○参事(
近藤英明君) 二十五年度の本院
関係の予算につきまして、中村小
委員長からの御要求によりまして、中村小
委員長本日出席いたしかねられまするので、私に原稿によ
つてこちらに申上げるようにということでございますので、中村小
委員長に代
つて申上げます。
今回
臨時國会の召集が決まりましたにつきまして、
臨時國会に要する経費の要求をいたさなければなりませんが、これを要求いたしますにつきましては、來年度の予算の概要を速かに協議
決定しなければならん
事情に迫られましたので、中村小
委員長といたされましては、
事務局といたしまして速かに來年度予算の立案をするようにということで、來年度予算の立案をいたしました。そこでそれを用意いたしましたものにつきましては、中村小
委員長は檢討を加えられて、庶務小
委員会に速かにかけられたいという希望でおられましたところ、丁度中村小
委員長の御上京の当時、庶務小
委員の方が御在京中でない方もあられましたので、一應庶務小
委員長といたしましては、この程度で進めて、そうしてこれを
運営委員会に自分がおれば出掛けて御
説明申上げるが、おらない場合はこの原稿によ
つて御
説明申上げるようにということを託されておりましたので、御
説明申上げます。
二十五年度歳出予算の概要について申上げます。二十五年度の
参議院における歳出予算の概算要求額は、
参議院の分六億四千百五十二万三千円、彈劾裁判所の分三千五百五十万一千円、計六億七千七百二万四千円でございまして、これを前年度の予算額に比較いたしますと、
参議院の分四億八千九百八十二万七千円、彈劾裁判所の分三百五十九万一千円、計四億九千三百四十一万八千円に比較いたしますと、
参議院の分におきまして一億五千百六十九万六千円、彈劾裁判所の分におきまして三千百九十一万円、計一億八千三百六十万六千円の増加とな
つております。
以下お
手許に差上げてあります印刷物の事項別に從いまして、その内容を概略申上げますと、
第一に
國会の
運営のために必要な経費でありますが、これは次の行の1の議員に関する経費というところから、1の法制局に関する経費というところまで、七つの事項を合計した数字でございます。
1の議員に関する経費から申上げますと、來年度は議員の半数の改選期に当りますので、五月に改選されるとしますれば、五月分の歳費は新旧両議員の分が重複することとなりますので、議員百二十五名及び祕書百二十五名の各一ケ月分の歳費と手当を重複して計上してありますのと、かねて懸案とな
つております議員の滞在雜費の現行日額二百円を五百円に増額し、祕書手当の月額七千円を九千円に増額するのとが、前年度に対する増額の主なものであります。
2の
常任委員会に関する経費の増加には、かねて
國会法の改正が次の国会であるといたしますれば、電氣通信
委員会の設置があることと一應想像いたされますので、これに伴ないまして、
專門員、
調査員、
調査主事各二名の増員を要するのと、それに
関係して雇員の増置、
委員会旅費の増加、委託
調査に要する経費及び廳用諸費の増加と、継続
委員会における審査手当の現行日額三百円を滞在雜費との権衡上七百五十円とするための差増がその主なものであります。
3の檢察及び裁判の
運営に関する
調査に必要な経費は、法務
委員会に属するものでありまして、前年度と同額を計上してございます。
4の社会保障
制度に関する
調査に必要な経費は、厚生
委員会に属するものでございまして、前年度は僅かに六十万円でありまして、
委員会活動の円滑を期することが相当困難でありますので、これに増額し、前の檢察及び裁判の
運営に関する
調査の経費と同額を計上いたしてあります。
5の特別
委員会に関する経費は、
從來賄費のごとき最小限度の経費は予備経費の中から支出して、その他は一般経費から支出いたしておりましたが、そういたしますことから生ずる非常な無理がありますから、來年度からは本予算の方に計上したいと
考えて要求したものであります。而してこの内容は、特別
委員会ではございませんが
両院法規
委員会と海外同胞引揚に関する特別
委員会と選挙法改正の特別
委員会と、以上三者を対象として計上したものでございます。
6の
事務局に関する経費は、御
承知の
通り、
公務員法施行に伴い人事担当官の充実というものが
人事院関係から求められておりますので、これに要する人事の
関係の担当者の充実と、それから警備事務の充実を図るため、参事二名、主事二十八名、主事補三十二名、計六十二名の増員に要する経費、衞視の訓練に要する経費、医療設備の充実並びに廳用諸費の増加等が計上してございます。
7の法制局に関する経費は、渉外課の設置及び人事事務処理のため、参事三名、主事三名、主事補四名、計十名の増員に要する経費、立案資料蒐集のために要する旅費、法令集その他の印刷費、廳用諸費の増加に要する経費等が計上してございます。
第二の職が手当等に必要な経費の増加は、前に申上げました増員に伴う諸手当、超過勤務手当等の増加と、新たに
國会に派遣される警察職員のために要する地方警察費の分担金がその主なるものでございます。この地方警察費分担金は、現在までは
國会のために、警察官を
議長指揮下に入れるために派遣をしておりますが、これは警視廳の負担とな
つておりますので、それが妥当でないという
趣旨から國の予算にその経費を計上すると、かような趣意でございます。
第三の
参議院の営繕に関する経費は、來年度の予定といたしまして、議員宿舎設置の御要求が段々ございますので、この点を考慮いたしまして、議員宿舎の新営費といたしまして四千七百八十三万五千円、それから議員会館が完成いたしましたのでございますが、議員会館の從業員の寄宿舎が必要と相成りますので、この方に四百二十四万八千円、それから自動車車庫の新営費といたしまして一千五百八十六万円、法制局廳舎の新営に要します経費一千六百三万一千円、特殊職員、ここに泊らなければならん職員等の詰所の経費といたしまして二千三百六十七万円、それから衞視の訓練等に要しまする設備をいたしますのに要する経費七百六十二万五千円、それから職員の厚生施設としての運動場設置のため旧陸軍省の跡等を地均しいたしまする経費といたしまして百九十万円、及び各所の修繕に要しまする経費が三千三百九十六万五千円と、これらの営繕に伴います事務
取扱費といたしまして三百九十二万九千円、計一億五千五百六万三千円を計上してございます。
第四の予備経費は、前年度と同額に計上してございます。
次に第五の彈劾裁判所の
関係でございますが、彈劾裁判所の
運営に関する経費が、前年度に比較いたしまして三倍余に増加をいたしますのは、現在彈劾裁判所の機構は裁判員十四名、予備員八名で構成されておりますが、仮に裁判官の全部が忌避された場合は、代
つて審理することができないという
状態でありますから、裁判員、予備員ともに現在の二倍とし、尚
事務局えも直接法廷事務等に関與する職員を増置し、二部制としてその障害を除去し、且つ事務職員を充実するための必要な経費を計上したものでございます。
第六の裁判所営繕に関する必要な経費は、彈劾裁判所は現在法廷その他は赤坂離宮内に置いてありまして
事務局は
参議院の一室に置き、会合の都度両者の間を往復して、且つ何れも一時的の間借りで間に合わせておりますので、非能率的で不便多く、長くこのままで行くことは到底堪えられないので、訴追
委員会の廳舎と併せまして適当の場所に新築するためこの経費を要求したものでございます。以上簡單でございますが
昭和二十五年度の
衆議院及び彈劾裁判所の概算要求額の
説明を申上げたわけでありますが、大藏省との折衝等につきましては、前年度の例によりまして事務当局をしてこの折衝に当らしめ、その結果によりましては、庶務小
委員会並びに当
委員会等と庶務小
委員長が連絡の任に当りまして、
皆さん方に御連絡をしてそれを進めたい。かように
考えておる次第であります。
以上中村小
委員長からの御報告でございます。尚これに伴ないまして、この基と
なつた今度の
臨時國会に要します経費といたしましては、これは全く算術的なものでありますが、
臨時國会を開きますと職員の超過勤務手当といたしまして七百七十余万円ばかりの要します。それから議員の應召旅費、滞在雜費等に要する経費六百二十万円見当必要であります。それから議案類の印刷に要します経費が千五百万円ばかりどうしても必要でございますが、その他併せてこれらの算術的合計は二千九百七十五万一千円ばかりになりますので、そういうことで要求いたして参りたいと思います。