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1949-05-13 第5回国会 参議院 運輸委員会 第17号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十四年五月十三日(金曜日)
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
船舶運営会
の
船員
の
退職手当
に関す る
交付金
を
船舶所有者
に
交付
する法
律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
運輸省設置法案
に関する件 ○
水先法案
(
内閣送付
)
—————————————
午後三時二十四分開会
板谷順助
1
○
委員長
(
板谷順助
君) これより
委員会
を開会いたします。 「
船舶運営会
の
船員
の
退職手当
に関する
交付金
を
船舶所有者
に
交付
する
法律案
」を
議題
に供します。先ず
秋山政府委員
から
内容
の御
説明
を願います。先般
運輸大臣
が
提案
の
理由
は
説明
をされておりましたが尚更に
秋山政府委員
よりその
内容
について御
説明
申上げます。
秋山龍
2
○
政府委員
(
秋山龍
君) 先般四月一日より
船舶運営会
の
傭船
の形式が
裸傭船
が
定期傭船
に
切換
えられるに伴いまして、
船舶運営会
の
陸上職員
並びに
船員諸君
が
船舶運営会
を退職いたしまして、新たに
船主
に雇傭されるということに相成るのでありますが、その際の
陸上職員
並びに
船員諸君
が
船舶運営会
に雇傭されておりました
期間
に対して
退職手当
を支給しなければならないということに相成るのであります。これにつきまして、先般
退職手当
のない月が認可されておりまするのでこれに
從つて支拂
う、尚
船員
につきましては
船主
が交替することによりまして
船員法
に定められましたところの
雇止め手当
を支給するということがあるのであります。この二項目の大体
現金
によ
つて
支拂われるのでございますが、
船員諸君
からは
雇止め手当
では
退職手当
として十分でないので
退職手当
を支給して貰いたいというような
要望
がございますので、種々
政府
において檢討いたしました結果、総額約四億五千万円の
範囲
内において
退職手当
を
交付
することにいたしたのでございますが、
船員諸君
は
傭船等
の
切換
へに伴いまして、
現実
に職を失うのではなくて、單に
傭主
が変るということであります。從いまして本当の失業手当的な
意味
はございませんので、又
船員諸君
としても直ちに
現金
を受取らなければならない
理由
もございませんので、
通貨対策
の
意味等
も考え合せまして、この
退職手当
に相当する
金額
は、これを
船舶所有者
に
交付
いたしまして、そうして
船舶所有者
から
現実
に
船員
が退職いたしまする場合に、その
金額
を
交付
せしめるということにいたすのが最も適当と考えるのであります。尚この
金額
は
船舶所有者
に
交付
いたしまするが、
船舶所有者
はこれを如何なる
目的
に使い、如何なる
保管方法
を講じてもよろしいわけでございますが、これを余り自由にいたしますことは、
退職手当
を
船員諸君
に代
つて船主
に
交付
した
趣旨
に反しまするので、その
使用
につきましては本人の
退職手当
として
交付
すること以外に
使つて
はならないということにいたしたのであります。尚この
現金
を受けました
船舶所有者
は、この
金額
を保管する上におきまして、
利子
その他の
金銭
上の
利益
が生じて來るわけでございますが、この
利益金
につきましては、これはこの
退職手当
を受ける
船員側
の要求もございまして、これを
船員
の
福利厚生施設
その他
運輸大臣
の指定する
用途
に使う、かように定めた次第であります。これが本
法案
を特に
提案
するに至りました
経過
でございます。
小泉秀吉
3
○
小泉秀吉
君
只今
の御
説明
の中で、
法律案
第三條の事項につきまして、第一は
交付
を受けた
金額
を
現状
の
目的
以外の
目的
で
使用
してはならないということ、並びに第二項におきまして、
利子
その他
金銭
上の
利益
が生じたときは、
船員
の
厚生福利施設
に使うということに対してはつきり
運輸大臣
が
使用
を
監督
するようなふうにな
なつ
ておるようでありますけれども、
政府
としては、こういうものに対して誤
つた使用
をしないというようなことを対する
監督
の
方法
なんかお考えに
なつ
ておりますか、それを伺いたいと思います。
秋山龍
4
○
政府委員
(
秋山龍
君) お尋ねの点に関しましては、立案に当りましていろいろと
研究
をいたしたのでございますが、
退職手当
の支給を受ける
権利者
でありまする
船員
は、
全日本海員組合
という非常に強力にして、且つ立派な
組合
を組織されておりますので、この
組合
と
船主側
との協約に任しておくならば決して
権利者
の
利益
を害されることもないだろうし、又第二項の
福利厚生施設
につきまましても、最も合理的なる
方面
に使われるであろうというような見地から、特に詳しい
監督
的な
規定
も設けなかつたような次第でございますが、併しこの協定が円満に成立し得ないいろいろとそこに
意見
の
食違い
があるというような場合におきましては、
運輸大臣
にしましても、その仲介、斡旋その他の労をと
つて
行きたいとかように考えておるような次第であります。
板谷順助
5
○
委員長
(
板谷順助
君) よろしうございますか。
小泉秀吉
6
○
小泉秀吉
君 そうしますと、この
法律
の第三條を円満に行使するというためには、
運輸大臣
が
責任
を負うということに了解してよいのでございますね。
秋山龍
7
○
政府委員
(
秋山龍
君) 第三條の文面からいたしますというと、
運輸大臣
が直接
責任
を負うということには
なつ
ておらないのでございまして、
從つて
第一次的にはその
責任
は
海員組合
なり
船主側
なりにあるとかような
意味
であると思いますが、併し
運輸大臣
は
福利厚生施設
の
使用
、
用途
その他につきまして、一應指定する
権限
も持
つて
おるわけでありますから、その
範囲
におきましては
十分監督
上の
責任
を感じておる次第でございます。
板谷順助
8
○
委員長
(
板谷順助
君) そうすると
利益金
を
船員
の方で
福利厚生施設
その他
運輸大臣
の指定するということであるが、何か総局の方では
成案
でもあるのでございますか。
秋山龍
9
○
政府委員
(
秋山龍
君)
只今
のところ
成案
は持
つて
おりません。
板谷順助
10
○
委員長
(
板谷順助
君) 外に御
質疑
はありませんか。それでは
質疑
は終ることにいたしました。これより討論に入ります。別に御発言もないようでありますから、直ちに採決に入ります。
本案
に
原案通り賛成
の
諸君
の
挙手
を願います。 〔
総員挙手
〕
板谷順助
11
○
委員長
(
板谷順助
君) 全会一致可決すべきものと
決定
いたしました。それでは
委員長
の
口頭報告
は例によりまして
委員長
にお任せを願いますと共に多数
意見者
の
署名
を願います。 多数
意見者署名
飯田精太郎
小野
哲
丹羽
五郎
植竹 春彦 大隅 憲二
小泉
秀吉
入交
太藏
板谷順助
12
○
委員長
(
板谷順助
君) 次に御
相談
をいたしたいことは、
運輸省
の
設置法
の
修正要領
の案が大体
專門員
で
纒め
たものができましたので、これを朗読いたします。 第一 方針
海陸運輸
の
行政事務
を一体的に遂行し、且つ
日本國有鉄道
の
公共企業体
としての自主的且つ能率的な
運営
に支障なからしめる。 第二
修正要領
一、
運輸省
の
権限
1、
船員保驗行政
を加へる。 2、
道路行政
を加へる。 3、
自動車
の
製造工業
に関する
行政
を加へる。 二、
運輸審議会
1、
運輸審議会
の
諮問機関
としての(
決議機関
にあらざる)
性格
を明らかにする。 2、
國会閉会
中
運輸審議会
の成立を可能ならしめる
事前措置
を講ずる。 三、
本省内部部局
1、
海運局
の
海運調整部
を廃し、
大臣官房
に
運輸調整部
を置く。 2、
鉄道監督局
を廃し、
國有鉄道監督局
、
民営鉄道監督局
を置く。 四、
本省附属機関
1、
海難審判所
を
本省附属機関
とする。 2、
鉄道技術研究所
を置く。 五、
地方部局
東北六縣の
管轄区域
を
陸海同一区域
とする。 以上が大体
專門員
の間で先般來の
諸君
の御
意見
をここで
纒め
てあるわけでありますが、
衆議院
の方では
大分字句
の
修正
もあり、細かくあるようですが、これはこちらの
專門員
の案と一致しておる点と一致せざる点はどういう点ですか、それを
一つ
伺いたい。
岡本忠雄
13
○
專門員
(
岡本忠雄
君) 一致しておる点は
審議会
の
性格
の問題、それだけでありま4。後は細かい部分的な
修正
が非常に多いのであります。
衆議院
の方では……、外にはございません。
板谷順助
14
○
委員長
(
板谷順助
君) その
字句
の点も
説明
して下さい。
古谷善亮
15
○
專門員
(
古谷善亮
君)
衆議院
の
修正案
として傳えられておりますところのものは、先ず四條の第一項三十四号中の
改正
でありまして、これは
司法警察職員
の
職務
を行う者を指名し、又は指名する者を定めることに
原案
が
なつ
ておりますのですが、
修正意見
としては指名する者を定めるというようなふうにしたいというわけであります。 それから次は同じ
條文
の四十一号の「
自家用自動車
の
使用
を調整すること。」というのがございますが、これに
修辞句
を加えまして「
道路運送法
の
目的
に適合するように」という言葉を被せよう、こういうわけなんであります。 それから次は六條の問題でございまして、六條の問題は、ここに出ております
運輸審議会
と、
趣旨
は一致しておるのでございまして「
運輸審議会
にはかり、その
決定
を尊重して、」というのを「
運輸審議会
の
意見
を徴し、その
意見
を尊重して」に改める。即ち
諮問機関
の
性格
を明らかにしようというわけなんであります。 それからその次は八條の三項では、
法律案
は
運輸審議会
に
会長
を置き、その
会長
は
次官たる者
を以て充てることに
なつ
ておりますが、それを「
委員
の互選により」というふうに直したい、こういうわけなんであります。 それから第十四條が小
委員会
の
規定
がございますが、この小
委員会
の
規定
を全部外しまして、それに代えるに
兼職禁止
の
規定
を置こうというのであります。その
兼職禁止
の
規定
を読んで見ますと「
委員
は、
運輸審議会
の
承認
及び
運輸大臣
の
同意
のある場合を除く外、報酬のある他の
職務
に從事し、又は商業を営み、その他
金銭
上の
利益
を
目的
とする
業務
を
行つて
はならない。」という
兼職禁止
の
規定
を置くわけでございます。 次は二十條でございますが、二十条の第四項に、各局の長がその
所管事務
に関しまして、
運輸大臣
の指揮に
從つて運輸審議会
の
決定
を実行に移す
規定
があるのでございますが、これも先程の
運輸審議会
の
性格
を
諮問機関
に一致させるために、「
運輸審議会
の
決定
」という
文字
を「
運輸審議会
の
意見
」こう改めようというわけでございます。 それから次は四十六條の第二項でございます。四十六條の二項に
港湾建設部
は、臨時の
事務
といたしまして、
所掌事務
に関する
指定生産
の
資材等
の割当及び監査に関する
事務
を掌る
規定
に
なつ
ておりますが、この「
所掌事務
」というのを詳しく書きまして、或いは限定と申した方が適当かも知れませんが、これを限定いたしまして、「
港湾
及び航路の
建設
、改良及び保存」というふうに改めたい、こういうのでございます。 それから次は五十四條の第一項、五十四條は
道監
に代るべき
分室
に関する
規定
でありまして、その
原案
は「
運輸大臣
は、
局務
の一部を分掌させるため、
所要
の地に、
陸運局
の
分室
を
設置
することができる。」云々というのでありますが、これに対しまして、「当分の間」
所要
の地に
分室
を
設置
するという、「当分の間」という
文字
を加えたいというわけでございます。 それから次は五十
五條
の第一項中の「
道路運送法
」という下に「(
昭和
二十二年
法律
第百九十一号)」とある、その括弧があるのを削ろうというのであります。それから後は
附則
の問題でございます。
附則
の問題は、
大変修正意見
といたしましては、くどくどしく書いてございますが、その
要点
を申上げますというと、
附則
に新らしい
條項
が三つ加わるのであります。その新らしい
條項
と申しますけれども、結局
運輸審議会
の
委員
を
任命
いたしますための
事前措置
でございまして、これを三項に分
つて
ございます。その項を
順序
に申上げますというと、第一は「第九條第一項の
規定
による
運輸審議会
の
委員
の
任命
のために必要な
行爲
は、
前項
の
規定
にかかわらず、
昭和
二十四年六月一日前においても行うことができる。」というのでございまして、その第二の点は「この
法律施行
の際、
國会
が
閉会
中である場合においては、
内閣総理大臣
は、第九條第一項の
規定
にかかわらず、両
議院
の
同意
を得ないで
運輸審議会
の
最初
の
委員
を
任命
することができる。」という点であります。次の第三番目は「
内閣総理大臣
は、
前項
の
規定
により
運輸審議会
の
委員
を
任命
したときは、
任命
の後
最初
に召集される
國会
において
当該委員
の
任命
について両
議院
の事後の
承認
を求めなければならない。その
承認
を経ることができなかつたときは、
内閣総理大臣
は、第十一條の
規定
にかかわらず、その
承認
を得ることができなかつた
委員
を遅滯なく罷免しなければならない。」この三項なんであります。要しまするに、
國会閉会
中で、
運輸審議会
の
委員
の
任命
ができませんような場合を予想いたしまして、その
準備的法律的措置
を
規定
いたしたのであります。この三点がそれぞれ
附則
の第二項、第三項、第四項、二、三、四というふうになりました結果、
附則
の項の
順序
がそれぞれ上り、下りいたすわけなんであります。 そうして尚
最後
に、
分室
を置く
規定
につきましても、同様な
措置
をいたそうというので、
附則
の終りに二項新らしい
條項
を加えております。その
一つ
は、「やむを得ない必要があるときは、
運輸大臣
は、
豊方自治法
(
昭和
二十二年
法律
第六十七号)第百五十六條第四項の
規定
にかかわらず、
國会
の
承認
を経ないで
陸運局
の
分室
を
設置
することができる。」その次の項は「
運輸大臣
は、
前項
の
規定
により
陸運局
の
分室
を
設置
したときは、
設置
の
終最初
に召集される
國会
において
当該陸運局
の
分室
の
設置
について
承認
を求めなければならない、その
承認
を得ることができなかつたときは、
運輸大臣
は、その
承認
を得ることができなかつた
当該陸運局
の
分室
を遅滯なく廃止しなければならない。」これも先程読み上げました
運輸委員
の認免の
事前措置
と同様に、
分室設置
の原則に当るものであります。 以上が
衆議院
の
修正意見
でございまして、相当
字句
的に細かしい点が多いのであります。
板谷順助
16
○
委員長
(
板谷順助
君)
衆議院
の
修正
は具体的にでなく、ただこういうものを出しておる、第何條をどうする、そういうことは……。
岡本忠雄
17
○
專門員
(
岡本忠雄
君) 昨日の話で、先ず
委員会
の議を
纒め
て、その決まつたところで
修正案
を出す。こういうことのようですから、それが今日議が纒まるならば直ぐできます。さように御了承願います。
板谷順助
18
○
委員長
(
板谷順助
君) どうですか、
衆議院
の
修正
は今聞くところによると、大体当を得ておるように思いますがね、併しこれは無論これはオーケーを取りに出してあるのかどうか、そこまで聞きませんか。
古谷善亮
19
○
專門員
(
古谷善亮
君) それは聞きません。
板谷順助
20
○
委員長
(
板谷順助
君) それから
衆議院
の
修正意見
にないのがこちらの綱要に相当あるが……。どうですか、今の
衆議院
の
修正案
は……。
小野哲
21
○
小野哲
君 これは
衆議院
の
運輸委員会
の
修正案
のように聞いているのですが、
從つて衆議院
の
内閣委員会
でこの
修正
に
同意
しておるかどうか、この点は如何ですか。
板谷順助
22
○
委員長
(
板谷順助
君) それは私もどうも分りませんが、或いはただ
内閣委員会
に書面を以てこういう希望であるということを申し出てあるくらいの
程度
であるのですか。
小野哲
23
○
小野哲
君 私もその間の
事情
はよく存じませんけれども、
運輸委員会
としてこういうような案が纒ま
つて
いるのではなかろうかと推測をするわけなんです。
從つて
こちらも
衆議院
の
運輸委員会
の
修正意見
の中で同調し得るところもありましようし、又追加しなければならない点もありましようから、一應この際どういう
修正案
に
纒め
るべきかということについてこの
委員会
で御
相談願
つたら、かように思うのです。
板谷順助
24
○
委員長
(
板谷順助
君) それで今伺
つて
いるのですが……。ちよつと
速記
を止めて……。 〔
速記中止
〕
板谷順助
25
○
委員長
(
板谷順助
君) それでは
速記
を始めて。 それじや
水先法案
を
議題
に供します。先般
提案理由
については
運輸大臣
から
説明
がありましたが、尚
内容
について
政府委員
からもう少し詳しく御
説明
願います。
山崎小五郎
26
○
政府委員
(
山崎小五郎
君)
水先法
の
改正
につきまして先ず簡單に
経過
を申上げます。これは
終戰直後水先法
の
改正
ということが、
日本
の
船舶
のみならず
外國
の
船舶
にも直接関係いたしますので、
改正
の
要望
が各所にありまして、
改正
に取
掛つたの
でございます。
國内的
にも
船主
、
船員
の側、
水先人
らの側のそれぞれの
関係者
が集まりましていろいろ檢討を加えたのであります。
関係方面
の方におきましてもいろいろ
意見
がありまして、前の
國会
には遂にその
改正案
が間に合いませず、一部
改正案
、わゆる
水先人
の
年齢制限
の撤廃だけの
改正案
が出たわけでありますが、その後引続き
研究調査
をいたしました結果、本日ここに
提案
せられておりまする
通り
の
改正案
ができまして、御
提案
をいたしますような次第であります。先ず
改正
の
要点
でありまするが、第一に、前の
水先法
におきまして、
水先人
の
資格
を必ずしも
日本國民
に限らないでよろしい、
外國人
でもよろしいということに
改正
をいたしましたが、これを又再び
最初
の
水先法
と同じように、
日本國民
たることに復活をいたしたのであります。これは
憲法
の
趣旨
すら申しますると、
日本
人と
外國人
と
差別待遇
をしてはならないという
精神
に悖るものではないかという一應の
考え方
もございまするが、
水先業務
というような特殊の
業務
、即ちその
港湾
、海峡につきまして、普通の人以上に通曉して置かなくちやならないとい特殊な
事情
がありまする仕事を、ただ形式的な
公平主義
から
外國人
でもこれを許すということは、
却つて業務
の公正に且つ完全にできない虞れがあるということで、世界各國の例をとりましても、大体自
國民
に限
つて
いるということが慣習的に
なつ
ておりますので、再びこれを
日本國民
だけに
限つたの
であります。これは
関係方面
におきましても
十分了解
を得ている点であります。次の点は、
從來
は
水先人
の
受驗資格
といたしまして、二千トン以上の
船舶
に二年間以下
乘込
んだ
船長
ということに
なつ
ておりましたのを、
実情
に即しまして、千トン以上の
船舶
に二年以上
乘込
んだ
船長
であるということに緩和したのであります。それからその次は、
原案
におきましては、
水先人
の
欠陥條件
といたしまして、
家賃分散者
、
破産者
というふうなものまで
欠陥條件
に入れてありましたが、新らしい
憲法
の
精神
から申しまして、
体格等
で惡い者は当然削除されまするが、こういう者まで
欠陥條件
にすることは穏当でないということで、こういう点を新らしい
憲法
の
精神
にならいまして緩和いたしたのであります。これは
水先人
の
資格
につきましての
改正
になりました、大きな
要点
であります。その次が
水先人
の
免状
を五年毎に更新することにしたのであります。これは、
從來水先人
は一度
水先人
の
試驗
を
通り
ますと、特別な場合がない限りは大体死ぬまでその
免状
を持
つて
お
つたの
でありまするが、いろいろ
身体等
の
変化
もありますし、或いは
水先
の地域の
情勢
に
変化等
もありまして、これを永久的にすることは
水先
の
使命
の
重大性
に鑑みまして適当でない、常に
水先人
の
素質
を向上し、
技術
を向上するという
趣旨
から五年毎にこれを更新することにいたしたのでありますが、尚且つ
水先人
の
身体檢査
を毎年定期的に行い、或いは必要ある場合には随時的に行い得ることにいたしたことであります。 次の点は、
強制水先制度
を採用したことであります。これは
從來
の
日本
の
水先制度
は
任意水先制度
に
なつ
ておりましたが、
関係方面
その他
研究
をされました結果の
意見
が総合されまして、
日本
におきましても
強制水先制度
を採用いたしたのであります。その
強制水先
の対象になるまする
船舶
は、
外國船舶
、それから
外國
の港に航行する
船舶
又は
外國
の港から
日本
に航行する
船舶
、
日本
の沿海を航行します
船舶
につきましては、五百トン以上の
船舶
であ
つて旅客船
であり且つ
貨物船
であるものが、
強制水先
の限度に
なつ
ております。大体
強制水先
の
予定地
は、この
法律案
が
通り
まして
水先審議会等
に諮りまして、決めることに
なつ
ておりまするが、一
應十七港程度
の重要なる港が
強制水先
の
予定地
になることに
なつ
ております。 それから
水先業務遂行
に関しまして、
水先人
と
船長
とのいろいろの
業務遂行
に関します諸
規定
を
現状
に即するように
改正
した点であります。これはその主な点を申上げますると、
水先人
の、
從來
は
定員
の
最高制限
が置かれてお
つたの
でありますが、今度は
最低定員
を法規で決める。それから
水先人
以外の者を
水先人
に
使用
することを制限したこと、それから
水先人
の
應召義務
、それから
水先人
に対しまする
船長
が乘下船の
安全措置
を講じなければならん義務、或いは
水先人
を
水先
区以外に連行してはならないということ、或いは
水先修業生
に関する
規定
、それから
水先料金
の
基準
というものを
法律
で決めるというようなことが
改正
の主な点であります。 その次は
水先人
又は
水先人組合
に対しまする
政府
の
監督権
を整備縮小したことであります。
從來
は
水先業務
が公益的な
使命
を持
つて
いることから、相当強い
監督権
を
政府
が持
つて
お
つたの
でありまするが、新らしい
憲法
その他の建前から行き過ぎに
なつ
ておりまするので、これを是正した点であります。
最後
に、
水先審議会
というものを
設置
したのであります。これは
水先制度
の
運用
というものが非常に
利害関係
が
複雜
でありますのみならず、又それに対しまする
罰則
の適用、或いは
業務制裁
、或いは
水先免状
の
禁止
、
停止等
の処分というものが、非常に
水先人自身
にとりましても
利害関係
が非常に重大でありますので、
水先審議会
というものを設けまして、
水先制度運用
に関しまして、或いは
制度
に関しまする重要問題を
委員会
に掛け、或いは
諮問
をいたしましてやるように
なつ
たわけであります。
最後
に
罰則
を整理したのでありますが、
從來
の
罰則
は大体罰金が非常に軽い
金額
に
なつ
ておりまして、現在の
経済情勢
から見て適当でございませんので、現在の
実情
に副うように
罰則
を
改正
したのであります。大体
水先制度
の
改正
の
要点
を申上げますと以上であります。
板谷順助
27
○
委員長
(
板谷順助
君)
本案
に対して御
質疑
がありましたらどうぞ。
丹羽五郎
28
○
丹羽五郎
君 第四條の
水先修業生
の
実務期間
と言いますか、それには
省令
で定めるということに
なつ
ておりまするが、大体
政府
はこれに対して何年間ぐらいの
実務期間
を考えているのですか。
山崎小五郎
29
○
政府委員
(
山崎小五郎
君)
政府
といたしましては、
水先修業生
の今の
実務期間
は、現在の
法律
におきましては大体三ケ月ということに
なつ
ておりまするが、今後
水先人
の
素質
を向上いたしまする
意味
におきまして、六ケ月
程度
ぐらいのものが適当ではないかと思
つて
おります。併しこの
修業期間等
につきましても、この
法律
ができまして発足いたしまする
水先審議会
によく諮りまして、
実情
に即しまして決めたいと思
つて
おります。尚この
修業生
は
水先人
となりますときに、又実際の
免状
の
試驗
を受けることに
なつ
ておりますので、そういう点につきましては万全の策をいたしたいと思います。
丹羽五郎
30
○
丹羽五郎
君 連続しますが、第十三條の
最後
の方にあります「
日本國民
又は
日本國法人
の経営に係るものが、
省令
で定める
海技免状
の
裏書
によ
つて
当該港又は
水域
の状況にくわしいことが明らかな
船長
又は
航海士
により導かれるときは、この限りでない。」、これは十四條と十
五條
にも関連のあることですが、
水先人
の
免状
を持たなくても、
裏書
があればやれるようにこの
法律
では決めておりますが、而もこれは十四條、十
五條
にもそれを
はつきり條文
で認めているのですが、これは
裏書
の
認定條件
というものは、どういうような
認定條件
を
政府
は考えているのですか、その点をお尋ねしたい、これは非常に重要なことを存じております。
山崎小五郎
31
○
政府委員
(
山崎小五郎
君)
強制水先
を大体やりますが、そういう港におきまして、
船長
又は
航海士等
におきまして、その
水先区域
におきまして大体その
実情
に非常に詳しいということを認定するのでありますが、この
認定基準等
につきましても
水先審議会
で決めたいと思
つて
おりますが、大体私共の方の
考え方
といたしましては、その
水域
に何年、或いは、何回くらい
航海
をしているが、或いはその乘
つて
おります船が殆んど定期的にその港或いは
水域
を通る、そういうような
條件
から
船長
又は
航海士
にその
裏書
をするようにいたしたいと思います。
丹羽五郎
32
○
丹羽五郎
君 そうしますると、
罰則
の方には、
免状
の
裏書
によ
つて水先人
を代行した場合に何か過失があつたときに、この法文を犯した場合のこれの
罰則規定
が
一つ
も書いてないのですが、そうすると
水先人
は
罰則
を受けるが、
裏書
した
免状
の
所有者
であつた場合には、
罰則
を受けないでもいいということになるのですか。
山崎小五郎
33
○
政府委員
(
山崎小五郎
君) これは一
應水先人
の方につきましては、これは結局
水先
をします船の相手が外の船をや
つて
おりますので相当
責任
がありますので
罰則
を受けますが、この場合は現に乘組んでいる船を自分の
責任
でやりますので、若しそこに事故がありましたら、これは
船長
或いは
航海士
としての立場からの海事審判等も受けると思いますが、そういうことで特にそれに
罰則
を掛ける必要はないじやないかと我々は解釈しております。
丹羽五郎
34
○
丹羽五郎
君
強制水先
区域にあり、
裏書
を受けた
船長
、
航海士
は、これは入ることができ得るのでありますか。
山崎小五郎
35
○
政府委員
(
山崎小五郎
君) でき得るのであります。
丹羽五郎
36
○
丹羽五郎
君 でき得るのでありますから、尚更それをお尋ねするのであります。これは共同海損なんかにおいて大きな問題が起
つて
來ると思います。そうすると
裏書
を持つた人がやつた
行爲
は、
水先人
のや
つて
行爲
と同様に認めていいわけですね。而もその人が、
水先人
が罰せられなければならん
行爲
をしても、この
裏書
人は処罰を受けない、これは後で申上げます二十三條なんかにいろいろの
行爲
がありますが、そういう制限は何ら受けなくてもいい。仕事は
水先人
の仕事をしている、そうして反則があ
つて
も、それは
罰則
も受けずに、而も二十三條あたりにもいろいろ技能が拙劣であつたということがありますが、これは
水先人
は二十三條の処罰を受けなければならない。
裏書
人はそういう二十三條、三十九條その他の
罰則
行爲
にもそれは入らないというのであれば、非常に私は危險でもあるし、且つ
水先人
をこれ程やかましい
法律
で決めて行くにも拘わらず、そういう抜け道があるということは非常に、私はこれはこの
法律
の
裏書
ということに書いたことが、この法文を死文にしはしないかということを考えるのであります。何れ又これは後で申上げます。 それから今度十六條に関して……。十六條は「
水先人
は、
船長
の行う
水先人
を求める信号を認めたときは、正当な事由がある場合の外、直ちに、その
船舶
におもむかなければならない。」「直ちに、その舶船におもむかなければならない。」仮にこれを直ちにその
船舶
に行かずに、その船を三時間も五時間も、パイロツトが來ないために止まることが往々あるのであります。そういうものに対してこれには何らの制裁もないのでありますが、片方は行かなければならん義務をつけてお
つて
、これに制裁がないというのは、どういうわけですか。
山崎小五郎
37
○
政府委員
(
山崎小五郎
君) お説誠に御尤もでございますが、私共の
研究
いたしましたところでは、大体
水先人
というのは
水先
をすることがその営業でございますので、できるだけ営業的な立場からも應招に應ずるのではないか、従
つて
應招を受けないというケースは実際的に非常に少いであろうということが第一の点、第二の点、仮に少くても、起つた場合に不都合が起りますが、こういう場合にそこに正当な事由がなくて
船舶
の運航その他いろいろ支障を来しますと、結局
水先免状
の
禁止
、停止、戒告等の処分を受けることになりますので、それで或る
程度
の
罰則
的な……
罰則
ではございませんが、そういう
措置
で処分ができるということであります。そういうことから大体実際的に問題はないだろうと思
つて
おります。それから
最後
に実際これに刑罰を科するという
技術
的なことになりますと、この
水先
信号をいたすのが特定の
水先人
を呼ぶのでなくて、そこにおる
水先人
を來て呉れと呼ぶのでありますから、そこに三人もいた場合にどの人が應招する義務があるかないかということになりますと、刑罰ということになると非常に重大な処置をするのに執行がやりにくいという
技術
的な面もございまして、そういうふうに
なつ
ておるのであります。
丹羽五郎
38
○
丹羽五郎
君 二十
五條
について…。「聽問」がありますが、この「聽問」に対する手続
規定
を必要と考えるのですが、その点は如何ですか。且つ、私は「聽問」に対して公開をする必要はなかろうかと考えておるのですが、その公開がこれにはありません。その点を
一つ
……。
山崎小五郎
39
○
政府委員
(
山崎小五郎
君) この点につきましては我々
事務
当局として
研究
いたしましたことは、この
水先人
に対しまして、聽問をやるのが、いわゆる
行政
官廳であるとか、長官とか何とかが一人でやるのでなくて、
水先審議会
というあらゆる
方面
の知識と
利害関係
を持つた人からできておりまする機関がやるのでございますので、非常に不当なる
措置
を受ける危險というものが少いであろうという見通しの下に、この聽問は公開の聽問にする必要は少いであろうということに考えております。
丹羽五郎
40
○
丹羽五郎
君 今度は二十三條ですが、「
水先人
がその
業務
を行うに当り、怠慢であつたとき、」これは分
つて
おりますが、「技能が拙劣であつたとき、」ということでありますが、これが私達相当問題が起りはしないかと杞憂をするのです。仮に第六條で嚴重する
試驗
をやりまして、而も第四條で一定
期間
水先人
になろうとする
水先
区の
水先修業生
として実務に服しておつた者でありますから、恐らく私は技倆が拙劣であつた者であれば
試驗
にもパスしないし、又一定
期間
その
水先
区で
修業生
として修習をするのでありますから、さようなことは私は余り起らんと思うのですが、一体ここに「技能が拙劣であつたとき」というこの
範囲
ですが、これは私は客観的立場といろいろのところにおいて、この
範囲
がどの
程度
で掴んで行けるかということは非常に大きな問題であ
つて
、而もこれに対しては二十八條で、
船長
は
水先人
に第二十三條に
規定
する事由があることを知つたときは、その旨を報告せねばならん義務が
船長
に生じておるのですが、又三十二條でその事案に対しては
審議会
でその是非を
決定
するということに
なつ
て、結論は
審議会
でそれを
纒め
るようには
なつ
ておるのですけれども、その技能の拙劣ということ、仮に
船長
がその
水先人
が自分の氣に食わん
水先人
であつたりなんかした場合、とつさの場合に船を右轉し左轉しということは往々あるのですが、どちらをや
つて
みても別に結果においては差支なかつたが、右轉したやり方がこれは技能が拙劣であつたというようなことで報告をして來て、これは
審議会
でいろいろ纏めるようには
なつ
ておりますけれども、技能が拙劣であつたということに対して、
船長
がこれに対して一應この二十八條では報告をしなければならん義務がある、この
範囲
を私はもう少し明確にしなければ、ただ「技能が拙劣であつたとき」というような抽象的な言葉では、
船長
と
水先人
との間において今後私は大きな摩擦が生じはしないかという心配をするのですが……。
山崎小五郎
41
○
政府委員
(
山崎小五郎
君) 御
意見
は御尤もでございますが、私共といたして一
應水先人
というものは相当嚴格な
試驗
を受けておりますし、経驗もあるのでございますので、まあ大体において余り技能の拙劣ということは少いだろうと思いますが、ただ我々今までの経驗で聞きました例を申上げますと、
性格
的に少し、いろいろ危險な状態なんか起りますと、非常にあがつたりするというふうな事例がある、こういうのもやはり
試驗
のときにはなかなか分りにくい、いよいよ大事が起つたときに慌てるというような
性格
を持つたような人が、こういうようなことで問題を起す、或いはまあ
体格等
も毎年やることには
なつ
ておりますが、身体の衰弱その他のことから、
試驗
を受けたときには屈強の人でありましても、段々仕事が鈍く
なつ
て來たというような事例を我々は考えておるのであります。
只今
おつしやいましたように、事件が起りましたときに
船長
の立場から見れば技能が拙劣であつたと見られるが、
水先人
の立場から見ればそうでなかつたというふうな、非常にむつかしい問題が起りますけれども、いずれにいたしまししもこういう場合は一應それを
監督
官廰であります立場の役所とか、或いは
水先審議会等
におきましてもこの事件を知
つて
おりませんと、今後の
監督
或いは
措置
に遺憾な点ができますので、やはり
船長
からは、そうあつたと
船長
が認める場合には報告を貰いまして、その報告に基きまして、尚確かなこと、詳しいことは理事官或いは審判官、まあ審判官まで行きませんが、理事官或いは海上保安廰等から十分
実情
を調査する、或いはその資料に基きまして
水先審議会等
の
意見
を徴して処置を講ずるというふうに実は考えておりまして、ここで技能の拙劣なる
程度
というふうなことは抽象的の
法律
の上で書き表わすことは非常にむつかしいものでございますから、ちよつと
程度
等は
説明
しにくいのでありますけれども、大体の
考え方
は以上であります。
丹羽五郎
42
○
丹羽五郎
君 この「技能が拙劣であつたとき、」ということを特にここでお入れにな
つたの
は、私共はこの反対の立場において見て行くならば、これは
水先人
の技能を向上させる
一つ
の
目的
がここに入
つて
おるというようにも考えられるのだけれども、これは私、今二十三條と申したのは間違いでして、二十八條に
船長
からそれを海上保安廰に報告をさせて、そうして今度は
審議会
にも何か掛けて三十二條によ
つて
審議会
の
意見
を纏めるように
なつ
ておりますけれども、これはここに入れなきやならんですか、私はこれが相当大きな將來トラブルになる原因ではなかろうかと思う、而もこれだけの嚴重な
試驗
をして、又その一定の
水先
区間に
修業生
として一定
期間
そこで練習をさせて、やつた者にこういうことが必要であるかどうか、そういうことをお設けに
なつ
た立法
精神
をききたいのですが、技能の向上を図る
意味
であるというために、「技能が拙劣であつたとき」ということならば又一應受取れるけれども、今
政府委員
の話であれば、私はこれを置くことが却
つて
いろいろの紛爭の原因になりやしないかとこう考えるのですか。
山崎小五郎
43
○
政府委員
(
山崎小五郎
君) この点は
水先法
の法規を作りますときにもいろいろそういう点で御
意見
の
通り
のところで議論がありましたが、有力なる
方面
等の
意見
もありまして、ここに実は落付いたわけでございますから、その点は
一つ
、そういう
意味
でただ
水先人
の場合ばかりが主たる
目的
でなくて、やはりこういうことをやりまして
水先人
の
技術
の向上にもこれがなければならんという点も確かにあるのでございますから……。
丹羽五郎
44
○
丹羽五郎
君 私はもう
一つ
、こういう
文字
をお使いになることは立派な
水先人
を或る場合には侮辱する
一つ
の表現じやなかろうか、而もこの
水先人
というものは
外國
船の
水先
をしなければならん重大な
使命
を持
つて
おるのですから、何かここに適当な語があれば、これに代えてみたらどうかという私は
意見
を持
つて
おります。それからこの第二十九條の
組合
というものはどういう
組合
ですか、任意
組合
ですか、どういう
組合
を考えておられるのですか。
山崎小五郎
45
○
政府委員
(
山崎小五郎
君)
水先人組合
は民法上の
組合
を考えておりまして、勿論この
組合
は強制的に役所で作るとかなんとかいうことはできる筋でもございませんので、任意
組合
でございます。
丹羽五郎
46
○
丹羽五郎
君 この
組合
というものは民法上の
組合
を考えておられるのですか。
山崎小五郎
47
○
政府委員
(
山崎小五郎
君) そうでございます。
丹羽五郎
48
○
丹羽五郎
君 民法上の
組合
は任意
組合
の場合にはどうなるのですか、少くとも両方これに考えておられるのですか、ただ四十條から見ると私はこの民法上の
組合
のように考えておるのです、又四十一條の
罰則規定
から見ると明らかにここでこの民法上の
組合
を指していられるのですけれども……。
山崎小五郎
49
○
政府委員
(
山崎小五郎
君) 民法上の
組合
でございます。
丹羽五郎
50
○
丹羽五郎
君 民法上の
組合
を指しておられるのですね、それからもう
一つ
だけお尋ねさして頂きたいのですが、この
審議会
の三十四條と三十七條に関係する点ですが、この三十四條には「関係
行政
廰の官吏及び学識経驗がある者のうちから、」ということに
なつ
ておりますが、仮に関係
行政
廰の官吏がその
委員
に
なつ
た場合に三十七條のここにおきましてこれに対して手当及び旅費を受けるものということに
なつ
ておるのでありますが、これは
審議会
の
委員
が官吏であつた場合には手当支給は私はできないと考えておるのですが、そうすると三十七條を少し
修正
をせんければいかんじやなかろうかと考えるのでありますが、この点を
一つ
。
山崎小五郎
51
○
政府委員
(
山崎小五郎
君) 今
丹羽
委員
から御質問がございました
通り
に、ここで
委員
であります、官吏は、やはり公務員法上の官吏でございますが、公務員法の
規定
に基きまして、当然この
審議会
の
委員
になりましても、手当の支給は受けないのでございます。ただ私共といたしましては公務員法にそういう原則的な
規定
がございますので、この
法律
にそれを書かなくても解釈上当然その公務員法の適用を受けるということから手当を受けないということになるというふうに解釈しておるのでございます。
丹羽五郎
52
○
丹羽五郎
君 私はこの三十七條に、この
法律
及び公務員法に定めあるものの外というように明らかにして
行つて
みたらどうかと、少しここの法文に欠陷があるように考えておるのですが。
山崎小五郎
53
○
政府委員
(
山崎小五郎
君) もう実質的なことは全くその
通り
でございますので、
法律
の表現
方法
の問題でございますが、私共といたしましては、それを書けば一層明かになりますが、書かなくても当然そう解釈になるというふうにまあ一應
政府
といたしましては解釈しております。
小野哲
54
○
小野哲
君 極く簡單なことですが伺
つて
置きたいのですが、この
法律案
の第八條で
水先人
の免許等が五年ごとに申請によ
つて
更新を受けなければならない、言い換えれば免許に五年という有効
期間
を附けることに
なつ
たわけですがね、それで現行法ではこれは大臣の
説明
にもありましたが、終身
水先人
となることができるのだと、これは適当でない、こういうふうに言
つて
おられますので、勿論これの免許に有効
期間
を附けるということについては相当な
理由
があつたことは、先程も御
説明
もあつたように思いますが、この場合に
附則
の第三項との関係でありますが、
附則
の第三項では今までに免許を持
つて
おる者はその
水先
区について
水先人
の免許を受けたものとみなすということに
なつ
ておるので、そういう関係から考えまするのと、もう
一つ
は現行法の第三十三條でありましたが、この
法律施行
後五年間を限
つて
水先免状
を授與することができる、併しその
期間
滿了の後と雖もその効力を失うことがない、こういうことに
なつ
ておりますが、免許に有効
期間
をつけるような扱いをする場合においては、現在の言い換えば旧法によ
つて
免許を得ておる場合の免許をそのまま認めるということは如何なものであろうか、これは免許の更新をする場合において、必要があると認めるときは
試驗
をやるというふうなこともこの新らしい
法律案
には書いてありますので、現在の
水先人
の
素質
なり、そういうようなものが果して一應この
附則
で以て、現在の旧法による免許を認め放しでよいか、勿論有効
期間
は五年でありますが、五年間と雖も認めて置いてよいのかどうか。もう少しこの際
附則
において現在の
水先人
の免許に対する
措置
を考えて置く必要があるのではなかろうか、終身
水先人
の
制度
を有効
期間
のある免許
制度
に
改正
しようというこの
法律案
の
趣旨
から考えて、現在の
水先人
の
措置
を取扱うについてもう少し工夫をいたす必要があるのではないか、こう思うのですが、これに対する御
意見
は如何ですか。
山崎小五郎
55
○
政府委員
(
山崎小五郎
君) これは非常に徹底的にやるということにいたしますと、今お話の
通り
にやるのが非常に理想的かと私共も考えまするが、すでに今まで
水先免状
を持
つて
、而もそこで
水先
をや
つて
おります、これは非常に特殊な有技者でありまして、そう急に誰でも代える人を持
つて
行くということのできない性質の者でもございますし、又大体
日本
の
水先人
は一般の
船員
と同じように水準的に見ましても世界的にも優秀な者でございますし、又
水先人自身
の利害的な、経済的な立場から申しましても余り急激なる
変化
をいたしますことも混乱を生じますので、一應この
法律
の切替のときにその
水先区域
で
免状
を持
つて
おる者はこの新法においても
水先免状
を取つた者としてスタートさせるということで非常なる審議の結果
なつ
た
法律
でございます。
小野哲
56
○
小野哲
君 ただ今度の
水先人
の免許は四條以下で嚴重な
條件
がついておるわけなんで、
水先人
の向上と申しますか、良い
水先人
を將來作
つて
行くための
考え方
も織り込まれておるようでありますが、私もう
一つ
伺いたいことは、現在の
水先人
はどれくらいあるのですか、今
政府委員
の御
説明
によると、世界的に優秀だということで、大変心強く思うのですが、今後の海運の発展等とも睨み合せまして重要な
職務
を持
つて
おるわけでありますから、一應この際に
水先人
のセンサスと申しますか、
現状
を把握して、果して適当であるかどうかぐらいの
措置
を講じても差支ないのではないか、これについて何かお考えを持
つて
おられるか伺いたい。
山崎小五郎
57
○
政府委員
(
山崎小五郎
君) 現在
日本
の
水先
区は大体全國に跨
つて
二十二区ございます。
水先人
は大体七十三人ということに
なつ
ております。二十四年三月一日現在の平均年齢をとると五十七歳ということに
なつ
ております。それで私の方の立場から考えますと、
水先人
の技能というよりも、どちらかと申しますとそれに必要なる物的施設、例えばボート或いは通信関係の施設、そういうふうな施設が戰時中不十分なために或いは破壊されましたのが復旧できないために不便を感じておるところがあるのでありますが、こういう施設を相当よくすれば
日本
の手先人の
技術
は相当高いのでございますので、効果を挙げ得るものと思
つて
おります。
小野哲
58
○
小野哲
君 今伺うと相当平均年齢が高いようですが、私実は素人で分りませんので伺いたいのですが、相当高年齢の人でも
水先
の仕事は大丈夫や
つて
行ける可能性があるのですか。
山崎小五郎
59
○
政府委員
(
山崎小五郎
君)
水先人
は先程申しましたように
從來
は二千トン以上の船の
船長
を二年間した人、而も亦それだけの技能でなくして、東京湾、或いは下関、長崎等各
水域
におきまして非常に習熟した経驗を持
つて
おらなければなりませんので、余り若過ぎると却
つて
問題が多いのであります。どちらかと言うと或る
程度
人間ができ或いは技能等も熟練された
船長
出身の方がよいのでありまして、まあ今のところ五十前後というのが一番よいのじやないかと思
つて
おります。
板谷順助
60
○
委員長
(
板谷順助
君) 大体
船長
を勤めた人が多いのです。それから今お話のように大分経驗がありませんと危險が伴うから、どうしても年齢が多くなるのであります。
小泉秀吉
61
○
小泉秀吉
君
一つ
だけ伺います。
強制水先
人になることのために
水先
組合
は任意
組合
だという一方、強制とその任意
組合
というものとの先程先府
委員
のお話もありましたが、物的施設というようなものが十分にないと、折角強制に
なつ
ても
船舶
の要請に應ずるようなことがうまく行かないのじやないかということを私は恐れますが、そういう点に対して
政府
自身が何か施設を作るのか、或いは
水先
組合
のみにそういう施設を自衞的にさせるのか、その点についてのお考えを願います。
山崎小五郎
62
○
政府委員
(
山崎小五郎
君) 大体
水先制度
の建前から申しまして
水先人
と
水先業務
は営業でありますので、非常に公共的な
使命
を持
つて
はおりますが、やはり企業的に見ると
一つ
の営業で結局現在の
水先料金
が果して適当かどうかは分りませんが、一應料金というものはその
水先業務
を行うに必要なる、諸経費を賄うに必要な料金が基礎として計算をされるわけでございますので、建前としましては、
水先人
或いは
水先
組合
におきましてその施設をしなくてはならんということに
なつ
ております。ただ
政府
といたしましては、それの枠の獲得とかその他いろいろ料金の是正というようなことにつきましては極力努力をいたしまして、
実情
に應じ或いは改善ができるようにいたしたいと思います。
飯田精太郎
63
○
飯田精太郎
君 この
水先人
というのは、各
水先
組合
に
定員
があるのですか。
山崎小五郎
64
○
政府委員
(
山崎小五郎
君) これは先程申しましたように、現在の
法律
では逆に
水先人
の
定員
の
最高制限
をして抑えてお
つたの
でありますが、これはどういうわけでそういうことをやるかと申しますと、余り
水先人
が殖えますと結局收入が減りますので、共倒れになる、
從つて
先水人は殖やしちやいけないというので制限されておりましたが公益的な立場から或いは船の運航の立場から申しますと、やはり
水先人
が少ないところは運航能率に支障を來しますので、どちらかと申しますと最低を抑える、これ以上に減
つて
はならないという立場で行くべきだということで、今度の
法律
では最低を抑えてこれ以下にしてはならないということに
なつ
ております。それ以上になりますことは勿論自由でありますが、これも実際の
事情
も余り殖えますと、先程申しましたような結果になりますので、やはりそこに自然的な淘汰と申しますか、調節行われまして、大体バランスがとれるように決ま
つて
おります。
飯田精太郎
65
○
飯田精太郎
君 そうしますと
資格
があ
つて
希望者があれば免許状は出すわけですか。
山崎小五郎
66
○
政府委員
(
山崎小五郎
君) そうでございます。
小泉秀吉
67
○
小泉秀吉
君 じや保留して置きます。
丹羽五郎
68
○
丹羽五郎
君 三十二條ですが、「海上保安廳長官は、第二十三條又は第二十四條の
規定
による処分をしようとするときは、
水先審議会
の
意見
を徴し、且つ、その
意見
を尊重しなければならない。」というような
職務
行爲
ですが、それに対して何ら聽問とか、いろいろの
水先人
の有利な証拠の提出ということが何ら
規定
を置いてないのですが、これは明日申上げますけれども、恐らくこういうような拔打的なことは、私非常に救済という
意味
を含んでない、これは少し考えなきやならんのではなかろうか、こう考えるのであります。
山崎小五郎
69
○
政府委員
(
山崎小五郎
君) 御尤もでございます。この点につきましては、我々といたしましては三十二條の処分即ち
水先人
の免許状の
禁止
等の処分をやりますときに、
水先審議会
の
意見
を尊重してやるとか、結局二十
五條
の場合におきましては、そういうことをやる場合には、聽問をするということに
なつ
ておりまして、二十三條、二十四條においてまあやらないということは少し均衡を失してはいないとかいう御質問の要旨ではないかと思いますが、この点については二十
五條
の場合につきましては、
水先人
或いは
水先人組合
に対しまして
行爲
の停止をしたり、必要な事項を命じたり、する場合は「
水先
の
業務
の円滑な遂行を害し、公共の
利益
に反する」という相当廣い
範囲
の或いは言い換えますれば漠然とした原因からそういう
措置
をいたしますので、これはやはり当該
水先人
の
意見
を当然聽く必要があると思うのであります。まあ二十
五條
に対しまして二十三條、二十四條の場合は停止、
禁止
等の処置をやるのが、大体怠慢であるとか或いは技能の拙劣、非行というのは、酒を呑んだとかそういうことでございますが、或いは
法律
の
規定
に違反したという大体具体的な事例を基礎にして処置いたしますので、而もそれは
水先審議会等
によりましてやりますので、二十
五條
の方が二十三條、二十四條の場合よりか権利の濫用になる虞れが多いというふうに考えましたので、まあ聽問という
制度
を設けましたが、
丹羽
委員
から御
説明
の
趣旨
は相当御尤もな点がございますので、実際に
水先審議会
が二十三條、二十四條の処分をする場合にも、できるだけその当該
水先人
を呼びまして、いろいろの
水先人
の立場からも
意見
を聽いて処置をするように、
運用
のに上おいてやるというふうに考えております。
板谷順助
70
○
委員長
(
板谷順助
君) 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十七分散会 出席者は左の
通り
。
委員長
板谷 順助君 理事
小泉
秀吉
君
小野
哲君
丹羽
五郎
君
委員
植竹 春彦君 大隅 憲二君 入交
太藏
君
飯田精太郎
君
政府委員
運輸
事務
官 (海運総局長 官) 秋山 龍君 運輸
事務
官 (海上保安廳保 安局長)
山崎小五郎
君 常任
委員会
專門 員 岡本 忠雄君 古谷 善亮君