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國務大臣(
稻垣平太郎君)
電力関係だけを切離して考えることがよいか
惡いかは別問題でありますが、各
方面で未拂が起
つて、それがために
金融が遅くなる。これはまあ実際は
政府支拂の遅れておるものもあろうと思うのであります。殊に例えば
運輸省、こういう
関係を取りましても、
運輸省が
石炭代の
配炭への未拂、
電力関係の未拂もありますし、それから、そればかりでなく、実際は
資金が梗塞しておるという面には、前年度の
予算の範囲内に本年度の
予算を見越して
製作をしておる。こういう面もあろうと思うのであります。これは殊に
車輛関係とか、或いは
電氣通信機関係、
逓信省関係、こういういわゆるお互いの暗默の了解の
見越し製作と言いますか、そうい
つたものもやはりこの
資金、資材の面なんかの
金繰りの
関係で非常に
資金梗塞をしておる。これが
予算が行なわれないためにこの
支拂がまだ出ていない。こういう点もあるだろうと思うのであります。各
方面にいろいろな問題が起
つておるのでありますが、
商工省直接の
関係として、
石炭、
電力、
電氣の面の
関係を申上げますと、
石炭関係についてはこの前
玉置さんの御
質問に大体お答えして置いたのですが、一番早い
方法は、
配炭公團の
剩余金という名前を付けてよろしいかどうか知りませんが、
剩余金を以て
支拂う、これも大体
了承を得られるのではないかと思
つたおります。い
ずれ両三日には右とか左とかはつきりすると思いますが、この右か左かということは、どうしても私は
了承を得なければならんという私の覚悟なんでございますが、そうしますと、これを仮に
資金化する、現金化するという場合には、これは直ぐというわけには参りませんから、こういうことが決まりますれば、
日本銀行あたりと交渉いたしまして、これを直ぐ現金化する、少くとも二三十億というものは
石炭鉱業へ、
関連産業へ
紐付融資、もう一遍言えば、
関連産業を通じて
銀行への
紐付でもよいと私は思
つておるのであります。
銀行への
紐付で
貸しますと、地方
銀行で又
余裕ができますから、そこで幾らか業者の
金融も樂になるということにして頂いた方がよいと思います。ただ
設備資金の点、
企業三原則によ
つて、特に
金融の途を塞がれておるので、それも
電氣の方にも
関係があるわけでありますが、こうい
つたものは、これは今見たいなわけには参りませんので、どうしても
資金計画を立てまして、そうして
電源開発の問題、
電氣関係の
設備の
費用、それから新らしい
石炭の切羽、新探鉱の
費用というようなものについては、これも中絶されたものも今度新たにやる建前で
資金の融通を受けなければならん。これは見返
特別会計の方に頼る外に今はないと思うのであります。
設備資金はとても市中
銀行なり、或いは
復金がなくなりました
関係上、市中
銀行なり、或いは興銀というわけにも参りません。どうしてもあの見返
資金の操作によるところでなければならん。こう考えておるのでありまして、それについては、すでに大体の
計画表を
安本の方に提出いたしまして、
安本で取り纏めて、これについて折衝を開こう。こういうことにな
つております。こうい
つたような將來の
産業復興というものを中心とした
資金については、あの見返
特別会計の中から支出することが許されるだろうと我々は期待いたしておるような次第であります。
從つて今の
お話の三十億の差というものが、これが
設備資金で出おるか、或いは
運轉資金の赤字であるか、その点は別でありますが、
設備資金に関する限りにおいてはそういうことで結末を付ける。
運轉資金については、これはまあ
企業の
合理化ということの面で段々減して貰うより外は仕方がないのではないか。ただそれについて今も
説明をいたしておりましたように、できれば
電氣料金を
補修費その他を計算に入れて値上をいたしたいということで、今
折角努力中であります。これは
了承を得るか得ないかまだはつきりいたしませんけれども、一應とにかく
石炭、
電力は値上げしない。こういうことにな
つておりますけれども、それではどうしても
電氣事業は成立
つて行かんのではないかということで、
電氣料金の値上げについて今
折角交渉中であります。