○土屋
説明員
ただいまお尋ねの
木材の点でございますが、これは
はつきり私日時を覚えておりませんが、
公定價格が去年のいわゆる七月物價体系で改訂になりましたが、
木材につきましては六月の末だ
つたと思
つております。その当時計算いあしまして、いろいろな
物資の値上り、あるいは賃金水準の一般的な値上りを織り込んで行けば、相当の程度これは高くしなければならぬといろ数字が出ましたが、当時の市場
價格がそこまで行
つておりませんでしたため、
木材については一時暫定的の
價格といたしまして、計算上の
價格に至らないその下のところの値段できめて來たわけであります。これは御
承知だと思います。ところがその後になりまして、丸太の方は
公定價格を相当上まわるものが出て参りましたので、
生産者側としましても、
公定價格の決定が一般物價とのバランスがとれてないじやないかという強い要望がありまして、これをたしか去年の十月だ
つたと思いますが、十月に丸太いわゆる素材の
公定價格は、計算上ほかの物價水準と均衡のとれた点まで上げたわけであります。ところがその当時におきましても、素材の方は相当高くなりましたが、製材の方は市場
價格をなおかつ下まわ
つているものが相当あるということで、製材の方の
價格はやはり暫定
價格で低い水準に落ちたのであります。ところが、素材が高くなりまして製材が安いということになりますと、当然製材業者が困
つて來る。製材業者は市場
價格が安くてもやはりマル公は高くしてもらわなければ困るというのでございまして、また市場
價格にいたしましても、秋田産の杉の製材というものは、相当やはり高い市場
價格を見ておりましたし、また濶葉樹につきましては、全般に相当高か
つたのであります。こういう
関係も考慮いたしまして、去年の十二月から製材の価格も素材の
公定價格とバランスのとれたところまで上げたわけです。
ただ製材の
價格を引上げますときに、われわれ非常に問題にいたしましたのは、市場
價格が相当安いものがあるじやないか、それをなぜ上げなければならぬのかということで、相当議論いたしました。私も当時木場へ参りまして、いろいろ
事情を調査いたしましたが、そのときに製材が
公定價格を下まわ
つているという
事情は、いろいろな
事情はありましたが、ことにこの
木材について問題になりましたのは、産地における製材の檢査が非常にルーズであ
つたという点が、これが
木材特有の
事情であ
つた。たとえて申しますと、角材などにおきまして、檢査の等級が一級下りますと、たしか
公定價格が二割下るということにな
つておりますが、実際木場あたりで見ますと、もちろん産地によ
つて違いますけれども、等級が一級ないし二級下
つておる。つまり嚴密に檢査いたしますれば、三等にしかならないものが、一等の表示をされて賣
つているわけです。そういたしますと、なるほど値段の点ではマル公を一割五分くらい下
つて賣られておりますけれども、実質的には三等のものを一等の一割五分下げで賣
つているわけでありますから、三等の
公定價格よりもはるかに上まわ
つている。そういう
事情があるわけであります。これはまことにけしからぬ話であ
つて、あくまでも檢査は嚴重にやらなければならぬ、檢査を嚴重にやるということが前提になるならば、われわれは
公定價格の改訂をやろうじやないかということで、
林野局とも十分お打合せをいたしまして、各府縣に対しては非常に嚴重なる通知を出しておるわけであります。この檢査の励行がうまく行かないようなことがあれば、マル公も引下げるかもしれないというような、つつこんだところまで通牒文にうたいまして、また檢査がうまく行かないような縣につきましては、檢査の担当官の職務上の
責任も問うぞというようなことまで書いて、非常にきびしく申しまして、その結果
実施したわけであります。長いこと申し上げましたけれども、一言で申しますれば、決して市場
價格が安いのにマル公だけを高くしておるということを漫然とや
つておるのではない、非常に私の方でも十分檢討いたしてや
つておるわけであります。なお
木材につきましては、その後の市場の
情勢は順次市場
價格も高くな
つておりまして、マル公を下まわるようなものは順次減
つておるのでございます。それから檢査の点につきましてもその後木場あたりの様子を見ますと、相当検査も改善されて來ておるようでありますから、
木材についてそうマル公をひどく割る
状態というものは、今に至りましてはそう顕著な
事情もないしそう長く続くこともないだろうと思います。
それから次に今日の
議題の
薪炭の問題に
関係してでありますが、先ほどの
お話の長
まきあたりは、相当奨励しても産地としてはいいのじやないか、
ただ消費地としては都合が悪いから、それを実際上去年の十二月下げたことが、不当じやないかという
お話のように承りましたが、これはご
もつともでありまして、先ほど來いろいろ
お話の出ておりますように、産地の
事情と
消費地の
事情とは非常に違
つております。これは物價廳といたしましても、
公定價格の施行上非常に問題がありますので、たとえて申しますと、先ほど來
お話がありましたが、
まきあたりについては、大体
公定價格よりも実際の市場
價格の方が下まわ
つているということは、
消費地ではそういうことはないのでありまして、産地においては下まわ
つているという
事情があるのであります、それにも開通して長
まきを奨励するかしないかということも、
消費地と産地とで違いがあるということはお説の
通りだと思いますが、これは先ほど
農林大臣から御答弁のありましたように、
配給統制の
機構をどうするかということにも
関係がございますので、それらの方の見通しが
はつきりつきましてから、われわれの方の
價格としても
考えてみたい、かように思
つております。