○小金義照君
通商産業省設置法案をこの間
内閣委員会と商工
委員会と合同の
審査をいたしました際に、いろいろ研究して御
質問申し上げたのであります。そうすると、
政府当局においてもその
意見はきわめてもつともなことであるから、もし
國会が
修正するならば、
政府はこれを受入れるということを言明されたのであります。そこで昨日商工
委員会において、さらに
通商産業省設置法案について
意見をまとめまして、お手元にただいま配付いたしましたような
修正案ができ上
つたのであります。この
修正案について私から御
説明を申し上げて御賛成を得たいと存ずるのであります。
まず第一に
通商産業省設置法案の第十三條についでありますが、第十三條第一項に関してその第五号を第六号とし、第五号として次の一号を加える。すなわち第五号として「五 自轉車競爭の施行に関すること。」これは自轉車の競技に関する
法律がありまして、その所管が商工大臣のもとに属しておるのであります。ところがこれが落ちております。落ちてお
つても
法律を読めば大体商工大臣になることはわかるのでありますが、これだけの
法律の運用に関する
事項を落しておくことは、いかにも手落ちであるということは
政府も認めております。そこでこれをここに第五号として附加していただきたいのであります。これは自轉車競走を行う主体が主務大臣の指定する市でありますが、さらに町村も場合によ
つては自轉車競走を行う主体となることができる。すなわち、今まで指定市であ
つたのが指定市町村となるのでありますから、特にこれは
日本の全般的な問題にわたりますので、これを入れていただきたいというのであります。
それから第十三條第一項第一号に、いろいろな機械器具が列挙されております。その中に「産業機械器具」という
事項があります。ところがこれは從來農水産機械器具まで含めてお
つたのでありますが、西洋の思想だとか、言葉だとかいうものがいろいろ入
つて來ております。そうしますとこの際、「産業機械器具」と並べて「農水産機械器具」というふうに明らかに明示した方がよろしい。「農水産機械器具」と改めた場合においては、農林省との
関係が特に現われるように思われるのでありますけれども、農林省
設置法の中には他の省の所管に属しない農機具というふうに明らかにいたしております。また
通商産業省設置法の第十三條の第一項を見ましても「農林省が生産を所掌する」
云々というものがありますので、両省の間にもし疑義があれば、これは両省の大臣なり
行政長官なりがはつきり規正すべき問題でありまして、
法律としてはこういうふうに列挙するのが進歩的であるというので、ここに掲げたいと思います。
次に同條の第二項中「第五号」を「第六号」に、第三項中「第五号」を「第六号」にというように直しまして、もう
一つここに加えたい品物があります。それはばねであります。從來陸用内燃
機関その他の車輛等に使われるばねは、一應部品として含まれておるというような観念であ
つたのでありますが、最近ばねはばね專門の業者も相当ありまして、ばねがいかなる
行政官廳の所管に属するかいろいろ疑義がないでもないので、今日の
日本の工業の実情から申しまして、ばねという品物をはつきり掲げた方がよろしいという情勢にありますので、このばねを加えていただきたい。
次に第二十條、第一項中また
修正を要する箇所がある。これは單なる立法技術上の問題にとどまるようでありますが、実質は相当大きな問題でありまして、第二十條は試藥檢査所の
規定であります。第二十條を見ますと「試藥檢査所は、
通商産業省がその生産を所掌する試藥の檢査を行う
機関とする。」これによりますと、
通商産業省がその生産を所掌する試藥のみの檢査を行うのでありまして、他の省の所掌するところの試藥については一切檢査が行えない。たとえば寒天だとかしようのうだとか没食子酸というようなものは、この
設置法から見ますと、商工省すなわち
通商産業省の所掌でない品物でありますが、これらのものについても、試藥檢査所に國民が持ち込んだときに、これは官制上檢査ができないのだということでは非常に困ります。これはむしろ國民大衆の輿望に應ずるものでありますから、「
通商産業省がその生産を所掌する」という文字を削
つて、廣く門戸を開放してもらいたいのであります。これもきわめて
政府は妥当な
意見であるということを認めて
修正に全部應ずるということであります。
その次が第二十
五條、第一項の表の問題であります。これは靜岡縣が名古屋
通商産業局の管轄区域の中に入
つておりますが、靜岡縣縣民の輿望といたしましては、交通その他の
関係から、むしろ東京
通商産業局の管轄区域に入りたいという希望を強く持
つておるのであります。從いましてこれも縣民の輿望なり希望なりをいれまして、靜岡縣を東京
通商産業局の管轄区域の中に織り込む。そうして名古屋
通商産業局の管轄からはずすということに願いたいのであります。
それから第三十二條の問題でありますが、これは資源廳の
内部部局に関するものであります。「資源廳に、
長官官房及び國家
行政組織法第七條第二項の
規定にかかわらず左の五局を置く。」ということになりまして、石炭管理局、石炭生産局、鉱山局、鉱山保安局、及び電力局ということにな
つております。第二項に、「石炭生産局に開発部を置く。」ということにな
つてお
つて、開発部が石炭生産局に置かれておりますが、電力開発に関して今後きわめて重要な問題がありますので、電力についても開発部を
設置する必要がある。これはわが國の動力資源、それから熱源というような
関係から見まして、今後水力発電、水力電氣の占める地位はきわめて重要なものでありまして、動力源としてあるいは電氣科学工業という方面の需要から見ましても、また熱源から見ましても、開発部を置いて專心開発に関する
事項をつかさどらしめることが、きわめて今後の
日本にと
つて適切なことであるという
意見であります。そこで第二項を「石炭生産局に開発部、電力局に電力開発部を置く。」ということにしていただきたいのであります。從いまして、第三十九條にまた
修正する箇所が出て來るのであります。すなわち第三十九條に次の一項を加える。「2 電力開発部においては、前項第三号に掲げる
事務のうち発電に関することをつかさどる。」すなわち第三十九條第一項第三号は「発電水力の調査及び
調整を行い、並びに電氣施設の建設を推進すること。」これに
関連して電力開発部がいろいろなことを電力の開発について調査促進をするというような仕事をするというきわめて時代に適應した仕事をするようになります。
それから第四十一條に入りまして、資源廳の附属
機関の問題に入るのでありますが、これには「中央鉱害対策
審議会」また「中央炭田探査
審議会」というようなものがありますが、これはいずれも中央のものばかりを
規定いたしておりまして、
地方のものがこれから脱落いたしております。ところが鉱害対策の問題にいたしましても、炭田探査の問題にいたしましても、
地方が非常に重要な地位を占めるのであります。これでは
地方にはそういう
審議会を設けることはできないということにな
つておる感があります。そこで
地方にも置けるというような意味で、また現実に予算等もありますので、中央をむしろと
つてしま
つて、單に「鉱害対策
審議会」それから「炭田探査
審議会」というふうに改めていただきたい。それからさらにそういうふうに直しますと、資源廳
長官の諮問ばかりではない、他の官廳のすなわち出先の
地方官廳の諮問にも應ぜられるように、「資源廳
長官の諮問に應じ、」を削るということに両方ともなるのであります。それからまたここに
一つガス事業の問題がありまして、これは從來ともガスは
地方の公共團体とかあるいは公益にいろいろな重要な影響を及ぼします
関係上、ガス事業
委員会というものがか
つてはありまして、民間あるいは学者方面から人を入れてその
委員会を設けて來たのでありますが、ここでもガス事業
審議会をこの際つく
つて、そうして資源廳の附属
機関にする。これもまたきわめて重要なことでありまして、また適切に
考えられますので、かつ予算等もありますので、ガス事業に関する重要
事項を調査
審議するガス事業
審議会の項目をこの中に加えていただく、こういうことであります。
全般を通じまして、商工
委員会におきましてはきわめて適切な
修正であるから、ぜひとも
内閣委員会におかれまして、この意をおくみとりくださ
つて、こういうような趣旨で
法案の御
修正をお願いいたしたい、かように存ずる次第であります。どうか何分よろしくお願いいたします。