○吉川
委員 この問題は與党野党を問わず、各党まつたく同様に遺憾の意を表しておるわけであります。
政府委員の中におかれましても、それぞれ御
意見あるいは
説明に齟齬があつたり、どうしても納得のいかないものがあつたことは、今までの経過でよくわか
つておるわけであります。そもそもこういう
発表をなされる
根拠がはなはだ不明確である。しかも
政府発表は、
小倉部長の御
説明によれば非常に科学的に、機械的な
調査によ
つて行われると言
つておられるのでありますが、その
基礎にな
つているものは、
作報の
報告が第一に取上げられていると思うのです。この前定員法の問題のときに盛んに論議されたのでありますが、この穀物の檢査員とかあるいは
作報の機構は、きわめて不備であるということをわれわれも指摘し、
政府もまた、特に
農林当局もこれを認めていられたのです。さ
ような不備なものによ
つてでつちあげられた
ところの
数字を、この
ように大きく取扱われる
ような
発表をされたということは、これははなはだ私
どもは重要な問題だと
考えるのです。ことに
供出制度の行われているときに、こういう
発表が全
農民に及ぼす
影響がどうであるかということを、
考慮してなされたのであるか、なされなか
つたのであるか。單に機械的に、毎年や
つているのだから、恒例によ
つてやるのだという
ようなきわめて簡單なお
考え方でおやりにな
つたのかどうか。そうでないとするならば、他意があ
つたのか、他意がないといたしましてもあの不備な
作報の機構をも
つて、ことにデラ台風以來
キテイ台風に至る災害というものは甚大なものがあります。ことに私は
北海道を初め高冷地、寒冷地の、あるいは單作地帯の対策議員同盟の一人といたしまして、そういつた
方面を歩いて見て來たのでありますが、長野縣の千曲川の沿岸における
ところの災害、あるいは
北海道の開花期に十四度以下に温度が下つた場合に、遂にがん
ようのものができてきて、そしてこれが結果に至らないという
ような冷害。あるいは富山縣に参りますと、百七十万石の
割当の
ところ、五十万石の
減収であると言われているのに、
作報では、いや十三万石だという、この差があまりに大きいので、ただいま富山縣においてたいへんな問題にな
つている。こういう問題を、一々現地についてわれわれが見て來たのですが、これは取上げるとたいへん長いことになるのですが、その
一つ一つがことごとく私
どもが取上げなければならない
ような内容を持つた問題ばかりであります。そういうことを
考えるときに、こういう不完全な
作報の
報告に基いて、しかも全國の
農民に甚大な
影響を及ぼす
ような
数字の
発表をしたということは、あまりに機械的ではなかつたか。
農林省が、
政府がさ
ような不用意なことするということはないはずである。そこでわれわれは、他意があ
つたのじやないか。
石井委員の御
質問にもありました
ように、これはおそらく、
補正を控えて何らかの
考慮がされているのではないかということも、私たちは
考えざるを得ないのであります。ことに米價を早急にきめなければならない
ところに來ております。その米價も各
方面の代表者によ
つてなされておりまして、米價審議会の答申と
政府の
考えとの間には、
相当の開きがあるやに仄聞しております。そこでうんと
増産ができたんだというこの
数字を
発表することによ
つて、そんなに米がとれたのならば高い米價が、
農民の期待する
ような價格が決められなくても、どうもこの際はしかたがないのだと泣寝入をさせるために、米價を
決定する直前において、か
ような
発表がなされたのじやないかという
ような疑惑をわれわれは持
つております。こういう点について、
政府のはつきりしたお答えをお願いしたいと思います。ことにこの
ような重大問題の
責任は
農林大臣にあるというのに、
農林大臣がこの席に出られないということ自体が、われわれのこの
委員会をきわめて軽視しておるということが言われる。
〔
委員長退席、
松浦委員長代理着席〕
昨日の
委員会において、大蔵省の
委員の
出席を求め、あるいは会計檢査院の
出席を求めても、返事をしないとか、あるいは
会議があ
つて出られないとか、本日
農林大臣も
会議があるそうでありますけれ
ども、おそらく新しい憲法のもとに制定された國会法によれば、國会の審議権は、あくまでも尊重しなければならない。そうしてその審議に際しては、
政府委員は何ごとをおいても、優先的にこの
委員会に
出席しなければならない義務がある。しかるにこの
委員会をきわめて軽視し、無視しておるということは、國会法違反であり、憲法違反であるとも言い得る。われわれは、さ
ような重大な問題のときに
農林大臣が出られないということは、はなはだ遺憾である。
先ほども同僚
委員から指摘され、主張された
ように、私もまたか
ような重大な内容を持つ
ところのこの
発表は、きわめて近い將來において、これを取消しはしなくてもよろしい。何となればこれは
予想発表でありますから、そこで全
農民や各党各派を代表して出られている
ところの
農林委員会の、この意思を十分採用されまして、そうして
委員会の全員、全
農民が納得する
ような
数字を再
発表されんことを、私は要請するものであります。