運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1949-08-24 第5回国会 衆議院 地方行政委員会 第36号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十四年八月二十四日(水曜日) 午前十時五十一分
開議
出席委員
委員長代理理事
菅家
喜六君
理事
大泉 寛三君
理事
福田 篤泰君
理事
藤田
義光
君
理事
立花 敏男君 生田 和平君
河原伊三郎
君 清水 逸平君
野村專太郎
君 門司 亮君 千葉 三郎君
谷口善太郎
君
井出一太郎
君
委員外
の
出席者
國家地方警察本
部長官
斎藤 昇君
海上保安廳長官
大久保武雄
君
運輸事務官
石井
正平君
日本國有鉄道公
安
局長
芥川 治君 專 門 員 有松 昇君
—————————————
八月二十四日
藤田義光
君が
委員長
の
指名
で
地方財政
に関する 小
委員
に
追加選任
された。 同日
川西清
君及び
谷口善太郎
君が
委員長
の
指名
で警 察及び
消防
に関する小
委員
に
追加選任
された。
—————————————
本日の
会議
に付した
事件
小
委員
の
追加選任
最近の
治安状況
に関する件
—————————————
菅家喜六
1
○
菅家委員長代理
それではこれより
会議
を開きます。
委員長
が御
病氣
のため私が
委員長
の
職務
を代行いたします。 この際御
報告
申し上げることがございます。すなわち前回の
委員会
において決定し、
理事会
にその起草を一任されました
シヤウプ博士あて
の
要望書
については、八月四日、五日の両日、
理事会
を開いて案文を作成いたしまして、
渉外課
において飜訳の上、去る九日
渉外課
より
民政部
を通じて
経済科学局
に送達した次第であります。しかるに同局から
博士
に傳達されたという
適知
に接したのでありますが、
右要望書説明
のための
面会申し入れ
に対しては、その後しばしば
渉外課
より連絡いたしましたが、未だに何らの回答に接しておりません。以上御
報告
申し上げます。 なお去る八月五日
警視廳
において全國十大都市の
警察隊長会議
がありまして、
委員長病氣事故
のために、不肖私が
代理
をいたしましてその
会議
に列席をいたしました。その
会議
の
内容
は大体をここにメモにして記録しておりますが、
議事進行
の
関係
上、
内容
の
報告
は省略いたしまして、もしその
内容等
において御
質問等
があれば、ここに文書にしてありますからごらんを願いたいと思います。 次に小
委員
の
追加選任
についておはかりいたします。
地方財政
に関する小
委員
を一名、
警察
及び
消防
に関する小
委員
を二名、それぞれ
追加選任
いたしたいと思いますが、これについては投票の手続を省略して、
委員長
より
指名
するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
菅家喜六
2
○
菅家委員長代理
御
異議
なしと認め、
委員長
より
指名
いたします。
地方財政
に関する小
委員
には
藤田善光
君を、
警察
及び
消防
に関する小
委員
には
川西清
君、及び
谷口善太郎
君をそれぞれ
指名
いたします。 それではこれより最近の
治安状況
について、
政府当局
より
説明
を聽取することにいたしますが、まず
一般状況
について
齋藤國警本部長官
より
説明
を聽取することにいたします。
齋藤國警本部長官
。
斎藤昇
3
○
齋藤説明員
最近の
治安
の
状況
は、おそらく私から御
説明
申し上げなくても、
國鉄
の
人員整理
を皮切りといたしました
官公廳
の
人員整理
問題に端を発しまして、六月の初めにおける
國電スト
から引続きまして、いろいろの
世間
を騒がせるような
事件
が起きたのであります。しかしながらこれらの起りました大きな
事件
は、ほとんど
檢挙
ができたという形に
なつ
ていることは御
承知
の
通り
であります。ただ
山下事件
につきましては、今日まで最後の結論を出すまでにまだ
捜査
が進んでおらず、
捜査
中でありますが、その後の
三鷹事件
にいたしましても、あるいは平
事件
にいたしましても、高萩の
炭鉱事件
にいたしましても、
警察側
としてはほとんど
事件
の処理がほぼ
終つた
という形に
なつ
ておるのであります。これらの
事件
は、当時
一般
に
予想
をせられました國内の
治安
に対する不安の
予想
よりはむしろ若干平穏のうちに終熄したというように考えられております。今後もおそらく過去一、二箇月の間に起りました
事件
よりも、さらに一層ひどくなるというような
治安
の
不安條件
は、現在のところないと申し上げてよろしいと考えます。
國鉄
の
人員整理
に関しましても、もちろん
三鷹事件
のような
世間
を聳動させる
事件
は
発生
いたしましたが、
世間一般
には、その知られておらない
人員整理
に
関係
した各
地方
におけるいろいろな
暴行
、
住居侵入
あるいは
関係者
を
軟禁状態
に陥れたというような
事件
は、約百件前後起
つて
おるのであります。また
全逓関係
にいたしましても、
不法行為
が今まで約十七件起
つて
おります。しかしながらこれらは國全体の
治安
に影響を及ぼすというほどの問題ではありません。しかしかような
事件
は今後も
地方
的にぽつぽつ起るであろうと私は考えております。まつたく
平靜
であるとは決して申せないと思うのであります。平
事件
は、当
委員会
におかれましても詳しく御調査になりましたので
内容
には触れませんが、今日まで
逮捕
いたしましたのが百五十人、
起訴
になりましたのが百二名であります。百五十人のうち
共産党員
が約六十名と聞いております。
三鷹事件
は御
承知
の
通り
昨日七名が
起訴
になりまして、
合計
八名
起訴
ということに
なつ
ております。またただいま
逮捕
せんといたしておりますのが一名ありますことは、これも新聞によ
つて
御
承知
だと考えるのであります。ただいま
捜査
中の大きな
事件
といたしましては、
福島縣
の金谷川、松川の中間における
鉄道事故
でありますが、これはただいま
捜査
中でありまして、まだ
逮捕檢挙
というところには参
つて
おりません。若干日のうちには、
見通し
がつくようになるであろうと考えております。
列車妨害事件
は、ただいまの問題を初めといたしまして頻々として起
つて
おるのであります。これは
鉄道関係
から御
報告
があるだろうと思いますから、私は
報告
を省略いたしますが、われわれの方の
統計
では、本年一月以降千六百七十八件生じておりまして、
檢挙件数
が四百五十八件、
逮捕者
が六百五十八人ということに相
なつ
ておるのであります。この
鉄道
の
列車妨害事件
も、おそらく今後急速には終熄困難ではなかろうかという
見通し
をわれわれは立
つて
、
対策
を練
つて
おる次第であります。 いま
一つ
最近に目立つた
事件
は、
朝鮮人同士
の
乱鬪事件
が相当ふえつつあるということであります。その最たるものは、先般
下関
において起りました
朝鮮人
の
居留民團
と、
朝鮮人連盟
の間における
乱鬪事件
であります。最近
居留民團
が所々において支部を設け、その活動の
強化
をはか
つて
おるのでありますが、これに対する朝
連側
の
妨害
と見るのが大体正鵠を得たものだろうと考えております。
下関
の
事件
はやはりこの範疇に入るのでありまして、八月の十五日に
小野田
におきまして、
民團
が
韓國
の
独立記念行事
といたしまして、
小野田市内
を行進いたした際に、朝
連側
の約二百名ほどがこれに
暴行
を加えたということに端を発するのでありますが、これが二十日の早曉三時ごろ、さらに
下関
におきまして
乱鬪事件
になりまして、朝
連側
が
民團側
の
事務所
及びその幹部の
家屋等
、約二十軒を破壞いたしまして、数人の
傷害事件
を起したのであります。
警察
といたしましては約千名ほどの
警察
官を動員いたしまして、この
乱鬪事件
の
被疑者
の
逮捕
にあたりますとともに、
治安
の確保に万全を期しておるのであります。これがこのまま終熄いたしますか、さらに派生的に
事件
を拡大するような
事故
が起りますか、ただいまわれわれの方は
嚴重
に監視中であります。ただいまのところでは、さらに派生的の
事件
の起るような樣子が見えないのであります。
民團側
にいたしましても、朝
連側
にいたしましても、
不法者
に対しては断固
警察
は
檢挙
をいたすべく決意を固めておる次第であります。 本年の
上半期
の
一般
の
犯罪
の
状況
をこの際御参考に申し上げておきたいと思います。本年の
上半期
の
一般犯罪
の
状況
は、昨年の
上半期
の
状況
に比べまして、
件数
におきましては若干
減少
をいたしておるのであります。総数におきましては一%減の七千六百六十件の
減少
ということに
なつ
ております。その
内容
を見ますと、
凶惡犯
が
相当減少
をいたしております。強盗が二六%、
窃盗
が二二%、賭博が二七%減ということに相
なつ
ておるのであります。その他の
犯罪
はすべて
増加
をいたしております。涜職において二七二%、背任において一二一%、
暴行
において一七〇%、これらは著しい
増加
でありますが、横領が四九%、
傷害
が七〇%、猥褻が五九%、いずれも
増加
に相
なつ
ておるのであります。一言にして申しますと強
窃盗
といつたような單純なる
犯罪
が、非常に
減少
を來しておりますけれども、
凶惡犯
にいたしましても、知能的の
犯罪
、混み入
つた犯罪
、こういうものが著しく
増加
をいたしておるのであります。
犯罪
全体といたしましては、むしろ惡い
傾向
をと
つて
おるのではないか、かように考えておるのであります。今後の
官公廳及び会社工場等
の
人員整理
、今後の
日本経済
、
國民経済
の
状況
がどう
なつ
て行くかということが、
治安
と非常に大きな
関係
を持
つて
おると考えております。ただいままでの
状況
はさような
状況
でございます。
あと
は御
質問
によりましてお答え申し上げます。
菅家喜六
4
○
菅家委員長代理
次に
鉄道関係
の
治安状況
について、運輸省の
監督局長
より
説明
を求めたいと思います。
石井正平
5
○
石井説明員
鉄道関係
の
治安状況
について概略御
説明
申上げたいと思います。
鉄道関係
の
治安状況
として御
説明
申し上げるべき項目は、
一つ
は先般の
人員整理
に伴う
一般
の
不法行為
その他の問題でございますし、いま
一つ
は
列車妨害
の
関係
であります。いま
一つ
は
引揚列車
の
治安状況
、この三点ではないかと思うのであります。
最初
に
人員整理
に伴う
不法行為
について申し上げますならば、これはただいま
齋藤長官
から御
説明
がございましたように、全般的に見ますると、きわめて
平穏裡
に終始いたしました。もちろんその間
三鷹事件
の
発生
があつたのでございますが、あるいは
暴行
、脅迫というような
事件
は、全國的な大
整理
に伴うものといたしましては、きわめて少数ではないかと考えられるのであります。 なおその後におきまする
退職者
の
状況
でございますが、これは
國鉄
におきまして七月十三日
國鉄退職者援護委員会
を制定いたしまして、
退職者
に対しましての再
就職
のあつせん、生活の
援護等
を強力に推進する措置を講じておりまして、八月二十二日現在では、二万七千名ほどの
就職者
をみておるわけでございます。この
就職先
は
鉄道弘済会等
の
鉄道関係
の
外郭團体
以外にも、その他の
官公廳
、あるいは
工業関係
、
商業関係等
相当各
方面
にわた
つて
廣く
就職
をみております。それから
労働組合
の最近の
情勢
については、すでに皆さまも御存じのことと思うのでございます。いわゆる
民同派
の主張いたしますところの
中央委員会
が、去る十五日成田町におきまして開催せられまして、そしてこの
中央委員会
によりまして、十八日から
國鉄当局
と第一回の
團体交渉
に入
つて
おるような次第でございます。
委員長
は
加藤閲男氏
が再び選任されました。副
委員長
には
菊川孝夫
、
書記長
には星加要ほか二十二名の
委員
が、新たに
中央鬪爭委員会
に選任されたのでございます。
組合
の
状況
はこう
なつ
ております。 それから
列車妨害
につきましては、これは先ほど
長官
から御
報告
があつたのでございますが、私の方の
資料
に基きましての
数字
を申し上げますと、大体昨年度の
列車妨害
の
件数
は、一箇月
平均
にいたしまして、大体百二十件から多くても百五十件
程度
でございました。ところが本年度に入りまして急激に
増加
をいたしまして、五月には二百六十四件、六月には五百十七件、七月に至りましては一千五百四十二件という激増を示しておるのでございます。そして最も多いのは七月七日の日でございまして、それは一日八十件という最高の
数字
を示しております。しかしながらこの趨勢も七月下旬から急激に
減少
し始めて参りまして、一日
平均
が三十件見当となり、八月に入りましては、大体一日
平均
二十件前後というふうに、
件数
といたしましてはだんだんと減
つて参
りましたが、
事件
といたしましては、だんだんと作為的なものがふえて参
つて
おるような
情勢
でございます。
発生地域
は全國的に散在してございますが、特に
主要都市附近
が多いようでございます。
列車妨害
の種類は、
最初
は大体
投石
が多かつたのでございますが、その後におきましては
投石
が次第に減じて参りまして、そのかわり
線路
に石を並置するというような
方法
が特に多くな
つて参
りました。七月分では
線路
に石を並置したものは、全体の
件数
の五七%七分を示しておるのであります。七月分の
妨害件数
千五百四十二件に対しまして、
犯人
を
檢挙
いたしました数は二百七十四件でございまして、全体の一七・六%に
なつ
ております。
被害
はこの
妨害件数
のうち脱線が六件、
車輛破損
が百十件でございます。その
被害件数
は
妨害件数
に対しまして七・五%にあた
つて
おります。
負傷者
は
三鷹事件
を除きまして二十二名と
なつ
ております。
三鷹事件
は御
承知
のように六人の死者と
重軽傷者
十八名を出しております。最も甚大な
被害
を見ているような次第でございます。こういう
状態
でございますので、この
対策
といたしましては、特に
重要線区
並びに
連合軍関係
が特に深い
線区
に対しまして、あるいは特に
列車妨害
の多く見られます
線区
に対しましては、特別の
線路
巡檢体制を整えて、巡檢を効果的ならしめている次第でございます。そのほか
線路
の通行、
構内出入
の
取締
を
強化
いたしまして、あるいは
保線業務
の嚴守、その用具の員数などの点檢などを
行つて
、不法持出しを
防止
いたすというようなことをや
つて
おります。また
運轉資材
のある室内に係員以外の者の
出入
を嚴禁するというようなことにあた
つて
おります。こういうようなわけでございまして、全体の
件数
といたしましては
減少
の
傾向
にあるのでございますが、はなはだ作為的な
事件
の
性質
が多くな
つて参
つて
おるようでございます。今後ともこの点に十分留意して、
妨害事件
の発見並びに
防止
、そのために生じますところの不測の
被害
の
防止
に努めるように努力いたしておる次第でございます。
引揚者
の
輸送
につきまして一言申し上げますれば、本年六月二十七日より再開せられました
引揚者
の
輸送
につきましては、いろいろな
事件
が起つたことは御
承知
の
通り
でございます。これに対しましては過般
ポツダム政令
三百号が制定せられまして、その後は比較的順調に行われておるようでございます。
國鉄
といたしましては
鉄道公安官
を配置いたしまして、駅頭並びに
列車
内につきましては、
政令
の規定するところに從いまして無用の
出入
、あるいは乘車等の
禁止
に当
つて
おります。また
一般警察
とも緊密な連繋をと
つて
、
警備
を実施いたしておるような次第でございます。
鉄道関係
の
公安官
の配置並びにその
状況
につきましては、別に
國鉄
から
公安局長
が見えられておりますので、御
質問
がございましたならば
局長
より御
説明
申し上げる次第でございます。はなはだ
簡單
でございまするが、
國鉄関係
の
治安状況
の
一般
につきまして御
説明
を申し上げました。
あと
は御
質問
によりましてお答えいたしたいと思います。
菅家喜六
6
○
菅家委員長代理
次に
海上保安状況
について、
海上保安廳大久保長官
より
説明
を聽取いたします。
大久保武雄
7
○
大久保説明員
私
海上保安廳
の
大久保
でございます。ただいまお手もとに
資料
をお配りいたしますが、
海上保安廳
における
業務
の大体につきまして御
説明
を申し上げます。
海上保安廳
は昨年の五月創設いたされたのでありますが、大きくわけまして
二つ
の
任務
を持
つて
おります。その
一つ
は
海上
における
治安
の
維持
の
任務
であります。他の
一つ
は
海上
における
航海
の安全をはかるというこの
二つ
の
任務
でございます。
海上
の
治安維持
の
任務
におきましては、
不法入出國
、
密貿易
の
取締り
、
犯罪
の
予防
、
鎭圧
、
犯人
の
捜査逮捕
、さらに
暴動騒乱
の
予防鎭圧
といつたような
任務
を持
つて
おります。
海上
の安全を保持しまする
方面
におきましては、
海上
における
海難船舶
の
救助
、それから
海難
を起しまする
予防手段
といたしまして、船員の免状を発行いたしましてその試驗を行う。さらに
船舶
の
建造
にあたりまして、その
製造檢査
を行い、かつ
海上
におきまして航行しておりまする
船舶
の安全上の諸
檢査
を行います。さらに
海難
が起りました際におきましては、その原因を取調べます。さらに
海底
にありますところの機雷の掃海を行う。暗礁や岬には燈台を建てる。あるいは
海底
の測量をする。かような一連の
任務
をもちまして、
航海
の安全をはかる
任務
を遂行いたしておりまする次第であります。
海上保安廳
の全体の機構といたしましては、全國に九つの
管区本部
を設けております。この
管区本部
の下に、
下部機関
でありますところの
海上保安部
、
海上保安署
を置いております。
海上保安部
十五箇所、
海上保安署
二十三箇所を置いております。このほかに
一つ
の
機関
といたしまして
港長事務所
を持
つて
おります。これは港における
船舶
の
交通整理
をいたしましたり、あるいは港における危險物の
碇泊取締り
、そのほか
航路障害
になりますような一切のものに対する
取締り
をいたしておりまするいわば
海上交通警察
のような
仕事
もございます。そのほか
水路観測所
八箇所を設けておるような次第でございます。ただいま私が御
説明
いたしておりまするのは、ただいまお配りいたしました
海上
における
治安
を
中心
とする
保安業務
の現状というところに書いてございます。
海上保安廳
は船と
職員
とが一体と
なつ
て活動しなければならない
性質
の
仕事
でございますが、いわゆる
司法警察
の
仕事
をいたしておりまする
海上保安官
は、全
職員
七千五百二十七人に対しまして、わずかに二八%、二千百余人でございます。
船艇
の
中心
となりまするところの
巡視船
と申しまして、
海上
の
治安維持
、
海難船舶
の
救助
にあたりまする船といたしましては四十七隻、約五千トンでございまして、このほかに
救難用曳舟
が六隻、一千七百トン約二千トン
程度
がございます。この四十七隻並びに六隻、
合計
五十三隻の船は、
海上保安廳
が出発します際におきましては、わずかに二十八隻で出発いたしましたので、その当時から比べますれば、勢力は約倍加しておるとも言えるわけであります。そのほか港
務用船
八十隻、約三千トンといつたような
状況
でございます。
海上保安廳
は
職員
の訓練によ
つて質的強化
をいたしておりますほか、二十四年度におきましては、
巡視船
六隻、内火艇十隻の
建造
を計画いたしまして、目下それぞれ起工式をあげまして
建造
途中にある次第でございます。今年度中には
海上
に新しい十六隻の船が
任務
につき得る
状態
になるものと存じておる次第でございます。 次におもなる
治安関係
の
任務
の
密航
、
密輸
について申し上げますと、
海上保安廳
は、昨年五月から本年の四月末日までに
檢挙
しましたものは
密航
百四件、
人員
二千六十四名、
密輸
九十件、
人員
四百八十五名であります。
合計
いたしまして百九十四件、二千五百四十九名ということに相
なつ
ております。主として出て参りますものは、
朝鮮
、
台湾方面
との間に行われておりまして、藥品、生ゴム、牛皮、その他が入
つて参
りまして、あるいはまた砂糖、
米穀等
も入
つて参
りますし、わが國からは自轉車、
機械部品
、雜貨類、
文房具等
が出て参るようでございます。密入國、
密貿易
の経路といたしましては、当初
関門海峽方面
に非常に集中いたしておりましたが、
海上保安廳創設以來
、
警察方面
とも連絡をとりまして、
関門海峽
におきまして
取締り
を
嚴重
にいたしました結果、
対馬
を
中継地
といたしまして、
九州北岸
に上陸して來る
傾向
があつたのであります。その後
対馬
に私どもの方の
警備艇
を常時配置いたしますようになりましてから、最近は仙崎を
中心
とする
山口縣
の海岸、博多、長崎港を
中心
とする北九州、その他さらに最近は
舞鶴方面
から能登半島、佐渡、
新潟方面
、
西南方面
は
鹿兒島
から豊後水道を入り、あるいは
紀伊水道
を入
つて阪神方面
あるいは
名古屋方面
、さらに遠く
房総方面
にまで及ぶといつたような
状況
に相なりました。
密航密輸
のルートが
單線コース
からほとんど複々線——非常に
廣汎
なる面にわたりまして
取締り
を要するように相な
つて参
つたような
状況
でございます。これらの
密航
、
密輸
の
方法
は、小さな
船舶
に非常に大勢の
密航者
が乗船しておる、あるいはその船に
密輸物資
を満載して來るといつたような
状況
でございます。何と申しましても船の
利用
による
密輸
というものは非常に
金額
が大きいのでございまして、とうてい陸上における想像も及ばない
密輸取引
が可能になるわけであります。この点に関しましては、
取締り
といたしましても
十分注意
の必要があると存ずる次第でありますが、最近は
密航密輸
を企てる
方面
におきましても、次第に船が欠乏して参りまして、その船の
利用
につきましては非常に困難を感じておるような
状況
に
承知
いたしております。かような
関係
で
日本
の
船舶
を
利用
するといつたようなものが相当多くな
つて参
つて
おる
傾向
であります。その
日本
人を
使つて密航
ないし
密輸
をするというような例が相当多く
なつ
ております。これあたりは、
密航密輸
をする
関係國
における非常な
船舶
の
逼迫状態
を物語るものであろうと考えておる次第であります。これらの
密航密輸
をやりますものは、相当な
武裝
をいたしております。從來もこの
取締り
には非常に困難をきわめておるような次第であります。ことに
海上保安廳
は諸般の
関係
から、いまだ裝備が特に不十分でございまして、このために最近は煙幕を張
つて
逃亡するといつたような船が現われております。これらの
停船命令
に應じない船に対しましては、
海上保安廳
の
船舶
はみずから
逃亡船
に衝突をいたしまして、
逮捕
いたしました
事例
が、
漁業関係
その他におきまして約三件出ておるような次第であります。 次に
密航密輸
と並んで
海上保安廳関係
の大きな
犯罪
は、
漁業関係
の
密漁
の
犯罪
であります。
密漁関係
では
檢挙
しましたものが四百四十二件、一千三百七十九名に及んでおります。この
不正漁業
の大半は
禁止区域違反
でございまして、
三陸方面
から
北海道方面
に
侵入
をいたしまして、たまには流血の惨を見た
事例
もあるような次第であります。その七〇%は瀬戸内海において行われたものでございます。そのほか対島、
愛媛縣方面
における
ダイナマイト使用
による惡質の
漁業違反
もあるわけであります。これらの
使用船舶
は相当速力も早く、
ダイナマイト
その他の兇器を所持して抵抗するようなものもある次第でありまして、この
取締り
には非常に困難を感じておるような次第でございます。これらの
漁業取締り
に関しましては、農林省、
國警
その他
関係方面
と協力をいたして、つとめてその解決並びにその
防止
に努力しておるような次第でございます。 その他の
犯罪
といたしまして、
経済統制令違反
がございますが、これまた昨年の五月から本年の四月までに
檢挙
しましたものは、六百件八百六十五名に上
つて
おります。この
犯罪
は逐次
統制
の緩和に從
つて
減少
するものとは存じますけれども、
船舶
による
経済統制令違反
は非常に
金額
が大きいのでございます。この点につきまして、
密輸
と並んで
海上
は注目を要する点であろうと存じております。 次に
海上
における
海事法令違反
でございますが、これは
安全法
その他に関する
違反
の点であります。これは昨年の五月から本年四月までに
檢挙
しましたものが百十二件、百三十三名であります。これは今後における
海上法規
の整備その他
取締り
が完璧に從いまして、逐次消滅に向わさなければならないものだと存じておる次第であります。 なお今後の問題といたしまして、
海上保安廳
は、どういたしましても
船舶
がなければ十分なる
職務遂行
はできない次第であります。
昭和
二十五年度におきましては緊急に
海上船舶
を増強いたしまして、
海上取締り
の、從來
海上
における点を押えておりました
取締り
を、逐次線を
取締
るという方向に向いまして、これを
廣げ
て参りまして、
海上
の
治安
の
維持
並びに
海難船舶
の
救助
に遺憾なきを期したいと存ずる次第でございます。はなはだ
簡單
でございますが、御
説明
申し上げまして、詳細はただいまの
統計資料
その他にございますから、御一覽を願いたいと存ずる次第であります。
菅家喜六
8
○
菅家委員長代理
この際
政府当局
に対する質疑を許します。
谷口
君。
谷口善太郎
9
○
谷口委員
齋藤國警長官
に一、二お尋ねしようと思うのでありますが、
下関
における
朝鮮人
同志の
乱鬪事件
について、
長官
は先ほど御
報告
になりました。それによりますと
居留民團
が各所に支部を設けて活動し始めたことに対して、朝
連側
がこれを
妨害
する目的で、方々に乱鬪が起ることに
なつ
た、こういうふうに御
報告
に
なつ
たのでありますが、私どもの方に入
つて
おる情報では、まつたく逆なものがあるのであります。ここに
朝鮮人連盟
からの
國警
に対する抗議書が参
つて
おりまして、多分
あと
から
齋藤長官
に代表が手渡しすることと思いますが、それの一部分をここで申し上げますと、
長官
の方では、
居留民團
が支部をつくろうとするそういう運動に対して、朝
連側
が襲撃を加えておる、こういう
報告
であつたのに対しまして、そうではなくて、まつたくその逆であることがここに書かれております。 すなわち、八月十五日に
下関
に居住する
朝鮮人
の八月十五日解放記念日に際して、その行事を未然に
妨害
するために、朝連の
下関
支部管内大坪分会に対して
民團側
暴力團が積極的に先に手出しをしておる。数十名が奇襲を敢行して、同分会の設営になる慶祝用の松の門あるいは裝飾物、こういうものを破壞して、
病氣
中の同分会班長、金三龍氏に
暴行
を加え、三週間にわたる打撲傷を負わしておる。それだけでなく、さらに朝連の
小野田
支部
事務所
を破壞する目的で、トラック六台に石ころ三十貫、棍棒数百本を満載した約二百名の
居留民團
側が攻撃に來ておる。それで対して騒擾を未然に防ぐために、朝
連側
は
事務所
を守
つて
おると、これに対しまして彼らは奇襲を加えて、その
事務所
に襲撃を加えておる。すなわち当連盟
小野田
支部に参集した大衆は、同日午後三時ごろに解散しておるのであるが、その解散したことを察知した
居留民團
側が、山岳地帶に隠してあつた六台のトラックを動員して
小野田市内
に
侵入
して一斉に挑発的な暴力行為を加えた。このときに
小野田
炭鉱の
日本
人労働者数名も、通行中の
日本
人市民も、この
暴行
團のために非常な
暴行
を加えられている。これに対して
警察
はただ傍観するのみで、何ら
居留民團
側の
暴行
行為に対して、これを
取締
ることをやらなかつた。こういうふうな
報告
が出ております。その他この抗議書は長いから申しませんが、すべて向う側からや
つて
來ている。事実襲撃されているのは朝
連側
の
事務所
でありまして、
小野田
にしろその他のところにしましても、すべて襲撃されている
事務所
は朝
連側
であ
つて
、朝
連側
が逆に向うの支部やその他を襲撃した事実はないことに
なつ
ております。これは非常に明らかなことであ
つて
、その都度
下関
署長に対しては抗議をし、また署長もいろいろ回答をしておられますが、こういう非常に明らかなことであるにもかかわらず、
國警
の方では逆に
居留民團
の各所につくる支部に対して、あるいはそういう組織運動に対して、朝
連側
が襲撃を加えて
暴行
をする。これを
妨害
するというところにこの
事件
の本質がある。こういう
報告
であつたのであります。こういう点は非常に食い違いがありまして、はたしてどちらが正しいのか、これはもちろん調査しなければわかりませんが、しかし今
長官
の御
報告
によりましては、ただ支部をつくる
居留民團
に対して、朝
連側
が襲撃を加えた。ところが朝連の抗議書によりますと、朝連の
事務所
が何月何日何時、どれだけの人間によ
つて
襲撃を加えられているかということがはつきりしておる。私どもが判断しますと、
事務所
の襲撃を受けたのは朝
連側
であるというこの事実は、
國警
長官
の
報告
がまつたくうそであるか、あるいは間違つた
報告
に基いてなされておるか、そのいずれかと断ぜざるを得ないのであります。この点
國警
の方では具体的な、どういう
報告
が來ておりますか。ひ
とつ
聞かしていただきたいと思います。
斎藤昇
10
○
齋藤説明員
私が先ほど述べましたのは、全國の大体の
傾向
を述べたのであります。そしてまた
下関
事件
もそういつた
傾向
の
一つ
の中に入るものだと申し上げたのであります。ただ
下関
事件
におきまして、
民團側
にも
不法行為
があります。朝
連側
にも
不法行為
があります。さようでありまするから、両方とも
不法行為
は断固
取締
ると述べたのであります。ただ
下関
事件
の最も大きな
不法行為
は、朝
連側
が加えたということを私は
報告
を受けておるのであります。
事件
の詳細は取調べが済みますれば明らかになるだろうと思います。それまでお待ちを願いたいと思います。
谷口善太郎
11
○
谷口委員
下関
事件
で朝
連側
が最も大きな
不法行為
をやつたという、その具体的なことをここでお話し願えませんか。今一番問題に
なつ
ていると思われますのは、
小野田
警察
署を占拠したというような問題があるのであります。しかしこれは先ほど申し上げました炭鉱労働者に傷をつけた
居留民團
側が、約百五十名ばかり
警察
に入
つて
、そうしてこの
暴行
を受けた朝
連側
が、これに対して
警察
へ抗議もしくは保護を申し出て行つた代表がいるのでありますが、それに対して
警察
の中で、この
警察
に
行つて
いた百五十名の者が非常な
暴行
を加えた。結局混乱が起きまして、むしろ
警察
占拠という形に
なつ
たようでありますが、これに対しまして翌十六日の午後一時ごろ、朝
連側
代表が署長と交渉した際に、なぜ署長の面前で
暴行
を加えた
居留民團
側に対してこれを
取締
らなかつたかという朝
連側
の代表の抗議に対して、現行犯でも
暴行
は相手方の告訴がなければ
檢挙
できないのだというようなことを署長は言
つて
おります。この八月十六日の
小野田
警察
署占拠という問題は、明らかに朝
連側
の代表だけが
行つて
おり、その前に
居留民團
側が百五十名も
警察
に
行つて
、
警察
の中でこの代表に
暴行
を加えて、
警察
はそれをただ傍観しておつたという
内容
にあるようであります。こういう点についても私どもは非常に不審をもちますので、その根本的に大きな
事件
を起したという点を、具体的にお漏らし願いたいと思います。
斎藤昇
12
○
齋藤説明員
まず大きな
事件
と申しまするのは、二十日の午後三時から五時ごろまでの間に、朝
連側
の約三百人の人たちが、
民團側
の
事務所
及び
民團
委員
の家屋約二十戸を破壞いたしまして、そうして数名に
傷害
を與えたという
事件
であります。
谷口善太郎
13
○
谷口委員
それは幾日でありますか。
斎藤昇
14
○
齋藤説明員
八月二十日の午後三時であります。
谷口善太郎
15
○
谷口委員
その件につきまして、ここではこういう
報告
が出ておると思います。八月十五日以來の
警察側
の無責任にして奇怪なる態度は、ついに
民團側
の破壞的暴力行為を助長する結果として作用し、去る八月二十日の破壞的集團暴力行為と
なつ
た。 すなわち二十日午前零時、
民團側
暴力團約二十数名は、白鉢まきに
日本
刀、手裏劍、手製手榴彈等で
武裝
、当連盟
下関
支部管内大坪分会
方面
に大挙來襲し、当連盟員数名に、背後より
日本
刀でめつた切りにし、当連盟
下関
支部管内第一分会長夫英明氏に瀕死の傷を負わせ、金國(二十歳)氏の右肩に手榴彈を投げつけた。さらに花田と称する二十歳の青年は、
警察
官の面前で背中を突き刺されたが、
警察
官は
犯人
を
逮捕
しなかつた。同日午後二時半頃、大坪町所在の当連盟小学校に対し、数百名の
警察
官は包囲網を形成、折柄当校で開催中の
朝鮮人
教育者同盟定期大会を急襲し、
事件
とまつたく
関係
なき数十名の教師を令状なしに
逮捕
し、
一般
大衆をも不当檢束した。この際、当連盟宇部小学染兒童金君順(十五歳)は、
警察
官の
暴行
によ
つて
コン棒で頭を割られ、ほか二名の兒童も同樣重傷を負わされた。暴力團
民團
員の累進的な破壞的暴力行為に対して、何ら適切な措置をも講ぜず、最少限度の
警察
執行権をも行使しない
日本
警察
が、
事件
とまつたく
関係
なき当連盟員に対する非人道的
暴行
を敢行している。こういうことを書いておるのでありまして、もちろんこれも私今
長官
からの御
報告
と、この朝
連側
の抗議の
内容
にある
報告
との間の食い違いにつきましては、十分なる調査をしなければならないと思いますが、しかしここにおきましても集團して
暴行
を加え襲撃しているのは
警察
官といい、あるいは
居留民團
側といい、朝連の学校その他
事務所
に來ているのが彼らの方でありまして、こつちから向うへ行つた
事件
でないのであります。こういう点につきましてやはり私どもは
長官
が、今おつしやつたように、デモ的な形勢、デモ的
事件
の本質という中の
一つ
のものとして、
下関
事件
におきましても朝
連側
が
暴行
の主体に
なつ
ており、あるいはその挑発者に
なつ
ている、そういうことには考えられないのでありますが、この点についてどうでしようか。もう少し伺いたい。
斎藤昇
16
○
齋藤説明員
ただいま
谷口
さんより
報告
をしろというお話ですが、その件につきましては、私の方はまだ
承知
しておらないような事柄が相当多いのであります。
事件
はただいま懸命に
捜査
中でありまするから、詳細判明をいたしましたる後に、また御
報告
を申し上げたいと思います。
谷口善太郎
17
○
谷口委員
ほかに
質問
のある方もあると思いますし、
簡單
に申し上げますが、そういうお考えでしたら、先ほどの
長官
の
報告
によりますと、あれはだれが聞いておりましても、
下関
事件
という
事件
は、
居留民團
の方に
一つ
の支部組織というような運動が起
つて
おる。これに対して朝連がそれを
妨害
するように反響を加え、騒擾
事件
が起り、
暴行
事件
が起るというような
報告
をなさることは、まつたく軽卒であります。あの
報告
を聞いたすべての人が、朝
連側
が非常に暴力團であり、暴力行為を積極的にや
つて
おるという結論しか出せないような御
報告
であります。こういう一方的な
報告
——まだ調査が十分にできていないならば、そういう一方的な判断をも
つて
御
報告
をなされるということは、それこそ社会不安をかもすものであり、
事件
の本質の認識を誤まらせるようなものであると思うのであります。ぜひひ
とつ
今後は、いやしくも國会の
委員会
で、そういう軽卒な態度で御
報告
をなさらないようにお願いしたいと思います。
斎藤昇
18
○
齋藤説明員
私は全國的に最近の
傾向
として申し上げたのでありまして、また
下関
事件
につきましても、私の今まで受けました
報告
におきましては、私は軽卒な
報告
とは思
つて
おらぬのであります。しかしながら、
谷口委員
のお話の点もありますので、
事件
を調査の結果、さらに御
報告
をすることがあるのであろうと申し上げたのであります。
門司亮
19
○門司
委員
簡單
に
二つ
ばかり
國警
にお願いしたいと思いますことは、
一つ
は非常にいろいろな
事件
の起
つて
おりまする際に、ことに最近われわれが感じますることは、
福島縣
を
中心
とする東北
方面
に、割合に集團的の
暴行
事件
が多いように考えられるのでありますが、これは何らかの特殊事情があるのかどうかということであります。その
内容
は、
事件
の
発生
するような
地方
的のいろいろな條件の
一つ
として、たとえば
警察
力の
取締り
に関する手薄の
状態
があるということか、あるいは
事件
が
発生
するような要素を
地方
的に持
つて
おるというようなことか、その点のお考えをお伺いしたいと思うのであります。 それからもう
一つ
は、この間の
委員会
までは、
警察
法に関する
政府当局
の改正の意思は、ほとんどないというような御答弁があつたと思いますが、最近の新聞を通じて見ますると、樋貝國務相は、この
警察
法に対して何らかの修正案を持ち合しておるというような意見の発表があつたように、われわれ
承知
いたしております。この間の事情、さらに
政府当局
がお考えに
なつ
ておる
警察
法に対する改正の意見等がおわかりに
なつ
ておるなら、この機会に御発表を願いたい、こういうことであります。
斎藤昇
20
○
齋藤説明員
福島縣
におきまして、最近いろいろな
事件
が特に多い、これには何らかの特殊事情があるかというお尋ねでございますが、私もその点を注視をいたしておるのであります。特に
福島縣
は
警察
力が弱いからああいう
事件
が頻々と起る、かようには私は考えておりません。ただいろいろな條件が寄りまして、炭鉱の労働爭議あるいは
國鉄関係
の
組合
員の動き、
全逓関係
の動き、これをさらに外部から援助する團体の動きというようなものが、
福島縣
にはどういうわけか相当強く滲透しておる。これには
福島縣
の経済的な條件とか、あるいは縣民性とか、そういうものと何らかの
関係
があるかということを、私の方も注視をいたしておるのでありますけれども、この後段の点につきましては、まだ私は確信を持
つて
御
報告
を申し上げるようなものを得ておりません。各位におかれましての御意見も伺いたいというような氣持でおるような次第であります。 それから
警察
法の改正の問題は、われわれ事務当局といたしましても、まだ何とも申し上げる時期に達しておりません点を御
承知
願いたいと思います。
門司亮
21
○門司
委員
私が
質問
申し上げましたものを、さらにつつ込んで申し上げますると、実は
警察
法の改正が考えられておるという時期に、特に
一つ
の
地方
に限
つて
、
長官
もお話のように、何らかのそういうものを
発生
する條件を備えておるかのごときことが考えられるという面でございますが、たとえば
警察
法の改正にいたしましても、この
事件
発生
のいろいろな要素に
なつ
ておりまするものを取除くということが考えられないで、ただ單に
警察
法の改正によ
つて
、それらの起
つて
來たものを彈圧する——彈圧するという言葉はあるいは惡いとお言いになるかもしれませんが、これをむやみに
取締
るという角度からのみ、
警察
法の改正が行われるならば、これはいたずらに混乱を導くだけのことであ
つて
、決して私は
治安
の
状況
をよくするという方向には向わぬと思うのであります。從
つて
私は、こういう特殊の地域における——特殊の地域におけると言うと言い過ぎるかもしれませんが、
地方
における
事件
発生
の原因というものを、もう少し当局も調査し、またわれわれも研究する必要があるかと思います。これらの点に対する御意見を実は伺
つて
おきたかつたのでありますが、いまだ
長官
の方で、そうは考えておるが、しかしはつきりしたものがないというようなことでありますならば、これ以上は
質問
いたしません。ひ
とつ
その点については、
警察
法の改正にあたりましては、その改正の骨子とするものは、やはり社会のそうした
事件
の起りやすい條件その他を十分考えていただいて、そうして
警察
法の改正を立案していただきたいということを、この機会に申し上げておきます。 それからその次は
鉄道関係
であります。
鉄道
の
被害
防止
に対して、いろいろ先ほどから御意見もありましたが、私どもが拜聽いたしておりますると、
鉄道
における
公安官
の
任務
というもの、これは今何千人おるか、私よくわかりませんが、もしおわかりでありますならば、その数をお示しを願いたいと思うのであります。この
公安官
と
被害
防止
との
関係
でありまするが、この点が私は明確に
なつ
ておらないと考えるのであります。
鉄道
の
被害
の
防止
は、多く
地方
の
警察
官がこれに当
つて
おりまして、私は最近の実情を見て、非常に遺憾に考えるのであります。十二万五千に限られた
警察
官が、いろいろな
事件
が
発生
して非常に忙しい今日の
状態
の上に、
鉄道
を守らなければならないということのために、
鉄道
沿線に何町おきかに配備してあつた事実を私は見たのであります。
鉄道
当局は
公安官
を持
つて
おりまするが、この
公安官
と
鉄道
路線の
警備
の
関係
は一体どう
なつ
ておるのか、
公安官
は特に
鉄道
の
列車
内における
治安
だけをや
つて
おるのかどうか、その点をひ
とつ
お伺いをいたしたいと思うのであります。
芥川治
22
○芥川
説明
員
公安官
の数でありますが、
公安官
の数は現在三千三百、これが專任の
鉄道公安官
であります。それから今お話のありました
被害
防止
との
関係
でありまするが、
公安官
の持
つて
おります
任務
は、國有
鉄道
の
列車
または停車場における現行
犯罪
についてというところに、
司法警察
職員
等指定應急措置法できめられておるわけであります。そうしてこれを受けまして、いろいろな
列車妨害
がたくさん起りますので、私どもの方といたしましては、公安局の事務分掌規程の中に、施設の
警備
というのを一項入れておるわけでありますが、
公安官
が事前に
事故
防止
あるいは
犯罪
を、徹底的に
捜査
するという権限はないわけでありまして、これはあくまで檢察当局の方にお願いいたしまして、
犯罪
の
捜査
をやるということに相
なつ
ておるわけであります。
門司亮
23
○門司
委員
それではなお技術的でありますが、
國警
の
長官
にそのことでお伺いしておきたいと思いますことは、
鉄道
の
警備
は、先ほどの
公安官
の
関係
ということがほぼ明瞭にな
つて参
りましたし、私どもまたそういうことを考えておりましたが、この場合
鉄道
の
警備
に当る
警察
当局は、自治
警察
であるか、國家
警察
がこれに当るべきか、この点おわかりになりましたらお答え願いたいと思います。
斎藤昇
24
○
齋藤説明員
鉄道関係
の
犯罪
、ことに路線における
犯罪
それから
列車
内における
犯罪
も同じでありますが、これは現在の
警察
法では、やはりその地域によ
つて
自治体
警察
と國家
警察
にわかれるわけであります。しかしながら路線に対する
犯罪
は、これは地域別でもやれないことはありませんが、もう
一つ
列車
の中は、今自治体の区域を通
つて
おるから、今
國警
の区域を通
つて
おるからと、わけるわけに参りませんので、これは協定をいたしまして大部分は
國警
の方でや
つて
おります。それから自治体
警察
の
警察
官にも乘
つて
もらう場合もあります。ことに大都市の自治体
警察
の
警察
官には、一緒に協力してもらいます。自治体と
國警
と協力して、そうしてお互いに
列車
を分担するというようなかつこうにいたしまして、
列車
内は
取締り
をや
つて
おります。そうしてこれを、最寄りの主要駅、多くは自治体
警察
にすぐ連絡する、それによ
つて
また
國警
の縣本部とも連絡するというように、互いに協力してただいまや
つて
おるわけであります。
警察
法の建前から、嚴格に申しますと、地域地域で違うということであります。
門司亮
25
○門司
委員
あまりくどく聞きませんが、実際その点でもう
一つ
お聞きしておきたいと思いますことは、現在の
公安官
が
列車
の中、あるいは駅の構内の
司法警察
の
取締り
をや
つて
おるということでありますが、現在の
状態
を見ますと、制服の
警察
官が乘務
警察
官として乘
つて
おるようです。そうしてこれが國家
警察
でない、たとえば
下関
の
警察
署の署員がある地域まで乘
つて
來て、そうしてそれがさらにその次へ継承されておるというのが現実だと思います。私どもが知りたいと思いますことは、そういう
公安官
制度があ
つて
、そうして
列車
内の現行犯に対する
取締り
は
公安官
がや
つて
おる。にもかかわらず
警察
官がこれに使用されると申しますか、
列車
の中にも
警察
官が
取締り
に乘らなければならない、ことに
線路
の
妨害
等に対しては、やはり
警察
官が当るということにな
つて参
りますと、今日の
公安官
制度自体に、非常にわれわれは何か奇異な感じを受けるのであります。この点もう少し
國警
あるいは自治
警察
、さらに
公安官
との間に、
職務
分担と言いますか、
被害
の
防止
の点について打合せができてなければならないと思います。われわれはその点解しがたいのでありますが、この点も
関係
をもう一度、どちらからでもけつこうでありますからお伺いしたらと思います。
斎藤昇
26
○
齋藤説明員
足りないところは
鉄道
側から補足せられることと思いまするが、この
列車
内の
警備
もわれわれとしましては
公安官
だけでや
つて
いただけるなら、これに越したことはないのであります。しかしながら今もお話のように
公安官
の数は全國で三千人ということであります。
公安官
だけではやれないという場合が相当ありまするので
鉄道
側と協議をいたしまして、必要に應じて警官を乘り込ますということをや
つて
おります。それから
鉄道
路線の
警備
は、これは大体原則としまして
鉄道
の
公安官
なり、ことに
鉄道
の保線
関係
の人たちに、保線の
維持
という面でや
つて
もら
つて
おるのであります。ふだんの
鉄道
路線の
警備
に警官が当ることはまれであります。特殊の必要のある場合に、
公安官
だけでは手薄である。あるいは
鉄道
の保線員では手薄であるという場合に入れるのであります。
犯罪
が起りましてから後は、
鉄道公安官
とも密接な連絡をとりながら、
犯罪
自身の
檢挙
は
警察
が主として当
つて
おるわけです。
立花敏男
27
○立花
委員
今日
説明
をお聞きいたしましたのは、根本的に現在の
治安状況
の現実を確認するとともにそれに対する
警察
制度の改正の問題が問題だろうと思うのですが、その点は当
委員会
におきましても
警察
制度の問題が、來る國会では問題であるという意味から、一週間に一回、
警察
制度小
委員会
をもやるということを、前の
委員会
でおきめになりましたことから見ましても、明らかだと思います。そういうわけで今日政府側の御
説明
を聞きまして私感じましたことは、現在第一線に立
つて
おられる
國警
あるいは
海上保安廳
、あるいは
鉄道関係
の方、その方たちの
説明
が、一樣に現在政府が考えておると傳えられておりますところの
警察
力の増強あるいは装備の拡充、そういうものに対する必要がないということを裏書きしておるのでありますが、この点をもう一度具体的に、各
長官
からお聞きしたいと思う。たとえば
國警
の
説明
によりますると、大体
警察側
としては現在まで起つた思要な問題の
事件
の処理は
終つた
。むしろ
最初
考えておつたことより
平穏裡
に
終つた
ということを言
つて
おりまして、さらに今後一層
治安
が惡くなるだろうという
見通し
は、全然ないということを言
つて
おられます。しかも結論とされましては、こういう
治安状況
の一時的の混乱が、
人員整理
あるいは
國民経済
の動向と非常に至大な
関係
がある。今後の
治安状況
の問題は、そういう
人員整理
とかあるいは
國民経済
の動向の問題の方が重大であるということを言
つて
おられるのですが、こういう観点に立たれまして、今後の
警察
のあり方について、どういうふうなお考えをお持ちに
なつ
ておられますか。もちろん政府自体としてのお考えを御発表願うということはできないと思いまするが、その意味で私きのう樋貝國務大臣の出席を求めておつた。今日いらつしや
つて
いませんので、責任ある政府の答弁としてはいただけないかもしれませんが、政府が
警察
行政の基本方針をおきめになる場合に、やはりその重要な基礎となりますものは、各第一線におられる
長官
の
状況
報告
が重大であろうと考えるのです。またその意見が重大であろうと考えるのですが、きようこの
委員会
で行われた
國警
長官
の
報告
から、
國警
長官
としてはどういうふうな御意見をお持ちかということを御発表願いたいと思うのであります。
斎藤昇
28
○
齋藤説明員
私が申しましたのは、過去一二箇月間にあつたような
治安
の
状況
は、これ以上惡いような
状況
はそう心配しなくてもよくはないかと申し上げたのでありまして、過去一二箇月の
治安
の
状況
というものは、きわめて惡かつたと私は思うのであります。そうしてこの間における
警察
の能率というものも必ずしも十分ではありません。これは
一般
國民の方が御
承知
の
通り
であります。これらにかんがみまするときに、制度の面におきましても、またことにいろいろの裝備、施設その他の点におきましても、
警察
は大いに改善をしなければならぬ点が多々あるのであります。このような
状態
をも
つて
、私はとうてい國民の方々に御満足を願えないと考えておるのであります。
立花敏男
29
○立花
委員
しかしただいま門司
委員
からの
質問
に対しまして、
齋藤長官
は福島では
警察
力は弱くはないということをはつきり御答弁に
なつ
ておられます。その他の一、二箇月間の問題と申しますと、下山
事件
あるいは
三鷹事件
があるのですが、下山
事件
において、
警察
力の貧困をお感じに
なつ
たのかどうか、あるいは
三鷹事件
において
警察
力の貧困をお感じに
なつ
たのかどうか。もし
齋藤長官
が
警察
力の貧困ということを言われるならば、この
事件
について
警察
力の貧困をどういう点でお考えに
なつ
たのか、お答え願いたいと思います。
斎藤昇
30
○
齋藤説明員
私の申しましたことを曲解されましては、非常に迷惑をいたします。私は
福島縣
におきましては、
警察
力が弱くないとは申したのではありません。他の府縣に比べ特に福島の
警察
は弱いということはない。大体全國並であるという事味で申し上げたのでありまして、福島においては
警察
力が十分であると申し上げたのではありませんから、この点は誤解のないように願いたいと存じます。福島の平の
事件
にいたしましても、また三鷹の
事件
あるいは今お話の下山
事件
等におきましても、私は
警察
がもつと科学的な
捜査
の
方法
、施設でありますとか、あるいは機動力でありますとか、
警察
力がもつと充実、向上しておるならば、もつと早く片づくであろう、
簡單
に片づくであろう、また場合によ
つて
は
事故
が起らなくても済むかもしれない。これは制度、施設、その他全体を合わせた
警察
力という点から申し上げるのであります。
立花敏男
31
○立花
委員
続いて
質問
があるのですが、これ以上は
齋藤長官
にお尋ねする必要もないと思うので、次の運輸
関係
の方のお尋ねしたいと思う。運輸
関係
の方でも御
報告
になりました結論といたしましては、たとえば
最初
の
人員整理
の問題につきましても、第一回の
團体交渉
をも
つて
や
つて
おる。あるいは
妨害
の問題につきましても
減少
の
傾向
にある。あるいは引揚げの問題につきましても、順調に進行中という
報告
がなされておるのでありまして、この面におきましても現在の
鉄道関係
の
警備
と申しますか、
公安官
の増強ということは、あまり必要もないように考えるのですが、この点に関して御
説明
願いたいと思います。
石井正平
32
○
石井説明員
私が申し上げましたのは、たとえば
列車妨害
につきましても、
件数
は減
つて
おるけれども、非常に作為的な
事件
が多く
なつ
ておるというふうに申し上げたいと思
つて
おります。また引揚げ
輸送
、あるいは
組合
関係
につきましても、過去におきまして相当大きなトラブルがあつたのでございます。ただいま現在の段階としてこのような
程度
に
なつ
ておるということが、今後とも引続いてこうであるということを申し上げたつもりはないので、事情によりましては、またどういう
状態
が起るか、不測の事態に対しますだけの十分な
警備
力は持ちたいという氣持においては、これは現在においてもかわりがないと思うのであります。ただ
鉄道公安官
と申しますものは、
一般警察
官吏ではございません。多少法的にも行動範囲制を約されておりますので、必ずしも
鉄道公安官
だけを充実しさえすれば、
鉄道
の
警備
がそれで十分に行くというわけにも参りかねるかと思
つて
おります。
一般警察
力の充実がやはり第一の問題ではないか。こう考える次第であります。
立花敏男
33
○立花
委員
それでは現在のところでなお拡充を要するという御意見をはつきりお持ちなんでございますか。
芥川治
34
○芥川
説明
員
公安官
の数につきましては、六月一日の公共企業体になりましたときに一應これがきめられたのでありまして、現在の
情勢
において、今
國鉄
の
監督局長
からお話がありましたように、かりに
列車妨害
に対しましても、大体行政
整理
をやりましたとき、あるいは下山
事件
、
三鷹事件
、こういうふうなカーブを描きまして、そのときに上
つて
、八月になりましてからやや落ちている。これは先ほど
説明
がありました
通り
であります。しからば
公安官
として増強の必要があるかどうかという御
質問
だと思いますが、現在の
公安官
といたしまして、かりにこの人数をそのままにしておくという場合に、私は
公安官
の質の向上ということも当然考えられる問題だと思うのであります。同時に
公安官
自体の装備の問題でありますが、先ほど
國警
長官
からもお話がありましたように、
鉄道
自体でやればおまかせしてもいいくらいだというお話でありましたが、御
承知
のように
公安官
は全然武装されていないわけであります。從
つて
列車
の場合におきましても、
國警
または自治体
警察
の警乘あるいは移動
警察
官に乘
つて
いただいている
状態
でありますので、もちろん現在の
状況
といたしましては私個人の考え方から考えまして、
公安官
はこの数では不十分であるというふうに考えるのであります。
立花敏男
35
○立花
委員
次に
海上保安廳
の方にお尋ねいたしたいのですが、
海上保安廳
の御
説明
によりましても、あるいはこのお配りに
なつ
た
資料
によりましても、
犯罪
は逐次
減少
の一途をたどりつつある。
密輸
の問題におきましては対外
関係
がありますので問題外といたしまして、
密漁
あるいはその他の
犯罪
といたしましては、特に
減少
の一途をたどりつつある。しかも
密漁
の問題に関しましては、この
資料
の結論といたしまして、補足的に水産行政の助長の面から、この
取締り
に考慮すべき点があるというようにお書きに
なつ
ておりますが、こういう点から見ましても、やはり水産行政自体を何とか改善しないと、單なる
取締
の面における
密漁
の
防止
という面では、とうてい
防止
できないじやないかという点が現われているようなのでありますが、こういう面からいたしまして、
海上保安廳
といたしまして、今後の保安廳の増強、裝備の問題について、どういう御意見か、お聞かせ願いたいと思います。
大久保武雄
36
○
大久保説明員
海上保安廳
は何と申しましても船を持たなければ
仕事
ができない。現在
海上保安廳
が持
つて
おります
巡視船
の主力をなしますものは、木でつくりました木船でございます。速力は八ノットであります。大体戰爭中に二年くらいもてばいいだろうというのでつくりました。船を、終戰後だましだまし、なでるようにいたしまして使
つて
おります次第であります、現在
密航
、
密輸
、
密貿易
に使用します船で、十ノットをくだる船はほとんどないと思うのでありますが、八ノットというような速力で
取締り
ができるかできないかという点は、これはもうまつたく自明の点であろうかと存ずる次第であります。さらにそのほかに本船でありまして、非常に古い船体でありますために、荒波に向
つて
航海
するということが非常に困難であります。しかも馬力は十分でない。かような
関係
で完全な
海上
の
職務遂行
は、ほとんど困難でありまして、常に修理して病院に入
つて
おる。かような
関係
でございまして、何としてでも
海上保安廳
は、まず船の裝備を充実しますことが、何をおきましても現実の問題であると考えます。次に人の
関係
におきましても、
海上
保安法では武器を携帶することができるということを認めておるにもかかわらず、
海上保安廳
は無裝備でございます。かように非常に劣惡な船と、無裝備の
状態
におきまして、なおかつその
任務
には全力をあげて盡しておる次第でありまして、
状況
は先ほど御
説明
申し上げました
通り
であります。そこで
治安関係
にいたしましてもすでに数名犠牲者が出ておりまするが、
ダイナマイト
漁業、その他
密航者
の兇惡なる兇器の所持、さらに瀬戸内海に出ます海賊も兇器を所持しまする
関係
からいたしまして、またその数も決して
減少
しない
状況
にあるのであります。また経済
統制
の
違反
につきましても、これは將來はあるいは
減少
するものとは存じておりますが、遺憾ながら現実の問題としましては、一向減らないような
状況
でございます。なお
海上保安廳
は以上の
治安関係
の
任務
のほかに
海難船舶
の
救助
の
任務
がございまして、これは万國の船に対しまして、
海上保安廳
はその責任を持
つて
おる次第でございます。この
海難
救助
は現在非常に
海難船舶
が多いのでありまして、毎日二時間おきに一隻くらいの
海難船舶
を出しておるような
状態
でございます。この
海難船舶
の
救助
の場合には、人命財貨の救済のためにどうしてもその船をひつぱり得る、曳航力のある船を保有しておる必要がある。ところが最も救難を要する荒天において出動できない。しかも
海難船舶
を曳航できない。こういうような船をも
つて
しましては、とうてい
任務
の遂行はできない次第であります。
海上保安廳
におきましては
海上保安廳
の装備
強化
拡充ということは、もう現今におきまして必然的な
任務
に
なつ
ておる次第であります。
立花敏男
37
○立花
委員
政府のお方がそういうふうに國民に対する責任を御痛感に
なつ
て、事務を敏捷に、円滑にやるという方向に進まれるということは非常にけつこうでありますが、問題はその
方法
だと思うのです。一昨年のGHQからの
日本
政府に対する
警察
制度に関する書簡の重大な根拠に
なつ
ておりますところの
報告
書には、非常に重大な意見がついております。それはこういうことなんです。
日本
の
警察
機構は民衆に奉仕するものではなくして、政府当路者の野心達成のために創設されたものであるということが、はつきりと結論的につけ加えられておりまして、
日本
の
警察
のこれからの方向は、
警察
の民主化であり、
地方
分権化であるということをはつきりうた
つて
おりまして、
日本
の現在の
警察
法はそれに從
つて
できておるのであります。われわれが現在聞いておりますところの、現在政府で考えております
警察
法の改惡というものは、この線から非常に逸脱いたしましたところの、むしろこの
報告
書が警告いたしておりますころの、ある一部の野心達成のために創設されるという
傾向
が非常に多いのであります。その際に今三
長官
の述べられました現状からいたしますところの
警察
力の拡充増強の方向が、こういう一部の野心達成のための方向に行くのではなし、むしろ民衆
警察
の方向に行くべきである。その
警察
民主化の方向に進みつつあるという確認がわれわれに得られない限りは、われわれとしてはただいま行われました三
長官
の現状
報告
からいたしましては、これ以上の増強あるいは装備の拡充ということは必要ないと考えられるのですが、そういう点で次の
委員会
には、三
長官
だけではなしに、ぜひひ
とつ
責任ある政府の
警察
法改正に対する御意見を承りたい、質疑應答をいたしたいと思いますので、できたら樋貝國務大臣あるいは増田官房
長官
の御出版を願いたいと思います。
菅家喜六
38
○
菅家委員長代理
承知
いたしました。それでは井出君。
井出一太郎
39
○井出
委員
大久保
海上保安廳長官
に伺います。最近の新聞紙の報ずるところによりますと約四、五十隻の
日本
の漁船が、國籍不明の何か怪
船舶
のようなものに拿捕されたというようなことを聞いております。これはあるいは保安廳の権限外、水産廳などにもかか
つて
來ましようし、あるいは大きくは外交問題でもあろうかと存じますが、これにつきまして保安廳の方に、何らかの情報が得ておられまするものなりいなや、ないしはこちら側に許可された範囲から越境をしていたという不法があるのか、そういうことに関連をいたしまして情報がもし入
つて
おりましたらお話を願いたいと思います。
大久保武雄
40
○
大久保説明員
日本
船舶
の拿捕問題は方々で起
つて
おります。
昭和
二十三年の一月以來、
朝鮮
方面
で十八隻、ソ連
関係
で二十三隻、中國
方面
で十七隻、台湾で一隻、
合計
五十九隻に及んでおります。このうち交渉の結果帰還いたしましたものは、
朝鮮
関係
で九隻、ソ連
関係
で十八隻、中國
関係
で二隻、台湾
関係
で一隻、
合計
三十隻であります。そこでマツカーサー・ラインを越えたかどうかという点につきましては、從來のものはあるいはそういう場合もあつたろうとも存ずる次第でありますが、最近の東支那海におけるものは、漁船の船員の帰還いたしました者の申出によりますると、マツカーサー・ラインの内側であつたということを申し述べております。一隻は撃沈され、数隻は攻撃をせられまして、数名の
負傷者
、数名の死者を出しておる次第であります。この点につきましては非常に
日本
の漁業、その他
日本
船舶
の保護の上から考えまして、重大であると存じまして、
関係方面
と連絡いたしまして、必要な手続をいたしまして、所要の措置を講じつつある次第でございます。
立花敏男
41
○立花
委員
資料
に関してお願いいたしておきたいのであります。実は読賣、朝日、
日本経済
新聞等に、最近吉田総理大臣がGHQに対しての
警察
制度改正に関する要望の話がたびたび出ておるのです。また最近のGHQからの
警察
に関する書簡の問題に関しましても、やはり政府からGHQに対する
警察
制度改正に対する要請、あるいは意見の開陳があつたと思うのですが、これはさいぜん申しましたGHQからの
日本
政府に対する書簡、一昨年の書簡のあの線の修正に関する意見が、多分に含まれているとわれわれは推測しておるのでありますが、次の機会に政府の責任者の御出席、ある場合には、どういう要請をGHQに対してしておるのか、はつきり文書か、あるいは何らかの形で
委員会
にお示しを願いたいと思います。
谷口善太郎
42
○
谷口委員
私は次の
委員会
のことでありますが、特に
警察
制度改正に関して現状を知
つて
おく意味から、現在の
人員
、それから装備、訓練、あるいは公安隊のごときものの組織の
状況
その他につきまして、これは
國警
の則はもちろんでありますが、自治体
警察
を含めた全体についてのことを、
政府当局
からよくただしたいと思いますが、その点について樋貝國務大臣及び官房
長官
の御出席をぜひお願いいたします。ただとの
内容
といたしまして、現在
國警
及び自治体
警察
における装備、動員力、機動性、あるいは
人員
、その他いろいろありますが、そういうものを
中心
にして、ぜひ
資料
を集めて來てもらいたいと思います。
野村專太郎
43
○野村
委員
この
委員会
としては
警察
制度の改正に関することを継読審議で附託されているわけであります。そこで今まで
委員会
が会を重ねて、相当大臣各位からもいろいろな機会に
治安
に関することを伺つたわけでありますが、特に今日は最も実際にあた
つて
おる三
長官
から、最近における
治安関係
の概況を詳細に伺つたわけです。そこでわれわれとしては近く臨時國会も開備をされるであろうということが相想される。そこで、この
委員会
としてはこの最も大事な
治安
に関する
警察
制度の改正の問題を具体的にとりまとめて行かなければならぬ。われわれは職責上そう考える。そこでまず大臣に尋ねて行くよりは、一應本
委員会
として具体的にもう少しつつ込んで、そうしてその必要に應じて所管大臣にさらに御出席願うこともよかろう、こう思います。さつきいろいろお話がありましたが、率直に國民の立場において、最近の不安な
治安
の
状況
は默過することはできない。しかも一應御
説明
ありましたが、その反面一應これに具体的に手をつけたというだけで、あらゆる最近に起つた
事件
について、すつきり國民は納得できない。しかも國民の公共の福祉、民衆に奉仕する
治安
の確立という点については、三
長官
に伺
つて
もわれわれは納得することができない。こういう点において、この
委員会
はこれに対する十分の方途を講じなければならぬ責任がある。次回の
委員会
においてはそういう観点から、まず私は一應
委員
間相互に、忌憚のない國家再建の完全なる
治安
の
維持
の方途を研究し、その後において大臣に意見をただすもよかろう、こう思います。私は臨時國会の開会も考えられるので、なるべく早く会を進めて意見をとりまとめることを要求いたしたいと思います。
菅家喜六
44
○
菅家委員長代理
そうすると、野村君のお話は、次回の
委員会
においては先ほど立花君、
谷口
君から樋貝國務大臣、増田官房
長官
の出席を求めることの要求があつたのですが、それは中止して、その前に協議してやつたらいいという御意見ですか。
野村專太郎
45
○野村
委員
私は今共産党の方から御要求があつたが、それでまた
質問
に終始して漫然と会を重ねて、大臣にものを聞く会、大臣にこごとを言う会に終
つて
しまう。そういうことでは私はいけないと思う。そこでこの
委員会
としては閉会中数回や
つて
來たのですから、大体の研究もできている。そういう点から一應この
委員会
だけでまとめて
行つて
、その後においても遅くないと考えております。
谷口善太郎
46
○
谷口委員
その点についてですが、今野村君がおつしやつたのは、この前正式の
理事会
であつたかどうか知らぬが、
委員長
初め私どもがみな集まつたときに、これについては懇談会の形式でもいいから、とにかく正規の
委員会
外で集ま
つて
やろうということを言
つて
いるわけで、野村君もその点を言
つて
いると思うので、私ども反対いたしません。ただ正規の
委員会
で明らかでないことを明らかにするということは、そういう懇談的にわれわれの意見をまとめるという一方の
仕事
の成果を確実ならしめるために必要なことだと思う。 引読いて緊急
質問
を
齋藤國警長官
にいたしたい。それは古物営業法の実施に関することでありますが、七月一日からその実施になるにあた
つて
、各
警察
及び
國警
ももちろんそうだと思いますが、この前の
委員会
であの法律のできるときに、古書籍、つまり古本屋さんは事情が非常に他の業者と違うから、あの法律をそのまま適用しないで、そこに便法を設ける。これは施行細則をきめるときにそういうふうにするということを政府が明言している。これは私
質問
して御答弁は得ているのでありますが、しかし今度の施行にあたりましては、全然それが実行されずに、古書籍も
取締
対象に
なつ
ている。この点なぜこの
委員会
ではつきり明言されたことが実行されなかつたか。この点が
一つ
です。 それからあの法律によりますと、古物を賣りに來るお客から買う場合に、その賣りに來る人を確認する必要があると書いてある。住所、性名、年令等を確認するということが書いてありまして、その確認のためにたとえば米穀通帳を持
つて
來るというようなことを要求されるのはやむを得ないと思いますが、その上にさらに現在では、すべて拇印を取
つて
いるわけです。これは強制されて、拇印を取らなければいけないというふうなことが
警察
の方かう言われている。拇印を取るということにつきましては、もちろんいろいろ論ずべきところがあると思いますが、しかし
日本
の
警察
制度におきまして、拇印を取るということは、非常に普通の人間にとりましては恐ろしいことをされる。言いかえますと人権を蹂躪する政治的意味を持つのであります。ところが本を一册賣りに來ましても、一々拇印を取らなければあの法律に反することに
なつ
て、業者は罰せられる。これが法律に書かれてないのにそういうことを実行させているようでありますが、この点についても私ども非常に不審を感ずるわけであります。なぜ拇印を強制的にとらせるようにしたか。そういう法律的根拠いかんということを、はつきりここでお示しを願いたいと思うのであります。
斎藤昇
47
○
齋藤説明員
ただいまの二件の点は、これは間違つたお答えはできませんから、十分調べまして、次の適当の機会に、私なり、他の政府
委員
からお答えいたします。
菅家喜六
48
○
菅家委員長代理
この際了承をお願いしたいのであります。前会において本日各
地方
行政の
地方
視察の実地調査の
報告
を聽取することに決定いたしておつたのでありますが、これは都合によ
つて
次会に讓りたいと思いますから終了承をお願いしたいと思います。 それでは本日はこれをも
つて
散会したいと思います。次会は八月三十日月曜日、
警察
治安関係
に関する小
委員会
を午前十時から、それから三十一日にこの
委員会
を開いて
地方財政
、
治安
に関する件を議題といたし審議することにいたします。 本日はこれをも
つて
散会いたします。 午後零時四十二分散会