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1949-04-23 第5回国会 衆議院 地方行政委員会 第15号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十四年四月二十三日(土曜日) 午前十一時三十四分
開議
出席委員
委員長
中島
守利
君
理事
生田
和平君
理事
川西 清君
理事
久保田鶴松
君
理事
立花
敏男
君
理事
圖司 安正君 井上 知治君 大泉 寛三君 大内 一郎君 川本 末治君
菅家
喜六
君 清水 逸平君
野村專太郎
君
龍野喜一郎
君
足鹿
覺君
門司
亮君
谷口善太郎
君 田中 豊君
出席政府委員
総理廳事務官
荻田 保君
國家地方警察本
部長官
斎藤 昇君
國家地方警察本
部次長
溝淵 増己君
國家地方警察本
部部長
柏村 信雄君
委員外
の
出席者
議 員
河口
陽一
君 專 門 員 有松 昇君 專 門 員 長橋 茂男君 調 査 員
丸山
稻君 ――
―――――――――――
四月二十二日
地方自治法
の一部を
改正
する
請願
(
中島守利
君
紹介
)(第四八四号)
地方公務員法案
に関する
請願
(
門司亮
君
紹介
) (第五二六号) の審査を本
委員会
に付託された。 同月二十一日 都道府
縣選挙管理委員会
に対する
経費援助
の陳
情書
(第二一二号)
選挙法令
に関する
陳情書
(第二一三号)
市町村消防費國庫補助増額
の
陳情書
(第二二〇号)
衆議院議員選挙法
一部
改正
の
陳情書
(第二二四号)
地方配付税
並びに
地方起債
に関する
陳情書
(第二三三号)
地方産業行政
と
産業金融
の
協調促進
を図る
金融
制度樹立
の
陳情書
(第二五五号) を本
委員会
に送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した
事件
大阪
市における
デモ取締事件
に関する
報告聽取
請願
一
町村吏員恩給組合
に対する
國庫補助増額
の
請願外
一件(
井出一太郎
君
紹介
)(第五 号) 二
町村吏員恩給組合
に対する
國庫補助増額
の
請願
(
植原悦二郎
君
紹介
)(第三九号) 三 同外一件(
佐竹晴記
君
紹介
)(第四二号) 四 同(
塩田賀四郎
君
紹介
)(第五八号) 五
地方税法
の一部
改正
に関する
請願
(
川野芳
滿君外四名
紹介
)(第八八号) 六
地方債
の
償還期限延長
及び
利率引下
に関す る
請願
(
足鹿覺
君
紹介
)(第一一三号) 七
地方公共團体
の
國家委任事務費全額國庫負
担等に関する
請願
(
河口陽一
君
紹介
)(第 一六二号) 八
町村吏員恩給組合
に対する
國庫補助増額
の
請願外
一件(
小坂善太治
君
紹介
)(第一八 三号) 九 同外六件(
佐々木盛雄
君
紹介
)(第一八四 号) 一〇 盲人に対する
地方税減免
の
請願
(
林好次
君
紹介
)(第二六〇号) 一一 助産婦に対する
特別業務税廃止
並びに再教
育費國庫補助
の
請願
(
近藤鶴代
君
紹介
)( 第二六三号) ――
―――――――――――
生田和平
1
○
生田委員長代理
これより
会議
を開きます。
委員長
の指名により私が
委員長
の
職務
を代行いたします。 まず
派遣委員
より
報告聽取
の件を議題といたします。すなわち
本件
は、去る三月二十七日及び四月二日に、
大阪
市において発生した
デモ取締り
についての
事件
を、本
委員会
としてきわめて重視いたしまして、四月十三日より四日間、
河原伊三郎
君、
菅家喜六
君、
久保田鶴松
君、
立花敏男
君を
派遣
いたしまして、その
眞相糾明
にあた
つて
いただいたのであります。
派遣委員
より
報告
が
委員長
の
手元
に提出されております。まず
久保田委員
より
本件調査
に関する理由について一
應御報告
があると思います。
久保田
君。
久保田鶴松
2
○
久保田委員
ただいま
委員長
からお話もございました
通り
、本
委員会
といたしまして、三月二十七日と四月二日の
大阪
市における
労働者
に対しての
警察
の
彈圧
事件
に対して、
委員会
がこれを取上げて、いろいろと
審議
をしていただいたのでございますが、このことにつきまして私
たち
四名が、十四、十五、十六の三日間にわたりまして、各
方面
とのいろいろの
連絡
もいたし、大体至れり
盡せり
の
調査
をいたしたつもりでございます。いろいろこの
調査
の
内容
につきまして
報告
をいたしたいのでございますが、大体私
たち調査委員
の
意見
が一致いたしております。その点につきまして
大綱
は、一應
菅家
さんからひとつ御
報告
していただきたい、かように存じます。
菅家喜六
3
○
菅家委員
ただいま
委員長
のお
手元
まで、
大阪治安事件
の
調査報告書
を印刷にしまして各
委員
にお配りいたしてございますが、大体の
経過
と結果を、簡單に私より御
報告
申し上げたいと思うのであります。 去る十三日より十六日まで四日間、
大阪デモ取締り事件
に関する
調査團
として、われわれ四名は
大阪
におもむきました。
大阪
府廳の御好意によりまして、府廳の應接間を
調査團
の
調査室
にお借りをいたして
調査
をいたしたのであります。 まず
調査
の箇処を先に御
報告
申し上げたいと存じます。三月二十七日、四月二日の
両日
行われました
大会
の
主催者側
の
意見
を聞くことが第一であると存じまして、両
大会
におけるところの
主催者側
のお集まりを願いまして、われわれ
調査委員
は
主催者側
の
意見
を聽取いたしたのでございます。次に
大阪
府の
公安委員
、
大阪市長
、
大阪
市会における
警察委員会がちよう
ど開かれておりましたので、この
警察委員会
に全
調査委員
が臨みまして、その
経過
を傍聽いたしました。次に
大阪警察局長
、
公安部長
、
消防局長
、これらにつきましてその
眞相
を聞きただしたのでございます。 次に
大阪
市における各
政党支部
の
幹事長
の
意見
を求めることにいたしまして、
民主自由党
、
民主党
、共産党、社会党の各党の
代表者
の方に御参集を願いまして、各
政党支部
の
代表意見
を聽取いたしました。 次に
大阪市内
に発行いたしておりまする各
新聞社
の
代表
の方々の御参集を願いまして、
輿論機関
の
意見
を聽取いたした次第でございます。なお
デモ行進路
の
実地踏査
をいたしまして、その際両
大会
において
負傷
された
負傷者
にも直接
会つて
当日の
事情
を聽取いたしました。さらにまた
両日
檢束された者がありましたので、それら檢束をされた
人々
にも、直接われわれ
調査委員
は面接いたしまして、当日の
模樣
を詳細に
調査
をいたした次第であります。その
調査
に基く詳細は
報告書
にすべて書き連ねておいたのでありますが、
結論
として私
ども
は本
調査
に基いて
警察
に
行き過ぎ
があ
つた
という点において、全
調査委員
の一致した
意見
に相な
つたの
であります。その
警察
の
行き過ぎ
の点はいかなる点であ
つた
かと言いますと、まず第一に
大阪
の
鈴木警察局長
は
新聞紙
を通じて、
大阪市民
に
警告文
を発表いたしております。この
警告文
の
内容
は先ほど印刷されたものがお
手元
に配られておるはずでありますが、この
警告文
というものは、まことに重大な文字を連ねてあります。すなわち三月二十七日に行われましたところの
デモ
は、暴動化するおそれがあるということを前提として、あの
警告文
を書いてあるのであります。私
ども
四名の
調査委員
の
調査
によりますと、三月二十七日の
大会
、もしくは
デモ行進等
は暴動化するおそれがあ
つた
ということは、認め得なか
つたの
であります。かかる前提のもとに四
項目
にわたるところの、制圧の
方法手段
を書いてあるのでありますが、この重大なる
警告文
を
市民
に発表する前に、その
警告文
を
公安委員会
に諮
つて
おりません。また
市長
の決裁も経ておりません。
取締り
の権限内において発する
警告文
であ
つた
にせよ、これは
公安委員会
に当然かくべき筋合のものである。また
市長
にも一應決裁を受けて、しかる後に発表することが、穏当なる処置とわれわれ
調査委員
は考えたのでありますが、
鈴木局長
がこの挙に出でず、自分一個の考えで重大なる
警告文
を
新聞紙
を通して、
大阪市民
に発表したということは、
警察
の大きな
行き過ぎ
であるということを考えたのであります。その次には
消防局長
とわれわれが面接いたしたのでございますが、
消防局長
と
警察局長
の
意見
が対立しておるということを発見いたしたのでございます。
消防局長
は、
消防組織法
の二十四條に掲げておるところの
行動
以外に、
ポンプ
、
タンク
の
使用
というものをいたしたくない。すなわち
デモ行進等
に
ポンプ
を備えることはよろしいのであるけれ
ども
、放水するがごときことは、なるべく差控えたいということを強く主張いたしておりました。しかも三月二十七日の
デモ行進
の際も、
警察局
からの要求によ
つて
、二台の
タンク
を出しましたけれ
ども
、これを
使用
しないでしま
つた
。しかるに四月二日の
デモ行進
には、二台の
タンク
を
使用
して、
大会終了
後、
デモ行進
の一番
最終地点
において、
デモ隊
に放水しておるのであります。
消防当局
はできるだけかくのごときことに、
消防タンク
を
使用
せざることを、
消防局長
は口をきわめて言
つて
おるのであります。
警察
の
鈴木局長
は、もし
消防
がかくのごとき事柄に
タンク
を出動せしめることを拒絶するならば、
警察
は
單独
に
タンク
を購入して、
デモ取締り
に
使用
するということを、われわれの前に明言いたしておるのであります。もし
警察
が
單独
に
タンク
を購入する。しかもその購入したる
タンク
を
デモ行進等
の
取締り
の武器にするということになりますれば、法律的にこれは
一つ
の
改正
をしなければならないことでありまして、しかもその
タンク
を購入するにあた
つて
、
公安委員会
、
市会等
の決議を経なければならないのでありますが、それらのことも
経ずし
て、
自分單独
で
タンク
を購入して、それに備えるというがごときことを
國会代表
の
調査委員
の前に明言するがごとき
態度
は、まさに
警察当局
の
行き過ぎ
の
態度
であるとわれわれ
調査委員
は看取して参
つたの
であります。 次に当日の
警棒
と
ポンプ
の
使用
の件でありますが、
大阪警察局
においては、当日の
模樣
を十六ミリに收めて
映画
にしておりましたので、われわれ
調査委員
は
警察局
の
地下室
において、その
映画
を見て來たのであります。この
映画
にはつきり現われておりますものを見ますと、
取締り
において
警棒
を持
つて
やりましたが、むしろその
使用方法
が民衆を刺激したように感ぜられるのであります。
デモ行進
の
行進路
を
実地踏査
いたしました点においても、ことさらに狹い
道路
を
行進
に
使つた
ということを、われわれは発見することができる。その点を
警察
に質してみますと、これは
関係当局
よりの命令によ
つて
その
道路
を
行進路
にしたということを言
つて
おるのでありますが、実地を
調査
したるところによりますと、その狹い
道路
を
行進
せしめず、むしろそれよりももつと
取締り
に適当な
道路
が数本あ
つた
ように感知されるのであります。
関係方面
よりかくのごとき命令がありましても、
警察
としてはその
事情
をよく述べたならば、その狹い
道路
を通らずして、もつと適切な
道路
を
行進
せしめることが、当日の
取締り
として最も急務であ
つた
と思うのでありますが、その挙に出ず、むしろ
警察
が狹い
道路
を選ばせたというようなことも、われわれは看取できたのであります。これも
一つ
の
警察
の当日の
取締り
の手落ちで、
行き過ぎ
のように考えられるのであります。その他こまかい点は
調査書
に記入いたしておりましたが、結局
行き過ぎ
があ
つた
ということは、全
調査員
の一致したる
意見
であります。しかも
公分委員
、
市長
、
大阪
市会における
警察委員会
、各
政党
の
代表
、各
新聞社
の
代表
、これらの
人々
に
会つて
みましても、ことごとく
異口同音
に叫ぶのは、
鈴木警察行政
に
行き過ぎ
があるという点を一致して述べておりました。これを否定する何らの
意見
も、われわれは聞くことができなか
つたの
であります。 ここにおいて私
ども
四名は、最後の十六日に
大阪市内
の各
新聞記者
立会いのもとに、
大阪市長
、
公分委員
と
大阪市役所
において会見いたしました。しかしてこの三日間における
調査
の結果を見ると、
結論
として
警察
に
行き過ぎ
のある点を述べまして、さりながらこの
解決
の
方法
は、われわれ
調査委員
は、
解決
に來たのでもなければ、糾彈に來たのでもないのであるから、あくまで
自治警察
は自治体においてこの
解決
の道を急いでもらいたい。また各
新聞
が連日にわた
つて
この
事件
を大きく取扱
つて
いる
経過等
を見ても、
大阪府民
が
両日
における
デモ取締り
に対する
騒擾事件
より非常なる不安を抱いておる。すなわち五月一日のメーデーを控えて、またかくのごとき
事件
が起るならば、
大阪市民
の非常なる不幸であると非常に重大視しておるのであるから、捨て置かず、
市当局
、並びに
公安委員
というものがこの
解決
に当るべきであると思う。この点において
警察
の
行き過ぎ等
を十分しんしやくされて、これに善処されんことを私
ども調査委員
四名はこもごも
市長
並びに
公分委員
に申し述べたのであります。それに対して
大阪市長
、
公安委員道
をそろえまして、
國会
の問題までになりまして、
地方行政委員
より
調査團
までの派遣を見たことはまことに恐縮にたえない。ことごとく今お述べにな
つた
点を私
ども
も認める。よ
つて
御忠告によ
つて
、ここ二、三日中にわれわれ
公安委員
と
市長
は協議を開いて、この問題の
解決
に当るので、御安心を願いたいという御あいさつを得た次第でございます。 大体の結果と
結論
は右のような次第であります。なおわれわれが今後
一つ
の残されたる疑問として考えなければなりませんことは、
消防組織法
の第二十四條でございますが、この
消防組織法
の二十四條に基いて、
大阪警察局
と
消防局
というものは、
一つ
の
協定
を行
つて
おるのであります。今度の四月二日における
タンク
を出動せしめて、放水したるところの
法的根拠
は何かということを
調査
いたしてみたのでありますが、
警察当局
は
消防組織法
の二十四條によ
つて
、
タンク
を出動せしめたのではない。これは
消防局
と
警察局
との
協定
に基いたる
職務
の
執行範囲
におけるところの契約によ
つた
と
鈴木局長
は述べております。さりながら
消防組織法
は、明らかにかくのごときことに
消防タンク
を
使用
することを書き連ねておりません。この
消防組織法
に基く両局の
協定
なるものは、
法的根拠
において、かくのごとき
行動
をすることは許されるかどうかということは、残されたわれわれの
一つ
の疑問であり、
研究課題
であるということをわれわれ
調査委員
四名は考えて來た次第であります。 なお
調査資料
としては、
警察局長
の
大阪市民
に配れるところの
警告文
、各
新聞
の切拔き、三月二十七日、四月二日に行われました
大会
当日の写眞数枚、
大阪
市の
警察委員会
と
消防委員会
の
速記録
、
両日大会
の
経過書
、両
主催者
より提出になりましたもの、なお各團体よりわれわれに対する
陳情書
が、三日の間に数通提出されましたので、これらを
調査
の
参考書類
として、この
調査書
につけ加えた次第でございます。 以上簡單でございますが、大体
調査書
に基く大綱の
結論
の御
報告
を申し上げた次第でございます。なお本
委員会
として、右の
報告書
は各
新聞紙上
をにぎわしておりますだけに、重大問題であると思います。また
調査委員
を
地方行政委員会
が、わざわざ
大阪
に派遣したという事柄から考えてみましても、これは
委員長
の方において議長にこの
報告書
を提出され、さらに本
会議
に、この
報告文書
を全員に配りまして、さらに口頭をも
つて
本
会議
に御
報告
をいたしておきたいということを、われわれ
調査委員
四名は
委員長
にお願いいたしておく次第でございます。 以上をもちまして
報告
にかえたいと思います。なお本
報告書
は
丸山調査員
より御朗読になるのでありますが、
速記録
にこれをとどめておく必要があると思いますので、その点もお願いいたします。
生田和平
4
○
生田委員長代理
朗読
はすべて
速記録
にとどめます。それでは
丸山調査員
をして
朗読
いたさせます。 〔
調査員朗読
〕
大阪治安事件調査中間報告書
大阪治安事件
に関する
調査
については後日詳細な
報告書
を提出いたしますが、不取敢別紙の
通り中間報告
を致します。
昭和
二十四年四月二十日
衆議院地方行政委員
菅家
喜六
河原伊三郎
久保田鶴松
立花
敏男
調査員
丸山
稻
地方行政委員長中島守利
殿
大阪治安事件調査報告
去る三月二十七日及び四月二日
大阪
市に惹起した
治安事件
について、
地方行政委員会
から
現地調査
の為
派遣
せられました
委員菅家
、
河原
、
久保田
、
立花
の四名は
丸山調査員
を帶同して四月十三日東京を出発し、同十四、十五、十六日の三日間に亘り
大阪
市に滯在、
両日
の
事件
の直接の
関係者
は固より
大阪
府及び
大阪
市当局
、
大阪
市
公安委員会
、同
警察局
、同
消防局等
について当時の
事情
を詳細に
調査
すると共に
両日
の
事件発生
の
現場
を視察し、更に
大阪
市
会警察委員会
の
審議
の
情況
を
傍聽
、或い各
政党大阪支部幹事長
の会同を求めて
本件
についての政界の
意見
を聽取し或は
新聞報道関係
各
社主脳部
の会合において
一般社会
の
輿論
の動向を伺ふ等、本
事件
の
眞相
を把握し、各
方面
の
本件
に対する
意向
を聽取察知するに遺憾なきを期して出來得る限りの
調査
を為し又各種の
関係資料
を蒐集、十六日午後三時
新聞記者
との
最終会談
を以て
調査
を卒へ、同夜
大阪発
、翌十七日帰京いたしました。
調査
の
具体的内容
即ち
調査箇所
、
調査項目及其
の結果の詳細については
別紙日程
に依る
報告書
に讓りますが
結論
とする処を極めて概括的に申しますれば、
本件
は
大阪
の
治安
上及び
労働運動指導
の面からも極めて遺憾な
不詳事件
であ
つて
今後再びかかる
事件
の起らない樣に
関係当局
は固より
大阪市民
も又充分考慮せねばならぬ所と思います。
調査
に依りますと
市警察当局
の説明と
示威行進
の
責任指導者側
の
言分
との間には、若干の齟齬がありまして、その
原因
或は罪が何れにあるかは遽かに断定はいたし難いのでありますが、
両日
の
大会
後の
市中示威行進
に於て之が
取締り
に当
つた警察
との間に、数ケ所に於て
衝突
があり、為に双方に
負傷者
の出た事は事実であります。 ピストル(拳銃)の
使用
はなか
つたの
でありますが
警棒
の
使用
による打撲、
傷毆打或
は又
プラカード
の
破片等
に因る怪我の為に
流血
の惨を見た事、更に
警察
が
消防
の應援を得、四月二日の
示威行進
の
解散地点
に於て
消防ポンプ
が
放水
した事は事実であります。
鈴木大阪
市
警察局長
は法の
執行
は対象の如何に依
つて
、之を二三にすべきでなく、嚴正公平に法に從ひ之を行
つて
ゐるのであ
つて法規違反
を
制圧
したに止り、決して
労働者
なるが故に之に
彈圧
を加へたわけではなく、亦今回の
処置
は違法とは考えない。
將來
も同じ
方針
で
取締り
に当る積りであり、
消防
の
協力
も促がすし、
放水
もする。
消防
が
協力
を肯んじなければ
警察
自ら
將來
は
タンク自動車
も購入し出動させる。
取締
の
方針
としてはあくまでも法の前には凡てが平等でなければならぬ。さもなくば法の権威や
警察
に対する信頼はなくなる。法を感情を以て考えるのは、
民主主義
ではなく、相手に依
つて取扱
を二三にし、法に幅をもたせる事はいけない。 法を励行する為には多少の
摩擦
があ
つて
も止むを得ぬのである。四月二日の
取締
についても
警察側
が挑発的であ
つた
といふけれ
ども
、寧ろ三月二十七日の例に鑑みて
工夫
をこらし
警察隊員
は目立たぬ所に配置或は待機させ
衝突
の機会を少くしたのであるが、問題の起
つた
場所
に一時多数の
隊員
が集
つたの
で
挑戰的
に見えた処があり、之が為甚だ多数出動した樣に見えられ、非常に誤解されたのである。
消防ポンプ
の
放水
や
警棒
の
使用
も
示威行進隊側
が
法令
乃至指示にも許されていない。
ヂツグザツグ行進
や据り込みを為し、
警察吏員
の制止或は
指導
に從はなか
つた
為に実力行使して、之を
制圧
したまでであ
つて負傷者
は
警察隊員側
にもあるし、
労働者
の
負傷
も
プラカード
の
破片
によるものもあるのである
警察
としては、その
職務執行権
に基いて
不法越軌
の
行動
を
取締つたの
にすぎないと弁明し、或はその
所信
を言明したのであります。然し乍ら一方
人民大会
及び
労働者大会
の
責任者等
の説明する処に依れば、
市警察当局
は必要以上多数の
警備員
を出動配置し或は
消防自動車
まで待機させる等
彈圧
が計画的であり、
行進進路
も狹隘で
解散場所
も適当でなく、
摩擦
を生じ易く、混乱を誘発したのであり、
警察吏員
の
警棒
の
使用
、
挑発毆打
は
行進隊列
を混乱させる
原因
であ
つたの
である。即ち
警察当局
の
態度
は
挑戰的
であり、苛酷であ
つて
為に今回の
負傷者
或は
犠牲者
を生ずるに
至つたの
であり、之一に
鈴木警察局長
の
態度
と
指導方針
とによるものであ
つて
、
労働運動
乃至
民衆運動
に
理解
なく猥りに
警棒
を振
つて流血
の惨を演じ或は
消防ポンプ
を
以つて
、
放水
する等
警察
の暴挙は、到底許し難く一日も早く其の
責任者
たる
局長
の
非違
を
糾彈
し其職を去らしめるべきであると主張して居るのであります。 之を
大阪
市当局
即ち
市長
、
公安委員会
、同
消防局長等
の直接
関係当路者
についてその
意嚮
を訊し、
警察委員会
に表はれた
市会
の
空氣
を洞察し、
事件発生
の
現場
を視察し又
事件
当日の
記録映画
或は寫眞、
其地新聞記事歎願書等
の諸
資料
を点檢し、更に
大阪
市に於ける
政党
各
支部
の
意見
或は
新聞
、
放送等輿論代表機関
の
意嚮
を徴し、之等を綜合判断して得たる結果によれば、今回の
事件
に於いて
警察当局
は法の百パーセント実施或は
違法行為
の初動に於ける
完全鎭圧
の
指導方針
によるものか
法規
の励行に急且嚴であ
つて準備
或は
取締
の実際に於いて相当に行過ぎがあ
つた
かに思はれ、
鈴木警察局長
は
関係
各
方面
とも充分なる
連絡了解
を
遂ぐる
に欠けた所があり、其の
警察行政
は
市民
の完全なる
協力
、
輿論
の
全幅的支持
を得てゐないものと認められるのであります。 即ち四月二日の
大会
に
先たち
、之が
取締方針
について、「
不法越軌
の
行動
を継続する者は
警棒其他
の
方法
に依り
徹底的制圧
を受くること」等四
項目
を含む
デモ行進
に関する
警告文
を発表するについて
警察局長
は
公安委員会
と事前の
了解
なく、又
消防組織法
第二十四條の規定に基いて
警察消防
両
当局
の間に
相互協力
に関する
協定
を結んでゐるのでありますが、その
警察消防應援協定
の成立乃至四月二日
消防隊
の
出勤要請
についても手続或は
執行
に於いて
関係者
との間に完全な
了解
と円滑な発動を見てゐないのであります。 何故に
大阪
にかかる
事件
が起
つた
か、固より
示威行進隊
の側に於いても自粛すべきものがあ
つた
であらうし又其の他の
原因
もあ
つた
でありませうが
鈴木局長
の人其物即ち彼の
取締方針
と
態度
が與
つて
力ありといふことは多くの
人々
の
異口同音
に認める所であり本
調査團
も
かく
看取したのであります。即ち
局長
は法の
執行
に嚴であり自己の
所信
には信念的に堅持する所があるとしてもその
態度
に独善的高踏的なものがあ
つて
その
所信
を充分に
関係方面
なり
輿論
或は
市民
に徹底納得させるだけの用意を欠いてゐると思はれます。
市会
の
警察委員会
に於ける
本件審議
の
情況
より察すれば市の
輿論
、
市民代表
の
局長糾彈
の
空氣
は
峻嚴
であ
つて局長
の
警察行政
は
一般市民
の
協力
を得てゐないものと認められます。即ち今回の
事件
に於いて
警察
は明かに
法規違反
を為したとは断定し難く又市の
警察委員会
も
かく
認定はしておらぬけれ
ども
局長
の
態度
に対しては不満と不信の色濃く
警察
が行過ぎを為したものとして
將來
に向
つて
善処しようとしてゐる
模樣
であります。
政党
各
支部
の
意向
としては
民主党
が
警察局長
の
非違
乃至進退について現在
中立白紙
の
態度
であるの
外他
は凡て或は從前より
局長
の
経済事犯取締
の
峻嚴
なる嚴罰主義に怨嗟の声を放ち或は
労働運動
に対する無
理解
を痛罵し其
糾彈
を続けようといふに一致して居ります。又
新聞放送等報導関係
に於いては独り一
有力紙幹部
が
取締
の技術はとも
角警察
が違法の
行為
をなしたとはいへず、從來の
経済取締
に対する反感と結合して
局長
を彈劾し政治的に之を
取扱
ふことは注意すべきだとの
自重説
をのべた
外他
は殆んど一致して当日の
警察側
の
取締り
の苛酷であ
つた
こととその行過ぎを認めまだ違法とは認められるまでには至
つて
ゐないが
取締り
には尚
工夫
があるべきである、当日の
警察
の
態度
には挑発的な所があり
勤労者
に対する思いやりがなく其
取締
は強圧的であ
つた
、
鈴木局長
が退職して貰ひ度いといふのは
輿論
であるといふ
意向
であ
つたの
であります。 以上各般の事実を綜合して考へますとき、固より本
調査團
の各
委員
は各その見る所に差違はありましても、その共通する処は今回の
事件
に於いて
大阪
市警察当局
に於いて
取締
の
態度
方法
に遺憾の点がありたとへ明白なる
法規違反
はないとしても妥当を欠き行過ぎを為したことを認めないわけにゆかないのであります。例へば
示威行進
の進路の選定は必ずしも
警察当局
の思ふに任せぬ
事情
もあ
つた
でありませうがあまりにも狹い街路線が選ばれてゐたり又屈曲が多くして轉回点に於いて
衝突
を招き易く、或は誤導による折返しもあり、警戒を嚴重にして多少の動搖にも
警棒
の
使用
或は警戒車の威圧等によ
つて
可成
示威行進
体に刺激を與へたかに見うけられますし
警棒
の
使用
によ
つて流血
を見、
消防
車によ
つて
放水
したことは実に遺憾であります。 如何に法を正確に遵守、嚴正公平に
執行
し励行しようとも、民主
警察
の実を挙げる為にはよく相手の
理解
を得、納得のゆくような
態度
を以て
工夫
をこらして
警察
権の実行に当らねばなりません。
大阪市民
の
警察
である自治体
警察
に於いては
市民
各層の
協力
援助なくしては
警察行政
の円満な運行を計りその目的を達することが出來ないことは明らかであります。
鈴木警察局長
が從來一般
警察行政
に対して採
つて
來た
態度
方針
及び今回の
取締
の実際について見る時、今回の
事件
の発生も又故なしとは思はれぬのでありまして此点については
局長
は
警察側
の違法は固より行過ぎも認めず
彈圧
どころか寧ろ
警察
が被害者であ
つて
相手方の今後の自粛を求め度いとい
つて
ゐる位で固より
局長
自らの
方針
の非は認めず自己の責任は問題としてゐないのでありますが、
鈴木局長
自らこの点に関して再省三思すべきものがあると思ふのであります。抑も本
調査團
は現地に於て
事件
の
眞相
を
調査
し合せて彼地の各
方面
の
意嚮
と
輿論
を察知いたしまして本
事件
の
解決
或は
関係
法規
の改善等について
國会
としても為すべき事がありますれば其の参考と致すべく地方行政に関する國政
調査
の為に之が
調査
に当
つたの
であ
つて
、直接に地方の自治行政の
内容
に干渉して当該
事件
の黒白を決し
事件
の
解決
に当らうとするものでないことは固より云ふまでもありません。
事件
当日の
負傷者
側からは
警察
の職権濫用傷害を理由として
鈴木警察局長
を相手どり告訴をいたしてをりますが之は檢察と司法の問題であ
つて
本
調査
の干與すべきことでないことは之又いふまでもありません。それ故本
事件
は司法上の
関係
は別としてそれ自身、
大阪
市自治体
警察
の問題であ
つて
先づ第一に直接の所管
責任者
として
大阪
市
公安委員会
がその
解決
に当るべきであり又
消防
との関連に於ても
大阪市長
も関心を有つべきであります。それ故
調査團
の各
委員
は現地に於て得たる所により、又
輿論
の動向に察し
鈴木警察局長
が
態度
を改めずして其職に止ることの適当でないように思はれるのでありますが、
局長
自身に対しては、
將來
民主
警察
の実を挙げる為に充分なる反省と考慮を要望する所があり、又
大阪市長
及び
公安委員会
に対しても之と最後の正式会見の際右の趣旨を説明して希望を述べたのであります。労働
團体
は固より、府及び市の
関係
各当路者は一樣に今回の
事件
に鑑み近くに迫
つた
メーデーの
取締
に対し重大関心を寄せ心配をして居るのでありますが、之に対し
市長
及び
公安委員会
に於ては近きメーデーにそなへ
関係
各
方面
当事者とも協議して万全の策を立て遺憾なきを期し度、又今回の
事件
についても深甚の考慮を拂
つて
をり出來るだけ早く
解決
する樣努力するが、
市民
の声をきき
市民
の納得の行く樣にするのが民主
警察
だから何れにしても
市民代表
としての
市会
の
空氣
によ
つて
善処したいと思ふ旨の挨拶があ
つたの
であります。 本
調査團
が現地に於て
調査
した事実及びと
つた
処置
は大樣以上のようなものでありますが、
本件
については
関係
法規
に若干研究を要すものがあらうかと思ひます。 即ち
警察当局
が
法規
に基いて
不法越軌
の
行動
を正当なる
職務
執行
の権限内で
取締
を行
つた
といふその根拠諸
法令
或は規則、及至
協定
等が其れ自体に欠陷或は疑義がないかどうか又その解釈運用に於て誤がなか
つた
かどうかといふ点であります。 その第一点は
消防組織法
第二十四條の規定による
警察
と
消防
との
協力
が此種大衆運動の
取締
にも及ぶか否かの点であり、從
つて
消防組織法
の此の規定に基いて
大阪
市
警察
並びに
消防
両
当局
間に結ばれた
協定
が正当であるかといふことであります。 第二点は相当に嚴重な罰則を附した此種運動を
取締
る為の
昭和
二十三年
大阪
市條例第七十七号
行進
及び示威運動に関する條例及びその運用の適否であります。 第三点は
警察
官等
職務
執行
法第四條及び第七條の実際の解釈及び適用に誤がなか
つた
かどうかであります。 第四点は
大阪
市警察当局
の
警棒
取扱
要綱中の使棒
方法
の適否及びその運用如何の問題であります。 第五点は四月二日の
示威行進
等の
取締
に関して
大阪
市
警察局長
が発した警告中に掲げられた四
項目
の
取締方針
中の第一項「
警棒
其の他の
方法
に依り徹底的な
制圧
を受くること」といふは果して妥当であるか否かといふことであります。 之等の諸点は充分今後研究を要するものがあると思ふのであります。 本
調査
に基きその結果を如何に処理するかは本
委員会
の決定いたすべきことと思ひますから然るべく充分
審議
される樣希望いたします。 尚今回の
調査
については後日
関係
文書並びに参考
資料
をそへて詳細な
報告書
を提出いたしますが取り敢えずここに以上を以て中間
報告
といたす次第であります。
生田和平
5
○
生田委員長代理
ただいま
派遣委員
よりの
報告
及び
丸山調査員
の
朗読
を聽取したのでありますが、本
委員会
としては、以上の
報告
を承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
生田和平
6
○
生田委員長代理
御異議ないと認めます。 次にお諮りいたしますが、
本件
はきわめて重要であり、その
眞相
を公表いたした方がよろしいと存じます。よ
つて
本
委員会
としては、
警察
制度に関する國政
調査
をなすように議長の承認を得ております。その一環として、
大阪
市における
デモ取締り
に関する
事件
調査報告書
を議長に提出いたしたいと存じます。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
生田和平
7
○
生田委員長代理
御異議なしと認めさようとりはからいます。なお右議長宛
報告書
の作製その地については、
委員長
に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
生田和平
8
○
生田委員長代理
御異議ないと認め、さようとりはからいます。
立花敏男
9
○
立花
委員
幸い國警の長官が來ておられますので、この問題に関連してお伺いいたしたい点があるのですが、よろしゆうございますか。
生田和平
10
○
生田委員長代理
よろしゆうございます。
立花敏男
11
○
立花
委員
重大な問題だと思うのですが、実はこの問題を最初この
委員会
へ提案いたしまして、國警の長官に
調査
方を依頼いたしまして、國警の方から
調査
の
報告書
をいただいております。これにつきまして私
たち
はこの國警から提出されました
調査報告書
は相当権威があり、事実を
報告
されておるものと考えまして、 〔
生田委員長代理
退席、
委員長
着席〕 これに基きまして、
大阪
に参りまして
鈴木警察局長
にただしましたところが、これには
鈴木警察局長
は責任が持てないという言葉を聞いたのであります。國警からお出しになりました書類には、明らかに
大阪
市
警察局
という署名が入
つて
おりまして、長官の当日のお答えの中でも、
大阪
と電話で
連絡
をして
報告
したのだということをおつしや
つたの
でありますが、当の
鈴木警察局長
は、これは全然責任がない、
内容
においても責任が持てないということを言
つて
おりますので、その点を御答弁願いたいと思います。
斎藤昇
12
○斎藤(昇)政府
委員
先般お取次いたしました
大阪
市
警察局
からの
報告書
は、私の方で調べた調書とか
報告書
ではなくて、
大阪
市
警察
自身の
報告書
を、そのままお取次いたしたのであります。しかしてただいま
立花
委員
から、
大阪
市の
警察局長
は、この
報告書
について責任を持たないというお話がありましたが、私の方としましては、
大阪
市の
警察局
から、公文書を添えて
報告
をもら
つたの
でありまして、そのままこちらにお取次をいたしたのであります。從いまして
大阪
市の
警察局長
の申しますのは、どういう意味かわかりませんが、
自分
が留守中に部下がつく
つた
報告書
だという意味でありますか、その点はわかりませんが、いずれにいたしましても、
大阪
市
警察局
の名前で、
警察局
から
報告
をもら
つて
おるのでありますから、その点申し上げておきます。
立花敏男
13
○
立花
委員
これは非常に重要な問題だと思うのです。そういうふうに私
たち
も
了解
いたしまして國警の方から責任をも
つて
大阪
の
警察局
と
連絡
をと
つて
お出しくださ
つた
ものだろうと思
つて
おりまして、これに基きまして
大阪警察局長
にただしましたところ、
内容
には責任が持てない。全体としても責任が持てないということをはつきり申しておりますので、一度
鈴木警察局長
に御
連絡
願いたいと思います。とに
かく
内容
におきましても、さいぜん
菅家委員
の方から申し上げました、
デモ行進
の狹隘なところを通らないこと、あるいは
解散場所
の指定、それが主催
團体
で任意に選んだということに対しましても、明らかに
團体
側と
局長
側に
意見
の食い違いがありますが、私
たち
が両方に聞きました上で判断いたしたところによりましても、
局長
の方が明らかに事実を曲げておるというところがあります。これは
報告書
と明らかに違
つて
おるところがあるのであります。こうな
つて
参りますと、政府から提出していただいた
報告書
が、何ら権威のないものということになりまして、今後
委員会
といたしましても、非常に
審議
の進行上困ることになると思いますので、嚴重にこの点
調査
願いたいと思います。 なおその他の点につきまして、多少この
報告書
をミス・プリントだと言
つて
、
局長
みずから訂正したところもありますので、そういう点もお含みの上御
調査
くださいまして、もし
鈴木局長
がこの
内容
なり文書全体に責任が持てないというならば、明らかにこのこと自体が、國警の政府を軽んじ、あるいは
地方行政委員会
、あるいは
國会
全般に対する彼の不信
行為
であると思われますので、嚴重に御
調査
願いたいと思います。
菅家喜六
14
○
菅家委員
ただいまの問題でちよつとお尋ねしておきたいと思います。先般御提出を願いました
大阪
市警察当局
の、あの印刷物の当時の御説明には、電話をも
つて
大阪
市警察当局
に聞いて、その
報告
文をこちらで作成したというようなお話に承
つて
お
つたの
でありますが、あの文書そのものは
大阪
市の
当局
で作成された公文書でありますか、その点をはつきりしていただきたいと思います。
斎藤昇
15
○斎藤(昇)政府
委員
電話で
報告
をこちらに出すようにという
連絡
をしたのであります。そして
報告書
は向うで印刷されて、それを向うが持
つて
参りました。公文書をつけて持
つて
参
つたの
であります。こちらの方で書いたものではないのであります。電話といいますのは、こちらから、こちらの
委員会
でこういう要求があるから、特にこれこれの点について詳細に調べて
報告
をしてくれるようにとい
つて
、電話でその旨を
連絡
したのであります。
報告書
は向うでつく
つて
、向うで印刷して、そしてこちらに持
つて
参
つたの
であります。
大阪
市が私の方に持
つて
参
つたの
であります。
菅家喜六
16
○
菅家委員
そういたしますと、今
立花
委員
から言われました
通り
、これは非常に重大な問題になります。われわれ
調査團
一行は、あの文書に基いて質問をいたしましたところが、この文書はいかなる所にも発表したことがない。こういう文書を出したことがない。もちろんこの文書による質問その他は、われわれの責任の存せざるところであるとはつきり言いまして、あの文書をことごとく否定されたのであります。私はその当時これは電話で照会にな
つた
事件
を國警の方で印刷されたものかと思いまして、それ以上追究、
糾彈
に行
つたの
ではないのでありますから、一應向うの話をそのまま了承して來たのであります。今承りますと、
大阪
市警察当局
が作成したる文書であ
つて
、しかもそれは印刷文書をこちらへ公文書で持
つて
來たと言いますと、われわれ行政
委員会
の正式な、衆議院規則五十五條等に基くところの
調査團
に、
大阪
市
警察
というものは虚偽な申立てをしたという結果になろうかと思います。その点はつきり國警の方より、なお
大阪
市当局
の方に御照会になりまして、本
委員会
に御
報告
を願いたいと思います。
斎藤昇
17
○斎藤(昇)政府
委員
なお照会をいたしますが、ここにおります私の方の警備部長が、
大阪
の公安一課長から直接その公文書を受取
つたの
であります。ここにおりますから証明をいたします。
久保田鶴松
18
○
久保田委員
今
立花
委員
と
菅家委員
からお話がございましたが、いろいろ両
委員
から話されましたようななまやさしい
鈴木局長
の話ではなか
つたの
です。それからこうい
つた
ようなものをも
つて
われわれに話をするなら、國警の方には何ら通知もしてやらぬ。またこういう
連絡
もと
つて
やらぬ。こういう言葉でありました。しかも
委員会
に國警の方からこれを公文書として出されまして、この公文書に基きましてわれわれはいろいろ話をいたしましたのに対しまして、
立花
委員
と
菅家委員
の話の中に食い違いがございます。というのは、電話によ
つて
というお話がございましたが、多少電話であるならそういう行き違いもあ
つたの
かなというような、われわれの考え方もあ
つた
わけであります。ところが今伺いますればそうでない。
大阪
市警から出されたその
報告書
、それが
委員会
に出されて公文書としていただいた。それを持
つて
大阪
に参りました場合に、これが問題とされない。されないどころかもうこれから國警には何らの
連絡
も
資料
も與えてやらぬ。こういうような言葉を使われてお
つたの
であります。われわれはこの場合ははつきりいたしませんので——そのはつきりしないということは、電話であ
つた
か、あるいは
大阪
市の方でつく
つて
出した書類であるかということが、はつきりしなか
つた
というような点もあ
つた
わけであります。これからわれわれがいろいろの面にわたりまして
調査
に行く場合、公文書として出されて、それがこういうような場合であ
つた
ら困ると思う。一應われわれの方に出された書類は公文書でございますから、また
委員会
としてわれわれが公務を帶びて
調査
に参
つて
おりますにもかかわらず、そういうような行き違いの場合には非常に困る。そういう点は今後におきましてもはつきりしておいてもらいたい。われわれは今話を伺いまして、これは
大阪
市警から出された書類であ
つて
、はつきりした公文書ということにな
つて
おりますけれ
ども
、市の方に参りましたら今のような行き違いがございましたので、今後そういうことのないようにお願いしたいと思うのであります。
立花敏男
19
○
立花
委員
この際これと直接関連がありませんが、本質的に関連があると思いますので、もう
一つ
長官にお尋ねしたいと思うのであります。これはこの間内閣とこちらとの合同審査会でも緊急質問しましたが、この問題の
鈴木局長
が、
大阪
のあの公安條例を出しまして、二、三日して撤回をいたしまして汚名を残しましたあの公安條例、それの燒直しが現在市條例とな
つて
残
つて
いるのでありますが、その市條例をモデルにいたしまして、
大阪
府の地方課が、
大阪
府下の全都市の
市長
、
公安委員
、
警察
委員
を招集いたしまして、十九日に会合をいたしまして、いわゆる
大阪
公安條例をモデルにいたしまして、二十七日までに各都市で公安條例をつくれという指令を與えております。これは明らかに地方自治体の自治を踏みにじるものであり、地方自治の侵害であると思いますが、この問題に関しまして長官から御
意見
を承りたいと思います。
斎藤昇
20
○斎藤(昇)政府
委員
ただいまのお話は私初めて承
つたの
でありますが、
大阪
府の地方課でそういうことをや
つて
おるというのですか。
立花敏男
21
○
立花
委員
そうです。
斎藤昇
22
○斎藤(昇)政府
委員
これは地方課は御承知のように知事の下にありますので、どういう考えでやりましたか私の方は直接聞いておりませんし、私の方で答弁するのは適当でなかろうと思います。
立花敏男
23
○
立花
委員
これは單に私がさいぜん申し上げました
大阪
の知事の所管に属する一地方課の出來事であれば、
局長
にお尋ねすることもないかと思うのでありますが、実は石川縣におきましては縣の公安條例が、やはりこれも四月末日を期しまして、メーデー対策として、強行的に公安條例を通過させようとする意図が
報告
されております。全國各府縣各都市でこの形が出て参ろうとしておるのでありますが、特に
大阪
におきましては典型的に、こういう東條軍閥下でも見られなか
つた
ような、一地方課が、各都市の市廳に
公安委員
を集めて、モデルを見せ、日を切りまして、二十一日までに通過さすという、こういう形は國家
治安
の上から行きましても、あるいは國家全体として見ましたところの
警察行政
の上から見ましても、看過することができないのであります。一知事の所管とかそういう問題を離れまして、これは読賣の社説にも取上げておりましたから御存じだと思うのでありますが、すでに一地方、一部分の問題を離れまして、國家全体の
警察行政
の問題、あるいは公安條例の問題にな
つて
來ておるのではないかと思いますので、もし長官の方でこの事実をお知りにならず、あるいは対策をお持ちでないならば、今後十分
調査
の上、愼重な
態度
をも
つて
臨んでいただきたい。私この間は自治課の方に
報告
を求めておきましたが、もし長官の方で
調査
できましたならば御
報告
願いたいと思います。
久保田鶴松
24
○
久保田委員
先ほど公文書としていただきまして参りましたと申しましたが、それについて國警の方で、それを出せとか、
報告
せいということを
大阪
の
警察
の方に言われまして、鈴木さんの言われるように、そんなかわ
つた
ものを持
つて
來て文句言うのなら、あるいは聞くのなら、これから國警の方に出してやらぬ、あるいは
報告
してやらぬ、
連絡
してやらぬ、こう言われた場合、國警としてそれを出せと言うことはできないですか。また自治体
警察
としてこれは國警に
報告
せぬでもいい、出さぬでもいい、拒めば出さぬでもいいものですか、この点はつきり伺いたい。
斎藤昇
25
○斎藤(昇)政府
委員
ああいうような
報告書
は、もし自治体
警察
が出さないとい
つて
拒めば、私の方は出させる法律上の
方法
はありません。出さないと言えばそれきりでございます。 —————————————
中島守利
26
○
中島
委員長
それではこれより
請願
の審査に入ります。三月二十六日、四月二日及び四月八日にそれぞれ本
委員会
に付託されました
請願
十一件を議題といたします。日程第一、第二、第三、第四、第八、第九、この
請願
は同一趣旨であります。
町村吏員恩給組合
に対する
國庫補助増額
の
請願
、同じ趣旨でありますから、これを一括して議題といたします。
紹介
議員が多いのでありますが、どなたも御出席にな
つて
おりません。代理説明を聽取いたします。川西君。
川西清
27
○川西
委員
紹介
議員が御出席でありませんので、かわ
つて
御説明申し上げます。
町村吏員恩給組合
に対する國庫補助金増額方の
請願
書であります。趣旨を申し上げます。町村吏員にも他の官公吏教職員同樣の恩給増額を、
昭和
二十三年七月より実施し得るよう、町村吏員恩給に対する國庫補助金を増額し、また
町村吏員恩給組合
の事務費にも、國庫補助の道を講ぜられたく謹んで
請願
申し上げます。 理由を
簡單
に申し上げます。
昭和
十八年三月内務大臣の命により、町村吏員恩給制度整備要項に基き、全國都道府縣各町村において都道府縣單位に
町村吏員恩給組合
を設置し、町村吏員に対し、おおむね官吏に準じた恩給制度を実施し、これが財源については吏員納付金、町村納付金、縣補助金、國庫補助金を充て、事務費については町村分賦金と補助金をも
つて
、ようやくにしてその運営を維持して來ましたところ、
昭和
二十二年度以來、國庫補助金中には、逐年インフレのため人件費、物件費の高騰に基く増嵩をまかなう部分が認められていなか
つた
ため、運営が困難を加えて來ておる現状であります。なお今回恩給法臨時特例の制定により、官吏の恩給が十二倍ないし二十六倍に増額せられましたので、町村吏員の恩給も同樣に増額の必要に迫られたのでありますが、これが財源措置といたしましては、菲薄な待遇にある町村吏員、財政の窮乏せる町村の納付金の増額については、とうてい多くを期待し得ない実情にあります。なお近時地方
自治警察
職員その他町村経常的経済に属する吏員も相当増加しており、國家出先行政機関の増加に伴いまして、諸般の事務もまた非常に増加しておるのであります。つきましてはその重責と待遇などについて、右実情を十分御賢察の上、國においては町村吏員に対しても、他の官公吏、教職員同樣の恩給増額を、
昭和
二十三年七月以降実施し得るよう、
町村吏員恩給組合
國庫補助金を増額し、また財政難にあえぐ組合の事務費に対しましても、國庫補助金支出の道を講じ、も
つて
町村吏員をしてその任務の遂行に專念し、地方自治の振興に、日本の再建に寄與せしめたいのであります。これが理由であります。何とぞ御採択あらんことをお願いいたします。
中島守利
28
○
中島
委員長
次に政府側の
意見
をお聞きいたします。——政府側は自治課の担任で、ただいま出席がないそうであります。この恩給問題は相当な考慮を煩わさなければ、これが
解決
は現在ではむずかしいと思いますから、これは政府の御
意見
を聞かないで、このまま採択して、内閣に送付することにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中島守利
29
○
中島
委員長
御異議なければさように決定いたします。 —————————————
中島守利
30
○
中島
委員長
次に第七、
地方公共團体
の
國家委任事務費全額國庫負
担等に関する
請願
、文書表第一六二号を議題といたします。
河口陽一
君。
河口陽一
31
○
河口陽一
君 國の事務及び國と
地方公共團体
の事務に要する経費負担等に関する
請願
について、まずその要旨を申し上げます。
地方公共團体
が処理する事務のうち、主として國に利害
関係
のある事務に要する経費は、全額國庫が負担し、かつ経費支出時期以前に交付せられるとともに、地方財政法による負担区分の追加規定をすみやかに措置せられんことを要望する次第であります。 その理由といたしまして、
地方公共團体
が処理する事務のうち、主として國の利害に
関係
のある事務に要する経費は、社会通念上、当然國庫が負担すべきものであるにもかかわらず、從來制度上明確を欠いていたので、
昭和
二十三年、法律第百九号をも
つて
地方財政法を公布し、同法第十條及び第十八條をも
つて
、國庫がその全額を負担すべきことを明定し、かつその負担額は、同法第十九條により経費支出時期以前に交付すべきものと規定せられあるにもかかわらず、別表のごとく、政府は本市が、
昭和
二十三年度において、すでに支出し、または現に支出しつつある経費で、いまだ交付額を決定しないもの、あるいはすでに交付額を決定したが、その所要額の著しく不足するものがあるははなはだ遺憾である。地方財政は今や極度の窮迫を告げ、まさに瀕死の状態にあるのであ
つて
、これを拔本的に矯正し、その健全性を確保すべく制定せられた地方財政法の規定により、國庫の義務に属する負担は、政府みずから率先実行せられんことを要望するものである。 次に地方財政法に明確を欠いているものに左のごとき事務がある。戸籍事務、馬籍事務、選挙管理
委員会
の事務、行旅病人、同死亡人及び精神病者看護事務、海外からの引揚及び復員者に関する事務、民生
委員会
の事務、これらの事務は、國と
地方公共團体
相互に利害
関係
あるものと認められるをも
つて
、すみやかに地方財政法に追加規定せられんことを要望するものであるという、北海道留萠市議
会議
長伊佐津和平氏の
請願
であります。 なおこの機会に申し上げておくことは、いまだ交付額を決定しないものとして、1、物資及び物價の統制に要する経費、2、食糧薪炭その地生活必需品の供出に要する経費、3、農地
関係
の調整に要する経費、4、國の計画により行う開拓に要する経費、二、すでに交付額を決定したが、所要額の著しく不足するもの、1、
國会
議員の選挙及び國民投票に要する経費、2、國の統計事務に要する経費等があります。よろしく御
審議
の上御採択あらんことをお願いする次第であります。なお別表は省略いたします。
中島守利
32
○
中島
委員長
政府側の
意見
を聽取いたします。
荻田保
33
○荻田政府
委員
ただいまの
請願
の趣旨は、地方財政上まことにもつともな
請願
でありまして、政府といたしまして二十三年に法律をつく
つたの
でありますが、必ずしもその法律
通り
実行されていないというような点があるようでございまして、この点われわれとしまして、非常に遺憾に思
つて
おるのであります。この点は至急政府部内において
連絡
いたしまして、改めて地方財政法
通り
施行されるように努力いたしたいと思います。なお地方財政法自体に対しまして、追加
改正
を要する
項目
が数
項目
掲げられたようでございますが、この点につきましても、中にはもつともな点もございまして、われわれの方で研究いたしている点もございますので、至急この点についても
解決
をはかりたいと思います。
中島守利
34
○
中島
委員長
本
請願
はこれを採択いたしまして、内閣に送付することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中島守利
35
○
中島
委員長
御異議なしと認めまして、さように決定いたします。 —————————————
中島守利
36
○
中島
委員長
次に日程第六、
地方債
の
償還期限延長
及び
利率引下
に関する
請願
、
足鹿覺
君
紹介
、文書表第一一三号を議題に供します。
紹介
議員
足鹿
君。
足鹿覺
37
○
足鹿
委員
まず
請願
の趣旨を申し上げます。今回政府においては、政府資金の貸付について、償還期限の短縮と利率の引上げを実施せられましたが、この措置は極度の財政窮乏にあえぐ地方自治体の苦悩にますます拍車をかけるもので、
市民
福祉のために行う自治体の事業を、実施不可能に陷れるものであります。平和民主國家の建設は、地方分権の強化なくしては達せられないということは、もはや何人も異論のないところでありまするが、地方財政の確立なくしては、地方分権の強化はあり得ません。願わくは自治体の財政の現状を御賢察くださいまして、すみやかに起債償還期限の延長並びに
利率引下
げの方途をお講じくださいますよう市議会の議決を経て特にお願いいたします。 以上が提案の趣旨でありますが、以下理由について、申し上げたいと存じます。米子市の問題でありますが、單にこれは米子市のみの問題ではなくして、地方自治体全体の問題であろうと存じます。例を米子市にと
つて
御説明申し上げたいと存ずるのであります。すなわち米子市の
昭和
二十三年度の起債計画は別表の
通り
でありまして、都市計画、街路事業を除く事業については、地方財政
委員会
の承認を経て起債も許可済みであります。また一方事業面におきましても、預金部の短期資金等の借入れによ
つて
、着々工事完成に進みつつある現状であります。かかるときにあたり償還期限の短縮及び利率の引上げを一方的に実施せられることは、それでなくても財政窮乏にあえぐ自治体の財政は一頓挫を來し、
市民
福祉のために行う自治体の事業は実施不能なる結果になります。以下事業別に申し上げまするならば、一、庶民住宅建設事業につきましては、本年度は八十戸建設、これに対する起債は四百二十七万五千円でありますが、これは今回の償還期限の短縮及び利子の引上げによ
つて
計算すれば、この元利償還所要額は年約百十万円となり、これを家賃をも
つて
償還することになれば、一戸当りの家賃は月千百四十円ということになり、この維持、修繕費並びに火災保險料を見ることになれば、さらに莫大な家賃とな
つて
、これをも
つて
惠まれざる引揚者、戰災者その他一般
勤労者
のためにつくる庶民住宅とは言い得ないことになり、彼らを苦しめることとなり、ひいては自治体の住宅行政も成立し得ない結果になるのであります。二、水道拡張事業につきましては、現在本市給水状態より考え、絶対に不可避的、かつ急施を要する工事でございます。しかも本市水道は特別会計であ
つて
、独立採算の原則に基き、かつまた一般会計の財政需要面から、一般会計よりの繰入れも予期できない状態でありまして、償還財源としては、もつぱら
使用
料にまたざるを得ないのであります。実に本市現在の
使用
料は、
一般社会
通念よりいたしまして、その極点に達したるものと考えられるのでありまして、値上げの余地なき現状であります。償還期限の短縮並びに利率引上げによる一箇年の償還所要額は、二百万円にも達することになり、予算総額六百五十五万円に対し、約三分の一の額にも達するのであります。なお本事業は継続事業である
関係
上、二十四年度においても五百五十万円程度の起債が予想せられ、二十五年度以降の償還所要額は、年三百七十万円程度にも達するのであります。しかも前述のごとく、これがためこの際さらに給水
使用
料の引上げを行うことは、とうてい不可能と考えられるのであります。從
つて
借入金の償還はま
つた
く頓挫せざるを得ない状態に陷るのであります。三、新制中学校建設設備事業費及び小学校建築整備事業費につきましても、新学制の実施に伴い、一度に、しかも急にこの設備をしなければならぬために、本年度の起債総額は、千八十四万円でありまして、償還期限短縮及び利率引上げによる償還所要額は、年約二百七十万円を要し、さらに二十四年度は、引続き新学制実施に伴う新制中学校建築整備費、及び小学校の災害復旧事業費の起債総額の四千百二十五万円程度が予想せられ、二十五、二十六の各年度とも、新学制実施に伴う建築整備費起債額は、二十四年度とほぼ同額程度となる予定であります。從
つて
これに伴う償還所要額は、年々増加の一途をたどり、遂にすべての事業を打切り、財源の大半をその償還に充てなければならぬ結果が招來し、地方財政はまことに身動きならぬ結果となることは火を見るよりも明らかであります。 以上の項を追
つて
本市の実情について、引例いたしたのでありますが、この問題は決して單なる米子市の問題ではなくして、全國の地方自治体にと
つて
の大問題であることは申すまでもありません。すなわち償還期限の短縮、並びに利率の引上げの政策は、窮乏にあえぐ地方財政をいよいよ窮地に追い込むべく、拍車をかける以外の何ものでもなく、惡政この上もないのであります。地方自治体をして、破滅に陷れて、どこに國家の進展があり、國民の幸福が期待できましよう。すみやかに償還期限の延長と利率の引下げを断行し、一日も早く地方財政の救済をはかるべきことを至当とするのであります。この引例しました別表につきましては、省略いたします。 以上の趣旨並びに理由に基きまして御採択を煩わしたいと存ずる次第であります。
中島守利
38
○
中島
委員長
日程第六、
地方債
の
償還期限延長
及び
利率引下
に関する
請願
は、非常に重要な問題でありますので、政府の
意見
も聽取したいのであります。それで
委員長
としては、本日はこれくらいにいたしまして、この次の常任
委員会
のときに政府の出席を求めてこれに対する所見を聞いて、採決いたしたいと考えますが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中島守利
39
○
中島
委員長
それではそういうことにとりはからいます。 なおその他第五、第一〇、第一一が残
つて
おるのでありますが、これは次の
委員会
に讓りまして、本日は一時半から内閣
委員会
との連合審査会がありますので、これで散会いたしたいと考えるのでありますが、いかがでありましようか。
立花敏男
40
○
立花
委員
合同審査会の問題でありますが、地方自治廳の問題は非常に重要だと考えますので、聞くところによりますと、きようで打切るというような話があるのですが、ああいう形のお座なりのような審査会じやなしに、もつと実質的にや
つて
もらいたい。これは内閣
委員会
よりもむしろこちらの方がほとんど恒久的な
関係
のある問題だと思いますので、もう少し愼重に、また期間をかけてや
つて
いただいたらどうかと思います。
中島守利
41
○
中島
委員長
内閣
委員長
としては、きようは質問の大体を終りたいということを申しておりまして、打切るまでに行
つて
おりません。 それから当
委員会
としましては、この自治廳設置法案は非常に重要な問題でありますから、この次の
委員会
にはお互いに研究しまして、これをいかに
処置
するかということをきめたいと思うのであります。そういう順序にはかりたいと思いますから御承知を願います。 本日はこれで散会いたします。 午後零時五十八分散会