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1949-03-31 第5回国会 衆議院 予算委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年三月三十日                 今井  耕君 が理事に当選した。     ————————————— 昭和二十四年三月三十一日(木曜日)     午前十一時五分開議  出席委員    委員長 植原悦二郎君    理事 池田正之輔君 理事 上林山榮吉君    理事 西村 久之君 理事 志賀 義雄君    理事 今井  耕君       淺香 忠雄君    井手 光治君       小峯 柳多君    周東 英雄君       高橋  等君    中村 幸八君       西村 英一君    野原 正勝君       平島 良一君    松浦 東介君       松野 頼三君    松本 一郎君       山本 久雄君    若松 虎雄君       有田 喜一君    鈴木 幹雄君       中曽根康弘君    笹山茂太郎君       稻村 順三君    勝間田清一君       三宅 正一君    風早八十二君       野坂 參三君    米原  昶君       松本六太郎君  出席國務大臣         大 藏 大 臣 池田 勇人君  出席政府委員         大藏事務官         (主計局長)  河野 一之君         大藏事務官         (主税局長)  平田敬一郎君         農林事務官         (開拓局長)  伊藤  佐君         林野局長官   三浦 辰男君         運輸事務官         (海運局長)  岡田 修一君  委員外出席者         農林事務官         (総務部長)  山根 東明君         專  門  員 小竹 豊治君         專  門  員 小林幾次郎君 三月三十一日  委員鈴木茂三郎君辞任につき、その補欠として  勝間田清一君が議長の指名で委員に選任され  た。     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十三年度一般会計予算補正(第三号)  昭和二十三年度特別会計予算補正(特第三号)     —————————————
  2. 植原悦二郎

    植原委員長 これより会議を開きます。  昭和三十三年度一般会計予算補正第三号、同特別会計予算補正特第三号の両案の質疑に入ります。通告順によりて質疑を許します。中曽根康弘君。
  3. 中曽根康弘

    中曽根委員 去る十二月の議会におきまして、追加予算を審議した際に、政府はさらに追加予算を出す意図があるかどうかと、こういう質問をいたしましたところ、泉山蔵相は大体出す意思はないというような意向を明らかにされたのでありますが、ここにまた追加予算が出て来たわけで、私は実に意外とするのであります。そこで順を追うて御質問いたしたいと思うのでありますが、これが昭和二十三年度予算における最後追加予算であるかどうか、これをまずお伺いいたします。
  4. 池田勇人

    池田國務大臣 これが最後追加予算でございます。
  5. 中曽根康弘

    中曽根委員 そうしますと、大体一月くらいのときの状況でありましたけれども、政府の財政において專賣益金、特にタバコの賣れ行きが惡いために、おそらく百億程度赤字が出るのではないか、あるいはまた鉄道、通信の特別会計でかなりの赤字が出るのではないか、從つて三月くらいには物價改訂が必至ではないかというような論すら行われておつたのですが、二十三年度予算を執行してみて、現在の歳入歳計状況をひとつお知らせ願いたいと思うのであります。それをわけまして税收においてどれくらい入つているか、それから專賣益金においてどういう状況になつているか、その点をひとつ計数的に明らかにしていただきたい。
  6. 池田勇人

    池田國務大臣 お答え申し上げます。租税收入におきましては、ただいま年度中でございまして、正確なところは申し上げかねまするが、三月十日までで大体八五%收入がございました。三月二十日現在で九三パーセントくらい、全体のところでそういう收入状況に相なつております。大体順調な経過をたどつております。專賣益金につきましては、お話通り昨年秋ごろは、相当な赤字が出るのではないかというような予想でございましたが、最近の状況では盛り返しまして、心配する程度ではない、全体の歳入を通じまして、私はある程度剰余金が出る見込みでおります。
  7. 中曽根康弘

    中曽根委員 そこでお尋ねいたしますが、どの程度歳計において剰余金が出る見込みであるか、そのうち大部分租税によるものであるか、專賣益金によるものであるか、その点についてお伺いいたします。
  8. 池田勇人

    池田國務大臣 その数字はただいまはつきりいたしておりません。
  9. 中曽根康弘

    中曽根委員 所得税徴收状況が非常にいいのは、お互いに御同慶でありますが、本年度所得税徴收状況を見ますと、昨年度よりはある程度摩擦が少くなつておるということは認めるのでありますが、しかし昨年よりももつと深刻になつたことは、廃業届を出す者や、あるいは公費に付されるものが非常に多くなつたという事例によつて明らかであります。昨年、議会におきましていろいろ質問した際に、政府の方は割当というようなものはやつていない、努力目標というようなものは内示していることは内示している、そういうような話であつた。そこでいろいろ当時國民から陳情のあつたことを政府に対し警告して、そういうあやまちを再び繰返さないようにということを、われわれは政府に対して申し入れをしたのでありまするが、今年の状況を見てみると、依然としてそのあやまちを繰返しておるように思うのであります。そこで一体やはり今年も努力目標というものを割振つて、そうしてこの徴收に馬力をかけているのかどうか、その点をまずお聞かせ願いたい。
  10. 池田勇人

    池田國務大臣 所得税收入はあまり芳ばしくはございません。源泉徴收の分につきましては、予定以上に收入を期待し得まするが、賦課課税の分、すなわち申告納税の分につきましては、あまりいい成績ではございません。各税務署努力目標を置いて、それを強行しておるのではないかというお話でありますが、大体予算がきまりますと、どこの税務署ではどのぐらい收入が見込まれるだろうということは、主務官廳として税務署長と協議してきめるのは昔からでございます。ただ所得税につきまして調査会もなくなりますし、また予算課税ということになると、從來よりはやり方がかわつて参ります。お話通りに昨年におきましては相当の摩擦がございました。今年もある程度摩擦はございますが、年とともに申告状況もよくなりまして、摩擦もだんだん少くなる。またわれわれといたしましても、税務の円滑な運営に努力いたしておりますので、申告納税がなれて来れば、よほどうまく行くのではないかと思つております。ただ予定通り租税收入を確保したいというので、滞納者に対しまして公賣処分に付し、個々のいざこざを起しておることは事実であります。
  11. 中曽根康弘

    中曽根委員 その努力目標の問題でありますが、今まで大蔵省ではわれわれが議決した租税收入額に対して、ある程度歩どまりを見て全國は割当てておるようであります。今年もおそらくそういうことをやつておるようであります。私も現に税務署を調べてこのことを知つておるのでありますが、政府はこの点に関して、どういうような歩どまり計算でもつて割当てをやつておるか、これについてお聞かせを願いたいと思います。
  12. 池田勇人

    池田國務大臣 歩どまりという言葉には、なかなかいろいろな誤解も起りやすいのでございますが、大体所得税につきましても、いろいろな点を総合いたしまして、このぐらい收入がある。しかし納期あるいは決定状況によりまして、その年度に入つて来るのと、翌年度にまわるものもあります。それをその年度に入るのがどのくらいかという見込みはいたしておりますが、必要以上に大きく決定いたしまして、それがどのくらい入つて來るか、こういう意味の歩どまりを見てはおりません。
  13. 中曽根康弘

    中曽根委員 大藏大臣の御説明によりますと、三月二十日ですでに九三%の納入が終つておる。この数字からすると、おそらく四、五月になつても相当な額があるだろうと予想せられます。大藏当局としても、それは毎年の例で大体計算できると思いますが、それがどのくらいになるか、数学的にお示しを願いたいと思います。
  14. 池田勇人

    池田國務大臣 各税につきまして区区でございまするが、法人税とか、あるいは所得税源泉徴收の分は予定以上に入つております。御承知通り、早期に收入を確保いたします関係上、相当力を入れておりますので年度を越してからの收入は従来ほど期待し得られないと考えております。
  15. 中曽根康弘

    中曽根委員 私はもつと計数的に何十億、何百億ぐらい所得税から、あるいは取引高税から歳計剰餘金というか、自然増が出るか、その数字をお聞きしておるのであります。
  16. 池田勇人

    池田國務大臣 申告納税部分は、ただいまのところ予定の六、七割程度と思つております。申告納税の分はよほど收入ぐあいが惡うございます。しかしこれは三月末更正決定をするところもございますので、どのぐらいのところ、すなわち予算程度申告納税の分が來るか來ないか、これは疑問だと思つております。從いまして源泉徴收所得税、あるいは法人税その他からの自然増收がありましても、全体としては大したことはございますまい。取引高税につきましても施行当初でございまして、印紙の関係もありますし、ただいまのところ予算の六割程度しか入つていないと思います。しかしこれは施行が九月からでありますから、何割という計算やり方は九月から三月の分でいたしております。
  17. 中曽根康弘

    中曽根委員 私ばかり質問をしては恐縮でありますから、他の人にまわしますか、最後に、私は計数の問題について聞いておるので、大藏大臣のうろ覚えの記憶をお聞きしているのではないのであります。ここで主税局長をぜひ呼んでいただいて、再質問をさせていただくということを留保いたしまして、最後にお聞きいたしますが、毎年毎年こういうように税金問題で税務署と国民が窓口でいがみ合つておるということを繰返すのは、国家にとつては非常に浪費であるし、取引高税にしても、やはりかえつて犯罪を激成しておるような向きがあるのでありますが、この所得税及び取引高税改正について、民自党はいずれにしても國民に非常に色のよい御公約をなすつていらつしやるのでありますが、こういう惨禍を繰返さないように、來年度はどういう御処置をおとりになるか、所得税並びに取引高税についてお聞きしておきたい。
  18. 池田勇人

    池田國務大臣 今年度の粗税の決算見込みにつきましては、たとえ主税局長が参りましても、計数的の御答弁はできないと思つております。第二の所得税取引高税徴收その他の改正につきましては、御承知通り、この一月來大藏省税制審議会を設けております。しかしこれは重大な問題でございますので、先般内閣に大規模な税制審議会を設置することにいたして、幸いに五月ごろアメリカから專門家が來て、われわれの税制審議に力添えをするということに相なりました。今からその準備をいたしております。本年度中には所得税並びに取引高秘あるいは全般の税制、また地方税との関係、こういうことにつきまして、根本的な改革を講じようと考えております。
  19. 中曽根康弘

    中曽根委員 どうも大蔵大臣は、六月に來られるというシャープ博士とか何とかに逃げるのでありますが、民自党所得税軽減であるとか、あるいは取引高税撤廃であるとかいうことを公約なさつた。九原則の手前もあると思うが、政府自体としてどういう改革を加えるか、このことをお聞きしておるのであります。何も六月のことを私はお聞きしておるのではないのであります。  最後にもう一つ。特別会計補正予算の表の中で一番最後歳入歳出で、差引の額がちよつと違つて一致していないのであります。歳出の方が多くなつておるようであります。そうすると差引不足ということになるのであります。これはどういう事情から來ておるのでありますか、これをどういうふうに処置するか、この二つについてお伺いいたします。
  20. 池田勇人

    池田國務大臣 税制改正方針につきましては、わが党が主張いたしております所得税軽減法人税軽減、また取引高税撤廃の線に沿つて審議いたしたいと考えております。特別会計数字の問題については政府委員よりお答えいたします。
  21. 河野一之

    河野政府委員 歳出減少額が一方に立ちます。歳入には立ちませんが歳出の方は減りますので、それで勘定は合うわけなのであります。
  22. 中曽根康弘

    中曽根委員 歳出が減るというのはどういうことですか。差引計というのは、引いたものを一緒にしてやつているのでしよう。
  23. 河野一之

    河野政府委員 減少のところは、予備費歳出減少いたしましたから減少になりますが、そのほかの差引のところに出て参りますのは、金資金というところで出て来るのでありますが、歳出歳入差引差額というものは、金資金の減額になる資金決算上減るということになるわけであります。
  24. 植原悦二郎

    植原委員長 風早八十二君。
  25. 風早八十二

    風早委員 追加予算の問題は、現に政府言明にもありますように、これは出さないということでありました。また新しくわれわれの原則となすべき経済原則根本精神によりましても、追加予算は嚴にこれを慎しむ。こういう方針であると考えるのであります。しかるにここに突如として追加予算が出たということにつきまして、これらの言明ないしは新しい経済原則というものに対して、この追加予算がまつたく反しておるものであるということを認められるかどうか。この点をお伺いいたします。
  26. 池田勇人

    池田國務大臣 今回の追加予算は必要やむを得ざるものでございまして、本議会に提案いたしたのでございます。追加予算を出すことは経済原則に反していない。これはその資金性質によつて考えるべきものだと思つております。
  27. 風早八十二

    風早委員 そういたしますと、その財源性質がただちに問題になると思うのであります。ここで一般会計追加予算につきましてその財源を見ますと、財源はここには全然明記せられておらない。これはいかなる財源を考えておられるのか。
  28. 河野一之

    河野政府委員 この一般会計補正予算は、実質上予算金額を増加するものではないのでありまして、前会提出いたしました補正予算におきまして、運営会職員給與改善経費としては五億円を限つて充てることができる、こういう規定が部局別予算のところにあつたわけでございます。それをいろいろ交渉の結果まとまりました数字に直しますと、七億五千万円ほどいることになりますので、その金額船舶運営会補助から支弁される。もとの五億円の場合も船舶運営会補助でありますが、その補助のうち五億円しか給與改善使つてはいけないということになつておりましたのを、さらに二億五千万円ふやしてもいいということで、予算全体の総額が動く問題ではないのであります。從つて歳入財源は必要といたさないということになります。
  29. 風早八十二

    風早委員 そういたしますと、この七億五千万円との差額二億五千万円は、どういう形で今まで保存してあつたのですか。
  30. 植原悦二郎

    植原委員長 この場合ちよつとお断りいたします。GHQとのお約束でお話合いがあつて池田大藏大臣暫時この席をはずすということですから、御承知を願います。
  31. 志賀義雄

    志賀(義)委員 暫時というのはどのくらいですか。
  32. 植原悦二郎

    植原委員長 十二時半ころまでに帰つて來られるということです。
  33. 風早八十二

    風早委員 大藏大臣がおられなければ質問してもむだであると考えます。責任ある答弁は得られないと考えます。それまで暫時休憩されたいと思います。
  34. 植原悦二郎

    植原委員長 先刻の風早君の御質問に対して河野政府委員が答えをするそうです。
  35. 河野一之

    河野政府委員 船舶運営会補助は、二十三年度の当初予算に四十億載つておりまして、それから物價の改訂、給與水準上昇等によりまして、二十五億の追加を必要とすることになりまして、第四國会においてこの予算が成立したわけであります。しかしながらこの二十五億円について使用制限がついておりまして、給與改善に充てられる経費は、そのうち五億円に限るということになつてつたのであります。それが今回給與水準に関する交渉が妥結いたしまして、ふえます場合においても二十五億円の中で支弁できる、それは経費の節約その他によりまして支弁できる、こういうことになつたのでありまして、ただその制限の文句をかえただけにすぎない、こういうことであります。
  36. 植原悦二郎

    植原委員長 今の風早君のお話は、大藏大臣がおらなければ、責任ある答弁ができないから、質問しないとおつしやるのですか。
  37. 風早八十二

    風早委員 これは追加予算の問題であつて事重大であります。どうしても所管の大臣の政治的な責任ある御答弁を要求したいのであります。ぜひとも十二時半までは暫時休憩をお願いしたいと思います。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  38. 植原悦二郎

    植原委員長 それは動議ですか、何ですか。
  39. 風早八十二

  40. 植原悦二郎

    植原委員長 緊急動議で、賛成者があるようですから採決します。風早君の動議に対して賛成の方は御起立を願います。     〔賛成者起立
  41. 植原悦二郎

    植原委員長 起立少数動議は否決されました。質疑を御継続願います。
  42. 風早八十二

    風早委員 さらに財源について、特別会計の貴金属地金賣却益金の收入増加が一億九千万円見込まれておるようでありますが、これはすでに賣却されたものでありますか。
  43. 河野一之

    河野政府委員 大体賣却されたものであります。本日は年度末でありますが、予算としては本日までの分を見込んで計上してあるわけであります。大体実績に近いものであります。
  44. 風早八十二

    風早委員 賣却の價格については何か変更があるのですか。
  45. 河野一之

    河野政府委員 これは別に変更はないのでございますが、従来八月十六日以降價格が上つておりますので、その價格で現存賣つておるわけでありまして、別に変更はございません。
  46. 風早八十二

    風早委員 そういたしますと、これはまだ賣れておらないが、賣れる見込がある、そういう財源でございますか。
  47. 河野一之

    河野政府委員 そういうわけではございません。大体今まで、金は一般には現在のところ賣つておらないのでありまして、主として医療用に賣つております。それから銀もございますが、銀は大体工業用その他に賣つておるのでありまして、一般装飾用その他には賣つておらないのであります。大体金で千七百三キログラム、銀で三万三百十七キログラム、こういうふうな計算になつております。
  48. 風早八十二

    風早委員 貴金属地金等拂下げというものがここで問題になつておるようですが、どういうものが政府の方で拂下げられたか、おもなものだけひとつ言つていただきたい。
  49. 河野一之

    河野政府委員 用途向きについては、ただいま書類を持つて参りませんので、後刻申し上げたいと存じますが、先ほど申し上げました通り、金といたしましては、ほとんど全部が歯の治療用に使われておるのでありまして、そのほかにあまりないと記憶いたしております。銀もある程度医療用に使う場合もございますし、それから工業用といつたものがほとんど大部分であることは、先ほどお話申し上げた通りであります。
  50. 風早八十二

    風早委員 御答弁が非常に抽象的でありまして、私はこの財源について、もつとまじめに政府の方で答弁していただきたい。今の御答弁では、全然計数が何もわからないのでありまして、はなはだ遺憾であります。  なお追加予算につきまして、これは最後のものであるという大藏大臣の今の言明でありましたが、ほかにも追加予算と同性質のものが、法案の形ですでに議会を通つておるというふうなものがあるように見受けられるのであります。そういう点はなぜ追加予算というものを総合的に編成せられなかつたか。
  51. 河野一之

    河野政府委員 風早さんの御指摘の点は、おそらく石炭の新勘定赤字などの交付公債のことだと存ずるのでありますが、これは現金にかえまして交付公債で渡すものでありまして、國の歳入歳出は、そういう代物返済みたいなものは含まない、現金でもつて出されるものが予算に組まれるわけでありまして、從つてそれは追加予算として処理すべき筋合いではない。但しその國債利拂いになりますものは、これは明年度予算に組むことに相なつております。
  52. 植原悦二郎

    植原委員長 風早君にちよつと御注意申しますが、どうか質問はつきりとして、今のような、もしそういうものがあつたならば、具体的にこういうものがある、これはどうだと、はつきり質問なさらなければ、答弁の方もはつきりしないので、かえつて時間をつぶすようになりますから、政府委員はつきり答弁を願いたいし、質問もどうか具体的に事実をあげて、はつきりと御質問願いたいものであります。
  53. 風早八十二

    風早委員 貿易資金特別会計改正法律案が昨日通りましたが、この貿易資金特別会計法は、貿易資金不足を補填するために、借入金または融通証券発行限度を五十億円に引上げたのであります。この場合におきましても、その利子負担というものは、もしも利率を五分五厘といたしますれば、約二億七千五百万円あるのでありまして、これらの政府負担というものがどこから出るか、少しもその財源が示されておらない。これに対して、政府委員大藏委員会における答弁のうち、これは予備金から出るというようなお話があつたのです。しかるに今日の世界経済新聞にも、大体予備費残高が出ておるようでありますが、もしもあの残高が間違いないとすれば、これの出場所がないと思うが、こういうものは当然追加予算として、新しくここに編入せらるべきものであると考えるのであります。この点について政府はいかにお考えになるか。
  54. 河野一之

    河野政府委員 貿易資金は運用の会計でありまして、この借入金関係は、二十三年度予算については、追加予算として出ないのでございます。ただ借入金利子でありますが、これは短期の、何と申しますか、年度内たけのわずかの間でありますので、私といたしましては、予備費によりまして支弁できると思つております。明年度の分になりますと、明年度予算になりまするので、追加予算として必要がない、こう考えております。
  55. 風早八十二

    風早委員 借入金にしましても、証券発行にいたしましても、また交付公債は言うまでもありませんが、もちろんそれらについて、私は現実利子負担を言つておるのであります。その財源というものは依然として問題になる。これは税金はつきり見合うものがあるのであるか、あるいはまた、いかなる方法をとられるのであるか、この点について、今の御答弁では御答弁にならないと思います。
  56. 河野一之

    河野政府委員 貿易資金予備金をもつて支弁できると考えております。
  57. 風早八十二

    風早委員 それでは貿易資金予備金の明細を示していただきたい。
  58. 河野一之

    河野政府委員 これは予備費支出調書で、従来の第一予備金の系統に属するものでありますから、從來の扱いで言いますと、いろいろ違う点があるのでありますが、今出ております予備費支出の分は、たしか二月くらいまでのじやないかと思いますが、その後の分をつけてすぐ出すことになつております。その際に御説明する機会があるのじやないかと考えております。
  59. 風早八十二

    風早委員 今のお答えだと、金はどこからでも出るというふうに聞えるのですが、いかに貿易資金予備費であろうと、やはり予備費でありまして、それは現実になくちやならないと思います。そういうものはどこからか出て来て、どこかへ消えて行くというような、あいまいなものであつてはならないと思うのです。もう少し納得の行くように御答弁願いたいと思います。
  60. 河野一之

    河野政府委員 法律予備費が許されておりまして、予備費については一定の使用制限があるのでありますが、予備費でもつて支弁できる限り、財源見合つて予備費ができておるのでありますから、それがために特に追加予算を出すまでもないと考えております。
  61. 風早八十二

    風早委員 依然としてその御答弁ははなはだ不満足であります。大体予備費にいたしましても、これは税金收入なり何なり、はつきりした源泉があるのでありまして、それはどこに一体求めておられるのか。ただ帳面づらに予備費ということであれば、おのずから金が出るということであるならば、予算なんか組む必要はない。そういう点について、今の御答弁ではだれもわからないと思います。
  62. 河野一之

    河野政府委員 貿易資金特別会計でありまして、特別会計で経理して損益を立てておるわけであります。従つて税金その他と関係をもつ一般会計とは全然違うものでありまするから、御指摘の点がちよつと納得いたしかねます。予備費法律上、國会の協賛を経て立てておるのでありまして、これは事後において御監督を受けますが、閣議の決定をもつて、一應その金額の範囲内では支出できるようになつておりますから、御指摘の点はちよつと納得いたしかねます。
  63. 風早八十二

    風早委員 今の御答弁こそ納得が行かないのであつて、とにかく予備費として帳面につける以上は、それはあるはずです。ない金をつけておるわけですか。だから予備金の明細というものを求めておるわけです。今まで予備金か、どういうふうにして、どこからその財源が充てられ、何に今まで使われて、どれだけ残つておるか、これについて数字を出していただきたいと思います。特別会計一般会計とは、ただ会計の組立が違うだけであつて、その本質においてはちつともかわらない。一般会計について予備金現実の基礎があるとすれば、やはり特別会計つて同じことですから、その点は特別会計だから、全然帳面づらの予備金でよろしいというようなものではないと思います。もし一般会計からこれを繰入れるというならば、一般会計についてそれたけの源泉がなくてはならぬ。そういう点について、今ちつともお答えになつておらない。
  64. 河野一之

    河野政府委員 当初予算に計上してありまする予備費使用の問題でありまして、これは決算委員会で予備費支出調書を出しまして、十分御審議をいただいておるのでありまして、今まで支出したものにつきましては、すでに一昨日あたり、一般会計特別会計とも詳細なる調書が出ております。今後使用するものにつきましては、年度内をとりまとめまして、そうして一括して、多分今國会に提出して、御審査を仰ぐことになつておると思います。
  65. 風早八十二

    風早委員 でありますから、その予備費の内容を……。
  66. 植原悦二郎

    植原委員長 許可を受けずに御発言は困ります。
  67. 風早八十二

    風早委員 予備費の内容を今聞かしていただきたい。それでなければ議論が先に進められない。
  68. 河野一之

    河野政府委員 ただいま手元に持つておりませんから後ほど調査してお答え申し上げます。
  69. 風早八十二

    風早委員 後刻とおつしやるのはいつですか。今あなた、連絡しておられる様子も見えないのですが、もうこれでどんどんと予算の審議は進行しなければならないのであつて、もしもそれを待つてよいというのなら、暫時休憩を要求したいと思います。
  70. 河野一之

    河野政府委員 調べますか、ちよつと時間がかかるかも存じません。しばらく御猶予願いたいと思います。
  71. 植原悦二郎

    植原委員長 政府委員にお尋ねしますが、猶予といつて、すぐ出せるのですか。
  72. 河野一之

    河野政府委員 予備費にもいろいろありまして、所管限りでできる予備費があり、こちらで出すべき予備費がありますから、まだ五十億の借入金も、本日しているかしていないかわかりませんし、ちよつと今すぐは……。
  73. 植原悦二郎

    植原委員長 できなければできないように、はつきりと答えておいていただかないといかぬと思います。
  74. 河野一之

    河野政府委員 取調べはいたしますが、今すぐここに持つて来てお答えできるかどうか、調査の都合上はつきり言明できませんが、できるだけ早い機会に調査して申し上げたいと思います。
  75. 風早八十二

    風早委員 それでは、その点については、後刻資料が出て來てから、また質疑することを保留しておきます。  この追加予算の編成の基礎でありますが、大体物價水準なり、織込み賃金なりについて、どういう算定をしておられますか。
  76. 河野一之

    河野政府委員 この追加予算は、一般会計においては先ほど申し上げた通りでありまして、追加予算特別会計の分につきましては、これはほんとうに計算的に出るものでありまして、物價とか、賃金とか、そういうむずかしい問題に関連しておる予算ではないのであります。たとえて申しますれば、郵便貯金の利子がふえたから予算を組まなければならぬ、それから薪炭証券の割引利率が上つたから組まなければならぬという問題で、実質的にそういうむずかしい問題に触れるような予算ではないと思つております。
  77. 風早八十二

    風早委員 少くとも一般会計におきまして、従業員の待遇改善が問題になつておる。労務の特殊性——船舶運営会関係の労務者の労務の特殊性、並びに他産業の労務者との均衡の問題が出ておるのでありまして、明らかにそこには物價水準、織込み賃金の問題が前提になつておる。その算定の基礎がどうであるか。
  78. 河野一之

    河野政府委員 運営会の経費の問題につきましては、前國会におきましていろいろと申し上げたのでありまして、当時考えておりました給與水準より、交渉の結果上りましたのでありまして、特に給與水準とか、物價水準とかいうような点でなしに、その当時の見込みより足りなくなつた、こういうようにお考え願いたいのであります。
  79. 風早八十二

    風早委員 この労務の特殊性というのは、どういうものであるか、ほかの産業の労務者との均衡というのは、具体的にはどういう数字をもつて表わしておられますか、資料の提供をお願いしたい。
  80. 河野一之

    河野政府委員 要するに、政府職員が十二月から六千三百七円ベースになりましたにつきまして、それと同じようなバランスのとれた給與であるならばいかがあるべきか、あるいは一般産業との関係を見ていかがあるべきか。こういうところから出したのでありまして、陸上船員については大体八千四百五十円ぐらい、海上船員につきましては、乗船中の手当等を入れまして一万百円程度、これが組合その他と交渉の結果、妥結した数字であります。
  81. 野坂參三

    ○野坂委員 議事進行についてちよつと委員長にお聞きいたします。きようのこの予算委員会は、大藏大臣はいつごろお見えになりますか。十三時半まで來られないということでありますから、午後再開して、大藏大臣出席のもとにおやりになりますか、これをお聞きしたい。
  82. 植原悦二郎

    植原委員長 大藏大臣は十二時半ごろまでは、GHQの関係上、ここに来られないということは先刻申し上げた通りであります。それであなたは大藏大臣の出席までは審議を進めないようにしたいとおつしやるのですか。
  83. 野坂參三

    ○野坂委員 そこまでは言つておりません。私の聞いておるのは午後いつから再開されて、大藏大臣が出席できるかどうかお聞きしております。
  84. 植原悦二郎

    植原委員長 大蔵大臣は十二時半までは來られないということですから、大蔵大臣が帰つて來たならば、この委員会に出席し得られると思います。なおそれについて確実なことを大藏省の方に確かめてお返事をいたします。
  85. 野坂參三

    ○野坂委員 それでは追加予算については、風早委員の方から相当詳細な点について質問がありましたので、私は大蔵大臣の出席のもとに簡單に質問したいと思いますから、午後の機会まで私の質問を保留したいと思います。
  86. 風早八十二

    風早委員 今の御答弁は、六千三百七円べースを堅持せられるという意味でありますか。八千四百五十円というのは新しいべースになるのですか。一万百円というのは何か。その点、もう少し明細に御説明願いたい。大事な問題ですから……。
  87. 河野一之

    河野政府委員 これはあるいは海運総局の方から、御説明をいただいた方がよろしいかと思うのでありますが、政府職員との権衡その他から行きますと、この予算で、十二月以降大体八千四百五十円程度の給與が、平均したもので、その程度のものは支弁できるということであります。必ずしもベースというのではありませんが、逆算して計算してみれば、そういうことに相なるかと思いますが、一應そこまで金額としてきまつておるのであります。船員につきましても大体同様であります。
  88. 風早八十二

    風早委員 これで質問を打切ります。
  89. 植原悦二郎

    植原委員長 米原昶君、御質問がありますか。
  90. 米原昶

    ○米原委員 私も大藏大臣がおいでになつてから、あらためて質問いたします。
  91. 植原悦二郎

    植原委員長 松本六太郎君。
  92. 松本六太郎

    松本(六)委員 特別会計の薪炭需給調節費の関係についてお伺いいたしたいと思いますが、二十三年度におけるこの調節費用の総額はいくらでありますか、これをお伺いしたい。
  93. 河野一之

    河野政府委員 ただいま手元に持つておりませんので、記憶で申し上げて間違いましたら失礼申しますが、大体二百五、六十億見当ではなかつたかと存じております。
  94. 松本六太郎

    松本(六)委員 全体においてこの二十三年度の薪炭需給調節の事業は、軌道に乗つたかのごとくわれわれは見ておるのでありますが、聞くところによると、政府はこ十四年度においてはこの仕事を縮小するか、もしくはやめるというようなことを聞くのでありますが、この予算に関連いたしまして、二十四年度の計画はどうなつておるかお尋ねいたします。
  95. 河野一之

    河野政府委員 私数字を持つておりませんので、農林省の政府委員から答弁していただくようにしたいと思います。
  96. 松本六太郎

    松本(六)委員 農林省の政府委員は出ておりませんか。
  97. 植原悦二郎

    植原委員長 農林省の政府委員は出ておりません。
  98. 松本六太郎

    松本(六)委員 それではこれは留保して、午後農林省の政府委員の出席を求めて、さらに御答弁を願いたいと思います。  いま一点伺いたいのは、開拓者資金関係でありますが、この開拓者に資金として貸付けました二十三年度の総額はいくらでありますか、それを伺つておきます。
  99. 河野一之

    河野政府委員 もし記憶が間違いましたら恐縮いたしますが、約二十億でございます。
  100. 松本六太郎

    松本(六)委員 開拓者資金関係は、これはその他の資金との関係もありましようが、全國的の輿論といたしまして、非常に少額である、何とかこれを増額してもらいたいという声が高いのであります。そこでこれも関連がありますから一應お尋ねいたしたいのでありますが、二十四年度の御計画はどうなつておりますか、伺いたい。
  101. 河野一之

    河野政府委員 二十四年度予算につきましては、目下編成中でありますが、大体今までは開拓者資金特別会計で公債を発行して貸付けておつたと思うのでありますが、明年度といたしましては、一般会計からその財源を繰入れるというようなかつこうにおそらくなるのではないかと思つております。金額といたしましても、大体前年度と同じ程度のものになると考えております。
  102. 松本六太郎

    松本(六)委員 よろしゆうございます。
  103. 植原悦二郎

    植原委員長 これで休憩いたしまして、午後は一時から開会して質疑を継続いたします。     午後零時休憩      ————◇—————     午後一時三十九分開議
  104. 植原悦二郎

    植原委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  質疑に入ります。質疑者の発言を許します。松本六太郎君。
  105. 松本六太郎

    松本(六)委員 私は午前中の会議においてお尋ねをいたしたのでありますが、農林省の方から政府委員がお見えになつておらない関係上、御答弁を得られなかつたのであります。それは薪炭需給調節の費用が、二十三年度におきましては総額何ほどを支出せられたかという点。さらにこれに関連をしまして、二十四年度においては、どういう計画をお持ちになつておられるか、これをお尋ねいたしたのであります。あわせてあらためてこの両点について御答弁を願いたいと思います。
  106. 三浦辰男

    ○三浦政府委員 二十三年度はただいままだ帳じりが出ませんので、はつきりした数字は申し上げられませんが、約二百五十五億程度になります。それで二十四年度の問題でございますが、これはいわゆる統制方式の問題がまだ実はきまつてないという実情はございますが、予算としては本年度と同じ線で組んでございまして、結局今日の予算面では、二十三年度と同様な統制方式を依然として継続せざるを得ない、こういうような状況でございます。
  107. 松本六太郎

    松本(六)委員 ただいまの林野局長官のお答えによつて、大体わかるような氣もいたしますが、しかし最近における政府の考え方は、今までのやり方を大幅に改正する、あるいは統制の方式を根本的に改めるというような強い意見が政府の内部にあり、かつさような計画が進行しておるというようなことを聞くのであります。薪炭の需給関係は御承知のように、従来の政府の施策も非常に熱心にやられましたし、ようやく増産の緒についたとわれわれは考えております。しかるに昨年の暮れから、この冬は全國的に非常に氣温が高かつた、暖かかつたという点で、薪炭が飽和状態になつたかのごとき考えの上に立つて、急激にこれらに対する増産施策を変更せられるかのごときことを聞きますが、最近産地方面、北は北海道南は九州方面からも続々業者の團体等が出て参りまして、せつかく増産の軌道に乗つたものを、今ただちに急激な変更をするがごときことのないようにしてもらいたいという意見が強いのでありますが、これに対して政府はどういう態度をもつて臨まれるのか、このことをさらに御答弁が願いたい。
  108. 三浦辰男

    ○三浦政府委員 お答え申し上げます。確かにただいまお話のありましたように、薪炭の統制方式の問題につきましては、ある程度従来とつておりました、いわば全面的な買上げ賣渡しという行き方を緩和しても、今日の場合いいではなかろうか、こういうようなことから、いろいろとその間、案としてはございましたが、先ほども申し上げましたように、事務当局といたしましては、いろいろな情勢上まだはつきりきまつたとは申し上げかねますが、予算の方の関係、また私ども事務当局として交渉しています範囲内におきましては、本年と大体同様の統制方式で参る、こういうふうな考え方であります。
  109. 松本六太郎

    松本(六)委員 終了いたします。
  110. 植原悦二郎

    植原委員長 風早君、大藏大臣が出席されるまであなたの質問はもうほかにございませんか。
  111. 風早八十二

    風早委員 ありません。
  112. 植原悦二郎

    植原委員長 米原君も同様でしようか。
  113. 米原昶

    ○米原委員 そうです。
  114. 植原悦二郎

    植原委員長 今大藏大臣の出席を督促しておりますから、しばらくお待ち願います。——大藏大臣が見えられましたので、発言を許します。風早八十二君。
  115. 風早八十二

    風早委員 午前に引続きまして大藏大臣質問をいたしたいと思います。貿易資金特別会計赤字借入金、もしくは証券発行の限度を引上げて、五十億円で埋めるということが、大体昨日衆議院を通過した改正案できまつたのでありますが、けさほど私は特別会計における追加予算性質を持つたものではないか。その財源はどこにあるか、この点を御質問したわけであります。実はこの点につきまして、大藏委員会での政府委員の回答によれば、これは特別会計予備費から出すというお話だつたと記憶しておるのであります。そこでけさほどその予備費の内訳、その收支を伺いたいと言うと、その資料は後刻提供するというお話で現在までお待ちしたわけであります。ただいま主計局長からちよつと前にこれについての資料を出されたのでありますが、それによりますと、大体これは予備費では拂わない。ことに予備費は実は二百万円しかないのだ。それでは何でやるかといえば、また借入金利子の計上額が三億円余りある。それでやるんだというお話であつた。ここでいろいろ問題があるのでありますが、ますます御答弁がわかりにくくなつて來たわけであります。大体予備費でやると言われたり、また借入金を認めて、それを前提としてその資料が出されるという約束であつたのでありますが、予備費は二百万円しかない。さらに利子計上額三億円、この中から出すというような今度は別のお答えがあるのでありますが、これは開会前にいろいろ資料をもらつてわかつたのでありまして、この際重複を避けて私の方からこれをお聞きするわけでありますが、そういたしますと、この予備費というものでまかなうといつた御答弁は間違つておつたということになる。さらに利子計上額につきましても、三億円の利子計上額がまだ残つておるというのは、非常にだぶついて、最初から利子計上額を計上しておられたのか、そういう点が依然として非常にあいまいでありまして、これらの明細な收支を伺いたいと思うのであります。
  116. 河野一之

    河野政府委員 多少誤解があるのじやないかと思います。貿易資金五十億借入れの法律案が出ておるのでありますが、これの利子の問題でいろいろお尋ねだと思うのであります。貿易資金は本年度の本予算に、三億二十五万六千円というものが計上してございます。そのほかに予備費が二百万円あるわけであります。先ほどの大藏委員会でほかの委員が申されたかも存じませんが私も先ほど申したのであります。利子の計上額が不足するかどうかという問題でありまして、足りなければまた二百万円出す、こういうふうに申し上げたと思うのであります。三億円のうち、二月末までにおきまして利子の支拂い額が一億四千八百万円、今後いるものが一億二千五百万円程度が見込まれまするので、この分としては既定の利子計上額をもつて支弁できる。從つて予備費の支出はいらないだろうということを申し上げたのであります。  それからこの借入金利子の支拂いの状況でございますが、これは期限が来たときに一括して拂いまするので、今回借入れました分は、大体一年というふうになつているのが普通のようでありまして、そのときに支拂うのでありまして、從つて貿易資金としては追加予算がいらない。こういうふうに考えております。
  117. 風早八十二

    風早委員 今の御説明は御説明としてよくわかりました。しかしながらそういたしますと、この予備費から出してやるということはまつたくのでたらめである。また利子計上額から出すと言われたことも、これもまた別に何にも利子計上額から出すわけではない。この先の問題である。こういうことであります。その御答弁が常にその都度非常に違つておる。これはわれわれにあいまいな奇怪な感を抱かせるのであります。こういうあいまいな態度で、この追加予算の問題につきまして、われわれにその法案の審議を迫るということは、はなはだ迷惑千万だと思います。政府におかれては、この点についてもつと確固たる正確な御答弁を、ぜひお願いしたいと思うのであります。さらに午前の質問に続きまして、一般会計における從業員の待遇改善問題でありますが、これに要する新しい二億五千万円というものは、これは船舶運営会への補助金の中でまかなわれるというように大体承つたと記憶するのであります。船舶運営会への補助金は大体二十五億円程度であつたと記憶するのでありますが、この中で今までは五億円出しておつたのを、今度は七億五千万円にふやした。そういたしますとその他の費用がこの給與部分で食い込まれたということであると思いますが、その他の費用につきまして、もう少し明細な報告を願いたいと思います。
  118. 岡田修一

    ○岡田政府委員 海運局長の岡田でございます。ただいま御質問のありました二億五千万円でございますが、これはお説の通りに、二十五億の追加予算を差繰つてその中から出すわけであります。その金は初め見込んでおりました船舶の使用料、これにつきまして当初の計画と実際の実績の間に、船舶建造の時期、それから不稼動船舶の稼動に至りまする時期に相当のずれがあります。その間に使用料として不用になつたものかできたわけであります。その使用料の不用になつたものを、この給與の方にまわすようにいたしたわけであります。
  119. 風早八十二

    風早委員 私の質問は終ります。
  120. 米原昶

    ○米原委員 第一に風早委員から質問したわけでありますが、経済原則方針從つて、今後の日本の復興を進めて行かなければならない。その方針についてであります。その第一條に予算の均衡ということがうたわれております。予算の均衡ということについて、ただ数字が均衡しているだけのことなら、すでに第一次吉田内閣の末期からそういうふうになつておる。予算の均衡とは一体いかにお考えになつておられるか。この経済原則で要請されておる予算の均衡とはいかなるものであるかということについて、ひとつ大藏大臣の御意見をお伺いいたしたいのであります。
  121. 池田勇人

    池田國務大臣 経済原則にうたつておりまする予算の均衡とは、実質的にも形式的にも歳入歳出がバランスすることでございます。
  122. 米原昶

    ○米原委員 実質的に予算のバランスがとれるとは、どういうことでありますか。もう少し親切な御説明をいただきたい。
  123. 池田勇人

    池田國務大臣 形式的のみでなしに、実質的にバランスのとれることであります。
  124. 米原昶

    ○米原委員 この経済原則の実施については、われわれにも一つの考え方がありますが、そういう意見を述べる意味において、私は大蔵大臣にもつと具体的に言つていただきたい。ただいまのようなお返事では、まつたく國会議員を侮辱した御返答であると考えます。もつと丁寧な返事をいただきたい。
  125. 池田勇人

    池田國務大臣 ただいまのところ数字がございませんので、昭和二十四年度予算案につきましては形式的のみならず、実質的なバランスをとつて御審議願いたいと思つております。その際にお譲りしてもいいのではないかと思います。
  126. 米原昶

    ○米原委員 経済原則を発せられましたのは、昨年の十二月で、ここに出まれておりますこの補正予算を審議する上につきましても、経済原則の考え方でわれわれはこれを判断して行かなくてはならぬ。でありますからこの補正予算は、どういう考え方で盛られておるかということを言つていただきたいのです。
  127. 池田勇人

    池田國務大臣 この追加予算につきましても、あり余ると申しまするか、使う予定であつたのが使わなくて、それをほんとうに必要な方面にまわす、これは形式的にも実質的にもバランスをとることが必要であります。今の船舶運営会におきまして、二億五千万円給與のふえましたのも、ただいま政府委員の説明いたしましたように、片一方にあり余つて、そつちの方へまわす金があるということがはつきりわかりまして、そこで片一方の支出に充てるということでございます。
  128. 米原昶

    ○米原委員 ただいま一つの例示をもつてお話になりましたので、やや明らかになつた点もありますが、ただいまの説明がありましたように、昨年この二十五億円の船舶運営会に対する補助金がきまりました際に、五億円は給與の方にまわすようにきまつたはずであります。そのほかの二十億円が別の費用に割当てられたと思うのであります。ところが、それが実際上は使われないで今まであつたというふうな、こういうような予算の組み方、これがかかつたときにも五億円でなくて、もつと多くのものを労働組合の方から要求していたわけです。これが計上されましたときにも、当時わずか三割しか労働賃金は上らなかつた。そういうようなときに、こういう考え方で進めて行く予算の組み方が、九原則に從つたものであるとお考えになるのでありますか。その点についてお答え願います。
  129. 植原悦二郎

    植原委員長 米原君の経済原則のバランス・バジエツトとは、はたしていかなるものかという御質問は、まことにごもつともな質問だと思います。それに対して大藏大臣は、この予算は二十三年度追加予算だ、それで本予算が数日中に國会に上程されるから、その場合にすべての事実を明らかにして、その問題を御説明申そうということも、ごもつともなことでありますから、その質問はどうか、米原君その程度にして……。
  130. 米原昶

    ○米原委員 私は單なる原則を聞いておるのではない。この二十三年度補正予算が、当然経済原則によつて組まれなければならぬ、そういう意味で聞いておるのであります。この二十三年度補正予算に、そういう考え方が盛られておるかどうかということを、具体的に説明していただきたい。これが通過したあとでこれを説明するというのでは、これを審議するわれわれの審議権を、かつて委員長が奪おうとするものと解せざるを得ない。
  131. 植原悦二郎

    植原委員長 今の大藏大臣答弁の船舶に関するところのものも、実例としてその一つだとお答えした。なおその大きな問題は本予算のときによく御説明申そうということで、この追加予算はきわめて緊迫した急を要するものでありますから、私は圧迫するのではない、その辺はしかるべくひとつ御了承願えまいかということであります。
  132. 米原昶

    ○米原委員 ただいま委員長から御説明がありましたが、大臣委員長のおつしやつたような御意見でありますかどうか、その点を一言御返事していただきたい。
  133. 池田勇人

    池田國務大臣 委員長と同様の考えであります。
  134. 米原昶

    ○米原委員 それならば大体わかりました。つまり二十三年度補正予算は、必ずしも九原則從つて組んだものではないということを、答えられたと私は解釈いたします。つまり少くとも大臣の考えられる九原則予算は來年度からである。來年度から組まざるを得ない。それで今まではそうではないから、これをごまかすためにつくられたと解釈せざるを得ないのであります。  そこでちよつとこまかい点についてお尋ねします。大蔵省所管の國債整理基金特別会計でありますが、この歳入の財産税借入金の借りかえによる借入金收入が増加するためとありますが、この借入金收入が増加するという点について、ちよつと説明していただきたいと思います。
  135. 河野一之

    河野政府委員 國債整理基金と申します会計は、各会計借入金、公債の発行を整理するという会計でありまして、財産税の会計で借りております公債、借入金の期限が來ましたので、これを借りかえるためのもので、形式的な負担は財産視でありますが、その借りかえその他は國債整理基金でやりますので、その分が期限が來ましたから借りかえるというためのものであります。
  136. 米原昶

    ○米原委員 結局その借りかえによつて借入金收入が増加していると思いますが、これは結局どういうことか、ちよつとお聞きいたします。
  137. 河野一之

    河野政府委員 増加はいたさないのでございます。償還が來ますので、それを元のものを返しまして、新しいものを発行いたしますから、歳入歳出の上ではそういうかつこうになつて出て來る。ネット増にはなるものではございません。
  138. 米原昶

    ○米原委員 そうしますと、この場合に利子は新しく伴うわけですか。
  139. 河野一之

    河野政府委員 利拂いは年に二回でございまして、その分は既定予算に組んでありまして、借りかえるだけでありますから、利拂いは來ないわけであります。
  140. 中曽根康弘

    中曽根委員 けさほど大藏大臣質問いたしまして留保したものを、平田主税局長さんがお見えですから、また質問さしていただきたいと思います。予算委員会としては、政府のやつている財政の運用について、監督の責任を持つているわけでありますから、その点から今年の歳入状況について承りたいと思います。先ほど追加予算はもう出さないという大蔵大臣の御答弁でしたから、はたしてそれが行くかどうか確かめてみたいと思います。  まず第一に、今年の予算額は一般会計歳入予算全部で租税及び印紙收入が三千百六十一億円、それから官業及び官有財産收入が千四十二億円になつております。これがはたして最も最近の調査において、どの程度まで徴收してかわつているか、その徴收状況を、所得税法人税取引高秘、それから官業、官有財産收入では專賣益金、この点について計数的にお知らせ願いたいと思います。
  141. 平田敬一郎

    ○平田(敬)政府委員 最近の租税收入状況について私から御説明申し上げます。最近の一番新しい資料は三百二十日現在の、これは概算でございますが、報告が來ております。それによりますと、租税收入予算全体の三千百六十億に対しまして、二千九百八億円程度收入になつております。ちようど九割二分でございます。まだ予算額に対しまして若干の下足を生じております。今後の見通しといたしましては、源泉所得税法人税等におきましては、予算に対しまして若干の増は来すじやないかと考えております。ただ一番大きな申告所得税につきまして、なおまだ予算に対しまして相当の不足を生じておりますので、全体といたしまして、どの程度歳入が増加するかということにつきましては、確たる計数は申し上げにくいのでございます。最近の状況から見ますると、今申し上げましたような状況でございますので、大全予算額は確保し得るのではないか、かように考えております。所得税は、全体で予算額が千八百三十四億円に対しまして千六百二十六億円です。それから、法人税におきましては、予算は百八十億に対しまして、実績が二百二十億になつております。それから取引高税におきましては、現金分と印紙分と両方ございますが、現金分の累計が三十九億、印紙の累計が百二十億、そういう状況でございます。
  142. 中曽根康弘

    中曽根委員 專賣益金はどうですか。
  143. 平田敬一郎

    ○平田(敬)政府委員 專賣益金は九百四十三億計上してあつたのでありますが、大体その通り入る見込みであります。
  144. 中曽根康弘

    中曽根委員 ことしの納入状況は、大藏当局の御努力によつて、昨年と比べて非常に円滑に行つておるようですが、現在その徴收未済の分がそれではどれくらいおありになるか、承りたい。
  145. 平田敬一郎

    ○平田(敬)政府委員 徴收未済の分と申しますか、結局来年度に繰越す見込みの分と申しますか、そういうようなものが当初予算から御承知通り相当額を計上しておりますが、更正決定によりまして決定いたしました申告所得税、この分が結局現在も相当徴收未済になつておりますし、相当額は来年度に繰越すものと考えております。
  146. 中曽根康弘

    中曽根委員 金額は幾らですか。
  147. 平田敬一郎

    ○平田(敬)政府委員 この約三百億前後の金額が來年度に繰越されるのではないかという見通しであります。なお正確な数字は後ほど取調べてお答え申上げます。
  148. 中曽根康弘

    中曽根委員 今の主税局長の御答弁を承りますと、大体において租税及び印紙收入においては九二%でありまして、ほとんど目的に近い数字であります。ところが申告課税で三百億程度徴收未済があるということになると、これは政府の方で予定收入をわれわれが議会できめた分よりもある程度よけいに増して、努力目標をつくつたか何かしたに違いない。まさか自然増とは言えないと思う。その点について、今までのやり方で言うと、やはりある程度年度收入歩どまりを見て、そうして割掛というか、努力目標決定しておつたようでありますが、おそらくことしもそれをやつているだろう。今までの数字だと六割七分とか何とか聞いておりますが、ことしはどういうぐあいにやつたか、その点を承りたいと思います。
  149. 平田敬一郎

    ○平田(敬)政府委員 先般追加予算の際も私は御説明申し上げたかと思いますが、申告所得税の方は決定が二月の終りになりまして、それに対する指定の納期が三月の終りになるのでございます。從いましてこの申告所得税の理想から申しますと、前年度の所得に対する税金が、すべて当該年度收入になるのが理想でございまして、私どもも近き將來には、さようなことに持つて行くべく努力いたしたいと考えておるのでございますが、大部分のものについて二月末に更正決定をし、三月末を指定納期にせざるを得ない、こういう実情でございますので、その全額を当年度歳入に見ることは、歳入見積り上危険でございますので、先般追加予算で御審議を煩わした際にも御説明申し上げたと思いますが、大体決定見込額に対しまして七割ないし七割五分程度年度内に入るものと見ております。予算では大体七割一分を見ておつたようでありますが、決定が私ともの見込みのところまで参りませんで、最近の状況から見ますと、大体七割五分程度入れは予算通りつて來る、かように見ておる次第であります。
  150. 中曽根康弘

    中曽根委員 この三百億の徴收未済分というものは、私は議会として軽々に見のがすべからざる数字であろうと思うのであります。実は去年も二百億程度でありましたか、徴收未済分がある。これは國会がきめた予算額をオーバーしておるものです。もちろん今主税局長がお答えになりましたように、年度内に徴收できないというおそれから歩どまりを見るのはわかりますけれども、しかしそれにしても額があまりに大き過ぎる。この三百億は大部分は中小の零細企業から取立てようとしておるものでありまして、このためにあるものは公賣処分に付されておつたり、あるものは廃業届を出しておつたり、悲劇の原因がこの三百億にあるだろうと思う。こういう莫大な徴收未済を残さないように、こういうことを去年の議会においてもわれわれに政府に厳重に警告したのでありますが、今年もこれだけのものが出て來たということは、私は政府の監督が非常に不行届きである、こういうふうにはなはだ遺憾の意を禁じ得ないのであります。このうちで一体実際とれる分がどれくらいになりますか、きようのある新聞によると、來年度予算歳計剰余金として約三十億円を計上しておる、この数字は正確かどうか知りませんが、その点はどういうふうにお考えになつておりますか、お答えを願いたい。
  151. 平田敬一郎

    ○平田(敬)政府委員 来年度予算に計上されます剰余金は、もう一つ前の二十二年度に生じました剰余金だろうと思います。今のお話の繰越しの分につきまして、来年度所得税歳入がいくらになるかという問題でございますが、前來年はしばしば御説明申し上げましたように、二十二年度の繰越分として約百六十億を見込んで參つたのでございます。それで来年度予算といたしましては三百億くらいのうちで、今計数整理をしておりまするから二百億前後は予算に計上して徴收可能ではないかと見ております。なおさような点につきましては、来年度予算案が提出されました際に詳しく御説明申し上げたいと思います。なおこの繰越しは、先ほど申し上げましたように、理想は申告所得税は全部申告で納まるのが建前でございます。大体において申告で納まるということになりますと、すべて当該年度歳入になるべきものでございます。しかしながら現在は御承知のような状況でございまして、先ほども申し上げましたように、相当多くの納税者につきまして二月末に更正決定を行いまして、三月末を指定納期として徴收せざるを得ない。そういう場合におきまして全額を予算に計上しますことは、歳入見積りの確実を期するゆえんではないという見地から、昨年の予算におきましては、約二割九分程度を翌年に繰越すものとして、かように計算しておりますので、さよう御了承願いたいと思います。なおこれは現に納税思想の普及と行政の改善によりまして、その比率を漸次少くいたしまして、將來におきましては全部年度歳入になるように持つて行くのが理想だと考えております。このことを申し上げておきます。
  152. 植原悦二郎

    植原委員長 中曽根君に申し上げますが、あなたは一番多くの時間をとつておるようですし、今のあなたの御質問は本予算のときにもできる質問だと思いますから、どうか非常に差迫つた追加予算であるということを御了承の上、あなたの質問制限するわけではありませんけれども、すべての事情を考慮して、しかるべくお取扱いを願いたいと思います。
  153. 中曽根康弘

    中曽根委員 それではもう一つ質問いたしますが、申告所得の三百億というものは、ほんとうに困り切つた、廃業届を出すとかあるいは公賣処分に付されておるという体のものであつて、これが完全に收納できるということは、非常に私はむずかしいと思います。もしこれを強行するならば、いたずらに共産党をふやすばかりであるだろう。そこで去年も実はこういう事態が起りまして、当時の大蔵大臣であるところの北村さんに私はいろいろお話しまして、たとえば予定申告したそれに対して、更正決定があまりにもはなはだしく來た。こういうもので事情酌量さるべきものについては、追徴税や延滞利子徴收はこれを適当に減免しろ、そういうふうに申入れまして、当時北村さんにそれをとりはからつていただいて、大蔵省と会計検査院との間で話ができて、特に不当と認められるもの、あるいはその差額が著しくないものについては両者の話合いによつて、延滞利子ないしは加算税の追徴は適当に減免してもらつたと思います。こういう措置が共産党を減らすに最も有効じやないかと思う。(笑声)そういう措置を私は今度の政府もぜひやつていただきたい。こういう点について平田さんの御見解を伺いたいと思います。
  154. 平田敬一郎

    ○平田(敬)政府委員 本年度の確定申告に対しまする更正決定につきましては、先ほど申しましたように、政府が指定いたしました納期までに納めました場合におきましては、追徴税は原則として免除する。加算税の方は、これは遅れましたことに対する利子に相当するものであります。また農村方面におきましては、納期までにきちつと納めてもらつている納税者がたくさんありますので、そういう人との権衡上から申しましても、この方は原則として徴收する、かようなことにいたしておるのであります。
  155. 植原悦二郎

  156. 勝間田清一

    ○勝間田委員 若干御質問申し上げます。船舶運営会補助金は、これは前に二十五億円の中で始末をするということになつてつたのでありますが、その当時、これは多分労働争議をやつてつて、それが賃金のストップのような措置を受けて、それで五億円という形で納まつたようなことに思うのであります。これが今度どういう賃金の形にかわつたのでありますか。その点をお知らせ願いたいと思います。
  157. 岡田修一

    ○岡田政府委員 今度の給與の改訂につきましては、今までの交渉の方法を少しかえまして、給與を引上げるという方法でなしに、一時金を支給する、こういう方法で行つてはどうか、かように考えております。目下その方法につきましては、海員組合と船舶運営会の間で交渉中でございます。
  158. 勝間田清一

    ○勝間田委員 それからこれは大藏大臣がお見えにならぬようでありますが、これから賃金の補助金はなるべくは出さないという形が、経済原則から出て来ておると思うのでありますが、しかし賃金の要求を熾烈にする條件というものも、確かに現在はあるわけでありまして、今後賃金部面というものと補給金というものをどう考えておるか、この点をひとつお知らせ願いたいと思います。
  159. 河野一之

    河野政府委員 賃金に関する三原則というものが九原則の前に出ておるのでありますが、この原則明年度予算を編成する上においても、同様な方針で守られておるかと考えます。この点につきましては、明年度予算の提出の際に、いろいろ申し上げる機会があると思います。
  160. 勝間田清一

    ○勝間田委員 そうすると、結局賃金関係補助金の問題については、明年度予算の際にということでありますが、二十三度の官吏の一般給與の六千三百七円をきめるときに、財源が許しさえすれば、一、二月のいわゆる不足分を補うということを、これは当時の考え方からなつておつたように私は思うのでありますが、この点について、今度の追加予算に加わつて來なかつたことを私は非常に遺憾に思うのでありまして、政府はこの点をどう考えておられるか、ひとつ御答弁を願いたいのであります。
  161. 河野一之

    河野政府委員 六千二百七円に相当する財源は、その当時二百六十五億程度金額でありました。その後收支の状況から見まして、多少の剰余金は出るとは思うのでありますが、過去にさかのぼりまして、一、二月分の不足の分を出すというような程度の余裕はないように現在考えております。
  162. 勝間田清一

    ○勝間田委員 そうしますと、もう一、二月の分については、今年は全然考えて行かない、こういうように考えていいのでございますか。
  163. 河野一之

    河野政府委員 その通りでございます。
  164. 三宅正一

    ○三宅(正)委員 議事進行について……。この追加予算につきましては、私ども余分な質問はせずに、なるたけ委員会の進行をはかるようにして來たのでありますが、これに対して動議を出されて、討論もせずに決できめるという行き方をされるようですが、そういう行き方でなしに、どうせ二分か三分それぞれの党の立場を表現するのでありますから、議事の運行についてはそういうふうにやつていただきたい。もし理事会においてこの問題について討論をせずにやろうということなら、それはまた別でありますが、理事会の運営もなしに、ぽかつと討論をせずにやろうという行き方は、この予算委員会を軽んずることになると思いますので、あらかじめ出ない前に、さようやつていただくように委員長にお願いしておきます。
  165. 植原悦二郎

    植原委員長 三宅君の御意見はまことにもつともだと思います。ただ昨日は、上林山君のただちに質疑を打切つて採決すべしという動議を採決いたしましたがゆえに、さような結果になつたことを御了承願いたい。いかなる場合にも、三宅君のお説のように、討論を聞いて採決すればけつこうなことだと思いまして、よし昨日のような動議がありましても、なるべく委員長は三宅君の御注意のような方法で進行いたすつもりでありますから、さよう御承知願います。
  166. 志賀義雄

    志賀(義)委員 議事進行について……。ただいま委員長からもお話がございましたが、どこやらそこらにいて、もういいだろうというような合図があるのですよ。これはどうもいかぬと思いますね。(笑声)これは図星でしよう。これじや何やら樂屋裏でしめし合せておいて、適当な時機が來たらぽかりとやろうということでは、憲法の手前困りますよ。(笑声)
  167. 植原悦二郎

    植原委員長 志賀君のお申出御注意いたします。
  168. 西村久之

    西村(久)委員 この三十三年度補正予算は、簡單な予算でありますので、この辺で質疑を打切られんことの動議を提出いたします。
  169. 植原悦二郎

    植原委員長 西村君の動議賛成の方の起立を願います。     〔賛成者起立
  170. 植原悦二郎

    植原委員長 質疑を打切ることの動議は成立いたしました。(拍手)
  171. 西村久之

    西村(久)委員 ただちに討論に入つていただくことをお願いいたします。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  172. 植原悦二郎

    植原委員長 西村君の御提案に御異議がないようでありますから、ただちに討論に入ります。有田君の発言を許します。
  173. 有田喜一

    ○有田(喜)委員 私はこの二十三年度一般会計並びに二十三年度特別会計予算補正に対して、民主党を代表して賛成するものであります。ただ私この際申しておきたいことは、この二十三年度一般会計予算補正につきまして、船舶運営会從業員に対する待遇改善案が出ておりますが、この措置がいま少し早く出されたならば、過般見るがごとき船舶運営会從業員をめぐつてのトラブルは起らずに済んだかと思います。ややもすると政府予算的措置が遅れるために、ストライキあるいはサボというようなことが起りまして、このために日本の國益のために非常に損失することが多々ある。今後当局におかれましては、かようなことを迅速に措置するように御注意願つておきたいので、ただ一言希望を述べまして、この予算賛成いたします。
  174. 植原悦二郎

    植原委員長 三宅正一君。
  175. 三宅正一

    ○三宅(正)委員 私は社会党を代表いたしまして、本予算案に警告付で承認を與えたいと存じます。その一つはこの一般会計補正予算は、船舶運営会の給料の問題でございまして、この点につきましては賛成でありますが、私どもの考えから見ますと、先ほど勝間田委員も御質問いたしました通りに、六千三百七円ベースがきまりまして、実質においては十二月繰上げ支給をいたしました関係上、官廳職員その他の給料は非常に一、二月において減つてつたのであります。その際政府においては、余裕のある限り、そういう減らす措置はとらないという言明をされておつたにかかわらず、その予算が出なかつたことにつきましては、われわれははなはだ遺憾に存ずるのであります。今度の政府の措置を見ておりまするときにおいて、九原則をいたずらに中小工業者、農民、労働者の犠牲において行われる建前が非常に強く、この点私は九原則それ自体を社会不安の点において破壊させる危険性があると存ずるのであります。この点について私どもは非常な深甚なる警告を政府に発したいと存ずるのであります。なお暫定予算追加予算審議の経過を見まして、私は池田大藏大臣を中心とする答弁がきわめて官僚的であつて、すでに本予算自体についても大綱については了承済みであります限りにおいては、もう少し明白に本予算関係についての質問等にも答えられまして、その上に立つて私どもは本予算については、大きく意見を述べなければならない点があるのであります。しかもこの点については、ドツジ方面において日本の実情を知らない点が多々あるのであつて、一吏僚が交渉することでなしに、日本の國論をもつてやらなければならぬ点が多々あるのに対しまして、はなはだ私は官僚的な態度であると考えておるのであります。こういう点について深甚なる不満の意を表します。しかしながら追加予算は緊急を要するものでもあり、給料の関係でもありますので、賛成をいたしたいと考えます。
  176. 植原悦二郎

    植原委員長 次に米原昶君。
  177. 米原昶

    ○米原委員 私は日本共産党を代表しまして、政府に対する警告付でこの補正予算案に賛成するものであります。  第一にこの一般予算を見ますと、これは労働者の給與に関する予算であります。それのみの予算であります。この点におきまして内容を見ますと、現在の賃金ベースが上の方に厚く、下に薄い、しかもこの予算が非常に遅く出されておる。こういう点についてはきわめて遺憾に思うのでありますけれども、事労働者の給與、労働者の生活に関する重大なる予算でありますがゆえに、今後この点について、政府はこういうやり方を改めていただきたいという警告付で賛成するものであります。  次に特別会計の方でありますが、これも内容は、大体内部の金のやりくりという程度のものでありまして、そういう意味で事緊急を要する予算でありますから賛成するものであります。この前、大藏委員会におきまして、産業設備営團の損失補償に関する法案が出されました際に、交付公債を五億円発行するということについて、わが党の代表からその点を質問しました折に、こういうやり方がいわゆる九原則にのつとる二十四年度予算編成方針とは、まつたく矛盾しておるということを認められておるのであります。先ほどの大藏大臣言明によりましても、そういう点が若干うかがわれると思うのでありますが、そういう点を今後絶対に改めていただきたい。そういう警告をわれわれ発するものであります。ことに現在重い税金で苦しんでいる多数の國民があります。それらの人たちは、一文でも税金がふえることに対して、非常に苦しんでおるわけであります。でありますから、先ほども政府の方から、今後こういう追加予算を出さないということを言明されましたが、そういうことをぜひ守つていただきたい。こういう意味で警告付でこの予算賛成するものであります。
  178. 植原悦二郎

    植原委員長 ほかに発言者もないようでございますから——討論はこれにて終局いたしました。  昭和二十三年度一般会計予算補正(第三号)及び昭和二十三年度特別会計予算補正(特第三号)両案の採決をいたします。賛成の諸君の御起立をお願いいたします。     〔総員起立
  179. 植原悦二郎

    植原委員長 起立総員。両案は原案通り可決いたしました。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時四十六分散会