○
風早委員 今尾崎
委員が
所得税の軽減、さらにいろいろな建設費の必要というようなことから、相続税の増徴の意思はないかということを
政府に問われていたのでありますが、私はその点に関連して
政府に、現在
課税さるべくして
課税しておらない、
課税対象の問題についてお聞きしてみたい。それはけさほどちようど私が席をはずしておりましたときに、やはり民自党の方から
政府に脱税額というようなことについて、共産党の今まで発表しておる数字と——実は私が新聞にも発表したこともあるのでありまして、これに対して
質問があつた。それに対して
政府はそれがかなりでたらめであるごとき
答弁をされたそうであります。これについて私は
政府の所見をあら
ためて伺いたいと思う。それは、この問題は要するに
課税対象となる
所得がどれくらいあるかということでありまして、言いかえると、
政府が
課税をしなければならなかつたものであ
つて、しかもやらなかつた。もつぱら
政府の
責任に帰すべき問題として私は出したのである。一体それはどれくらいあるか。私は
政府の配付の
資料に基きまして、それは三月十三日の毎日新聞の投書欄に出ております。これはそれ以前に私が放送局でやりました放送の中にあつた脱税八千億という数字に対する疑問がある読者からよこされました、それに対する回答として出した。ところがそれに対しまして
政府は、
大藏省の主税局國税第一課の名をも
つてさらに私に反駁しております。それをすべて関連させまして、ここで私の申した数字はどういう意味があるかということについて申し上げて、
政府の新たなる所見を伺いたいと思います。これは
政府の配付
資料に基いているのであります。つまり
國民所得と、基礎控除前の
課税所得額との差額をと
つて、これを二十二年、二十三年にわた
つて加算いたしまして出たものが大体一兆六千億なのであります。これがおそらく
課税さるべくして
課税されていない額である。しかも今日
課税率は、大口の場合には八割五分まで及んでいるのでありますが、私はずつと低目に見まして、平均して大体五割という計算でかけてみた。そうしましたら八千億五十数万円というものが出て來た。それを発表したのであります。その際に、もちろんその差額の中には全然
課税されないような、当然
課税対象にならないようなものも若干は含まれている。これもよく
承知している。また
國民所得額というものが、暦年の場合と会計年度で
とつた場合とでは多少の違いがある、それもわか
つております。しかしながらそういうことはこの際
根本的な大問題ではないし、私は紙面の
関係もありますからすべてそれを省いて、そのかわりすべてそれはこの五割というところに含ませて、大体において八千余億円というものを
課税さるべくして
課税されていない
所得としてあげたのであります。そこで
政府に伺いたい。一体
國民所得が暦年の場合と会計年度の場合でたいへん違うということが、この反駁の
一つの基礎にな
つているようであります。しかるに現に二十四年度のごときはこの両者はほとんどかわ
つておらない。大体
政府は
國民所得をそれほど正確に一体
考えておられるか、それだけ自信があるか、この点を
一つ伺いたい。さらに
所得税のかからない
所得があると言われる。それは先ほどの
お話では——
あとで聞いたのでありますが、二千億円もあると言われるのでありますが、その二千億円というのはどういうふうにして計算されているか、大体の説明を伺いたい。さらにこの
課税をすべくして
課税しておらない
所得の中には、小口
所得も相当あると言われた。今日これはあらゆる
徴税の場面に実際に接触しております私として、実情から見まして、小口の
所得者で、いやしくも免税点以上のもので、税金を拂
つておらないということはあり得ない。そういうことがもしあるとすれば、それは
政府の
責任でありますが、そういうことは残念ながら幸か不幸かあり得ない。むしろ残酷なくらいと
つておる。その例は
あとでいくらも他の
委員からも出るでありましようが、実に残酷きわまる差押えをやり、競賣なんかをや
つてしやにむにと
つておる。こういつたことを
考えてみましても、今日小口の脱税者というようなものは問題にならない。でありますから、私は総括して、大体この
課税さるべくして
課税されておらない今日の対象額は、主として大
やみ会社並びに巨大な資本家、会社の大口脱税にほかないということを断定したのであります。こういう点で
政府はただただわれわれが発表する推定額に対して、けちをつけることをやられる、しかしながら実際にはそれではどれくらいこの
課税さるべくして
課税されておらない対象があるのか、また狭い意味で脱税額といわるべきものがあるのか、そういうことについて何ら積極的な言明をしておらないのです。こういう点はそれをしないでおいて、そうして他面われわれが非常に不自由な操作をや
つて、つまり
政府の
資料がはなはだ不安全でありますから、非常にこの操作は不自由であるが、この大口な
やみ脱税を追求しない限りは、今日のこの國家
再建の問題が解決しない。われわれは
所得税を大幅に軽減させたい。また一方におきまして、産業に対する資金を豊富に供給したい。しかしどこからそれは出るか。結局出るところはやはり
一つしかないのでありまして、これらの当然
課税さるべくして
課税されておらない大口の
やみ脱税に対して、徹底的な追求をしないときにはどうにもならないわけであります。でありますから、これはどうしても何らかの形で推定を施す必要がある。この意味で
政府はもつと
責任をも
つて、初めからその脱税額の推計をちやんと出していただきたい。そうすれば何らこういう議論は起らないのであります。でありますから、この際、今日私のたまたま発表しております八千億という数字に対して反駁があつたそうでありますから、それならば
政府は一体どれくらいに見積
つておられるか、積極的にその数字を出していただきたい。これが私の要求であります。もしそれをや
つていただけなければ、ただ
責任を回避する、御自分たちが当然追求して行くべき
課税対象をのがして、そうして小口の、あるいは中
所得者、小
所得者等に対して、非常に残虐なる
徴税をや
つておる言われてもしかたがないと思う。ぜひともこの際積極的な脱税額の数字を出していただきたい。これが私の関連
質問であります。