○
説明員(岡田好一君)
只今の岡元
委員の御
質問に対してお答えいたします。私の方の
関係で、
只今のところ経済九
原則の建前からいたしまして、私共の
仕事の面に直接まだ現われて参
つておる事象はないのでございまして、ただ九
原則の本質的な問題が、具体的な問題がまだ決定いたしておりませんので、從いまして私共の方の
仕事の面にどういうふうにどう響いて参りますか、私共もその点の各般の情勢と睨み合して、
只今いろいろと研究はたいしております。ただ先程岡元
委員の
お話にありましたように、経済九
原則が響いて援護廳の
予算の面に或る程度の制約を受けたんじやないかという
お話の点は、多分先般の第四四半期におきまする樺太引揚無縁故者の住宅建設費の
関係、それから東京都におきまする一時寮に滯在いたしております人たち、これを早急に定着寮を建設してそこに移
つて頂こう。この二つの問題が、この九
原則が多少の
関係を以ちまして、第四四半期で
予算の成立を見なか
つたわけであります。これを具体的に申上げますと、実は樺太の引揚無縁故者につきましては、一万四千名の住宅が不足いたしておりますので、これに追加要求と、それから東京都の一時寮に滯在いたしております者が約千四百名であります。その外國立病院等におります者を入れまして、三千七百名だ
つたと記憶いたしておりますが、これらの方々を早急に定着寮に入れようというようなことで、一万四千名の樺太引揚無縁故者の不足住宅と、三千七、八百名に上ります一時寮に滯在しておられる方々の定着寮建設のために、前者におきましては大体一億九千万円、後者におきましては補修費用を併せまして八千万円ばからを要求いたしたわけであります。安本の方の側におきましては、年度中途にこうした緊急事態に立至りましたがために、來ておりまする四百六十億の公共
事業費の枠を殖やすわけに行きませんので、その中で各省のやり繰りをいたしまして、しわの出たもので或る程度の財源を捻出しようという、つまり財源捻出の手段を
考えておられまして、それで大体安本の当局におきましては各省との
折衝を持
つて頂きまして、凡そ我々の要求した程度のものは或る程度しわを寄せるように技術的には一應できたのであります。ところが、御承知のように公共
事業は
関係方面の認証を得なければなりませんので、重ねてその認証を受ける過程におきまして、御承知の
政府職員の俸給ベースの改善があ
つたわけであります。その
関係がつまり公共
事業におきまする労賃の引上ということに即
関係を及ぼして参
つたのであります。從いまして折角しわを寄せて、或る程度の実現を期するよう両者の間で話合は進んだのでありますけれども、
関係筋の何を受けておる間に労賃の値上り等によ
つてその操作ができなくな
つたわけであります。いろいろな観点でしわができなくなりましたために、これは私が聞き及んでおる範囲でありますけれども、いろいろな経費の
関係で、つまり予備金の方の公共
事業の予備金支出も、一應公共
事業として
考えて呉れたらしいのでありますけれども、安本と司令部との
折衝の結果は、要するに予備金は災害以外には使つちやいかん、從
つてこうい
つた新規の
予算はこの際これを認めるわけにいかん、勿論
政府部内で、外を削
つてもどうしてもやるということになれば、それは別だけれども、全体的な問題としてとにかく新らしいこの問題を、更にこれに対する必要な
予算額を殖すということはいかない。從
つて既往の枠の範囲内において賄い得るし、賄えない場合は認めるわけにいかんというような、まあ強硬な
折衝が重ねられました結果、私共といたしましては、更に他の
関係方面へもその事情を陳情いたしまして、その面から特に財政
関係方面へ特別な申入れをして頂くようにも私共もいろいろ手配をいたしたわけであります。その結果が
從來とは見なか
つたような
関係筋同士で、この施設問題について協議会を持
つて頂きまして、その協議会の席上いろいろ議論をされましたのでありますけれども、聞くところによりますと、
結論としては、経済九
原則の建前から赤字を出さないというようなことで、どうしても第四四半期に今申上げました要求の
予算を付けるわけにいかん、從
つてこの問題は國内の受入態勢その他の面からいたしましても特に重要であるのだから、少くとも二十四年度の第一四半期には必ず優先的にこれを認めるということを私共が連絡を取りました、
関係筋とそれから財政
関係筋との間に
最後にそういうふうな話合いがあ
つたというふうに私共は聞いておるのであります。又安本の当時出席された一課長からも、こういう話があ
つたということを聞いたわけであります。從いまして第四四半期には止むを得ず今の経済九
原則の建前から赤字を出さないということから、二十四年度の第一四半期にこれを繰延べられたというわけでありまして、これが恐らく
只今岡元委員から御
質問のありました経済九
原則が或る程度影響があ
つて、私共の
予算の執行上非常に困難を感じた帰ではなか
つたかというような御
質問であろうと思いのであります。それから尚これは話は別でございますが、恐らく多少の
関係を持ちますので重ねて申上げて置くのですが、今の特融の問題について見ましても、勿論
復金の
融資というものが本筋のものでなくちやならんということは、恐らくこの経済九
原則から割出されておる
関係筋の
考え方だろうと思うのでありますが、特融の方も御承知のように
復金の面ではどうしてもいかない、
事業そのものが必要であれば、
政府としても
考える
余地があるならば、別に
考えてもいいじやないかというようなことも
関係方面から話があ
つたということを私共は聞き及んでおるのでありますが、そういうふうな多少の経済九
原則との
関連性について、私共の
仕事の面に多少の支障はあるようでありますけれども、別段これと
言つて際立
つた問題もまだ起きておらんようであります。