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政府委員(
伊東五郎君)
只今政務次官から御
説明のありました
建設省の
公共事業費関係の
予算の中で、
建築関係は二十五億という一應の
見込にな
つております。この金額によりまして、これはまだいろいろ
計算中でありますが、大体
都民住宅を二万二千四百戸
程度建設し得る
見込であります。昨
年度は大体四万戸
程度建設しておりますので、昨
年度に比べて六割弱の
事業量ということに相成
つております。
住宅の
関係は
公共事業費だけでなく、
政府出資の形で
住宅金融公社を設置する
費用といたしまして大体五十億
程度の
予算の
要求をしてお
つたんであります。それは今度の
予算には入
つておりません。尚今度の
予算の枠内において、別途の
方法で何とかしてこの
住宅に対する
長期低期の
資金の融通の
方法を採りたいと考えておりまして、
経済安定本部、
大藏省なり
関係方面と
只今折衝を続けております。大体今度の
予算につきましてはその
程度申上げるに過ぎませんが、尚この
機会に
住宅調査を昨年の八月一日に実施いたしましたその結果によりまして、相当
住宅の
事情も明らかにな
つて來ましたので、改めて今
年度から五ケ年
計画を一應立てて、それに基いて進めて行きたいというふうに考えておりますので、それらの
事情につきまして若干御
説明を補足いたして見たいと存じます。
資料を
一つ御覽願いたいと思います。先ず
住宅の
事情を申上げますが、一枚めく
つて頂きまして、昨年の八月一日現在全國の
世帶数がそこにありますように一千五百九十七万六千余、
戸数は一千三百九十五万一千余とな
つておりまして、
差引一應の
住宅不足の数が二百二万四千余ということにな
つております。尚これをもう少し突込んで、その
調査資料等から檢討いたして見ますと、次に書いてありますように、先ず第一に全然家のない者の
世帶が全國どれくらいあるかと……間違いました、全國ではありません。一
應住宅難の最も激しい全國の
市部につきまして以下の
数字が得られるわけであります。
市部におきまして全然家のない者の
世帶、職場に寢泊りしておるとか、
壕舍、仮小屋に住んでおるというような
世帶の数が十三万八千七百五十なのであります。それから非常な狹い出に沢山の家族が住んでおるというようなものを一
應四人世帶で六
疊一間程度以上に混んでるというようなものを拾
つて見ますと、
つまり一人当り一疊半というのを、その
調査から拾
つて見ますと、全國の
市部で四十一万五千九百
世帶というものがあるわけであります。それから非常な
遠距離の
通勤通学者、片道二時間以上を要する、往復四時間以上を必要とするというような非常な
遠距離の
通勤者、これは
推定でありますが、凡そ
市部全体で二十三万ぐらいはあるだろうということが見当が付くのであります。その他に現在
住宅に住んでおりましても立退きの
要求を受けておるとかというような中で、特に何とか救済をしなければならんというような
世帶、或いは
海外からの
引揚者で現在一時
收容所に住んでおるが、これを
住宅の方へ住み替えさせる必要があるというような
差迫つた事情にある人、それから又今
年度において
引揚げて來る人で無
縁故者の
收容所に收容できないような人も若干あります。そういうような人、それらの者を、これは非常に大
雜把な
推定になりますが、これは恐らく二十万
世帶は下らんだろうというように考えられます。以上を合計いたしますと、概数といたしまして約百万戸の
住宅がこれらの人のために必要だということになるわけであります。このうち自力で、
自分の
資金で
住宅を建設し得る人も若干あるわけでありますので、これを二〇%
程度と
見込みまして、その八〇%、八十万戸
程度は國、或いは
公共團体などで
資金的に何かの
援助をいたしませんと、それらの人々の
住宅問題は解決しない、こういうことになるわけであります。これは
市部だけにつきましても八十万
世帶くらいの
住宅は早急に何とか
政府において考えなければならんという一應の
数字を得たわけであります。これに対しまして、次のページを御覽願います。大体
東京で
階層別に
入口数の
割合を
推定して見たのでありますが、月に六千円から一万円
程度の
生活費を出しておるという人が三四・一%
程度あります。それから一万円から一万六千円
程度の人が三四・三%
程度あるわけであります。大体それらの
二つの
階層を六千円から一万六千円
程度の
階層、普通の
勤労者です、この
階層を合せて六八・四%
程度あるわけであります。これらの
階層が大体
政府或いは
公共團体で
資金的に面倒を見なければ
自分の家ができない者と、こういうふうに想定したわけであります。それ以上の
收入のある人は
自己資金で建て得るだろう。それ
未満の、それより
少い人は一軒の家を持つことは困難であろう。こういうふうに考えまして、大体この
階層の人達、一万円
未満程度の人については
貸家を提供する必要がある。それから一万円以上については
長期低利の
資金を融通すれば
自分の家を持つことができるのじやないか。非常に大
雜把でありますが、一体こういうような考えに基きまして五ケ年
計画を立てて見たわけであります。それを、一番初めの表でありますが、この八十万戸の
住宅を
國庫補助の
住宅、
貸家を二十一万戸、それから
融資による
住宅が二十八万戸、それから
重要産業労務者の
住宅、これは社宅でありますが、これを三十一万戸、これを五ケ年の
計画といたしまして、第一
年度、今
年度におきましては
庶民住宅を、
國庫補助の
庶民住宅を五万戸、それから
融資による
住宅を五万戸、それから
重要産業関係の
労務者住宅を四万戸、十四万戸建設するという
建画を立てまして、これに基いて
予算の
要求をいたしたわけであります。それに対しまして
國庫補助の
住宅が
只今申しましたように、この半分弱にな
つております。それから
融資による
住宅についてはまだ未解決にな
つておりますので、これにつきまして我々としましては極力この実現に努力したいというふうに考えておる次第であります。尚この
融資による
住宅でありますが、これはいろいろな
方法が考えられるのでありますが、結局非常に
長期で非常に
低利な
資金でなけれどならんということから
全額政府出資としまして一應
予算の
要求をしたわけでありますが、それが今度の
予算が認められませんでしたので、これを実現する
方法としましては何か別途の
方法を考えなければならんわけでありますが、希望といたしましては対
日援助見返り資金千七百五十億円を
特別会計として計上されております、この中から支出するように考える以外に
方法はないのじやないかというふうに思
つております。以上でございます。尚対
日援助見返り資金、これは
特別会計の方でございます。