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門司委員 私は本案に対しましては、反対の意思表示をするものであります。
理由はすでに各委員から申されておりますと同時に、私も当初に申し上げました
質問の内容において、大体盡きておるとは思いますが、今日
都道府縣の
財政的に非常に困
つております際に、不十分な
当局の提出されました書類を見ましても、約三十億を越える
財産とな
つておるのでありまして、このきわめて不十分な参考資料を見ましても、かくのごとく多額に上
つております。これは單に建物あるいは乘用自動車というものだけしか含んでおりませんが、多くの
土地を持
つておることも事実であります。
從つてそれらを換算いたしますならばきわめて多額に上り、しかも今日
警察が持
つております
財産の大
部分は、
都道府縣の
財政にかかり、國の
從來補助した額はきわめてわずかであります。さらに分析いたしますならば、今日の
國家警察が持
つております駐在所もあるいはその他の建物等のほとんどは、地元住民の寄付によ
つてでき上
つたものであることは事実だと考える。そう考えて参りますならば、この
法案がただちに通過いたしまして、これらのものを全部
國家警察、國の
所有に帰属するというようなことは、現在でも行き詰
つております
地方財政の上に、きわめて大きな問題を投げかける
一つの問題である。さらにこれによ
つて地方住民の著しき反撃をかうおそれを持
つておるのであります。
從つて治安の大任にあたる
警察が、かくのごとき、言葉は少し過ぎるかもしれませんが、
都道府縣の
財産あるいはそれを援助いたしました
地方住民の氣持をま
つたく蹂躙して、これらのものを強奪するがごとき態度につきましては、われわれは断じて反対の意思を表明するものであります。しかも
警察法の附則の第九條を設定いたします際にも、きわめて多くの問題が本議場においてもかわされたのであります。その際の行きがかりを申し上げてみても、
地方自治体の
警察が使用する分と、
國家警察が使用する分とのわけ前について、非常に大きな爭いが起るのではないかということが懸念されて参りました。
從つて地方自治体に対しましては、
國家警察で使用しないものは
無償で拂い下げるというふうに、附則の第九條は制定されたはずだと思うのであります。
從つて今日國が持
つておる
警察権と申しますか、
國家警察の運用上、その
所有するものと使用するものとの権利が
一つでなければ、ぐあいが惡い、あるいは
維持修繕が
國家警察によ
つて行われておるから、
從つて所有権との
関係はいかがか、こういう
お話でございますが、われわれはもし
國家警察に費用がなくて、これらのものを十分や
つて行けないとするならば、
都道府縣の
財産を
國家警察が
無償で借りておくという
法律をきめられた方が、むしろその所在が
はつきりすると思う。何を好んで
無償で取上げなければならないか、その
はつきりした理論的な根拠をつかむことができないのであります。こういう
理由から第一点は反対をいたしますとともに、さらにその次の
理由といたしましては、
先ほどから、しばしば議論にな
つております
通信機関その他の問題であります。これらの問題を勘案して参りますときに、われわれはこの
法案にただちに賛成をするわけには参りませんので、ここに
日本社会党は反対の意思表示をいたしたいと思います。