○井之口
委員 郵便局の自動車や自転車や、ポストなどはまつ赤に塗られておりまして、非常にいいことだと思
つております。(笑声)公共のために盡すほんとうに働く人たちのしるしが、ああいうところにあるのだと思います。実際
郵便を入れながら、
村民でも労働者でも、働く人は非常にいい気持がしているのであります。組合の実際働いている人々の組合旗も、赤く塗
つてあります。そういう
意味で、美的な感じも非常に大事でありますから、
大臣の方においても、この美的な感じをもつと一般的に廣げられた方か、
郵便事業の本旨に徹底すると思うのであります、社会化ということが普通の産業においても唱えられる今日、
郵便事業は公共
事業としてある程度社会化されておるが、ただもつともつとこれを民主化して、人民の
管理に移すのが将来の
建前であ
つて、もうそこへ行くのだというしるしに赤く塗
つてあるものと感じまして、われわれは非常に喜んでおる次第であります。
先ほどから大分いろいろな御説があり、
橋本さんからも、将来のことを案じていろいろつつ込んだ御
質問がありましたが、ああいうことを
考えてみましても、この法案の
精神においてはまつたく賛成でございます。無医村にお医者さんができ、電燈のない村に電燈がつく、あるいは電話のない村に電話が通ずるとき、そういう村の方々が、どんなに喜びをも
つてこれを迎えるかということをわれわれは十分にくんで、そのために努力しなければならぬと思
つている次第であります。ただそれを実行する手段といたしましては、できるだけこの
委員会において案を練り、それを実行した場合に、またああいう欠点も出て来た、こういう欠点も出て来たというような、あとくされのないように、完全なものを実行方法としてつくり上げて見たいと思う。その
意味において、実行方法なり、いろいろな法案の
規定に対して、二、三の意見を持
つておる次第でありまして、決して何でもかんでも、共産党は反対するというような
性質のものではございません。いいものをつくりたいという
意味から、一生縣命知恵をしぼ
つて絞
つておる次第であります。たとえば、
自治団体に対して、権限侵犯になりはしないかという御
質問もありましたし、御懸念もありました。また逓信
大臣の
責任が、こういう末端組織に及ばなくなるのではないかという御
質問もございました。そういう場合を
考えてみましても、これを今の協同組合とか、その他のものに
委託契約をするようなことにしないで、現に移動
郵便局というものさえあるのですから、
郵便局の末端を、そういう簡単な組織で延ばして行くという機構をお
考えになりましたならば、もつともつといい案が出るのではないかと思う次第であります。それから先ほど、
自治団体でも
責任を負う
契約がなければ、やらせないというお
考えでありましたけれども、少くとも一般の
村民なり人民の方々が利用する場合には、やはり
國家の信用ということを大きく見るのでございまして、
國家がこれを保障することになれば、安心して預金もすれば、書留も出せる、為替をとりにも行くというわけで、安心感を持つのでありますが、それを協同組合なり何なりに置いたら、
損害を
賠償することもできなくなる。法規上保障されていても、実質上これができないことにな
つてしまえば、利用者が心配することにならざるを得ないのであります。なお先ほど請負制度ではないというようなお言葉もございましたが、なるほど
法律上の
意味においては請負制度ではありますまい。しかし実質上、経済上の
建前から
考えてみましたならば、当然出来高に應じて報酬を與えるという
建前になるのでございますから、経済的な観念、実質的な観念から見れば、どうしてもこれはやはり請負制度と言わざるを得ないと
考える次第であります。この点についても、
大臣のお
考えがかわらぬものだろうかと思います。なお請負制度でありますと、いろいろな弊害が起
つて参りまして、もうけがない場合にはサービスをおろそかにして、せつかくの
國家の公共
事業を、粗末に取扱うという結果に立ち至る。またうんともうけようと思えば、法網をくぐ
つてまで、いろいろなかつこうのものをつくる。そこにたとい二万円という制限はありましても、そこでくぐ
つてさまざまの手段を講ぜられる可能性が十分あるのであります。そこでこれにやはり
國家の末端機構として、
郵政機構の末端をそこに延ばしたものとして、実質的に
公務員をも
つてこれを処理させ、人数は少くともよろしゆうございますから、出張所みたようなものを簡単につく
つてやらせることが、一番いいのではないかと思います。そういう方法を
考えましたならば、
地方自治体から要求して来なけれげ、
簡易郵便局もつくることができないという弊害は除去される。たとい地方の協同組合並びに公共
団体等が申し込んで来なくても、
國家の方から進んで、あそこは
郵便局がなくて困
つていんだろうというので、手を延ばして設置することも可能なわけでありまして、そういう点も克服される、これはやはりそういう姑息な方法をとらないで、大きく育てて行けば、
國家の
郵政事務が系統的に一貫して行
つて、
責任も明らかになり、発達すればするほどりつぱに実
つて来る。そういうふうに上から下まで貫いた機構に改めたなら、非常によくなるのではないかと思いますが、逓信
大臣において練り直して、もつともつといい腹案を出されることはできないものでございましようか。この点を伺いたいと思います。