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政府委員(
慶松一郎君) 大体
只今藥は、比較的順調に
生産をされておりまして、まあ私
どもの
考えではそれでも十分とは申せませんが、大体
必要量の恐らく七、八、十%ぐらいまでは、
生産されておると存じます。殊にそれを
地方に
配給いたしますにつきましては、大体
医師その他の
診療機関に優先的に割当てるように、そういう
機関に対しまして優先的に割当てるようにいたしておりますので、御
視察の
通りの
状況かと存じます。ただその中で確かにここで御
指摘の
通りこれは
ペニシリンでございませんで
サントニンだそうでございますが、
サントニンとか、
ガーゼ等はいささか不足いたしておると存じますが、併し極く大雜把な数字を申上げまして、それらの点につきましても、大分改良されて來ておるという点を
ちよつと御承知願いたいと存じます。
サントニンのごときものもこれは御存じの
通りソビエートから
輸入をいたしておるのでございますが、併し國産もだんだん進みまして、大体戰爭後急激に上昇をいたしております。國産の
生産が一昨年に較べますと、昨年は倍近く出ておりまして、それと、
アメリカ側に
要望いたしまして幾らか
輸入をされております。
輸入されたものが約四百キロで、國産が六百キロぐらいでございます。從いまして約一トンの
サントニンが昨年は供給されたことになりますが、併し、今日蛔虫に悩まされておる
人々が非常に多いので、今日その五倍乃至六、七倍の
サントニンが必要かと存じます。これは大体
戰前でありますと、先ず
年間二トンくらいこの倍くらいあればよか
つたのでありますが、今日ではそれくらい要るのでありますから、從いましてそれに対しまして外のものでも
つて代用するために、例えば「
かいじん」草のようなもの、これも大体
東支那海の方で採れて
輸入いたしておりますが、幸いあちら樣の了解が成り立ちまして、本年約四百トンの
輸入をいたすことになりまして、すでにこの正月から二月に掛けて五十トンばかりの
輸入がございました。その「
かいじん」草からできた
駆虫葉がすでに市場に出ておる次第であります。
尚その外にこれも聞き及びかと思いますが、ヘキシルレゾルシンという藥が、これは
アメリカから勧めたものでありますが、それを造ることにな
つて、
丸剤にするということが非常にむつかしいので、やつと近頃その
丸剤を造るのに成功しまして、
國家檢定で
配給に廻すことができるようになりましたが、極く最近でありますが、十万キロくらい、これが出る。で、すでにその
丸剤にいたす本の原料が約一千万人分くらいできておりますので、
丸剤が成功すれば、これでも相当補うことができると思います。
尚
サントニンの本年の
計画は國産約一トン、
輸入一トンというくらいの量を
計画いたしております。
次は
ガーゼでございますが、これはまあ今日
繊維製品が一番困難な
状態にあります。併しながらこれも余程改善されて
ガーゼとか
脱脂綿、繃帶の類もでございますが、昨年に比べると、本年は先ず倍くらいのものが、お
医者さん或いは家庭の
婦人等にも
配給されることになると存じます。で、その倍くらい
配給されても、尚
ガーゼにおいては、先ず
需要量に対して七〇%くらいになると思いますが、とにかく昨年は
ガーゼは
需要量の三〇%くらいしか出ておりませんが、本年は七〇%くらいになるという見透しが完全についております。
脱脂綿も昨年に比べまして倍近くもやはり出る見透しがついております。たとえて申上げますれば、お
医者さん一人当り五キロしか
年間に
脱脂綿が
配給されておらなか
つたが、今年は十二キロくらいの割当ができると思います。但しこれでも尚十分とは言えませんが、先ずこれらのものは昨年に比べて、倍量になると、こういうことが大体言えると思います。
次は十一の、
不良藥品の
取締りの点でありますが、誠にしばしばその点で御
指摘を受けまして、私共といたしましても、大変恐縮いたしておるのでありますが、これはむしろ私共の
考えでは
終戰後の一年ばかりの間に、混雜に乘
つたいろいろな道徳の頽廃というような点からそういうものが沢山出たと存じます。それで先ずそれらが今日も行き渡
つておる点がございまして、誠に遺憾なのでありますが、私共の方でもたびたびこれらの対しましての監査、或は
取締りを定期的にや
つております。大体年四回、全國的に
取締りをやると共に、
各市縣においては毎月必ず或いは毎日これをや
つております。それでそれに対しまして昨年御
制定頂きました藥事法の中に、
藥事監視員なる制度を設けまして、それによ
つて本省に約百名の
藥事監視員を置き、又
地方には約八百名の
監視員を置きまして、そうしてその
監視を
嚴重にや
つておるということになりました。尚極く最近でございますが、これはせいぜいここ十日ばかりになりますが、私共
藥務局の中の
分課規程を改正いたしまして、
監視課……、
取締りでございますが、
監視課というものを作りまして、その
監視課で專門に不良品の
取締り、或いは誇大な
廣告等の
取締りもやる、こういうことにいたしたのでございます。尚その他に各
地方廳で、こういう惡い藥の
取締りの完璧を期しますために、各
地方廳に通牒いたしまして、
地方廳で、名前はいろいろございますが
不良藥品の防止の
協力会というようなものを
衞生部に作
つて貰いまして、そうして
地方の公吏或いは
医師会、
藥剤師会、或いはその他藥を使う
方々、
医專或いは
医科大学の
関係の
方々等も一緒にな
つてその
協力会を組織頂きまして、ここでその
地方におきまする惡い藥を取り上げるということのために御協力願う、そういう組織を作
つて貰うことにいたしまして、大体今日までに
報告が入
つておりますのでは、四十六府縣の中で、すでに三十七府縣につきましてはこの
機関ができております。近くその
効果も挙がることと存じます次第でございます。大体この十一番目がそれでございます。