○
説明員(岡田好治君) そういうわけでございまして、結局これは私共の熱心さと財務当局の御理解と両方によ
つてこの問題は解決したいと折角
努力いたしておるようなわけであります。それから住宅の問題でございますが、住宅の問題は本
年度四億五千七百万円の公共事業費を以ちまして、当初は樺太無縁故者だけを対象としてこの
予算を立てたのでありますが、御
承知のように樺太から帰りました者は只今の
ところ一船、二船、三船で僅かに四千数百名であります。そのうち指定縁故者と申しますのは、約三千五百名
程度しかないのであります。從いまして四万八千人以下を対象としたこの四億五千七百万円の
予算に対して実際に帰
つて参りましたのは四千なんぼ、その中この
予算の対象として家を建ててそれへ收容する対象者は僅かに三千五百名
程度しかないというわけであります。そこで將來帰ります者を予定いたしましても、大体私共の方で計算をいたしますと、六千四、五百名
程度は一應來年の準備にも備えて置く必要がありますので、六千五百名
程度の者は一應樺太用としてこれを当てなければならん。そういたしますと、後の四万八千人から六千五百人を引きました残りは一應
予算としては対象外のことになるのであります。そこで私共としては安本と
折衝申上げて折角立てた
予算でありまして、樺太
方面の無緑故者がたまたま少なか
つたわけでございまするが、一面各都道
府縣におきまする
引揚者の方々の中には、実際に無緑故の状態でありながら当時
予算的な措置がなか
つたためにそのまま放置されている状態の方が
府縣の調査によりますと、間借りしただけのもので実際に住宅に困
つているのが六十一万
程度現実におられるわけであります。その中で私共といたしましては、間借しているような方はとにかくそのままで何しておいて頂きたい。とにかく住宅以外の建物で、実際に雨露を凌ぐ場所もないというような窮迫した方だけを一應
府縣の調査資料に甚いて査定いたしました
ところが、六十一万人の中で、取敢ず
府縣が本年何とかしなければならんというのが約二十四万人も出ているわけであります。そこでその二十四万人の方々は、これは全く住宅以外の施設に現在雨露を凌ぐと言いますか、止むを得ずそうい
つた施設に壕
生活或いは又お寺、そうい
つたところに非常に窮屈な思いをしておられる、そのことが
生活再建上非常に障害にな
つているということを私共十分
承知いたしておりますので、とにかく二十四万人を対象として何とかしようと思いましたけれども、態底二十四万人をまるまるこれを対象として
予算的な措置ということはどうしてもできませんので、結局前段申上げましたような本
年度の四万八千円の公共事業費の中で六千五百人
程度を差引いた残りを、今申上げた各都道
府縣の実際の住宅無緑故者に当てて貰いたいということで、この四億五千七百万円は多少当初の
予算編成の際の
基礎数字とは違いますけれども、目的をむしろ逆に執行するようなふうに今計画変えを安本と交渉しているわけであります。これは大体において内意を得まして、各都道
府縣にそれぞれ
割当戸数並びにそれに伴なう國庫補助の
予算というものを一内應示しているわけであります。が併しその際に今のその四億千五七百万円で無緑故者の六千五百人を入れて一体どのくらいの措置ができたかと申しますと、四万六千人くらいな措置しかできない。四万八千も何か單價の値上等がありまして、全体といたしまして本
年度の四億五千七百万円では四万六千人
程度の措置しかできない。そういたしますと、二十四万が四万六千ございますから、大体五分の一
程度しかできない、非常に窮屈な住宅の措置しかできない。そこで各
府縣ではどうしても本年中にやりたいというのが二十四万なんでありまするけれども、余りにそこに差額がありますので、殆んど知事、副知事或いは民生部長から現在決りました建設戸数の設置増加の要求が非常に熾烈に私共の方へ参
つております。殆んど毎日民生部長、副知事あたりとの
折衝に日を送
つているような現状であります。そういうような現状でありましたので、何といたしましても四億五千七百万円ではどうにも私の方としてもこの上陳情を入れるということは、絶対に
予算的に枠のないことでありますのでできませんし、さりとて
現実に知事なりが行政上
引揚者の
援護上どうしても困るというものをそのまへ放任して置くということもできませんし、
定着援護というものは資金と住宅というものがその基底を成しております以上は、特にこの
定着援護の重責を持
つております私共といたしましては、どうしてもその間の知事の苦衷も解決して差上げなければならぬというようなことから、実は公共事業費を今更枠を殖やしてこの方で出して頂くということは、
関係方面との
関係もありますし、その他いろいろな
関係を考慮いたしまして、どうしても困難だ。從
つてこれは
数字は違いますけれども、
一般の公共事業費以外の
予算でこれを
一つ見て貰うようなふうに考を持
つて頂いたらどうだろうかというようなことで、一應都道
府縣のぎりぎりの御希望の線を取纏めたものが、今朝程來局長が
お話申上げたように大体三億六千万円、新築と改築を併せまして、新築が大体一億六千万円、それから改造の方が二億円であります。この改造の方は今年の四億五千七百万円、公共事業費はこれは新築だけであります。從
つて從來あるものの雨漏りを直すとか或いは
関係方面からやかましく言
つておられます。衞生上の設備の
改善をするとい
つたようなことはあります。併しこれは四億五千七百万円の公共事業費ではできませんので、別にこれの補修費として
一般予算を取
つて頂かなければならぬ。今年はそういう
予算も今の
ところなか
つたので、そこで今申上げたような補修と新築を併せまして、三億六千万円を別途の
方法で何らか財務当局の御考慮を
一つ願いたいということで、これも亦一應の計画を事務的に立てまして、財務当局へも事務的に御
説明を申上げて置きたいと思
つて、よくお願いを申上げておるようなわけであります。この点につきましても亦財務当局の
方面におかれましても、
引揚者の現状を十分お認め願いまして、非常に私共が困
つておる点はよくお認めのようでございますけれども、仮にこれを取上げるといたしますと、即財源的にどうするかというような問題にお悩みのように私共見受けておるわけであります。とにかく今申上げましたように、
生業資金にしろ住宅の問題にいたしましても、先程
岡元委員からきつく
定着援護に対する低調さを御質問を頂いたわけでありますが、事務的には
考えられる
範囲におきましては、又手を打たなければなりません
範囲内におきましては、一應私共といたしましては考量をいたしまして、手を打
つておると思
つておりますが、何せ
年度の中途でもございますし、そういうことに相当困難性もあるというようなことで共に財務当局にも一緒に御苦労を願
つているような現状であります。
それから災害の点でありますが、災害に関しましては、私共も特に
引揚者の方々が血縁のない
ところで、漸く立ち直られた矢先に、災害という大きな天災によりまして、根柢から又元の木阿弥に立ち帰
つてやらなければならんというような、非常にお氣の毒な状態にあることを私共もいつも災害の起きます度に
引揚者の方々のそうい
つた点について、私共心配いたしておるわけであります。今度の九州
地方の災害におきましても、丁度私共当時
更生資金の新らしい要綱の打合せで、ブロック
会議で九州に参
つておりましたときに、あの旅行中大雨に降られて相当鉄道等の故障も新聞等で見ましたので、即刻縣の係官には、今度の災害によ
つて引揚住宅等が非常な破損をいたしました場合には、即刻私の方へ計画を樹てて、災害の状況を詳細に報告して貰いたいというふうに、現地で指示して参
つたのであります。とにかく災害がありますれば、私の方といたしましては、直ぐそれに対する一應の対策は私共といたしましては樹てておるつもりであります。今朝程も申上げましたようにデラ台風並びに続きました三次、三次のあの台風に対しましては、一應の各
府縣の要求を取り纏めまして、一千九百九十万円、約二千万円を目下安本の方へ要求をいたしておるのであります。尚又
更生資金につきましては、これはデラ台風の第一回の際には、この台風によりまして
引揚者が相当な損傷を受け、そのために即往の借受者は折角の償還の種意がありましても、復旧その他に資金を要するために償還が不可能にな
つておる、又遅延をして來るというような、災害による償還の遅延ということも
考え合せて、又災害によ
つて資金の需要が更に殖えるというような両々の面から
考えまして、ここに資金も多少の枠を殖やさなければならんというようなことも
考えまして、デラのときはこれは私局長にも御相談をしないで独断であの当時決めたのでありますが、鹿兒島、宮崎、大分の特に災害のひどい縣に対しましては、幾分の枠の増額を御約束したような次第であります。又その後のフェイ台風その他につきましては相当の被害も大きいわけでありまして、この台風による被害のためにデラと同樣な実情にあることが
考えられますので、そのためにも多少の九州地区へは資金の増額をいたさなければならんということも
考えておるようなわけであります。又先般襲いました関東地区のあの風水害に対しましても、同様の手をやはり差延べなければならんというようなことで多少の留置きをいろいろと操作いたしまして、今私共の方で留置きをいろいろ操作いたしておるようなわけで、從
つて府縣の方と
折衝いたしまして、
府縣の御希望の有無を調べまして、尚詳細に
折衝した結果、この漸く準備いたしました留置きの
範囲内で賄い得る
程度において取敢ず資金の増額も
考えたい、かように
考えておるわけであります。
御質問になりました厚生資金の
関係、住宅の
関係、災害対策の
関係について以上申上げました。