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井上(良)
委員 肥料の問題は、
もつと先に
質問したいと思います。お急ぎでしたら、午後から來ていただきたいと思います。
行政整理による
人員整理にわれわれが反対をいたしておりますのは、なるほど今日、わが國全般の経済情勢をよくつかみません
國民の一部には、あまりにも目の先の、税金が重いとか、諸掛りが重いとかいう特異な例だけをと
つて、これはいたずらに官公吏が多過ぎるのだという一方的解釈によ
つて、この官公吏さえ減らせば、ただちに自分
たちの負担が軽くなり、また
もつとサービスのいい、
能率的な役所ができ上るような、甘い
考えを持
つた国民が一方におります。しかしわれわれ、この狭い
日本の限られた領土で、限られた経済を営んでおるところにおきましては、なるほど國の
予算の面では、たとえば五十万の官吏を減員いたしますならば、五十万人分の俸給、その他の諸
経費は減額されるかもわかりません。しかし、この人たは失業するのであります。失業しましたならば、この失業について、國は別な面でこの人たの生活を見なければなりません。この見る
経費というものは、一体だれが、どこから持
つて來るかということであります。國全般の
経費から
考えますならば、
仕事を與えずに遊ばすということの方がマイナスであります。損であります。いわゆる受入れ体制と働く体制を整えずして、無
計画的に首を切るという行き方は、國全体の経済の行き方から、絶対に賛成できないのであります。われわれは決して
行政整理、機構の改革に反対をするものではありません。
能率的な明るい役所をつくることには賛成であります。ただそれをやる上においては、あくまで國全体の経済の立て直しを
考え、國全体の再建の方途の一環として
考えるべきであ
つて、
行政整理だけを取上げて、一方的に弱き者に強い鉄槌を打ちおろすという行き方には、賛成はできません。ましてあなたのおつしやいますような、首の切り方を
考えて、ああや
つたら不平が起るまいか、こうや
つたら不平が起るまいか、とうや
つたら一体ほんとうによい首の切り方ができるだろうかというので、首切左衛門みたいに
考えることも、首切る本人としてはよいかもしれませんけれ
ども、われわれ長い間、少くもこの方面の
仕事をして來た者といたしましては、まず第一に首を切られる者の立場に立
つてものを
考えてやることです。立場を逆に
考えてやることです。首を切るという立場よりも切られる者の立場に立つことです。どうしても
整理せなければならぬ場合はみんなかわいい
公團員であり、官公
職員でありますから、従
つてそこには、わけ隔てをすべきものではない。ましてこういう短期間に、國が必要
機関としてつく
つた場合には、なおさらのことであります。そういう場合は、まず第一に希望者を募るなり、あるいは特に家計
状況なり、その他いろいろな轉職その他の面をよく見きわめた上で、むりのない対策を
考えるべきであ
つて、お前はからだが弱いから、お前は年が寄
つておるから、お前はなまけものだからという烙印を押して首を切られたとして、その人がよその会社なり、よその勤め先へ一体行けますか。そのことを
考えてやらなければなりませんぞ。ほうり出す方はそれでよいかもしれないけれ
ども、ほうり出された方は、次の職場に行けませんよ。そこのところをほんとうにあなたは靜かに
考えなさいよ。しかも退職手当、解雇手当を、二年も三年も五年もやろうというのではないじやないですか。わずかな退職手当さえ難題をつけて、容易に生活が安定できないような現状の中に首を切ろうとするときに、そういう無慈悲な切り方というものはあるものじやないのです。これはあなたみたように、長い間教育の庭に立
つて、一校の代表者として多くの子弟を教育して來た人が、そんな無慈悲なことを言うてもろうてはちよつと困りますぞ。これは実際よう
考えてもらわなければならぬ。その点はひとつ特に——年の行かぬ方から年の行
つた方へものを言うのはぐあいが悪いのですけれ
ども、ちよつと言うておきます。
その次にあなたに伺
つておきたい点は、これはあなたか、
食品局長か、どつちでもよろしいのですが、今度
公團の
会計制度を
独立採算制に改める。そうしますと、一体現
公團の
運営は、
独立採算制に改めて、大体行けると
考えておりますか。
食料品公團及び
油糧公團とも、それから肥料
公團の
関係の人がおりましたら、肥料
公團の方もお答えを願いたい。