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1949-09-15 第5回国会 参議院 選挙法改正に関する特別委員会参議院議員選挙法改正要綱立案に関する小委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年九月十五日(木曜日)    午後一時二十九分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○参議院議員選挙法改正要綱仮案に関  する件   —————————————
  2. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) それではこれより委員会を開会いたします。参議院議員選挙法改正要綱仮案(第二部)を議題に供します。菊井君。    〔菊井法制局参事朗読〕   参議院議員選挙法改正要綱仮案   (第二部)   第一 選挙事務所設置について制限すること。  (一) 全國選出については十五箇所とする、但し一部道府縣設置しうる事務所の数は地方選出の場合の制限を超えられない。  (二) 地方選出については衆議院議員選挙の場合における選挙区毎に一箇所としてその数を合せた総数同一数とする。  (三) 議員候補者又は推薦届出者推薦届出者が数人あるときはその代表者)でなければ選挙事務所設置することができない。前項の者、選挙事務所設置したときは直ちにその旨を全國選出議員については都道府縣選挙管理委員会を経由して全國選挙管理委員会地方選出議員については都道府縣選挙管理委員会に届け出なければならない。選挙事務所に移動があつたときまた同様とする。  (四) 選挙事務所は、選挙の当日に限り投票所を設けた場所の入口から三町以内の区域にこれを置くことができない。
  3. 北條秀一

    北條秀一君 全國選出については選挙事務所を十五箇所とするということは、この前決定していなかつた考えるのですが、私は一縣に少くとも一つ事務所を持つべきであるという建前を以ちまして、五十箇所を置くことができるようにすべきだという主張をしたのですが、十五箇所とした原案者趣旨説明して頂きたいと思います。
  4. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 選挙事務所設置の問題につきましては、第二次の委員会におきましてこれと同様の実は案が出ておつたのでありますが、その際委員会におきまする空氣は、これを各都道縣ごとにという御意見もあり、又五十箇所くらいという御意見もあつたようでありますが、一面又少くともよいという御意見がありまして、速記に載りましたところは、大体多数説が載つたようでありますが、その後懇談会に入りました関係上、少数説は載つておらなかつたように存じておるのでありまして、そういうような前の委員会空氣からいたしまして、何箇所にしてよいかという点につきましては、事務関係者といたしましてはつきりした確信がありませんでしたので、従前の案をそのままここに載せたわけであります。御了承願いたいと思います。
  5. 北條秀一

    北條秀一君 それは了承願いたいという話でありますが、私は了承できないのです。緑風会といたしましては、先に申上げた通り意見を持つわけで、こういうものはすべてやはり算出の基礎がはつきりしなければならない。十五箇所というのはどこから算出されたか、どこに理論的根拠を求めたかというと、極めて漠然たるものでありまして、同時に又苟も全國選出である限り、各縣にそれぞれの選挙運動をやる中心を持ち得るようなことを各人持つておると思います。そうしなければ選挙事務所を十五箇所にすると、十五縣しか持てない、或いはそれ以下しか持てないということになりましては、極端なことになると、三縣、四縣くらいで全國選出議員を出すということになりますと、結局前から言われておるようなブロック制度とか全國選出議員制度を廃止するという理論を肯定することになります。でありますから、各縣一つづつとかいう規定にしておくことができなければ、十五箇所でも十箇所でもよいがわざわざそれを十五箇所に制限する積極的理由は私はないと思いますが、飽くまでこれは縣に一つ、四十六箇所とするそれは勿論置いても置かなくとも結構ですが、そういう規定が好ましいし、私もそれを主張したいと考えます。尚それに関連しまして(二)ですが、地方選出議員の場合の選挙事務所はこれによりますと、具体的にどういう数になりますか。
  6. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) この二つの問題につきましては、衆議院選挙ごとに一箇所ということでありまして、東京に例えば選挙区が六区あるとすれば、東京都には六箇所事務所を持ち得るというような趣旨であります。
  7. 北條秀一

    北條秀一君 この点につきましても、前に都市單位とした事務所を置けという主張があつたと私は考えるであります。特に木内委員からそういう意見が出たと思うのですが、その都市一つ單位として事務所を置くということを廃めて、衆議院選挙ごと一つ事務所を置くという積極的な理由菊井君に説明して貰いたいと思う。
  8. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) この点につきまして、はつきりした確信は持つておらないのでありますが、現在都道府縣知事の選挙の場合におきまして、その事務所設置し得る数につきましては別に政令で出ておるのでありますが、その数も大体これと全然同じではありませんけれども、数につきましては大差ないというように考えられましたし、衆議院選挙区というものが現在中選挙区を採つておりまして、その中選挙区を一つ都道府縣に包括した場合には、同じ数くらいに考えていいのではないかというような二つの面から考えたのでありまして、別に合理的な、科学的な基礎を持つというものではないわけであります。
  9. 北條秀一

    北條秀一君 菊井君の言葉尻を取るわけではありませんが、先程菊井君は、この案で御了承願えれば結構だということを言いましたから、案を案として私は一應理解したのですけれども、これに賛成という意味が入つておりますから、私は今まで質問と意見を申上げたのです。従つて(一)と(二)については、私は先程私の主張通りであつて、私としてはこれには賛成しないということをはつきりして置きたいのです。
  10. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 只今御了承願いますと申上げましたのは、この案をここに書いたという経緯がそういう事情でこのまま出したという趣旨でありまして、内容についての問題ではないつもりで申上げたので、若しその点さように聞こえましたならば、訂正たいして置きます。
  11. 城義臣

    城義臣君 私共の方は先日党の方へ諮りまして、大体この程度でいいだろうというような了解に到達いたしております。原案賛成いたしたいと思います。
  12. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 私も大体この案として出されておりまするものに、常識的な判断に基きまして妥当じやないかと考えておるので、いろいろ北條君から話がありましたが、事務所を非常に沢山拵えれば、やはり選挙費等関連性もあるだろうと思いますし、尚先般の我々が立候補しましたときの選挙の例からいたしましても、ポスター代り事務所看板をぶら下げるというようなことで、相当弊害が暴露されたのでありますが、ああいうことはこの際矯正するようにしなければならんと思うのです。尚北條君の説によりますと、府縣別であるとか、或いは都市別であるというような行政区域單位事務所を作ることに考慮中心を置かれておるようでありますが、それも全然合理性がないことではありませんけれども、然し選挙においては、むしろそうした行政区域單位にするということよりも、人口をこうした考慮の基準に置くべきものであると考えるのでありまして、例えば東京都のごと人口が六百万、七百万あるというような所もあれば、或いは鳥取縣のような、東京都に比べれば人口が十分の一程度府縣もあるのでありますから、人口をやはり目標にしてこういうところの決定をすべきじやないかと考えるのであります。かれこれいろいろ考えまして、結論を重ねて申上げまするというと、大体この案でよいのじやないか、このように考えております。
  13. 北條秀一

    北條秀一君 只今吉川委員の言われました第一回の全國選出議員の際における事務所の問題がありますけれども、それは現行法が非常にその点がルーズになつておることであつて、その点を改める上においては私は何ら反対するものではありませんけれども、今度の場合は四十六戸ということに限定しようという意見なんです。第一回のごときルーズなことは絶対にあり得ないと考えますので、その点は吉川委員も認識を改めて頂きたい。こう考えております。
  14. 木内四郎

    木内四郎君 前回の選挙経驗から見ますというと、この事務所の数を全然無制限に置くということは私は適当でないと思います。全國選出の方におかれても非常に沢山事務所でないところに事務所という看板をかけられた方があるように私は見受けておりますし、又都道府縣選出の方においても非常に事務所を沢山設けたという人もあるように思います。それは或いは事務所として使われたかもしれないが、事務所として使われないで、こんな看板をかけるということで事務所ということを使われた方もあつたかもしれません。そういうこともありますので、適当の数に制限するということは私どうしても必要であると思う。然らばこの案に示されたようにして置くのがよいかどうかという問題ですが、全國についてはいろいろ御意見がありますし、これをあと廻しにしましても、都道府縣議員についてこれを衆議院選挙ごとに一ケ所、例えば私の区で言いますというと、四区ありますから四ケ所、長野縣内に四ケ所ということになります。これも一つの案であると思うのでありますけれども、実際に選挙運動を展開するということになれば、各方面の連絡その他やるという場合に到底私はこれでは実行できないと思います。少なくも郡に一つぐらいのものがなければできない。然らばこれを四箇制限された場合に各縣一ケ所に制限された場合に各縣一ケ所に制限された場合どうするかといえば滯るより仕方がない。潜つて看板はかけて、実際の事務所として使つて選挙運動をやるということにならざるを得ない。若しそういうことをして差支えないということであれば私はこれでもよいと思うが、然らざればこれでは実情に副い得ないと思う。この方法を潜ることを認めざるを得ないような結果になりはしないかということを虞れる。そういう意味で私は直ちにこれには賛成いたしかねます。
  15. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 菊井君にお尋ねいたしますが、私ちよつと失念しておりますが、この間行われた衆議院議員選挙においては事務所は何ケ所になつておりますか。
  16. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 衆議院選挙法によりますれば、選挙事務所原則として一ケ所でありまして、例外として五ケ所まで設けられるにつきましては、全國選挙管理委員会地区でそれを定めるということに実際はなつておるのでありまして、その全國選挙管理委員会規則で定めておるところを見ますと、最高限は大体三ケ所でありまして、その外は大体二ケ所ということになつております。それで長崎縣の第二区が三ケ所、新潟縣の第一区が三ケ所、北海道の第五区が三ケ所ということでありまして、その外は大体二ケ所ぐらいになつております。併し原則によつて一ケ所というところが非常に多いというのが今の実情であると思われます。
  17. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 私も今菊井君が答弁せられましたように、この間の春の衆議院選挙においては、選挙事務所原則として大体一ケ所であつたと記憶しておつたのでありますが、念のためにお尋ねしたのですが、それがやはり同じ精神が、同じ趣旨が適用されるべきものであるといたしますれば、やはりこの原案で大体よいということになつて来るのだと思いますが、やはり原案でよいのじやないですか。
  18. 木内四郎

    木内四郎君 この吉川委員からの御意思も一應尤ものように聞える点もありますが、衆議院選挙区は割合に狭い。そこの中心なら中心事務所を一ケ所置けば割合に全選挙区に号令をかけることができやすい。それが地域が四倍になれば四箇でいいかというと、そうは行かないと思う。衆議院のところは狭いから平素から地盤の養成というようなこともしておるかも知れないが、比較的狭いところに一つ中心を擁して投票をさせる。そうし集りやすいのですから、比較的隅々まで行きやすい。ところがそれが全縣ということになつて四区ということになれば、例えば長野縣のようなああいう所になると、中心に一箇所では勿論できん。四ケ所でも到底私は足らんと思う。それを、一所に全部集めて衆議院のように比較的狭い地域選挙運動を展開する場合、その地域が四倍になつた場合には、四箇所あればいいというわけには行かん。数学的には行かないと思う。
  19. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 どうも木内君のおつしやることは私合理性が非常に薄いように思うのですが、その事務所には別に会社や商店における本店、支店のような階段があるわけではないのでして、どうも今おつしやることに私は合理性が薄いと思われます。
  20. 城義臣

    城義臣君 実は私も当初の意見木内君と同意見で、各郡に少くとも一箇所の事務所設置して欲しいという私は意見を持つてつた。ところが先般来いろいろ皆さんの御意見の出ておるところから理想はそうでありますけれども、一体事務所としてはどういうふうな定義で、どう解釈するかという具体的な、その独特の場に入つて来ると、結局は非常に困難になつて来る。そこで各郡当りに若しあつたということになれば、とても厖大な経費が要るし、又実際の候補者選挙戰を通じて見るというと、ちよつと短期間で各地、全縣下を廻るというようなことになれば、各郡に置いて見たところで、その間に十二分に各郡支部活動を十二分にやるというようなことは不可能ではないかと、いろいろ議論があつて、結局最後にその経費の点でやつぱりそういうふうに行き難いというようなことで、大体こういうふうな数字にそのときは落着いて来たようなふうに私は解釈しておつたのであります。そこで理想とすれば少し多い方がよいかも知れないが、公平にむしろ地方においても、衆議院の例に倣つてやるというようなことになればいいじやないかというわけで、そういう意味でまあ賛成しております。
  21. 小串清一

    小串清一君 この問題は私、前の審議会のときに、どうもやつぱり原案と同じことですが、これによると、多少殖やさなければならんということがあるかも知れないと、併し経費関係もあるからということを私発言してありますが、先頃私共のところでいろいろ相談した結果によりますと、この案くらいが丁度いいだろうという説が多いのです。それというのは費用軽減という点からいつて、なかなか事務所を……、北條さんのおつしやることも御尤もだが、日本に四十六箇所もあつて、この一箇所一万円からの事務費使つても四十六万円要るわけですね。それ程の必要があるかどうか、如何に全國単位の人も、これは事務所がなくても手紙によつて賛成する人もあるし、或いは演説はできるのですから、演説によつて賛成する人もある。何も事務所を沢山置かなくてもいいではないか。又縣單位の場合ならば、全く木内さんのおつしやるような、長野のような大きい縣では随分不便がありましようけれども、併し今言う通り大体衆議院は一ケ所あれば連絡はそれでつくと思うんですね。それでまあいろいろ議論した結果、要するに費用の問題だが、事務所一つ置くということは相当の経費の要ることで、お互に経費は成るべく少くしよう、従つて選挙運動というものも文書運動とか或いは演説、言論等いろいろな運動方法もありますが、併し事務所を殖やすということは、さつきお話のように看板をかけるのもそれが一つ選挙運動ポスター代りにやるというようなことになるのだから、成るべく余計拵えない方がよかろう、現行法がよかろうということで私共はそうなつたのですが、どうですか、その辺で譲歩して下さい。
  22. 木内四郎

    木内四郎君 私は勿論多数の方がこうだと言われればそれに随いますが、事務所を開いたから皆同じように経費がかかるというものじやない。割合経費のかかる事務所もあるし、かからない事務所もある。仮に四ケ所なら四ケ所ということにすれば、例えば或る縣においては事務所という看板は掲げないが、或る知人の宅の本拠にして、そこで連絡中心にしてやる、それを事務所と言わなければ差支えありません。それならば私は直ちにこれに同意を表します。併し四ケ所に限られた場合に、連絡か何かのときにそういうところに、看板は掲げないが、知人の宅を中心にしてそういうことをやる、それが事務所でないと言われればいいが、実際運動を展開するに当つては何らかそういうものがなければ運動としては展開できん、文書の頒布だけならいいが……。
  23. 小串清一

    小串清一君 今のお話は実際問題ですけれども、例えばあそこの停車場が工合がいいから、あそこで連絡しようといつた場合に、看板を掲げなければ許さない、或いは私なら私の子供が隣りの村に家がある。若しこつちに用があつたらそこへ電話を掛けて下さい、電話を掛けたから事務所だ、そんな窮屈なものじやないと思う。運動員集つて運動計画をいろいろやるとか何とかという、その程度のものはそう沢山要らない。併しただ運動員が会うとか、或いは運動を今度やろうと思うからお前の方でやつて呉れないか、そうするとその相談をしたから事務所だと、そういうような窮屈なものではないと思う。事務所デフィニションですが、つまり事務所というのは選挙計画とか活動とかということについて仲間の者といろいろと打合せするとか、手紙を書くとかということで事務所運動員を置いてやるところだという解釈になるのであつて、單に今行つた停車場待合室連絡するというようなことでも事務所になるというのではありません。さつき戸別訪問のような議論で、私は事務所というのは看板を立てて多少選挙事務所をやる所、これは事務所だと言うのです。併しそういう運動をする人が親戚知人の宅で今度行こうかとか何とか簡單な打合せをした、これを事務所だ、そういうような窮屈な考え方は持つておりません。
  24. 木内四郎

    木内四郎君 小出委員のお説も御尤もな点があるのです。停車場待合室相談をした場合、事務所看板を掛けるというようなことは、これは勿論誰も考える必要はないと思うのです。然らば知人の宅、或いは自分親戚の宅を中心として、そこで或る種の連絡をとつた運動をする場合には、程度の差である、事務所までは行かないが或る程度つても差支えない、それは各候補者の自由であるということであれば敢えて反対しません。
  25. 城義臣

    城義臣君 私もそれは木内さんと同じ程度意味に解して賛成です。
  26. 木内四郎

    木内四郎君 そこに私は物事をはつきりしておかないと非常に明朗な選挙法という我々の決める規則にどうも遺憾な点があるのじやないかと思うのです。併しそれが選挙人にいろいろな段階があつて看板がないから事務所でないということであれば、私は事務所でなくていいと思うのであります。
  27. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 この原案ですが、地方選出について少くともこの原案は不合理であると思う。それは選挙ごとに一ケ所としてあるのですが、そうすると衆議院のときには全縣一区の滋賀縣とかそれから島根縣高知縣佐賀縣、これなんかは衆議院のときには二ケ所作られている、そうして参議院地方区のときには一ケ所しか作れない、これは私は非常におかしいと思う。その点においてこの原案賛成できません。少くともそれは変えて貰わなければいかん。それから小串君が屡々御自身のお考えを述べられましたが、緑風会の方で選挙事務所言つておりますのは、そう大がかりなことばかりやるのを事務所とは考えておりません。縣縣へポスターを送りまして、又葉書を送りまして、そこで自分の友人の所とか或いは兄貴のところとか、妹とか、叔父とか、そういう所から葉書を送つて貰い、適当なる縣内のところにポスターを貼る手配をして貰う、地元で應援演説もやつて貰うようにする、そういう計画を立てる所が全國区については縣々に必要なんであります。それは事務所と言わなくていいじやないかということは御議論でありますけれども、我々はそれは選挙事務所でなければならんと思います。そういう立場に立ちますと、どうしても縣に一つは私は必要だと思う。それで北條君から主張されましたような説が出て来る。そういうものを設けたからと言つて、莫大な金がかかるということはないのでありまして、無論莫大な金のかかるところもありますが、二千円か三千円しかかからないところもある。そんなに金がかかつた選挙費を超過しますから……選挙費用というのは自分の経済において十分考慮して、そうしてそれ程とれないと思われる縣においてはその事務所には金をそうかけないものです。そういうふうに考えております。
  28. 小串清一

    小串清一君 只今言われた岡本さんの第一点の方は岡本さんの錯覚です。ここには「地方選出については衆議院議員選挙の場合における選挙区毎に一箇所としてその数を合した総数同一数とする」ということが書いてありますから、従つて衆議院のときに二ケ所あるのは同数でよいと私は解しておつたが、衆議院は二ケ所でこつちは一ケ所だと……そうは私は考えていないが、若しそうだとすれば、それは衆議院と同じように書くのがよいと思う。これは議論の余地はないと思う。それから事務所を設けて、私の考え手紙を書く、例えば五万でも十万でも方々で書く、それを事務所として届けるということならば、これは明かに一つポスター代り看板を大袈裟に出そうという考えの人が多いと思わなければならん。それでこないだの全國の参議院議員選挙のときでも、私の縣なんかも、尤もこれは実情を述べるのですが、各縣の方が出されたけれども、看板を出されたことは殆んどないのです。例えば松嶋君のごとき全國区の人でも出していない。北海道は廣い区域でそれだけで事務所を出すとすれば、看板ポスター代りとなります。今言つた松嶋君以外の人達で我々のところに手紙を寄こされてもそうであります。又誰かに頼んで君出して呉れと言つて一ケ所へ送つて下さつた方もある。そういう手紙は抛り込んだところもある。尤もあのときは勝手に手紙を出せたからですが……。で事務所程度の点ですが、苟くも事務所と言う以上は選挙名簿を備え、選挙事務員を置いて事務を扱う所なのであつて、單に手紙を出すことだけをやつてもそこを事務所だと、又候補者がそこに寄つて相談する、そこも選挙事務をやつたのだから事務所にしなければならんというような、そういう窮屈なものではないと思う。この点は程度の問題ですが、私はそれまでにしなくてもよかろう。そうなつて来ると、みんな事務所ということで弊害を起す、経費も余計要る。この事務所デフィニションをどうするかという程度の問題ですが、私の考えではいわゆる事務所というものはこれは常識で判断して、葉書を序でに出して呉れというのも、これを選挙事務を行うのだと、こんなおかしな理屈は私はないのじやないか、事務所と言えばいわゆる選挙事務をとる場合を言うので、そう無制限に沢山作るということになつて来ると、本当は自由だから作りたい者は百ケ所でも作れ、作りたくない者は作らなくてもよいというふうに選挙を公開的にやればよいが、苟くも制限を設けるというなら、凡そその程度のものです。これは十五ケ所以上は絶対にいけないとは言わんけれども、各縣ごとにやらせるとか、或いは地区別の人は、縣内郡ごとにやるとか、町村ごとにやるとかということになれば事務所というのは制限を置くことはできんことになりますから、これは一つ皆さんのお考えはどうか知りませんが、私は事務所ということは、いわゆる実のないものは事務所じやない、こう信じております。
  29. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) お諮りいたします。この際事務所ということについて選挙管理委員会はどういうふうに見ておるか、説明を承わつて、これを留保いたしまして、今日承つておいて次に煤みたいと思います。
  30. 木内四郎

    木内四郎君 選挙管理委員会説明を伺うことはいいけれども、留保される前にまだ意見があつた一つ……。
  31. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 選挙事務をやる所が選挙事務所である。大掛りでやる所でなければ選挙事務所と言えないというようなことは、そんなことを法廷をする必要は毫もないと私は思う。一体今度の選挙は成るべく制限しないでやろうじやないかという趣旨に立つておる。選挙事務所を設ければ金がかかるというけれども、金をかける人は金をかけるでしようけれども、金をかけないで我々やるつもりなんです。而も全国区でどういう人が立つておるか分らん。だから全國区は廃してしまえという声が各府縣にあるのです。選挙事務所が各府縣一つずつありまして、全國の人がやはり多少でも、ああいう人が立つておる、こういう人が立つておるということは分るのです。縣に一つずつ事務所を設けることぐらいで何で反対しなければならないか。この前の選挙のときに、一つの町に二十も三十も選挙事務所ができたから問題が起つたのだ。縣に一つ事務所を作ることについてこれをいけないという必要がなぜあるかということを私は考えて頂きたい。
  32. 木内四郎

    木内四郎君 私もこの数の問題をどうというのじやないけれども、全國選出の方が全國的に運動されるというときに、常識として各縣に一つずつ事務所があつてもいいじやないかという氣持がしておるのですが、まだ結論には当節していませんけれども如何ですか。
  33. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 私は皆さん意見はまだ今来たばかりで聞いていないのですが、全國選出という制度を考える場合に、やはり全國が選挙区になるということが常識的に考えられる。そうすると大体全國に運動をして選出するものであるから、私は各府縣に最小限一つあることが、全國選出という性質から見て当然だと私は考えます。むしろ或る縣に主力を注ぐ場合は、もつと多くてもいいというくらいにまで考えておるのです。併しながら最小限三府四十三縣ですか、その数の程度のものはやはり全國選出という立場から見れば、これは当然制限する理由はないのです。そこで或る縣に主力を注ぐという場合には、三府四十三縣に一ケ所程度事務所というと、他の縣に一つも置かないということもあり得るわけなんで、最小限やはり各縣に一つ程度の数を置いて、そうしてその数の程度のものをどこの縣に多く置いて、どこの縣をなくするということは自由にするということは、全國選出という性質から当然だと思います。
  34. 小串清一

    小串清一君 今の鈴木さんの御議論によれば、事務所は無制限でいいじやないかということになる。と申すのは、全國に候補者が四百人ありますか、五百人ありますか、鳥取縣のような所でも皆一人が一つずつおやりになると五百ケ所の事務所ができます。さように濫立してやるということを許すという建前から行けば、それは私もいいと思いますけれども、選挙に適当の制限を附して無駄な費用を使わせない。全國の候補者の人が全國で見あ運動をやるということは恐らく稀であろうと思います。大抵はやはり重点的に五縣か十縣を選んで、而も金は幾ら使つてもいい、自分は一億円使つてもいいから、どこの縣にも事務所を作つて投票を取つてしまうという考え方の人があれば別ですけれども、選挙法を決めて或る程度制限を設けようということになつて来れば、どうだろうか。それは木内さんの長野縣のようなところは、よその縣よりも三倍も廣いところですから、そういうところは七ケ所も八ケ所も置かなければならんという議論は立つと思います。併しこれ以上議論しても仕方がありませんから、そういう無制限なことは考え直さなければいけないと思います。
  35. 佐々木鹿藏

    ○佐々木鹿藏君 (一)の問題ですけれども、「全國選出については十五箇所」とあるが、今、鈴木さんの御意見では、各縣に一ケ所はいいのじやないか、こういうことなんで、全く全國議員としてやる場合、誰が立つているか分らんというようなことも考えられるのでありますけれども、各縣に一つと限定された場合には、一つしか各縣に置けない、こういうにようになるのですか、その点が十分に分らないのですが、それをまあ選挙をやる実際の場合に、東京に主力を置くという場合には、十五ですか、或いは殖やすということもよかろうが、そういう場合に実際に東京には七ケ所も八ケ所も置いて、あとの七ケ所は地方へ置いて選挙をやるということが、最も有効である、こう思うのですが、各縣に一つ、こういうように限定をせられた場合には、東京に根拠を置いた場合、この廣い東京に一ケ所しか事務所がない。こういうことになると、大変候補者のために不利になる、こう思うのですが、各縣ごとにという意味が……。私は十五ケ所に限定をするがいいかどうかということについては、別に意見を持つておりますが、各縣ごと一つということの規則を決めると選挙は……。
  36. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 先程申上げましたのは数を申上げたのであります。要するに各縣に一つ事務所を置こうという人は、やはり各縣に一つずつ置くという立場の人もありまするから、その程度の数は必要である、最小限度必要である、併しながら人によつては三府四十三縣の数、その数を二、三縣に集中するということもよろしい、こういうことなんであります。各縣に一つ必ず置かなければならんということじやなくて、三府四十三縣にずつと運動している人も随分おります。この間の選挙から申しましても、ずつとやはり運動している人もある。そういうような人にも、三府四十三縣各縣に一つずつ置き得る程度の数は必要である。併しながら人によつては各縣には置かなくても、二、三の縣に十置きたいという人もあるから、そういう人々にはそれもよろしいということであつて、第二にある「総数同一数とする」、やはり三府四十三縣でありますか、各都道府縣の数と同一数とするという意味を私は申上げたのであります。
  37. 伊東隆治

    ○伊東隆治君 私もさつきの鈴木さんの話はそういうように承わつてつたのですが、大体各縣に一つずつというような含みで、四十六なら四十六というわけなんであります。その点はこの数としては少し多過ぎやしないか、折角十五となつているから、倍の三十ぐらいは必要じやないかと思います。それから各地方区における事務所の数は、地方選出議員事務所の数を超えてはならない、この点であります。そうしますと、これは非常に困る。さつきの鈴木さんの話では、二、三の縣に集中して、例えば三十ケ所事務所を置くなら、三つの縣に十ケ所ずつ置くというようなことも可能のように言われるけれども、これによるとそういうことはできない。そういう制限はしない方がいいと思いますが、だから各縣に一つずつという含みもよろしいが、それくらいの数の各縣への振り当ては自由にするという意味規定をいたしたいと思います。
  38. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 始めに北條君が申した全國区については五十にするという、但し一部道府縣については地方区の場合の事務所の数より多く置いてはいけないと、こういうのが出ているのです。五十箇所にすると各縣に少くとも一つずつ置こうと、その外縣によつて地方区においては沢山置けるところができるだろうが、それは沢山置けるところは沢山の事務所を必要とする。全國の場合においてもそこで集中をしようと思う人はその数だけは置けることにしよう。こういうのです。そこで五十という都道府縣の数よりも多い数を基準にして拵えた。こういうふうに考えております。
  39. 小串清一

    小串清一君 ちよつとお尋ねしますが、今の鈴木さんやあなたの話ですと、そうすると、縣で仮に私が候補したときには、候補者の数、代議士の数以上に事務所を置くことはできない。全國で四十六箇所が認められているが、神奈川縣は非常に有利だから、全國候補者事務所を神奈川縣で運動するときに十箇所の事務所を置くことができる。    〔「ノウノウ」と呼ぶ者あり〕
  40. 小串清一

    小串清一君 だから一縣一箇所のおかしなものができるのではないか。
  41. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 有利じやない。僕はそういつた意見です。
  42. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 だから訂正したんです。
  43. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 北條君の案は最小限度その程度……。
  44. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 間違いであるから訂正すると言つた……。
  45. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) この問題は留保したいと思います。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  46. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 事務所とは何ぞやということについて選挙管理委員会との見解を一つ説明願いたいと思います。
  47. 吉岡惠一

    説明員(吉岡惠一君) 選挙事務所がどういうものであるかというお話でありますが、これは抽象的に口で申上げますれば、やはり選挙運動に関する事務を行う所とこう申上げるより仕方ないと思います。具体的の問題になりますと、いろいろ問題があろうと思いますが、例えばビラを貼る用意をする所まで言うか。或いは選挙運動をやる人が集つて計画を樹てるような所でなければいけないとか、いろいろ問題があろうと思います。従つて先程木内委員お話の或る程度選挙運動事務を行う所であつても、認めるなら数は少くてもよいというお話がありました。これは非常にデリケートな問題でありまして、具体的の場合についてやはり数の制限の仕方によつて、或る程度の事実認定の際はあろうかと思いますが、抽象的に申上げよりこの際仕方がないと思います。
  48. 木内四郎

    木内四郎君 ちよつとお伺いいたしたいのですが、そうすると、例えば或る郡なら郡に知人がおる。そこで郡内のポスターを貼ることを、或いは郡内の葉書を出すとか、そういうようなことをやつてつたら、それはどういうことになるのです。
  49. 吉岡惠一

    説明員(吉岡惠一君) 單に知人の内でやつてつたという程度ではならないのじやないかと思います。
  50. 木内四郎

    木内四郎君 郡内へ人を雇つてポスターを貼る手配をします。自分だけで貼ることはできないので人を雇わな郡内に貼るわけに行かないというのが小串委員の意見なんです。演説会場のアレンジ、ポスターを貼る、葉書を出すことをやつてつてはどうです。
  51. 吉岡惠一

    説明員(吉岡惠一君) やつぱり選挙運動の或る期間、選挙運動の通信、連絡場所として使うような場所でないと……
  52. 木内四郎

    木内四郎君 私の言つたようなことから言えばそうなります。それからポスターを貼るにも自分では晴れませんから、勿論人を雇つて貼ります。それから葉書を出すのも自分では勿論できないからいちいち人を雇わないかん。演説会場のアレンジをやる場合に、そういうことをやるというようなことがあつたら、その程度ならば選挙事務所と言わないでいいですか。事実私はその認定を聞いているのです。それがいいと言われるならば私はさつきの点を取消します。数については小串委員に同意いたします。
  53. 吉岡惠一

    説明員(吉岡惠一君) 現在において或る程度事務所言つていない場合がありはしないかと思いますね。
  54. 木内四郎

    木内四郎君 それでいいか悪いかという、選挙管理委員会としては……。
  55. 吉岡惠一

    説明員(吉岡惠一君) やはり数の問題も考えて或る程度のやはり解釈の融通性は持たせなくちやならんと思います。
  56. 木内四郎

    木内四郎君 数を制限された場合、各選挙区に一つ制限せざるを得ないことになるのですね。認容せざるを得ないという結論になるわけですね。そこで私の言わんとするところは、認容されるならば、私は各衆議院選挙ごとに一ケ所の事務所で異議ありません。
  57. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 私は選挙事務所はやはり或る程度までそういう実体というよりも、これは届出ますから、都道府縣選挙管理委員会がその候補者に対して連絡をする必要があります。手続上とか、いろいろの連絡をする必要があるのです。その場合に届出たその選挙事務所連絡するという必要があるわけです。従つて主として選挙運動をする事務所というよりも選挙管理委員会とか、或いは取締の警察とかいうような方面と連絡をして、そうして運動方法とか、いろいろ選挙管理委員会において必要とする場合、選挙公営とかいうような場合、或いは投票立会人というものを昨日の市によりますと、全部届出主義によりますから、そうすると少くとも全國選出候補者に対してはやはり届出を促さなければならないというような事務が起つて来、いろいろ起つて来ると思う。そういう場合に自分はここに選挙事務所を置いてあるんだという、そういうふうな意味に主として選挙事務所を取りたい。そうして今木内さんの言うような郡においてどうするというような場合には私は選挙事務所でないと、こういうふうな解釈を取るべきだと思う。そういうふうな意味においては全國選出は各府縣に少くとも一つのものがありませんと、管理委員会が例えば遠い外の縣まで届出をしろというような、お前の方も届出を書けというようなことになるかも知れない。又選出の届出がなかつたならば、やはり選挙管理委員会が職権によつて投票立会人を選ばなければならないというようなことになりますし、そういうふうな意味において私は選挙事務所というものを考える故に、各府縣に少くとも全國選出においては一つ事務所を置く必要があると、こういうふうに私は考えるのであります。
  58. 小串清一

    小串清一君 今鈴木さんのお話さつき木内さんが挙げられたようなものは、そこで計画的にポスターを刷つたり、いろいろなことをやつて事務員を置いてやれば事務所ですけれども、ただポスターをそこへ持つて言つて皆に頼んで貼らせるというのは、それは事務所ではないと思います。それから今のその縣の選挙管理委員会との連絡というものは別に事務所というものを置かなくてもできる。そういう例は、この間の選挙で私の縣なんかでも殆んど全國の投票が入つていますが、それだから事務所を置いた人というのは、私の知る限りにおいては殆んどないです。それでやはり別に困らずにできているのですから、又それをかたつぱしから事務所看板をかけるということになると競争になつちやうのです。やらなければ損だから、つまり街角とか人のよく集まる所へ大きな看板をおつ立てかけてやれば確かに有利には有利ですけれども、実際選挙事務所なんかみんなやつた日には大変なことです。全國四十六ケ所もそういうものを拵えて、それはまあ大金持はそれでいいけれども、実際問題としては困る。併し金のある人はきつとやります。だから却つて悪用される虞れがある、この選挙事務所の十五ケ所なんか、さつき伊東さんがもう少し殖やしたらどうかという、これは私は十五以外は絶対にいけないというのじやないけれども、好くろくとも四十だの五十だのという非常識なことは別として、まあ事務所制限なんか撤廃しちやつて勝手にやつた方がいいんじやないか、私は飽くまでもそういう考えを持つております。
  59. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 第一は留保いたしまして、議事を進めます。第二。    〔菊井法制局参事朗読〕   第二 休憩所その他これに類似する設備は選挙運動のためにこれを設けることができない旨の規定をおくこと。
  60. 城義臣

    城義臣君 この規定通りで結構だと思います。その制限を置くことが必要だと思います。
  61. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 ここに書かれている原案賛成いたします。
  62. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 御異議ございませねば進めます。第三。    〔菊井法制局参事朗読〕   第三 選挙事務所の閉鎖を命ずる規定をおくこと。   選挙事務所設置規定に違反して、選挙事務所設置したと認めたときは、全國選挙管理委員会又は都道府縣選挙管理委員会は直ちにその選挙事務所の閉鎖を命ずることができる。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  63. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 別に御異議ございませねば原案賛成といたしまして、第四。    〔菊井法制局参事朗読〕   事前運動は現行通り禁止すること。
  64. 城義臣

    城義臣君 賛成です。
  65. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 賛成です。
  66. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 別に御異議ございませんから、原案通り、第五。    〔菊井法制局参事朗読〕   第五 戸別訪問現行法通り禁止すること。但し知人を訪問することは戸々面接として自由とすること。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  67. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 「知人を訪問することは」とありますが、「知人」の上へ「候補者が」という言葉を加えて、そういう意味であるかと思いますが、更に明確にしたいと思います。
  68. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) その趣旨であります。
  69. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 それなら、賛成であります。
  70. 城義臣

    城義臣君 私もその案に賛成です。
  71. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 私はこの戸別訪問現行法通りということになつていますが、現行法による戸別訪問というものの解釈はどうも我々常識から見ておかしいと思う解釈も行われておるように私は考えるのです。戸別訪問というものの具体的なものについてもう少し検討をして置く必要があると、こう考えております。
  72. 吉岡惠一

    説明員(吉岡惠一君) 原案に御賛成のようでありますが、私の方の選挙管理委員会として申上げますが、知人を訪問する知人の範囲が非常に不明確で、恐らくこれは取締りが殆んどできないのではないかという感がいたしますから御参考までに。
  73. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 この戸別訪問の但書ですが、これは鈴木君が提言しましたように、もう少しはつきりした方がいいのじやないか、もう少し研究したらどうですか。そうしなければ選挙管理委員会の方からお話が出たようなことになつて、折角ここで委員会を開いておるのですから、そういうことになるのが明らかなら、そういうことにならんように研究しなければならん。そうでなければ無責任だと思います。
  74. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 私はこの法律の解釈、選挙法の解釈というものを、國会がはつきりしない場合には、選挙管理委員会、或いは取締官憲において随時解釈を下す例になつて来ておる、このことは非常に私はいかんと思います。従つてできるだけこういう問題について事前運動も同じでありますが、事前運動とか戸別訪問というものの具体的のものについて、今はここで研究することは別としまして、後に戸別訪問はこうこうこういうものである、或いは個人面接はこうこうである、或いは事前運動はどういう場合であるということを國会においてはつきりさして置くということが必要であるというふうに考えておりますので、私は現在解釈をはつきりしようということを言うのではありませんが、この法案を審議して終了するまでの間においては、選挙管理委員会においても、迷いないように、又選挙運動或いは選挙民、或いは取締官憲というようなものが疑義がないようなふうに、親切に研究して置くということは必要だと私は考えております。
  75. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) それではこれは留保いたします。第五。
  76. 伊東隆治

    ○伊東隆治君 私提案者に質問いたしますが、知人を訪問することは戸々の面接として自由にするということはやはり條文の中に書込もうという趣旨なんですか。但し戸別訪問を禁止するということは現行法通りで、戸口面接は自由であるという提案者の趣旨を……
  77. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 只今の御質問にお答えいたしますが、大体禁止するということでありますれば、本来のそこに規定が必要になつて参ります。自由でありますれば、放任されることになりますので、規定する必要がないと思います。併しながら戸別訪問の定義と戸々面接の限界というものは非常に現在はつきりいたしておりませんので、仮にこの但書の事項が許されるということになりますれば、説明的にでも何らかの形で條文に残す必要があるのではないか、こう一應考えておるわけであります。細かな点につきましてどういう表現を用いるかという点についてまだ考えておりませんが、ここにございます知人という点につきましては、先程選挙管理委員会の方から御意見がありましたように、何が知人であるかという点につきましては、実際問題として困難な問題が多少生ずるのではないかというように一應考えられはする問題だと思うのであります。この知人に代えて親籍というようなものにすれば非常にはつきりいたします。知人となりますと、街頭で一回会つただけでも知人かどうか。それ以上の親交を結ぶ必要があるかどうかというような点になりますと、はつきりいたして来ない面が出て来て、この但書の場合になるのか、戸別訪問の場合になるか、具体的には可なり判断がむずかしくなる虞れは生ずるであろうということは一應考えております。
  78. 伊東隆治

    ○伊東隆治君 多分この條文は関係方面から大体自由な立場でやつたらどうかという概括的な氣持を表明されたこともあるので、この但書以下の戸々面接もよろしいというような規定までも規定する氣持になつたと思いますが、事前運動と言い、戸別訪問と言い、一概に禁止しておいて、それに但書みたいなものを附けるのは却つて有害に思いますから、とにかく禁止規定一本で行くというふうにした方がいいのじやないかと、私はこう思つています。
  79. 小串清一

    小串清一君 この問題は、私が曾て討議のときに意見を述べていますが、私の説いているのは、戸別訪問というのは、たとえ親戚知己でも戸毎に選挙運動のために頼んで歩くというのは戸別訪問だ、併し親戚に会つて話をするのも戸別訪問だということになれば、親戚づき合いも止さなければならんし、偶然出会つて、立つているんだから頼むと言うようなことは計画的に歩くのでないですからそれも戸々面接だ。戸別訪問というのは、先頃の選挙では試驗済で、警察の方でも選挙取締の法でもよく知つてつて、端から戸別に歩くということは候補者でなくても外の運動員でもそういうことをすればこれは戸別訪問として法律に反するけれども、電話で話をした序でにやるとか、道で会つたときに話すとか、いろいろな、つまりその目的でなくして、ただ会つた人に頼むとかいろいろ選挙話をするとかいうのは、いわゆる戸々面接である、かように解しているのですがね。その点試驗済だと思つている。先程こういうことを私この席でも申しておりますが、私はそういうように戸別訪問はとにかく計画的に歩くとか、自轉車とかで片端から訪ねて頼んで歩けば戸別訪問、併し偶然会つたりしてそういうことを言つたのはそれは戸別訪問じやないと、こういうふうに解しているのです。
  80. 木内四郎

    木内四郎君 この書き方が部分的に言つて重複しているからこういう問題が起こるのじやないか、「戸別訪問現行法通り禁止する。但し知人を訪問することは戸々面接として自由とすること。」知人を訪問することという戸別訪問に入ることまで戸々面接の方に重ねているから問題になるので、但し戸々面接は自由とすることと書いて置けば問題にならないのじやないでしようか。知人を訪問するのにも戸毎にこうやつて行くということであれば皆な我我知人である、戸毎に訪問して行くということは戸別訪問になるが、知人を訪問するというのは取つてしまつて戸戸面接を自由にする、戸別訪問と戸々面接と別に定義を明らかにすればいいのじやないか。それをここでは「知人を訪問することは戸々面接として自由とすること。」ということになると変になる。
  81. 小串清一

    小串清一君 私は木内さんのお説に賛成です。若しこの文章を書くなら、候補者が偶然知人を訪問するというふうに偶然とか何とか書けばいいだろう。戸々面接だというとこれは誤解と誤りを起す。木内さんのおつしやる通りです。だから戸々面接はよろしい、戸別訪問はいけないということで、戸戸面接と戸別訪問は誰でも分つている。それをごま化そうとして変なことをやるので、これは戸別訪問だ、戸々面接だということは実際問題としてははつきりしている。
  82. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 禁止せられる戸別訪問というのはどういうことかということが問題である。そこで従来そういう点が非常に不明確である。禁止する戸別訪問はどうだということを書かなければいけない。それは文章は練つて貰うことにして選挙に関し候補者又はその運動員が知らないところまで軒並に訪問するのはいけないということを書けば……。
  83. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 第五。戸別訪問の実際の定義と戸々面接の定義をさつき鈴木君が言われましたように、國会で明らかにしていないものであるならば、取締り関係或いは警察とか裁判所とかいうようなものが勝手に解釈するようなことをいたしますと、國会の最高権威を傷付けられるような思いがいたしますので、これは留保にいたしまして、この定義をはつきりと國会で練つて決めたいと起が、如何でしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 小串清一

    小串清一君 そうすると人間行爲のすべてのものを網羅して一つ一つ決めなければならないのだろうと思いますので、余程聰明な人でないと、人間というものはいろいろなことで動くから綺麗に法律で決めるということはできないと思います。
  85. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 第六。    〔菊井法制局参事朗読〕  「選挙期日後の運動行爲は禁止すること。    何人も選挙の期日後においては、当選又は落選に関し選挙人に挨拶する目的で、左の各号に掲げる行爲をすることができない。  一、選挙人に対して戸別訪問をすること。  二、自筆の信書及び当選又は落選に関する祝辞、見舞等の答礼のためによる信書を除く外文書図面を頒布し又は掲示すること。  三、新聞紙又は雑誌を利用すること。  四、当選祝賀会その他の集会を開催すること。  五、自動車を連ね又は隊伍を組んで往来する等氣勢を張る行爲をすること。  六、当選に関する答礼のため当選人の使命又は政党その他の團体の名称を連呼すること」
  86. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 この第六の原案を拜見し、今説明を伺つて前に遡るわけじやないのですが、第四、第五についてもどうもこれはこの前の委員会のときに申上げたことと同じことを痛感せざるを得ないのですが、この選挙方のやはり最も基本的な点は、我々がすでに原則でも決定しましたように、要するに第一は選挙民の政治的意義がこれによつて引上げられて行くか、引下げられて行くかということと、第二にはそういう規定を置くことによつて選挙民の自由な意思の発表というものが官僚式的に制限される虞がありはしないかということと、第二の点が事実問題として私は非常に原則的に重要じやないかと思うのです。事前運動なり戸別運動なり選挙期日後の同列な選挙運動というものは法によつて禁止されるとは思わない。又現に著々と行われているし、僕らの尊敬する同僚諸君の間でもすでに行われている人がある。それを法を設けることに一体それを禁止するつもりならばいいのですけれども、事実禁止できるものじやないのですね。むしろこういう規定を置くことによつて、そういう意味じやなくて行われている行爲が官僚式的に制限されて、親睦を現わしたり、或いは極く自然に現われた行爲が制限されるということになるのじやないか、又こういうふうな規定があることによつて、如何にも選挙というものが誰かに監督して貰わなければ國民が自分でもよくできないというようになつちやつて、割によく知つている人はその規定の網を潜つていろいろなことを行う、つまりこういう第四、第五、第六ですね、事前運動の禁止、個別訪問の禁止、選挙期日後の運動の禁止というような第四、第五、第六のような規定は日本の選挙法の中にこういうものを置かなければならないということは非常にみつともないことです。そして又これが何らの効果がない、且つ今申上げたように弊害がある、選挙民の政治意識を高める上に有害であるし、それから選挙民の自由な意思発表を阻害する憂があるし、且つ又そうはつきりした判断というものができないというような意味から、これはやはり私は先日来いろいろ皆さんの御意見を伺つて、非常な多面こういう禁止事項を置かないために起る弊害があるのですが、併しそういう弊害を法によつて除くことは選挙民の政治的意識が向上することによつて始めてそんな規定はなくてもなくなつて行くのじやないか、これは明瞭に法によつてそれを除くことができるようなものならば、法によつて規定されることも結構ですが、事実こういうことができないのじやないか、でさつきも橋本議員から、現在福島縣で現職の知事がまあ事前運動に類するような行爲を盛んに行なつているという御意見があつたのですが、若しそういうふうな余り行過ぎたものがあるとするならば、議員選挙法に関する委員会なり何なりが視察されて反省を求め、選挙民及びそういう行爲をしている方に向つて道徳的な反省を求めて、選挙民もそういうことをする人は正しい代表じやないということを認識する方向に國会が努力すべきであつて、一片の法律を以てこういうことを禁止するという意味を私はどうもいろいろ皆さんの貴重な御意見を伺つて反省することもあつたのですが、どうも非常にみつともない、殊に第六に至つては全く選挙民なり、選挙をする人なりを非常に束縛しているものであつて陋劣に扱つているものである、こういうような選挙法で我々は選挙をするに堪えないという感じがするのであります。
  87. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 羽仁君の御説は非常な非現実的というと失礼かもしれないが、やつぱり廣く國民の現段階における民主主義的な自由の程度を十分御認識になつていないような感が我々にはするのでありますが、端的に言うと、羽仁君の御説は一つの無政府主義的な意見でアナーキスト的な……悪い意味じやない、いい意味においてのアナーキズムの意見で、法律というものはいらんという議論と合致した議論だと思うのです。刑法が人を殺しても死刑にするというような規定も、これは非常に國民を侮辱したところの規定であるというふうにも考えられるのですが、羽仁君のような、いわゆる知識階級或いは文化人というようなものの投票によつて大体出ていられると思うのですが、そういう人は極めて現在の日本においては数が少いということを前提としてよく認識して頂く必要があると思うのでありまして、大多数の人というものが罰則がなければやはり現実にはよくないことをやる人が実際は殆んど大部分なんです。それから四、五、六というようなこういう規定というものが現実的にはやはり私は非常に大多数の現在の日本國民に働いていると思うのでありまして、やはり必要がある。その意味においては第六の規定ごときもやはり必要があるでありまして、こういうような無意味な又非常に費用のかかる弊害の多い行爲が行われるということはよくないことなのでありますから、やはり規定を置く必要がある。重ねて申上げますれば、羽仁君が言われることは、よい意味においての無政府主義者の意見であつて、現在の日本の現実には即應しない御意見である、このように考えるのであります。従つて原案には賛成であります。
  88. 小串清一

    小串清一君 私も原案賛成し、今吉川さんのおつしやる通りの考を持つております。
  89. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 吉川君は非常に誤解されておるのではないか、これによつて効果を挙げることのできることが確認される法律は非常によいと思う。ですから殺人の場合なんかははつきり別の殺人に関する定義は御研究になる必要はないと思う。事前運動なり戸別訪問なり、はつきり國会はこれから御研究になるような御様子であるし、そういうように國会は御研究になつても恐らくははつきりした解釈はできないと思う。それが殺人の場合とおのずから非常に違うと思う。それで我々ははつきりとその法を作ることによつて目的を達するなら別ですが、現に四、五、六なんかは現実に達しちやいないですよ。それで且つこれを誰が取締るかというと、どうもやはり警察なり何なりがそれを取締るということになりやすい。だからそういうものを警察が許しておるのだからよいのじやないかということになれば、警察は大体今までの古い勢力なんかに対しては問題はないのですが、大目に見るということがあるし、そういう意味では若しこれを國会が戸別訪問なんかの定義を御研究になることも結構ですが、こういう事実が眼前にある場合、現在福島縣ではそういうことが行われておるそうですが、それに議員を派遣して縣民をそれに対して啓蒙してやるというような責任ある行動をとられるならば、こういう法律を作つてあとは警察官なり選挙管理委員会で適当にやるというならば僞善的であつて……、これは悪い意味において僞善的なものじやないか。
  90. 小川久義

    ○小川久義君 原案賛成ですが、議事の進行を願います。
  91. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 第六は原案を多数と認めまして第七に移ります。    〔菊井法制局参事朗読〕   第七、選挙費用については現行法通りとし、額を実状に合わせること。
  92. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) この原案につきまして、全國選挙管理委員会事務局から一つ意見を承わることにいたします。
  93. 吉岡惠一

    説明員(吉岡惠一君) この問題ではないのですが、これに関連しまして、選挙執行の費用の問題を申上げます。
  94. 小串清一

    小串清一君 私がそれを注文したのは全國で実際どのくらい金が要るかということをあなた方の方で調べて貰いたい……
  95. 吉岡惠一

    説明員(吉岡惠一君) ただこの問題は公営の問題と関連して参りますから、公営がしつかり決まりませんとちよつと費用は……
  96. 小串清一

    小串清一君 いろいろの選挙に要する費用というものはあなた方の方で分る筈だ、実際にそれがないと制限額を決められない。
  97. 吉岡惠一

    説明員(吉岡惠一君) 公営その他で決まらないと個人の運動の範囲が決まらないから、大凡その見当はつきますか……
  98. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 今の点について私この前も申上げたが、東京都の選挙管理委員会の田窪貢君の意見の中にその公営をどの程度にやつた場合にはどのくらい、公営をやらないで自由訪問する場合にはどれくらいというような選挙費用に関する調査が東京都総務局行政課選挙係の資料にあるようであります。それについても選挙管理委員会でお調べ願つて頂きたい。
  99. 木内四郎

    木内四郎君 お手許に配つて頂いた資料は、今お話のように公営の費用の問題だから、これに関係なく第七を進められたら……
  100. 小串清一

    小串清一君 私は原案賛成します。額は更に一應協議したらどうでしよう。
  101. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 この選挙費用というのは現行法通りですから、最高額を決めるというような行き方ではなくて、今まで通り規定による選挙費用だ、こういう意味ですね。
  102. 小串清一

    小串清一君 実状に合わせるというのです。今までの規定によるけれども金額は実情に合わせるということ、こういう意味でしよう。
  103. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 大体皆さまのおつしやつておられたことに反対ではありませんが、実情に合わせるということについても、個々の個人についていろいろ解釈の基準が違うかとも思われるのであります。私先般来、この委員会において費用の問題について皆さんが御発言になつておるのを聞きますというと、誰一人として法廷の選挙費用額で以て選挙をやつておるという人はいないということが頻りに言われておるのであります。そういう観念が非常に拡まつておると思いますが、自分のことを申上げて甚だ失礼でありますが、私は今日までたびたび選挙をやりましたが、法定額を超過した選挙をやつたことは一度もありません。この間の選挙のときも私の届出は三万四百円であります、それ以外に届出を要しない費用がありますけれども、実情その通りしか私は使つておりません。又我々の会派の同僚が大体において私と同じようなやり方で、そのような基準の選挙費用において選挙をやつて来たと思われるのであります。我々の先輩であります安部磯雄氏が曾て衆議院議員に立候補せられたときに、その当時の衆議院議員の法定額は一万円以上だつたと思いますが、確か二千円の選挙費用でやるということを新聞に声明せられて、それだけの額を選挙事務所に交付し、立派にそれで選挙をやられて最高点で当選されましたが、我々は大体安部さんがやられたようなやり方を費用の問題については模範にして今日までやつて来ておるのでありますから、一般に言われておりますような法定額で選挙をやつておる人は一人もないということは、全く事実に符合しないものであるということだけを、この際申上げておきたいと思います。それで又どうしても費用が余計かかるということにつきましては、飽くまでも反対でありますから、この際一應申上げておきたいと思います。
  104. 小串清一

    小串清一君 それは選挙費用は今までそういつた方がある。尾崎さんなんかもそうでありますが、我々は今の吉川先生のような方でも法定費用よりかかつていると思う。それは外の人が好意上金を使つている。自分の負担はそうであつても、私なんか無論法定費用以外に出ましたけれども、外の友人達がやつて呉れておるのがあるから、本当はそういうのも計算しなければならない。自動車なんかも提供されたけれども、それは一日借賃幾らと計算して届ける。私も絶対に費用は余計には使つていなかつたと思つております。今日やるとポスターを五千枚刷つても大きな金で、それから自動車一台雇えば、トラック一台でも一万円の賃貸料をとられる。弁当も一食百五十円ぐらいはかかる。だからどういうふうに勘定しても今の法定費用でやり得るという人は実際にはないと私は信じておる。これは御参考ですが、はつきり聞いたのではありませんが、衆議院委員会ではまだ未決定なんですが、八十万円ということを大体この間決められたということをほのかに承つております。参議院といたしましても、額を制限する以上はやや実情に副うところの額に皆さまと御相談して、公正な選挙でもこのくらいの実費が要るのだということは、成るべくはつきりしておきたいと思います。今日はそういう意味で留保して頂いたら結構だと思います。
  105. 小川久義

    ○小川久義君 この選挙費用は、いろいろの制限現行法通りということで、例えて申上げますと、一日日当幾らということは、そういう金額に対しては実情に合わせて行きたいと、そういう考え方なんでしようが、そういう考え方だとしますれば、原案賛成であります。
  106. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) そういう考え方です。
  107. 小川久義

    ○小川久義君 原案賛成であります。
  108. 吉川末次郎

    吉川末次郎君 大体貨幣價値の下落に伴う変更をして行きたいというので、大体前の費用が基準ということになつておるのじやないか、そういう意味なら私賛成です。
  109. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) そういう意味です。    〔「原案賛成」と呼ぶ者あり〕
  110. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) そういう意味であるならば、金額を具体的に決める必要はありませんか、又議論になりますから……
  111. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 今実情に合うという選挙費用を決めましても、選挙公営がどの程度強化されるかということによつて余程違うと思うのです。いわゆる各人がやる運動の分野を公営においてやる方面で、どんどん喰い込んで行くということになれば、やはり現行法通りと言いましても、公営が強化されれば違つて参るのですから、今ここで実際の額を決めるということは困難であるので、暫時ずつと行つて、公営のことなどがはつきりした後に検討された方がいいと思います。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  112. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) そうすると、原案賛成ということで金額を後に決めるということですか、金額が決つてないから留保ということにして後でやりますか。
  113. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 現行法通りという意味は、選挙公営が現行法と少し変わるような場合があつたときには、公営の強化の範囲内において現行法が改正されるということが具体的の場合においてあり得ると思います。だからいろいろなことは現行法通りやるとしても、公営の強化によつて候補者みずからやる場合と、國がやる場合と違いますから、そういう意味現行法通りという解釈も、公営と関連した解釈にして置かれたいことを希望します。
  114. 岡本愛祐

    岡本愛祐君 菊井君に聽きますが、「選挙費用については現行法通りとし、」というのはどういう意味ですか。
  115. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) 選挙費用の問題につきましては、参議院議員選挙法は、衆議院議員選挙法に関する規定を全部準用しておるでありまして、選挙費用とはどういうものであるかというような点、それからどういう費用選挙費用に見ないというような点、又選挙費用の計算方法についての規定というような問題につきまして、現行法の建前をその通り受け継いで行くといつた意味現行法通りと、こういうふうに考えておるわけであります。
  116. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) それでは「第七、選挙費用については現行法通りとし、」ということをご異議もございませんから決定いたしまして、額は又実情によつて後刻決めるということで議事を進めたいと思います。  皆さんのお手許に差上げてありまする「一、選挙執行に要する経費基準案」「二、本基準による参議院議員通常選挙執行経費概算表」について選挙管理委員会説明を承わることにいたしたいと思います。
  117. 石渡猪太郎

    説明員(石渡猪太郎君) それでは大体の御説明を申上げたいと思います。  選挙執行費用につきましては、いろいろ皆様方の御心配を頂きまして、この一月選挙につきましては、各地方から足りないというような声が非常にあつたのであります。それでいろいろその問題が多かつたのに鑑みまして、今度の法律の中に選挙執行の費用は大体この程度であるということを書いて頂きまして、それによつて自動的に市町村なり、府縣なりが選挙執行に要する費用というものが計算されるこういうような仕組にいたしたいというつもりでこの基準というものを作り上げたような次第でございます。この一月の選挙におきましては七億七千万円の予備金の支出がありまして、府縣からそれに対して不足だと言つて参りましたものを集計したものが一億七千万円になつております。今度作り上げました基準によつて来年の参議院選挙費用を計算いたしますと、約十六億になつております。何故にその費用が殖えたかにつきましては、そこにお手許にお配りしましたところに大体御説明申上げてありますが、例えて申しますと大体二種類にその原因が分れまして、一つは一月選挙の決定されました予算の基準が実情に即しなかつた面と、それからこういうような基準を立てます結果殖える面と二つあると思います。実情に即しなかつた面といたしましては、人夫賃がこの前の選挙などは一日百円というような勘定になつておりまして、それを大体倍額にするというようなこともございます。それから基準を作りました結果、殖える面につきましては、これは非常に各縣によつて、支出されている費用にでこぼこがございまして、そのでこぼこは、最小限度必要な線まで補償するというような行き方をとりましたものですから、その線まで引上げるものが非常に多かつたために増加しておるというようなことになつております。それで大体これによつて法律に書かれるというようなことになりました場合には、府縣間の問題或いは府縣の中の市町村の問題、これは従来いろいろな選挙にありましたような紛爭というものが起らずにこれでやつて行けるのではないかというふうに考えている次第でございます。簡單でございますが……
  118. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 第八、菊井君。    〔菊井法制局参事朗読〕  「第八 経歴公報は全國選出の場合にはその字数を三百字とし、地方選出の場合には現行法通り二百字とすること。参議院議員選挙法施行令四十二條を改める措置をとること。」
  119. 小川久義

    ○小川久義君 この字数ですが、全國区と地方区と百字の差をつけた理由を伺いたいと思います。
  120. 菊井三郎

    法制局参事菊井三郎君) この第八の問題につきましては、第二回の委員会にこれと同様の案を提出した次第でございます。その際委員会におきまして、いろいろ字数につきましては論議がございまして、今回提出する要綱の仮案におきましても果してどの案を基準にしていいかどうか、全く確信がなかつた次第でありまして、さような見地から、前に出しました案をそのままここへ載せた次第であります。尚経歴公報に関する問題は参議院議員選挙法の施行令に規定してある問題であつて、この法律の中にとり上ぐべきかどうかという一つの問題もあるのでありまして、これが施行令の問題に任せておくということになりますれば、法律を作成するについての論議から懸け離れるのでありまして、このような場合には結局政令ということになるのでありますが、四十二條をどういうふうにするかということになりますと、その措置について何らか委員会ではつきりした意思表示をして置く必要もあるのではなかろうか、こういうような見解から第二号を掲げたわけであります。別に事務局としてこれについて確信を持つておりませんことを申上げておきます。
  121. 北條秀一

    北條秀一君 私は專らこれは技術的な問題を考慮しなければならんと考えまして、従つて選挙公報を出す場合に、片方は三百字で、片方は二百字だということになりますと、これは印刷等の点から言つて、相当考慮を拂うべき必要があり、従つてこれはむしろ同じ字数にした方がやり易いのじやないかというように考えます。前の委員会におきまして、私はこの点について主張したのは字数でこういうふうに決めたところで意味がないので、公報の大きさを決めるべきだ。この前の公報が極めて有効でなかつたというのは、極めて小さな活字で二百字以内でやつたわけです。ですから実際に眼の悪い人も沢山あるから読めないような公報を出してはいけない。だから二百字にするならば、その大きさをどうするかということを私はむしろ決めなければいけないということをこの前主張したが、今日も亦同じことをここで主張するのです。どうしてもこれは大きさを決めなければいけない。スペースを決めるべきだと思う。
  122. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 私は二百がよいか三百がよいかということについては確信はないのです。皆さんの御意見によつて決めた方がよいと思うのですが、ただ立法技術ですが、従来は何でもかんでも法律というものは大まかなことを決めてしまつて、あとは皆政令で決めてしまうというやり方については私は改めるべきものであると考えます。従つてできるだけこれは法律で決めて行つてつた方がよい。法律は大局を考えるので、あとは政令で詳しいことを決めるものだという考え方は止めて行つた方がよいと、こういうふうに考えます。殊に法律で決つたものを何かあと手続上どうするかというような……簡單なことは別ですが、基本的にはやはり法律なりに決めて行つた方がよいと思う。又選挙管理委員会におきましても、法律を見たり、政令を見たり、規則を見たり、方針を見たり、これはとてもややこしいのであつて一つ見れば直ぐ分るというようにやつた方がよいので、これなんかも法律の中に入れてしまつた方がよいと思います。
  123. 小川久義

    ○小川久義君 全國区と地方区と字数について区別することは納得できない点ですが、字数を決めるなら同じ字数、それから北條さんの言われたスペースを決めるなら同じスペースというふうに差をつけないことですね。統一することですね。それは活字の大きさを規定する必要もあると思いますが、目茶目茶で読もうと思つても読めんようなものを出しても効果がない。特にこの前のときも細か過ぎて普通の者が読めないようなものを出しておる。スペースを決めれば候補者自分の好きなように百字しか書かん人もありますし、それを或る程度候補者の意思に任せるということで、北條さんのスペースを決めるということで行つた方がよいと思います。
  124. 吉岡惠一

    説明員(吉岡惠一君) ちよつと今の点で私の方から御参考までに申上げますが、今までの公報は二百字ですが、二百字のときは一人あたりこのくらいの廣さで紙を計算しておつて従つて若し北條委員のお話のように字が小さくて読めないという話であれば、それは活字の大きさを制限することが考えられるので、スペースを制限することになりますと、紙型で出して貰うということになると思います。こちらとしては印刷能力等の関係で、活字制限の方が制限としては樂なんです。若しそういう御希望であれば、やはり字数の制限と公報を発行する場合の活字の制限、この活字以上の大きい活字でやれという制限になると思います。事務当局としましては、その見当がつきませんと、公報の紙が選挙の際の大部分の紙になるので、それによつて生産能力その他から、場合によつては余り大きな活字を使うということになると、相当制約を受けるという点もあります。御参考までに申上げておきます。
  125. 小川久義

    ○小川久義君 これは候補者もよし、事務当局も簡易にやり易く、何か一つ御検討して決めた方がよいと思つております。
  126. 北條秀一

    北條秀一君 賛成
  127. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 御趣旨賛成ですが、実際的な面としては、スペースを決めることは困難で、二百字くらいの字数を決めるという方がよいのじやないかと思います。活字は従来は……
  128. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  129. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 速記を始めて……。  第八の経歴公報は現行法通りとすることで御異議ございませんか。
  130. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 第二項について申上げます。我々は法律立案をしておりますが、法律に基いて政令を出す場合に、一應この委員会において検討をして、そうしてその政令を政府が出すようにするか、政令は政府に任せるか、その点はどういうふうにこの委員会が運用するか、それを聞いて置きたいと思います。その法律ができましても、細かな政令がごちやごちやと又我々の考え方と違つたようなものが出されますと困る場合がありますので、いわゆる政令までも一應この委員会において、後に採り上げて、そうしてこの点がよかろうと、これは後で法律にするか、政令にするかという技術の問題ですから、政令まで検討を続けるかどうかということについてお聞きして見たいと思います。若しそれであつた場合には政令でも差支えない。
  131. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 鈴木君の御意見について御意見はございませんか。
  132. 小川久義

    ○小川久義君 それは鈴木さんの言われる通り本法は作つたが、その本法を作つた意見に反したような施行法なり、政令が出ることは望ましいことなんで、それも選挙法のうちのことなんだから、一應そういう点もお示しを願つて決定を願うようにしたらいいと思います。
  133. 木内四郎

    木内四郎君 鈴木君の御意見趣旨賛成します。併し技術的に言つて、或いは少し三百代言的であるかも知れないけれども、この委員会で或る程度の意思表示をしても、それは選挙管理委員会を拘束することはできない。この委員会意見通りに決めるというものであれば、法律で決めて置く方がよかろう。この委員会通りの意思表示をしても、衆議院が、それと違つた意見を持つておるかも知れません。必らずしもそれによつて選挙管理委員会がやらなければならんということはあり得ないと思う。その点は御趣旨は非常に立派なんだけれども、技術的に、又法律的に私はこれは実行不可能だと思います。
  134. 小串清一

    小串清一君 私も木内さんの御意見でいいと思う。鈴木さんの御意見も御尤もですけれども、併し従来法律若しくは法律に関する施行令とか施行規則というものは、委員会の論議を参酌して作られるものですがね。けれどもこの場合は今日は小委員会だし、本委員会でどうなるか、衆議院の法は衆議院でやつていますから、本当に嚴格に言えば詳しい意思表示をしなければこれはできないでしようけれども、併し大体はこの委員会議論が、外に差障りがなければ施行規則は大体委員会意見を採るというのが、これは菊井さんにお尋ねするのですが、これは従来の例でございますがね。
  135. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  136. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 速記を始めて。
  137. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 今の問題は私もつと根本的な問題であると思います。成べく最初我々が決めた要綱に従つて選挙法の法文は簡單であつて、皆に分り易いことが必要だ。その要綱に基いて、この選挙法で、法律で決めるべきことは國民の皆が知つていなければならないことである。というものに限つて國民のすべてが必らずしも知らなくてもいいことまで法律に盛込んで行くと、どうしても選挙法は簡單で分り易いものにならないと思う。だから今のこの第八のようなものは、選挙法の中に入れることは、選挙法が分り易い簡單なものにできないということになつて来るのであります。私はこういうものは選挙法の中で決めるよりも、これは実際上の施行に関して起つて来る問題なんですから、だから、選挙法は成るべく國民が是非選挙の重要な意味を発揮するために必要な知識として、知つておらなければならないことに限つてさつき鈴木さんのおつしやるように、成るべくすべてのことを法律で決めて政令に讓らないという、その点においては私も全く同意見なんですが、そうだからと言つて、今度法律の中に、何でもかんでも織込んで行くということになると、法律が簡單で、到底國民がすつかり分るということにはならない。だから國民が必らずしも十分に知る必要がない問題は、そうしてその法律の趣旨が根本的に危うくされるものでない問題は政令に讓られた方がいいと思う。二百字であるかか、三百字であるかというようなことによつて選挙の本質的なものが却つて脅かされるわけでないし、それを法律の中で字数を指定し、スペースを決定するなんということは法律を決して高くするゆえんでは私はないと思う。そういうものは政令に安んじて讓られた方がいい、私はそういう意見を持つております。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  138. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 私は法律は大綱を作るという意見も尤もだと起けれども、國民はそれに基ずく政令も法律と同じ力を持つてそれは実行しなければならんし、又候補者も実行しなければならないので、従つて法律は必らず國民はこれを知らなければならん。併し政令は知らなくてもいいのだというものではない。そうして効果は同じなんです。であるからして決して効果において違つておるものじやない。今、先程議論になつておる二〇〇字にするか、三〇〇字にするか、活字を多くするか、少くするかという問題は、これは國が投票する場合に、選挙民が投票する場合に、候補者というものをどういうふうであるかということを知る上においては非常に大切なことである。これはとても大切なことなんである。それは大切でないから政令に讓と言つても、政令で三百字というふうに仮になつてしまつたらその目的は達せられないわけです。そこで今のような一般論で、法律は大綱で、法律は道徳を書くものではないのです。又選挙法はすべて理論よりも実際の手続なり、実際の行動をするところのものが選挙法の実体ですから、だから僕はできるならば、法律にしたり、政令にしたり、規則にしたりして、三つも四つも法律の規定を見て、そうしてどつちにあつたつけか、第何條の何号の手続はこれによる、法律第何條の手続は政令の第何條による、政令の第何條の手続は規則第何條によるというような、こんな分りにくいよなものがあるから、小串さんの持つておるような選挙一覧表というものが別にできるのです。法律から政令から規則から全部噛み砕いて選挙民が分かるような便覧というものが必要になつて来るのです。これは我々は法律出なんですけれども、何というか一つの遊戯です。まるで分りにくくして、そうしてこれは法律万能時代における一つの遺物だと思うのです。できるなら一つのもので以て分る法律便覧というようなものが法律にできてしまう。それがやはり親切な法律だと私は考えます。だからそういうような意味において私は羽仁君の、活字は何字というようなことは政令に任せるというような考え方については、私は反対なんです。今まで官吏をやつて来て、実に法律があり、政令があり、規則があり、或いは取締内規があるので、國民はわけが分らない。それでこれは役人のところに行つて聞いて、叱られながらやつて来たというのが実際なんです。もう少し私は簡單に國会の意思が直接的に政令によらないで法律によるような法律が欲しいという考え方を持つておる。殊に選挙法においてはそうであるべきだという考えを以て羽仁君の意見に反対です。
  139. 小串清一

    小串清一君 私は羽仁君に賛成です。一体日本の法律手続というものは一つの型があるのです。細かい施行規則を廃止して法律より外何もおかないというならば、それはそれでいいでしようけれども、そうしたらその方が大変な騒動です。だからやはりこれは法律で大綱を決め、実際に行うのは施行規則に讓る。その施行規則とか政令とかいうものは、法律を作るときの精神を施行者は十分酌んでやらなければならん、それを無視して、二百字と決めたものを三百字とやつた、それは政令であつても、そんなことをする内閣は直ぐ打倒しなければならない。ですから羽仁さんの意見でいいと思います。これは議論をしたつて大したことじやない。これは一つの通念を言うものである。
  140. 羽仁五郎

    ○羽仁五郎君 今鈴木君の御意見があつたけれども、私の主張の要点を衝いていない。恐らく鈴木君は民主主義以前の官僚の力が今日でも存在していると過信されているのじやないかと思います。法律は道徳をひていするものじやありません。政府は、選挙について経歴公報を発行しなければならんということを決定すれば、それを忠実に実行すればいいのである。だから法律の形として、活字を何号にする、スペースをどのくらいにするということは、きたならしい法律である。國民はそういう法律を喜ばない。國民は活字の号数は知らなくても結構生活はできる。だからそういう点から、本質的な点で私は鈴木君の駁論によつても、私の議論は正しい。こういうことを議論していること自体が、我々が選挙法の重要な点について余り議論しないで、活字の号数について議論しているようなことになつて、私は非常に残念だと思います。
  141. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 政令を政府が出す場合にも、委員会一つかけて見せて貰うということを最小限度僕は要求して置きます。
  142. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 第八、経歴公報は現行通りとするということまで議決して頂きまして、今の問題を留保にして、今日はこれで散会いたしたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  143. 柏木庫治

    委員長柏木庫治君) 今日はこれで委員会を散会いたします。    午後三時三十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     柏木 庫治君    委員            鈴木 直人君            岡本 愛祐君            北條 秀一君            小串 清一君            城  義臣君            藤井 新一君            木内 四郎君            伊東 隆治君            佐々木鹿藏君            吉川末次郎君            兼岩 傳一君            羽仁 五郎君            小川 久義君   法制局側    参     事    (第二部第一課    長)      菊井 三郎君   説明員    全國選挙管理委    員会事務局長  吉岡 惠一君    総理府事務官    (全國選挙管理    委員会事務局管    理課長)    石渡猪太郎君