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1949-09-19 第5回国会 参議院 選挙法改正に関する特別委員会参議院議員選挙法改正要綱立案に関する小委員会 閉会後第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年九月十九日(月曜日)    午後一時三十三分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○参議院議員選挙法改正要綱仮案に関  する件   —————————————
  2. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 委員会を開きます。一昨日に引続きまして、第十七。
  3. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 第十七文書図画掲示については、制限すること。   選挙運動のための使用する文書図画は左の各号の一に該当するものの外は、これを掲示することができない。(文、四)  一、選挙のために使用する張札  二、演説会場において使用する張札立札ちようちん及び看板の類  三、選挙事務所を表示するために、その場所において使用する張札立札ちようちん及び看板の類  四、自動車、拡声機及び船舶並びにそりに使用する張札立札ちようちん及び看板の類
  4. 北條秀一

    北條秀一君 お伺いしますが、この二の項ですが、演説会場において使用する張札立札ちようちん、及び看板の類でありますが、その中の張札ですが、これは自由にされるということになつておるのですが、私は先の本委員会におきましては兵庫縣参議院議員補欠選挙の例をとりまして、演説会場において使用する張札を自由にするということはよろしくないということを強調したと記憶しておるのですが、出て來ました原案はそれが逆になつておるのですが、更に詳しく申しますと、個人演説会及び街頭演説会は自由という原則になつておるわけです。そうすると個人演説会場の場合には施設物の中で演説会をやりますから、從つてその会場の中において使用する張札というものはおのずから制限されるわけなんです。ところが街頭演説会は自由なんですから、到る所で街頭演説会場を設けることができる。そうするとそこにそのためにする張札というものをやつてよろしいということになりますと、兵庫縣が如実に暴露した張札というものは無制限に出るということになつて、全國区が三万枚、地方区が六千枚の張札を許すということは根本から崩れてしまうわけです。從つて街頭演説会場におけるところの張札というものは制限する。むしろ私は張札を止めて、立札ちようちん又は看板の類はいい、併しながら張札街頭演説会場限つてはこれは禁止するという方向が正しいと思うのです。これについてどうゆうふうにお考えになつたか。
  5. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 只今の問題につきまして、この案につきましては現行文書図画法律の第四條と同じ趣旨においてこの案を出したわけでありますが、お説のように演説会場というものが非常にはつきりしないという問題は確かに出て参ると思うのでございます。併し演説会場ポスターを張れないということは一面窮屈のようにも考えるのでありますが、この本來の趣旨といたしましてはポスター一定の枠があるわけですから、その枠の中において使用するということを実は考慮しておつたわけですが、その点演説会場において使用するポスター選挙運動のために使用するポスターと違うという解釈が出て参るとすれば、その点はつきりしてこの枠の中において使用するというふうにしたらどうかとも考えられますが、一應これにつきましては文書図画法律第四條に準じて考慮したわけであります。
  6. 北條秀一

    北條秀一君 これは各委員の皆さんが今まで檢討された結果に基いておるのでありますから、その既往の檢討の結果を我々は反省してみれば分ると考えるのです。從つて選挙のために使用する張札は全國三万、地方六千と限定したのでありますけれども、演説会場において使用するところの張札、こういうものはあの六千と三万枚の中に入つていないということが前に論議されて、多数の意見で決まつた考える。そこで個人演説会場の場合においてはそれで差支ないわけですが、街頭演説会場の場合だけは、これは切離して考えないといけないというのが私の從來から一貫した主張なんです。これによりますと、兵庫縣補欠選挙経驗をその通りやることになつて張札というものは三万枚に、或いは六千枚に限定したところでこれは全く意味がない。野放しで張札ができるということになりますから、だから街貴演説会場限つて張販は使用しない。立札ちようちん、看板の類で行くというふうに私は修正しなければならんと考えておるのです。
  7. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 兵庫縣の例として北條さんがおつしやつておるのは大体お話で了解できると思うのですが、重要なことだと思いますから、もう少し具体的にどういう状況であつたということをお話し願いたいと思いますが、只今までの北條さんのお話で私が理解するところでは街頭演説会場において貼付するところの張札については全く自由である。換言すれば大きさについても制限がなく、又枚数についても制限がないからして非常に大きなポスター作つて、実際その候補者が立つて演説しておる所よりも非常に離れた遠い所まで無制限に多数のポスターを張るからいけないというお話だろうと思うのですが、若しそういう趣旨であるならば誠に御尤もな意見であつて、それについては相当にこれを制限するような方法をやはり考慮する必要があるのじやないかと思います。私の了解について間違つた点があつたら、一つ北條さんからお話して下さい。
  8. 北條秀一

    北條秀一君 只今吉川委員からお話がありましたので、私はもう少し詳しくお話申上げたいと思います。大体は今吉川さんが了解されたところなんです。兵庫縣の例を申しますと、張札は一千枚と前は限定されておつたわけなんです。ところが今回の補欠選挙においては随時随所街頭演説会を開くというビラが或る候補者から相当多数張られたわけなんです。そこで選挙管理委員会がその候補者選挙責任者を呼びまして、あなたは制限違反だということを言つたところが、それじや罰金を納めるということで、罰金を納めることになつたわけなんです。そういたしますと、罰金を納められますと違反をやられたところで、選挙管理委員会は取締る方法がないということで、それを聞き傳えて、他の候補者がこれに右へ倣えしてビラを作り出したわけなんです。それで随時随所において街頭演説会を開くというビラを、全く候補者もいなければ、選挙運動員もいない、而も街頭演説をやらないという場所に無数にビラを張り廻したわけです。遂にビラの氾濫を生ずるというような結果になつて來ましたので、こういうことでは、ビラ制限して公正な選挙をやろうといたという趣旨根本から履えりますから、そういう点を、そういう経驗に基きましてこの点を今主張しておるわけなんです。
  9. 小串清一

    小串清一君 只今の問題は私らの縣でも、この間の選挙のときに、衆議院議員候補者街頭演説会場という立札が方々に立つておる。それで君、一体これはポスター違反になる筈じやないかと言つたところが、演説会場を示すのは差支ない、演説会場立札がある所に來て街頭演説をやる、候補者随所に、立つておる所に來て街頭演説をやるのだから差支ないと、こういう話で、私はそれを無制限にやられたら、まるでポスターなどに違反すると思つたのです。併しそう沢山はやりませんが、横濱市に多かつたのですが、横濱市に私が行つたときに、人が集まりそうな所へそれを立てて置く、そうして演説を始める。一日一回やるか、二回やるか知らんが、そこに來て候補者演説しております。だけれども、そのままで演説をするから、その演説会場所を示す、これはポスターじやない。こういう意味に思つておる。これは本当に惡用されるなあということを考えたのですが、これを全部止めれば、街頭演説というものは今北條さんの言われるように、ただ随時随所に車を停めてやる。車はトラック何台かあるだけで、それで開くのは予め場所を決めるということには該当しない。こういうようにするか、或いはそういうことをややこしくやらんで、いつそあなたの言うように、街頭演説ポスターを張ることはいかんということにすればこれははつきりしますが、とにかくそういう事実はありますよ。
  10. 北條秀一

    北條秀一君 繰返しますが、私はこういう点について、非常に乱脈になつて参りますので、立札ちようちん、看板の類は、これならば先ずいいと、それじや看板はやたら立てたらいいじやないかということになるのですけれども、張札違つて看板の場合は、若干の手数と金も掛かりますから、だからその方面から制限が來ると思います。それで私は街頭演説会場場所、時日を示す何らかの掲示を必要といたしますから、それを立札ちようちん又は看板の類でやると、張札はその代り止めるというようにした方が合理的じやないかと考えます。ですから、是非そうしたいと、こういうふうに思うわけです。(吉川末次郎君「北條君の説に賛成します」と述ぶ)(「賛成」と呼ぶ者あり)これは「選挙運動のために使用する文書図画は左の各号の一に該当するものの外は、これを掲示することができない、」一はいいが、二は「演説会書において使用する立札ちようちん及び看板の類」と、これだけ、張札を抜けばいい。
  11. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 その費用がかかることは困るということですね。
  12. 北條秀一

    北條秀一君 そればかりでありません。
  13. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 だけれどもね、今おつしやる御趣旨であれば、今度は金のある人は、看板だの、立札だの、ちようちんだのを到る所へ掲げるということになりますね。
  14. 北條秀一

    北條秀一君 それは、私は先程申しておりましたことを、羽仁委員は來られないで聽かれないが、私は、この前の委員会から、七月の委員会でもこれを指摘して、更に八月の委員会においても同じように指摘した。それは先に行われた兵庫縣補欠選挙の際の実例に基いてこれをやつている。殊に羽仁委員は、特に神戸の方に行かれて、張札についても調査をされ、現地の実情を聞かれたと思います。その兵庫縣の例に基いて、これをやつているわけです。張札で、街頭演説会場におけるところの張札立札、これは結局金の問題であつて、どつちだつて同じじやないかと言えばそうかも知れませんが、張札の場合は、立看板の場合とやはり費用と手間において違いますし、紙の場合はこれはもう非常に安い費用でですね。殊に可なり無制限に張れるものですから、それで私は、その点が非常に違つて來ると思います。張札立看板の場合は。それで從つて演説会場の場合には、街頭たると或いは個人演説会場とを問わず、張札でなしに立看板でしろ。張札にして兵庫縣の例を又再現するということになると、選挙に使用する張札を、一方は三万枚、他方は六千枚と決めたことは全く意味がない。それでは根本に返つて自由にするということになつて張札制限する以上は、これを制限して頂きたいという考えです。
  15. 小串清一

    小串清一君 参考までに申しますが、衆議院の方で大体「選挙基本法案要綱」というものもできて、今日又小委員会で更にこれを研究しておられるようです。この中に、今のお話のように、「演説会場(市町村の開催する立会演説における演説会書を除く)」と、立会演説会場だけは除いている、「演説会場及び街頭演説場所において使用する立札ちようちん及び看板の類」はよいということがあつて張札ということが入つておらん。やはり衆議院もそれを考えて、張札ポスターは掲げていない。これは衆議院のまだ未定稿でありますけれども、今日会つたときに貰つて來たほやほやです。だからあなたの案でいいんじやありませんか。
  16. 小川久義

    小川久義君 その文章は委員長に一任しまして、街頭演説に関しては、張札禁止ということでお決めを願いたい。
  17. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 ここで選挙のために使用する張札制限ということは、制限内の張札でありませんか、制限外ですか。
  18. 北條秀一

    北條秀一君 制限外です。
  19. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 十八で制限している以外の張札
  20. 北條秀一

    北條秀一君 そういうことです。
  21. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) そういう案です。これについては、現行文書図画の第四條の解釈については、選挙管理委員会解釈の例もありまして、選挙のために使用する張札演説会において使用する張札とは別々であるという解釈であります。從つてこの案の解釈についても、別々と見るのがいいと思います。  尚ついでに申上げますが、この案は文書図画法律第四條によつてつたのでありますが、これと同樣の規定は、衆議院臨時特例の第二十條に規定してあつて衆議院の方では、このポスターを削つております。それで先程來問題になりました点は、衆議院現行法では、すでにポスターを削られているという前例もすでにあることでありますから、参考までに申上げて置きます。
  22. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 質問ですが、演説会場に行く道順なんかを記した札がよく張つてありますね。ああいうものはどうなりますか。続いて発言します。随分分りにくいところに演説会なんかがある場合なんかに、民衆の便利を図つて演説会場に行く張札張つてあるということは、選挙民便宜のためには望ましいことだと思うのですが、これは小委員会ですから、大体のところで、これ以上私も議論しませんが、ただ一つ懸念に堪えないことは、金のかかる方は許して置いて、比較的金のかからん方を禁じてしまうということは少し不公平じやないかと思います。北條君の言われるような弊害的なものもありますけれども、本質的にはまあ立看板や、ちようちんなどよりも張札の方が安くて済むわけですから、ちようちんや立看板よりも張札で以て済ませるという方が費用が少くて済むのじやないか。併し費用が少いという点から惡用されるというその二つの問題があるということだけを考えて頂きたいと思います。
  23. 鈴木直人

    鈴木直人君 実は今菊井君に質問したいんですが、二点質問します。  一点は、ここに言う「演説会場において使用する」ということは、演説会場を示すために使用する張札であるか、或いは演説会場のみにおいて使う張札であるか、その点を一つ質問して置きます。  それから第二は、その張札を使う場合には、第十八條、第十九條、第二十條の適用が当然あると思うのであります。その二点をお聞きして見たいと思います。
  24. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 第一点の問題につきましては、演説会場において使用するということを前提としておるのでありまして、演説会場を示すためにというものは、ここに言うところの演説会場において使用するものではないということになつて張つてそれはそういうポスターを使用することはできないだろうと思います。  それからこういうところに使用するポスターについて、第十八條、第十九條の制限適用があるかどうか、こういう問題でありますが、只今の十七のような表現の仕方をいたしますと、選挙運動のために使用する張札演説会場において使用する張札は別々である、こういうように一應考えられるわけであります。尚これについては選挙管理委員会におきましても、すでに別別のものであるという先例があるそうでありまして、この点は別に考えてよろしいだろうと思います。但しその規格の問題につきましては、ただ「張札規格はタブロイド型とし、」こういうことになりますと、その点につきましては適用があるのではないか、こういうふうに考えます。又第二十の張札掲示場所についての一般的制限の問題は、すでに十七におきまして演説会場において使用するということになつておりますので、二十の問題につきましては、別に抵触がないのではないかと、こういうように考えられます。
  25. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうしますと、十八條張札は称するのは、後の説明のところにあるように、十七條の第一号の、「選挙のために使用する張札」を言うのである、十九條の張札選挙のために使用する張札、これもそうである。それから二十條の張札選挙運動のためにする張札である。從つて七條の第二号にあるところの張札は、全然別の意味張札である、こういう説明になりますと、非常にこれはややこしくなつて、余程説明しないというと分らないということになる。そうして十八條においては全國選出三万枚、地方選出六千枚となつておりまするから、そのやつは第十九條で制限される、又第十九條(二)で表示されて一定のものになつているから、そういう張札であるならば、どこに使つてもよろしい、この演説会場をやる、或いは街頭演説をどこでやるというようなことを示す場合にも、その張札を使うならば、六千枚或いは三万枚の範囲内でよろしい、その外に更にそういうような規定張札の外に、演説会場においては自由にビラ張つてもよろしい、こういう規定が第十七條、第十八條、第十九條、第二十條の意味であるか、それをお聽きしたいのです。要するに十七條の第二号というものは全然別個張札である、こういう解釈として議論されていると思うのであります。その点が……
  26. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 第十七條の二号の問題は、立札ちようちん、看板の類も実はこの中に入るわけでありますが、立札につきましても別に規格を現在制限しておらないのでありますが、併しこれについて制限する必要があるかどうか、こういう問題もあろうと思います。ちようちん及び看板の類にいたしましても……
  27. 鈴木直人

    鈴木直人君 張札について聽いているのです。
  28. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 張札についてはちよつと規定の仕方によつて問題になるのですが、現行法では別に規格制限しておらないわけであります。
  29. 鈴木直人

    鈴木直人君 それならば第十八、第十九、第二十は、最初、選挙運動のために使用する張札とか何とかということをはつきりして置きませんといけないと思う。そうして選挙演説会場を知らせるために使うところのビラは、この選挙のために使用する張札という範囲の中に入れるなら入れるということをせんといけない。今までの御議論は、選挙演説会場街頭演説会場を知らせるところのビラというものは、第十八條なり第十九條なり第二十條の範囲内のビラであるという解釈の下にやつておられるのでしようね。
  30. 北條秀一

    北條秀一君 その通りであります。
  31. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうすると、選挙運動のために使用するビラというのは一体どういうのを言うのですか。
  32. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 一般掲示場所に掲げたようなポスターであるとか、或いは個人の塀に張つたポスターであるとか、こういうようなものが大体それに当るだろうと思います。
  33. 小串清一

    小串清一君 今の演説会場に使用する立札ちようちん及び看板の類、ポスター演説会場へは張らせないというこの意見でいいんじやないですか。衆議院のはそうなつておるんですから……、それで北條さんの御意見もそうなんでしよう。これで通過しようじやありませんか。張札は取つちやつて……
  34. 鈴木直人

    鈴木直人君 演説会場においては張札は許されているんですね。
  35. 小串清一

    小串清一君 立札ちようちんがあるからポスターは張らせない。張つてしまうということになると……
  36. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  37. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 速記を始めて。
  38. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 さつきの私の申上げたその張札費用は少いが立看板ちようちんの方の費用が多いという点だけを考えて置いて今の程度で進んで頂いていいんじやないですか。
  39. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) それでは第二の演説会場において使用する「張札」のこの二字を削ります。そうして大体御異議ないと認めまして第十八。
  40. 鈴木直人

    鈴木直人君 これは削除するんですね。よし賛成
  41. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 さつき羽仁君が鈴木君に尋ねられたことに対する明確な答弁がなかつたようですが、要するに演説会場を示すための張札制限するかどうかということです。それは私はこのように考えているんですが……結局極く常識的に社会的通念判断して、その張札候補者自身政治的選挙運動のための宣傳張つたところのものであるか、或いはただ單に分りにくいから來聽者の便宜のためにしたものであるかということが判断の基準になるんじやないかと思う。それで大体において演説会場として選ばれる場所は、附近においての社会的中心である。ソーシアル・センターである。まあ小学校のような近所の人が誰でも知つておるような所が会場に選ばれていると思うのですが、從つてそれは特に向うにその小学校があるんだということを指で書いたような紙を張らないでも、この点分つていると思いますが、それをわざと分りにくい露地の隅に作つて羽仁五郎演説会は向うであるというようなポスターを頻りに張り廻している人が仮りにあつたとすれば、そうするとそれは非常に惡意的なものであつて社会通念判断によるならば宣傳のためにしたものであると考えられるから、それはいけないと、併しただ單に演説会場は向うであるということを書いておるときも單に会場を示すというだけならば候補者の名は書いてはいけないじやないか。そういうような考え判断して決定さるべきだと思います。どうでしよう。
  42. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 只今吉川委員が大体おつしやつた通りでありましい、この点につきまして、從前の前例では、演説会場入口を表示するために示す張札がいいか惡いかというような問題で、演説会場入口と矢印しで記載したものを貼付することは、その入口場所を表示するためならばよろしいということでありまして、その場合に候補者氏名をそこに掲げるということになりますと、又これは別個の問題になるであろうと思います。
  43. 木内四郎

    木内四郎君 如何なる制度でもこれを惡意を以て濫用すれば非常に惡い結果になるのではないかと思うのです。  演説会場の前に立札を出すということも、そこに演説会がある。例えば羽仁さんなり羽仁さんの演説会場があるということを或る程度知らせるようなビラを張るということを全然止めるという手は私はないだろうと思う。若しそうなると、そこに演説会場があるということを如何なる方法によつてこれを近所の人に知らせるかということを考えなければならない。演説会会場の前に立札を立てても、そこに演説会があるということは如何なる方法によつてこれを知らせるでしようか。そういうことを伺いたいと思います。
  44. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 演説会場を示すための張札ということになりますと、選挙のために使用する張札というのがこれに該当すると思いますが、これ以外には制限をするということになつておりますので、演説会場を示すということであればこれは明らかに選挙のためと、こういうふうに考えるんじやないかと思いますが……
  45. 木内四郎

    木内四郎君 そうすると、この地方区に出て來る張札は何枚、全國区では何枚という、その張札範囲でできるということですか。
  46. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) さようであります。
  47. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 今の木内君の問題については問題はないでしようが、菊井君の答弁の場合にはやり問題があると思います。その演説会の人口に羽仁演説会場と、或いは吉川演設会場と書こうと、それは選挙民から言えば望ましいことであつて選挙宣傳であつて、ここで羽仁さんが話をするからと言つて呉れた方が望ましいのであつて、その演説会場入口を書いてあればいいが、吉川演説会場と書くことを許さないということは、これは助にも申上げた警察的の考え方であつて、人民のためではないということを、そういうことを訂正して下さいというのも失礼かも知れませんけれども、反省して頂きたいと思うのです。
  48. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 先程の答弁十分申し足らなかつたのですが、その掲示は具体的な状況によつて可なり解釈違つて來るであろうと思いますが、演説会場に極めて近い所にそれが出ておるという場合には多くの問題はなかろうと思いますが、相当その掲示が遠距離の場所に沢山掲げられるということになりますと、これは問題になる虞れがあると思いますが、個々の具体的な事情によつてこれは判断するより仕方がないではないかと思うのですが、ただ氏名を書いたというだけでは、お説のようにそれだけで問題になるということはなかろうと思います。
  49. 鈴木直人

    鈴木直人君 まだ疑問があるのですが、選挙のために使用する張礼というものは、この前の参議院の例なんかによると、何の誰それと書いたものを、名前を書いて來ると、選挙管理委員会の判を捺して一千枚ですかね、その範囲内で張札張つてつたというのですが、その外にこれは規格があるわけです。その外に文書図画に関する制限の法令があつて、それと別個のもので何々演説会場というようなことを、ビラで張るのですね。それが各府縣によつて何かお互いに話合いか何かして、十枚張るとか二十枚張るとかいうようなやり方をしておつたようにも記憶するので、選挙のために使用する張札というものは、演説会場を知るためのビラまでも入るという解釈ですか。今そういうことでしたね。
  50. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) そういうふうに解釈しております。
  51. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうですか。そうすると、これは街頭演説会がどこにあるここにあるということを知らせるための何は第一に入る。そうすると第二の方は演説会場の中に、或いはその附近に張るものですね。それだけをいうのだと、そういうことでいいのですね。
  52. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) さようであります。
  53. 鈴木直人

    鈴木直人君 それならばその張札を取つてもいいではありませんか。例えば立看板を演設会場の中に、或いは附近に立掛けていいのではありませんか。そうして第一の制限範囲内においては、演説会場の中に張つていいのですか。その範囲内においては張つてもいいのですか。
  54. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) そういうことになります。よろしいということになります。
  55. 鈴木直人

    鈴木直人君 その範囲内のビラであれば演説会場の中に張つてもよろしいと……
  56. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) そうです。
  57. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 二文書図画掲示については、第二十二までがそれに関する案でありますが、第十一から二十二に至るまでの爾後のいろいろの原案と関連性がありますから、十七に関する審議は一先ずこれ位で中止して、十八以後に移つて、二十二が終つたときに、いろいろ論議する方がよいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)    〔委員長退席、小串清一委員長席に着く〕
  58. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) 吉川委員の御意見通りに審議を進めますから、御了承願います。
  59. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 第十八張札は全國選出三万枚、地方選出六千枚とすること。   選挙のために使用する張札は左の各号に定める数を超えてはならない。(文、五)  一、全國選出候補者一人について三万枚とし、一の都道府縣においては六千枚を超えてはならない。  二、地方選出議員候補者一人について六千枚。   前項の張札には当該選挙を管理する選挙管理委員会(全國選出議員候補者については全國選挙管理委員会又は本人の申請によつて承認した都道府縣の選挙管理委員会)の檢印を受けなければならない。   候補者以外の者が選挙のために使用する張札は、第一項各号に定める張札の枚数に通算する。 第十九 張札規格はタブロイド型とし、その使用には、住所、氏名を記載することにし、立札ちようちん及び看板の類の規格は自由とすること。  (一) 選挙のために使用する貼札はタブロイド型(長さ四十一センチメートル、幅二十八センチメートル)を超えてはならない。(文、六)  (二) 選挙のために使用する張札掲示しようとする者は、その張札の表面に、その住所及び氏名を記載しなければならない。(文、七) 第二十 張札掲示場所について制限すること。   何人も選挙運動のために使用する張札掲示する場合には、左の各号の制限に從わなければならない。(文、八)  一、國若しくは地方公共團体が所有し、又は管理するものには、張札掲示してはならない。  二、選挙の当日、投票所内に張札掲示してはならない。  三、すべて所有者若しくは管理者の承諾を得ないで、他人の工作物に張札掲示してはならない。 第二十一 選挙運動の期間中、文書図画の頒布若しくは掲示を禁止する規定の、脱法的行爲は禁止することとし、年賀状、暑中見舞等の挨拶状を頒布することは自由とすること。   何人も、選挙運動の期間中は、著述、演藝等の廣告その他いかなる名義を以てするを問わず、文書図画の頒布又は掲示の禁止を免れる行爲として、主として議員候補者氏名、政党その他の政治團体の名称又は議員候補者を推薦し、支持し若しくは反対する者の名を表示する文書図画を頒布し、又は掲示することができない。(臨、二十一I) 第二十二 選挙運動の期間中に掲示した文書図画で運動の期間中の禁止行爲の制限違反行爲に該当するものと都道府縣及び市町村の選挙管理委員会が認めたものは現行通り委員会に撤去権を認めること。   選挙運動の期間前に掲示した文書図画で、第二十一の規定に該当するものがあると認めるときは、都道府縣及び市町村の選挙管理委員会は、選挙運動の期間中に限り、これを撤去し、又は撤去をさせることができる。(臨、二十一II)
  60. 鈴木直人

    鈴木直人君 第二十に、「選挙運動のために使用する張札」という意味はどういう意味でありましようか。これはいわゆる選挙のために使用する張札の外に、演説会場において使用したり、選挙事務所において使用したりするものを含めるためにそういうようなことを使つたのであるか。選挙運動のために使用する張札と、選挙のために使用する立札というものの違いを説明願いたい。
  61. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) これは案を作成いたしますときに、選挙のためというつもりであつたのですが、運動が誤つてつたものと思われますので、その点訂正いたしたいと思いますが、これは選挙のために使用する、こういうふうに考えて実はおつたわけであります。御訂正いたします。
  62. 鈴木直人

    鈴木直人君 要するに選挙法に規定する立札には、いわゆる選挙のために使用する、嚴格な意味における選挙のために使用するという張札ですね、これとそれ以外の張札というものが考えられておる、こう解釈してよいのですね。そうしてこの第十八とか、第十九というものは、選挙のために使用する張札というものを前提としておるという点ですね。それから二十は、それ以外の張札でも、何でも適用になるのだと、こういう解釈なのか、或いは第十九條のごときは、あらゆるところの張札規格を決めるのか。この原案者はどこに、どういう考えでやつたのか。
  63. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 只今の問題でありますが、第十七におきまして、演説会場において使用する張札を仮に……
  64. 鈴木直人

    鈴木直人君 第三号もあります。選挙事務所の場合もありますね。
  65. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 十七において掲げております場合の張札と、選挙のために使用する張札というものは別個のものでありまして、第十九の張札規格というものは、内容に一、二と掲げてありますように、選挙のために使用するというように、いずれも表示しておりますので、第十七に規定しております張札と、これは違う張札である。從つてその十九の規格適用も受けないということになるわけであります。併し第十七におきましてこの張札が全部削られるということになりますれば、ポスターは全部選挙のために使用する張札ということになるのであろうと思うのでありますが、この案によりますれば二種類のポスターがあるということになります。
  66. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 第二十一に書かれておることでありますが、年賀状、暑中見舞等の挨拶状を頒布するのは自由とするということがありますが、それに続いて著書なんかに関する廣告を張ることはいけない。著書なんかに関する廣告を張ることは選挙期間中はいけないということは私も賛成なんです。同樣の趣旨においてやはり選挙期間中において年賀状や暑中見舞等の挨拶状を頒布するということは、これは私は非常によくないのじやないかと思うのであります。年賀状や暑中見舞を私信として出すのは礼儀として、正月なら正月が丁度選挙期間中になつておるときには尤もなような感もするのでありますが、併しこれは非常に惡用される例が非常に私はあると思うので禁止すべきと思います。恐らく金のある候補者はこういうことが自由でありまして、而もそれが選挙運動以外の方法なのでありますから、選挙日には加算されないのでありますが、年賀状、或いは暑中見舞と言われておりますと如何にも自然なようでありますが、仮に來年の四月なら四月に選挙のあるときは暑中見舞にもならず、年賀状にもなりませんが、必ず何のことに切掛につけた、そうした挨拶状的なものを非常に沢山出すであろうと思うのです。そうして金のある候補者は、恐らく先般の我々が立候補をいたしましたときの選挙においても、何百万円、或いは何千万円と使つた人があるそうでありますが、そういう人は金に糸目をつけないものであるから、全部の有権者にそうした挨拶状を出すかも知れない、出すかも知れないではない、私きつとそういうことをする人が相当あると考えるのであります。著書等の廣告を禁止するのと同樣の趣旨において少くともその期間においてそうした挨拶状を出すということは禁止するようにして貰いたいと思うのであります。仮に年賀状や暑中見舞をそこにおいて出さなかつたところで法律に禁止されておる選挙期間中であるとするならば、それを受取るべき立場にあつた人も十分にその点を了解するだろうと思うのであります。これは非常に惡用される虞れがありますから或々は金の力によつて当選する人が出ることを憂うるということ、又我々が前提として、原則として決めた原則からも反することでありますから、これは我々は絶対に反対だということを申上げます。併しなぜこういうことを原案にお書きになつたかということについての理由が私は明確でないのでありますが、必要があるならば課長の方からお答えを願いたい。
  67. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 第二十一の年賀状、暑中見舞等の挨拶状を頒布するという問題でありますが、元來年賀状とか、暑中見舞等の挨拶状というものは人情自然の美風というものからいたしまして本質的には制限すべきものではないのじやないかというように実は考えておつたわけでありますが、又他面現在の衆議院臨時特例法ではこれを禁止いたしておるのでありますが、そういうような点からやはり禁止した方がいいかとこういうように考えておつたのでありますが、いずれにするかという問題になりますと大体選挙運動に関しましては、可なり制限的な規定が非常にきつくなつて來ておりますのでかような点、或いは自由にするということもいいのではないかというような漫然なる氣持から実は掲げておるので深い根拠があるわけではありません。これは現在の参議院選挙文書等に関する法律につきましては、年賀状、暑中見舞等の挨拶を頒布するということは別に禁止されておらないのでありまして、現行法では一應自由になつております。かような点を一應考え合せまして、かようにしたのであつて、そう深いこれについて意味を持つておりません。
  68. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 年賀状、暑中見舞等を本当にやはり慣習に基くところの礼儀として出すに止めるというものであるならば、それでいいならば必ず本人自身の直筆というものならば許すとか何とかしないと、活版刷りのものを自由に出せるということになれば、私は非常に弊害が起きると思うのであります。
  69. 大野幸一

    ○大野幸一君 私は二十一條の年賀状、暑中見舞の挨拶状はこれを脱法行爲とみなす、こういうふうに書いてあるかと思つたところが自由にするということであるので意外に感じたのですが、選挙運動中に年賀状、暑中見舞を出すということは、これは一つの脱法行爲になると考えるべきものであつて、仮に全部が年賀状、暑中見舞を出すということになると全部から來ることになつて立候補した人が無駄をしたことになる。全部の人から年賀状、暑中見舞を貰えば、こういうことは徒らに金のかかる選挙を誘発することになるから吉川委員の言う通り、これは私の言うように書替えるべきものだと考えます。
  70. 鈴木直人

    鈴木直人君 選挙を自由にするという方針で行くならば別ですが、今までの経過を見ると相当制限をして行つておるという現状にあるのです。從つて二十一條の年賀状、暑中見舞は選挙運動の期間中は自由にするというようなことを表面的に書く必要もないし、又むしろ運動期間中はこれがない方があつさりしていいのじやないかというふうに私ら考えますが、むしろ運動期間中はこれがない方があつさりしていいのではないかというように私らは考えますが、無料葉書が相当沢山ありますし、それで以て相当のことができるので、特に年賀状、暑中見舞を出させる必要もないのだから、僕もこれは禁止した方がいいじやないかという考え方を持つております。強い意見ではないか、吉川君のように絶対反対でもないというところですが……
  71. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 年賀状、暑中見舞等については現在風俗習慣というよりも、虚礼に流れておる点があるのだから、だからそれを虚礼として脱法行爲として行うということを認める必要はない、禁止されることはいいと思う。著述演藝その他の廣告は如何なる名目を以てしても、さつき吉川君の言分を聞くと、選挙運動中は著述演藝の廣告はできないというふうに誤解される虞れがあるのですが、その著述演藝の廣告を利用して、あとに書いてあるような特定の候補者を推薦するとか反対するとかいうことを禁止すべきものだと思います。
  72. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) その点はさようであります。
  73. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) それではこれは脱法的行爲は禁止するとか、頒布若しくは掲示を禁止する、脱法行爲は……
  74. 鈴木直人

    鈴木直人君 禁止することでいいじやないですか。
  75. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) これは取りますね、満場一致で。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) 御参考までに申上げますが、この中にポスター制限がありますが、衆議院の方で今やつているのは非常に少いですよ。  第百四十四條に、「選挙運動のために使用するポスターは左の各号の区分による数を超えることができない。  一、衆議院議員、参議院地方選出)議員、及び都道府縣知事の選挙にあつては、当該公職の候補者一人について一千枚、参議院(全國選出)議員の選挙にあつては当該公職の候補者一人について一万枚、但し一の都道府縣においては一千枚を超えることができない。外にまだ細かいことが方々にありますが、これは参議院に関する重要な問題で、而もこちらの御審議と非常に差がありますから、御参考までに申上げて置きます。
  77. 大野幸一

    ○大野幸一君 この中の六千枚、三万枚というのは、こういう議論が前回の委員会にあつたのですか。多数説と認めてこれは出したものですか。
  78. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 前の委員会の審議の際に地方選出につきましては、大体三万枚という案で出ておつたのですが、その際地方選出については一町村について大体十枚ぐらい行渡る必要があるというので、そういう点では六千枚か七千枚が妥当ではないか、こういう意見が多かつたので六千枚と出したわけであります。尚全國選出の三万枚というのは、非常に全國について運動というものが制約されて、候補者を知るのに機会が少いというような地方の御意見もありましたので、この枚数を三万に引上げたわけでありますが、選挙管理委員会におきましてはそう多くの御意見がなかつたようであります。
  79. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 この点はさつき北條君が言われた選挙会場を示すポスターを惡用する例を挙げられたのですが、その條件の場合は一般ポスターの数が制限されておる。それで選挙民に知らせることができない。そこで選挙会場を指示するポスターなんかをそういうふうに惡用したというようなことがあるので、これはやはり余り制限されると何か外の方法選挙民に立候補の事実を知らすというような脱法行爲が自然起るのではないか。ですから余りこれを制限することは私は妥当ではないのではないか、殊に全國選挙については、全國選挙の立候補者の名前もよく分らない、人もよく分らないと言われている方々があるので、これはまあ特にさつきのような演説会場を若し禁止されるというようなことになれば、大した惡用されるということはないわけですから、そこでこれは公営によつてなされるものであるし、(「公営じやない」と呼ぶ者あり)これは公営じやないですか。
  80. 鈴木直人

    鈴木直人君 私も実はこの点について賛成です。というのはですね、一つの町村に一枚くらい候補者ビラを張れないというような選挙では、これは何か外に別に手段が出て來ると思うのです。それでこの前の選挙にしたつて一千枚ですが、どこに張つたか分らないのです、一千枚くらい実際にやつてみると。だから六千枚だつて本当にこれは正直に張れば、本当に目に付かないくらいなのです。どこに張つたら最も効果的であるかということを研究しなければいけないくらいのものかと思うのです。ですからして、從來の一千枚使用ということにするという案が外にあれば、これは本当の実情にそぐわない案と思う。全國選挙は全國を地域とするから三万枚は当然必要だ、こういう意味で私は原案に賛成です。原案で足らないと思うくらいです。次にもう一つは第十八條の二項の二号です。これは私はこの前も申上げましたが、選挙管理委員会が單に檢印をぺたんと捺しただけでは、これは又脱法的に枚数を殖やす方法になる。從つてこの第二項のやり方は困難なだけでなく、これはやはり一目して脱法のビラではないということが分るようにしたいと、その技術的なやり方は研究をするとして、まあそこら辺破つたところでこれはもうごまかしができないというようなビラにしたいということを考えているんで、この第二項のただこれだけでは私は満足しないんで、これは通過しても將來一つ條件附で一つ通過さしたいと思つておるのです。
  81. 大野幸一

    ○大野幸一君 一体選挙民が立候補者が分らないというのは、選挙民は目で入れるのですか、頭で入れるのですかか、判断して入れるのでしようかということを私は疑問に思つている。自分の前にポスターが見えたから入れるということにはならないと私は思う。これから新聞にも全候補者が公告されるし、大体選挙公報というものは各戸に配られるので、そこで判断される。ラジオ放送で判断される。そのおまけにポスターというものが出て來るのでありまして、このポスターは前回に私達の経驗によりますと、全國で一万枚、地方が一千枚、各縣は一千枚をのぼることを得ずというので、決して不便でなかつたのであります。幸いに不便でなかつたということから、衆議院では前回と同じ枚数を決めたのでありまして、地方選出参議院議員選挙におきましても都道府縣と同じにするところを見ますると、知事の選挙でも都道府縣の長の選挙でも、別にこれは非難がないのじやないかという考えから、衆議院の方で経驗上そうしたのでしようと思いますから、私は衆議院の案が最もよいと考えるものであります。
  82. 鈴木直人

    鈴木直人君 その点で私先程質問したのですけれども、演説会場を知らしめるところのビラというものも、この数の中に入る。いわゆる第十七條の第二項の第一号ですね、選挙のために使用する張札、そうして十八條張札もそこに入るということですが、少くとも選挙演説会場というものは相当あります。そういう場合に、その範囲内において使わなければならんということであるならば、どうしても一つの縣で六千枚は必要である。こういうことを主張しておるのであります。ただぽつぽつと候補者の名前だけを張るということだけならば、又考え方もあるだろうと思いますが、選挙演説会場以外におけるところの一切のビラは、この枚数の範囲内においてやるのだと、こういう考えであるために、私はこの原案というものがなければできないと、こう考えております。
  83. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 私中座いたしましたので、若し皆さんの御論議になつた点と重複しておれば失礼なので、お許しを願いたいと思います。今の問題ですが、鈴木さんがおつしやるように、演説会の告知のポスターも含んで六千枚というわけなんですね。そうすると、我我が選挙をやりましたときの例からすると、あのときは地方区においては、ただ名を書いただけのポスターは一千枚、それから演説会の告知のポスターは三千枚だつたと思いますが、この間の春の衆議院議員の選挙のときは、それについてはどうだつたですか。
  84. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 衆議院の場合におきましては、立会演説会、個人演説会とも、選挙管理委員会がそのポスター掲示をして呉れる。こういうことになつておりまして、候補者自身は何ら掲示をする必要がない、又できないということになつて、関係なかつたのです。
  85. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 ただ單なる氏名を知らせるだけのポスターは何枚だつたのですか。それは一千枚ですか。
  86. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 衆議院においては、それ以外のポスターというものは全然なかつたのです。
  87. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 この問題は、私は原案に賛成をいたしたいと思います。この一月の衆議院選挙におきまして、氏名を印したポスターは張らせなかつたということが、まるで選挙というものがお葬式みたいになつたという評を受けた一つの原因だつたのです。それからこの前我々が参議院議員選挙をやりまして痛感しましたことは、我々は全國区でありますが、一万枚では如何にも少い。折角あちらからもこちらからは張つてやるから寄越せと言われても、よう送り切れない、なくなつておるということで、これは一万枚では少いから全國区には三万枚程度が適当な数であると思います。地方区の方も六千枚、私は地方区に立ちませんでしたから自分の体驗を持つておりませんけれども、緑風会の方の地方区の方々の意見を聽きましても、六千枚くらいはどうしても必要である、そうしなければ選挙運動というものは徹底しない、こういう意見なんです。それで他のポスターとかその他のことを非常に制限しておりますから、文書図画による選挙運動は、このポスターの枚数を多くして遺憾なきを期したいと思つて、原案に賛成する次第であります。
  88. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 続いて二つ三つお尋ねします。十八ですが、この張札地方区と全國区と名前を二つのつけるということは、いつか葉書のときに問題になつたのだけれども、今度はどうなるでしよう。原案に提出しておられるのでは、それはいいんですか惡いんですか。一つの張札に全國区と地方区の人と二人連名で使うというときには、どういうことになつておりますか。
  89. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) それは全國区の議員のポスター地方選出議員の候補者の名前を掲げる、或いは逆に地方選出議員の候補者ポスターに全國選出議員の候補者の名前を掲げるというようなことは、仮にこの法律が三万枚、六千枚というように規定いたしますならば、当然それによつてそういうことができなくなるというように思います。
  90. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 できなくなる……
  91. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) ええ。それは枚数が当然この枠で制限を受けるから……
  92. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 そういう趣旨ですね。それから今度は二十についてちよつと聞きたい。これはひどく張るところを制限しておるんですが、公営で作るという考えですか。
  93. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) これは現在文書図画に関する法律では、第八條で、「同一工作物には、候補者一人について一枚を超えて掲示してはならない」、二号に「國若しくは地方公共團体が所有し又は管理するものには、張札掲示してはならない」、こうありまして、ここに掲げてあります一、二、三というものは、いずれも現行法の第八條の二、三、四に規定しておるものであつて、第八條趣旨に準じて、これは張り場所について制限したらどうか、こう考えたわけであります。但し「同一工作物には、候補者一人について一人を超えて掲示してはならない」という現行制限は、これは少し窮屈ではなかろうか、かように考えまして、この点につきましては制限をするということから外して置いたわけであります。
  94. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 そうすると、この張札掲示場所というものは、衆議院の方でも余り制限してないのです。ところが、こちらの方はそれよりも窮屈になつておる。もう少し自由にしたらどうかという観点から、もう一遍質問したいのですが、えらく衆議院の現在の選挙法よりも窮鑑に張札場所制限した狙いはどこにあるのですか。
  95. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 衆議院議員の選挙におきましては、ポスターというものの使用が全然候補者に許されていないわけでありまして、選挙立会演説会、或いは個人演説会の際のポスターというものは、選挙管理委員会が一手に引受けて掲示するということで、候補者には一枚も使用が許されない。こういう点から別にこれに関して規定してないわけであります。
  96. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それから二十一の第二項の方ですね、「著述、演藝等の廣告その他いかなる名義を以つてするを問わず、」やつてはいかんということですが、これは著者が著述をたまたまその選挙期間中に賣出したとして、でかでかと並べるということは、いけないのですか。
  97. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) この問題は脱法行爲をするというものについてこれはいけない、こういう趣旨なんでありまして、選挙運動の期間中、著述、演藝等の廣告その他如何なる名義を以てするを問わず、文書等の領布とか掲示を禁止しておるものを免れるというような行爲をするということがいけない、こういうだけなんでありまして、本來脱法的な目的、意図がなければ差支ない、こういうことになると思います。
  98. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 どんなところで判断するのですか。
  99. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) これは、各個具体的な場合によりません。一々判断は極めてむずかしいだろうと思うのです。抽象的には、ちよつと申上げかねると思います。
  100. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 これを自由にしたらどうなるんですか。
  101. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) これは「主として議員候補者氏名」主としてという文字が入つておるんですから、明らかにこれはそういう掲示の禁止を免れる行爲をなすことで、「主として」そういうことをしてはいかんというので、これで私いいと思います。
  102. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 非常に例外があるんです。例えば兼岩君が何かの廣告なり雜誌に書かれる。例えば中央公論なら中央公論の廣吉にあなたのことが載つておるということは、それは当然のことなんだ、ところが選挙に使用する目的を以てポスター代りに実際それをやるとなると……
  103. 鈴木直人

    鈴木直人君 私はこの二十の一号の、國若しくは地方公共團体の所有し、又は管理するというものに、絶対的に張札をさせないで民間のものにだけさせるというところに非常に地方公共團体が何といいますか、威張つておるような感じがするのですが、実は、聞いて見るというと、公共團体あたりで、ここに張り出したら非常にいいだろうと思うようなところが相当あるんですが、そういうようなところはやはりできるようにした方が選挙公営の趣旨にも合うわけなんで、絶対にいけないということをここに規定するということはどうかと思う。これも一つの所有者ですから、地方公共團体も所有者とみなして、所有者がよろしいと言つたらいいというふうに……
  104. 北條秀一

    北條秀一君 只今鈴木委員のお説に対しては、今までこれは檢討したんです。その結果、國又は地方公共團体が、或る人には張札を許すけれども、或る人には許さないという不公平を公共團体がやつたら困るというところから、こういう規定を作ろうと決めたわけであります。それは了解して貰いたいと思うのです。
  105. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 角を矯めて牛を殺すというやつですな、そうじやないかな。
  106. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) これは、私からそう言つちやなんですが、これは、大分前から議論があることで、どうしてもそういうことは公共團体なんかでは、例えば私が村長していればこの者にはいいけれどもこの者には惡いとか、共産党なんか來ればやつちやいかんということになりますから、むしろこれでいいと思う。
  107. 大野幸一

    ○大野幸一君 先程答弁がはつきりしなかつたようで、私が聞き違えたかも知れないが、こういうことが言える。一万枚でやつて、一千枚を超えることはできないという全國区についてですが、ところが、この案では三万枚として、六千枚を超えてはならないとしてある。そうすると五分の一になる、十分の一が五分の一になつて衆議院との隔りが多いんだが、これはどういう考えなんですか。
  108. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 衆議院の案というものを、実はこの要綱案を作成する当時全然関知しておらないので、向うでどういうように考えておりましたか、その点分らないわけであります。尚衆議院の要綱は、事務局が作成いたしまして、まだ審議に入つたばかりで内容につきましてもこの程度あたりまでは進んでいないかに実は承つておるんですが、衆議院との関係は全然承知しないままにこの案を立てたわけであります。
  109. 大野幸一

    ○大野幸一君 これで見ますると、全國区をやはりブロック制にする心持が現われておるように考えられる。というのは、五区ということに集中するわけでありまして、我々の意図する全國区存置の絶対多数説は、そういう意味でなくて、全国はやはり全國、成るべく多く平均に運動の効果をあらしめたいというのであつて、これはむしろ全國区を実質上ブロック制にするということは、弊害があるからこれには私は賛成できない、少くとも十分の一を超えてはならない、全國区の枚数の十分の一を超えてはならないということにしなければならんと私は思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)それからもう一つここで問題になりました、要するに、地方区と全國区の抱合せでありまするが、これはここで軽々にそれはできないということで決定されて、恐らく選挙の実際に臨まれて、どの候補者も不便を感ぜられることだと思う。これからの選挙は、例えば政党の色彩が強い緑風会と雖も、緑風会の地方選出と全國区選出議員とは多分に組まれるだろうと思う。自由党、民主党、社会党皆これは党であり限りにおいてはそういう協定をするでありましよう。そこでその場合に地方区と全國区とを一枚の紙に書いてこれを選挙民に知らせる。演説会場も一緒にする場合が多いでしよう。それはその筈です。同じ思想であり、同じ政策を掲げる同一政党はそうあつて然るべきであると私は思うのであります。それにも拘わらずどうも原案者がこの組合せを禁ずるということは、まあこの次の選挙にやつて御覽なさい。必ずその次の選挙にはあれは不便であつたということに氣付くでありましようが、その次の選挙に立たれる人の不便を思いやつて、私はどうしても組合せは許すべきだと今でも主張したいと思うのですが、これについて考えべき意思が……提案者でありませんから別にそれ程申上げませんが、組合せしてはいけないという弊害がどこにありましようか、ないと思うのであります。前回において決して弊害はなかつたと私は思うのです。ただ前回に弊害がなかつたことをここで新らしく試みる必要はないと思いますので、これは組合せを可なりという解釈の下に進められることをお願いする次第であります。    〔委員長代理小串清一君退席、鈴木直人委員長席に著く〕
  110. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 只今大野委員のおつしやつた問題についてお答えいたしますが、地方選出議員が六千枚の張札で、全國選出議員が三万枚として一つの都道府縣において六千枚を超えられないということはブロックの思想が見えるのではないか、こういうような御意見でございましたが、これは別にそういうような点を考慮したわけではないのでありまして、地方選出の場合に六千枚使える。そういたしますと全國選出議員はその都道府縣においてポスターを使用する場には、大体或る程度の制限を加えて置かないと非常に一つの都道府縣に集中される虞れがあるというような点から、どこにこの基準を設けたらよいか、こういつた点を考慮したのでありますが、大体この点につきましては、現行文書等に関する法律はこれと同じような考え方の下に、一つの都道府縣においては六千枚を超えられない、こういうような考え方をいたしておりますので、それに準じたわけであります。それから第二の問題につきましては、これは別に全國選出議員が地方選出議員の候補者と一つのポスターを使用するということは法律上禁ずるということにはならないと思います。ただ枚数の制限が一應引掛つて参るだろう、こういうふうに思います。
  111. 大畠農夫雄

    ○大畠農夫雄君 そうすると組合わしてもいい。組合わしてもいいが、枚数で引掛るから六千枚を超えることはできない、こういう意味なんですか。
  112. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 地方選出の場合においてはやはりこの六千枚の枠に制限を受ける結果、全國選出の場合におきましても、一つの都道府縣においては六千枚を超えられない。こういうことになつて、この枚数の枠は依然として制限を受けるということになると思います。尤もこれはこの委員会において、この選挙法の立案をいたすのでありますから、そういう点は制限する必要がない、こういうことであれば別に問題はないのでありまして、その点明らかに法文に書けばいいと思うのでありますが、書かない場合におきましては、一應そういうような問題が出て参りまして、この制限を蒙ることに解釈される虞れがあると存じます。
  113. 城義臣

    ○城義臣君 組合せについてもう一遍、これはくどいようですけれどもお尋ねしますが、地方区のものが六千枚でございますね。そうして全國区のものと組んで全國のものは六千枚を超えることを得ないとしてありますから、一緒に書いた場合一万二千ということになりますね。それがいいか惡いかということを一つ。
  114. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) それは一人について六千枚ということでありますので、一人が他の候補者ポスターを利用して使用いたしましてもそれは使用するという点で、枚数は同じなので、やつぱり六千枚の枠というものは依然としてありますので制限を受ける。從つて一万二千枚は使用できないということになる。(「それは反対だ」と呼ぶ者あり)
  115. 鈴木直人

    委員長代理(鈴木直人君) 速記を止めて。    午後二時五十七分速記中止    —————・—————    午後三時十五分速記開始
  116. 鈴木直人

    委員長代理(鈴木直人君) 速記を始めて下さい。第十八。
  117. 大畠農夫雄

    ○大畠農夫雄君 お仕舞の方の「候補者以外の者が選挙のために使用する張礼は……」とありますが、これはどういう人が張るのですか。
  118. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) これは第三者が推薦のためにポスターを使用するという場合が実際問題として生ずるであろうと思うのですが、そういうような場合にも候補者の持つておる本來の六千枚なり、或いは全國区選出の場合は三万枚と仮定いたしますと、そのやはり枠の中に入ると、こういうことであつと、この枠以外に第三者がポスターを勝手に張れない、こういうことであります。
  119. 大畠農夫雄

    ○大畠農夫雄君 そうしますと候補者の枚数に通算する、それはいいとして、檢印の方はどうなるのですか。檢印を受けなければ候補者ポスターとして認めないということになつておるのだけれども、これは枚数を通算するばよろしい。檢印の方はしなくても勝手に出せるわけですか。
  120. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) それはやはり檢印を受けなければならないのでありまして、この両方の表現がこの点非常に不備でありますが、これは檢印を受ける趣旨であります。
  121. 大畠農夫雄

    ○大畠農夫雄君 そうしますと檢印を受ける場合には印刷しなくても、眞白い紙でも何でも構わない、こういう意味ですか。
  122. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) これは白紙でも実際の取扱では檢印を受ける。そうして印刷するという方法を構じておるそうです。
  123. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 この十八條から二十二條までで、今まで御議論で問題になつておることは、十八條の枚数ですね。大野さんが頻りと主張しておられるように、この枚数を減らすか、原案の通り通すかということと、それから強いて議論されれば抱合せを禁ずるという解釈法律に入れるわけでもない。解釈一定して置くかその必要はないか、この二つだろうと思うのですが……
  124. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 ちよつと中座しておりまして失礼しましたが、大体お話は大野君から承わりましたが、今の抱合せのことが問題となつておるそうですが、これは制限以上に殖えないのです。それは私は赤松常子君と抱合せたのですが、私として許されておるところのポスター制限数は千枚だつたわけです。だからして半分は私だけの單独のポスターを張りまして、あと半分は赤松常子君と抱合せてポスター張つた。だからして私の名前が書いてある以上は私のポスターです。それを両方合せて五百枚ずつとして千枚なんです。その数以上に出すことはできないわけです。それをした人があつたとしたらそれは脱法、違法なんです。できない筈なんです。
  125. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 そうすると赤松君の方は。
  126. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 赤松君の方は五百枚、その一万枚の中から外して九千五百枚ということになるのです。    〔委員長代理鈴木直人君退席、小串清一委員長席に著く〕
  127. 大野幸一

    ○大野幸一君 私も法律違反することは絶対にしない確信で、当時管理委員会へ問合せたところ、それは差支ないというので各方面に千枚を連名で送つて、それで私の分はそれだけ余計に地方区は得をしているということで今日まで訂正は受けなかつた。当時管理委員会はそういうことを正しく判定してそのままやつたという私は經驗を持つておるから、そういう場合には、同じ紙で同じ費用で多くの候補者選挙民に知らせる利益があるというので、私は今申上げたわけであります。ただそれだけちよつと申添えて置きます。
  128. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 今の問題が好適例なんですが、そういうふうに注文が曖昧であると、或る選挙管理委員会では自分の許されておるやつを合算して倍も連名で出していいのだという解釈を採る。又或る管理委員会ではそうでなくて、自分の名前が出ておるのは皆枚数に算えて、今吉川さんが言われたようなことになるので、そうするとこれは全國区について言うと、非常な利、不利が起つて來るわけです。だから選挙法には余計なことだと言われますけれども、そういう疑問が出ないために書かなければならん、それが即ち分り易い、それが本当に分り易い選挙法、親切な選挙法なんです。それを書いてないと、こういう大きな問題について解釈が二樣に選挙管理委員会ですら分れておるということになるんです。そういう規定を設けることがうるさいのでなくて、はつきり分り易く、簡明の簡の字には当りませんけれども、明の方に当るんです。それをよく御了解を願いたいと思います。
  129. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) 今の岡本さんの御意見よろしければ、それじや修正の、いわゆる明のような文字をやることに御挿入になるのですか、その御意見を……
  130. 鈴木直人

    鈴木直人君 先ず第一に枚数ですけれども、枚数はどうも各委員において一致し難いような現状にあるようです。衆議院の原案も違つておるようですけれども、これはどうしますか。
  131. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 今の問題に関連していますが、枚数が多いならば今の抱合せは認めない、枚数が少ないならば抱合せを認める。実際枚数が非常に少いと脱法行爲が起つて演説会場や何かでやるのだから、だから大野さんは非常に少いことを主張されておるのですが、それはさつきのように、抱合せなり何なりおやりになるという解釈ですから、事実上皆樣の御意見は、一方は抱合せをお許しにならない方は枚数を多く主張せられるし、それから抱合せも差支ないというお考えの方は枚数を制限されるというのですから、本委員会でこの小委員会の結論を報告されて、それを本委員会でそういうふうに決定されればいいのじやないか、これ以上ここで議論しても、いずれとも決定しかねると思います。そういうふうにして頂ければ、議事進行上いいのじやないか。
  132. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 今の羽仁さんのお話は、やはり私は誤解があるように思うのです。抱合せをしたからというて、枚数は殖えるわけじや何にもないので……
  133. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 殖えるという大野さんのような御解釈もあるから……
  134. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 それは絶対に殖えない。それは算術的な前提が間違つている。それは絶対はそういうことは間違いなんですから、枚数は殖えないのですから、その意味では羽仁さんのおつしやることは意味を成さんと思いますが、枚数ですね、枚数はやはりこんなに殖やしてはいけないと思います。それは我々候補者としては知らず知らずの間に候補者心理に駆られるわけであります。それでポスターが余計張れれば、やはり宣傳力が強化されて、非常に有利なように思う感情が、潜在意識的にあるわけですけれども、制限されたからと言つて、外の候補者も皆同じように制限されるから、いわゆるフェア・プレイで同じことになるのですけれども、何か余計張りたいように思うのですが、さつき大野君が言われたように、ポスターだけが我々の名を知らしめる方法じやないのでありますし、費用が少い、多くかからないということもありますから、三万枚もポスターを拵えて全國に張るということになると、これだけの費用でも相当のものなんですよ。現在の制限で、例えば我々が二年前にやりましたときは、名だけにおいては千枚、それから演説会場は二千枚、合せて三千枚になりますが、それ以上に増加さすということは、費用と手間が要る点、そういう点から反対したいと思います。
  135. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  136. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) では速記を開始して下さい。これより引続いて審議をいたします。第十七は張札という第二の項の「張札」という文字を取るということでこれはよろしうございますか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  137. 鈴木直人

    鈴木直人君 それから疑問が一つあるんだ。第四号この張札は自動車でずつと廻る場合もこれは許すわけですね。
  138. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) それは構わぬ。それでよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  139. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) それでは十七は済みました。第十八は、いろいろな意見がありましたがこれは留保しますか。    〔「留保」と呼ぶ者あり〕
  140. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) 留保。それから第十九、これは……    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  141. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) 第二十の掲示板、これも御異議ありませんね。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  142. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) 第二十一の文書図画、これも年賀状、暑中見舞を取つてあとは原案通り禁止することでよろしいと、年賀状、挨拶状は止めると……    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  143. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) 今度は二十二です。
  144. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 これもさつきつたんです。いいんじやありませんか。異議なし。
  145. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) これは異議なしですね。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  146. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) では二十三の自動車、拡声機、船舶……    〔「原案賛成」と呼ぶ者あり〕
  147. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) これはちよつと待つて下さい。
  148. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 その数は多いじやありませんか。
  149. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) これはやはり衆議院は、これで自動車拡声機の方は全國の方は自動車五台、拡声機五揃です。
  150. 北條秀一

    北條秀一君 それはこの前いろいろ議論して三台三台になつたんですからね。特に支障がなければ私は原案賛成です。
  151. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) 原案賛成に決定いたします。二十四、これは無論禁止ですね。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  152. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) それでは二十五を御説明申上げます。
  153. 菊井三郎

    ○法制参事(菊井三郎君) 「第二十五、選挙当日の運動及び氣勢を張る行爲は禁止し、名称を連呼する行爲は自由とすること。  何人も選挙に関し、自動車を連ね又は隊伍を組んで往來する等氣勢を張る行爲及び選挙の当日選挙運動をすることができない。  この問題につきましてはちよつと御説明申上げます。選挙当日の運動及び氣勢を張る行爲、名称を連呼する行爲というものは、現行法では別に規定がないのです。
  154. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 氣勢を張る行爲とはどんなことです。具体的に説明して下さい。
  155. 鈴木直人

    鈴木直人君 それは説明がしてあるでしよう。「自動車を連ね又は隊伍を組んで……」
  156. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 それは共産党の人がやることなんだよ。
  157. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 自動車を連ねたり、隊伍を組んだりして非常に氣勢を煽るという行爲であります。
  158. 北條秀一

    北條秀一君 これは二十五は選挙当日の運動及び氣勢を張る行爲はこれを禁止するのですが、名称を連呼する行爲は自由とするとなりますと、非常に判定がむずかしい問題になりますので、選挙当日の運動は一切禁止するということにこの前の皆さんの意見は強かつたのじやないでしようか。そうすれば二十五條は非常にすつきりした規定になつて來るのです。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  159. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) ちよつと只今の点について、これは選挙当日の運動のみならず、氣勢を張るという行爲は選挙当日ばかりでなしに、やつてはいけない。こういう意味も含んでおりますので、若しいけないということであれば選挙当日の運動及び氣勢を張る行爲、並びに名称を連呼する行爲を禁止する、こういうことになるだろうと思いますが……
  160. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) 何人も選挙に関し自動車を連ね、又は隊伍を組んで往來することもいけないでしよう。だからこれはやはり置かなくちやいけない。
  161. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) これは氣勢を張る行爲の一つの例示でありまして、ここで一々細かに書かなかつたので、氣勢を張る行爲として一括しておるわけです。これは自動車を連ね、又隊伍を組んで往來するというような行爲を指すわけであります。
  162. 鈴木直人

    鈴木直人君 私はこの最初の本文をやめて、第二項ではないけれども説明的に書いたところを本文にして貰つた方がいいと思います。そうすればはつきりする。それには何人も選挙に関して自動車を連ね、又は隊伍を組んで往來する等氣勢を張る行爲はいけないということ、それから選挙当日の選挙運動はいけない。この二つがあるので、前の方が間違つておるので、あとの方を前に置いたら……。前を全部削つたら……
  163. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) それで御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  164. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) ではさよう決定いたします。じや二十六を御説明下さい。これはもう説明の要はないでしよう。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  165. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 二十六は枚数は書かないで置くのですか。
  166. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) いいでしよう。これであとは凡そ常識で……
  167. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 ただ交付するというだけですね。
  168. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) この二十六につきましては、特殊重要券の交付ということについて枚数をどれくらいにするとか、或いは全國区の場合にどう、地方区の場合にどうするという問題があるのでありますが、これは鉄道との関係もありますので、十分向うの意向も委員会において質してはつきり決める必要があると思うのでありますが、一應原則だけでも決めて置いたらどうか、こういうような意味でこれは掲げたわけであります。
  169. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) それでよろしいでしよう。    〔「賛成、異議なし」と呼ぶ者あり〕
  170. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) ではそう決めます。では二十七を御説明願います。(「説明する要なし」と呼ぶ者あり)いいですか。
  171. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 第二十七の問題は、「用紙及び燃料のあつせんについては臨時特例趣旨通りとすること。」ということでありますが、これは現在臨時特例法では、燃料の斡旋についていろいろいたしております。それから文書図画に関する法律では、用紙の斡旋について規定があるのでありますが、両方の斡旋の規定を一括いたしまして、斡旋制度を設けたらどうか。かように考えておるわけであります。併しこの問題は、用紙につきましても、どれくらいの数量になるか。燃料にいたしましても、その量がどの程度の量になるかというような問題もあるのでありまして、方針としてはこの際決めることはできるだろうと思うのでありますが、具体的な問題につきましては、各方面とも折衡が残る問題だと思うのでありますが、そう点附加えて申上げて置きます。
  172. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 これはさつき鈴木君から発言があつた公営の問題もあるし、ここで決定されるのでなく、そういう問題も含めて、次の二十八なんかと関連されて留保されて行くより仕様がないのじやないですか。
  173. 北條秀一

    北條秀一君 只今羽仁委員の御意見賛成でありますが、用紙の問題は先のは第一回総選挙の際に用紙の斡旋が非常に大きな特典であつたのです。ところが現状においては用紙の斡旋が大した特典でないということになりますので、そう大した特典でないものをこういうふうな法律で以て如何にも斡旋するかのごとく書くということは私は賛成しかねる。そこで賛成しないというよりもむしろ先程來お話がありましたように、用紙は全然第二十八條で公営の中に入れてしまうという方が私はいいと考えます。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  174. 鈴木直人

    鈴木直人君 私はもう少し細分的に分けまして選挙のために使用する張札に必要とする用紙はこれは國が出す。それ以外の用紙は斡旋して各自にやらせる、こういうふうに一つお願いしたと思います。
  175. 岡本愛祐

    ○岡本愛祐君 張札用の用紙の公営、これは賛成します。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  176. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) それではこの原案でいいでしよう。
  177. 鈴木直人

    鈴木直人君 第二十八條の第六号に一つ……
  178. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 二十七條から用紙を削つて用紙は二十八條の方へ入れる。
  179. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) それでよろしいかね。それでは原案で決定いたします。それでは二十八。
  180. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 二十八はこれは大分議論があるところだろうと思いますが、明日おやりになるのでしたら、今日は二十八、二十九以後は一つ明日に御延期になつては如何でしようか。
  181. 小串清一

    委員長代理(小串清一君) それでは本日の会議はこれを以て終りとしまして、明日午前十時から再開します。    午後三時四十八分散会  出席者は左の通り。    委員長     柏木 庫治君    委員            鈴木 直人君            岡本 愛祐君            北條 秀一君            小串 清一君            城  義臣君            木内 四郎君            伊東 隆治君            佐々木鹿藏君            大野 幸一君            大畠農夫雄君            吉川末次郎君            兼岩 傳一君            羽仁 五郎君            小川 久義君   法制局側    参     事    (第二部第一課    長)      菊井 三郎君