○藥師神
委員 それでは私の本論に入りたいと思いますが、第一の問題でありますが、これはやがて今おつしやる買えないものという第二の問題に関連性を持
つておると思うのであります。すでに
特別会計をやめてしまうということになると、私はこの前にも申し上げたけれども、この問題というものはどこまでも二つに
考えなくてはならぬのであ
つて、御賣業者から債券を確保し、それを早急に微收して、見拂いの分を拂うということも一面においては肯定のできないこともないのでありますけれども、われわれはこの際に毅然と二つに別けたいと思います。すでに破産しているのだ。この
整理というものがいつまでかかるかわかりませんが、今の
長官の
お話では、来年六月くらいまでかかる間もあるようにおつしや
つておりますが、これはとにかく
薪炭特別会計の
整理という面と、もう
一つは現在売りかか
つているところの未拂いの分を早急に解決つけなければならぬ。二つの面にわけてこれは
考えなければならぬと思うのであります。また
政府としては、それだけの誠意がなければならぬと思うのであります。ここではその一の分に、目下金融機関とも交渉中であるというようなことが、二、三書いてありはしますけれども、とにかくこの問題は卸賣業者に対する債権が確保され、これが思うようにとれなければ破産するという性質のものではないのであ
つて、これは別途に一日も早くこの問題を解決して、
生産者には困らないように拂
つてやる。これは
政府の
責任だと私たちは
考えるのであります。それと、第二の問題と関連性があるのでありますが、厳密に法律的にいうならば、
政府は七月三十一日以前に製炭されたものを残量買い上げる義務はないとあるが、これははなはだ不可解に思うのであります。それとその末端においてもしこれを買い入れるというと、
特別会計の
赤字は累増することになり、結局最後は
國民の租税負担となるから、これは買い上げられないとある。私はこれを解剖してみると、一方においては、厳密な法律の解釈からいえば買い上げる義務はないという。次には、ますます
特別会計の欠損が多くなるから、ひいては
國民の租税負担となるから買えないというのであります。これは実にあいまいな、インチキな感じを持つのであります。いやしくも
政府として
委員会に回答なさるならば、私は
もつとはつきりした理念に立
つて回答してもらいたいと思うのであります。これは法律的根拠によ
つて、買う必要がないといえばそれでよろしい。われわれがあると見るか、ないと見るかは、これは別であります。しかしこれが反対に、現在の
状態においては
特別会計の方で、林野廳がお
考えに
なつたより
木炭の生衛が順調に進んだ。一方に暖冬異変その他において消費が非常に少なか
つた。従
つて大
消費地においてはいくらか供給過剰の
状態にな
つている。あるいは場合によれば
木炭の價格も下るかもしれない。また
政府が一時に処分するということになればある
程度引下げてこれを処分しなければならない。してみると、それにいくらか
赤字が出て来るということも想像できますが、もしこれが反対の結果であ
つたならば一体どうなるか。供給不足ににな
つてお
つても
木炭というものに困
つているとかりに仮定しても、今の場合においての
薪炭の
特別会計は、事実上破産しているのだから、これが反対であ
つても買えない。
赤字が累増するから買わないと
言つておるのじやない。かりに利益があ
つても現実は買えないのだ、金がないのだ。
薪炭特別会計が破綻に瀕したということは、いろいろな
原因もあるけれども、結局はこれまでの
特別会計の経営の面において大きな欠陥があ
つたということを言い得るのであ
つて、
昭和十五年から今日まで一回のたなおろしもしないでや
つて来たところに大きな
原因がひそんでおる。これが終戦直後にでも実態が把握できたならば、おそらく今日までずるずるに
特別会計が続いては行かなか
つただろう。もう少し足元の明るいうちに処理さるべきものであ
つた、また
方法が講ぜらるべき問題であ
つた、われわれはかように思うのであります。ここにこの
委員会に答弁なさ
つておることは、法律的根拠から買う義務はないということになれば、これも私は
國民に対してはなはだ不親切な答弁であるとおもうのでありますが、これは一歩を譲
つて法的根拠がありとこれを仮定しても、次に加えた
國民の負担が増すから、あるいは
赤字が累増するから買わないということはいかにも認識不足だと思う。われわれの目から見れば、今言
つたような、春に暖冬異変もなし、むしろ供給不足である場合を
考えても、実態は買えない。どうにも手も足も出ない現状に立
つておる。林野廳の方でお示しに
なつた姿を見ても、これまでに三十四億幾らというものが欠損にな
つておる。それから
整理する上においては二十億出るだろう。その後の経理において五十四億いくらという欠損になるのでありますから、五十五億の
薪炭手形は一ぺんにけし飛んでしまう。われわれは
もつとこれ以上欠損が出て来やしないかと思
つている。そうしてみると、何らか他に
措置を請うぜぬ限り
木炭は一俵も買う余地は残されていない。この点をもう少し正直に
政府は
もつとおおらかな氣持で取上げる必要があるのじやないか。私はここに十万幾千トンの滞貨があるうちで、あなたの方から、結局法律上買う
責任がないというのはわずか三〇%か四〇%で、その他の大
部分は私は買われるものと思
つてお
つた。ところが今聞いてみると、わずかに一万トンくらいのものが計画の中に入るが、
あとは全然買えない、こういうことにな
つて来ると、單に
政府の方では
薪炭の
特別会計を廃止した。もう買えないというだけでこういう問題が済まされる問題かという観点にわれわれは立つのです。石炭にしろ、肥料にしろ、すべての
生産の基準を立ててかかるわけであります。それに及ばない場合もあるけれども、それより
生産の法が上まわる場合もあるわけなんです。上まわるからとい
つて石炭も肥料も
政府が買わずに済まされるかという問題だ。これは法律的の議論をしておるのじやない、実際問題としてそういう場合がたくさんある。本
年度の
生産目標が石炭三千五百万トンなら三千五百万トン、四千万トンなら四千万トンという基準を立てた場合に、四千五百万トン
生産できたら國家としては喜ぶべきことじやないか。五百万トンよけいに
生産しても、当然
政府が買うべきものじやないか。それを
生産割当基準から超過したからそれを買わないということが、どこをつついて出て来るかということを、私はふしぎに思うわけです。結局この
委員会に対する
答弁書なるものは、だれがおつくりにな
つたのか知りませんが、私は遺憾千万に思うわけであります。この点を、生炭業者もやはり
國民です。生炭業者のみが
國民じやないから、少数生炭業者の犠牲において多数の
國民の負担を救おうという御意見かどうか、その辺がどうもわれわれは納得できないのですが、その辺を少し納得の行くように御
説明いたい。