○土橋
委員 私は日本共産党を代表いたしまして、ただいま提案されております
行政機関職員定員法及びその改正の
法律案には、絶対反対の
意見を表明するものであります。
まず本法案がつくられます過程をつらつら
考えてみますと、これは昨年の四月三十日発せられましたポ政令の二百一号に端を発し、さらに
國家公務員法の改惡に端を発しまして、ただいまのような現状に至ることは、すでに日本共産党が昨年の春以來
指摘しておる内容であ
つたのであります。かようなことによ
つて、特に労働階級にとりましては、不逞のやから呼ばわりをいたしました第三次吉田
内閣は、いよいよ民間におけるところの企業の
合理化、企業整備と同時に、
官廳方面におきまするところの職員の
行政整理を一本政策といたしまして、今日断行しつつあるのでありますが、しかもその内容を、さらにこの國会の権威において、
法律の名において行わんとすることは、第三次吉田
内閣の誤
つたる政策の表明でありまして、われわれはかような
行政整理を行いまして、現在十七万有余の公務員諸君が路頭に迷うような、こういう
法律には絶対に賛成することができないのであります。なお、これが大きく日本の独占金融資本及び
事業資本に相通じまして、この傾向はさらに民間へ波及いたしまして、今日勤労階級の苦しみというものは想像に余りあるのであります。常に
政府は過小評價し、その資料におきましても、きわめて不十分なるものをも
つてこたえておるのでありますけれども、実際には想像以上に及んで來るのであります。
かような観点から、わが党は、この政策がいかに勤労人民大衆の犧牲の上に、またその負担の上に、またその血と涙と汗の上にこれを築かんとしておるかということを証明することができるのであります。特に本法案の審議の過程におきましても、いろいろなことがありまして、この法案は二府十一省、経済本部を入れまして、多大な
官廳に及ぶ内容でありますが、今日まで
答弁になりました内容におきましては、單に
逓信省、あるいは運輸
関係の一部、あるいは農林
関係の一部、あるいは大藏省の一部に関してのみ論議せられておるような傾向がありまして、私は本法案に盛られておりますこの機構、内容についてから反対したいと思いますが、まず総理府の
関係をながめましても、
國家地方警察力の強化が非常にこの内容においてはうたわれておるのであります。またこの面が地方自治警察とともに警察官が現在十二万有余
考えられておるという方向へ進められておるのでありまして、こういう点はまことに遺憾なところのものであります。また宮内廳の内容を見ましても、
政府の原案を見ますれば、宮内廳には九百二十八名おりますが、さらに皇宮警士は九百三十二名有余であります。合計いたしますれば、これだけでも千八百有余名の者を残しておりながら、実際作業
官廳方面の人を減らすというような、ま
つたく民主主義の基本的な方向とその
考え方に反抗するような態度をと
つておるのであります。また特別調達廳の問題にいたしましても、これが今日六千有余の人間を持
つておりますが、実際の内容を調べますと、この点におきましては、この前の山口國務
大臣の
説明にもありますように、行政組織法の第七條第二項の規定に違反をいたしまして、これが本來ならば局を置くべきでないにかかわらず、この
答弁においてもきわめてあいまいでありましたが、部をも
つて構成すべきを、局を持
つておるのであります。その内容もきわめて多数の局を持
つておるのであります。また宮内廳におきましても、特別職とな
つておる者が十名に余るのであります。どうしてそういう人間がそういうところに必要であるか、ま
つたくわれわれ勤労階級には了解できないものであります。およそ特別職は、各廳におかれましても、これはさようにたくさんあ
つてはならないものであるにかかわらず、宮内廳に十名も置いておるという点が了解できないのであります。また法務府の四万一千有余のこの内容を見ましても、これが非常に拡大する傾向をも
つて、特に檢察当局の機構がいよいよ拡大し、反面におきましては、作業
官廳方面が縮小せられる。こういうことは、日本の産業の興隆の上からも、また全人民大衆の勤労意欲の上昇の面から見ても、非常に遺憾な
法律案であるのであります。特に外務省の方におきましては、今日わが党が主張しておりますがごとく、平和條約締結までの基本的な準備をいたすべき
人員を配置すべきにかかわらず、実際講和條約締結後におけるような
状態まで
考えて
人員を配置しております。
從つてかようなことではなくて、講和條約締結に至る基本的な準備を促進する各課部というようなものを設けるのが至当であるにかかわらず、こういう点についても、本案の趣旨が非常に不明朗であるということを、われわれは痛感せざるを得ないのであります。また現在
政府が急遽成立せしめんとしておりまする國税廳設置の問題にいたしましても、少くともこの問題が修正せられるならば、これは
政府の諸君がこの修正の理由を
説明いたしまして、本
委員会において、どういうふうに討議をするかということであるのが、しかるべきであるにかかわらず、單にこういう資料をちようだいしまして、この資料は
最初参りましたのはこの
通り白書的であります。これは参議院におきまして、ただいま通産省の問題は、今日は流会にな
つたということも聞いておるのであります。
從つてそういうものを議場の採決のまぎわに提出し、今度は私の方より言えば、色をつけたこういうような附則をつけたものを持
つて來る。これでは
定員法の内容そのものにおいても、
政府は不十分なものを持
つておるのであります。私どもより言えば、これを刷りかえて持
つて來られる。これは
池田さんの方が持
つて來られておるのであります。こういうようなまことに不備な内容で、しかもこの内容を見るならば、われわれが審議する過程においても、すでに附則の第一項におきましては、明瞭にこれは五月二十日から通産省を発足する、かように書いてあるものを審議させたのであります。こういう点がいかに疎漏であり、かつ
政府においても、また與党においても、かような誤
つたものを、これを是なりとするような方向は、われわれは少くとも民主國会においては
考えられない事柄であるのであります。また文部省の内容にいたしましても、ここに内訳を書いてあります一端をながめても、非常に不十分なものであります。いわんや
運輸省におきましては、附則の第七項によりまして、將來これが五十万六千七百三十四名の
定員をきめておるのであります。その
基準はどこにあるかというようなことについても、運輸
大臣は
責任をも
つて國民を納得せしめるような
説明をただの一回もしていないのであります。これも人トン
計算方法によるものか、あるいはワイモンド法によるものかということについても議論がありましようが、こういう点についても、実際に國民を納得せしめる方向に
行つていないのであります。
從つて運輸本省の内容を見ましても、ま
つたく不十分、かつずさんなものがあるのであります。たとえば海上保安廳の場合に至りましては、從來四千名を持
つておるものが、一挙にして八千名以上の
定員を持
つておるのであります。現に
政府提案では八千二百十名とな
つておるのであります。こういうような、ま
つたく海上警察化するような法案をつく
つて得々としておる第三次吉田
内閣の性格というものがどういうものであるか。人民階級を苦しめ、しかも塗炭の苦しみに陷れようとして、警察機構、かようなものを増大するということは、ま
つたく民主自由党を中心とするこの
政府の性格を遺憾なく暴露して余りあるのであります。かような政策は、おそらく近いうちに火を見るごとく破綻するでありましよう。また全人民大衆は、この問題について一大反撃を
考えるでありましよう。これはわれわれ野党もあらゆる機会を通じて、民主自由党及び第三次吉田
内閣のこの陰謀ある勤労大衆の犠牲の上において、政権を樹立し、これを確保する態勢は、参政官等の問題におきましても、いろいろ本
会議において討論せられておるごとく、ま
つたく遺憾千万であるのであります。また通産省の問題にいたしましても、特に農林省におきましては、御
承知のごとく食糧廳において、現在の食糧
関係確保のために、あらゆる努力を拂われ、しかも自立経済促進のためにも、食糧増産のためにも食糧
関係は特に必要であります。また林野
関係におきましても、すでに……。