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藥師神委員 時間もよけいないわけでありますから、私一応
質問しておきますから、次官も食糧
長官も、
大臣とよく研究をされて、明日
責任ある
答弁を聞かしてもらいたい。それは第一にいもの問題でありますが、これは
はつきりしておかなくてはならない問題であ
つて、決して等閑に付することはできぬわけである。大体農林
大臣は、あまり自分の
意見に――何というか、しやべり過ぎるから問題が起ると思うのであります。(笑声)余
つたいもは焼きいもにさせてもいい、いもあめをつく
つてもいいじやないかということは、座談にしてもいいが、それを新聞がいろいろなことを伝えるものでありますから、産地においては非常に動揺しております。たとえば十月十五日から
政府の予定
数量を買い上げた残りは自由に売らす、こういうことも地方では大きな問題にしております。それから今言うGHQのメモランダムの問題も、たいへんな問題にな
つておりますけれ
ども、これは遠い将来の問題じやない、来年度の問題であるが、三月にはいも種をふせなくちやならない問題です。それに対して、これをはずすとかはずさないとかは、実に大きな問題をかもすわけである。この問題は早急に
はつきりしてもらわなければならぬ。まず二十四年度産のいもの問題から言えば、
政府の予想しておる十五億万貫ないし十六、七億万貫――かりに十四、五億万貫であ
つても、超過供出分を六千万貫、これを按分比で割当てるのではないかと思うのでありますが、われわれの県で
言つても、大体そういう予定の
数量に対し七億四千三百万貫の割当をし、その上に六千万貫の超過供出を、按分してこれを割当てても、まだ一千万貫ぐらいは十分余る、こういう見込を立てております。これが一部においては、三月以降にその余剰の分は売らすということも伝えておる。この問題はたいへんな問題なんです。
政府は買う
責任があるわけなんだが、これを買わないということになれば、必然的に自由販売をさせるより方法がないわけなんです。これが供出を無制限に買うというならば、問題は解消するわけなんだけれ
ども、超過供出の分を六千万貫と制限することになれば、その余剰のものをいかにして消化するかという問題は、当面に直面しておる。それは私がこの前の
委員会で言
つたように、貯蔵費というものは、キユアリングに対しては十貫百七十円、普通貯蔵に対しては十貫百四十円というような、昨年のいも代に匹敵するような貯蔵費が払われておるにかかわらず、これは三月以降まで貯蔵しなくては払わぬ。それまでは一銭も払わないということから、結局三月以降でなくては、供出は事実上から見て完了しないことになるわけです。そうして余剰のものは
全国で一億万貫できるか一億五千万貫できるか知りませんけれ
ども、それは結局はいも種をおろすように
なつたときに、自由販売にするなり何なり
処置するより、実際の問題としては方法がないのです。私がこの間言
つたように、つまり現在のいもの早掘りというものは、終戦直後におけるような、端境期における需給調節のためにや
つておるというよりも、むしろ掘取り時期のラツシユ調節のために、今の早掘りということがやられておるとわれわれは見ておる。と同時に、貯蔵の方もラツシユ調節のためにや
つておるとわれわれは見る。どんなに暖い所でも十一月の上旬に掘
つてしまう。そうすれば十二月、一月、二月、三月というふうに計画出荷をさせて、その消費あるいは輸送の
状態、こういうものを勘案して、各月に割
つて出荷せしむるというような合理性から、貯蔵費というものも、十二月に出しても、一月に出しても、二月に出しても、その間に等差をつけてもいいけれ
ども、出すことが当然じやないか、三月になるまで払わないというのは、これは知らない者がやるのであ
つて、いもの味は落ちてしまう。そうしたら物価庁の方は、寒いときに出せばいもは腐るから暖いときに出さなければならぬという。しろうとぐらい恐しいものはない。これは気違いと
言つてもいい。こうい
うしろうとの者に食糧行政を担当させることはも
つてのほかだ。
従つて七億四千三百万貫というものは普通の供出なのだから、これは掘取り時期に大体完了するでしよう。これはすぐに解決していただかなければ大問題である。それでこの七億四千三百万貫という既定の供出量というものは、掘取り時期に解決がついてしまう。ところが一部においては貯蔵費ほしさに貯蔵するものもあるかもしれない。二月にも出させない、三月になれば十貫あたり百七十円とか百四十円とかいうような、べらぼうな貯蔵費を出すのです。まずこの問題が解決つかなければならない。ぼくが例をあげたように、十二月に一応貯蔵すれば、仮貯蔵であろうが、本貯蔵であろうが、ある程度いもが生きて行くために必要な水分は蒸発する。仮貯蔵であろうが、普通貯蔵であろうが、腐敗率というものは、長く貯蔵すれば大きくなる。十二月に出せば一貫あたり五円、一月には八円、二月に出すものは十円、三月以降まで持つものは十二円とか十四円とか段階を設けてもよろしいが、何ゆえに一月、二月、三月の一番いものほしい時分に出せないか、こういうばかなことをする。この点も、物価庁が聞かないからというこの前の
答弁であ
つたのでありますが、いやしくもこの食糧行政をあずかられる食糧庁において、十分にこういう点を折衝して、結論をすぐに出してもらわなければたま
つたものではないと思うのです。三月以降まで囲わせるなんてばかなことはない。この問題を
はつきりしてもらうと同時に、そうすれば大体において超過供出の分はおのずから別としても、供出というものは早く年内に完了するはずであります。
従つてその他に六千万貫以上は買えないものならば、それを一日も早く自由に
処分させる、並行して
処分さすということでなければ、いもの消化はできぬと思う。いもが芽を吹く時分にはもう味も何もない。これは単に
食糧庁長官とか、政務次官の
意見ではなくして、
政府としての
はつきりした方針というものを立ててもらわなければならないのです。これはたいへんな問題です。これをどうしますか。われわれの県でも、一千万貫余りといういもをどこへ持
つて行けばよいか困
つておる。それから二十五年度の問題でありますが、これは単にGHQの方からメモランダムが来たからというだけではいけない。一部においては来年度をはずしてもいいという
関係もある。一般の穀類を二合五勺にしていもをはずすというのは、
政府の
責任のある者もこれまで口の先に上しておる。
しかるにそれは将来のことであるからと言うならばそれまででありますが、もし統制を全面的に廃するということになると、現在のように配給辞があり、いろいろして、超過供出も買えないで困
つておるのに、来年度においてはその全部を農民が引受けなければならないのか。これくらい
増産させておいて、転換すると言えば作付転換というよりほかに方法はない。作付転換はやります。作付転換をやれぬことはない。基礎調査はわれわれの方でもやらしております。いもだけの片作というものは少いのであ
つて、そこには麦というものがついておるのだが、麦はすでに作付割当というものは済んでおる。いもの統制を撤廃しようとするならば、麦の作付割当というものを根本的に補正しなければ、この問題は解決つかない。果樹園にしようが、桑園にしようが、あるいは飼料作物を植えようが、二十五年度の麦の割当は済んでいるのだから、まずこの問題に触れなければ、いもの統制撤廃はできない。単にいもの問題だと思
つたら大きな間違いです。現在のような輸入食糧が二百万トンにも達する時代において、麦が作付転換によ
つて同割転換になるか。これが消化できるまで転換するなら、数割転換しなければならぬと思う。それに附随して麦の作付割当というものは数割減ります。それが今日の食糧情勢において、はたしてGHQの了解が得られるかどうか。また日本の食糧需給計画というものが根本的にくずれるのじやないか。これはいもが困るから、超過供出を二・五倍に買うから独立
会計がどうこうというような、派生的な問題ではないと思う。もうすぐですよ。いもは来年九月にとれるのだというような、なまやさしい考えを持
つてお
つたらだめですよ。いも苗の温床は三月にやらなければならぬのだから、目前に迫
つている。この点について、
政府の方で根本的に
責任ある検討をされて、明日御
答弁願いたいと思います。私はこの問題については真剣です。これはたいへんな問題ですよ。
それから、これはいもでも米でも同じでありますけれ
ども、先般の米価審議会においても、これは私初めて聞いたのですが、肥料の問題でも総体的に共通性を持
つているのでありまして、今日の官僚統制なるものが、いかに大きな中間経費を使
つているかという問題です。米の問題を取上げても、三等米は石当り三千五百九十二円、約三千六百円と思
つているが、そこに中間経費が石当り千六百円もかかるというようなことは、われわれの常識では考えられないことです。
生産者の方は、わずか石当り百円か二百円かの問題で、まだ了解がどうこう
言つているわけですが、その中間経費というものが四割五分もかかるということは、とうていわれわれの頭ではわからない。いもでも五割以上かか
つているのです。肥料の問題も、運送費の問題はわれわれもよく知
つている。
木炭のごときでも、統制を今度解除するというが、一体運賃はどうな
つているかというと、われわれの知る範囲では、海上運賃でも約六割に下
つた。これまででも
政府の食糧
関係、
木炭関係、それから肥料
関係というものは、いわゆる公定運賃を維持しているのであ
つて、民間のものはそれから全部数割下げて輸送ができている。一方において切手を売らせたり、タバコを売らせるのは、
政府はなかなかがつちりしているが、一方にはそういうふうに大きく抜けていて、実に甘い、われわれには考えられないようなことが行われる。そこに不正の介在する余地も大いにあると思います。おそらくこれらの中間経費の大部分は、人件費とそういう輸送
関係にあると私はにらんでいる。かりに肥料公団の問題にしても、われわれには大いに
議論があります。われわれが農業会で経営してお
つた時分と今日と比べると、おそらく人間の数も二倍くらいにな
つている。輸送費のごときでも、十分に
実情を精査してやらなければならぬのでありますけれ
ども、それが机上でやられるから、それらがすべて中間経費の増大を来す原因にな
つていると私たちは見ている。米価審議会においても、この中間経費を米一石について千円という勧告をしている。米などというものは、糠と俵とのもうけがあればいいというくらいのものですが、それが一俵当り七百円に近い中間経費を要するような
状態である。私たちは、この点にどうしてもメスを入れなければならぬと思うのです。いもでも貫当り二十円のものが三十一円で、五割以上です。それが
生産者のためにもならないし、消費者には重い負担をかけているのです。こういう問題について、当局者はほんとうに真剣に、血みどろにな
つて、もつと検討をしなければならぬと思うのでありますが、この点について、私は肥料の問題、食糧の問題を通じて、農林当局の
責任ある
答弁を要求するわけであります。特にいもの問題については、もう時間がありませんから、要点だけを申しておきますけれ
ども、これは決して来年の問題ではない。直面した大きな問題でありますから、早急に片づけてもらわなければならぬ。片づくまでは私はがんばる。それでいけなければ、明日
大臣の方から
はつきりするまでは私はやるつもりです。その余裕だけを与えておきますから、御相談願います。次官や
食糧庁長官も、
大臣が出られなければ
大臣の代理をして、十分その点を
はつきりするようにお願いしておきます。