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1949-10-17 第5回国会 参議院 水産委員会 閉会後第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十月十七日(月曜日)    午前十一時開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○漁業法案漁業法施行法案   —————————————
  2. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。本日は漁業法並び施行規則について全般的な御質問をお願いいたしたいと思います。午後は衆議院から大体成案要綱ができたからその説明をしたい、いろいろ御協議をしたいというお申出がありましたので、そういうふうにいたしたいと思いますからさよう御承知をお願いいたします。
  3. 青山正一

    青山正一君 この法案に関する総括的な質問を申上げたいと存じます。漁業法改正という問題は、それこそ我が國の漁業が今後どうなるかという非常に大きな問題であります。で、この方法間違つた行き方で進んで行くということになりますと、この日本の漁業というものは、つまり今度の漁業法改正趣旨には民主化とか或いは生産の拡充とかいろいろな美辞麗句で表現しておるのでありますが、それどころかむしろ反対に生産を阻害されやしないか、却つて非民主的に流れることになりはしないか、漁業経営の安定にもならず、漁民の生活の確保どころか逆に大多数の漁業者が昔に戻りまして、乞食のような扱いを受ける結果になりはしないかと非常に私は心配しておるものであります。若しただ一片の法律によりましてそうなるとすれば、これは政府は勿論でありますが、私共も全國の漁民に対して終生頭が上らず、子々孫々に至るまで恨まれる結果となろうと思うのであります。私共は第一回國会当初より漁業法改正法案というものを協同組合法に先きがけて一日も早く上程するように立案当局にお願いしたのも、これは大多数漁業者の福利とか或いは幸福というものを念願しての希望でありまして、若しその法案が私共の思つていた事柄と氣持の上においてぴつたりとせん、大分かけ離れておる、又いろいろな関係からしてどうしても立案当局の案の通り鵜呑みにしなければならかというような結果になるとすれば、これはむしろ審議未了にして他日を期するということが余程よいとさえ思つておるのであります。そういつた意味から巷には如何にも衆議院がこの法案に対し大修正を加え、参議院は無修正で通すかのごとき誤報が新聞紙上を通じて傳わつておることは、参議院水産常任委員の一人として私個人考えから言えば、誠に迷惑至極であつて、むしろ衆議院のこの案を通すためのいわゆる世間体を繕うための修正には飽くまで同調せず、惡いところがあれば関係筋に堂々と納得の行くまで待つというような固い決心で進んで行かれるよう委員会に希望するものであります。  そういつた観点から、立案当局政府説明員から先ず第一にお聞きいたしたい事柄は、この法案はどうしても私共には納得行かない。その納得行かない理由は明日から、又相当期間引続き私からいろいろ御質問申上げることになろうと思いますが、そういうことでこの法案棚上げにする、或いは返上する、若しくは審議未了となる、そういつた場合に漁民全般に及ぼす影響というものはどんなものか。その影響を詳わしく一つ箇條書的にお教え願いたいのであります。それから又この法案が通らんことによつて非常な惡影響を來すというならば、惡影響を來さないように何か簡單な便法的な、つまり法律にすれば五、六箇條くらいのほんの少しの條文で、つまり当分の間昔の通り漁業法でやる。ただ漁業会というものがこのたび新らしく民主的に協同組合というものに改編された。それで字句的に漁業会というものを協同組合に單に塗り替える條文にする。やがて講和條約も結ばれる。締結になる。平和になる。経済原則もこれは昔の夢となつた。協同組合も自力で一本立できる。そういうときにこの漁業法改正法案を本格的なものとして出す。何も補給金がどうなるか分らない。或いは統制がどうなるか分らない。金融資材裏付がどうなるか分らない。或いは税金の方も今のところどうなるか分らない。中小漁民零細漁民全部の結合團体でありますところの協同組合の一番歩の惡いとき、何もかもどうなるか分らないというそのときを狙つて、これを取り上げる必要はないじやないか。それで何かその時代が來るまで一時的に法律によつてそのままにそうつとして置くわけに行かないかどうか。行かないならば、なぜいけないかを一つ頭の惡い私にお教え願いたいと思うのであります。  第二にお尋ねいたしたいことは、この第一次案がその筋に容れられなかつた理由はどういうふうな点にあつたかを一つ詳しく御説明願いたいのであります。というのは、第一次案当時は、これは漁業團体に対する関係がいけなかつたということを聞き及んでおるのであります。ところがこの第一次案というものは、闇から闇へ葬られた形になつておりますが、その当時の漁業者團体と今回の、つまり十月十五日ですか、まだに設立された漁業團体、即ち漁業協同組合とはその形も、その内容も非常に異つている。その筋も非常に民主的に設立されたと、我が意を得たりというふうに喜んでおられるような樣子で、大きく新聞にも声明を発表されて、非常に讃辞を呈しておられる。それでこの第一次案の出た当時の漁民團体に対する考え方と、それから今度この設立された團体に対する考え方と、恐らくその筋におきましては大分異なつているものと私は考えているのであります。そこでこの第一次案というものは、政府が一番最初にこれがその当時全漁連もあつたわけでありますが、中水ですか、その中央水産業会におきましても、この方針で進んで行つたのでありますが、この第一次案というものは、政府が最善の法案として一番最初立案されたものであつて、この案が通れば何も苦労はない筈でありますから、恐らくその筋にも大変喜ばれて作られましたところの民主的な協同組合であるのでありますからして、その筋もこの團体ならばということでお考え直されないこともなかろうと思うのであります。そういつた観点から第一次案を骨子として、その筋に当つて見たかどうか、若し当つて見ないとするならば、今まで第一次案から第四次案という場合に相当長い期間当られたわけでありますからして、何も第四次案を無理に通す必要がないじやないか、今からでも遅くはないと、それよりか大多数の漁業者のためならば第一次案を今一度その筋に折衝せられる必要を認めないかどうか、その点を承わりたいのであります。以上二つの質問漁業法案の総合的なもののうちの根本をなすものでありますからして、一つ久宗課長なり或いは松元事務官から御説明を十分詳しく一つお願いいたしたいと思います。以上。
  4. 久宗高

    説明員久宗高君) 最初の御質問漁業法立案の根本問題に触れての御質問でありまして、生産力或いは民主化という問題で取上げられているが、実際本当にこれができるのか、又若し一般に非難のありますようにこれができないとして、若しこれを棚上げにしたらどういうことになるか、又その場合の経済的な措置はどうなるのか、こういう御質問だと思うのであります。この問題は提案理由説明をもう一回繰返す形になると思うのでありますが、立案に当りました者といたしましては、或る一つ考え方を予想したのではなくて、現実の漁場実情の中から生産力如何に発展さすべきか、如何にしたら民主化ができるかというふうに、漁場の実態からこの問題に入つて行つたわけであります。從いまして、先ず最初の問題でございますが、生産力が落ちはしないかという問題につきましては、立案当局考え方といたしましては、現在の制度欠陷によつて生産力が具体的に阻止されていると、これはやはり制度の根本的な改革なくしては漁業生産力というものは挙げ得ないという考え方を持つているわけであります。少し詳細に亘つて説明いたしますと、現在の制度におきましては、漁場の秩序は漁業権という個々権利を中心にして形ずくられておるのでありますが、漁場そのものの技術的な関係を見ましても。これは分割し得るものではない。從つて相当廣い水面について総合的に考えて見る必要がある。その水面の総合的な利用という点で生産力というものを考えて見る必要がある、こう考えておるのであります。從つて漁業調整、海区を單位とする漁業調整という具体的な方針でなくしては、生産力を絶対額、漁獲の生産量という点から見ましても問題があるし、又労働生産性という点から考えましても問題があると、こういうふうに考えておるのであります。又同時に漁場というものが多数の漁民が入り合つて利用するという関係から、單に漁業権所有というのみではなしに、その経営内容が問題になるわけでありまして、これは生産力という点からも問題になりますし、又民主化という点からも当然問題にならなければならないとこう考えておるわけでありまして、我々といたしましては、生産力という問題と、民主化という問題は別箇のものではない、殊に相矛盾するものでなくてこれは同時に併行してとらるべきものだ、両者が揃わなければならないと考えておるのであります。かような考え方から全体の組立をしておるわけでありまして、これが両者伴わなというような御意見がしば、しば出るわけでありますが、それは恐らく生産力という問題を個々の網の経営と、個々の網が、何万貰獲れると、こういう問題としてお考えになつておる場合が多いと思うのであります。我々といたしましてはもう少し萬い水面について、総合的利用関係から、生産力の問題も民主化の問題も考えて行くべきである。從つて所有経営というものを同時に取上げなければならん。從つて農業のように個々に、一筆ごと所有関係だけを処理して行くということによつて生産力乃至民主化の問題を解決し得ると考えておらないのでありまして、これを棚上げにした場合の影響如何という問題につきましても、生産力という発展もできないし、民主化は勿論できないということになるというふうに考えるわけであります。從つてこれにつきましては、又訓細に御質問が出ると思います。具体的に如何にして生産力がこれでは阻害されるか、この法案ではどうして民主化はできないかという点も具体的に御指摘願いたいと思うのであります。  それからこれと関連した御質問で、若し仮に棚上げした場合にどういう措置があるかというお話でございますが、これは協同組合漁業会というものの性格考えて見ました場合に、具体的に困る問題として考えられるのは、專用漁業権の問題、これを考えても明らかであろうと思います。つまり入会的な権利としての專用漁業権というものの保有主体漁業会である。これを漁業会そのものがなくなるというわけで、協同組合というものに切替える場合に、その入金関係をどうするかという一事を考えましても、臨時的の措置ということで当然片附けられる問題ではない。これは入会漁業と他の箇別的な漁業と、この関連性両者がつけて行かない限りは処理がつかないと私共は考えておるわけであります。  又第三の点で漁業以外の問題がいろいろ不確定要素がある。資金の問題、税金の問題、その他がこういう機会になぜ漁業法の根本的の改正をするか、なぜ協同組合の本質にも触れるような改正をするかという御質問でありますが、私たちはこの問題につきましては、制度改正の場合に提案理由でも御説明してありますように、漁業会だけで生産力の問題、民主化の問題を解決いたそうといたしましても、非常に困難な問題があるわけであります。これは現在の國民経済の全体の機構殊敗戰後の非常なバランスの破れた國民経済運用ということから考えました場合に、農業とか漁業というように自然を相手にした原始産業において、特に國民経済の全体の在り方では、置かれておる位置が正当でないということが根本的に言えると思うのであります。この漁業全体の置かれております地位というものを直さない限り、漁業内部における生産力、或いは民主化の問題というものを本格的に取上げられない、こう思うのであります。併しながらそれを本当に貫いて行く力というものは漁業内部改革というところからスタートしなければ本格的に取上げられない。而も現在のように行政機構が非常に分化しております場合に、金融税金というふうに解決できないのでありまして、制度改正という機会にこれと全部そういつたものが関連して参るわけでありますから、これを同時に取上げて行く必要がある。その解決を図り得るのは漁業制度改革というような根本的な問題を機会に、國民経済の各機能というものを先ず漁業というものに結び付けて見て、そうして國民経済一つ意思によつて運用されるわけでありますから、その運用の当事者がこれでやつて行けるかどうかという問題を集中的に考えて見るような機会が絶対必要である。これなくしては金融の問題、或いは税金の問題も本格的な解決は図られない、こういうふうに考えておりますので、敢えてこの問題を持ち出しておるわけであります。即ち漁業制度改革というものは漁業内部改革に止まるのではなくて、國民経済の中における漁業位置というものの内部改革出発点といたしてやつて行く必要がある、これは原始産業が特に九原則というような非常に大きな國民経済全体の変動があります場合に蒙り易い各種の弊害というものは、直接今來ておりますので、時期的にも非常に大事だと考えておるわけであります。そういう角度から敢えてそういう問題が今ここには末解決でありまして、不確定要素がありますが、この機会にこそ漁業制改革という形でこれを全体最に統制して行く必要がある、こう考えておるわけであります。  それから第二の問題でございますが、第一次案がどうして入れられなかつたのか、その後事情の変更があるのじやないか、新らしい協同組合民主化の線に副つてできておるものだから、そこに考える余地はあるのじやないか、こういう御質問だと思うのであります。この問題につきましては、協同組合漁業会内容的な差という問題も確かに前提としてはあつたと思うのでありますが、今ここでお話し得る限りの内容といたしましては、先ず形式的な問題を一つ申上げて置く必要があると思うのであります。  即ち第一次案におきましては、漁民團体、或いはこれは当時はまだ漁業協同組合ができておりませなので、一應漁業合に全部権利を移しまして、次に漁場整理、そうして協同組合と結び付けるということを考えたわけでありますが、ここで問題になりましたのは、全部の権利漁業会に持たせるという点であつたのであります。その場合に或る種の漁業につきましては、漁業会が自営しないで貸付けるという形を取らざるを得ない、こういうところに問題があつたわけであります。即ち一つの問題としては將來できて來る協同組合というものは加入、脱退の自由、それから設立の自由という形を持つたものでありますが、漁業権管理團体としては全漁民を包括して考えなければならないというそれぞれ矛盾があつたわけであります。そこでそれともう一つの問題としては漁業の中にはつまり入会権的な漁業、つまり團体でその内部規正でやつて行くのが内容的にも適当である、技術的にもその必要があるというものと、経営個々に分れる、こういう問題があると思うのであります。その問題としまして、漁業会漁業権を集中するといつた場合には入会的な漁業というものは処理できるといたしましても、この経営が個別的に行われるというふうな問題については、資金の問題その他がございまして、漁業会が貸付けるという形を取るということになると思うのであります。先ずそこで問題は二点出まして、その漁業権管理團体として全部の漁業権管理に当つていいかという問題と、もう一つは貸付けるという行爲法律的に考えた場合、これは実除は免許行爲になるのではないか、つまりそれは個々民間團体がやつてはいけないことであつて行政官廳が直接やるべきものである、こういうことが法律的に言われたわけであります。その二点によつてこの第一次案は崩れ、そうしてそれと同じような考え方で全漁民公開案というものも崩れたわけであります。そして第三次案という形で、その原則は実際に経営する者に與えるという原則がそこへできたわけであります。併しながらその後漁業内容を先程申上げましたような入会的な漁業と、それから個別的に経営されるような漁業所いうふうに分けて行きまして、第四次案でお示ししましたような、漁業の性質上当然漁場管理権組合に属すべきものというものと、そうでないものとに分けて処理したわけであります。又そうでない個別的に営まれるものであつて漁民要望によりまして、協同組合が自営したいという場合に優先順位の問題をそこで持つ出したわけであります。ただ御指摘にありましたような資金資材の問題、こういつた問題についてはさつき申上げましたように、こういうような制度改正を國の意思として行われる場合に、これに伴わない各種の問題については同時的にこれを考えて行こう。又その解決を図つて行こうという方向で持出した、こういうたうに御了解願いたいと思います。
  5. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 どうも私は前の委員会に出ておらないので、ちよつとダブることがあるかも存じませんが、お尋ねしておきたいと思いますから、この今のお答えの中にありました漁業協同組合がすべての漁業権に持つということの不合理というものに対する法律的な解釈からして、一應第三次案ができたというような御説明があつたのですが、その問題についてはずつと以前の委員会において私確か御質問申上げたように記憶いたしておりますが、私個人はその問題については全然考え方を異にいたしておるので、沿岸漁業というものに対してはそれが許可漁業であろうと免許漁業であろうとを問わず、私はこれは漁村のものであるということは信念的に考えておるのであります。このことは決して間違つていないのだというふうに今まで考えて來ておるのでありますが、今の御説明は非常に簡單には私をして納得させることができない、それで今少し分析して詳しく御説明して頂きたい。漁業協同組合をして漁業権を持たせることが法的に何故いけないか。一体陸の農村の発達過程を見てもよく分るように、私は沿岸というものはこれは漁村のものである。これは決してその中の人のものであるということには考えられないのである。今その沿岸の人達の持つておる沿岸において漁業をする、そのことが沿岸漁民によつて考えられて行かれないということは沿岸漁民所有することはできない。そういつたような考え方法律的な根拠はどこにあるのか、そのことは今少し詳しく御説明願いたい。いずれこの問題は後日重大な問題に逢着するに相違ないということを私予想するから、特にこの点を念を押してお尋ねしておくわけであります。恐らくこの考え方相違各人によつても違いましよう。又両院によつても違う結果をもたらすかも知れません。遠洋漁業の場合の観念が今は支配的に沿岸漁業の場合においても適用されんとしておる。沖合漁業考え方沿岸漁業の場合にも支配的に入つて來ようとしておる。こういつた考え方は、沿岸漁民が絶対的に承服しないのであります。現に最近問題になつておる沖合漁業においてさえ、沿岸漁民はどういう声を出しておりますか。これはあなた方のところにこの二、三ケ月の短い期間内においても相当沢山な陳情を受けている筈であります。今これらの多数漁民意思というものを全然無視した考え方が、私は許さるべきではないと固く信じておるものであります。一應そういう意味合におきまして、今少しく詳しく具体的に御説明を願いたいと思います。
  6. 久宗高

    説明員久宗高君) 協同組合に何故漁業権を持たせてはいけないのか、こういう御質問でありまして、これを詳細に述べよという御要求でございます。先程も御説明いたしましたように、協同組合に全部の漁業者を持たせるということがいけないというふうに申上げたわけであります。つまりみずから経営しなくても協同組合を以て管理すべき漁業権と、それから協同組合が当然には管理できないという漁業権と、つまり漁業の種類によりまして違う。それを法律的に書い分けたわけだございます。その内容をもう一回詳しく申上げますと、協同組合が当然に管理権を持つべきものというのは、主として入会的な漁業であろうと思うのであります。これについても純粹に法律的に申しますと、それはその漁場関係の全部の漁民を包括していなければならないわけでありますので、協同組合とは必ずしも一致しないのでありますが、この点は実際の漁村実情考えました場合に、他に別にこういう管理團体を設けるということもできませんし、そこで三分の二という一つ妥協点を見出しまして、そこで協同組合漁業管理をする、その対象は入会的な漁業であるというふうに規定したわけであります。  これに対して経営が個別的なもの、本來入会的な性格を持たないもの、例えば定置漁業のようなものでありますが、こういうようなものにつきましては、実際に経営する人間に與えて行くという原則を採つたわけであります。これは法的に申しますと、或る團体漁業権を以て実際自営するからよろしいが、自営しないで貸付けるという場合には、それが内容入会漁業でありました場合には、各人がそれに行使する権利があるのでありまして、各人漁業をなる権利があるのを、團体意思を以て、或る規正をして行く、これは輪番制とか、その他の必要があつて漁業行使方法から來るわけであります。その場合に定置漁業といつたようなものは誰に貸付けるかという問題は、これは組合内部でいたしますというと、これは誰にその権利を與えるかということと実体は同じものになるわけであります。これは法律的に言えが免許行爲ではないか、その免許行爲というのは行政官廳が直接やるべきだという法律上の解釈からそういう形を採つたわけであります。即ち、資材配給その他にいたしましても、配給割当そのもの國家の官吏が直接やれと、民間團体にやらせるのはいけないという一つ原則で貫かれているわけであります。それと同じようにこの問題は考えられているわけであります。ただお尋ねのことは、それではなくて、もつと内容的な問題ではないかと思います。つまり定置漁業にいたしましても、入会漁場内部を技術的には独占しなければならないものであつて、それには沿岸漁民、殊に地元漁民利害関係が非常に直接的である。從つて、その利益に均霑し、経営の乗出せない場合でもいろいろ網に対して要求を出して行くということがいいのか悪いのか、こういう問題だろうと思います。これは確かに今までの制度の下においても欠陷があつた。即ち個々漁業権を與えて行くという欠陷に対して、それを團体に集中するということが漁民要望として取られ、團体権利が集中して行つた歴史的な過程に見ましても、そこに合理性があるわけであります。即ち、入会漁場の中にその権利が設定されるのだから、その個個の経営は個別的に経営されるかも知れんけれども、それがその個々経営の私意によつて経営されてはならない。飽くまでも漁民全般意思を体して経営され、でき得べくんばその利益が皆に均霑する方がよいと、こういう御趣旨の御質問だと思うのであります。それは今度の我々の法案では、先程申しましたような法律の建前から申しまして、これは自営しない場合においても組合権利を持つということは認められないわけでございます。その場合に果すべき役割としては、委員会の方に持つて行つたわけであります。つまり漁民としてはその網に対していろいろな要望がある。つまり経営できない場合でも、そういうような要望というものは、優先順位の中に、つまり漁業協同組合が自営できない場合に誰に行くかという規定の中に、そこの網の経営の問題とか、他の漁業との調整とか、労働條件とか、地元から労働者を雇うとか、そういつたようなことを個々経営内容について書いたわけであります。又権利が與えられた結果について、他の漁業との調整という問題については、委員会の方を通じて発言して行くと、こういう形式を採つたわけでありまして、漁業者を全部、つまり定置まで全部含めて協同組合に與えるという形にはしなくて、委員会の形式を採つたわけであります。ただその場合に、從來経営しなくても賃貸料その他の形において入つて來たものはどうなるかという問題につきましては、これは補償という形で処理して行きたいと、こう考えておるわけであります。ただ將來の問題としては、つまり入会権的なものではないにしても、そういうような漁民が皆で均霑したいという氣持が実際問題として経営も伴つて行くという場合には、これは一人の経営者で行われるよりも、そこの地元漁民が皆で経営利益も均霑し得ると、その漁場経営方法についても内部ゐいろいろ話合ができるという態勢にする方がよいということから優先順位としては、漁業協同組合の自営というものを最優先という方法を採つたわけであります。いずれにしましても、その場合に経営しなければ大きな定置というものは直接的には持てないという点は、今言つたような関係から出て來るわけであります。  もう一つ内容的に申上げて置く必要があると思いますのは、漁業権團体的に所有するということが、漁場の実態から見て、個別的な経営についてもその発言という点から言つて置く必要がある、又利益の点からも言う必要があるという問題でありますが、今までの團体的な所有がそのままいいかどうかという点も一回堀下げて考えて見る必要があると思うのであります。つまり團体的に所有それておると、村全体でこれを経営して來ておるという中を分析して見た場合に、各種のそれではいけない、つまりそういう内部においてこそ特に温存されておるいわゆる非民主的な問題が相当あるわけであります。この点、この機会にやはり一回堀下げて考えて見る必要があると思います。つまり外から見た場合に非常に全体のためにそれで運営されておるというのであつても、内部に立入つて見ました場合に、非常にそういう團体的な経営内部においていわゆる封建的なものが温存されておると、而もそれが極めて鞏固に温存されておるという問題があると思います。この問題はこの切替えの機会に、協同組合團体優先という形においても十分内容的に檢討して見る必要があるという考え方を我々としては持つておるわけであります。御説のような全漁業権協同組合に持たせるという形式をとらなかつた次第であります。
  7. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 そこで私はあなたがお考えになつている点は分るのですが、今のお答の中にある後段の問題については、恐らくあなたが御質問趣旨はそこにあるのだろうと言つて答えられたことは正にその通りであります。そういう趣旨を以て私はおるわけなんです。ところが経営が個別的なものについてはというところの御説明は、私はそれはあなたは漁村というものに対してお考えになつていないということを私はつきり申上げて置きます。漁村についてお考えなつたことがないでしよう。ただ机の上で、東京の眞中で考えている考え方であつて漁村はそういうことを許す実情ではない、それは最前労働生産性の問題を御答弁になつた、労働生産性の問題を考えるだけでも、我々は漁民にどうしたら今日より高い文化を與えるかということについて、この沿岸の施策で、これだけの大きな生産性の強い漁場を今考えられた方向に持つて行かれたのでは、漁村には永久に文化は成り立ちつこないのです。この重大なる錯覚に陷つておると思います。これが個々経営、個別的な経営に持つて行かなくちやならないという、そういうような考え方がもうすでに非常な間違いに陷つているということを私ははつきり申上げて置く。それで現在我々漁業法改正は今日その多少の問題を解決しようというのではなく、將來に向つて或る一つの希望を持つてこの漁業法改正をしようとしているところに私共とあなたとの間に食違いがあると思う。私共は明日の漁村考えてこの漁業法改正をしたい、そういう氣持を多分に持つておる、そのこと一事なんです。團体の持つ非民主的なものの問題に今触れられました。お設の通りそれは日本のあらゆる部面において非民主的なものが多かつた、これは別の問題で私共は幾らでもこういうものを排除することはできる、他に方法は幾らでもあるのです。これは併し漁業法改正によつて非民主的なものが排除されるという考えは余りに私は安價な考えだと思います。これはむしろ逆で、改正によつて非民主的なものはますます強くなる、ますます大きくなる、これは火を賭るよりか明らかなんです。今日團体が非民主的な在り方にあつたということに対しての批判は十分受けなくちやならないです。それがために水産業の協同組合法がもう不完全ながら、非常に我我としては不満足であるが、一應まあ生れたのであります。そうして民主的に立ち上つて行こうとするのであります。今協同組合のことを考えようとする、そうして又よく大発見したかのごとくその協同組合は加入、脱退が自由であるから漁業権を持たせることはいけない、こういうことをちよつと聞くと非常に御尤もらしい、私は併しこれは決してそんなに正しいものである、又これが唯一の行き途である、解釈の仕方であるとは考えません。これはいずれこの問題も後に機会があると思うのですが、非常に大事な問題でありますから、私は今日ここでこの問題についてこれ以上詳しく申上げることは一應差控えて置きます。いずれ私は他の議員達がどういうお考えを持つておるかを私もよく伺つておらないのでありますが、又衆議院辺りにおけるいろいろな考えがあるようであります。十分研究いたした上で私は参議院における私一個の考えというものを。特に確立した考えというものを申上げる時期があると思うのです。ただ御説明の中にある二、三の問題について私の所感を申述べて置いて、この程度で質問を一應打切つて置きます。別に強いて御答弁頂かなくても結構であります。
  8. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) ちよつと申し上げますが、逐條審議を十分やつた後の質問でありますので、勢い意見とか或いは討論に類するようなことになり勝ちですからして、ここではどう修正するか、或いはどういうふうにやるかというような問題は後日に讓りまして、法文に対する疑点がありましたら、この際御質問をして頂きたいと思います。
  9. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 誠に逸脱したような御質問をしたようなところもありますが、そういうようなことについて更に御質問をということになれば、随分沢山あるわけでありますが、どういうふうに委員長はこの本会議が開けるまでのこの時期をお使用になる御計画をされておるのか一つ……。
  10. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 委員が昨日までは非常に少かつた。それでまだ多少修正する上において御質問もあるだろうと思いまして、今日初めてこの漁業法の案を、昨日までは外の問題をやつていました。初めて出しましたので、実は継続委員会ではこの修正点を先ず通したいと思つておりましたけれども、まだ十分集つておられんし、又質問も多少あるかも知れんと思いまして、今日午前中質問して、それから午後はさつき申しましたように、衆議院から是非懇談したいという申出がありましたので、衆議院の意見も聞く必要があるから、そういう工合にお願いしたい。明日は午前中又やりまして、明日から本委員会のこれに対する修正を、或いはどうするかということの協議をお願いしたいと思います。
  11. 久宗高

    説明員久宗高君) 先程の江熊委員の御質問の中で、個別的経営に持つて行つた方がいいと立案者の方で考えておるというようなお言葉があつたのでありますが、これは非常な誤解でございまして、そういうことではございません。つまり法文を御覽になつても分りますように、入会的な漁業については当然に協同組合が持つ、これは適格性のところで書いてあるわけです。個別的に営まれる漁業というのは、個別的に営まれるのが適当というのじやなくて、技術的に見て個別的に営まれる、こういう点をいつたので、そういうようなものから協同組合生産部面の協同化という形で持つのが望ましい、こういう意味優先順位の中で最優先をいたしておるわけであります。決して個別的経営が望ましいと考えているわけではございませんが、ただ経営という問題に突込んで入つた場合に、仮に漁業会が持つても、これを実際には経営できないという場合で貸付けという問題が起ると思います。その場合につまり経営内容がどうであるかという具体的な内容について立入つて考えるべきであつて、それを漁業会に全部持たしたらどうなるかという問題では私はないんではないか。つまりやはり経営内容まで立入つてやる必要があるだろう。そうして漁場に対する発言という問題については確かに漁業会が持つておつた方が直接的であるということは言えると思いますが、別に委員会というものを設けて漁場全体の行使についてはつまり委員会という全体的な組織の方からというのは当然であるという考え方で、そこを仕分けしたわけでありまして、個別的な経営が望ましいから、こういうやり方を取つたというのじやないということを御了承願いたいと思います。
  12. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 私はこの漁業法改正について、一つ最近漁村を廻つて感付いた点があるのですが、それは漁民が何といいますか、これは又そういうことを申上げると漁業課長は或いは違つた答をされるのじやないかと思うのですが、一体漁業法というもので、漁民というものが多少とも自分の土地だというような氣持で使用してもよろしいというような氣持で考えておる点は、一体どの点にあるかという問題ですね。これはちよつとなかなか説明しにくい問題でありますが、まあちよつと例を取りますと、定置の場合は水深十五メーターとなつておる。あれ以内は御承知のように共同漁業権ですか。それ以上が定置漁業といつたような線が出ておる。これは私をして言わしむれば、これこそ漁業をなすものにやらせようといつたようなことに取扱いたいのじやないか。又取扱うようにして貰いたいというのが多いのじやないかと、私はそう思うのです。これは定置のその例だけで説明しても分りにくいところが多いと思うのでありますが、併し話を持つて行くのに例として一應定置の例を借りて見ましたが、そういうような本当の俺の田地だという氣持というものを許す範囲というものは、一應水深十五メーターだと、こういうのです。ところが沿岸を廻つて見ると水深十五メーターの線は軒の下にあるというふうな漁村も随分沢山ある。そうかというと十五メーターが随分離れたところにある場合も亦沢山ある。ところが軒下からして十五メーターもあるようなところの海が仮に漁業的に無價値ではなくて、むしろ定置として非常に有數な漁場が多い。そういうときにそれが今の御説明では一應順位が第一になつておるとか、いや漁業協同組合でやるのだといつたところで、結果がそう簡單に行かないところもあるし、そこのところが後日問題になるのですが、これは漁民の感情の上からいつても、実際問題は無論あるのですが、感情の上からいつても私はなかなかしつくりしないというか、許し得られないと思うのです。むしろ或る漁場等のごときは、どうしてもこれは水深千メーターとか、千五百メーターとか、或いは二千メーターとかいうふうにいつて頂かない限りは、私共としては何としても納得が行かないということをしみじみ訴えておる。私はその陳情を聞いてこれは本当に重要な問題だと、一体政府は、農林省はこの十五メーターというものを引張り出して來た根拠は何か生産技術の上か何か、科学技術的な面からそういうものを引張り出して來たのか、おみくじを引くようにそういうものを引張り出して來たのか、まあそこらあたりは一体どんなものなのだろうか。いつぺん漁業者なつた氣持で割り出された数字であるのかどうか、そういうことをお尋ねして見たいなということを思つておるのです。それに対してお答え願いたい。
  13. 久宗高

    説明員久宗高君) 今までの御質問につきまして、私がお答えしたのは形式的な、或いは法的なお答えであつたと思うのでありすが、只今江熊委員の御質問のうちに、漁民が感情としてどうしても納得できないという御質問があつたと思います。これは確かに一般漁民考え方としては漁場漁民のものだというのは、これは動し難いものである。併し定置のような場合は、そういう経営が個別的に行われておる場合でも入会漁場のうちに入つて來るという点で、端的に個別経営だからどうこうというわけには簡單に行かないと思います。そういう意味漁民の率直な、そのままの意見を端的にこの法案が表現していないということは確かにあると思います。これは今申しました経営という問題にもう一皮剥いて入つていつた場合、又法的のあれからこうせざるを得ないだろうということを御説明したわけであります。その場合、今水深十五メートルとなぜ切つたかという問題が出たわけであります。これは経過から見てもお分りだと思います。第三次案におきましては、これ以下のものは許可漁業の持つて行くということが予想されておつたわけであります。つまり今の共同漁業権というものがまだ全然見通しの立たない過程において引かれた線であるということが考えられますが、その場合にその点が非常に問題になると思うのでありますが、共同漁業権というものができて、そしてこれを両方くつ付けて考えた場合、始めて一つの体系になるわけであります。ただ水深十五メートルがいいかどうかというのは、これは一メートル違つてもいかんというような、何か本当に科学的に割切つた線であるということは申上げられないと思います。これは考え方としては、いわゆる入会権というような解釈が取り得るような経営内容であるかどうかということが、主体であると思います。純粋に法律的に考えた場合、小型定置が入会的のものであるかどうかということは多少疑問があると思います。その経営の実態から見て他の純粋の入会的の漁業権内容としては同じものである。その團体員の内部においては常に皆それをやり得る権利で、内部行使によつて運用を決めて行くということから入つたわけであります。そういう点から言つて私共の方としていわゆる小型定置というもののうち、水深十五メートルという線を引いたのである。これ以下のものは一應こういうような形として協同組合管理権を與えても適当であろう。こういう意味で線を引いたわけであります。純技術的の問題ではなしに、経営内容と技術的の面と両方加えてこの線を考えておるわけであります。これはおつしやるように絶対的のものでなく、これは考え方によつてはもう少し拡大しろ、拡大しても適当だ、こういう網もあると具体的の御指摘もあると思いますが、一應の考え方は端的に技術的のものでなく、それ以下の経営内容は入会的の経営と同じように使用した方が適当であるという点からいつての線であるということを御了承願いたいと思います。
  14. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 他に條文に対する御質問ありますか。
  15. 青山正一

    青山正一君 只今委員長から逐條審議も終つたのだから、今後法文に対する質疑は至極簡單にやれというようなお言葉があつたわけでありますが、この問題は社会党といたしましても、実は只今江熊さんの御意見などいろいろ聞いて見ますと、非常に重大な法文でありますからして、そう簡單に片付けて行くというような、そんなわけには行かないと思いますから、一つ十分意のあるところまで私らがいろいろ内容的に討論のような恰好で申上げるわけでありますが、併しそれも政府ではどういうふうに考えているか、こちらではこういうふうに考えているのだというふうな参考意見をやはり中に含ませての話でありますからして、その点一つ十分にお考えつて今後審議を進めて頂きたいと思います。そういつた意味合からして、一つ私は重ねていろいろお聞きしたいことは、只今の江熊さんのいろいろ質問と或いは重複している、或いは非常に諄いというふうに思われるかも知れませんが、やはり何といつても一番この漁業法に関して問題になつているのは漁業権を誰に與えるかという問題であろうと思うのです。漁業権というものを、今更そういつたことを申上げるのもどうかと思いますが、團体に與えるべきだ、或いは個人に與えるべきだという議論はいろいろまちまちだろうと思いますが、私が休会中に、これは皆さんも同樣だろうと思いますが、あちらこちらを遍歴いたしまして、いろいろな意見も承つている。又私自身がこの漁業法に関しての質問を全國の各漁業協同組合、若しくは漁村方面の下部組織、或いは漁民組合に対して一万通の葉書を出したのであります。それに対して二百四十三通の返事が來ております。返事は又後程係官にお目にかけてもよろしかろうと思いますが、その二百四十三通のうち、二百四十二通までは漁業権は飽くまで協同組合に與えろというふうなことで進んで行つておるようなわけでありまして、その点が非常にこの漁業法に関してポイントになるところだろうと思うのであります。殊にこの漁業権というものは漁業法の精神から考えて見ましても、例えば飯山長官なり或いは農林大臣、それから久宗さん、そういうお方たちが前議会からいろいろ御説明になつておりますのですが、これは漁業者全体の持つべきものである。できる限り多数の働く漁業者に持つて貰おう、そうしてその漁業経営に当つて貰おう、そういつた考え方からこれは全般的に再分配することが最も適当である、こういうふうに皆さんがお考えのように私は解釈しているわけであります。その意思を通すのは、僕は何といいま島ても協同組合を対象とするよりほかに途がない、これは先程江熊さんがおつしやつたことを私が重ねて申上げるようなふうでありますが、ところがこの法文の内容にいろいろな合の手を使つておられる。これは皆漁業者は全部考えておられるだろうし、少くとも常識のあるお方もそういうふうに考えておられるだろうと思うのでありますが、いろいろな合の手を使つておる、その合の手が一種のごまかしになつている、共同漁業権とかいうものを恩を着せて協同組合に與えている。如何にも優先順位は第一義的に掲げてありますが、それは第二義的に掲げてあるものの力を強めるための一種の騙りというふうに言われてもこれは仕方がないと思うのであります。これは殆んど協同組合のお方はそういうふうに皆さんは解釈なさつているだろうと私は考えているのであります。例えば例を以て申上げますと、協同組合のその力の強い丹後とか若狹の方面には、自分たち全部の漁業権であるというふうなことで、その行き方というものは円滿そのものである。何ら問題とか或いは間違いというものは起きていない。いわゆる御当局の意思が非常に徹底しているように僕は思われる。ところが越中を御覽なさい。富山を御覽なさい、富山の氷見ですよ。ああいう越中のごときは個人の商業資本的な経営者が非常に大部分を占めているので、年がら年中漁業権を繞つて爭いばかり起している。その漁業権問題が知事選挙にも絡んでいる。或いは裁判沙汰にもなつている。年がら年中裁判沙汰になつている。農林省の役人もその渦中に入り込んでいる。非常な大混乱振りであります。知事の選挙にはどこそこでは百万円出す。どこそこは二百万円出した。これは眞僞の程は私は分りません。だが非常にうしろ暗い唾棄すべき問題が相当起きている。そういつた問題はこれは個人経営している漁場に限つて起きている。恐らく協同組合に関してはそういつた間違いは全然ない。個人漁業権者がお互いに爭つてそういう問題を起している。先程久宗事務官から團体はまあ相当古くさい、もう少し考え直さなければならん、こういうようにおつしやつておりますが併し個人の方もこれは十分にそういつた点を檢討する必要があるのじやないか、私はそういうふうに解釈しているのであります。若しそういつた漁業権というものを團体に與えれば、そういつた騒ぎとか間違いとかいうものは僕は起きないと考えております。立案当局はこういつた安寧秩序という面から漁業権を誰に與えるかということを一つ檢討して見たかどうか、又そういつた点を今後考慮すべきでなかろうかと私はそういうふうに思つております。一々問題が起きると農林省の各係官が全部その漁業権を繞つちやつてわんやわんやで騒ぐ。これは必らず個人経営漁業権問題を繞つて間違いから起こる、こういうふうに私は解釈しております。こういつた観点から漁業権運用を部落全部、村全体のすべての漁業者の手に運用せしめ、間違いを起しやすいつまり個人を相手にせぬようにこの法案一つ根本的に直す氣持はないかどうかについて伺いたいと思います。  第二点としてお伺いしたいのは、先程申上げました通り共同漁業権という飾り道具を漁業協同組合に與えて行くようなふうになつているのでありますが、そういうものが與えられたといたしましても、協同組件にこれはしよつちゆう問題になつているのでありますが、つまり金融とか資材裏付のない限り飾り道具が効果が現われずに却つて個人を対象とするいわゆる合の手の実質的な飾り道具になろうと思うのであります。その結果個人漁業権者はますます実力を発揮いたしまして、協同組合の実力というものは反動的にますます弱められるような結果になりはしないか。先般來、一昨日ですか先おととい、十四日、十五日両日に亘りまして、金融とか資材補給金、或いは統制の問題につきまして御当局からいろいろ御意見を承つた、先程久宗さんのお答えにもそれがあつたわけでありますが、ところがどの面においても漁業協同組合にとつて受難な時に遭遇しているわけであります。こういつた最悪の時にこの漁業権改革問題、漁業協同組合には非常に何と御同情申上げてよいやら、例えば資金関係から見ましても、対日援助資金いわゆるイロア・フアンドの絶望、或いは預金部資金の見通り困難、日銀が國債を買つてマーケツトオペレーシヨンで賄う方向も結局農林中金六億ぐらいでお茶を濁す程度である、漁業手形も果してこれが、先般部長からお話があつたわけでありますが、これは福音があるものやらないものやらそれもはつきり分らない。こういう状態では今後協同組合がいろいろこの事業をやつて行くのに、実際的に十分金融関係解決されるというようには私は考えていない。共同漁業権というものを飾りではなくて、実際上の権利として第一の張先順位として與えておつても、金融の面とか或いは資材関係解決しない限り却つて衰亡の途を迫る、漁民全部を運営することが非常に困難だと私は考えるのであります。これは單にこの水産に限つたことではない。協同組合に限つたことではない。社会全般的に或いは経済状態から、どの面も困つておると言えばこれはそれきりの問題であります。併し漁業法の精神というものは先程から諄く申上げます通り漁民全部を対象とするものであるという当局の趣旨から考えましても、漁業者全部の生活向上とか、或いは漁業の発展ということから考えて見ましても、当局としてはもつとはつきりした行き方でも講じておられるかどうか、これは諄いようでありますが、部長さんにお願いしたいのであります。又こういうことから資力のある個人業者が漁業権を実際上思う存分に振舞いようなことになりはしないか。ここに非常にその方面をよく認識しておられる松任谷さん或いは久宗さんにもその間のよく事情を伺いたいと私自身も思つておるのであります。その点一体今後どういうふうにやつて行かれるか、こういつた二点について一つお聽きしたいと思います。以上。
  16. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) その前にちよつと青山君に申上げますが、私はこの法案を決して軽く扱つておるのではないので、総合的な質問もやり、逐條審議もやり、休み中にやはり疑問もあろうから、三日ばかり質問をお願いして、一旦出た法案であるからしてこれをどうしようというのは勝手だから、或いは可決しようと否決しようと、棚上げしようとどうしようと、それは先でもできるものだから、疑問だれを一つ問うて頂きたい。
  17. 青山正一

    青山正一君 よく分りました。
  18. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 ちよつと関連して……今部長さんがお答えになつたので、私は前御質問申上げたことと重複しておるかと思いますが、もう一遍部長さんから承りたいと思いますが、この漁業権協同組合にやつていけないというのじやなく、協同組合にやることが第一順位になつておるということを頻りと言われるから、一應そこを考え、すべての漁業権協同組合にやつてよかろうというけれども、なかなかそうは行かないというのが多いような情勢なんだから、それは好ましいことじやないのですが、そういう情勢ですから、今青山君の御質問と関連することになつて來るのですが、協同組合が持つておるその漁業権を或る方法によつてこれを貸付けることはいけないということがはつきりして來たのは、一体この法案を作られるいつ頃からそういうことになつて來たのか、当初からそういうお考えであつたか、ちよつと私記憶がないのですが、その考えはそれはどこから與えられたお考か、或いは御自身のお考か、そこを一つちよつと簡單におつしやつて頂きたいと思います。
  19. 久宗高

    説明員久宗高君) 貸付けることはいけないという問題について、それはどういう方面からの意見かという御質問でありますが、これは当初出ましたのは、水産廳以外のところから出たわけであります。併しながら貸付という方式が今漁業会でやつておりますようなやり方そのままのものが妥当であるかどうかという点については疑問があると思います。從つて第四次案で定置漁業について漁業協同組合権利を持つて貸付けるという行き方をとつていないのは、貸付ができないからという問題ではないのであります。この問題は先程の青山委員の御質問とも関連いたしますが、つまり内容的に申しますと、漁民團体権利を持つたらそれで全部済むかという問題なのであります。むしろそのもう一つ先を掘下げて考える必要があるだろう、つまり漁民團体権利を持つた場合でも、その経営は一体どうなるのかという問題まで掘下げて考えて見る必要があるだろう。從つてその経営の問題まで掘下げて考えました場合に、この第四次案のような方式が採られるというふうに御了解願いたいと思うのであります。
  20. 松任谷健太郎

    説明員(松任谷健太郎君) 青山委員からいろいろと御意見なり御質問があつたわけでありますが、金融資材の点につきまして、漁業法が若し実施されたといたしますれば、非常に見通しが心配だというような御氣持ちにつきまして、私といたしましても、お叱りを受けたような感じを受けるのでありまするが、この漁業法の建前からいたしまして、若しこの漁業法が実施になりました曉におきましては、金融或いは資材というものはこの制度に基きまして具体的に計画され、その具体的に計画に基きまして、金融なり資材を御斡旋申上げるというふうな立場に立つのでございまして、よく申されます金融というものが積極的に事業を引張つて行くというような能動的なものでなくて、むしろ事業の裏打ちとしての受動的な金融機能というような建前にありますので、そういう具体的な計画に基きまして、この制度の実施を完遂できますように、極力努力して参りたいとかように存ずるのであります。たとえて申しますると、只今例にお挙げになられました沿岸漁業、小さな漁業者如何に苦しんでおるか、それを金融の現在の手形制度なり或いはマーケツト・オペレーシヨンの資金のベースの線に載せて参るといつたようなことにつきましても、この前簡單にお話申上げたのでございまするが、協同組合というものの力によりまして、相互扶助といつたような精神の下の信用力をその團体として高めて参るというようなことによりまして、そういつた制度の発揚が図られますように、経営の面なりその他に対して改善を加えて参りたいというように我々は考えたいと思つておるのでございます。
  21. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 ちよつと松元部長にお尋ねするわけでありますが、私の考え方が悪いのかる知れませんですが、今のお答えを拜聽しますと、漁業権の貸付問題については、現在までに採られておる方法は、これは極めて配慮しなくちやならないものである。それはよく分ります。そういう御意見だろうと思う。然らば或る適当な方法を我々が案出してこれを適用すると言つたならば、権利の貸付をやつてもいいというふうに解釈されると私は思うのですが、これは私の感違いであるかどうか、政府は大体漁業権の下附免許料というものの厖大な額を取上げて、いろいろな施設をされるというのですが、これはまあ一つ考え方です。ところがそういうようなことは、その直接関係のある地元漁業界というか、地元漁民のみんなのためにそこの施設をすることこそいいのではないか、そういう考え方こそ採上げられていいのではないか。そんな点を考え合せると、この漁業協同組合には漁業権の貸付があるという途をむしろここで愛情を以て考えてやることがつまりいいのではないか。今までの方法が悪いから、とにかく貸付はいけないというのは結論がちと早過ぎる。今までの方法は悪いが、併しこうすればよくなるということによつて、よりよき成果がここに得られるのではないかということを考えて行くところに、私はこういう漁業法改正がなくてはいけないのだと思う。大体地先の資源の維持倍養というようなことは、地元民の協力がなくてはやり得ないのだ。定置で申しますと、定置漁業そのものが皆さんのために、一般大衆の漁業に重大なる支障を來すということは、これはもう分つておることであります。それから資源の上にこそ彼らの定置漁業は足を置いやつて行く漁業なんですから、そういうようなものをその土地と不可分の関係においてやつて行くのが今後の漁民のためになる行き方である。そうすることは私は今日は仮に漁民は弱いものであるかも知れない、今日の形態が弱いからもう駄目だというような、そういつた運命的な観念を以て処理されることを私は惧れる。それを嫌がることは……あれほどの漁場考えるためにはやはりいつでもあなた方がやらなくてはいけないので、お前らの生命なのだ、そうしてお前らの漁場と不可分の関係にある漁業法で、お前らの資源倍養、維持を考えなくちやいけないのだ、こういう観念を以て漁場を保護して行くことによらなければ、本当に今後の漁村というものは保持することはできない。そうして又その労働單位の生産性の問題などを考え合せますと、これらのいつべん賣拂つたりなどした、賣拂うというか、人にやつてしまつたものは、何とも私はできなくなると思うのです。これは本当に漁村のことを考えたら、とてもその一部に言われておるような考え方は私は許されないと思うのです。それで順位が一であるからよろしいという青山委員の言葉を借りてはなんだが、これは合の手というような言葉はなかなか意味愼重な言葉だろうと思うのだが、そういうようなことでごまかさなくて、これ以外の者にはやれないということだが、何故おやりになれないかと申上げたい。協同組合以外のものについては考えないのだ。そうして一應全部の漁業権漁業協同組合でやれる者をしてやらせる方が適当なる方法であるということを、役員が見付けるのではなく、漁民が見付けて、納得の行く方法を以て考えて行つても遅くはない。それでいいのだ。むろんそこに資金資材裏付があるということは、それは後に発生したその時々の事情なのですから、その時々刻々に変化する事情を以て法律改正するその根本を開いて行くことを私は繰返して申上げる。本当に愛情を持つておられるならば、そういう考え方が出て來ることは間違いではないか。あなたの言うことは、今の青山委員の言葉を借りると、これはごまかしの眞最中で、手品なんだと、こう言われていることも万更でもないような氣もする。漁業権というものは実に地元漁民と不可分の関係において根本的に決定して行くもので、これは漁村民主化の根本問題だと思う。これを断行せぬなら、漁業法改正というものはおやりにならんで、旧漁業法のままでやつて從來の指導方法で……。民主化された漁業協同組合を今後運営するならば、今日よりは遥かにいいものができるのであつて、今私共が心配しているような問題を解決しないままの漁業法であるならば、改正しない方がいいのではないか。そういうことは私一人ではない、そういうことを言つている業者は沢山あるのです。最近の中央の空氣の動き方をじつと見ていると、賢明な極く進歩的な業者達はそういうことを言つてますよ。こういうことに耳を蔽うべきではないのです。この言葉に耳を蔽うて漁業法改正をやるということは実に怪しからんと思うのだ。どうしても業者が幸福になるということを考えぬような今日の漁業法改正は何と言つても承服は行かない、そういう氣持でいつぱいです。これは賢明な松元事務官は、恐らく私がこう言うまでもなく、心の中にはそういう氣持があるのだろうと思うのだが、併しいろいろな関係で言えないのかも知れんのだと思つているわけで、御同情もしますが、併しそのように感情的にこれが処理されては大変だと思う。本当に勇猛心を振つて本当の道をこの際決定するようにしなくちやならない。それで参議院委員会において、私はこの氣持を十分委員長又同僚諸君にも申上げて、そういうふうに取運んで貰いたいという氣持を持つておりますが、果して私の微力でそこまで行くかどうかは分りません。皆さん方にも是非共そういつたお氣持で私の考え方に御支援して頂きたいし、御同情して貰いたい。別に御答弁をして頂く必要も何もないのでありますが、平素思つていることを私は條文とかいうものを離れて申上げただけであります。
  22. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 一應この魚が俎上に乘りましたから、これを食おうと切ろうと、これから先は委員会の手だから、この際質問はこれで打き切りたいと思います。大体……。
  23. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 本日でですか。
  24. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 本日は……明日から、修正について互いに意見を述べ合つてやつたらどうかと思う。
  25. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 私は、この問題が非常に重要でありますので、余り結論をお急ぎにならないで、いわゆる四囲の情勢をよく判断され、尚我々は要するに、本当に働く人達の意見をもう一遍聞いて見てもいいんじやないか、そういうようなお考えがあるのですか、或いは我々が今まで得た調査資料によつて一應の結論を得て、その上で成るべく早い機会にそういう人達にお集まりを願つて、業者達の各方面の関係者を呼んで、公聽会というものをやるという順序にされるのでありますか、その辺りで……。
  26. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) これは御相談ですが、この前の第五國会の直後に、委員会を開いた結果、開会前一週間、若しくは十日前から委員会を開いて、更に質問なり、或いは修正意見も交換をして、そうしてこの休会の間に大体意見を纏めて、開会になつたらそこで公聽会を開いて、そうして公述人の意見を聽いて、最後の案を決めたらどうかというようなお考えがあつたと思いますが。
  27. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 公聽会で意見を聽いた上で、そうして我々が一應方向を決めたそのことをもう一遍直して頂く……。
  28. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) もう一遍それを聽く……。
  29. 江熊哲翁

    江熊哲翁君 聽いて、我々の考え方間違つているかも知れません、そのときは又直すということを許されておるわけですね。
  30. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) そうです。
  31. 青山正一

    青山正一君 あれですか、今日きれいに質問を打ち切つて、そうして修正意見も考える……。
  32. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 質問というのはこの條項に対する質問だけであつて、一旦これを出した以上、もうこれを直してくれとかなんとかいう質問は、この際無益と私は思う。この條文に疑問があるならば、修正の意向があるのですからして、疑問の出だけは十分質問して、あとは煮て食おうと燒いて食おうと、私はこれは委員会の権能だと思つておる。それで條項に対してまだ質問したいという個所があれば、委員の方でそれは又その間で質問されても構わんと思う。
  33. 青山正一

    青山正一君 前國会が済んでから、継続審議という形で、三日なり四日なり、一瀉千里の勢いで逐條審議をやつたわけですが、あのときは各委員も実際の上においてそこまで研究しておつて審議したかどうかということは疑問なんです。勿論修正意見を出して進んで行くということは当然のことでありますけれども、やはりその間いろいろ各人質問もしたいと思いますから、そのときは一つお許しを願いたいと思います。
  34. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 大体陳情、請願の條項も摘録してありますし、あなた方にして頂いたその結果もありますから、そういうものを資料として一應委員の意見を纏めて、纏めたことについて公聽会を開いて公述人の意見を聽いて、更に又檢討するという方に行つたらどうかと思つております。尚この條項に対する質問がありましたら、この進行中にずつと差支ありませんから……。
  35. 青山正一

    青山正一君 そういうふうにして頂きたい。
  36. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) それじや午後はここで懇談会を開きまして、衆議院から、衆議院のいろいろ纏まりかけた意見もあるようですから、それをこつちに説明したいと言つておるから、一應集つてそれを聽きたいと思いますが、よろしうございますか。
  37. 青山正一

    青山正一君 本日衆議院から何名くらい來るのか知りませんが、それは衆議院を代表してという意味でありますか。
  38. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) そうです。小委員長と、委員長も來るだろうと思う。
  39. 青山正一

    青山正一君 そうして我々がそれを聽いて置くだけでやる。
  40. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 聽いて、質問していいと思います。
  41. 青山正一

    青山正一君 結論を急ぐ余り、衆議院に同調するというふうなことじやなしに、余程やはり愼重に考えて行かんことには、最近新聞にはいろいろこの点についてデリケートな意味で進んでおりますから、参議院ははつきりした意思の下にやつて頂くことを一つ特に御希望いたします。
  42. 木下辰雄

    ○委員長(木下辰雄君) 委員会の総意によつてやりますから……。それじや本日の委員会はこれを以て閉会いたします。    午後零時三十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     木下 辰雄君    理事     尾形六郎兵衞君    委員            青山 正一君            松下松治郎君            江熊 哲翁君   説明員    農林事務官    (水産廳漁政部    長)     松任谷健太郎君    農林事務官    (水産廳漁政部    経済課長)   久宗  高君    農林事務官    (水産廳漁政部    経済課勤務)  松元 威雄君