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谷口委員 共産党は
地方財政法の一部を改正する等の
法律案につきましては、伸念ながら反対せざるを得ないのであります。今川西
委員から御
提出になり、
足鹿委員の要望が、共産党を除く他の諸党の御賛同によ
つて修正案が通
つておるわけでありますが、この修正案につきましても、理論的にも実際的にも、何らこれは効力のないものだと私
どもは
考えざるを得ないので、やはり賛成できがたいのであります。私
どもの全体として賛成できない
理由を簡單に申し上げますと、今一部分は千葉
委員からもおつしや
つたようでありまするが、この
地方財政法の第十條に、「國と
地方公共
團体相互の利害に
関係のある事務を行うために要する
経費は、國と
地方公共
團体とが、これを負担する。」という條項がありまして、第二項に、それらの意義を持つ事業の
内容が、十四個のものとして掲げられております。今千葉
委員はその中の
一つをおつしや
つたと思いますが、私
どもの
考えによりますと、これは全部國が全額その
経費を負担すべきだ、こういうふうに
考えておるのであります。また第九條の
地方公共
團体だけの負担でいたさなければならないとされている事業のうち、第二項の第七号、第八号、第九号、第十号及び第十一号まで、これは國と
地方公共
團体とが両方で負担すべきである。こういうふうに私
どもは
考えており、そういう
意味の負担区分の明確な規定をこしらえることができるならば、私
どもは賛成するのでありますが、そうではなく、今度出されました修正案は從來の慣例を單に條文に現わしたものにすぎないのでありますので、賛成しがたいのであります。
第二の問題でありますが、國が負担すべき補助金、もしくは負担金、支出金、これを
地方公共
團体へ渡すについての問題であります。今川西
委員の修正案は、國が負担すべきものを、まだ
地方公共
團体に渡してないような場合、
地方公共
團体としては、その支出金の算定及び支出の時期について不服のある場合には、
内閣を経由して國会に
意見書を
提出することができる。こういう修正案でありまするが、これはいくらきめましても、実際は何の効果もないものだと私
どもは思うのであります。この
委員会においても問題になりましたように、本年の一月に行われました衆議院選挙の國の当然負担すべき
経費が、
地方公共
團体によ
つて支出されておる。それをいまだに國が
地方公共
團体に渡していない。この問題は、ここで詳しくは論じませんが、これは今申しました
地方財政法の第九條でも、第十條でもなく、第十一條の、國が全体として負担しなければならないという規定の中にある第二項の第一号「國
会議員の選挙及び
國民投票に要する
経費」であります。これを
地方公共
團体が
支拂つてしま
つて、それが大きな穴にな
つておるにかかわらず、いまだに國が
支拂わない。こういう不信行為をやる國を相手に、單に國会に
意見書を出したくらいで、とてもとても國は出すはずはないと思うのであります。こういうことを書いてあ
つてもなくても、
地方財政法の第二條であ
つたと思いますが、「
地方公共
團体に負担を轉嫁するような施策を行
つてはならない。」という規定がありますから、当然國は責任上、誠意があり、國に拂う氣がありならば、拂
つているはずであります。拂う氣がなく、全然出す氣がないものに対しては、いかに國会に
意見書を出しても、やはり出さない。こういう國を相手に、言
つてみれば、出すべきものを出さず、拂うべきものを拂わない、そうしてほおかぶりをしているという國を相手に、
地方公共
團体が
自分の立場を守るためには、強固な法的な措置が必要であると私
どもは
考えます。そこで当然これは
地方公共
團体の直接請求権を確立して、そしそれでも足りない場合には、それに対するいろいろな、たとえば損害あるいは他から融資をした場合の利子延滯
料金、こういうものを國からただちにとれる、差押えしてでもとれるという條項を入れるべきだと私
どもは
考えております。そうでなければ、今度の吉田
内閣では選挙の費用すら出さずにおいてほおかむりをしている。そういう政府を相手にやる場合には、
地方團体に相当強固な
権利を與えなければならないという
意味であります。修正案もそこまではや
つていないのでありまして、ただ形式上國会へ
意見書を出すということをきめておるのであります。その形式でしたら現行の
法律の中には、十分他に條章があるわけでありますから、こういう問題は何ら効果のないものだと私
どもは思うのであります。そういう
意味で簡單でありますけれ
ども、この
地方財政法の一部を改正する等の
法律案につきましては、全体的に修正案を含めて私
どもは反対するものであります。