○内村清次君 この只今の御説では職員の待遇の補助について、これは十八條で「前條の場合において、会社は、
当該職員が
讓渡の際に有する待遇に相当する待遇を保障しなければならない。」この一項が書いてありますね、いわゆる現在の職員の釈與をそのまま保障しなくちやならない、これはですね、いわゆる待遇上の保障の点については、これで万全だというようなお
考えはどうかと思うのですね、そこでこれは引継のときにはつきり現われた現象でありまして、
國有鉄道なるが故にこれは相当この人員も余計に收容しようと、同時に又その收容した
範囲内においては、勿論当時は
國有鉄道の方の職員の素質の点や、又
將來國有鉄道の從業員としての技倆その他の観点から、或いは幾らか、これは比較して見ますと、公職というような問題も起
つてはおりましたが、一應これは
國有鉄道に引継がれた從業員というものは、もう職は安定するのだ、如何なる経済
状態の変動があ
つても一應その職は安定するのだという前提の下に立
つているのですね、ところがこの
法案においては、これは相当待遇を保障しなくちやならないという一項だけであ
つて、事実この
経営上から見てみますと、やはり現在のこの戰時中に買收されたところの
鉄道というものは、これは五億その他の赤字があるのだということは、発議者自体も認めておられるのですね、それでここの線別の
経営状態を、ここで具体的にお互い、発議者と又我々とで檢討とて行きたい、これはこの委員会といたしましては実に重大なことでありますから、して行きたいのです。又私達はそれを希望するのですが、併しながら先ずそれは暫く措くといたしまして、そういうような経済
情勢の下に引継がれた赤字の会社に今後引継がれるような人たちは、やはり自分の職というものに対する心配というものは非常に多いのですね、同時に現在從業員のすべてが反対しておるのであります。それで反対しておるところのその会社に引継がれて行
つて、これはもう実際食うに食われないからして結局不満ながら残る人も、それはあるでしよう、あるでしようけれども、それは丁度やはり戰時中において強制的にやられた方策と
一つも変らないような
状態が浮かんで來るのですね、これはこの
法律一片で、これはあなた方は保護法が出ておるから安心だというようなことを言うが、実際の
状態は決してそうじやない、これは明らかなものです、そういうような不安な
状態に陷らせるような從事員を、その代表を一人入れて、或いは二人入れて、その
讓渡計画に対して発言権を持たせるということは、これは当然である、私はこのコーポレーション移行のときにも、これは当然労働者の代表を入れるべきだということは、党一本の姿としても主張したわけです。この
状態というものは、やはりアメリカの
鉄道にも、イギリスの
鉄道はもう勿論ですが、労働者代表のおらないところの管理委員会だとか、
審議機関だとかいうものはないのです。こういうようにやはり労働者の代表を入れて、職員の代表を入れて、そうして労働環境や或いは又職員の今後の
状態についてやるというようなことは必要であるが、そういうようなところのない
法案ですね、ただ外面、形式をどんなに
審議しましても、形式を飾るような
状態と私達は思いますが、この点についてはどうですか。