○吉武
委員 私は今回労働
委員会において取上げられましたる過般の
東交事件、そうしてまた國電スト、廣島の
日鋼事件、
わかもと等、これらの相次ぐ
争議及び
事件に関連にいたしまして、昨日
政府当局並びにわれわれ労働
委員会より実地
調査いたしましたる方々の
報告を受けたのでありますが、私
どもが大体推察してお
つた通り、今回のこれらの相次ぐ
事件は単なる
労働争議ではない、
労働争議を装
つた、一つの政治的な意図のもとに行われてお
つたということを、推察するにかたくないのであります。かりにまたこれが單なる
労働争議であるとしても、その
争議において行われましたる幾多の
暴行脅迫は、われわれの断じて許さざる
行為であると思うのであります。われわれはさきの第五國会において、労働組合法を改正する際に、第一條に、
暴力行為はいかなる
意味においてもこれを認めることはできないという字句を挿入したことは、記憶に新たなところであります。これについて社会党の
前田君たちも、これは実にわれわれ労働運動をする者にと
つては恥辱な言葉である、われわれがかくのごとき
行為をいかにもするかのごとき感を與えることは、国際的に見てもはなはだ恥辱であるから、何とかして削
つてほしいという意見を聞いたのであります。私
どもも
日本の労働組合が、かくのごとき字句を
法律の中に規定しなければならないということを悲しむものであります。しかしながら國会を通過いたしましてわずか一月足らないのに、相次ぐこれらの
争議の様相は、ま
つたく言語に絶したるところの
暴行ざたでございます。ただいま春日
委員から廣島の日鋼の
事件を取上げられまして、昨日わが党の塚原君が
報告いたしましたるのに対し、人民裁判などと言
つているけれ
ども、そういう事実がどこにあるか、これは單なる團体交渉ではなか
つたか、と言
つておりまするけれ
ども、私は春日君は実地に御
調査にな
つて、何をお調べにな
つたかと言いたいのであります。私に、当時廣島の日鋼の工場長代理をいたしましておりました板垣茂という人が、終日これらの
暴行脅迫にあ
つて遂に卒倒せんとしたときの手記を送
つてくれた。私はこの手記を読んだときに、私
どもがか
つて労働問題に携わ
つておりました際に経驗しました、終戰直後のかの北海道の三菱の美唄炭鉱にお
つて行われたるところの、人民裁判そのものの様相を呈していると感じたのであります。私は本
委員会の貴重なる時間をとることをはなはだ恐縮するものでありまするけれ
ども、
檢察当局の方々はどこまで一体これらをお考えになり、
知つておられるかと思いますので、その点について私は一應この告白の手記を読ましていただきたいと思います。
「昭和二十四年六月十二日午前九時ごろから、労働組合員全員約二千名が何らの予告なくストに入り、間断なく私の執務している所長室前廊下を反復デモ行進して、所長室の窓ガラス二枚を破壊してしま
つた。当時部課長、工場長約二十名が所長室に集ま
つて会議をしてお
つた。ところが所長室の隣の秘書室に約五十名の組合員が入
つて來て占領した。退去を要求しても應じない。所長室との間のドアも開放されて、両室とも実上執務のできない
状況に押し込められてしま
つた。
午前十時ごろから團体交渉の申入れがあ
つたが、これに関し勤労部長を通じて、目下デモ行進中の組合員を一應各職場に復帰させてくれ、無勢な状態にな
つた後に
協議に應じよう、こういうことを組合の書記長の越智一見という人と松田執己という人に回答をしてお
つたのであります。しかるに午後一時ごろ守衞所より臭との直通
電話で、小生のうちに
電話がかか
つて來た。当時本事務所の前の廣場には、全組合員が池を囲んで集合し、組合大会を開いていた。この池は、この池の中の小島に押し込められて人民裁判を行われたそれでございます。その池の周辺に大衆が大会を開いてお
つた。私は
電話を終
つてボックスから出ると、すでにボックスから池の方向に、二重のスクラムで人垣ができておりました。この池の中心に位する中の島は、これが人民裁判が行われた島でございます。この中の島は十一日夜、人事課長、秘書課長両名が監禁されて、不当な誓約をしいられた場所であり、その謀略を見拔いたので、私はそこに行くことがきわめて恐ろしか
つた。私は群衆に向
つて、今から組合幹部と会う用事があるから帰してくれと言いながら、スクラムを割
つて通ろうとした。そのとき横合いから越智書記長
——これは組合の人であります
——が出て來て、どうしたのだと言いながら、私の手を抑えて引きもどした。それを合図に群衆は、声を立ててわつしよいわつしよいと、私を押して連れて
行つてしま
つた。私は恐怖のあまり助けてくれと十数回連呼して、押しもまれながら脱出しようとしたが、背後より背、しり、脚等をあるいはけり、あるいはこづかれ、次第に池のそばに押し出された。そのとき肩巾の廣い一見朝鮮人のような見知らぬ男が、おれのあとをついて來い、さもなければ危いぞと親切そうに言いながら、池の方向に誘導しかけた。私は君はだれですかと尋ねたら、三原車両の竹田太一と答えた。押しもまれて遂に力盡きて、本事務所前正面玄関の柱の根本にくずおれてしま
つた。群衆は罵言雑言を加え、あるいは勢いを示して私を極度に畏怖させてしま
つた。午後一時四十分ころ、大久保秘書課長が私を探して顔を見せたが、私の顔が蒼白で恐怖の状はなはだしく、助けてくれと呼ぶのを聞いて、驚いて所長室に逃げ込んでしま
つた。午後二時ごろ松本作業部長、緒方勤務部長ら六名の者が松田、越智に導かれて出て來て何か折衝していたが、そのまま私の周囲にすわり込んでしま
つた。午後四時三十分ころ、取締担当長門時行に何か事故あ
つたらしく、一組合員より長門の軽石が
——これは守衛のあだ名だそうですが、守衛所でのばされているぞと呼んでいた。その直後十数名の者に長門が中の島に拉し去られるのを見た。長門というのは守衛長だそうですが、五時ころ鈴木総務部長が守衛所方向より二、三十名に押し出され、私の前方二メ—トルのところに引出され、とたんに群衆の中から茶色上衣の五尺二寸くらいの男が飛び出して、鈴木の頭をあと方よりなぐりつけるのを認めた。鈴木君は頭髪乱れ、腰部の苦痛をこらえて私らの間にすわられた。この間組合幹部は夕食の準備や電燈設備のさしずをしておる様子で、群衆は絶えず労働歌を高唱し、あるいは私たちに怒号を浴せ、罵言を浴せ、あるいは一人々々を尋問するなどを行い、特に私らの周囲の前面は、約一メートルくらいの間隔をあけておるが、側面、背面は密着してわれわれの起居に制限を加え、特に起立すると喊声をあげて動作を拘束し、すわらせ、わずかに小便に行かせてくれと頼んで、十数名のピケつきで便所までの往復を許す
程度であ
つた。折柄の晴天のために、日陰に頭だけ隠そうとしても、渡邊正盛その他数名の者は、日陰に入るなどぜいたくだ、かぜを引かないように暖かい所に出してやると、ことさらにからだをすりつけて押し出した。すでに長門、鈴木を監禁したために、守衛の機能は壊滅し去り、外部の者の出入は自由になり、警官の出入は厳重なピケのために完全に阻止された。
外郭團体は続々入場し、その都度拍手をも
つて迎えられ、私たちを侮辱的言辞で紹介した。從業員家族と称して女子供の入場も多く、中野その他がこもごも私を、皆さんの親兄弟の首を切
つて皆さんを殺す鬼であると、その他悪意に満ちた言辞を浴びせかけた。対島季己惠が特に緒方勤労部長に対し侮辱を加えてお
つた際、同部長は極度の疲労と恐怖のあまり、手足に痙攣を生じて卒倒してしま
つた。私より医師を呼ぶことを要求したが、なおも罵詈雑言を浴びせ、約一時間の後土井喜医師の手当を受け、別室に移させ、九時ごろ直経二センチぐらいのパン二箇を與えられたが、恐怖のあまり食べる氣もしなか
つた。このころまで絶えず十二名の者が、私たち個々について尋問口調で神経消耗を策して來た。私は終始黙して答えず、数回帰してくれと立ち上
つたが、その都度実力で押しすわらせられ、ますます激昂して來て、生命の
危險を感ずるに至
つたので、後には諦めてすわり込んでしま
つた。特に記憶に残
つているのは、橋上某が足元も怪しいほど酔
つて來てわれわれを威嚇したこと、三菱造船青年部長ほか七、八名の者が、同所從業員とともに私たちを取囲んで、スクラムを組んで、われわれの氣分を混乱させるため、労働歌を高唱した。長谷計という男が腕力の強いことを暗示して、首切りを撤回せねば、三日でも四日でもこのままの状態で拘置すべき旨を告げて、脅迫した。黒神貞松という男が私に回答を強要して、高い声を放
つて威嚇した。池田敬三という男は所長室ではいば
つていやが
つて、そのざまは何だ、このかつこうを貴様のかかあに見せてやるなどと、侮辱的な言葉を浴せたのである。九時ごろ林春一という男ほか二十数名が、私たちの前面に、あるいはまたがり、あるいはすわ
つて相対し、群集に向
つて、ただいまから團体交渉を開始する旨を宣した。このような状態で交渉しても、私にはとうてい正当な判断を下すことはできないから、
協議会はお断りすると申し立て、爾後一切回答を拒否し続けて、機会あるごとに帰してくれと頼んだけれ
ども、聞かれなか
つた。組合の
委員及び部外者は、こもごも立
つて手を振り、足を踏んまえて威力を示し、各人二十分ないし三十今間何事かしやべ
つて回答を迫
つたが、われわれはすでに思考力がま
つたくなく、恐怖と疲労のため、何を聞かれているかもわからない。いわんや回答できるはずのものでなか
つた。沈黙を守ることはますます群集を凶暴なものにして、怒号と罵声はいよいよ激烈となり、われわれの身辺にますます
危險を感じたが、いかんとしてもしようがなか
つた。午後十一時ごろ越智が激越な口調で、しばらく時間を與えてやるから、よく考えて返事をしやがれというようなことを言
つて、組合の交渉
委員たちは中の島に引上げて行
つた。連日の疲労のため、迫り來る眠けと蚊の襲撃のために悩まされながら、うとうとしかけると、香川一彦その他の者はわれわれに近づいて來て、また何か個人的な尋問を始めて、休憩をとらせなか
つた。その後十一時三十分ごろ、再度人民裁判的な交渉と称するものが開始された。そのとき正門
方面に喊声があがり、同時に乗用自動車が一台正面玄関に停止して、米国人二名の下車するのが見えた。その後組合側の声も低くなり穏やかにな
つた。しばらくしてその米國人の手招きにより、私はようやく秘書室に連れて行かれ、当時の
事情を説明した。そのとき松本作業部長が狂氣のごとく、泣いて、秘書室にくずれるように倒れ込んだ。私はこれを抱きとめていすの上に寝かせ、ただちに土井医師の來診を求め、十分の後土井医師の手当を受けさせた。」
こういうことをよこしております。これは被害を受けました板垣氏の手記でございます。共産党の春日君は、おそらくこれは一方的な言であると否定するでございましよう。私はこの
本人の手記を読みまして、当時の有様が目のあたり映るのであります。何ゆえならば、私がか
つて労働
関係に携わ
つておりましたときに、終戰直後の北海道の三菱の美唄において行われたる人民裁判の様相が、このままそつくりであります。私はこれがゆえに、先般の労働組合法の改正の際にも、
日本の労働組合の團体交渉のやり方は、正しい合法的なやり方をしなければならない、それを指摘いたしまして、法の上に、組合の眞の代表と、会社側の代表とか、平和裡に團体交渉の行われることを、規定に明記すべきであるということを言
つたのでありますが、
政府当局は、正当なる團体交渉という言葉において、表わされておるからと言
つておられたのでありまするけれ
ども、今なおかくのごとき交渉が続けられておりますることは、はなはだ遺憾であります。しかし私はこれらの
行為をするものが、決して
日本の一千万の労働者、六百万の組織労働者の全部であるとは思いません。ほとんどその大部分は、今日健全なる労働組合運動を行い、そうして一部の人々のこの無謀なる
行為に対して、義憤を感じておる。それは現に
國鉄争議においても、民同派の人人は
はつきりとその
態度を示しておる。
日本の一部の人たが、かくのごとき無謀なる
行為をすることによ
つて、
日本の労働運動の上に一つの汚点を印するということを、私ははなはだ遺憾に思う次第であります。
そこで私は、今回取上げられました
事件を通じて調べてみますると、目下これらの
事件は同時に考査
委員会においても取上げられております。
東交事件の際にもございまするが、先ほど春日
委員からも話されましたように、この問題は公安條例が出るかどうかと、うことで、都廳に押し寄せた。当時私が都廳に
行つて調べてみますと、何らそういう準備ができていない。同日ある共産党員がにわかに各
方面に
電話をも
つて連絡して招集をしておる。本日公安條例が上程されるから、至急に集まれと言
つて招集しております。日ごろからそういう組織がつくられておるためか、たちまち共産党に属する
外郭團体が多数
東京都廳に押しかけた。そうしてもみ合
つておるうちに、橋本金二君が押しつぶされて死んだ。そのときに春日正一君は何と言
つたか。第五國会の終りに、春日正一君はこの
委員会においても明らかに言
つた。その言葉は、
警察官が二階から突き落してわれわれ労働者を殺したのたと言
つておる。こういう事実にもなきことを言
つて労働者を煽動し、そうしてそれをきつかけにして、二日も
東京市中の
電車がとま
つた。その後
檢察当局の取調べによ
つて、それは明らかに墜死したのではなくて肝臓の破裂死である。押しつぶされて死んでおるのであります。多数の無垢なる労働者を集めてやたらにおだて上げて、その難踏の犠牲にしておるのであります。また先般の國電ストにおきましても、私が労働
委員会が終
つて考査
委員会に入
つて行くと、考査
委員会は尋問のまつ最中である。
東神奈川における駅長が困難だと言
つておるのに、労働組合の者と外郭国体の者が、乗客だと言
つて多数駅長室に押しかけて、そうしてうしろから鉄の棍棒のようなもので、背中を突きさして、負傷さしている。それで組合の者に、君はどうしてそんなことをするかと言
つたら、それは乗客のや
つたことだから知らぬ
——この乗客というのが、共産党員によ
つて動員されたところの一部の人々であることは明らかである。それは推察するにかたくありません。それは駅長自身もそう言
つている。それを、單なるそこに集ま
つた乗客が、
電車が出ないから、憤慨して押し寄せたのだという宣傳をしている。私はこういうやり方に対しては実に憤慨にたえぬものでございます。また国電ストの
東神奈川の問題ばかりではない。千葉の車掌区においても、先般考査
委員会において取上げてこれを調べてみますると、六月の五日に区長室に、中島登という共産党に所属している車掌が、外部の者二人を案内して來て、区長、人が会いたいと言
つているから会
つてくれないか。区長は、名も知らない外部の者には会わない、と言
つて断
つたのであるが、強引に入
つて來て、そのあとに数十名の外廓團体が押しかけている。そして今申しました廣島と同じような罵詈雑言と脅迫のもとに、新交番制の反対を迫
つた。何ら車掌区に
関係のない外部の者が、多数に押しかけてや
つている。遂に階下に押しかけて、階上に上れば、階上にまで押しかけて來る。先般の取調べの結果わかりましたことは、その車掌区の組合が、新交番制を実施すると労働強化になるからと言
つている。調べてみますと、これはまだ確定的なことは申し上げられませんけれ
ども、大体
政府当局なり、あるいは区長あたりの話を聞きますと、実働八時間の勤務時間には変更はない。從來の勤務時間より多少七、八分か九分くらいの延長になるかもしらぬが、休憩時間を縮めただけであると言
つている。それを、取調べられた中島某という共産党員は、從來の八時間が十時間に延長された、從來二日しかとまらないものが、一週間も家に帰れぬ。こういう虚偽なことを言
つて、組合の何も知らない者を煽動している。これは共産党の人々自身もそう言
つている。
ほんとうにそうであるならば、私はそれは氣の毒な労働強化になると思いまするけれ
ども、決してそういうむりなことをしていないことは、私は調べでみれば明瞭になると思います。また國電ストの際に、立川駅で行われたところの組合の決議を見ますると
——これは熱海の大会においても行われております。
國鉄の立川の支部長がストに入るか入らないかという、ことを、組合の大会に諮
つたところが、第一回に諮りましたときにも、まだ時期尚早であるからやるまいということを決定している。ところがまた追
つて、大会をやれ。またや
つたところが、やはり組合の者は、時期尚早であるからやるまいと言
つている。ところがだんだんと急進分子が、今度はその支部長に脅迫的に迫りまして、遂に脅迫のあまり支部長は飛び去り、その留守に一部の者だけが集ま
つて、スト突入の決議をして、あの状態に入
つております。かくのごとくこれらの一部の人々は、労働組合運動と言
つておりまするけれ
ども、その実は決して労働組合運動ではない。一つの政治的な組織にこれを使
つて、自分たちの意図するところの人民民主政権の樹立を願
つていると、私は断ぜざるを得ないと思います。これは春日君や土橋君あたりがいかに言葉たくみに言われても、あなた方自身の腹の中を出して見たならば、私は明瞭になると思います。そこで私はこれらの
労働争議を装う幾多の
事件に引続いて起りましたところのかの平
事件こそは、これはま
つたく労働問題でも何でもない。ただ一
警察署が、目抜通りの道路に立看板を出したのでは交通を妨げるから、もつとわきの方に寄せたらと言
つて、場所まで選定をしてあつせんをしている。それにもかかわらず、多数の者が
警察署に押しかけて、そして
警察署を占領している。赤旗を立てて、
警察署はわれわれ赤旗によ
つて占領したと豪語している。こういうことが今日の法治
國家において許されるはずはありません。かくのごとく六月の初めから七月にかけての短期間に、幾多かくのごとき
暴力ざたが行われている。これをわれわれは、單なる自然発生的な
事件と見るわけに行かないと思います。これらについては、賢明なる
檢察当局においても想像されているところと思います。私は労働
争議そのものに
警察官が干與されることは、断じてお断りをいたします。
争議そのものは、労働者と使用者とが対等の
立場において、平和的に解決されるものであることは言をまちません。多数の組合は、そういう
方法によ
つて解決ができるのでありますけれ
ども、しかし一部の組合の中には、この憲法に保障したところの團結権及び国体交渉権を悪用いたしまして、先ほど申しました廣島の
日鋼事件、あるいは千葉、その他神奈川において起りましたように、憲法で保障したと称する團体交渉権を利用いたしまして、
暴行脅迫によ
つていろいろなことをいたしております。かくのごとき身体に
危險を及ぼすような
事件に対しては、
警察官は勇敢にこれを守らなければ、
國民はどうして安心して生活を営むことができるでありましよう。今朝來
川崎君からも取上げられましたが、
三鷹の
事件は、何人かの手によ
つた計画的の事故か、まだ判明しないから、私は言葉を避けたい。しかしながらすでに
檢察当局では、飯田七三、
山本久一の両名を
容疑者として
逮捕したと傳えられております。これらの相次ぐ
事件につきましては、いろいろ
警察機構について問題にされているようでありますが、問題は機構ではない。
ほんとうに
警察官が、
國民を一日も不安なからしめるといい熱意に燃えられるならば、私はこの問題を防止することができないことはないと思います。これらにつきまして國務大臣が御列席にな
つておりますので、いかなるお考えをお持ちでございましようか、御意見を承ることができれば仕合せと思います。