を知らせようとか、一應元氣のあるところを友達に知らせようという理由でやるという人が仮におるとすれば、そういう人を防止するには三十万円程度が現在のところにおいて余りかけ離れない額ではないか。むしろ三万円とか五万円というのは廃止した方がよいと思います。
  82. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 この前ここを審議しますときに、北條君から後に文書、図画のときの無料はがきを標準にして供託金を決めたらどうか、こういう説を出しておつたんです。そこで文書、図画の場合におきまして、無料はがきは全國区議員は五万枚、地方選出議員は三万枚、こういうふうに皆樣の御同意によつて大体決つたようでありますので、無料で出せるはがき、それだけの費用を供託にいたした方がよいと思います。そこで全國議員の場合は、候補者は五万枚ですから十万円供託する。それから地方選出は三万枚ですから六万円供託する、こういうことにいたしたいと思います。それから没收ですが、衆議院の方も五分の一に改めたということは存じております。少し酷じやないか。それでやはり参議院議員選挙法通り十分の一の方がいいじやないかというふうに緑風会の方では考えるわけであります。これは併し皆さんの御意見によつてお譲りしてもよろしいのですが、緑風会の方はそういうふうに考えております。
  83. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 只今伊東さん及び岡本さんからお説があつたのでありますが、先ず伊東さんのお説でありますが、先般伊東さんのお述べになつたお説は私の記憶によりますと、伊東さんは十万円説を御主張になつたように記憶しておるのであります。それから金が一匁五円した当時においては二千円の供託金を納めたということは、当時伊東さんの隣にいた私が、失礼ですが私語として伊東さんに教えたのです。(笑声)併しお考え願いたいことは、私もそれについては経驗を持つておるが、当時の日本と今日の日本とは経済状態において雲泥の相違があるということを御考慮を願いたい。それからもう一つは、伊東さんのお友達で非常に金のないような人が三十万円でいいと言つていたというお説でありますがこれは伊東さんのようなお金持の方から御覧になつて金のないと思われる人はそう言われるでありましようが、私のような者、又國民の大多数の者からいたしますというと、三十万円というような金は、これはなかなか大きなものです。それでどうも私は國民のやはり立候補しようという意思を以てマジヨリテイの意思であるというようには我々は了解いたしかねるのでありますが、そういう意味においてその額は不当であるというように私共は考えております。それから岡本さん及び北條さんから先般から御主張になつております葉書を無料で受取るその額だけ保証金を出そうということは、一般算術的には合理性があるようでありますが、併し考えて見ると必ずしも合理的ではないと思うのであります。選挙公営において國家が費やすところの金が先程菊井君からもお話がありましたが、尚無料葉書と同じような意味においては乘車券等をも我々は無料で受取るのでありますし、又先般來お話になりました紙等も無料で受取るのでありますから、ただひとりその中で葉書代だけ出そうということは非常に合理性が薄いと思うのであります。でありますから、その意味においてそういうところに非常な算術的な基礎を置くということは必ずしも妥当でないと思うのであります。それで先般の会合におきましては、私達は現行制度が規定しておるところの額以上に越えてはいけない。又この春と今日とにおいては貨幣價値の変動もそれ程ないし、むしろ貨幣價値は多少下落しておるかも知れないと思うのでありますが、併し先の二十九の項におきまして、現行制度においては二万円の公営費用を各候補者負担するということを皆さんが私が申上げたことに御賛成を下さいまして、これは各候補者がブライヴエイトには負担しないということに御決定を願えるものといたしますれば、結局この春の選挙におきましては、ともかく五万円の金を政府に出したわけでありますから、当時は私は供託金三万円ということを非常に強く主張いたしたのでありますが、三万円でも結構でありますが、若し外の方との、当時五万円で何とか社会党も妥協して呉れないかというような説がいろいろあつたのであります。先の二万円を国家が負担するということが決まりますれば、余り積極的ではありませんが、成るべく協調を保つ意味におきまして、供託金は五万円ということでもよろしうございます。併しそれ以上に増すということは反対です。没收率は五分の一、現行率で結構です。衆議院の……。
  84. 佐々木鹿藏

    佐々木鹿藏君 私は十万円を妥当と思います。何故ならば二万円というものは殆んど國庫負担をするものでありまして、二万円というものは消えてなくなる、併し五万円、十万円積みましても恐らく没收されるべき人という者は極く少数でありまして、殆んどないという見地から見まして、ただ率の差から言いますと、何でもないと思います。でありますから、少なくとも参議院選挙におきましては、地方、全國を問わず一率に十万円が妥当だと私は考えます。
  85. 大野幸一

    大野幸一君 私はこの前衆議院の三万円説に対して三倍強になる十万円には絶対反対と言いまして、その含みとしまして、五万円までと、人間は妥協すべきものでありますから、当時から言うておりましたのです。そこで昔二千円であつたから、今二十万円、三十万円ということは御尤でありますが、さればこそ日本の議会政治というものが弱くなつてしまつて、この日本を今出かしたのであります。前の選擧当時に金が二千円の供託金を收めなければ出られないという人ばかりが議会に入つていたからこういうことになつた。だからこういう説は昔を想うこと、懐しい人にこそそれはよかろうが、我々としては奇怪千万であると言いたいのであります。從つてそういう考えはさらりと止めて頂いて、没收率は五分の一の率とする。これによつて濫立の弊害は……。むしろ余り少ない人は天下に立候補して恥を曝すということになるのであります。そういう意味におきまして、社会党は今吉川委員の言われたように、五万円以上であつたならば絶対に承服できない、これは我々貧乏人を代表する政党として本委員会においてもどうか五万円でお許しを願いたい。
  86. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 大野さん、今日は議論は止して決めることにして貰いたいのですが、今承つて見ますと、三十万円説、十万円説、五万円説……、それでありますから、これらの案について皆さんのむしろ御議論よりも、これがいいということを率直に決めるか、さもなければここでこういうことがいい、大体ここが中辺だというようなことで、今日の何を決めちまいたいと思うんです。
  87. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 発言させて呉れ……。
  88. 小串清一

    委員長代理小串清一君) ちよつとあなたの発言について申しますが、御議論でなくもう立派な方ばかりで理窟は知つてなさる方なんですから、こういうのは……。
  89. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 言論は自由に願いたい。僕は先程から諸君のお話を聞いて、その十万円にしろ、三十万円にしろという意見には賛成できないんです。金がなくても政治のために鬪おうとする貧しい人のことも考えて貰いたいんです。貰つた葉書を惡用するとか賣名におるとか、廣告に利用するという惡質なるものはどうするかということは、供記金を高めるというような形でなく、他の方法によつてつて貰いたいので、供記金は私は三万円、原案に賛成いたします。没收率は十分の一に賛成いたします。
  90. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 分りました。ここでは採決はいたしませんが、先ず全國区十万円、地方区六万円というお説が一番多いようです。これが先ず多数の意見はそうだと決めて、それから三万円説、五万円説、三十万円説、これだけあることを記録して置いて本委員会において決定いたしたいと思います。
  91. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 それはいかんよ。
  92. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 外に方法がない………。
  93. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 それはやはり供記金は濫立、惡用を防ぐとかいうような考えでなく、やはり人間の………。
  94. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それは御意見ですから、本委員会で十分の立派な御意見を吐いて頂きまして………。
  95. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 委員長のおつしやることは現実のことですから、賛成します。
  96. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 五分の一が多数と認めております。第一部はこれで済みました。第十の当選無効の訴について高等裁判所におることを、或いは地方裁判所の方まで持つて行くかどうか、これの御意見ですが、これはどうします。
  97. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 大野君に賛成です。
  98. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 大野君は大阪なら大阪の高等裁判所にやらせる方がいいという御意見ですが………。
  99. 大野幸一

    大野幸一君 その反対です。
  100. 小串清一

    委員長代理小串清一君) ああそうでした。これは大野さんの御意見がもう殆んど圧倒的のようですから、さように決めます。
  101. 伊東隆治

    伊東隆治君 甚だ………議論を蒸し返すわけにも参りませんかと存じますが、一つ三十万円説というのがありましたから………。
  102. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それは取消します。
  103. 伊東隆治

    伊東隆治君 これだけちよつと申上げて置きたいんです。この供託金の問題は今度の改正法案の中でも最も重要なる問題の一つだと思います。我が國の財戰の原因が供託金にあつたかどうか、大野さんのおつしやる通りであるかどうか存じませんが、供託金制度というものを設けて時の、すべて濫立を防ぐのに有效なものであつて欲しいという程度に留めて置きたい。これは皆さんの考えですが、私が最小限十万円、三十万円というのは、濫立を防ぎたいということ、自分がかくのごとく皆のために盡したのだということを履歴の中に書きたい人が多く出て、コンサイスのようなブツクのような刷り物を皆に廻したら分らん。自分が盡したということを分らせるためにも濫立を防ぎたい、それにはそれくらいが必要じやないかということを最小限に申したのですから、私はやはり意見として最小限十万円を………。
  104. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それでは次に第二部の方に移りまして、この第五の戸別訪問の問題を………。
  105. 北條秀一

    ○北條秀一君 第一がある。
  106. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 事務所の設置、この全國選出について十五ケ所とする、これについて御意見がありますか、ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  107. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 速記を始めて、これより第一、選挙事務所の設置について制限する、これに対する御意見を決めます。    〔「原案賛成」と呼ぶ者あり〕
  108. 北條秀一

    ○北條秀一君 我々はこの問題については種々主張いたしましたので重ねて申しませんが、全國選出については一縣少なくとも一つ、即ち全國で四十六を置くくいう規定が正しいというのが緑風会の主張であります。地方選出についてはこの原案通りで行こう、こういう考えであります。
  109. 小串清一

    委員長代理小串清一君) ここに参考の事務所の表があります。これは沢山ありますか。
  110. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) はあ、あります。
  111. 小串清一

    委員長代理小串清一君) これを一應配付します。御覧になるといい参考になると思います。
  112. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 緑風会の主張についてちよつと………。
  113. 鈴木直人

    鈴木直人君 参考は要らんよ。これの発言を許して呉れ。
  114. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 配付中に言いますが、この地方選出については衆議院選挙の場合における選挙事務所の総数と同一にすと、こうして頂きたい。つまり四区或いは一つの縣に四区があり、衆議院議員選挙区が四区あれば、そこに四箇所置けたとすれば、参議院の地方選出についても四箇所とする。こういうふうにして頂きたい。
  115. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それはおつしやる通り意味です。ですからこれはいいのでしよう。御意見ないでしよう。
  116. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 そういうふうにこれでは読めないのですよ。ですからそういうふうに訂正して頂きたいということをはつきり言う。
  117. 小串清一

    委員長代理小串清一君) これはそういう意味じやないか、文章がいけん………。
  118. 鈴木直人

    鈴木直人君 委員長自分考え方で押し付けるような考え方でなく………。
  119. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 字句の方は事務の方に処理して貰います。
  120. 鈴木直人

    鈴木直人君 事務の方じやない。岡本君が言うように主張いたしたい。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  121. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それでは第一の場合には府縣数というのも曖昧ですが、何箇所とこうやらなければ惡い。(「四十六箇所」と呼ぶ者あり)
  122. 大畠農夫雄

    大畠農夫雄君 議論をよしまして、原案賛成します。
  123. 佐々木鹿藏

    佐々木鹿藏君 原案賛成です。
  124. 大野幸一

    大野幸一君 原案賛成
  125. 城義臣

    ○城義臣君 民自党は原案に賛成いたします。
  126. 小串清一

    委員長代理小串清一君) そうすると原案説が多数のようでありますから、原案に決まつて、少数ではありますが、大方の諸君の府縣数というのを数で決めたらどうですか。    〔「四十六箇所」と呼ぶ者あり〕
  127. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 四十六箇所説がある。併し原案賛成か、どうですか。
  128. 佐々木鹿藏

    佐々木鹿藏君 原案とは十五箇所のことを言つている。
  129. 小串清一

    委員長代理小串清一君) だから修正意見です。
  130. 伊東隆治

    伊東隆治君 修正意見は極めて少数じやないですか。
  131. 小串清一

    委員長代理小串清一君) ともかく原案説が大多数でありますから決定します。それではその次、これは戸別訪問、これも現行法通り禁止する。但し候補者が知人を訪問することはよい。これについても御意見いろいろありましたから………。
  132. 北條秀一

    ○北條秀一君 この第五の点は原案でいいと考えるのですが、この法文の表現の仕方かですね、間違いと思いますから、その点は後で修正したらいいと思います。
  133. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それは大体原案でありますか、法文を作るときに考える、こういうふうにする。それではそういうふうに決めます。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  134. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それから今度は立会演説のときに秩序を乱す者かあるときは警察官か何とか、退場とかというこの議論からいろいろにありましたが。
  135. 北條秀一

    ○北條秀一君 これは入れない方か正しいと考えるのです。
  136. 小串清一

    委員長代理小串清一君) どうです、皆さん意見ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  137. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それでは原案と決める………。決まりました。第七、「額を実状に合わせること。」この問題はいろいろの説がありますか、委員会で凡そどのくらいやるかということについて御意見は発表できませんか。これは制限を置くというなれば「額を実状に合わせること」を決めなければならん。例えば百万円とか、百五十万円というふうに何とか決めなければならんが………。
  138. 小川久義

    ○小川久義君 有権者の数に乘じた額が決つてつたと思いますが、乘じた全額は幾らですか。
  139. 吉岡惠一

    説明員吉岡惠一君) 今年の兵庫の参議院の補欠選挙のときは二十二万ぐらいです。
  140. 小川久義

    ○小川久義君 それが有権者数に幾らを掛けた数になつたか。
  141. 鈴木直人

    鈴木直人君 この額につきましては、從來法律の中に入れてないわけですね、いわゆる選挙管理委員会か決定することになつておる。それでこれを法律の中に入れるかどうかということですね、從來の通り選挙管理委員会に任して置くか、ただ供託金とかいうことははつきり入れておりますけれども、これは実状に合わせて選挙管理委員会に任せて、その基準だけを決めるか、或いは法律の中に九十万円か百万円か決めてしまうということを一つ決めて頂きたい。
  142. 小串清一

    委員長代理小串清一君) これは現行法通りとして、現在は選挙管理委員会が決めておるのでありますか。
  143. 吉岡惠一

    説明員吉岡惠一君) はい。
  144. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それでは現行法通りとする。それでいい、異議ありませんか。(「はい」と呼ぶ者あり)額を実情に合せること、これは原案の通りで……。
  145. 鈴木直人

    鈴木直人君 第九の代理者の三分の一は決定しましたか。
  146. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 第九條の第一項の立会演説会における演説の会においてこの代理者の演説回数の問題でありますが、この案によりますと、総回数の三分の一とすることになつておりまして、先般來の会合におきましては、我々は現行法のごとく衆議院選挙に行われたるかごどき五分の一以内に限定すべきものである。それ以上に代理者を出させるようなことをしてはならないというようなことを主張いたしたのでありますが、その意見につきましては、やはり今日におきましても、それを主張いたしたいと思うのであります。当時三分の一或いは二分の一に代理者の先ず回数を増加せしむべきであるというところの役員の、北條君その他の方々の御意見というものは当時も言つた通りでありますか、民主主義的な選挙の立場からいたしますならば、立会演説会のごときは当地に候補者それ自身が出て演説するということが原則でなければならんのであります。一〇〇%そうしたことか私達は行われなければならんと考えておるのでありますが、この間の衆議院議員選挙において、どうしても候補者自身が出ることができなかつた、放送局に行つて交渉をしなければならないので、時間が切迫して行くことができなかつたという場合があつたと思うのでありますか、その節もお話申しましたように、その後我々が地方へ出張いたしまして、地方の放送局の係員から聞きますところによりますというと、そうした支障は今後は非常に少くなる。即ちレコードをより多く使うことによつて、そうしたことは非常に少くなるということでありまするから、この春の衆議院選挙以上に代理者の出演を許すところの理由というものを私は見出すことができないと思うのであります。そうしたことを主張する人は、そのときも申しましたのでありますが、自己の政治的意思をば民衆の前に完全に表現するということがいやな人か、金の力その他によりましてお雇い弁士を使つて来て、そうして自己の政治的な能力の欠陥をば大衆の前にごまかそうとするところの意思から、そういうことを主張する人が非常に多いと私は推察するのでありまして、私は選挙を民主的に公正にやつて行かなければならんという建前から、そうしたむしろ大衆の意思から背反するような方向へ現在の制度をば惡く改めるということは、私は断乎として反対であります。でありまするから、繰返して申しますが、衆議院選挙にこの春行われたと同じように、代理者の立会演説会への出演の制約は、五分の一に限定すべきであるということを改めて申し上げます。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  147. 城義臣

    ○城義臣君 只今の吉川君の御意見によるというと、代理人を余計出すということは、金力候補の選挙を有利ならしめるというような解釈のように思いますが、私はこれに反対です。私は本当にその言論戰を展開するために、全國区は勿論のこと、地方区においても短期間に隈なく民衆と接して自分の政見を述べるというためには、これは非常に無理な遊説日程を作らなければならんのであります。みずから出て行つて本当に民衆に接するというようなスケジユールを組む場合には、これは代理者では意味がない。自分で行かなければならないと思います。その場合にこの立会演説があるということは、遊説日程を組む上に非常な支障があつて、時間の浪費並びに肉体的に非常な苦痛であるということから、私は建前として、立会演説会においては、自分の主張を代理者をしてやらしめる。私はそういう立場で、吉川君のような御設の場合も勿論私はあることは想像いたしますけれども、全然逆な立場からして、本当に言論戰を以て臨むという立場において、私は三分の一説というものは正しいのであつて、五分の一説は少しそういう苛酷である。むしろ自分自身の本当の遊説というものを拘束するという考えの下において、私は原案に賛成するものであります。
  148. 小串清一

    委員長代理小串清一君) これは如何でしようか。衆議院の方より区域が参議院は廣いのですから、この原案で余り議論しないで、三分の一でお決め下さつたら………。参議院の場合は確かに廣いのですから。
  149. 鈴木直人

    鈴木直人君 緑風会は原案に賛成いたします。但し成るたけ候補者が出得るように、選挙の初めのうち十日間くらいを立会演説にして、後は個人演説会もやれるように、成るたけ早くそれが終るような工合に運営をすることにしてやりたいと思いまするが、法定的には三分の一までは代理者でやれるという方を賛成いたします。
  150. 佐々木鹿藏

    佐々木鹿藏君 民主党は原案賛成、三分の一。
  151. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 私共の方は、原案でなく、やはり立会演説には本人が出て來るべきであるという意味から、吉川君の御意見通り、五分の一にすべきであると思います。
  152. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 代理を認める以上、衆議院よりも区域が廣いのだから、三分の一でもいいんじやないですか。意見ががつに分れまして議論しておられますが、とにかく三分の一は多数ですから、両方を報告いたします。あとは本委員会でやつて下さい。
  153. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 代理者については、演説会の回数を総回数の三分の一とするということは、これは立会演説じやないですか。
  154. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 立会演説です。
  155. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それならこんな文句は要らないですね。これは妙ですね、三分の一ということが二つ書いてあるのは。
  156. 鈴木直人

    鈴木直人君 あとのは文章だ。前のやつは簡單に要約したのだ。
  157. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それではこれは原案の数が多数でありますから、原案と修正案とあるということで決定します。  それから後戻りしますが、第八の経帰公報について、現行法通り二百字とするというので、全國区の三百字とか或いは参議院議員選挙法施行令の第四十二條を改める措置の必要ということは、いろいろ議論があつて取消しになつて二百字ということになりましたが、その二百字に対する新聞のスペース若しくは活字をどういうふうにするかということを、委員会の方へお願いした筈ですから、委員会の方から一つ御報告を願います。
  158. 吉岡惠一

    説明員吉岡惠一君) 第八のスペースの問題でありますが、大体において全國区選出の議員につきましては、相当多数の人の経歴公報を刷るのですから、地方では余り印刷能力が新聞社以外には大概ないのです。そうすると、新聞社にはやはり新聞の活字でないい、僅かの活字であれば揃えられるようですが、あれだけの沢山の人の活字を揃えるということは不可能なものですから、やはり全國区については、少くとも活動は從來やつておる新聞で使う活字でないと非常に困難であります。
  159. 小串清一

    委員長代理小串清一君) さよう御承知を願います。
  160. 小川久義

    ○小川久義君 (二)の立会演説の市の方ですが、村の方は七千人以上の町村でいいと思いますが、市の方は人口概ね五万ごとに一單位にするということは、少し無理じやないかと思いますので、三万くらいに下げたらどうかと思います。実例を申しますと、十五万あるところで三回ですね。それでは余りに少いのです。その理由は、富山の例を取りますと、廣く合併しまして、神通川と常願寺川の間は全部富山市であつて町村が十幾つも合併しておるところで三個所と切られると、どこへも持つて行きようがない。だから一里四方も一里半四方も演説会が一つもできない土地が出て來る。全國ではそういう農村地帶が合併した市も相当あると思われるので、五万で切ることは無理じやないかと思います。
  161. 小串清一

    委員長代理小串清一君) これは本委員会に、ちやんとお調べになつて修正をお出しになつてはどうですか。どうせ本委員会で決めるのですから。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  162. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それでは第十の個人演説会開催は自由とすること。
  163. 鈴木直人

    鈴木直人君 第八は終つたでしよう。さつき北條君から申上げたところでいいですね。
  164. 小串清一

    委員長代理小串清一君) では第八、「立会演説会場の秩序維持については選挙管理委員会」云々の原則はこれでよろしうございますか。  これは警察官のことは取つてしまうということに決定していますよ。それであとは削除ということに決まりましたこの原案通り
  165. 鈴木直人

    鈴木直人君 順序が変になつているから………。
  166. 小串清一

    委員長代理小串清一君) いや、これは変ではありません。あと戻りしてはしようがない。    〔「行進々々」と呼ぶ者あり〕
  167. 小串清一

    委員長代理小串清一君) これでは第一四の新聞廣告は公営による。これは決つてしまつた。それから第十五の「公営による新聞廣告以外において新聞による選挙運動は禁止すること。但し新聞社が選挙運動に関する」………これはさつき羽仁委員から御説明のあつた問題ですが、これはこうして置いたらどうです。これを今やつて見たところで、向うの方でこれはならんと言われる。そうなるからこれは論議しても仕方がない。    〔「これはこのままで行きましよう」「原案賛成異議なし」と呼ぶ者あり〕
  168. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それから第一六の回数は二回で規格は管理委員会で決める。これはこの問は大体これでよかつたから………。第十八の貼札は全國選出三万枚、地方選出は六千枚。これは異議ないでしよう。    〔「多う過ぎる」と呼ぶ者あり〕
  169. 小串清一

    委員長代理小串清一君) これは大分多いのは多い。衆議院の方は非常に少い。これはどうしましようか。修正した方がいいんじやないですか。二万と二千にしますか。全國遺出二万枚、地方選出二千枚。
  170. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 全國は一万、地方選出は三千。
  171. 大野幸一

    大野幸一君 そういうわけにも行かないよ。
  172. 小串清一

    委員長代理小串清一君) これは数の問題ですが、皆さんで一應数を………。
  173. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 これは吉川さんの、昨日でしたか一昨日でしたかの御議論で、若しそれによられるとすれば前には演説会場のビラが二千枚認められていたので、それで一万枚に三千枚だというのだろうと思います。それで全國の会場のビラも考慮して貰わないと困るのです。
  174. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 そうするとどうなりますか。それでやつてみて下さい。私はその趣旨です。
  175. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 この前はどうだつたですか。前は全國の演説会のビラは何枚でしたかね。
  176. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 全國は殆んどありませんでしたよ。
  177. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 いや許されて使つたんですよ。
  178. 小串清一

    委員長代理小串清一君) これは相当議論がある問題だと思います。全國選出二万、地方選出二千くらいで本委員会で研究したらどうですか。    〔「賛成」「それは反対」と呼ぶ者あり〕
  179. 鈴木直人

    鈴木直人君 私はそれでは反対です。その決められては困るのです。
  180. 佐々木鹿藏

    佐々木鹿藏君 全國二万、地方は四千。
  181. 鈴木直人

    鈴木直人君 それくらいならば賛成だ。
  182. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 全國二万、地方が四千、それでよろしうございますか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  183. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それでは小委員会は佐々木案に決めます。
  184. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 十五の新聞ですがね。この前決めたときに保留したでしよう。新聞廣告以外において云々というのは各党なり各團体の機関新聞、それはどうなるでしようか。ちよつとお尋ねします。この原案で………。
  185. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 如何なる場合でも公営で二回やる。新聞の選択は候補者の自由だというのです。
  186. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 いやいや十五です。機関新聞によつて………。
  187. 小串清一

    委員長代理小串清一君) では菊井君より説明いたします。
  188. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 機関新聞を持つている場合にはそれはやはり但書に入るわけです。
  189. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 但書で選挙運動ができるのですか。
  190. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 但書で運動が自由になるということです。
  191. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 これはそういう趣旨ですね。これは自由にならないですね。決定になりましたか。
  192. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) これは決定になりました。
  193. 鈴木直人

    鈴木直人君 この但書の選挙運動に関する記事というのは、新聞者が特定の者の選挙運動をするということはよろしいというわけですか。そういう意味じやないと私見ている。選挙に関するいろいろの記事を掲げるということであつて、特定の候補者の当選を期するとか、落選をさせるために選挙運動をするような記事はここに含まないとこう解釈しておりますが………。
  194. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それは我々としてはそういう決定を一應決めるけれども、インボーデン氏の解釈によれば自由だ。
  195. 鈴木直人

    鈴木直人君 これは解釈ではない。はつきり選挙運動に関する記事というのは、どういうふうに解釈するのかということです。
  196. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 自由であるという解釈なんですよ。自分の機関紙を持つてつて自分運動ができないという、そんな機関紙なんてありはしない。
  197. 鈴木直人

    鈴木直人君 それはいかん。
  198. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 だから選挙運動に関する記事………。
  199. 鈴木直人

    鈴木直人君 だから但書というものは僕は削除して貰いたい。そういう意味だ。
  200. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 これは私は二つの点からこの新聞の言論は自由でなければならないと思う。一つは新聞の言論は憲法で保障されておることであつて、新聞が支持するかしないかということも新聞の自由だから、だからその原則的の意味から、これはやはり飽くまで新聞の言論は自由にすべきだと。それから第二には原則はそうだが、日本の現状ではという御議論がさつきからあつたのですが、日本の現状でも、まあ大体苟くも新聞らしい新聞が、利益によつて独自の候補者を支持するというような事実は毛頭ないと私は信ずる。そういう事実があるというお考えは、日本の新聞に対する非常な侮辱であつて、私は到底日本の新聞の許されるところではないと思う。昔はそういうことがあつたかも知れませんが、現在新聞らしい新聞が、金を貰つて或る候補者を支持するなんということは、事実その新聞の信頼を落してしまいます。あの新聞はインチキ新聞だということになつて、誰も読まないのだかう、現在新聞らしい新聞はそういうことをやるということはない。新聞らしい新聞でなくて、いわゆる金権候補が金を使つて選挙前後に新聞のような形をした物を出してやるようなものだけが残るわけです。私は日本國民がもはや今日そういうものによつて選挙の投票を左右されるという程までに日本國民の政治的レベルが低いということはないと思います。
  201. 小串清一

    委員長代理小串清一君) そういう意見もありましようが、決つたのですから………これは金権ばかりではない。新聞が自分の推薦した者を極力やるということは、ポスターなどいろいろな物を制限して置きながら、その新聞を利用される者は何枚もポスターを貼つたと同じようになるので、新聞社が買收されるということはいけないということではないかと思います。そういうことはすべて本会議に讓りましよう。決まつたのだから………。
  202. 城義臣

    ○城義臣君 我々はその但書は削除して貰いたいと思います。結論だけ申上げます。理由は申上げますまい。
  203. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 但書は削除して貰いたいと思います。
  204. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 緑風会は但書は削除。
  205. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 無所属懇談会は削除反対。
  206. 小串清一

    委員長代理小串清一君) では但書は削除。
  207. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 私は大体において羽仁君の言われたのには賛成なんです。それでちよつと伊東さんなんかにこの機会にお尋ねしたいと思いますが、この際G・H・Qがそういうサゼツシヨンをするのについて、日本はアメリカなんかと多少新聞の購読の仕方が違うようなことがありはしないかと思いますが、その事情がですね。(「購読ですね」と呼ぶ者あり)それで私は大都市だけにしか生活しておらなかつたから、間違つておるかも知れませんが、新聞は日本のように軒別に毎朝定期的に購読者に配布するということはむしろ例外のことであつて、大体読者は街頭で自分の好きな新聞を買つて読むのが普通だと思います。自分達はそうしていたものですから、私共の見る所はただワードに配布される小地域だけの新聞が縣別に配布しておるのを見ましたが、例えばニユーヨークではニユーヨーク・タイムスであるとか或いはこの頃なくなりましたけれどもウオールドであるとかニユー・アメリカンであるとか、そういうような大新聞は誰でもが街頭で買うのじやないかと思うのですね。日本では大体において定期購読者が読賣、朝日、毎日と配布されるから不断にその新聞を読んでおるから、受ける影響というものについて、我々が受けることについてのそうした定期購読者として受けるという影響については、G・H・Qの方で十分御理解がないのじやないかと思うのですが、どうでしよう。その事情があなたは長年向うにいらつしやつたんだから………。
  208. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 大体の御議論は終りにします。この十五條の但愛を取るという説と置いた方がいいと言われる説とありますので、本委員会に報告します。今日はそういう御議論はお断りします。
  209. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 議論じやない、重要なことだと思いますから、事情を聞いているのです。
  210. 伊東隆治

    伊東隆治君 私の経驗では、これは配達は確かにいたしませんが、或る所に新聞集配所見たいなところがありまして、取りに行きますね。まあその観察は私も一つの観察だと思います。頭に驚く程度がね。
  211. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それでは但書を取る説が幾らか多いようですが、但書を取らない説もありますので、委員会としては両方あるということで報告します。
  212. 鈴木直人

    鈴木直人君 最後に一言申したい。
  213. 小串清一

    委員長代理小串清一君) 時間が何ですから簡單に願います。
  214. 鈴木直人

    鈴木直人君 この原案は一應の原案ですから、まだここに入らないもので問題になつておるのが沢山ある。
  215. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それは本委員会にお出しになつたら………それでは今日大体………。
  216. 小川久義

    ○小川久義君 本委員会開会の日をお願いします。
  217. 小串清一

    委員長代理小串清一君) ちよつとお待ち下さい。そこでですね、私は今までは、委員長は今日初めてで整理をあずけられたのですが、今までの皆さんの御意見は大体分つて、多数、少数になつておるが、大体多数説が委員会に成案だ、併し少数説もむろん委員長に報告するようにいたしましよう。それで今度の本委員会の報告を作りますことは委員長に御一任を願うことに從來の例ですから、御承認を願いたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  218. 小串清一

    委員長代理小串清一君) それからですね、本委員会をいつ開くかという問題につきましては、皆樣方の御意見を伺つて、今日予定をいたしたいと思います。それではこれで委員会を終りまして、今の問題は懇談的に御決定を願います。    午後零時三十四分散会  出席者は左の通り。    委員            鈴木 直人君            岡本 愛祐君            北條 秀一君            小串 清一君            城  義臣君            伊東 隆治君            佐々木鹿藏君            大野 幸一君            大畠農夫雄君            吉川末次郎君            兼岩 傳一君            羽仁 五郎君            小川 久義君   法制局側    参     事    (第二部第一課    長)      菊井 三郎君   説明員    全國選挙管理委    員会事務局長  吉岡 惠一君