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1949-10-24 第5回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十月二十四日(月曜日)    午前十時四十二分開会   —————————————   本日の会議に付した事件調査報告書に関する件 ○本委員会の継続に関する件 ○山澄丸引揚学生声明書に関する件   —————————————
  2. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) これより委員会を開会いたします。  休会中折角各委員の方々がそれぞれ各地に御活躍になりまして御苦労樣でございました。余りお顔は揃つておりませんけれども、本日の案件は、休会中の審査を取纒めての報告書でございますが、一應案件を読みますから、悪いところがございましたらお直し頂いて、そうして御署名を願いたいと思いますが、ではちよつと読上げますから……。    経過の概要   在外同胞引揚問題に関する特別委員会においては、第一回國会以來海外同胞引揚促進並びに引揚者関係の諸問題について鋭意これが実現考究に努力して來たのであるが、第五回國会会期中において、これに関する調査を終了しないため昭和二十四年五月三十一日議院の承認を得て休会中も在外同胞引揚問題に関する調査を継続することになつた。これに基き本特別委員会においては閉会中委員会四回、打合会二回、懇談会二回を開会した。  (一)、引揚者によつて惹起された京都駅前混乱事件、船長吊上げ事件、その他今年度ソ連地区引揚者の種々なる紛爭事件調査を行い、殊に京都駅前で惹起された混乱事件並びに船長吊上げ事件に関しては現地に議員を派遣して実情調査を行い、今後の円滑なる復員業務の改善に努力した結果、遂に復員軍人帰還措置に関するポツダム政令の決定を見るに至り本問題は解決した。  (二)、樺太地区引揚者北海道入植問題は緊急を要する問題であり、愼重に調査の結果委員長現地に派遣し、これが解決に努力した結果、遂に本年度樺太地区引揚者のうち北海道入植希望者は全部北海道地区に受入れることとなつた。  (三)、國民金融公庫財源補填並びにその運営に関する件、更生資金、住宅問題及び引揚者に対する水産資材優先配給件等について調査行なつたが、これらは未だ解決に至らない。   右が議長の承認を得て、休会中に行なつた調査経過並びに結果であるが、この外引揚者に関する問題としては、在外資産の処理、在外公館借入金の返済及び定着援護強化等の重要問題が山積しており、且つソ連地区引揚げはまだ完了せず、中共地区に残留を余儀なくされておる同胞も現在七万有余と推定される現状にて、在外同胞引揚問題に関する諸問題は今尚甚だ多い実情である。  以上でございますが、字句それから意味なんかお直しを頂くことがございましたら御訂正頂いて……如何でしよう御異議がなければ……。
  3. 細川嘉六

    細川嘉六君 字句のことですけれども、そこで京都事件については引揚者がこの事件を惹起したような文句になつておりますが、実際はそういうわけには行かない、こちらの受入態勢からの点を……手落ち、拙さ、いろいろのことがこんがらがつておることと思うのですが。
  4. 星野芳樹

    星野芳樹君 今のことについて……船長吊上げ事件とか、京都騒擾事件とかいつて、まあそれで新聞紙上に報道されたもので分り易いことは分り易いですが、すでに済んだことをそれを再び非常に、何というか挑発的な、こういう言葉を特に又出す必要がないのじやないか、あつさりと何というか客観的に引揚時の混乱とでも、諸問題とかということにして置いた方がいいのじやないか。
  5. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 私も先の細川、只今の両委員の大体御意見によつて、ここに引揚者によつて惹起されたということを消して、そうして京都駅前混乱事件とか、吊上げ事件というその原因はいずれ調べたでしようから、この報告書から削つてつて行つた方が引つかかりがないし、又円滑に行くのじやないか。これが普通は報告書委員長一任でどこでも参りますから、その程度で早く片附けて頂いた方が結構だと思いまして、今の御意見賛成いたします。
  6. 星野芳樹

    星野芳樹君 これは引揚者に惹起された京都駅前混乱事件とあるのを、草葉委員意見によつて引揚者によつて惹起されたというのを抜かすわけですね。京都駅前混乱事件はこれでいいわけですね。原因はどつちとも言わないでいいですが、船長吊上げ事件はちよつと刺激過ぎませんか、済んだことを何か……。
  7. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 その船長吊上げ事件、これはすでに檢察当局も取上げておることでありまして、そうしてどういう判決を受けるか分りませんが、一應これははつきりしておるものでありますから、船長吊上げ事件ということは一應入れて……。
  8. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) 入れますか。
  9. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 ええ。
  10. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) それではやはり草葉委員の言われるように、引揚者によつて惹起されたというような言葉を取りましようか。
  11. 星野芳樹

    星野芳樹君 それは取ることに異議ないが、船長吊上げ事件は今少し……これは細川委員意見と……。
  12. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 これは御尤もですが、大体これは一般に俗社会新聞にも報道され、すでに檢察も済んだのでしよう。檢察も済んで一應まだ訴訟しておるけれども、大体それで俗語見たいになつておるし、私はその原因がどうとか、こうとかいうことを、ここで報告書には余り、先の細川委員の話のように言う必要もないし、ただこういう事件、こういう事件ということで……。
  13. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) 軽い氣持で作つたものですけれども、引揚者によつて惹起されたという文句を取りましよう。そうして今更余り刺激するということを好みませんし、そういう強い意味がないのではないのでしようか……。それでは皆さんの御意思のあるところも分りましたから、御一任頂くことにいたしましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 いわゆる船長吊上げ事件というような字句を付ける。
  15. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) それではそういうことにいたしましよう。   —————————————
  16. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) それから十一時頃ですね、滿鉄からの引揚者の人がありまして、そうしてお話を聞いて頂きたいと北條先生から御依頼がありましたのですよ。ですからちよつとお時間を皆さんに頂いて、一應お話をお聞きすることにいたしましようか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  17. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) それではそういたしましよう。   —————————————
  18. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) それからもう一つ、この特別委員会あとの問題でございますが、こういうふうに問題も残つていることでございますし、あと特別委員会を設けるかどうかという点を一つお諮りいたします。速記ちよつと止めて頂きます。    〔速記中止
  19. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) それじや速記を始めて……。この特別委員会を第六臨時國会に継続すべきかどうかということを一つお諮りいたします。
  20. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 在外胞引揚特別委員会は、まだ先程委員長報告のごとく、幾多の引揚問題に対しましては沢山問題が残つております。未だ帰らない方方などの問題もあるし、帰つて來定着援護の問題その他限りなくありますから、この問題に対しましてはどうしても特別委員会を継続して頂くということを一つお決め頂きたいと思います。それから更に委員会委員数につきましては、大体先程草葉委員が申されましたように十五名くらいが適当じやないかと、こういうふうに思つておりますが、一つ委員長の方で一應原案をお作り頂きまして、そうして委員会にお諮りを願いたいと、こういうように思うのであります。
  21. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) 淺岡委員の御発言のように、御異議ございませんければ、進めたいと思いますが……。
  22. 星野芳樹

    星野芳樹君 その人数の点は、定足数を欠くことがないようにという意味からは減らす方がいいんですが、各党を網羅するという意味から無理があるならば、それでは困ると思うのです。
  23. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 私も委員会を継続することに勿論賛成でありますと同時に、できるならば現在の二十名を次の國会では十五名程度にして頂く。そうして是非その十五名の中には党派で洩れないようにして、但しどうしても按分が都合が悪いときには、それは何名かをお増しになつても決して異議はありません。異議はありませんが、議事の運営上からは大体十五名くらいが適当じやないかというのが、私の希望なんです。
  24. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) 定足数が揃いにくいということろから、これは出た御意見なんで、皆さん賛成のようでございますから、それじや一應原案を作つて見ることにいたします。    〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) それじやそういたします。
  26. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 これは報告事項ということになりますか、或いは継続された委員会におきまして、どういうふうな扱いになりますか、まだ分りませんが、実は過ぐる十月の三日に、中央地区最終引揚船であります山澄丸が入つて参りまして、そうして一千七百四十三名の人が上陸されたのでありますが、その船中におきまして、金子團長以下全員で引揚促進の船中内における決議が出ております。これはすでに新聞紙上にも出ておりましたから、その点は避けますが、船内に百三名の学生が乘つております。そうしてその百三名の学生声明書と申しますか、文書には声明書と書いてありますが、これを一應臨時國会において建議されたい、そうしてそのお取計らいをどうなさろうとも一應提示して置きたいからということで、私お預りした來たのでありますが、その扱い如何になりましようか、一應委員会に提出したいと思いますが、その点だけは一つ受領して頂きたい。
  27. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) 承知いたしました。
  28. 淺岡信夫

    淺岡信夫君 それではこの書類を提出いたして置きますから、継続せられました臨時國会において一應御審議の対象として頂きたいと思います。
  29. 紅露みつ

    委員長紅露みつ君) それじや今日の審議はこれだけでございますから、委員会を閉じることにいたします。    午前十一時二分散会  出席者は左の通り。    委員長     紅露 みつ君    理事            草葉 隆圓君            岡元 義人君            星野 芳樹君    委員            淺岡 信夫君           池田宇右衞門君            木内キヤウ君            岩本 月洲君            穗積眞六郎君            矢野 酉雄君            細川 嘉六