○
梨木委員 今
議題にな
つておる問題と直接に関連はありませんが、
意見長官が見えておりますから聞きたいのでありますが、最近
地方におきまして、盛んに
地方自治法に基く
條例として、
行列行進、
集團示威運動に関する
條例というものが、たとえば
石川縣において、
新潟縣において、
大阪において、
大阪は昨年の十月でありますが、最近は
東京都においてもこの
條例の
制定が問題にな
つております。そこでこの
公安條例を見ますと、大体どの縣で出ておるのも同じようなものであります。
一つ見本に
新潟縣で出ておるのを読んで見ますが、第
一條におきまして、
行列行進または
公衆の
集團示威運動(徒歩または車両で道路、公園その他
公衆の自由に
交通することができる
場所を行進し、または占領しようとするもの以下同じ)はその地域を管轄する
公安委員会の
許可を受けないで
行つてはならない、この第
一條に
違反した場合におきまして、第
五條において、左の各号に一に該当するものは、一年以下の
懲役または五万円以下の
罰金に処す。こういうことを
規定しておるのであります。大体罰則の一年以下の
懲役または五万円以下の
罰金というのは、
石川縣のものも
大阪市のものもまつたく同じであります。それから先ほど申し落しましたが、
京都市においてもこういう
條例の
制定が今議会にかか
つておるのであります。
示威運動、
示威行進というものは、
憲法の二十八條でありますかによ
つて、
團体行動をする
権利は
勤労者に保障されておるのであります。ところがこの
條例を見ますと、原則として
示威運動というものは
禁止事項にな
つて、
許可を得た場合に初めて
示威運動なり、
示威行進ができるというように
規定しておるのでありまして、これは明らかに
憲法の基本的な
人権として保障しておるところの
示威運動の自由を侵犯するものであります。こういうような
條例をもしもこのまま放置しておきますれば、全國に波及いたしまして、遂には
憲法で保障したところの
基本的人権が、完全に全國的な規模において抹殺されてしまう結果になるのであります。すでに
新潟縣におきましては、税務署へ税金の
交渉に幾らかの人々が集團的に
陳情したことをも
つて、この
條例違反に問いまして檢挙しておる事実が出て來ておるのであります。かようなことになりますならば、これは
官廳へ集團的な
陳情さえもできないというような、こういう
大衆運動に対する彈圧が公然と、法の名前において行われるということになるのであります。この点についてすでに
法務廳へは
報告が來ておるはずでありますから、
法務廳はこれに対してどういうふうに対処しておるか、またこれに対する
見解を聞きたいのであります。